説明

アルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法

【課題】 本発明の課題は、有機スズ化合物等の毒性の高い化合物を一切使用せずに、特定の中間体を経由して、アルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 本発明の課題は、アザメタラシクロペンテン化合物、トリハロゲノホウ素及びエーテル化合物を反応させることを特徴とする、アルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法に関する。アザボラシクロペンテン化合物は、例えば、金属含有薄膜形成用、重合触媒用、医薬、農薬用等の金属錯体配位子として有用な化合物であり、重合用触媒としては、オレフィン用重合触媒としての使用が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【背景技術】
【0002】
従来、アルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法としては、例えば、N−tert−ブチル−3−クロロアザボラシクロペンテンとカリウムtert−ブトキシドとをテトラヒドロフラン中にて−35℃〜室温で反応させて、tert−ブトキシアザボラシクロペンテンを製造する方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
前記N−tert−ブチル−3−クロロアザボラシクロペンテンは、4−tert−ブチル−4−アザ−3−ジメチルスタンナシクロペンテンと三塩化ホウ素とを反応させることによって得られる化合物である(例えば、非特許文献2参照)。
又、4−tert−ブチル−4−アザ−3−ジメチルスタンナシクロペンテンは、公知の方法によって合成できる(例えば、非特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−110917号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Organometallics,21,4323(2002)
【非特許文献2】Angew.Chem.Int.Ed.41.No.1(2002)
【非特許文献3】Chem.Ber.,2389(1979)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の方法では、ホウ素を導入するための前駆体として不可避的に極めて毒性の高い有機スズ化合物を使用しなければならず、使用時の取扱いや廃棄物の処理の煩雑さの点において、工業的な製造方法として採用され難いという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、有機スズ化合物等の毒性の高い化合物を一切使用せずに、特定の中間体を経由して、アルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題は、一般式(1)
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基、R〜Rは水素原子又は炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、Mは2価の金属原子を示す。)
で示されるアザメタラシクロペンテン化合物、一般式(2)
【0010】
【化2】

【0011】
(式中、Xはハロゲン原子を示す。)
で示されるトリハロゲノホウ素及び一般式(3)
【0012】
【化3】

【0013】
(式中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖又は分枝状のアルキル基を示す。)
で示されるエーテル化合物を反応させることを特徴とする、一般式(4)
【0014】
【化4】

【0015】
(式中、R〜Rは前記と同義である。)
で示されるアルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法によって解決される。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、安価で毒性の低い金属を用いる方法にて、アルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法を提供することができる。アルコキシアザボラシクロペンテン化合物は、例えば金属含有薄膜形成用、重合触媒用、医薬、農薬用等の金属錯体配位子として有用な化合物である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明はアルコキシアザボラシクロペンテン化合物の新規な製造方法を提供することにあるが、本発明の反応は以下のふたつの反応工程からなる。
【0018】
(1)一般式(5)
【0019】
【化5】

【0020】
(式中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基、R〜Rは水素原子又は炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。)
で示されるアリルアミンジリチオ体と一般式(6)
【0021】
【化6】

(式中、Mは2価の金属原子、Yはハロゲン原子を示す。)
で示されるジハロゲノ金属化合物とを反応させて、一般式(1)
【0022】
【化7】

【0023】
(式中、R〜R及びM前記と同義である。)
で示されるアザメタラシクロペンテン化合物を製造する反応工程(以下、環化反応工程と称する。)。
【0024】
(2)一般式(1)
【0025】
【化8】

【0026】
アザメタラシクロペンテン化合物と一般式(2)
【0027】
【化9】

【0028】
(式中、Xはハロゲン原子を示す。)
で示されるトリハロゲノホウ素化合物と一般式(3)
【0029】
【化10】

【0030】
(式中、Rは、炭素原子数1〜5の直鎖又は分枝状のアルキル基を示す。)
で示されるエーテルとともに反応させて、一般式(4)
【0031】
【化11】

【0032】
(式中、R〜Rは前記と同義である。)
で示されるアルコキシアザボラシクロペンテン化合物を製造する反応工程(以下、ホウ素交換反応工程と称する)。
【0033】
(1)環化反応工程
本発明の環化反応工程において使用するアリルアミンジリチオ体塩は、前記の一般式(5)において示される。その一般式(5)において、Rは炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示すが、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基等の炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。又、R〜Rは水素原子又は炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示すが、具体的には、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基等の炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。
【0034】
前記アリルアミンジリチオ体は、アリルアミン(又はその塩)と有機リチウム化合物を反応させることによって得られる(例えば、非特許文献4参照)。前記有機リチウム化合物としては、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等が挙げられるが、好ましくはn−ブチルリチウムが使用される。なお、これらのリチウム化合物は単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0035】
なお、アリルアミンジリチウム化合物は、一旦合成したものを単離して使用、又は反応系内で合成したものをそのまま使用することができ、その合成の際に溶媒としてエーテル類を使用した場合には、反応液から取り除くことなくそのままホウ素交換反応工程の基質として使用しても良い。
【0036】
本発明の環化反応工程において使用するジハロゲノ金属化合物は、前記の一般式(6)において使用される。その一般式(6)において、Mは2価の金属原子(モノアルキル化された3価の金属原子を含む)であるが、例えば、亜鉛、マグネシウム、鉄、銅、モノアルキルアルミニウムであるが、好ましくは亜鉛、マグネシウムである。又、Yはハロゲン原子であり、例えば、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子である。
【0037】
前記ジハロゲノ金属化合物の使用量は、アリルアミンジリチオ体1モルに対して、好ましくは0.5〜1.5モル、更に好ましくは0.8〜1.2モルである。
【0038】
本発明の環化反応工程には溶媒の存在下で行うことが望ましく、使用される溶媒としては反応を阻害しないものならば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられるが、好ましくはエーテル類、更に好ましくはジエチルエーテル、テトラヒドロフランが使用される。なお、これらの溶媒は単独又は二種以上を混合して使用しても良く、エーテル類を使用した場合には、反応終了後に反応液からエーテル類を除かなければ、次のホウ素交換反応工程の反応基質としても使用できる。
【0039】
前記溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性等により適宜調節するが、アリルアミンジリチオ体1gに対して、好ましくは0.5〜100g、更に好ましくは3〜30gである。
【0040】
本発明の環化反応工程は、例えば、アリルアミンジリチオ体、ジハロゲノ金属化合物及び溶媒を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは−78〜50℃、更に好ましくは−10〜40℃あり、反応圧力は特に制限されない。
【0041】
なお、アリルアミンジリチオ体を反応系内で調製したものをそのまま使用する方法としては、アリルアミン(又はその塩)と有機リチウム化合物とを反応させてアリルアミンジリチオ体を合成した後、それにジハロゲノ金属化合物及び溶媒を加えて反応させる方法もしくは、別途アリルアミン(又はその塩)と有機リチウム化合物とを反応させて得られたアリルアミンジリチオ体を、ジハロゲノ金属化合物及び溶媒中に加えて反応させる方法等が挙げられる。
【0042】
本発明の環化反応工程によって得られるアザメタラシクロペンテン化合物は、一般式(1)
【0043】
【化12】

【0044】
(式中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基、R〜Rは水素原子又は炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、Mは2価の金属原子を示す。)
で示される化合物である。
【0045】
本発明の環化反応工程によって得られたアザメタラシクロペンテン化合物は、一旦合成したものを単離して、又は反応系内で合成したものをそのままホウ素交換反応工程に使用することができる。
【0046】
(2)ホウ素交換反応工程
本発明のホウ素交換反応において使用するトリロゲノホウ素は、前記の一般式(2)で示される。その一般式(2)において、Xはハロゲン原子を示すが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。又、エーテル化合物は、前記の一般式(3)で示される。その一般式(3)において、Rは炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示すが、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基等の炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。
【0047】
前記トリハロゲノホウ素の使用量は、アザメタラシクロペンテン化合物1モルに対して、好ましくは0.5〜1.5モル、更に好ましくは0.8〜1.2モルである。
【0048】
本発明の環化反応工程は、例えば、アザメタラシクロペンテン化合物、トリハロゲノホウ素(必要ならばその溶媒溶液)及びエーテル化合物を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは−78〜50℃、更に好ましくは−30〜40℃であり、反応圧力は特に制限されない。
【0049】
本発明の環化反応により目的物であるアルコキシアザボラシクロペンテン化合物が得られるが、反応終了後、中和、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の公知の方法によって単離・精製される。
【0050】
又、本発明において環化反応工程とホウ素交換工程を連続的に行う場合において、その好ましい態様としては、例えば、リチウム化合物、アリルアミン及び溶媒を混合してアリルアミンジリチオ体を含む溶液を合成した後、次いで、ジハロゲノ金属化合物(必要ならばその溶媒溶液)を反応させて反応系中にアザメタラシクロペンテン化合物を含む溶液を調製する。更に、当該反応液にトリハロゲノホウ素(必要ならばその溶媒溶液)と一般式(3)で示されるエーテル化合物を加えて反応させることによって、アルコキシアザボラシクロペンテン化合物を製造する方法が挙げられる。
【0051】
更に好ましい態様としては、リチウム化合物、アリルアミン及びエーテル化合物(環化反応工程では溶媒として機能し(即ち、反応に関与しない)、ホウ素交換反応工程では反応基質として作用する。)を混合してアリルアミンジリチオ体を含む溶液(エーテル化合物を溶媒として含む溶液)を合成した後、次いで、ジハロゲノ金属化合物(必要ならばその溶媒溶液)を反応させて反応系中にアザメタラシクロペンテン化合物を含む溶液(エーテル化合物を溶媒として含む溶液)を調製する。更に、当該反応液にトリハロゲノホウ素(必要ならばその溶媒溶液)を加えて、先の反応工程で残っているエーテル化合物とともに反応させることによって、アルコキシアザボラシクロペンテン化合物を製造する方法が挙げられる。
【0052】
即ち、本発明におけるエーテル化合物は、環化反応工程においては溶媒又は混合溶媒の場合には溶媒の一部(例えば、エーテル化合物と脂肪族炭化水素との混合溶媒)として使用することができる。なお、反応させるエーテル化合物の種類は、単一のアルコキシアザボラシクロペンテン化合物を製造するためには同一であることが望ましい。
【0053】
更に、本発明の原料化合物であるアリルアミンジリチオ体を合成する際の溶媒としてもエーテル化合物は使用することができ、当該エーテル化合物を残留させたまま、環化反応工程を通じて、ホウ素交換反応工程にて反応基質として使用することもできる。
【0054】
なお、本発明の目的物であるアルコキシアザボラシクロペンテン化合物及びその合成中間体であるアザメタラシクロペンテン化合物は、大気中の水分や酸素に対して必ずしも安定ではない場合が多いため、無水条件下や不活性ガス条件下にて、反応、操作、後処理等を行うことが望ましい。
【0055】
本発明によって製造されるアルコキシアザボラシクロペンテン化合物は、例えば、以下の式(7)〜(36)によって示される化合物が挙げられる。
【0056】
【化13】

【0057】
【化14】

【0058】
等が挙げられる。なお、化合物(21)以外は新規化合物である。
【実施例】
【0059】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0060】
実施例1(4−tert−ブチル−3−エトキシ−4−アザ−3−ボラシクロペンテン(化合物(11))の合成)
(tert−ブチルアミンジリチオ体の合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積100mlのフラスコに、アルゴン雰囲気下、tert−ブチルアリルアミン2.3g(20mmol)及びジエチルエーテル20mlの混合溶液に、反応液を0℃付近に維持しながら、1.6mol/lのn−ブチルリチウムへキサン溶液(25ml(40mmol)をゆるやかに滴下した。次いで、反応液を攪拌させながら25℃まで20時間反応させた(この時点でtert−ブチルアミンジリチオ体が生成)。この反応液にジエチルエーテル50mlを加えることでtert−ブチルアミンジリチオ体のジエチルエーテル溶液を調整した。
【0061】
(反応工程1:環化反応工程)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積200mlのフラスコに、アルゴン雰囲気にて、無水ヨウ化亜鉛6.4g(20mmol)をジエチルエーテル25mlに溶解させた溶液を加え、先に調製したtert−ブチルアミンジリチオ体のジエチルエーテル溶液の溶液を0℃でゆるやかに滴下した後、反応液を攪拌させながら25℃まで2時間反応させた(この時点で4−tert−ブチル−4−アザ−3−ジンカシクロペンテンが生成。)
【0062】
(反応工程2:ホウ素交換反応工程)
次いで、前記反応液に、反応液の温度を−30℃付近に維持しながらトリブロモボラン5.0g(20mmol)のヘキサン溶液20mlをゆるやかに滴下し、攪拌しながら25℃で2時間反応させた。反応終了後、反応液をアルゴン雰囲気にて濾過し、濾液を濃縮した後に濃縮物を減圧下で蒸留(100℃、6.6kPa)し、無色液体として、4−tert−ブチル−3−エトキシ−4−アザ−3−ボラシクロペンテン2.1gを得た(単離収率;63%)。
なお、4−tert−ブチル−3−エトキシ−4−アザ−3−ボラシクロペンテンは以下の物性値で示される新規化合物であった。
【0063】
H−NMR(DMSO−d,δ(ppm));1.20(3H,t),1.28(9H,s),3.65(2H,m),3.95(2H,q),6.02(1H,m),7.03(1H,m)
MS(m/z);167
【0064】
比較例1(4−tert−ブチル−3−エトキシ−4−アザ−3−ボラシクロペンテンの合成)
実施例1のヨウ化亜鉛を添加せずに同様の操作を行ったところ4−tert−ブチル−3−エトキシ−4−アザ−3−ボラシクロペンテンの単離収率は僅か2%であった。
【0065】
以上の結果から、本発明のアリルアミンジリチオ体と2価の金属原子を含むジハロゲノ金属化合物とを反応させて、2価の金属原子を含むアザメタラシクロペンテン化合物を経由して、更にトリハロゲノホウ素及びエーテル化合物を反応させることによってアルコキシアザボラシクロペンテン化合物を製造することができることが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明はアルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法に関する。アザボラシクロペンテン化合物は、例えば、金属含有薄膜形成用、重合触媒用、医薬、農薬用等の金属錯体配位子として有用な化合物である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基、R〜Rは水素原子又は炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、Mは2価の金属原子を示す。)
で示されるアザメタラシクロペンテン化合物、一般式(2)
【化2】

(式中、Xはハロゲン原子を示す。)
で示されるトリハロゲノホウ素及び一般式(3)
【化3】

(式中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖又は分枝状のアルキル基を示す。)
で示されるエーテル化合物を反応させることを特徴とする、一般式(4)
【化4】

(式中、R〜Rは前記と同義である。)
で示されるアルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法。
【請求項2】
一般式(5)
【化5】

(式中、R〜Rは前記と同義である。)
で示されるアリルアミンジリチオ体と一般式(6)
【化6】

(式中、Mは2価の金属原子、Yはハロゲン原子を示す。)
で示されるジハロゲノ金属化合物とを反応させた後、次いで、一般式(2)
【化7】

(式中、Xはハロゲン原子を示す。)
で示されるトリハロゲノホウ素及び一般式(3)
【化8】

(式中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖又は分枝状のアルキル基を示す。)
で示されるエーテル化合物を反応させることを特徴とする、一般式(4)
【化9】

(式中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、R〜R5は前記と同義である。)
で示されるアルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法。
【請求項3】
一般式(5)
【化5】

(式中、R〜Rは前記と同義である。)
で示されるアリルアミンジリチオ体と一般式(6)
【化6】

(式中、Mは2価の金属原子、Yはハロゲン原子を示す。)
で示されるジハロゲノ金属化合物とを、一般式(3)
【化3】

(式中、Rは前記と同義である。)
で示されるエーテル化合物を含む溶媒中で反応させた後、次いで、一般式(2)
【化7】

(式中、Xはハロゲン原子を示す。)
で示されるトリハロゲノホウ素を反応させることを特徴とする、一般式(4)
【化9】

(式中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、R〜R5は前記と同義である。)
で示されるアルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法。
【請求項4】
Mが亜鉛原子又はマグネシウム原子である請求項1乃至3のいずれかに記載のアルコキシアザボラシクロペンテン化合物の製造方法。
【請求項5】
一般式(4)
【化4】

(式中、R〜Rは前記と同義である(但し、R〜Rはが全て水素原子で、且つRがtert−ブチル基の場合を除く。))
で示されるアルコキシアザボラシクロペンテン化合物。