説明

資料提示装置

【課題】資料提示装置に関する技術を提供する。
【解決手段】カメラを備える資料提示装置であって、カメラによって所定領域を撮像し撮像画像を取得する撮像部と、撮像画像を表示装置に表示画像として表示させる表示出力部と、ユーザがポインティングデバイスを介して行う操作に関する情報であって、座標に関する情報を少なくとも含む操作情報をポインティングデバイスから無線を介して受信する受信部と、受信した操作情報に基づいて処理を行い、該処理の結果を表示画像に重ねて表示させる操作情報処理部とを単一の筐体内に備える資料提示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資料提示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、資料提示装置を活用したプレゼンテーションが広く行われている。資料提示装置に関する技術としては、例えば下記特許文献1が知られている。
【0003】
しかし、資料提示装置の操作にポインティングデバイスを用いる場合、特に無線を利用したポインティングデバイスを用いる場合には、ポインティングデバイスから送信される操作情報を一旦、資料提示装置と接続されたコンピュータにおいて処理し、その後、コンピュータから資料提示装置に処理結果を送信しており、処理部としてのコンピュータが必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−245690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、コンピュータを用いずにポインティングデバイスを資料提示装置に用いることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
【0007】
[適用例1]
カメラを備える資料提示装置であって、前記カメラによって所定領域を撮像し撮像画像を取得する撮像部と、前記撮像画像を表示装置に表示画像として表示させる表示出力部と、ユーザがポインティングデバイスを介して行う操作に関する情報であって、座標に関する情報を少なくとも含む操作情報を前記ポインティングデバイスから無線を介して受信する受信部と、前記受信した操作情報に基づいて処理を行い、該処理の結果を前記表示画像に重ねて表示させる操作情報処理部とを単一の筐体内に備える資料提示装置。
【0008】
この資料提示装置によると、ポインティングデバイスから無線を介して受信した操作情報を処理する操作情報処理部を、当該資料提示装置の筐体内に一体に備えるので、別個に、操作情報を処理するコンピュータを用意する必要がない。
【0009】
[適用例2]
前記ポインティングデバイスは、平面を備え、前記ユーザによる前記平面上の位置の指定により前記表示画像上の位置の指定を可能にするタブレット端末である適用例1記載の資料提示装置。
【0010】
この資料提示装置によると、ポインティングデバイスとしてタブレット端末を適用することができる。従って、資料提示装置によって表示される表示画像に描画操作を行う場合の利便性が向上する。
【0011】
[適用例3]
適用例1または適用例2記載の資料提示装置であって、前記操作情報は、ユーザが前記ポインティングデバイスを介して指定する前記表示画像上の位置の変化を、所定期間毎の座標の変化として特定する座標情報を含み、前記操作情報処理部は、前記座標情報における前記所定期間毎の前記座標の変化を、前記所定期間より短い時間単位の座標の変化である補完座標情報に補完変換する補完部と、前記補完座標情報に基づいて、前記ユーザが前記ポインティングデバイスを介して指定する前記表示画像上の位置の変化を、前記表示画像に重ねて表示する補完表示部とを備える資料提示装置。
【0012】
この資料提示装置によると、補完表示部を備えるので、ユーザがポインティングデバイスを介して指定した表示画像上の位置の変化を滑らかな変化として表示することが可能である。
【0013】
[適用例4]
適用例3記載の資料提示装置であって、前記ユーザが前記ポインティングデバイスを介した操作として描画を行った場合において、前記補完表示部は、前記描画において前記ユーザが前記ポインティングデバイスを介して指定する前記表示画像上の位置の変化に対応する前記補完座標情報に基づいて、前記描画に対応する画像である描画画像を生成後、該描画画像と前記撮像画像とを重畳した合成描画画像を生成する描画表示部を備え、前記表示出力部は、前記撮像画像に替えて前記合成描画画像を前記画像表示装置に表示させる資料提示装置。
【0014】
この資料提示装置によると、補完表示部は補完座標情報に基づいて描画画像を生成するので、描画画像に含まれる線画を滑らかな線画として生成可能である。
【0015】
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか記載の資料提示装置であって、前記受信部は、複数のポインティングデバイスの各々から各操作情報を受信可能であり、前記操作情報処理部は、前記受信部が前記受信した順に、前記各操作情報に対する前記処理行う資料提示装置。
【0016】
この資料提示装置によると、複数のポインティングデバイスからの操作情報に基づく処理結果を表示画像に重ねて表示させることができる。
【0017】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、資料提示方法および装置、プレゼンテーションシステム、それらの方法または装置の機能を実現するための集積回路、コンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】資料提示システム10の構成を説明する説明図である。
【図2】資料提示装置20の内部構成を説明するブロック図である。
【図3】描画画像表示処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】座標補完処理および描画画像生成処理を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例:
(A1)資料提示システムの構成:
図1は、本発明の実施例としての資料提示システム10の構成を説明する説明図である。資料提示システム10は、資料提示装置20、テレビ40、タブレットTb1,タブレットTb2,タブレットTb3(以下、総じてタブレットTbと呼ぶこともある)を備える。資料提示装置20とテレビ40とはデータ転送用のケーブルで互いに接続されている。タブレットTbと資料提示システム10とは無線USBによって接続されている。資料提示システム10は、資料提示装置20の撮像領域RAに載置された資料RSを資料提示装置20が撮像し、撮像画像をテレビ40がスクリーンに表示画像IAとして表示する。表示された表示資料ISが資料RSに対応する。
【0020】
タブレットTbは、ユーザが当該タブレットTbに対して行った操作に関する情報である操作情報を、無線USBによって資料提示装置20に送信する。本実施例では、タブレットTbは無線USBを用いて操作情報を資料提示装置20に送信するが、ブルートゥースや赤外線、無線LANなどの他の無線技術を利用して、操作情報を資料提示装置20に送信するとしてもよい。タブレットTbは、ユーザが表示画像IA上の位置を指定するモードとして、カーソルモードと描画モードとを備える。カーソルモードは、ユーザがタブレットTbを用いて指定した表示画像IA上の位置にカーソル(例えば矢印)を表示するモードである。描画モードは、ユーザがタブレットTbを用いて表示画像IA上に描画をすることを可能にするモードである。また資料提示システム10はタブレットTbを3台(Tb1、Tb2、Tb3)備え、3台のそれぞれからカーソルモードや描画モードによって表示画像IAの位置の指定が可能である。3台のタブレットTbから行った操作は、操作が行われた順に順次、カーソルまたは描画画像として表示画像IA上に表示される。
【0021】
資料提示装置20は、机などに設置される本体22と、本体22に設けられた操作部23と、本体22から上側に伸びた支柱24と、支柱24の先端に取り付けられたカメラヘッド26とを備える。カメラヘッド26にはCCDを用いたビデオカメラが内蔵されており、机などに載置された資料RSを単位時間当たりに所定のフレーム数で撮像する。本実施例では、資料提示装置20は資料RSを60フレーム/秒で撮像する。また、本体22に備えられているUSBインターフェース276には、タブレットTbからの操作情報を受信する無線USBの受信部29が接続されている。
【0022】
図2は、資料提示装置20の内部構成を説明するブロック図である。資料提示装置20は、撮像部210、画像処理ユニット220、CPU230、RAM240、ハードディスク(HDD)250、ROM260を備える。また、資料提示装置20は、デジタルデータ出力インターフェース(デジタルデータ出力IF)272、アナログデータ出力インターフェース(アナログデータ出力IF)274、USBインターフェース(USBIF)276、操作部23を備える。USBIF276には、タブレットTbから送信された操作情報を受信する受信部、即ち無線USBの受信部が接続されている。
【0023】
撮像部210にはレンズユニット212と電荷結合素子(CCD)214とが備えられており、CCD214は、レンズユニット212を透過した光を受光して電気信号に変換するイメージセンサである。画像処理ユニット220は、AGC(Automatic Gain Control)回路やDSP(Digital Signal Processor)から構成され、CCD214から出力される電気信号を入力し撮像画像データを生成する。画像処理ユニット220が生成した撮像画像データは、RAM240が備える撮像画像バッファ242に記憶される。
【0024】
CPU230は、資料提示装置20全体の動作を制御するとともに、HDD250およびROM260に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、タブレットドライバ232および表示出力部233として動作する。タブレットドライバ232は、受信部29を介して受信したタブレットTbからの操作情報に基づいて、その操作情報に対応する処理を行う。表示出力部233は、タブレットTbからの操作情報に基づく処理(例えば、カーソルの表示や描画画像の表示をする処理)がある場合には、その操作に対応する処理結果を表示画像としてデジタルデータ出力IF272またはアナログデータ出力IF274を介してテレビ40に出力し、操作情報に対応する処理が無い場合には、撮像画像バッファ242に記憶されている撮像画像を表示画像としてアナログデータ出力IF274を介してテレビ40に出力する。
【0025】
タブレットドライバ232は、座標補完処理部234と補完表示処理部235とを備える。また補完表示処理部235は、カーソル表示部236と描画表示部237とを備える。これら処理部については後で詳しく説明する。
【0026】
RAM240は、撮像画像バッファ242、座標情報バッファ243、補完座標情報バッファ244、描画画像バッファ245、合成画像バッファ246を備える。撮像画像バッファ242は、撮像部210が撮像し画像処理ユニット220が生成した撮像画像データを記憶する。座標情報バッファ243は、タブレットTbから受信した操作情報に含まれる座標に関する情報(以下、座標情報とも呼ぶ)を記憶する。補完座標情報バッファ244は、座標情報としての経時的な座標の変化を、より細かな時間毎の座標の変化に補完変換した補完座標情報を記憶する。描画画像バッファ245は、ユーザがタブレットTbを用いて描いた描画画像に対応する描画画像データを記憶する。合成画像バッファ246は、撮像画像に描画画像またはカーソルを重畳した画像である合成画像に対応する合成画像データを記憶する。
【0027】
デジタルデータ出力IF272は、撮像画像データまたは合成画像データを符号化し、デジタル信号として外部に出力する。アナログデータ出力IF274は、撮像画像データまたは合成画像データをデジタル/アナログ変換し、RGBデータとして外部に出力する。アナログデータ出力IF274にはD/Aコンバータ(DAC)が含まれる。デジタルデータ出力IF272およびアナログデータ出力IF274にはケーブル接続用のコネクタが備えられている。本実施例では、アナログデータ出力IF274にテレビ40が接続されている。
【0028】
(A2)描画画像表示処理:
次に資料提示システム10が行う描画画像表示処理について説明する。描画画像表示処理は、タブレットTbを用いてユーザが描画した描画画像を画像表示装置であるテレビ40に表示する処理である。図3は、CPU230が行う描画画像表示処理の流れを示したフローチャートである。描画画像表示処理は、資料提示装置20の電源をONにした後、ユーザが操作部23を用いて描画モードを選択することによって開始される。描画画像表示処理が開始されると、CPU230は、撮像部210および画像処理ユニット220が生成した撮像画像データを取得し、撮像画像バッファ242に記憶する(ステップS102)。次にCPU230は、ユーザがタブレットTbを用いて行った描画の操作に対応する操作情報を受信すると(ステップS104:YES)、受信した操作情報に含まれる座標情報を座標情報バッファ243に記憶する(ステップS106)。一方、CPU230は、操作情報を受信するまでは(ステップS104:NO)、撮像画像バッファ242に記憶した撮像画像データを、アナログデータ出力IF274を介してテレビ40に出力する(ステップS114)。
【0029】
CPU230は、タブレットTbから操作情報を受信し、座標情報を座標情報バッファ243に記憶後、座標情報に含まれる座標の変化を補完する座標補完処理を行い補完座標情報を生成し補完座標情報バッファ244に記憶する(ステップS108)。そして、CPU230は、補完座標情報に基づき、描画画像データを生成する(ステップS110)。
【0030】
ここで座標補完処理および描画画像生成処理について説明する。図4は座標補完処理および描画画像生成処理を説明する説明図である。CPU230が座標情報バッファ243に記憶した座標情報は、具体的には、ユーザが描画操作によってタブレットTb上で指定した座標の変化を、タブレットTbが120Hzで取得した座標(以下、取得座標とも呼ぶ)である。図4(A)には、タブレットTbが取得した取得座標P1,P2を示した。取得座標P1,P2は、ユーザが描画操作時に位置を指定するのに用いるタブレットTb上のパネルを基準にしている。本説明では、タブレットTbが取得座標P1を取得し、1/120秒後に、取得座標P2を取得したものとして説明する。座標補完処理においてCPU230は、1/120秒ごとに取得した取得座標P1と取得座標P2との間に補完座標を生成する。図4(B)は、CPU230が取得座標P1と取得座標P2との間に補完座標を生成した様子を示している。CPU230は、補完座標を生成すると、描画表示部237の機能として、取得座標P1,P2および補完座標に基づいて、ユーザーの描画操作に対応する描画画像を生成する。すなわち、CPU230は、取得座標P1,P2および補完座標に対して、ユーザが描画した線画の太さ、色などの情報を付加する。図4(C)は、CPU230による描画画像生成処理として、取得座標P1,P2および補完座標に対して、線画の太さに対応する座標を生成する様子を示した。
【0031】
説明を描画画像表示処理に戻す(図3)。CPU230は、描画画像生成処理(ステップS110)において生成した描画画像データと、座標情報バッファ243に記憶している撮像画像データとを合成して合成画像データを生成し、合成画像バッファ246に記憶する(ステップS112)。合成画像データは、撮像画像データに描画画像を重畳した画像に対応する画像データである。CPU230は、合成画像データを生成すると、表示出力部233の機能として、合成画像データをアナログデータ出力IF274を介してテレビ40に出力する(ステップS114)。そしてCPU230は、上記処理を、資料提示装置20の電源がOFFもしくは描画モードが終了するまで繰り返し行う(ステップS116)。
【0032】
上記描画表示処理の説明においては、資料提示装置20は操作情報をタブレットTbから受信するとして説明したが、実際は、タブレットTb1,Tb2,Tb3から操作情報を受信し描画表示処理を行う。この場合、CPU230は、各タブレットTb1,Tb2,Tb3のから操作情報を受信した順に、順次、描画情報処理として操作情報を処理する。
【0033】
また、ユーザが操作部23によってカーソルモードを選択した場合には、受信した取得座標および補完座標上に経時的にカーソルの画像を生成後、撮像画像データと合成した合成画像データを生成し、表示出力部233がアナログデータ出力IF274を介してテレビ40に合成画像データを出力する。本実施例では、資料提示装置20は60フレーム/秒で撮像画像データを取得して、表示画像としてテレビ40に表示させるため、120Hzで取得した取得座標のみに基づいてカーソルを発生させても、カーソルの移動を滑らかな連続的な移動として表示できる。例えば、資料提示装置20が240フレーム/秒や360フレーム/秒で表示画像を表示する場合等、フレーム数が増加した場合においても、取得座標に加え補完座標に基づいてカーソルを発生させることにより、カーソルの動きを滑らかな連続的な移動として表示画像に表示することができる。
【0034】
以上説明したように、資料提示システム10は、タブレットTbからの無線を介した操作に対応した処理を行うが、資料提示装置20の内部に操作情報を処理する処理部としてのタブレットドライバ232を備えるため、別個に、操作情報処理用のコンピュータを必要としない。従って、ユーザは、資料提示システム10の設置、配線の接続、運搬等を容易に行うことができる。
【0035】
また、資料提示装置20は、描画モードにおいて、タブレットTbから取得座標を取得し、取得座標に基づいて描画画像を資料提示装置20において生成する。従って、タブレットTbが描画画像に対応する描画画像データ(例えばビットマップデータ)を生成し、描画画像データを資料提示装置20に無線を介して転送する態様と比較して、転送するデータ容量を減少でき、かつ、タブレットTb側では生成した描画画像データを記憶する記憶領域を、資料提示装置20側では受信した描画画像データをそれぞれ記憶する記憶領域を削減することができる。
【0036】
さらに、資料提示システム10は、無線を利用した複数のタブレットTb(本実施例では、タブレットTb1,Tb2,Tb3)を用いて、描画操作およびカーソルの移動が可能である。従って、ポインティングデバイス(本実施例ではタブレットTb)と資料提示装置20を接続するケーブルを取り回す手間が不要となり、断線故障も生じない。
【0037】
その他、資料提示装置20は無線USBによるアドレスによっても、タブレットTb毎に付されたIDによっても識別できるので、時分割で各タブレットTbからの信号を処理し、タブレットTb毎に別々の描画の操作情報として処理をしても良い。そして、各タブレットからの操作情報を処理した結果を、タブレット毎に異なる態様、例えば色の違いや、線の太さの違い、濃さの違いなどで識別可能に表示することも好ましい。例えば、教育現場において、複数の生徒がそれぞれにタブレットTbを用いて表示画像に対して描画操作をすることが可能となり、新規な授業形態を採用することが可能となる。
【0038】
資料提示側でどのタブレットを有効とするかを選択するスイッチを設けても良い。また、タブレットは常に有効にしておき、処理した結果を表示することを禁止するスイッチを設けても良い。この場合、禁止されている間も処理は継続し、禁止が解除されたた処理結果を一度に表示するものとしても良い。生徒が回答や絵などを描く間は表示させず、後から回答を一度に表示させることができる。このようなタブレットを選択するスイッチの色と描画色とを合わせておくとしてもよい。タブレットの選択処理がしやすくなり利便性が向上する。
【0039】
特許請求の範囲との対応関係としては、タブレットドライバ232が特許請求の範囲に記載の操作情報処理部に対応し、座標補完処理部234が特許請求の範囲に記載の補完部に対応し、補完表示処理部235が特許請求の範囲に記載の補完表示処理部に対応する。
【0040】
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0041】
(B1)変形例1:
上記実施例では、ポインティングデバイスとして無線を利用したタブレットTbを用いたが、それに限ることなく、無線を利用したマウスを用いるとしてもよい。この場合、タブレットTbと共にマウスを用いるとしてもよい。例えば、複数のタブレットの1部をマウスに替えてもよいし、1台以上のタブレットと1台以上のマウスとを混在して用いるとしてもよい。また、タブレットやマウスに替えて、トラックパッドやトラックボールなどのポインティングデバイスを用いるとしてもよい。このようにしても上記実施例と同様の効果を得ることが可能である。
【0042】
(B2)変形例2:
上記実施例では、画像を表示する画像表示装置としてテレビ40を用いたが、それに限ることなく、プロジェクタや、液晶ディスプレイ等の他の画像表示装置を用いるとしてもよい。このようにしても上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0043】
(B3)変形例3:
上記実施例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0044】
10…資料提示システム
20…資料提示装置
22…本体
23…操作部
24…支柱
26…カメラヘッド
29…受信部
40…テレビ
210…撮像部
212…レンズユニット
214…CCD
220…画像処理ユニット
230…CPU
232…タブレットドライバ
233…表示出力部
234…座標補完処理部
235…補完表示処理部
236…カーソル表示部
237…描画表示部
240…RAM
242…撮像画像バッファ
243…座標情報バッファ
244…補完座標情報バッファ
245…描画画像バッファ
246…合成画像バッファ
272…デジタルデータ出力IF
274…アナログデータ出力IF
P1,P2…取得座標
IA…表示画像
RA…撮像領域
IS…表示資料
RS…資料
Tb,Tb1,Tb2,Tb3…タブレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを備える資料提示装置であって、
前記カメラによって所定領域を撮像し撮像画像を取得する撮像部と、
前記撮像画像を表示装置に表示画像として表示させる表示出力部と、
ユーザがポインティングデバイスを介して行う操作に関する情報であって、座標に関する情報を少なくとも含む操作情報を前記ポインティングデバイスから無線を介して受信する受信部と、
前記受信した操作情報に基づいて処理を行い、該処理の結果を前記表示画像に重ねて表示させる操作情報処理部と
を単一の筐体内に備える資料提示装置。
【請求項2】
前記ポインティングデバイスは、平面を備え、前記ユーザによる前記平面上の位置の指定により前記表示画像上の位置の指定を可能にするタブレット端末である請求項1記載の資料提示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の資料提示装置であって、
前記操作情報は、ユーザが前記ポインティングデバイスを介して指定する前記表示画像上の位置の変化を、所定期間毎の座標の変化として特定する座標情報を含み、
前記操作情報処理部は、
前記座標情報における前記所定期間毎の前記座標の変化を、前記所定期間より短い時間単位の座標の変化である補完座標情報に補完変換する補完部と、
前記補完座標情報に基づいて、前記ユーザが前記ポインティングデバイスを介して指定する前記表示画像上の位置の変化を、前記表示画像に重ねて表示する補完表示部と
を備える
資料提示装置。
【請求項4】
請求項3記載の資料提示装置であって、
前記ユーザが前記ポインティングデバイスを介した操作として描画を行った場合において、
前記補完表示部は、前記描画において前記ユーザが前記ポインティングデバイスを介して指定する前記表示画像上の位置の変化に対応する前記補完座標情報に基づいて、前記描画に対応する画像である描画画像を生成後、該描画画像と前記撮像画像とを重畳した合成描画画像を生成する描画表示部を備え、
前記表示出力部は、前記撮像画像に替えて前記合成描画画像を前記画像表示装置に表示させる
資料提示装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか記載の資料提示装置であって、
前記受信部は、複数のポインティングデバイスの各々から各操作情報を受信可能であり、
前記操作情報処理部は、前記受信部が前記受信した順に、前記各操作情報に対する前記処理行う
資料提示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−124620(P2012−124620A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272125(P2010−272125)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】