ずり落ち防止ブラジャ―

【課題】ストラップ（肩ひも）を外して着用した場合でも、ずり落ちにくいブラジャーに関するものである。
【解決手段】ブラジャーの脇布を構成する糸のうち、少なくとも肌側に露呈する糸に吸・放湿性のあるスパンデックス糸を用いて該脇布が編成されてなることを特徴とするずり落ち防止ブラジャー。

【考案の詳細な説明】
【０００１】
【考案の属する技術分野】
本考案は、ストラップ（肩ひも）を外して着用した場合でも、ずり落ちにくいブラジャーに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のストラップが着脱自在式のブラジャーは、ストラップを外して着用した場合、ズリ下り易くて安定感が悪いという欠点があった。
【０００３】
そのため、これを解決する手段として、ストラップを外した場合には、脇布端部のフックの止め位置をブラジャーの全体長さ（円周）が短くなるように変えることが多いが、胸への締着け力が過度となって圧迫され、着用感が悪くなってしまう。
【０００４】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、ストラップを外したときに、ストラップを取り付けたときと同様の締着け力であってもズリ落ちの心配がなく、あえて過度に胸を締着ける必要がないブラジャーを提案するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
そのため、本考案では、ブラジャーのカップ両外側に連設される左右脇布の内側にスパンデックス糸、好ましくは吸湿・放湿性のあるスパンデックス糸が露呈するように該脇布を編成し、これにより肌への密着性を良くして滑りにくくすると共に、肌への密着による熱気等の不快感を解消する。
【０００６】
即ち、本考案はブラジャーの脇布を構成する糸のうち、少なくとも肌側に露呈する糸にスパンデックス糸を用いて該脇布が編成されてなることを特徴とするずり落ち防止ブラジャーに関するもので、このスパンデックス糸としてはセルロースが練り込まれた吸・放湿性を有するスパンデックス糸が好ましい。
以下、本考案の実施形態を図により説明する。
【０００７】
【考案の実施の形態】
図１はブラジャーの全体の斜視図、図２は要部の拡大断面図で、１はブラジャーの左右のカップ、２はカップ１の表生地の側縁にそれぞれ縫着連設された脇布、３は左右のカップ１と対応する左右の脇布２の上辺間を結ぶ着脱自在のストラップである。
【０００８】
左右の脇布２にはナイロンやポリエステルのストレッチ加工糸あるいはスパンデッックス（商品名）糸とナイロン糸等を用いて編成した伸縮性生地が用いられるが、本考案では少なくともタテ編みの糸の中で内側（肌側）に露呈する糸にスパンデックス糸４を用いて、かつこのスパンデックス糸４中にはセルロースが練り込まれていて、吸湿性と放湿性があり、これにより肌と接したときに摩擦係数を高くして滑りにくくしてある（図４参照）。なお、図中５は脇布２を編成している例えば外側に来るナイロン糸を示している。
【０００９】
従って、このような構成の脇布２によれば、ストラップ３を取外してブラジャーを着用した場合、肌側に露呈する糸４が吸湿・放湿性を有しているので、熱気等による不快感も解消するのである。
【００１０】
【考案の効果】
本考案のブラジャーは上述のようにしてなり、脇布を編成する糸のうち、少なくとも肌側に露呈する糸に吸・放湿性を有するスパンデックス糸が用いられているので、肌への密着性が良くて滑りにくく、ストラップを外して着用してもズリ下りが防止されるから、安心して着用でき、しかも熱気等が放散されるので、むれも防止されて、着用感も良好であり、従来のようにストラップを外して着用するときにフックの止め位置を変えて締着け力を強くするような必要もない等の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図１】ブラジャー全体の斜視図である。
【図２】本考案の要部である脇布部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
１−ブラジャーのカップ
２−脇布
３−ストラップ
４−吸・放湿性スパンデックス糸
５−ナイロン糸

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項１】ブラジャーの脇布を構成する糸のうち、少なくとも肌側に露呈する糸にスパンデックス糸を用いて該脇布が編成されてなることを特徴とするずり落ち防止ブラジャー。
【請求項２】前記スパンデックス糸はセルロースが練り込まれた吸・放湿性を有する糸である請求項１記載のずり落ち防止ブラジャー。

【図１】