アルミニウム形材の押出方法
【課題】 従来、ダイス金型4aの入口でビレット40が詰まってしまいAl押出形材が出てこない場合は、ビレット40をコンテナー3より抜き取りダイス交換をして、新たなビレットにて押出を再開していた。また、花咲事故が起こった場合はエアータガネでアルミニウムを取り除いていた。従来の押出方法は一つのダイスで1本以上のビレットを押出す方法であり、1本のビレットで多種形材の押出しはできなった。
【解決手段】
コンテナー3及びステム6をダイス金型4aから後退させるとともにビレット40をダイス金型4aとコンテナー3の間で破断41,48させる。ダイス金型4a及びコンテナー3からそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフ25,42で切落し、コンテナー3内に残存するビレット40により、ダイス交換を行いあるいは行わずに、押出を再開する。コンテナー3側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰す(45)、あるいは切落す(61)ことも可能である。
【解決手段】
コンテナー3及びステム6をダイス金型4aから後退させるとともにビレット40をダイス金型4aとコンテナー3の間で破断41,48させる。ダイス金型4a及びコンテナー3からそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフ25,42で切落し、コンテナー3内に残存するビレット40により、ダイス交換を行いあるいは行わずに、押出を再開する。コンテナー3側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰す(45)、あるいは切落す(61)ことも可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアルミニウムビレットをダイスから押出して形材に成形する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム形材の押出サイクルは周知であって、特許文献1(特公平8-252号公報)の第5欄第11行から第6欄第9行までに一般説明がなされている。本発明が関係する工程を特許文献1から抽出すると次のとおりである。(イ)メインシヤ下降、メインシヤ上昇(第5欄第49行)、(ロ)バッツを残した位置でラム停止(第12欄第10−11行、第4図)、(ハ)押出機の1サイクル終了時にビレットが押出機に供給される(第5欄第13−14行)。これらを図1を参照して解説する。
【0003】
図1は押出機要部の模式図であって、図中1はシリンダ、2はラム、3はコンテナー、4はダイス、5は押出形材、6はステムである。ビレットは直径が通常7インチであり、加熱後コンテナー3内に装入され、ステム6により加圧され、ダイス4から押出される。図1に示すように、ビレットのほぼ全量が押出されると、それ以上の圧力を加えても押出が不可能になる。この状態でステム6をコンテナー3内にて停止する。コンテナー3内に残留したビレットはバッツ7あるいはディスカードと言われ通常厚さが20〜40mm程度である。
【0004】
次の押出サイクルを開始するためには、図2に示すようにラム2及びコンテナー3を後退させ、シャーナイフ(メインシヤと言われることもある)8を付設のシリンダ9により降下させバッツ7を切落すことが必要になる。シャーナイフ8は押出圧力とほぼ同じ力をバッツ7に加えて、ダイス4中に残っている押出素材とバッツ7の間を約2秒程度で切り離す。この結果を生成する分離面は鏡面となっている。
【0005】
したがって、押出の1サイクルはビレットのコンテナーへの装入から始まり、バッツ7のせん断後のコンテナー閉鎖より終了するので、押出サイクル終了後にビレットを押出機に供給する。すなわち、一つのダイス4については1本以上のビレットを押出すことになる。
【0006】
図3には、シャーナイフを備えた押出機のうち、油圧オイルタンク、オイルを圧送するポンプ及びポンプを駆動するモーターを除く主要部分を示す。
オイルはプレフィルバルブ10を通ってシリンダ1内に圧送され、これとブッシュ(図示せず)を介して摺動可能に支持されているラム2を加圧し、プレッシャープレート11を介してラム2に固定されているステム6を前進させる。コンテナー3は同軸状に保持されたコンテナーホルダ12とコンテナーライナ13により構成され、これらはコンテナーガイド14により、図1,2に示されるように、前進後退可能となっている。15はタイロッドであり、上記した部材及びダイスを支持するとともに、コンテナー3の移動を案内する。
タイロッド15にはエンドプラテン16が固着され、コンテナー側にダイススライド上部17及びダイススライド下部18が固定され、ダイスをエンドプラテン16内に案内し装入する。エンドプラテン16のコンテナー側にはプレッシャーリング19が嵌込まれている。
【0007】
エンドプラテン16のコンテナー側にはバッツを切り落とすためのシャー機構20が固接されている。これはシャーシリンダ21内を昇降する主シャーシリンダーロッド22にシャーガイド23を含んでなり、シャーガイド23内を昇降するシャー固定部24の先端にシャーナイフ25が、消耗時に交換可能な方式で固定されている。
【0008】
図3には示されていないダイス4とその周辺部材を図4に示す。
図中、30はボルスタ、31はダミーボルスタ、32はバッカ、33はダイリング、34はダミーブロック、40はビレットである。
ダイス金型4aはソリッドダイスであるが、ホローダイスも使用されることがある。シャーナイフ25はダイス金型4aのコンテナー側表面を擦るように降下し、ダイス金型4aからバッツ7を2秒程度でアルミニウムを分離し、分離されたアルミニウム切屑が逃げ面25aから逃がすことにより、バッツ7の除去が行われる。このバッツ処理は自動的に進行し、シャーナイフが上端まで戻った後、直ちに押出が再開される。
【0009】
なお、図示されていないが、稀にアルミニウムがコンテナーライナー34とダイス金型4の間の僅かな隙間に浸入し、さらに外部に漏出ることがある。これは「花咲き」といわれる押出欠陥である。
【0010】
特許文献2(特許第2531603号公報)には、図5に示すようなスライド式ダイス交換装置50が示されている。図中、51はダイススライド用シリンダー、52a,bはダイスプレート、53はダイス交換用シリンダー、56はダイス金型とボルスタを組合わせたダイスである。図5では、ダイス56がエンドプラテン16に当接され、コンテナー3により圧接されるのを待機している状態である。ダイス56が図4に示されるように固定し、その後ダイスプレート52aをダイススライドシリンダ51により引抜き撤去すると押出が可能な状態になる。ダイス交換のためには、再び図6のような状態とし、ダイスプレート52a,bの間でダイス56を受渡しする。
【0011】
なお、ダイスプレートの代わりに、ダイス56を収納する函、すなわちダイボックスを使用することも行われている。エンドプラテンとコンテナーの両面に形成された開口部にダイス56を嵌込み、ダイスを装着したボックスとダイスを装着していない空のボックスを用意し、ダイス交換の再にはこれらの開口部を介してダイスの受渡しを行う。ダイスを図4のように固定する際には、ダイスを装着したボックスごと押出機に設置する。
【特許文献1】特公平8-252号公報
【特許文献2】特許第2531603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述のような押出サイクルにおいてダイス金型4にアルミビレット40(図4)を通過させることで、所定の形状を有する押出形材を得ることができる。通常はダイス温度450℃前後、ビレット温度480℃前後の押出条件が堅持されておれば、要求される形材を押出することは難しいことではない。しかし、稀にではあるがダイス金型4aの入口でビレット40が詰まってしまい形材が出てこない状況が発生する。ダイス金型4aの入口で詰まったビレット40は先端部のみが変形した状態で、その後は正常なビレット形状をコンテナーライナー13に保持されている。この場合の復旧方法は、図6に示すように、押し始めたビレット40を、コンテナー3より抜き取りダイス交換をして、新たなビレットにて押出を再開する操作を行う。通常の押出完了時には、図2に示すように、ビレット後端部のバッツ7をシャーナイフ25にて切落して、ダイス金型4と分離させているが、このシャーナイフ25はビレット40の変形先端部を切断することができないので、詰まったビレットを直ちに押出すことは出来なかった。
【0013】
また、花咲きが起こった場合は、前段落で説明したビレットの詰まりと同様の復旧操作を行ない、さらに花咲き部分を作業者がエアータガネなどで取除く必要があるので、復旧に要する時間がさらに長くなる。
【0014】
従来のアルミニウム形材の押出方法は一つのダイス金型で1個以上のビレットを押出す方法であり、1本のビレットから押出された約20〜50mの形材を数十本の定尺に切断することが行なわれていた。この押出方法では、例えば1本もしくは数本の他種少量生産の形材注文に対応することは困難であり、敢えて対応しようとすればビレットの長さを短くすることが考えられる。しかし、短いビレットは過熱ぎみになり、これを避ける為には加熱プログラムを変更する必要が生じ、また、これを行ったとしても炉の温度が不安定となるなどの悪循環となった。結局、1本のビレットの全量を押出し、不必要分を溶解原料とすることが多かった。
【0015】
したがって、本発明は上記のような多面にわたる問題を解決できるシャー切断手段を考案し、新規な押出サイクルを提供することを目的とする。
通常のバッツ切断の場合はコンテナー側にはビレットは残存していないが、本発明者らは、意図的にコンテナー側にビレットを残存させるように、ダイス金型側との間でビレットを破断させたところ、コンテナー側のビレット先端には変形突出部が形成された。この変形突出部は90°回転して側面で観察すると、鋭く切り立った山、氷山などの形状である。この変形突出部をシャーナイフで切落す試験をしたところ、鏡面に近い平滑面が形成されることを見出した。また、ダイス側に残存するアルミニウム素材は従来のようなバッツ形状ではなく、やはり上記のような形状であるが、従来と同様にシャーナイフで切断することができた。さらに、コンテナー側変形突出部の処理方法としては、圧縮による押潰しも試験した。さらにまた、従来ダイス交換に使用されていたクリーニングボックスにより、コンテナー側変形突出部切断の試験もした。何れの試験も成功裏に終了して、新たな押出サイクルを創生することができた。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は次の方法に大別される:
第1〜3方法−シャーナイフをダイス金型側とコンテナー側に設け;それぞれビレット詰まりへの対応、花咲き処理、1ビレット多種形材押出を行う。
第4〜6方法−形材成形用のダイス孔がなく変形突出部押潰し専用の盲ダイスをコンテナー側に設け;それぞれビレット詰まりへの対応、花咲き処理、1ビレット多種形材押出を行う。
第7〜9方法―ダイス金型交換装置にシャー機構を設け、それぞれビレット詰まりへの対応、花咲き処理、1ビレット多種形材押出を行う。
【0017】
本発明の第1方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウムビレットがダイス金型に詰まった際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型及び前記コンテナーからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0018】
本発明の第2方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウム素材がダイス金型とコンテナーの間隙から外部に漏出した際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型と前記コンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型及びコンテナーからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0019】
本発明の第3方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型及びコンテナーからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、ダイス金型を交換し、前記コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0020】
本発明の第1〜3方法においては、コンテナーを所定位置まで後退させて、コンテナーとダイス金型の間でビレットを破断し、コンテナー側ビレットの変形先端部のアルミニウム素材シャーナイフで切断して平滑面とすることにより、コンテナー内の正常ビレットを再使用するものである。通常のダイス金型側でのバッツ処理のためのシャーナイフが備えられているから、既存の設備では、コンテナー側でもシャーナイフ切断を行なうようにシャーナイフを増設する。新設備投資の場合は1個のシャーナイフで対応することも可能である。
【0021】
本発明の第4方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウムビレットがダイス金型に詰まった際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、また、コンテナー側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0022】
本発明の第5方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウム素材がダイス金型とコンテナーの間隙から外部に漏出した際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型と前記コンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0023】
本発明の第6方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、次にダイス金型を交換し、前記コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0024】
本発明の第4〜6方法においては、コンテナーを所定位置まで後退させて、コンテナーとダイス金型の間でビレットを破断し、通常のダイス金型側でのバッツ処理のためのシャーナイフで切断を行い、コンテナー側のビレットの変形先端部は圧縮して押し潰して平滑面とすることにより、コンテナー内の正常ビレットを再使用するものである。変形先端部の押し潰しのためには、通常ダイボックスが、ダイス交換に使用され、コンテナーとエンドプラテンの間にスライド式で前進・後退するので、これに、形材塑性変形のためのダイス孔がない盲ダイスを設置して、これにより押し潰しを行うことが好ましい。勿論新たな設備投資の場合は専用の盲ダイスを設置してもよい。
【0025】
本発明の第7方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウムビレットがダイス金型に詰まった際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、また、シヤ刃を設けたダイス金型交換装置をスライドさせることによりコンテナー側から突出しているアルミニウム素材を切落し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0026】
本発明の第8の方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウム素材がダイス金型とコンテナーの間隙から外部に漏出した際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型と前記コンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、シャー刃を設けたダイス金型交換装置をスライドさせることによりコンテナー側から突出しているアルミニウム素材を切落し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0027】
本発明の第9方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、シヤ刃を設けたダイス金型交換装置をスライドさせることによりコンテナー側から突出しているアルミニウム素材を切落し、次にダイス金型を交換し、前記コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0028】
本発明の第7〜9方法においては、コンテナーを所定位置まで後退させて、コンテナーとダイス金型の間でビレットを破断し、通常のダイス金型側でのバッツ処理のためのシャーナイフ切断を行い、コンテナー側のビレットの変形先端部はダイス交換装置に設けたシャー刃により切落として平滑面とすることにより、コンテナー内の正常ビレットを再使用するものである。
ダイス交換装置としては特許文献2に示されたダイスプレート52(図5)にシャーナイフを付設してもよい。
【0029】
しかしながら、最も好ましくはダイス交換ボックスを利用する方法である。その骨子は次のとおりである。ダイス交換ボックスはスライド式であり、ダイス金型とコンテナーの中間に横方向に前進・後退するので、この移動の際の力をシヤに利用できる。また、ダイス交換ボックスはダイス金型、あるいはダイス金型とボルスタの組合せを交換可能な方式で保持する開口部を備えている。また、ダイス交換ボックスはダイスを装着していない空の状態が必ずあるので、この状態の函体をシャーに利用することができる。この開口部はダイス金型などを保持するように鉄函などを補強する鍔状保持部を有しているので、これは函体により周囲から把持されており、十分にシャーに耐える強度をもっている。またこの鍔状補強部をシャーに利用するとボックス本体は損傷することはない。しかも、鍔状保持部は既存の設備にあるものをそのまま利用することができる。
以下、本発明の好ましい実施態様を図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の第1〜3方法で使用されるシャーナイフの具体例を図7(側面図)及び図8(コンテナー側から見た平面図)に示す。これらの図に示すように、二つのシャーナイフ25,42を同じシャー固定部24に相互に対向するように装備すると、従来のシヤ機構20(図3)をそのまま利用することができ、コンテナー側シャーナイフ駆動手段を増設する必要がなくなる。図7,8において、36はダイス側シャーナイフ25を固定するための張出し部、37はダイス側シャーナイフ42を固定するためのボルト孔、38は張出し部を固定するためのボルト孔、43はコンテナー側シャー42を固定するためのボルト孔である。図7に示すシャーナイフは、既存のシャー固定部24に切り欠きを設けてコンテナー側シャーナイフ24を固定するようにしているが、ダイス側シャーナイフ25を切り欠き部に固定してもよい。なお、シャーナイフ25,42の設置高さの差は後述の同時切断を考慮して定めている。また、図8に示されるダイス側のシャーナイフ25の横方向幅(Ws)は花咲きを切り落とすために十分な幅となっており、バッツ切落しには幅の極一部を使用する。
以下、第1方法を図9〜11を参照して具体的に説明する。
【0031】
型詰まりが生じた際には、押出を一旦を停止して、図9の側面図に示すように、ダイス4からコンテナー3及びステム(図示せず)を分離すると、ビレット40と押出し中のアルミニウム素材は間で破断して、突出部41,48が発生する。突出部41はダイス側に発生したものであり、バッツよりは多少小さいが不規則な形状をしている。一方突出部48はコンテナー側に生成する。続いて、図10に示すように、通常のバッツ切断用シャーナイフ25により突出部41を切断して、切落し片41aとする。この前にあるいは後に、コンテナー側の突出部48を切断して切落し片48aとする。
なお、図8及び9に示されたシャーナイフを使用する場合は、図9に示される分離距離(d)をシャーナイフの幅(W)と実質的に等しくする。すなわちd>Wであって、この差は下降するシャーナイフの振れなどを考慮してシャーナイフが押出機に当たらないような限度で定める。このようにすると、1回の操作により両方の突出物41,48を切落すことができる。
【0032】
花咲きが生じた場合は、図9と同様にダイス4からコンテナー3及びステム(図示せず)を分離すると、図12に示すように、花咲きによる突出部44とコンテナー側突出部48が発生する(図12参照)。この花咲きの処理は本発明の第2方法によると、ダイス側シャーナイフ25により切落し、一方コンテナー側突出部42は図11で説明した方法で処理する。
【0033】
本発明の第3方法は図9〜11を引用して説明した方法と基本的には同じである。但し、形材の所定長さが押出された後、押出を中断して、図9の状態とする。その後図9〜11を引用して説明した操作を行う。
【0034】
本発明の第4〜6方法は、図11の工程が本発明の第1〜3方法と異なっている。すなわち、第4〜6方法は、図11のようにシャーナイフを使用せずに、図13の平面図に示すように、コンテナー側突出部48を圧縮して押潰す金型45をシリンダ46でビレット40に向かい合う位置までスライドさせる。金型45の具体例は例えばビレットと同じ直径、直径の1/2〜2/3の厚さを有する鉄ブロックであり、これに対してコンテナー3をビレット40とともに前進させて、突出部48を押潰す。なお、コンテナー側とダイス側の突出部の処理の前後は任意である。
【0035】
本発明の第7〜9方法は、図11の工程が本発明の第1〜3方法と異なっている。すなわち、第7〜9方法は、図11のようにシャーナイフを使用せずに、ダイスボックスの鍔状保持部を使用する。図14はダイスボックスをコンテナー側から見た背面図、図15は平面図であり、図中、60はダイスボックスの函体、61はダイス保持孔、62は保持穴補強のための鍔部を示す。鍔部62は函体60から5mm程度外に突出している(h=5mm)。このダイスボックスがダイスを保持していない状態で、図16に示すようにダイスボックスをスライドさせて、鍔部62により突出部48を切落す。
【産業上の利用可能性】
【0036】
まず、本発明の第1、4、7方法によると、ビレットが詰まった場合従来の復帰方法で行っていたビレット交換が必要なくなり、またコンテナー内に保持されていたビレットをスクラップとして廃棄する必要がなくなる。具体的には、従来は600mm程度のビレットを廃棄していたが、本発明方法によると50mm程度を廃棄すればよい。
【0037】
次に、花咲きの場合も、本発明の第2、5、8方法によると、上記のようにコンテナーとダイス金型の間でビレットを破断すると、ダイス金型には花咲き部と変形突出部が残るので、これを一挙にダイス金型側シャーナイフで切断すると、人手で花咲き部を除去する必要はなくなる。
【0038】
最後に、1本ビレット/複数種形材押出を行なう本発明の第3、6、9方法の場合は、コンテナー内に残った正常のビレットにより、新たな形状・寸法の形材による押出しを行なうできるので、ビレットを短く切断する必要はなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】押出機によるアルミニウム形材押出工程を説明する図である。
【図2】図1の工程で1本のビレットの押出終了後バッツを切断する工程を説明すする図である。
【図3】押出機の要部を示す図である。
【図4】図3の押出機のダイス部分を示す図である。
【図5】従来型詰まりが生じた場合に処理を行う方法の説明図である。
【図6】ダイススライドの図である。
【図7】本発明の第1〜3方法で使用される一実施例に係るシャーナイフの側面図である。
【図8】図7のシャーナイフのダイス側からみた正面図である。
【図9】本発明の第1、3、4、6、7、9方法において、ダイス側及びコンテナー側のアルミニウム素材に突出部を形成する工程の図である。
【図10】図9の後ダイス側突出部を切落す工程の説明図である。
【図11】図9の後コンテナー側突出部を切落す工程の説明図である。
【図12】本発明の第2、5、8方法において花咲きを処理する工程の説明図である。
【図13】本発明の第4〜6方法において、コンテナー側突出部を押潰す工程の説明図である。
【図14】本発明の第7〜9方法において、使用されるダイボックスをコンテナー側から見た背面図である。
【図15】図14の平面図である。
【図16】図14,15に示されたダイボックスを使用して図11の工程に代わる工程を説明し、本発明の第7〜8方法の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0040】
1 シリンダ
2 ラム
3 コンテナー
4 ダイス
4a ダイス金型
5 押出形材
6 ステム
7 バッツ
8 シャーナイフ
16 エンドプラテン
20 シャー機構
30 ボルスタ
25 シャーナイフ(ダイス側)
40 ビレット
41 ダイス側突出部
42 シャーナイフ(コンテナー側)
45 金型
48 コンテナー側突出部
60 ダイスボックスの函体
【技術分野】
【0001】
本発明はアルミニウムビレットをダイスから押出して形材に成形する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム形材の押出サイクルは周知であって、特許文献1(特公平8-252号公報)の第5欄第11行から第6欄第9行までに一般説明がなされている。本発明が関係する工程を特許文献1から抽出すると次のとおりである。(イ)メインシヤ下降、メインシヤ上昇(第5欄第49行)、(ロ)バッツを残した位置でラム停止(第12欄第10−11行、第4図)、(ハ)押出機の1サイクル終了時にビレットが押出機に供給される(第5欄第13−14行)。これらを図1を参照して解説する。
【0003】
図1は押出機要部の模式図であって、図中1はシリンダ、2はラム、3はコンテナー、4はダイス、5は押出形材、6はステムである。ビレットは直径が通常7インチであり、加熱後コンテナー3内に装入され、ステム6により加圧され、ダイス4から押出される。図1に示すように、ビレットのほぼ全量が押出されると、それ以上の圧力を加えても押出が不可能になる。この状態でステム6をコンテナー3内にて停止する。コンテナー3内に残留したビレットはバッツ7あるいはディスカードと言われ通常厚さが20〜40mm程度である。
【0004】
次の押出サイクルを開始するためには、図2に示すようにラム2及びコンテナー3を後退させ、シャーナイフ(メインシヤと言われることもある)8を付設のシリンダ9により降下させバッツ7を切落すことが必要になる。シャーナイフ8は押出圧力とほぼ同じ力をバッツ7に加えて、ダイス4中に残っている押出素材とバッツ7の間を約2秒程度で切り離す。この結果を生成する分離面は鏡面となっている。
【0005】
したがって、押出の1サイクルはビレットのコンテナーへの装入から始まり、バッツ7のせん断後のコンテナー閉鎖より終了するので、押出サイクル終了後にビレットを押出機に供給する。すなわち、一つのダイス4については1本以上のビレットを押出すことになる。
【0006】
図3には、シャーナイフを備えた押出機のうち、油圧オイルタンク、オイルを圧送するポンプ及びポンプを駆動するモーターを除く主要部分を示す。
オイルはプレフィルバルブ10を通ってシリンダ1内に圧送され、これとブッシュ(図示せず)を介して摺動可能に支持されているラム2を加圧し、プレッシャープレート11を介してラム2に固定されているステム6を前進させる。コンテナー3は同軸状に保持されたコンテナーホルダ12とコンテナーライナ13により構成され、これらはコンテナーガイド14により、図1,2に示されるように、前進後退可能となっている。15はタイロッドであり、上記した部材及びダイスを支持するとともに、コンテナー3の移動を案内する。
タイロッド15にはエンドプラテン16が固着され、コンテナー側にダイススライド上部17及びダイススライド下部18が固定され、ダイスをエンドプラテン16内に案内し装入する。エンドプラテン16のコンテナー側にはプレッシャーリング19が嵌込まれている。
【0007】
エンドプラテン16のコンテナー側にはバッツを切り落とすためのシャー機構20が固接されている。これはシャーシリンダ21内を昇降する主シャーシリンダーロッド22にシャーガイド23を含んでなり、シャーガイド23内を昇降するシャー固定部24の先端にシャーナイフ25が、消耗時に交換可能な方式で固定されている。
【0008】
図3には示されていないダイス4とその周辺部材を図4に示す。
図中、30はボルスタ、31はダミーボルスタ、32はバッカ、33はダイリング、34はダミーブロック、40はビレットである。
ダイス金型4aはソリッドダイスであるが、ホローダイスも使用されることがある。シャーナイフ25はダイス金型4aのコンテナー側表面を擦るように降下し、ダイス金型4aからバッツ7を2秒程度でアルミニウムを分離し、分離されたアルミニウム切屑が逃げ面25aから逃がすことにより、バッツ7の除去が行われる。このバッツ処理は自動的に進行し、シャーナイフが上端まで戻った後、直ちに押出が再開される。
【0009】
なお、図示されていないが、稀にアルミニウムがコンテナーライナー34とダイス金型4の間の僅かな隙間に浸入し、さらに外部に漏出ることがある。これは「花咲き」といわれる押出欠陥である。
【0010】
特許文献2(特許第2531603号公報)には、図5に示すようなスライド式ダイス交換装置50が示されている。図中、51はダイススライド用シリンダー、52a,bはダイスプレート、53はダイス交換用シリンダー、56はダイス金型とボルスタを組合わせたダイスである。図5では、ダイス56がエンドプラテン16に当接され、コンテナー3により圧接されるのを待機している状態である。ダイス56が図4に示されるように固定し、その後ダイスプレート52aをダイススライドシリンダ51により引抜き撤去すると押出が可能な状態になる。ダイス交換のためには、再び図6のような状態とし、ダイスプレート52a,bの間でダイス56を受渡しする。
【0011】
なお、ダイスプレートの代わりに、ダイス56を収納する函、すなわちダイボックスを使用することも行われている。エンドプラテンとコンテナーの両面に形成された開口部にダイス56を嵌込み、ダイスを装着したボックスとダイスを装着していない空のボックスを用意し、ダイス交換の再にはこれらの開口部を介してダイスの受渡しを行う。ダイスを図4のように固定する際には、ダイスを装着したボックスごと押出機に設置する。
【特許文献1】特公平8-252号公報
【特許文献2】特許第2531603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述のような押出サイクルにおいてダイス金型4にアルミビレット40(図4)を通過させることで、所定の形状を有する押出形材を得ることができる。通常はダイス温度450℃前後、ビレット温度480℃前後の押出条件が堅持されておれば、要求される形材を押出することは難しいことではない。しかし、稀にではあるがダイス金型4aの入口でビレット40が詰まってしまい形材が出てこない状況が発生する。ダイス金型4aの入口で詰まったビレット40は先端部のみが変形した状態で、その後は正常なビレット形状をコンテナーライナー13に保持されている。この場合の復旧方法は、図6に示すように、押し始めたビレット40を、コンテナー3より抜き取りダイス交換をして、新たなビレットにて押出を再開する操作を行う。通常の押出完了時には、図2に示すように、ビレット後端部のバッツ7をシャーナイフ25にて切落して、ダイス金型4と分離させているが、このシャーナイフ25はビレット40の変形先端部を切断することができないので、詰まったビレットを直ちに押出すことは出来なかった。
【0013】
また、花咲きが起こった場合は、前段落で説明したビレットの詰まりと同様の復旧操作を行ない、さらに花咲き部分を作業者がエアータガネなどで取除く必要があるので、復旧に要する時間がさらに長くなる。
【0014】
従来のアルミニウム形材の押出方法は一つのダイス金型で1個以上のビレットを押出す方法であり、1本のビレットから押出された約20〜50mの形材を数十本の定尺に切断することが行なわれていた。この押出方法では、例えば1本もしくは数本の他種少量生産の形材注文に対応することは困難であり、敢えて対応しようとすればビレットの長さを短くすることが考えられる。しかし、短いビレットは過熱ぎみになり、これを避ける為には加熱プログラムを変更する必要が生じ、また、これを行ったとしても炉の温度が不安定となるなどの悪循環となった。結局、1本のビレットの全量を押出し、不必要分を溶解原料とすることが多かった。
【0015】
したがって、本発明は上記のような多面にわたる問題を解決できるシャー切断手段を考案し、新規な押出サイクルを提供することを目的とする。
通常のバッツ切断の場合はコンテナー側にはビレットは残存していないが、本発明者らは、意図的にコンテナー側にビレットを残存させるように、ダイス金型側との間でビレットを破断させたところ、コンテナー側のビレット先端には変形突出部が形成された。この変形突出部は90°回転して側面で観察すると、鋭く切り立った山、氷山などの形状である。この変形突出部をシャーナイフで切落す試験をしたところ、鏡面に近い平滑面が形成されることを見出した。また、ダイス側に残存するアルミニウム素材は従来のようなバッツ形状ではなく、やはり上記のような形状であるが、従来と同様にシャーナイフで切断することができた。さらに、コンテナー側変形突出部の処理方法としては、圧縮による押潰しも試験した。さらにまた、従来ダイス交換に使用されていたクリーニングボックスにより、コンテナー側変形突出部切断の試験もした。何れの試験も成功裏に終了して、新たな押出サイクルを創生することができた。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は次の方法に大別される:
第1〜3方法−シャーナイフをダイス金型側とコンテナー側に設け;それぞれビレット詰まりへの対応、花咲き処理、1ビレット多種形材押出を行う。
第4〜6方法−形材成形用のダイス孔がなく変形突出部押潰し専用の盲ダイスをコンテナー側に設け;それぞれビレット詰まりへの対応、花咲き処理、1ビレット多種形材押出を行う。
第7〜9方法―ダイス金型交換装置にシャー機構を設け、それぞれビレット詰まりへの対応、花咲き処理、1ビレット多種形材押出を行う。
【0017】
本発明の第1方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウムビレットがダイス金型に詰まった際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型及び前記コンテナーからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0018】
本発明の第2方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウム素材がダイス金型とコンテナーの間隙から外部に漏出した際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型と前記コンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型及びコンテナーからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0019】
本発明の第3方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型及びコンテナーからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、ダイス金型を交換し、前記コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0020】
本発明の第1〜3方法においては、コンテナーを所定位置まで後退させて、コンテナーとダイス金型の間でビレットを破断し、コンテナー側ビレットの変形先端部のアルミニウム素材シャーナイフで切断して平滑面とすることにより、コンテナー内の正常ビレットを再使用するものである。通常のダイス金型側でのバッツ処理のためのシャーナイフが備えられているから、既存の設備では、コンテナー側でもシャーナイフ切断を行なうようにシャーナイフを増設する。新設備投資の場合は1個のシャーナイフで対応することも可能である。
【0021】
本発明の第4方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウムビレットがダイス金型に詰まった際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、また、コンテナー側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0022】
本発明の第5方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウム素材がダイス金型とコンテナーの間隙から外部に漏出した際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型と前記コンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0023】
本発明の第6方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、次にダイス金型を交換し、前記コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0024】
本発明の第4〜6方法においては、コンテナーを所定位置まで後退させて、コンテナーとダイス金型の間でビレットを破断し、通常のダイス金型側でのバッツ処理のためのシャーナイフで切断を行い、コンテナー側のビレットの変形先端部は圧縮して押し潰して平滑面とすることにより、コンテナー内の正常ビレットを再使用するものである。変形先端部の押し潰しのためには、通常ダイボックスが、ダイス交換に使用され、コンテナーとエンドプラテンの間にスライド式で前進・後退するので、これに、形材塑性変形のためのダイス孔がない盲ダイスを設置して、これにより押し潰しを行うことが好ましい。勿論新たな設備投資の場合は専用の盲ダイスを設置してもよい。
【0025】
本発明の第7方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウムビレットがダイス金型に詰まった際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、また、シヤ刃を設けたダイス金型交換装置をスライドさせることによりコンテナー側から突出しているアルミニウム素材を切落し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0026】
本発明の第8の方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウム素材がダイス金型とコンテナーの間隙から外部に漏出した際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型と前記コンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、シャー刃を設けたダイス金型交換装置をスライドさせることによりコンテナー側から突出しているアルミニウム素材を切落し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0027】
本発明の第9方法は、アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、シヤ刃を設けたダイス金型交換装置をスライドさせることによりコンテナー側から突出しているアルミニウム素材を切落し、次にダイス金型を交換し、前記コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とする。
【0028】
本発明の第7〜9方法においては、コンテナーを所定位置まで後退させて、コンテナーとダイス金型の間でビレットを破断し、通常のダイス金型側でのバッツ処理のためのシャーナイフ切断を行い、コンテナー側のビレットの変形先端部はダイス交換装置に設けたシャー刃により切落として平滑面とすることにより、コンテナー内の正常ビレットを再使用するものである。
ダイス交換装置としては特許文献2に示されたダイスプレート52(図5)にシャーナイフを付設してもよい。
【0029】
しかしながら、最も好ましくはダイス交換ボックスを利用する方法である。その骨子は次のとおりである。ダイス交換ボックスはスライド式であり、ダイス金型とコンテナーの中間に横方向に前進・後退するので、この移動の際の力をシヤに利用できる。また、ダイス交換ボックスはダイス金型、あるいはダイス金型とボルスタの組合せを交換可能な方式で保持する開口部を備えている。また、ダイス交換ボックスはダイスを装着していない空の状態が必ずあるので、この状態の函体をシャーに利用することができる。この開口部はダイス金型などを保持するように鉄函などを補強する鍔状保持部を有しているので、これは函体により周囲から把持されており、十分にシャーに耐える強度をもっている。またこの鍔状補強部をシャーに利用するとボックス本体は損傷することはない。しかも、鍔状保持部は既存の設備にあるものをそのまま利用することができる。
以下、本発明の好ましい実施態様を図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の第1〜3方法で使用されるシャーナイフの具体例を図7(側面図)及び図8(コンテナー側から見た平面図)に示す。これらの図に示すように、二つのシャーナイフ25,42を同じシャー固定部24に相互に対向するように装備すると、従来のシヤ機構20(図3)をそのまま利用することができ、コンテナー側シャーナイフ駆動手段を増設する必要がなくなる。図7,8において、36はダイス側シャーナイフ25を固定するための張出し部、37はダイス側シャーナイフ42を固定するためのボルト孔、38は張出し部を固定するためのボルト孔、43はコンテナー側シャー42を固定するためのボルト孔である。図7に示すシャーナイフは、既存のシャー固定部24に切り欠きを設けてコンテナー側シャーナイフ24を固定するようにしているが、ダイス側シャーナイフ25を切り欠き部に固定してもよい。なお、シャーナイフ25,42の設置高さの差は後述の同時切断を考慮して定めている。また、図8に示されるダイス側のシャーナイフ25の横方向幅(Ws)は花咲きを切り落とすために十分な幅となっており、バッツ切落しには幅の極一部を使用する。
以下、第1方法を図9〜11を参照して具体的に説明する。
【0031】
型詰まりが生じた際には、押出を一旦を停止して、図9の側面図に示すように、ダイス4からコンテナー3及びステム(図示せず)を分離すると、ビレット40と押出し中のアルミニウム素材は間で破断して、突出部41,48が発生する。突出部41はダイス側に発生したものであり、バッツよりは多少小さいが不規則な形状をしている。一方突出部48はコンテナー側に生成する。続いて、図10に示すように、通常のバッツ切断用シャーナイフ25により突出部41を切断して、切落し片41aとする。この前にあるいは後に、コンテナー側の突出部48を切断して切落し片48aとする。
なお、図8及び9に示されたシャーナイフを使用する場合は、図9に示される分離距離(d)をシャーナイフの幅(W)と実質的に等しくする。すなわちd>Wであって、この差は下降するシャーナイフの振れなどを考慮してシャーナイフが押出機に当たらないような限度で定める。このようにすると、1回の操作により両方の突出物41,48を切落すことができる。
【0032】
花咲きが生じた場合は、図9と同様にダイス4からコンテナー3及びステム(図示せず)を分離すると、図12に示すように、花咲きによる突出部44とコンテナー側突出部48が発生する(図12参照)。この花咲きの処理は本発明の第2方法によると、ダイス側シャーナイフ25により切落し、一方コンテナー側突出部42は図11で説明した方法で処理する。
【0033】
本発明の第3方法は図9〜11を引用して説明した方法と基本的には同じである。但し、形材の所定長さが押出された後、押出を中断して、図9の状態とする。その後図9〜11を引用して説明した操作を行う。
【0034】
本発明の第4〜6方法は、図11の工程が本発明の第1〜3方法と異なっている。すなわち、第4〜6方法は、図11のようにシャーナイフを使用せずに、図13の平面図に示すように、コンテナー側突出部48を圧縮して押潰す金型45をシリンダ46でビレット40に向かい合う位置までスライドさせる。金型45の具体例は例えばビレットと同じ直径、直径の1/2〜2/3の厚さを有する鉄ブロックであり、これに対してコンテナー3をビレット40とともに前進させて、突出部48を押潰す。なお、コンテナー側とダイス側の突出部の処理の前後は任意である。
【0035】
本発明の第7〜9方法は、図11の工程が本発明の第1〜3方法と異なっている。すなわち、第7〜9方法は、図11のようにシャーナイフを使用せずに、ダイスボックスの鍔状保持部を使用する。図14はダイスボックスをコンテナー側から見た背面図、図15は平面図であり、図中、60はダイスボックスの函体、61はダイス保持孔、62は保持穴補強のための鍔部を示す。鍔部62は函体60から5mm程度外に突出している(h=5mm)。このダイスボックスがダイスを保持していない状態で、図16に示すようにダイスボックスをスライドさせて、鍔部62により突出部48を切落す。
【産業上の利用可能性】
【0036】
まず、本発明の第1、4、7方法によると、ビレットが詰まった場合従来の復帰方法で行っていたビレット交換が必要なくなり、またコンテナー内に保持されていたビレットをスクラップとして廃棄する必要がなくなる。具体的には、従来は600mm程度のビレットを廃棄していたが、本発明方法によると50mm程度を廃棄すればよい。
【0037】
次に、花咲きの場合も、本発明の第2、5、8方法によると、上記のようにコンテナーとダイス金型の間でビレットを破断すると、ダイス金型には花咲き部と変形突出部が残るので、これを一挙にダイス金型側シャーナイフで切断すると、人手で花咲き部を除去する必要はなくなる。
【0038】
最後に、1本ビレット/複数種形材押出を行なう本発明の第3、6、9方法の場合は、コンテナー内に残った正常のビレットにより、新たな形状・寸法の形材による押出しを行なうできるので、ビレットを短く切断する必要はなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】押出機によるアルミニウム形材押出工程を説明する図である。
【図2】図1の工程で1本のビレットの押出終了後バッツを切断する工程を説明すする図である。
【図3】押出機の要部を示す図である。
【図4】図3の押出機のダイス部分を示す図である。
【図5】従来型詰まりが生じた場合に処理を行う方法の説明図である。
【図6】ダイススライドの図である。
【図7】本発明の第1〜3方法で使用される一実施例に係るシャーナイフの側面図である。
【図8】図7のシャーナイフのダイス側からみた正面図である。
【図9】本発明の第1、3、4、6、7、9方法において、ダイス側及びコンテナー側のアルミニウム素材に突出部を形成する工程の図である。
【図10】図9の後ダイス側突出部を切落す工程の説明図である。
【図11】図9の後コンテナー側突出部を切落す工程の説明図である。
【図12】本発明の第2、5、8方法において花咲きを処理する工程の説明図である。
【図13】本発明の第4〜6方法において、コンテナー側突出部を押潰す工程の説明図である。
【図14】本発明の第7〜9方法において、使用されるダイボックスをコンテナー側から見た背面図である。
【図15】図14の平面図である。
【図16】図14,15に示されたダイボックスを使用して図11の工程に代わる工程を説明し、本発明の第7〜8方法の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0040】
1 シリンダ
2 ラム
3 コンテナー
4 ダイス
4a ダイス金型
5 押出形材
6 ステム
7 バッツ
8 シャーナイフ
16 エンドプラテン
20 シャー機構
30 ボルスタ
25 シャーナイフ(ダイス側)
40 ビレット
41 ダイス側突出部
42 シャーナイフ(コンテナー側)
45 金型
48 コンテナー側突出部
60 ダイスボックスの函体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウムビレットがダイス金型に詰まった際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型及び前記コンテナーからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項2】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウム素材がダイス金型とコンテナーの間隙から外部に漏出した際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型と前記コンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型及びコンテナーからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項3】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型及びコンテナーからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、ダイス金型を交換し、前記コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項4】
前記シャーナイフをダイス金型側及びコンテナー側のそれぞれに設けることを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載のアルミニウム形材の押出方法。
【請求項5】
前記それぞれのシャーナイフを同一の駆動手段により駆動することを特徴とする請求項4記載のアルミニウム形材の押出方法。
【請求項6】
前記それぞれのシャーナイフの間隔に実質的に等しい間隔だけ前記コンテナー及びダイス金型の間を離して両突出部の切落しを1回で行うことを特徴とする請求項5記載のアルミニウム形材の押出方法。
【請求項7】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウムビレットがダイス金型に詰まった際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、また、コンテナー側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項8】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウム素材がダイス金型とコンテナーの間隙から外部に漏出した際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型と前記コンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項9】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、次にダイス金型を交換し、前記コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項10】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウムビレットがダイス金型に詰まった際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、また、シヤ刃を設けたダイス金型交換装置をスライドさせることによりコンテナー側から突出しているアルミニウム素材を切落し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項11】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウム素材がダイス金型とコンテナーの間隙から外部に漏出した際に、前記コンテナ及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型と前記コンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、シャー刃を設けたダイス金型交換装置をスライドさせることによりコンテナー側から突出しているアルミニウム素材を切落し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出しを再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項12】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、シヤ刃を設けたダイス金型交換装置をスライドさせることによりコンテナー側から突出しているアルミニウム素材を切落し、次にダイス金型を交換し、前記コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項1】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウムビレットがダイス金型に詰まった際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型及び前記コンテナーからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項2】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウム素材がダイス金型とコンテナーの間隙から外部に漏出した際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型と前記コンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型及びコンテナーからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項3】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型及びコンテナーからそれぞれ突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、ダイス金型を交換し、前記コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項4】
前記シャーナイフをダイス金型側及びコンテナー側のそれぞれに設けることを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載のアルミニウム形材の押出方法。
【請求項5】
前記それぞれのシャーナイフを同一の駆動手段により駆動することを特徴とする請求項4記載のアルミニウム形材の押出方法。
【請求項6】
前記それぞれのシャーナイフの間隔に実質的に等しい間隔だけ前記コンテナー及びダイス金型の間を離して両突出部の切落しを1回で行うことを特徴とする請求項5記載のアルミニウム形材の押出方法。
【請求項7】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウムビレットがダイス金型に詰まった際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、また、コンテナー側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項8】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウム素材がダイス金型とコンテナーの間隙から外部に漏出した際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型と前記コンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項9】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、コンテナー側から突出しているアルミニウム素材を圧縮して押し潰し、次にダイス金型を交換し、前記コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項10】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウムビレットがダイス金型に詰まった際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、また、シヤ刃を設けたダイス金型交換装置をスライドさせることによりコンテナー側から突出しているアルミニウム素材を切落し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項11】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、アルミニウム素材がダイス金型とコンテナーの間隙から外部に漏出した際に、前記コンテナ及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型と前記コンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、シャー刃を設けたダイス金型交換装置をスライドさせることによりコンテナー側から突出しているアルミニウム素材を切落し、その後コンテナー内に残存するビレットにより押出しを再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【請求項12】
アルミニウムビレットをコンテナーに装入し、ステムによりアルミニウムビレットに圧力を加えてダイス金型から押出すアルミニウム形材の押出方法において、所定長さのアルミニウム形材が押出された際に、前記コンテナー及び前記ステムを前記ダイス金型から後退させるとともにアルミニウムビレットをダイス金型とコンテナーの間で破断させ、その後ダイス金型から突出しているアルミニウム素材をシャーナイフで切落し、シヤ刃を設けたダイス金型交換装置をスライドさせることによりコンテナー側から突出しているアルミニウム素材を切落し、次にダイス金型を交換し、前記コンテナー内に残存するビレットにより押出を再開することを特徴とするアルミニウム形材の押出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−68750(P2006−68750A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−251992(P2004−251992)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)
【Fターム(参考)】
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