説明

自転車用靴底

【目的】足の裏面特に足の硬い部分の形態に合わせた曲面を与えながら軽くてエネルギー伝達効率が高く踏込み力が即座に自転車のペダルに伝達され即応性がよく低コストにする。
【構成】繊維強化樹脂が用いられ概ね均一な厚さで一体に板状に成形された板状体1には、土踏まずより前方に位置し親指の後方に位置する親指関節位置の凸状体に沿うように形成された第1凹面4を有する第1凹状形成部分5と、土踏まずより前方に位置し小指の後方に位置する小指関節位置の凸状体に沿うように形成された第2凹面6を有する第2凹状形成部分7とが形成され、後方部分1Bはほぼ平坦であり、板状体1は実質的に固体である。硬く均一な厚みの単一体により、高効率に伝達速度が速く、靴は軽い。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自転車用靴底に関する。更に詳しくは、自転車のペダルに足の踏み力が素速く伝達されその伝達効率が高くなるように改良された自転車用靴底に関する。
【0002】
【従来の技術】自転車用靴は、足の踏み力が素速くペダルに伝達されその伝達効率が高いことが望まれてきた。このような要望に対して、過去には、靴底芯体のために硬い材質を用いることにより対処してきた。例えば、硬く強い材料としてナイロン等が選択されてきた。射出成形が可能であるからコストを下げることができるナイロンは、弾力性に富むために靴底芯体が変形しやすい。このため、足の踏込みエネルギーが弾性変形、塑性変形のために消費され、必ずしもエエネルギー効率がよい材料とはいえない。
【0003】踏込みエネルギーの高効率伝達のためには、足の裏面などの形状に合わせられた踏み面に靴底芯体が形成されていることが好ましい。このような曲面状に形成された靴底芯体は、逆に、変形しやすいから自己矛盾に陥る。この矛盾を回避するために、曲面形状に形成された部分の肉厚を厚くすることが行われていた。肉厚を厚くすると、軽くなければならない自転車用靴が重くなるという問題が発生していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような2重の矛盾を解決することが望まれている。更に、競技用自転車靴においては、エネルギー伝達効率が高いだけでなく伝達速度が速いことも、もう1つの重要な課題になっている。
【0005】本発明はこのような技術的背景に基づいてなされたものであり、下記のような目的を達成する。
【0006】本発明の目的は、軽くてエネルギー伝達効率が高い自転車用靴底を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、足の裏面特に足の硬い部分の形態に合わせた曲面を与えながら軽くてエネルギー伝達効率が高い自転車用靴底を提供することにある。
【0008】本発明の更に他の目的は、踏込み力が即座に自転車のペダルに伝達され即応性がよい自転車用靴底を提供することにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、踏込み力が即座に自転車のペダルに伝達され即応性がよ自転車用靴底を提供することにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、足の裏面特に足の硬い部分の形態に合わせた曲面を有しながら軽くてエネルギー伝達効率が高く即応性がよく、しかも、コストダウンを図ることができる自転車用靴底を提供することにある。
【0011】本発明の更に他の目的は、足の構造とエネルギー伝達との間の力学的解析に叶った自転車用靴底を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために次のような手段を採る。
【0013】本発明1の自転車用靴底は、繊維強化樹脂が用いられ概ね均一な厚さで一体に板状に成形された板状体を備える自転車用靴底であり、前記板状体には凹状形成部が形成され、前記凹状形成部は、足裏の土踏まずより前方で且つ指の後方に位置する足裏の凸状面に対応するように形成された凹面を有する凹状形成部である。
【0014】本発明2の自転車用靴底は、繊維強化樹脂が用いられ概ね均一な厚さで一体に板状に成形された板状体を備える自転車用靴底であり、前記板状体には凹状形成部が形成され、前記凹状形成部は、足裏の土踏まずより前方で且つ親指の後方に位置する足裏の第1凸状面に対応するように形成された凹面を有する第1凹状形成部と、前記土踏まずより前方で且つ小指の後方に位置する足裏の第2凸状面に対応するように形成された凹面を有する第2凹状形成部とからなる。
【0015】本発明3の自転車用靴底は、繊維強化樹脂が用いられ概ね均一な厚さで一体に板状に成形された板状体を備える自転車用靴底であり、前記板状体には凹状形成部が形成され、前記凹状形成部は、足裏の土踏まずより前方で且つ親指の後方に位置する足裏の第1凸状面に対応するように形成された凹面を有する第1凹状形成部と、前記土踏まずより前方で且つ小指の後方に位置する足裏の第2凸状面に対応するように形成された凹面を有する第2凹状形成部と、前記土踏まずより後方で且つ踵位置の足裏の第3凸状面に対応するように形成された概ね平面状の凹面を有する第3凹状形成部分とからなる。
【0016】本発明4の自転車用靴底は、繊維強化樹脂が用いられ概ね均一な厚さで一体に板状に成形された板状体を備える自転車用靴底であり、前記板状体には凹状形成部が形成され、前記凹状形成部は、足裏の土踏まずより前方で且つ親指の後方に位置する足裏の第1凸状面に対応するように形成された凹面を有する第1凹状形成部と、前記土踏まずより前方で且つ小指の後方に位置する足裏の第2凸状面に対応するように形成された凹面を有する第2凹状形成部と、前記土踏まずより後方で且つ踵位置の足裏の第3凸状面に対応するように形成された概ね平面状の凹面を有する第3凹状形成部分とからなり、前記第3凹状形成部分の中央部分はほとんど平面である。
【0017】本発明4の自転車用靴底は、前記発明1,2,3,4から選択される1発明において、クリートが取り付けられることを特徴としている。
【0018】本発明5の自転車用靴底は、前記発明2,3,4から選択される1請求項において、前記第1凹状形成部分と前記第2凹状形成部分は連続して概ね単一の第4凹状形成部分として形成されていることを特徴としている。
【0019】本発明6の自転車用靴底は、前記発明1,2,3,4から選択される1発明において、前記板状体は全体的に概ね単一の凹状形成単体として形成され、前記凹状形成単体は周囲部分が前記周囲部分に囲まれる中央部分より上方に一様に滑らかに立ち上がっていることを特徴とする自転車用靴底。
【0020】本発明7の自転車用靴底は、前記発明1,2,3,4から選択される1発明において、前記板状体は実質的に剛体であることを特徴としている。
【0021】本発明8の自転車用靴底は、前記発明1,2,3,4から選択される1発明において、前記板状体は全体的に概ね単一の凹状形成単体として形成され、前記凹状形成単体は周囲部分が前記周囲部分に囲まれる中央部分より上方に一様に滑らかに立ち上がっていることを特徴としている。
【0022】本発明9の自転車用靴底は、繊維強化樹脂が用いられ概ね均一な厚さで一体に板状に成形された板状体を備える自転車用靴底であり、前記板状体には靴裏に向かう方向に凸状に凹状形成部が形成され、前記凹状形成部は、足裏の土踏まずより前方で且つ親指の後方に位置する足裏の第1凸状面に対応するように形成された凹面を有する第1凹状形成部と、前記土踏まずより前方で且つ小指の後方に位置する足裏の第2凸状面に対応するように形成された凹面を有する第2凹状形成部とからなり、前記板状体は繊維質シートが多重に重ねられた後に成形されて形成されている。
【0023】本発明10の自転車用靴底は、前記発明9において、前記板状体は前記成形により単層として形成されていることを特徴としている。
【0024】本発明11の自転車用靴底は、前記発明9又は10において、前記板状体は実質的に剛体であることを特徴としている。
【0025】本発明12の自転車用靴底は、前記発明11において、前記剛体は熱硬化したFRP体であることを特徴としている。
【0026】
【発明の作用と効果】本発明による自転車用靴底は、踏み込み時に土踏まずが靴底芯体にしっかり固定される。このとき同時に、親指、小指の関節位置の足の硬い部分が靴底芯体に固定される。繊維強化材料で形成され一体即ち単体の板状体として均一に薄く形成されている靴底芯体は軽く、ほとんど固体であり、即ち、変形性がほとんどないから、足の踏み込み力が減殺されないで靴底芯体に伝達されそのままペダルに伝達される。
【0027】靴の親指後方部、小指後方部、土踏まず部の3点領域でそれぞれに足のその対応部分が靴底芯体に固定されるので、足と靴底芯体の一体性にすぐれている。足の中でも硬い部分であるその対応部分の変形が少ないので、エネルギーロスが小さく抑えられ、同時に、即応性にすぐれている。
【0028】本発明による自転車用靴底は、即応性、伝達効率、重量、コストの4点で同時にすぐれている。
【0029】前記凹状形成単体の周囲部分は、前記板状体の概ねの中心点を通り前記板状体が概ね含む平面に直交する任意の平面断面上で勾配の正負符号が同符号である。即ち、凹状形成単体の周囲部分の面上の任意の点で、曲率の符号が同じであり、いわゆる椀状に形成されている。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の自転車用靴底の実施形態1を示す平面図である。図2は、図1のイ〜ニ線における正面断面端面線図である。図3は、図1のa〜f線における側面断面端面線図である。図4は、図1の等高線図である。図1は、水平面上に重力で置かれた靴底芯体1をその水平面に直交方向から投影した鉛直軸投影図である。即ち、正投象法図法による平面図である。本発明による靴底は、靴底芯体1を備えている。
【0031】靴は、本質的にその中央線を定義することができない。そこで、足の裏面を水平面上に置いて直立し場合に、踵のおおよその中心点から水平面上に鉛直下方に下した垂線の足と中指のおおよその先端点から同水平面上に下した垂線の足とを結ぶ水平線を中央縦断線として定義する。
【0032】図1において、紙面は水平面に一致している。この中央縦断線に直交する2本の横断線であり足の先端側で足に接する線と足の後端側で足に接する線の間の中線を中央横断線として定義する。中央横断線と中央縦断線の交点を中心点として定義する。この中心点が、図1中に、Oで示されている。図1で、上方方向を足の前方方向に一致させている。
【0033】図1に示すように、便宜上、靴底芯体1を中心点Oより前方ある前方部分1Aと中心点Oより後方にある後方部分1Bに分けて考える。前方部分1Aの平均横幅は、後方部分1Bの平均横幅よりも広い。例えば、前方部分1Aの中央横断線(ハ線にほぼ一致)における横幅の長さは、後方部分1Bの中央横断線ホにおける横幅の長さより長い。前方に行くほど概ね幅が広い。前方部分1A及び後方部分1Bは、図4に示すように、閉じて一周する周縁部分1Cを備えている。
【0034】靴底芯体1は、全体に凹状である。即ち、周縁部分1Cは全周で立ち上がっている。言い換えると、上端線が周縁部分1Cの外周線2に一致している。靴底芯体1である板状体は、全体的に概ね単一の凹状形成単体として形成されている。点Oを含む任意の鉛直断面上で、周縁部分1Cは正の勾配を有している。
【0035】ここで正とは、中心点Oを原点とする極座標系の動径座標軸を含む鉛直面上で上方に向く方向にZ軸を設定した場合の正である。Z軸の方向を逆方向に設定すれば、周縁部分1Cは負の勾配を有している。即ち、紙面の手前側から見て、言い換えると、上方から見て周縁部分1Cは凹状である。
【0036】周縁部分1Cの勾配は任意の前記鉛直面上で符号正負について同符号である。即ち、図4に表される等高線群H1で示されるように、周縁部分1Cの曲面は任意の点で凹状である。
【0037】靴底芯体1は、図5に示すように、ほぼ均一な厚みに形成された板状体である。靴底芯体1には、図4に示すように、靴裏に向かう方向に局部的に凸状に形成された単一の一連続な凹状形成部3を有している。凹状形成部3は、土踏まずより前方に位置し親指の後方に位置する親指関節位置の凸状体に沿うように形成された第1凹面4を有する第1凹状形成部分5と、土踏まずより前方に位置し小指の後方に位置する小指関節位置の凸状体に沿うように形成された第2凹面6を有する第2凹状形成部分7とから構成されている。
【0038】換言すると、第1凹状形成部分5は土踏まずより前方に位置し親指の後方に位置する足裏の第1凸状面に対応するように形成され、第2凹状形成部分7は土踏まずより前方に位置し小指の後方に位置する足裏の第2凸状面に対応するように形成されている。
【0039】第1凹状形成部分5と第2凹状形成部分7は、ほぼ一連続に接続する単一の凹状部分であるが、第1凹状形成部分5と第2凹状形成部分7との間に鉛直上方に少し立ち上がる膨らみ部8が設けられている。
【0040】土踏まずより前方に位置し親指の後方に位置する親指関節位置の凸状体は、関節を構成する第1骨であり、周囲の肉部よりも相当に硬い部分である。土踏まずより前方に位置し小指の後方に位置する小指関節位置の凸状体は、関節を構成する第2骨であり、周囲の肉部分よりも相当に硬い。第1骨は、第2骨より大きく、概ね球状体である。
【0041】したがって、第1凹状形成部分5である領域は、第2凹状形成部分7である領域よりも広い。また、第1凹状形成部分5は、第2凹状形成部分7よりも深い。第1凹状形成部分5と第2凹状形成部分7は全体的には一連続な帯状の凹部又は溝状部であり、この単一の凹状形成部分を、特に、第4凹状形成部分3と別称する。
【0042】第3凹状形成部分9は、後方部分1Bの別称である。第3凹状形成部分9は、正の勾配を有する周縁部分1Cと中央部分である平坦な平坦部分11とから構成されている。平坦部分11には、僅かに凹状である凹状中央部分11aが形成されている。このような複雑な等高線により表される靴底芯体1は、例えば、次のように作図される。
【0043】硬い目の粘土板上に裸足で直立し粘土板に体重に相当する圧力をかける。前記第1骨及び第2骨に相当する部分が、特に深く凹状に変形する。踵部相当部分も深く変形するが、平らに修正する。周縁部分に相当する部分は、自然に正の勾配を有するように変形する。
【0044】このように作成した成形体を雌型として雄型を製作する。このような雄型の凹面の程度を様々に変化させて多くの型を製作し、様々な靴底芯体を製作して実際にテストし、最良の型を定める。
【0045】靴底芯体1は、繊維質強化材料が用いられ成形されている。繊維質強化材料はシート状である。繊維質強化シートが何枚も重ねられて使用される。繊維質強化シートは、炭素繊維強化樹脂であることが望ましい。炭素繊維に代えてガラス繊維を用いることができる。靴底の裏面側には、図6に示すように、縦横に繊維束が走る網目模様が形成されている。
【0046】炭素繊維強化樹脂として、熱硬化型樹脂即ちFRPを用いることが望ましい。あるいは、炭素繊維強化樹脂を焼成してもよい。このような板状体は多重に重ねられた繊維質シートからなる単層として形成されている。即ち、板状体である靴底芯体1の中には、繊維質シート以外の材料は含まれておらず、中層としての弾力層はない。
【0047】多数枚のシートが重ねられた材料が用いられているから、成形後にも、靴底芯体1は均一な厚みの板状体である。成形はプレス型で挟圧し熱をかけ、又は、焼成する。このように製作された靴底芯体1は、非常に硬く、ほとんど剛体であり弾力性はほとんどない。熱硬化成形後には、多重の繊維シートは1体に溶着して単層化している。
【0048】靴底芯体1は後加工され、クリートが取りつけられる。クリートは、自転車のペダルと靴を結合するための結合媒体である。足の踏込力は、第1凹状形成部分5を含む領域、第2凹状形成部分7を含む領域、前方部分1Aと後方部分1Bとの境界の境界領域に大きく伝達される。
【0049】あるいは、足の踏込力は、第1凹状形成部分5を含む領域、第2凹状形成部分7を含む領域、後方部分1Bとの領域に大きく伝達される。いずれにせよ、足の踏込力は3つの領域に分散して伝達される。従って、足と靴底芯体1との位置関係は、前記3領域又は3点により決定されるから、足と靴底芯体1との一体化は固定的に行われる。
【0050】このような足と靴底芯体1との踏込時の結合関係は、足の踏込力を靴底芯体1を介してペダルに高効率で伝達する。足の変形も少なく硬い靴底芯体1も変形しにくいので、足の踏込力は即時的にペダルに伝達される。繊維質強化材料を成形により量産できるから、生産性が高く、コストダウンが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の自転車用靴底の実施形態1を示す平面図である。
【図2】図2は、図1の各線における正面断面端面線図である。
【図3】図3は、図1の各線における側面断面端面線図である。
【図4】図4は、図1の等高線図である。
【図5】図5は、図1の中央側面断面図である。
【図6】図6は、図1の背面図である。
【符号の説明】
1…靴底芯体
1B…後方部分
1A…前方部分
1C…周縁部分
2…外周線
3…凹状形成部(第4凹状形成部分)
4…第1凹面
5…第1凹状形成部分
6…第2凹面
7…第2凹状形成部分
8…膨らみ部
9…第3凹状形成部分
11…平坦部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】繊維強化樹脂が用いられ概ね均一な厚さで一体に板状に成形された板状体を備える自転車用靴底であり、前記板状体には凹状形成部が形成され、前記凹状形成部は、足裏の土踏まずより前方で且つ指の後方に位置する足裏の凸状面に対応するように形成された凹面を有する凹状形成部である自転車用靴底。
【請求項2】繊維強化樹脂が用いられ概ね均一な厚さで一体に板状に成形された板状体を備える自転車用靴底であり、前記板状体には凹状形成部が形成され、前記凹状形成部は、足裏の土踏まずより前方で且つ親指の後方に位置する足裏の第1凸状面に対応するように形成された凹面を有する第1凹状形成部と、前記土踏まずより前方で且つ小指の後方に位置する足裏の第2凸状面に対応するように形成された凹面を有する第2凹状形成部とからなる自転車用靴底。
【請求項3】繊維強化樹脂が用いられ概ね均一な厚さで一体に板状に成形された板状体を備える自転車用靴底であり、前記板状体には凹状形成部が形成され、前記凹状形成部は、足裏の土踏まずより前方で且つ親指の後方に位置する足裏の第1凸状面に対応するように形成された凹面を有する第1凹状形成部と、前記土踏まずより前方で且つ小指の後方に位置する足裏の第2凸状面に対応するように形成された凹面を有する第2凹状形成部と、前記土踏まずより後方で且つ踵位置の足裏の第3凸状面に対応するように形成された概ね平面状の凹面を有する第3凹状形成部分とからなる自転車用靴底。
【請求項4】繊維強化樹脂が用いられ概ね均一な厚さで一体に板状に成形された板状体を備える自転車用靴底であり、前記板状体には凹状形成部が形成され、前記凹状形成部は、足裏の土踏まずより前方で且つ親指の後方に位置する足裏の第1凸状面に対応するように形成された凹面を有する第1凹状形成部と、前記土踏まずより前方で且つ小指の後方に位置する足裏の第2凸状面に対応するように形成された凹面を有する第2凹状形成部と、前記土踏まずより後方で且つ踵位置の足裏の第3凸状面に対応するように形成された概ね平面状の凹面を有する第3凹状形成部分とからなり、前記第3凹状形成部分の中央部分はほとんど平面である自転車用靴底。
【請求項5】請求項1,2,3,4から選択される1請求項において、クリートが取り付けられることを特徴とする自転車用靴底。
【請求項6】請求項2,3,4から選択される1請求項において、前記第1凹状形成部分と前記第2凹状形成部分は連続して概ね単一の第4凹状形成部分として形成されていることを特徴とする自転車用靴底。
【請求項7】請求項1,2,3,4から選択される1請求項において、前記板状体は全体的に概ね単一の凹状形成単体として形成され、前記凹状形成単体は周囲部分が前記周囲部分に囲まれる中央部分より上方に一様に滑らかに立ち上がっていることを特徴とする自転車用靴底。
【請求項8】請求項1,2,3,4から選択される1請求項において、前記板状体は実質的に剛体であることを特徴とする自転車用靴底。
【請求項9】繊維強化樹脂が用いられ概ね均一な厚さで一体に板状に成形された板状体を備える自転車用靴底であり、前記板状体には靴裏に向かう方向に凸状に凹状形成部が形成され、前記凹状形成部は、足裏の土踏まずより前方で且つ親指の後方に位置する足裏の第1凸状面に対応するように形成された凹面を有する第1凹状形成部と、前記土踏まずより前方で且つ小指の後方に位置する足裏の第2凸状面に対応するように形成された凹面を有する第2凹状形成部とからなり、前記板状体は繊維質シートが多重に重ねられた後に成形されて形成されている自転車用靴底。
【請求項10】請求項9において、前記板状体は前記成形により単層として形成されていることを特徴とする自転車用靴底。
【請求項11】請求項9又は10において、前記板状体は、実質的に剛体であることを特徴とする自転車用靴底。
【請求項12】請求項11において、前記剛体は熱硬化したFRP体であることを特徴とする自転車用靴底。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【公開番号】特開平10−42904
【公開日】平成10年(1998)2月17日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−216737
【出願日】平成8年(1996)7月30日
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)