説明

ごみ集荷容器

【課題】回動式開閉蓋の開閉時の衝突音が緩和され、また安全性能に優れているごみ集荷容器を提供する。
【解決手段】ごみ集荷容器1Aは、容器本体10と、回動式開閉蓋20と、を備え、該容器本体10は、底板部11と、左右一対の側板部12,12と、後板部13と、前板部15と、を備え、該容器本体10における該前板部15の上縁16と該後板部13の上縁14との間に形成された開口部がごみ投入口19とされ、該回動式開閉蓋20が有する上に凸の側面視円弧形状の開閉蓋本体20Aの左右両辺に形成された差出部22に設定された軸支部30には、該回動式開閉蓋20の閉鎖方向への回動にのみ抵抗力を発生させる一方向ロータリーダンパー31が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみ袋等を一時的に収容しておくごみ集荷容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集合住宅等の敷地内に設置され、該集合住宅等から排出されたごみが入ったごみ袋等(以下、単に「ごみ」とも言う)を、収集車によって回収されるまで一時的に収容しておくごみ集荷容器は、既に提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0003】
特許文献1には、回転扉を備え、かつ容量を自由に変更できるごみ集荷容器が開示されている。また、特許文献2には、少数のパーツで組み立てることのできる組立式容器に関し、容器収容部をブロー成形により成形した主パーツと副パーツとで組立て構成するものであり、該容器には回動式の開閉蓋が設けられている構成が開示されている。また、容器本体に対して揺動する蓋体を備えたプッシュオン蓋付き容器も既に開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−316203号公報
【特許文献2】特開2010−159061号公報
【特許文献3】特開2007−297116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これまでに提供されている従来構成は、ごみを容器内に収容すべく上記回動式の開閉蓋を開閉するたびに、該開閉蓋の後縁部や取っ手部等が容器本体と衝突して不快な衝突音が発生してしまう。特に、該容器が集合住宅等に設置されて夜中や早朝の時間帯に使用された場合、この衝突音が住民の生活環境を悪化させるため、大きな問題となる。
【0006】
また、前記開閉蓋の開閉操作をより一層容易とし、さらに、この開閉操作の安全性の確保も求められる。例えば、特許文献3に開示されているプッシュオン蓋付き容器の蓋開閉構造をごみ集荷容器に適用しようとすると、回動する蓋に周囲にいる者が接触するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、回動式開閉蓋の開閉に際し衝突音が緩和され、また安全性に優れたごみ集荷容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、容器本体と、該容器本体の前側上部に形成されたごみ投入口を開閉する回動式開閉蓋と、を備えたごみ集荷容器であって、該容器本体は、平面視矩形状の底板部と、該底板部における互いに対向する左右一対の側縁に各々立設され、上部が上に凸の半円弧形状とされた左右一対の側板部と、該底板部の後縁及び該左右一対の側板部における後側下縁より、該側板部の側縁間に差し渡されつつ、該側板部の後側縁形状に沿って該側板部の上部に亘って形成される後板部と、該底板部の前縁及び該左右一対の側板部における前側下縁より、該側板部の側縁間に差し渡されつつ、該側板部の前側縁形状に沿って形成される前板部とを備え、該容器本体における該前板部の上縁と該後板部の上縁との間に形成された開口部が前記ごみ投入口とされており、該回動式開閉蓋は、上に凸の側面視円弧形状の開閉蓋本体と、該開閉蓋本体の左右両辺より、該開閉蓋本体の円弧中心側に向けて差し出された左右一対の差出部とを備え、該差出部には、該開閉蓋本体の円弧中心に対応する円弧中心部が設けられ、該円弧中心部に軸支部が設定され、該軸支部を介して該回動式開閉蓋は該左右一対の側板部に軸支されて、該回動式開閉蓋が該側板部の半円弧形状の上縁に沿って前側下方に回動すると該ごみ投入口が閉鎖され、該回動式開閉蓋が該側板部の半円弧形状の上縁に沿って後側上方に回動すると該ごみ投入口が開放され、さらに該回動式開閉蓋の左右両端の軸支部の少なくとも一方には、該回動式開閉蓋の閉鎖方向への回動にのみ抵抗力を発生させる一方向ロータリーダンパーが配設されていることを特徴とするごみ集荷容器である。
【0009】
かかる構成にあって、使用者がごみ投入口を介してごみを投入した後、該ごみ投入口を閉鎖すべく回動式開閉蓋を閉鎖方向に回動させると、前記一方向ロータリーダンパーの機能により閉鎖方向の回動に対して抵抗力が発生する。このため、使用者が閉鎖動作の最中に手を離した状態であっても、該回動式開閉蓋は、自重による降下の速度が該抵抗力によって好適に抑えられることによって、該抵抗力が付与されずに単に自重のみによって降下する場合よりも緩やかに回動して閉鎖する。このため、閉鎖時に該回動式開閉蓋と容器本体とが強く衝突して大きな衝突音が発生してしまうことが防止される。
【0010】
上記構成は、前記回動式開閉蓋、及び/又は前記後板部には、緩衝部が配設されており、前記ごみ投入口が開放状態となるとき、該回動式開閉蓋と該後板部との間に該緩衝部が介装される構成としてもよい。
【0011】
かかる構成とすることにより、閉鎖時だけでなく、使用者がごみを投入すべくごみ投入口を開放した際にも、前記緩衝部の緩衝作用により、前記回動式開閉蓋と前記容器本体とが衝突して大きな衝突音が発生してしまうことを防止することができる。
【0012】
さらに、前記回動式開閉蓋が前記容器本体内に配置され、前記後板部の内側面には、前側に突出して上部に略水平面を有するストッパー部が配設され、該回動式開閉蓋の後縁部、及び/又は該後板部のストッパー部の上部の略水平面に前記緩衝部が配設され、該回動式開閉蓋が開放方向へ回動して前記ごみ投入口が開放状態となるとき、該後縁部が該緩衝部を介して該ストッパー部に押し当てられ、該回動式開閉蓋が開放方向へ回動不能となる構成としてもよい。
【0013】
かかる構成とすることにより、大きな衝突音を発生させることなく、前記ごみ投入口が適切に開放される位置で前記回動式開閉蓋の開放方向への回動を確実に停止させることができる。また、該回動式開閉蓋が容器本体内に配置されるため、回動する該回動式開閉蓋が周囲にいる者に接触するおそれが少なく、安全である。
【0014】
また、前記一方向ロータリーダンパーには、回動可能な角度範囲が規制されており、前記ごみ投入口が開放状態となるとき、該一方向ロータリーダンパーが最大角度位置に達して前記回動式開閉蓋が開放方向へ回動不能となり、該回動式開閉蓋と前記後板部との間には間隙が設けられて互いが非接触な状態にある構成としてもよい。
【0015】
かかる構成にあっては、一方向ロータリーダンパーにより、前記ごみ投入口が適切に開放される位置で前記回動式開閉蓋の開放方向への回動を確実に停止させることができる。また、前記ごみ投入口が開放状態となるとき、該回動式開閉蓋と前記容器本体とが互いに非接触にあるため、該回動式開閉蓋を開放操作した際の衝突音の発生を確実に防止することができる。
【0016】
ところで、上記のように、一方向ロータリーダンパーが最大回動角度に達したところで回動式開閉蓋の回動が適正に停止する構成は、長期に亘って使用を継続した場合、開閉のたびに該一方向ロータリーダンパーに負荷がかかり、全体として製品の耐用年数が低下するおそれがある。
【0017】
そこで、前記一方向ロータリーダンパーは、一方の前記軸支部にのみ配設され、他方の軸支部には、前記回動式開閉蓋の回動角度範囲を規制する回動角度範囲規制手段が配設されており、前記ごみ投入口が開放状態となるとき、該回動角度範囲規制手段により該回動式開閉蓋は開放方向へ回動不能となり、該回動式開閉蓋と前記後板部との間には間隙が設けられて互いが非接触な状態にある構成が提案される。
【0018】
かかる構成とすることにより、一方向ロータリーダンパーに負荷をかけることなく、前記ごみ投入口が適切に開放される位置で前記回動式開閉蓋の開放方向への回動を確実に停止させることができる。また、該ごみ投入口が開放状態となるとき、該回動式開閉蓋と前記後板部との間には間隙が設けられて互いが非接触にあるため、該回動式開閉蓋を開放操作した際の衝突音の発生も確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のごみ集荷容器は、回動式開閉蓋を開閉した際に発生する衝突音を緩和することができる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1にかかるごみ集荷容器を示す外観斜視図であって、ごみ投入口が閉鎖された状態を示す。
【図2】ごみ集荷容器を示す外観斜視図であって、ごみ投入口が開放された状態を示す。
【図3】図2の軸支部を分解して示す分解斜視図。
【図4】ごみ集荷容器の縦断面を示す説明図であって、(a)はごみ投入口が開放される前段階を示し、(b)は該ごみ投入口が開放された状態を示す。
【図5】実施例2にかかるごみ集荷容器の縦断面を示す説明図であって、(a)はごみ投入口が開放される前段階を示し、(b)は該ごみ投入口が開放された状態を示す。
【図6】(a)は、実施例3にかかるごみ集荷容器の一方向ロータリーダンパーの回動角度範囲を示し、(b)は、ごみ投入口が開放された状態のごみ集荷容器の縦断面を示す説明図。
【図7】実施例4にかかる軸支部を分解して示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のごみ集荷容器を具体化した実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
【0022】
(実施例1)
図1,2に示すように、ごみ集荷容器1Aは、容器本体10と、該容器本体10の前側上部に形成されたごみ投入口19を開閉する回動式開閉蓋20と、を備えている。
【0023】
前記容器本体10は、図1に示すように、平面視横長矩形状の底板部11を有し、該底板部11における互いに対向する左右一対の側縁に、左右一対の側板部12,12が立設されている。また、該側板部12の上部は、上に凸の半円弧形状とされている。なお、該半円弧形状とは、半径同一で中心角が180度となるようにコンパスで円弧を描いた際に描かれる始点から終点までの円弧形状をいうこととする。
【0024】
前記左右一対の側板部12,12における各後側の側縁間には、後板部13が差し渡されている。さらに、該後板部13は、前記底板部11の後縁及び該左右一対の側板部12,12における後側下縁より、該側板部12の後側縁形状に沿って該側板部12の上部に亘って形成されている。該後板部13は、前記側板部12の直線状の側縁に沿って配置されている後側扉13Aと、該後側扉13Aの直上に配置され、該側板部12における半円弧形状の上縁に沿って頂上に向けて配置されている天井板13Bとで構成されている。
【0025】
前記左右一対の側板部12,12における各前側の側縁間には、前板部15が差し渡されている。さらに、該前板部15は、前記底板部11の前縁及び該左右一対の側板部12,12における前側下縁より、該側板部12の前側縁形状に沿って形成されている。該前板部15は、平板状をなし、該側板部12の直線状の側縁に沿って配置された左右一対の前側扉15A,15Bによって構成されている。該左右一対の前側扉15A,15Bは、該左右一対の側板部12,12の前側の側縁部にそれぞれ回動自在に取り付けられており、中央から観音式に開いて該容器本体10内のごみを容易に取り出すことができる。なお、該前側扉15A,15Bと前記後側扉13Aとは、同じ寸法や同じ意匠の扉部材をそれぞれ共用してもよいし、互いに異なる型の扉部材をそれぞれ別々に用いてもよい。
【0026】
そして、図1,2に示すように、前記容器本体10における前記前板部15の上縁16と前記後板部13の上縁14との間に形成された横長矩形状の開口部が、前記ごみ投入口19とされている。
【0027】
また、図1,2に示すように、前記回動式開閉蓋20は、開閉蓋本体20Aと、差出部22,22とを有している。該開閉蓋本体20Aは、前記ごみ投入口19に対応する寸法形状をなし、かつ前記容器本体10の側板部12の半円弧形状の上縁に沿って湾曲した上に凸の側面視円弧形状をなしている。また、該差出部22は、扇形状をなし、該開閉蓋本体20Aの左右両辺にボルト等の連結部材23を介して連結されることにより、前記側板部12の板面に沿って該開閉蓋本体20Aの円弧中心側に向けて差し出されている。
【0028】
さらに、図3等に示すように、扇形状を有する各差出部22に設けられた、前記開閉蓋本体20Aの円弧中心に対応する円弧中心部には、該回動式開閉蓋20を該側板部12に対して回動自在に支持させるための軸支部30が配設されている。そして、該回動式開閉蓋20は、容器本体10内に配置された状態で該軸支部30を介して各側板部12,12に軸支されている。これにより、該回動式開閉蓋20が該側板部12の半円弧形状を有する上縁に沿って前側下方に回動すると該ごみ投入口19が閉鎖され(図1参照)、該回動式開閉蓋20が該側板部12の半円弧形状を有する上縁に沿って後側上方に回動すると該ごみ投入口19が開放される(図2参照)。なお、該開閉蓋本体20Aの前縁部には、容器本体10の外側に向けて折り返された取っ手部21が形成されており、使用者が該取っ手部21を掴んで回動式開閉蓋20を回動させることが可能となっている。
【0029】
以下、図3に従って、前記左右一対の軸支部30について詳述する。
該軸支部30は、オイルが内部に充填された市販のオイルダンパーからなる一方向ロータリーダンパー31を備えている。該一方向ロータリーダンパー31は、前記回動式開閉蓋20の閉鎖方向への回動にのみ抵抗力を発生させる機能を有しており、楕円形状の鍔部を有するカバー体32Bと、該カバー体32Bに対して回動する回動軸31Aとを有している。そして、扇形状を有する前記差出部22に設定された円弧中心部に形成された凹状のダンパー受け部33内に、該ダンパー受け部33内の挿通孔33A内に前記回動軸31Aが挿通された状態で該一方向ロータリーダンパー31が嵌め込まれ、さらに、該カバー体32Bが該ダンパー受け部33内で回動しないようにネジ固定されている。さらに、該差出部22の円弧中心部には、該一方向ロータリーダンパー31を覆うように押さえ金具32が取り付けられており、該一方向ロータリーダンパー31が該ダンパー受け部33から脱落することが防止されている。また、該一方向ロータリーダンパー31の前記回動軸31Aは、ダンパー受け部33に設けられた挿通孔33A、及び前記側板部12に設けられた挿通部34に形成される挿通孔34Aに挿通され、さらに、該側板部12の外側面にネジ固定された固定部材35の挿通孔35Aに遊転不能に嵌入されている。
【0030】
また、図4に示すように、前記後板部13における天井板13Bの下端付近の内側面には、前側に突出して上部に略水平面を有するストッパー部40が配設され、該ストッパー部40の該上部の略水平面に緩衝部としての緩衝部材41が配設されている。該緩衝部材41は、公知技術である緩衝材により好適に構成され、弾力のある合成樹脂材料やゴム材料等の成形品が好ましく用いられる。
【0031】
上記構成にあって、図4aに示すように、使用者がごみを投入すべく回動式開閉蓋20を押し上げてごみ投入口19を開放すると、図4bに示すように、該回動式開閉蓋20の後縁部24が、前記ストッパー部40に配設された緩衝部材41に接触し、該回動式開閉蓋20が該緩衝部材41を介して該ストッパー部40に押し当てられる。このように該回動式開閉蓋20が該緩衝部材41を介して該ストッパー部40に押し当てられると、該回動式開閉蓋20の開放方向への回動が不能となってごみ投入口19が開放状態となる。該ごみ投入口19が開放状態となるとき、該緩衝部材41の緩衝作用により、該回動式開閉蓋20と該容器本体10とが衝突して生ずる衝突音の発生を防止できる。なお、図4bに示すように、該回動式開閉蓋20が該緩衝部材41を介して該ストッパー部40に押し当てられる位置まで回動した状態において、該回動式開閉蓋20の取っ手部21と前記後板部13の上縁14との間には間隙が形成される構成としている。このような配置となるように該回動式開閉蓋20の回動角度範囲が規制されることにより、取っ手部21を掴んだ使用者の指が該後板部13の上縁14と該取っ手部21との間の隙間に収容されることとなる。
【0032】
一方、前記回動式開閉蓋20を閉鎖する際は、使用者は該回動式開閉蓋20を閉鎖方向へ押し下げる。このとき、該回動式開閉蓋20がある程度下方に回動開始すれば、手を離しても該回動式開閉蓋20は自重によって閉鎖方向へ降下するが、前記一方向ロータリーダンパー31が発生させる抵抗力により、自重による降下の速度が好適に抑えられ、単に自重のみによって降下する場合よりもゆっくりと閉鎖方向に回動し、図1に示す閉鎖状態となる。このように、該回動式開閉蓋20は、ゆっくりと回動して衝突音を発生させることなくごみ投入口19を閉鎖することができる。また、該回動式開閉蓋20は、容器本体10内に配置されており、天井板13Bの内側に収容されるように回動するため、該容器本体10の周囲にいる者に接触するおそれが少なく、安全である。
【0033】
なお、前記緩衝部材41は、回動式開閉蓋20の後縁部24にのみ配設されていてもよいし、該後縁部24及び前記ストッパー部40の両方に配設されていてもよい。勿論、該緩衝部材41は、側板部12の内側に設けられたストッパー部40に相当する段差部に配設されてもよい。また、上記した容器本体10の底板部11、側板部12、後板部13、及び前板部15は、それぞれブロー成形された樹脂製の中空部材で構成されることが、ごみ集荷容器1Aを軽量化する上で特に望ましい。
【0034】
(実施例2)
以下、実施例2にかかるごみ集荷容器1Bについて説明するが、実施例1と共通する部分については説明を簡略又は省略し、また図中では同じ符号を付すこととする。
【0035】
図5aに示すように、前記ごみ集荷容器1Bの前記後板部13における天井板13Bの内側面には、前側に突出して上部に略水平面を有するストッパー部40が配設されておらず、緩衝部材41が該後板部13の上縁14に配設されている。そして、図5bに示すように、前記回動式開閉蓋20が開放方向に回動し、開閉蓋本体20Aの前縁部にて容器本体10の外側に向けて折り返された取っ手部21が緩衝部材41を介して該後板部13の上縁14に当接したところで、該回動式開閉蓋20の回動が停止し、ごみ投入口19が開放状態となる。このように、ごみ投入口19が開放状態となるとき、該回動式開閉蓋20と該後板部13との間に緩衝部材41が介装されると、該緩衝部材41の緩衝作用により、該回動式開閉蓋20と該容器本体10とが衝突して大きな衝突音が発生してしまうことを防止することができる。なお、本発明にいう該回動式開閉蓋20と該後板部13との間に緩衝部材41が介装される状態は、ごみ投入口19の開放状態で回動式開閉蓋20が容器本体10の後板部13に対して強い衝撃を与えないよう、回動式開閉蓋20と後板部13との間に緩衝部材41が介装されていればよいとの観点から、例えば緩衝部材41が天井板13Bの湾曲部位と開閉蓋本体20Aとの間に配置された構成であってもよいし、緩衝部材41が側板部12と差出部22との間に配置された構成であってもよい。
【0036】
なお、前記緩衝部材41は、回動式開閉蓋20の取っ手部21にのみ配設されていてもよいし、該取っ手部21及び前記後板部13の上縁14の両方に配設されていてもよい。
【0037】
(実施例3)
以下、実施例3にかかるごみ集荷容器1Cについて説明するが、実施例1,2と共通する部分については説明を簡略又は省略し、また図中では同じ符号を付すこととする。
【0038】
図6aに示すように、軸支部30に設けられた前記一方向ロータリーダンパー31には、回動可能な角度範囲θが規制されており、
a1≦θ≦a2
の範囲内で回動式開閉扉20が回動可能とされている。そして、図6bに示すように、該一方向ロータリーダンパー31が最大角度位置であるa2に達することにより該回動式開閉蓋20の開放方向への回動が不能となると、該回動式開閉蓋20と前記後板部13との間に間隙が設けられて互いが非接触な状態で前記ごみ投入口19が開放状態となる。かかる構成とすることにより、該ごみ投入口19が適切に開放される位置で該回動式開閉蓋20の開放方向への回動を確実に停止することができる。また、この状態で該回動式開閉蓋20と容器本体10とを非接触にすることができるため、後板部13の上縁14と取っ手部21との間に間隙を設け、開放時の衝突音を確実に防止することができる。
【0039】
(実施例4)
以下、実施例4にかかるごみ集荷容器1Dについて説明するが、実施例1〜3と共通する部分については説明を簡略又は省略し、また図中では同じ符号を付すこととする。
【0040】
ごみ集荷容器1Dは、一方の軸支部30には、前記一方向ロータリーダンパー31が配設され、図7に示すように、他方の軸支部50には、回動角度範囲規制手段としての回動角度範囲規制部材51が配設されている。さらに詳述すると、前記一方向ロータリーダンパー31は、回動式開閉蓋20の回動角度範囲を規制する機能は有しておらず、前記回動角度範囲規制部材51が回動式開閉蓋20の回動角度範囲を規制する機能を有している。該回動角度範囲規制部材51は、ケーシング52と、該ケーシング52内に固設され、内周面に第一係止部54が形成された外側体53と、該外側体53内に回動自在に配置され、前記第一係止部54と係止する第二係止部56を備え、該第二係止部56と一体的に構成されて回動式開閉蓋20と共に回動する回動体55とを備えている。そして、該回動角度範囲規制部材51により該回動式開閉蓋20の上方への回動が停止したところで前記ごみ投入口19が開放状態となり、該ごみ投入口19の開放状態において該回動式開閉蓋20と前記後板部13との間には間隙が設けられて互いが非接触な状態とされる。このため、一方向ロータリーダンパー31に負荷をかけることなく、該ごみ投入口19が適切に開放される位置で該回動式開閉蓋20の開放方向への回動を確実に停止させ、該回動式開閉蓋20を開放した際の衝突音も確実に防止することができる。
【0041】
また、これまでに述べたごみ集荷容器1A〜1Dは、安全に配慮し、いずれも回動式開閉蓋20が容器本体10内に配置された構成であるが、本発明は回動式開閉蓋が容器本体10の外に配置されている構成も含まれるものとする。
さらに、前記緩衝部材41は、前記ストッパー部40、前記後縁部24、前記後板部13の上縁14、取っ手部21等の全面に亘って設けられてもよく、また、例えば図2に示すように部分的に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1A〜1D ごみ集荷容器
10 容器本体
11 底板部
12 側板部
13 後板部
14 後板部の上縁
15 前板部
16 前板部の上縁
19 ごみ投入口
20 回動式開閉蓋
20A 開閉蓋本体
22 差出部
24 回動式開閉蓋の後縁部
30,50 軸支部
31 一方向ロータリーダンパー
40 ストッパー部
41 緩衝部材(緩衝部)
51 回動角度範囲規制部材(回動角度範囲規制手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、該容器本体の前側上部に形成されたごみ投入口を開閉する回動式開閉蓋と、を備えたごみ集荷容器であって、
該容器本体は、
平面視矩形状の底板部と、
該底板部における互いに対向する左右一対の側縁に各々立設され、上部が上に凸の半円弧形状とされた左右一対の側板部と、
該底板部の後縁及び該左右一対の側板部における後側下縁より、該側板部の側縁間に差し渡されつつ、該側板部の後側縁形状に沿って該側板部の上部に亘って形成される後板部と、
該底板部の前縁及び該左右一対の側板部における前側下縁より、該側板部の側縁間に差し渡されつつ、該側板部の前側縁形状に沿って形成される前板部とを備え、
該容器本体における該前板部の上縁と該後板部の上縁との間に形成された開口部が前記ごみ投入口とされており、
該回動式開閉蓋は、上に凸の側面視円弧形状の開閉蓋本体と、該開閉蓋本体の左右両辺より、該開閉蓋本体の円弧中心側に向けて差し出された左右一対の差出部とを備え、
該差出部には、該開閉蓋本体の円弧中心に対応する円弧中心部が設けられ、該円弧中心部に軸支部が設定され、該軸支部を介して該回動式開閉蓋は該左右一対の側板部に軸支されて、該回動式開閉蓋が該側板部の半円弧形状の上縁に沿って前側下方に回動すると該ごみ投入口が閉鎖され、該回動式開閉蓋が該側板部の半円弧形状の上縁に沿って後側上方に回動すると該ごみ投入口が開放され、さらに該回動式開閉蓋の左右両端の軸支部の少なくとも一方には、該回動式開閉蓋の閉鎖方向への回動にのみ抵抗力を発生させる一方向ロータリーダンパーが配設されている
ことを特徴とするごみ集荷容器。
【請求項2】
前記回動式開閉蓋、及び/又は前記後板部には、緩衝部が配設されており、前記ごみ投入口が開放状態となるとき、該回動式開閉蓋と該後板部との間に該緩衝部が介装される
請求項1に記載のごみ集荷容器。
【請求項3】
前記回動式開閉蓋が前記容器本体内に配置され、
前記後板部の内側面には、前側に突出して上部に略水平面を有するストッパー部が配設され、
該回動式開閉蓋の後縁部、及び/又は該後板部のストッパー部の上部の略水平面に前記緩衝部が配設され、該回動式開閉蓋が開放方向へ回動して前記ごみ投入口が開放状態となるとき、該後縁部が該緩衝部を介して該ストッパー部に押し当てられ、該回動式開閉蓋が開放方向へ回動不能となる
請求項2に記載のごみ集荷容器。
【請求項4】
前記一方向ロータリーダンパーには、回動可能な角度範囲が規制されており、
前記ごみ投入口が開放状態となるとき、該一方向ロータリーダンパーが最大角度位置に達して前記回動式開閉蓋が開放方向へ回動不能となり、該回動式開閉蓋と前記後板部との間には間隙が設けられて互いが非接触な状態にある
請求項1に記載のごみ集荷容器。
【請求項5】
前記一方向ロータリーダンパーは、一方の前記軸支部にのみ配設され、他方の軸支部には、前記回動式開閉蓋の回動角度範囲を規制する回動角度範囲規制手段が配設されており、
前記ごみ投入口が開放状態となるとき、該回動角度範囲規制手段により該回動式開閉蓋は開放方向へ回動不能となり、該回動式開閉蓋と前記後板部との間には間隙が設けられて互いが非接触な状態にある
請求項1に記載のごみ集荷容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−35636(P2013−35636A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171274(P2011−171274)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】