説明

アクチュエータ及び車両用ヘッドランプ装置

【課題】出力軸が外力により回転されたときの、中間ギヤ及び出力軸の歯部に掛かる荷重を低減することができるアクチュエータを提供する。
【解決手段】アクチュエータ5の出力軸24は、歯部24aを有する内部側部材31と、内部側部材31に連結部(圧入部42)を介して連結されるとともに外部と連結される外部側部材41とを有し、連結部は、モータ12の回転に基づく内部側部材31の回動を外部側部材41に伝達するとともに、外部側部材41が所定以上の荷重で回動された場合に、その外部側部材41の回動を内部側部材31に少なくとも一時的に伝達しないように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの回転を中間ギヤを介して出力軸に伝えるアクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両用ヘッドランプ装置に用いられるアクチュエータは、駆動源としてのモータと、モータの回転により回転する平歯車よりなる中間ギヤと、中間ギヤと噛合された出力軸とをハウジングに備え、モータの回転が中間ギヤによって減速されて出力軸に伝達され、その出力軸が回動駆動されるようになっている(例えば特許文献1参照)。そして、ハウジングから一部突出する出力軸には、車両用のヘッドランプが装着され、例えばステアリングの操作と連動してヘッドランプが左右に回動駆動されるようになっている。
【0003】
ところで、このようなアクチュエータでは、回転基準位置を設定する(イニシャライズする)ためのストッパ部が、例えば中間ギヤに設けられており、そのストッパ部とハウジング側の係合部とが係合されて中間ギヤの回転が規制される位置に基づいて回転基準位置を検出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−166801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなアクチュエータでは、出力軸が何らかの外力によって出力側から回動され、その荷重が中間ギヤに伝達されたときに、中間ギヤのストッパ部がハウジング側の係合部と係合されて中間ギヤの回転が規制された状態であると、中間ギヤの歯部とそれと噛合する出力軸側の歯部とに過度な荷重が掛かり、その歯部が破損してしまう虞があった。特に、上記アクチュエータのように、中間ギヤが平歯車よりなる構成では、出力軸が外力によって比較的回転しやすいため、上記の問題が顕著となってしまう。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、出力軸が外力により回動されたときの、中間ギヤ及び出力軸の歯部に掛かる荷重を低減することができるアクチュエータ及び車両用ヘッドランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングと、前記ハウジングに収容されたモータと、前記ハウジングに収容され、前記モータの回転により回転されるとともに該モータの回転を減速する平歯車よりなる中間ギヤと、前記ハウジングに回転可能に支持され、前記中間ギヤと噛合された出力軸側歯部を有する出力軸とを備え、前記ハウジング側の係合部と係合可能なイニシャライズ用のストッパ部が前記中間ギヤに設けられているアクチュエータであって、前記出力軸は、前記出力軸側歯部を有する内部側部材と、前記内部側部材に連結部を介して連結されるとともに外部と連結される外部側部材とを有し、前記連結部は、前記モータの回転に基づく前記内部側部材の回動を前記外部側部材に伝達するとともに、前記外部側部材が所定以上の荷重で回動された場合に、その前記外部側部材の回動を前記内部側部材に少なくとも一時的に伝達しないように構成されていることを特徴とする。
【0008】
この発明では、出力軸の外部側部材が外力により所定以上の荷重で回動されたときに、その外部側部材の回動が内部側部材に少なくとも一時的に伝達されないため、出力軸の内部側部材に設けられた歯部とその歯部と噛合する中間ギヤの歯部とに掛かる荷重を低減することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアクチュエータにおいて、前記中間ギヤは複数設けられ、前記ストッパ部は、複数の前記中間ギヤのうち、前記出力軸側歯部と噛合された最後段の中間ギヤに設けられていることを特徴とする。
【0010】
この発明では、複数の中間ギヤのうち、出力軸側歯部と噛合された最後段の中間ギヤにストッパ部が設けられるため、イニシャライズ用のストッパ部として好適な構成とすることが可能となる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、前記連結部は、前記外部側部材に一体に設けられるとともに、前記内部側部材に形成された連結孔に圧入固定された圧入部であり、前記圧入部は、前記外部側部材が所定以上の荷重で回動された場合に前記連結孔に対して空転するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
この発明では、出力軸の外部側部材が外力により所定以上の荷重で回動されたときに、その外部側部材の圧入部が内部側部材の連結孔に対して空転する。このため、その外部側部材の回動が内部側部材に伝達されないように構成でき、その結果、出力軸の内部側部材に設けられた歯部とその歯部と噛合する中間ギヤの歯部とに掛かる荷重を好適に低減することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、前記連結部は、前記内部側部材と前記外部側部材との間に介在され、前記出力軸の周方向に撓む緩衝部材を備えていることを特徴とする。
【0014】
この発明では、出力軸の外部側部材が外力により所定以上の荷重で回動されたとき、その外力を受けて緩衝部材が周方向に撓むことによって外部側部材の回動が内部側部材に一時的に伝達されない。その結果、出力軸の内部側部材に設けられた歯部とその歯部と噛合する中間ギヤの歯部とに掛かる荷重を好適に低減することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、アクチュエータの駆動に基づいてヘッドランプが回動する車両用ヘッドランプ装置において、前記アクチュエータには、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクチュエータが用いられていることを特徴とする。
【0016】
この発明では、アクチュエータの出力軸の外部側部材が外力により所定以上の荷重で回動されたときの、出力軸の内部側部材に設けられた歯部とその歯部と噛合する中間ギヤの歯部とに掛かる荷重を低減することができる。
【発明の効果】
【0017】
従って、上記記載の発明によれば、出力軸が外力により回転されたときの、中間ギヤ及び出力軸の歯部に掛かる荷重を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】車両用ヘッドランプ装置を搭載した車両の斜視図。
【図2】車両用ヘッドランプ装置の断面図。
【図3】本実施形態のアクチュエータの断面図。
【図4】(a)別例のアクチュエータの一部を示す断面図、(b)同アクチュエータの出力軸の構成を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1の進行方向前端部には、一対の車両用ヘッドランプ装置2が備えられている。図2に示すように、各車両用ヘッドランプ装置2の筐体3内には、左右方向に回動可能に支持されるヘッドランプ4と、該ヘッドランプ4を回動させるためのアクチュエータ5とが収容されている。また、各車両用ヘッドランプ装置2は車載LAN(図示略)に接続されており、アクチュエータ5はAFS(Adaptive Front Lighting System)−ECU6からシリアル通信にて所定制御周期で送信されるヘッドランプ4の目標位置信号に基づいて制御されている。車両用ヘッドランプ装置2は、その目標位置信号に基づいた所定の指令パルス信号を決定するアクチュエータ5内に収容した制御回路26の制御に基づいて、ヘッドランプ4の光軸をステアリング操作に連動させて左右方向に動作させるようになっている。
【0020】
図3に示すように、アクチュエータ5は、扁平四角箱形状をなす下部ケース10a及び上部ケース10bとからなるハウジング10内に減速機構11が収容されるとともに、上部ケース10bの長手方向一側の外側面にステッピングモータ12が取り付けられ、該モータ12と減速機構11とが駆動連結されてなる。
【0021】
ステッピングモータ12は、有底筒状のモータケース13内に2段構造をなす円環状のステータ14が固定され、該モータケース13の開口部を上部ケース10bの外側面に当接させて取り付けられている。ステータ14は、各段それぞれに一対のステータコア15を有し、各段それぞれのステータコア15に対してコイル16が装着されてなる。各ステータコア15には、径方向内側に複数のクローポール15aが備えられている。尚、ステータ14の1段目と2段目とは、各段のクローポール15aが周方向に半ピッチ分ずらして配置されている。ステータ14の内側にはクローポール15aに対向するように外周面にマグネット17を有するロータ18が収容され、該ロータ18の回転軸19がモータケース13及び上部ケース10bに対して回転可能に支持されている。回転軸19の先端側は上部ケース10bを貫通してハウジング10内に突出し、その突出した先端部に駆動ギヤ20が取り付けられている。
【0022】
ハウジング10内に収容される減速機構11は、平歯車よりなる3つの減速ギヤ21〜23(中間ギヤ)を備え、該ハウジング10の長手方向他方側に向けて並設されそれぞれ回転可能に支持されている。モータ12の回転軸19に取着された駆動ギヤ20は、3つの減速ギヤ21〜23のうち最前段(ギヤ列入力側)の減速ギヤ21と噛合し、減速ギヤ21はその後段の減速ギヤ22と噛合している。そして、減速ギヤ22は、最後段(ギヤ列出力側)の減速ギヤ23と噛合し、その最後段の減速ギヤ23は出力軸24の歯部24aと噛合している。これにより、モータ12の回転軸19の回転が減速され出力軸24の所定角度の回動に変換されている。
【0023】
また、減速ギヤ23には、回転基準位置を設定する(イニシャライズする)ためのストッパ部23aが一体形成されており、このストッパ部23aは、上部ケース10bの内面から突出形成された係合部10cと減速ギヤ23の回転方向に当接可能に構成されている。制御回路26は、ストッパ部23aと係合部10cとが回転方向に当接されて減速ギヤ23の回転が規制される位置に基づいて回転基準位置を検出し、その回転基準位置に基づきヘッドランプ4がステアリング操作に連動するように動作制御を行う。
【0024】
出力軸24は、歯部24aを有する内部側部材31と、内部側部材31に連結された外部側部材41とを有する。
内部側部材31は、略円筒状の筒部32を有し、その筒部32から径方向に延出された延出部33の外縁に歯部24aが形成されている。筒部32の軸方向基端部(図3において下端部)には、下部ケース10aの内面から延出形成された支軸部10dが挿入され、筒部32の軸方向中央よりも先端側の部位は、上部ケース10bに形成された円形の挿通孔10eに挿通されている。これにより、筒部32が下部ケース10aに対して回転可能に支持されている。尚、筒部32と下部ケース10aとの間には、ねじりコイルばね34が介在されている。このねじりコイルばね34は、筒部32に対し周方向一方に付勢力を付与しており、駆動ギヤ20、減速ギヤ21〜23、及び出力軸24間に設けられているバックラッシによる出力軸24のがたつきを防止している。
【0025】
外部側部材41は、軸方向に延出され内部側部材31に連結された断面円形の圧入部42と、一体に形成された外部連結部43とを有している。圧入部42は、筒部32の軸方向先端部から該筒部32内側の連結孔32aに圧入固定されており、内部側部材31、連結孔32a、圧入部42及び外部側部材41の各軸線は同軸上に設定されている。外部連結部43は、上部ケース10bの挿通孔10eからハウジング10の外部に突出するように構成され、この外部連結部43はヘッドランプ4と駆動連結される。
【0026】
次に、上記実施形態の作用について説明する。
モータ12の回転軸19の回転は、減速ギヤ21〜23にて順に減速伝達され、減速ギヤ23から出力軸24の内部側部材31に伝達される。すると、内部側部材31は所定角度内で回動し、その回動力は、連結孔32aから外部側部材41の圧入部42へと伝達され、内部側部材31と外部側部材41とが一体回転する。これにより、外部側部材41の外部連結部43と連結されたヘッドランプ4が車両1の左右方向に回動する。
【0027】
一方、出力軸24の外部側部材41が所定以上の荷重で回動されると、外部側部材41の圧入部42が連結孔32aに対して空転し、外部側部材41の回動が内部側部材31に伝達されない。これにより、出力軸24が外力によって回動されたときの、出力軸24の歯部24aとその歯部24aと噛合する減速ギヤ23の歯部とに掛かる荷重が低減されるようになっている。尚、圧入部42の圧入による外部側部材41と内部側部材31との周方向の固定力は、上記作用が実現可能な大きさに設定されている。
【0028】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)アクチュエータ5の出力軸24は、歯部24aを有する内部側部材31と、内部側部材31に連結部(圧入部42)を介して連結されるとともに外部と連結される外部側部材41とを有する。そして、連結部は、モータ12の回転に基づく内部側部材31の回動を外部側部材41に伝達するとともに、外部側部材41が所定以上の荷重で回動された場合に、その外部側部材41の回動を内部側部材31に伝達しないように構成される。これにより、出力軸24の外部側部材41が外力により所定以上の荷重で回動されたときに、その外部側部材41の回動が内部側部材31に伝達されないため、出力軸24の内部側部材31に設けられた歯部24aとその歯部24aと噛合する中間ギヤの歯部とに掛かる荷重を低減することができる。
【0029】
(2)ストッパ部23aは、モータ12の回転を順に伝達する複数の減速ギヤ21〜23(中間ギヤ)のうち、出力軸24の歯部24aと噛合された最後段の減速ギヤ23に設けられる。このため、イニシャライズ用のストッパ部23aとして好適な構成とすることが可能となる。
【0030】
(3)連結部は、外部側部材41に一体に設けられるとともに、内部側部材31に形成された連結孔32aに圧入固定された圧入部42であり、圧入部42は、外部側部材41が所定以上の荷重で回動された場合に連結孔32aに対して空転するように構成される。このため、その外部側部材41の回動が内部側部材31に伝達されないように構成でき、その結果、出力軸24の内部側部材31に設けられた歯部24aとその歯部24aと噛合する減速ギヤ23の歯部とに掛かる荷重を好適に低減することができる。
【0031】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、出力軸24の内部側部材31と外部側部材41との連結部を圧入部42及び連結孔32aにて構成したが、これに特に限定されるものではなく、外部側部材41が所定以上の荷重で回動された場合に、その外部側部材41の回動を内部側部材31に少なくとも一時的に伝達しないような構成であればよく、例えば、図4(a)(b)に示すような構成としてもよい。
【0032】
図4に示す構成では、外部側部材41には、その下端面(内部側部材31側端面)中心から軸方向に延びる円柱状の軸部51が形成されており、その軸部51は内部側部材31の先端部に形成された挿通孔52に軸方向に挿通されている。また、外部側部材41の下端面には、軸方向に内部側部材31側に軸方向に突出する外部側係止部53が形成され、内部側部材31の先端面には、外部側部材41側に軸方向に突出する円弧状の内部側係止部54が形成されている。また、外部側部材41の下端面と内部側部材31の先端面との間には、軸部51に外挿されたばね部材55(緩衝部材)が配置されている。そして、ばね部材55は、その一端部が外部側部材41の周方向一端面53aに係止されるとともに、他端部が内部側係止部54の周方向一端面54aに係止されている。
【0033】
このような構成では、外部側部材41が外力にてストッパ方向(ストッパ部23aが係合部10cと当接する回動方向)に回動された場合、減速ギヤ23のストッパ部23aと係合部10cが当接し、更に外部側部材41に所定以上の荷重(トルク)が加わったときに、外部側係止部53の周方向一端面53aが内部側係止部54の周方向一端面54aに近づく方向に回動し、ばね部材55が回動方向に撓む。このばね部材55が撓んでいる期間では、外部側部材41の所定以上の回動力が内部側部材31に一時的に伝達されないため、内部側部材31の歯部24aとその歯部24aと噛合する減速ギヤ23の歯部とに掛かる荷重を好適に低減することができるようになっている。
【0034】
また、モータ12が回転駆動されると、減速ギヤ23及び内部側部材31は反ストッパ方向に回動し、内部側部材31の回動力は、内部側係止部54からばね部材55を介して外部側係止部53に伝達され、内部側係止部54と外部側係止部53とが一体回転するようになっている。尚、ばね部材55が内部側部材31及び外部側部材41に付与する周方向の付勢力は、上記作用が実現可能な大きさに設定されている。
【0035】
このように、図4に示すような構成では、連結部は、内部側部材31と外部側部材41との間に介在され、出力軸24の周方向に撓む緩衝部材としてのばね部材55を備える。このため、外部側部材41が外力により所定以上の荷重で回動されたとき、その外力を受けてばね部材55が周方向に撓むことによって外部側部材41の回動が内部側部材31に一時的に伝達されず、その結果、内部側部材31の歯部24aとその歯部24aと噛合する減速ギヤ23の歯部とに掛かる荷重を好適に低減することができる。
【0036】
尚、図4に示す構成では、緩衝部材にばね部材55を用いているが、これに特に限定されるものではない。例えば、緩衝部材としての磁石を内部側部材31及び外部側部材41にそれぞれ設け、その各磁石を周方向に同極で対向させて構成してもよい。このような構成によれば、モータ12の回転に基づき内部側部材31が反ストッパ方向に回動する際には、内部側係止部54と外部側係止部53とは各磁石間が離間する状態で一体回転する。そして、外部側部材41が磁石間の斥力以上の荷重でストッパ方向に回動されると、外部側部材41は磁石同士が周方向に突き当たるまで一時的に空転し、この空転期間では外部側部材41の回動が内部側部材31に伝達されない。このため、内部側部材31の歯部24aとその歯部24aと噛合する減速ギヤ23の歯部とに掛かる荷重を好適に低減することができる。
【0037】
・上記実施形態では、ストッパ部23aが減速ギヤ23に設けられたが、これ以外に例えば、減速ギヤ22、又は減速ギヤ21に設けてもよい。
・上記実施形態では、3つの減速ギヤ21〜23(中間ギヤ)を設ける構成としたが、これに特に限定されるものではなく、例えば減速ギヤを1つ、2つ、又は4つ以上で構成してもよい。
【0038】
・上記実施形態では、アクチュエータ5の駆動源にステッピングモータ12を用いたが、これに特に限定されるものではなく、ステッピングモータ以外の例えばブラシ付モータを用いてもよい。
【0039】
・上記実施形態では、車両用ヘッドランプ装置に用いられるアクチュエータに本発明を適用したが、これに特に限定されるものではなく、例えば車両用空調装置に用いられるアクチュエータに適用してもよい。
【符号の説明】
【0040】
2…車両用ヘッドランプ装置、4…ヘッドランプ、5…アクチュエータ、10…ハウジング、10c…係合部、12…モータ、21〜23…減速ギヤ(中間ギヤ)、23a…ストッパ部、24…出力軸、24a…歯部(出力軸側歯部)、31…内部側部材、32a…連結孔、41…外部側部材、42…圧入部(連結部)、55…ばね部材(緩衝部材)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに収容されたモータと、
前記ハウジングに収容され、前記モータの回転により回転されるとともに該モータの回転を減速する平歯車よりなる中間ギヤと、
前記ハウジングに回転可能に支持され、前記中間ギヤと噛合された出力軸側歯部を有する出力軸と
を備え、前記ハウジング側の係合部と係合可能なイニシャライズ用のストッパ部が前記中間ギヤに設けられているアクチュエータであって、
前記出力軸は、前記出力軸側歯部を有する内部側部材と、前記内部側部材に連結部を介して連結されるとともに外部と連結される外部側部材とを有し、
前記連結部は、前記モータの回転に基づく前記内部側部材の回動を前記外部側部材に伝達するとともに、前記外部側部材が所定以上の荷重で回動された場合に、その前記外部側部材の回動を前記内部側部材に少なくとも一時的に伝達しないように構成されていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のアクチュエータにおいて、
前記中間ギヤは複数設けられ、
前記ストッパ部は、複数の前記中間ギヤのうち、前記出力軸側歯部と噛合された最後段の中間ギヤに設けられていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、
前記連結部は、前記外部側部材に一体に設けられるとともに、前記内部側部材に形成された連結孔に圧入固定された圧入部であり、
前記圧入部は、前記外部側部材が所定以上の荷重で回動された場合に前記連結孔に対して空転するように構成されていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のアクチュエータにおいて、
前記連結部は、前記内部側部材と前記外部側部材との間に介在され、前記出力軸の周方向に撓む緩衝部材を備えていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項5】
アクチュエータの駆動に基づいてヘッドランプが回動する車両用ヘッドランプ装置において、
前記アクチュエータには、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクチュエータが用いられていることを特徴とする車両用ヘッドランプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−24300(P2013−24300A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158211(P2011−158211)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】