アンテナ
【課題】
全指向性に近く、受信感度の良い小型アンテナを実現する。
【解決手段】
アンテナ2は、基板4上に形成された閉ループ素子6を備えている。閉ループ素子6は、所定の幅の導体材料を閉ループ形状にすることにより形成される。閉ループ素子6の内側にはアース素子8が配置される。閉ループ素子8の外側には、放射素子10が配置される。放射素子10は、連結部12を介して閉ループ素子6に接続されている。
全指向性に近く、受信感度の良い小型アンテナを実現する。
【解決手段】
アンテナ2は、基板4上に形成された閉ループ素子6を備えている。閉ループ素子6は、所定の幅の導体材料を閉ループ形状にすることにより形成される。閉ループ素子6の内側にはアース素子8が配置される。閉ループ素子8の外側には、放射素子10が配置される。放射素子10は、連結部12を介して閉ループ素子6に接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナに関し、特に、全方向に指向性が広く、小型化に適したアンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線用アンテナは、無線通信技術においては必要不可欠のものであり、従来より様々なタイプのアンテナが開発、実用化されてきている。特に近年では、携帯電話や車載テレビ等の移動体通信機器に小型のアンテナが搭載されてきており、移動体機器の小型化に伴い、アンテナ自体の小型化も要求されている。また、移動体通信機器においては、その移動性により全方向に指向性が広いことも要求されている。本願の発明者らは、このような要求を満たすアンテナの開発に鋭意研究を重ね、以下に示す特許出願を過去に行ってきた。
【特許文献1】特許第3323442号公報
【0003】
上記特許文献1のアンテナは、中央にコの字状の放射器を、放射器の両側に左右対称となる旗形状の素子を設け、放射器の下端を一対の給電部とするものである。この構成により、従来のアンテナよりも小型で、かつ指向性の良好なアンテナを実現するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のアンテナは、従来のアンテナ、例えば八木アンテナやロッドアンテナに比べ、アンテナの大きさを小型化することができるとともに、指向性を向上させるものであったが、給電部が放射器の下端に位置するため、移動体通信機器への搭載性が悪いという問題があった。即ち、特許文献1のアンテナを通信機器へ搭載する際、通信機器側の給電部をアンテナ側の給電部の位置に合わせて設計したり、通信機器側の給電部からアンテナの給電部に銅線を延ばす必要があった。通信機器が小型化すると通信機器側の給電部の位置の設計自由度は低下する。
【0005】
また、給電部間の銅線内では信号の減衰、漏れ、ノイズ信号の混入等があるため、両者間の銅線は可能な限り短い方が望ましい。したがって、上記特許文献1においては、通信機器側の給電部の位置に基づいて、アンテナの給電部の位置を自由に変更することができるような構成が求められていた。
そこで、本発明は、アンテナの給電部を閉ループ状に設ける構成とすることにより、アンテナの給電部の位置を自由に変更することのできるアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1に係る発明は、閉ループ形状に形成される導電性の陽極給電部と、前記陽極給電部の外側に配置され、かつ前記陽極給電部に接続される導電性の放射部と、前記陽極給電部と絶縁された位置に配置される導電性の陰極給電部と、を備えるアンテナによって実現される。上記の発明によれば、陽極給電部が閉ループ形状とされているため、陽極電極を閉ループ上のいずれの位置でも取ることができ、アンテナの他の機器への搭載自由度が向上する。
【0007】
ここで、閉ループ形状とは、所定の幅の導電性材料により、始点から始まり、1周して再び始点に戻ってくるような形状のパターンを意味する。したがって、導電性材料が1周するようなパターンであれば、四角形等の多角形や円形等の形状とすることができる。閉ループの重心を中心とした正多角形若しくは円形とすることが好ましい。
【0008】
放射部とは、陽極給電部の閉ループの外側に配置されるものであり、陽極給電部と接続されることにより、外界の電波を受信したり、陽極給電部からの電圧により、外界に電波を送信するものである。
また、陰極給電部は、陽極給電部に対して、電気的に絶縁された位置に配置されていれば良く、絶縁体(誘電体)の基板上の互いに離れた位置に配置されていても良いし、空間内の離間された位置に配置されていても良い。
【0009】
また、前記放射部が前記陽極給電部に直接接続されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部が給電部に直接接続されることにより、放射部と陽極給電部の間の電気的な損失を減少させることができるため、送受信感度の良いアンテナを実現できる。
また、前記放射部が連結部を介して前記陽極給電部に接続されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、陽極給電部に対して放射部を所望の位置に配置させることができるため、例えば、放射部を陽極給電部に対して放射状に配置させて、全指向性に近いアンテナを実現することができる。放射部を陽極給電部に対して放射状に配置させた場合、各放射部の間隔(角度)を均等にすることが好ましい。
【0010】
また、前記放射部が閉ループ形状に形成されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部が閉ループ形状とされるため、送受信感度の良いアンテナを実現することができる。
また、前記放射部が複数個の閉ループより成ることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部が複数個の閉ループより形成されるため、単独の閉ループより成る放射部に比較して、送受信感度を向上させることができる。
【0011】
また、前記放射部が外側に開放部を有する形状より成ることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部が開放部を有する場合でも十分に送受信感度を確保することができるため、放射部の形状を様々な形状とすることができる。
また、前記陽極給電部が多角形形状に形成されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、陽極給電部を多角形形状とするため、放射部を配置させる位置を放射状にすることができ、全指向性に近いアンテナを実現することができる。
【0012】
また、前記陽極給電部の多角形形状のすべての辺には、前記放射部がそれぞれ接続されていることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部を放射状に配置させることができるため、全指向性に近いアンテナを実現することができる。
また、前記陽極電極の多角形形状の一部の辺にのみ、前記放射部がそれぞれ接続されており、前記放射部は互いに対称となる位置関係となることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部を一部の辺にのみ配置し、それらを互いに対称となるように配置することで、特定の方向に感度の良いアンテナを実現することができる。なお、放射部を互いに対称となる位置関係に配置させるとは、各放射部を線対称になる位置に配置させたり、円周上に等間隔に各放射部を配置させる場合のように、各放射部を点対称に配置しても良い。
【0013】
また、前記陽極給電部は、円形形状に形成されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部を円形形状の外側に配置することで、全方向に指向性の良いアンテナを構成することができる。
また、前記陽極給電部は、円形形状の部分と、該円形形状より外形側へ突出する突出部分により形成されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、陽極給電部が突出部分を備えるため、陽極給電部に電源を接続する位置を、アンテナの中央部から端部までとることができる。
また、前記陰極給電部は、前記陽極給電部の突出部分の外側先端部近傍に配置されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、外部との接続の位置をアンテナの端部とすることができる。
【0014】
また、前記陰極給電部が前記陽極給電部の閉ループの内側に配置されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、陽極給電部の閉ループの内側の領域を有効に使用することができるため、アンテナを小型化することができる。また、搭載する通信機器側の接続部位に応じて陽極および陰極の位置を選択することができるため、搭載性が向上する。
また、前記陰極給電部が前記陽極給電部の閉ループの外側に配置されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、搭載する通信機器側の接続部位に応じて陽極および陰極の位置を選択することができるため、搭載性が向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、陽極給電部を閉ループ形状にすることにより、陽極を配置する位置の自由度が向上するため、通信機器への搭載性が向上する。また、放射部を所望の位置に配置することで、全指向性に近い、小型化が可能なアンテナを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための実施の形態について以下に詳細に説明する。図1はアンテナ2の全体構成を示す上面視図である。なお、説明の都合上、以下の各図においては、図面の紙面の方向で上下左右を定義して説明を行うが、図面上の上下左右の方向が実際のアンテナの設置方向を限定するものではない。
【0017】
アンテナ2は、絶縁材料からなる基板4と、この基板4上に配置される各素子から構成される。基板4の中央部には、陽極の給電部である閉ループ素子6が配置されている。閉ループ素子6は、導電性の良い材料で構成されるものであり、銅、金、白金等の材料により構成することができるが、本実施形態では銅を用いている。閉ループ素子6は、所定の幅を持つ導体が1周することにより構成される、いわゆる閉ループ形状とされている。第1の実施形態では、閉ループ6は、同じ幅で、かつ同じ長さの4つ辺により構成されている。なお、第1の実施形態では、閉ループ6の4つの辺が同じ幅、同じ長さとしたが、これに限らず、各辺の幅や長さは異なるものでも良いし、後述するように、閉ループ6を円周形状としても良い。
【0018】
閉ループ6の内側には、陰極の給電部であるアース素子8が配置されている。アース素子8は、導電性の良い材料で構成され、本実施形態では銅による導電体で構成されている。第1実施形態では、アース素子8は、閉ループ6の各素子の長さよりも短い辺を持つ正方形とされている。なお、アース素子8の形状は正方形に限らず、他の形状を選択することができる。また、本実施形態のアース素子8は閉ループ6の内側に配置されているが、後述するように、閉ループ6の外側に配置しても良い。
閉ループ6の外側には、放射素子10が配置されている。放射素子10は、導電性の良い材料で構成され、本実施形態では銅による導電体で構成されている。なお、本実施形態の放射素子10に用いる放射素子という用語は、本明細書では、電波の放射だけでなく電波の捕捉をも行う素子という意味で用いている。
【0019】
第1実施形態では、放射素子10は、閉ループ6の4つの辺の素子から外側にそれぞれ4つずつ形成されており、それぞれの4つの放射素子10は、等間隔に配置されている。それぞれの放射素子10は、所定の幅の閉ループの形状とされている。
閉ループ6と放射素子10の間は、連結部12によって接続され、導通された状態となっている。連結部12は、閉ループ6および放射素子10と同じ導電材料で形成されている。連結部12は、設計の便宜上、閉ループ6および放射素子10と一体のパターンで形成することができるが、それぞれの素子を別個に形成し、各素子間を接続して導通させても良い。
【0020】
閉ループ6上には、図示しない同軸ケーブル等に接続される陽極接続部14が設けられている。なお、陽極接続部14は、閉ループ6上に設けられていれば良く、第1実施形態では、閉ループ6の右下部に陽極接続部14を配置させたが、例えば、閉ループ6の右上部等に陽極接続部14を配置させても良い。
また、アース素子8上には、図示しない同軸ケーブル等に接続される陰極接続部16が設けられている。陰極接続部16は、アース素子8上のいずれかの位置に設けられていれば良く、第1実施形態の位置に限られない。
【0021】
次に、第1実施形態のアンテナ2の作用について説明する。アンテナ2を受信アンテナとして用いた場合、空間を伝播する所定の周波数の電波により放射素子10付近に電界が発生する。これにより、放射素子10内の電子が移動し、閉ループ素子6に所定の周波数の電圧が形成され、陽極接続部14を介して図示しない同軸ケーブル等に電圧が伝達され、所定の周波数の電波を受信することができる。
【0022】
本実施形態のアンテナ2は、放射素子10が、閉ループ6の外側の上下左右の4つの方向に配置されているため、いずれの方向の電波に対しても感度良く電波を受信することができる。いいかえれば、アンテナ2の指向性を全方向に広くすることができる。したがって、このアンテナ2を携帯電話や車載器等の移動体通信の受信アンテナに用いた場合、移動体の方向によらず、電波を良好に受信することができる。
【0023】
また、本実施形態のアンテナ2は、給電部である閉ループ素子6の形状を、開ループではなく閉ループとしているため、放射素子10からの電位を損なうことなく、良好に同軸ケーブル等に給電することができる。また、本実施形態のアンテナ2は、給電部である閉ループ素子6の形状が閉ループであり、陽極接続部14の位置を閉ループ6のどの部分にも配置させることができるため、アンテナ2の受信機への搭載自由度が高いという利点がある。例えば、給電部が閉ループではなく開ループである場合、同軸ケーブル等との接続点の位置によりインピーダンスが変化する場合があり、この場合は受信機への搭載自由度は低下する。
また、本実施形態のアンテナ2は、放射素子10が上下左右に4つずつ設けられる構成のため、電波の受信感度を向上させることができる。
【0024】
本実施形態のアンテナ2は、上述したように、指向性が全方向に広くなり、受信感度が高いため、従来のアンテナに比較して小型化することができ、移動体通信機器への搭載性を向上させることができる。
なお、本実施形態のアンテナ2を送信アンテナとして用いた場合も、上述した事項と同様の利点を有している。すなわち、従来の送信アンテナよりも、電波の送信指向性が全方向に広く、送信機への搭載自由度が高いものとすることができる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図2は第2の実施形態のアンテナ18の全体構成を示す上面視図である。なお、第2実施形態のアンテナ18は、第1実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第2実施形態のアンテナ18のアース素子20は、閉ループ6の外側の左下部に配置されている。また、図示しない同軸ケーブル等に接続される陽極接続部22は、閉ループ6上の左下部に設けられている。また、図示しない同軸ケーブル等が接続される陰極接続部24は、アース素子20上の右上部に配置されている。
【0026】
第2の実施形態のアンテナ18は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができ、アンテナを小型化することができる。また、第2の実施形態のアンテナ18は、アース素子20を、閉ループ6の内側ではなく、外側に配置する構成のため、陰極接続のための同軸ケーブル等の接続部がアンテナに対して左下部にしかない場合に、配線の取り回しが良く、アンテナ18を通信機器に搭載する際の搭載自由度が向上する。なお、第2の実施形態のアンテナ18では、アース素子20を閉ループ素子6の左下部に配置させたが、アース素子20の位置はこれに限らず、例えば、アース素子20を閉ループ6の右下部等に配置させても良い。
また、第2実施形態においても、陽極の給電部である閉ループ6が、開ループではなく閉ループ形状であるため、陽極接続部22を所望の位置に配置することができる。なお、第2の実施形態では、陽極接続部22は、閉ループ6上の左下部に設けられていたが、これに限らず、例えば、閉ループ6上の右下部等に設けても良い。
【0027】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図3は第3の実施形態のアンテナ26の全体構成を示す上面視図である。なお、第3実施形態のアンテナ26は、第1実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第3の実施形態のアンテナ26は、閉ループ素子6と放射素子10の間に連結部が存在せず、両者を一体化して直接接続させた構成となっている。
第3の実施形態のアンテナ26は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。第3の実施形態のアンテナ26は、第1の実施形態のアンテナ2の連結部12が無い構成のため、アンテナ2に比べ、アンテナ26の上下左右の寸法を小さくすることができる。したがって、第3の実施形態のアンテナ26は、アンテナの寸法を小さくすることができるため、移動体通信機器への搭載性が向上する。
【0028】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図4は第4の実施形態のアンテナ28の全体構成を示す上面視図である。なお、第4実施形態のアンテナ28は、第1実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第4の実施形態のアンテナ28の放射素子30は、外側の一部が開放されたコの字形状とされている。放射素子30は、開放側と反対側の端部で連結部12を介して閉ループ素子6に接続されている。
第4の実施形態のアンテナ28は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。第4の実施形態のアンテナ26は、第1の実施形態のアンテナ2の放射素子10に比べ、開放部があるため、放射素子30に使用する導体の量を少なくすることができる。
【0029】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図5は第5の実施形態のアンテナ32の全体構成を示す上面視図である。なお、第5実施形態のアンテナ32は、第1実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第5実施形態のアンテナ32の放射素子34は、長方形の形状の1つの閉ループにより形成されており、連結部12を介して閉ループ素子6に接続されている。放射素子34は、閉ループ素子6の4つの辺の外側にそれぞれ配置されている。
第5の実施形態のアンテナ32は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。第5の実施形態のアンテナ32は、放射素子34が第1の実施形態のアンテナ2の放射素子10に比べ、1つの閉ループで構成されるため、アンテナ32の構成を簡略化することができる。
【0030】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図6は第6の実施形態のアンテナ36の全体構成を示す上面視図である。なお、第6の実施形態のアンテナ36は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第6実施形態のアンテナ36は、円形状の閉ループ素子38を備えている。閉ループ素子38の外側には、放射素子40が連結部12を介して接続されている。放射素子40は、円形状の閉ループにより構成されており、閉ループ素子38の周囲に8個、それぞれ等間隔に設けられている。
第6の実施形態のアンテナ36は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。第6の実施形態のアンテナ36は、円形状の閉ループ素子38の外側に放射状に放射素子40が設けられているため、全方向に広い指向性を実現することができる。本実施形態のアンテナ36は、閉ループ素子36が円形状であるため、閉ループ素子36の周りに放射状に放射素子40を配置し易いという利点がある。
【0031】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図7は第7の実施形態のアンテナ42の全体構成を示す上面視図である。なお、第7の実施形態のアンテナ42は、第6の実施形態のアンテナ36と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第7の実施形態のアンテナ42は、円形状の閉ループ素子38の周囲に、放射素子44を備えている。放射素子44は、2つの円形状の閉ループを連結部45により接続されて構成されている。放射素子44は、連結部12を介して閉ループ素子38に接続されており、閉ループ素子38の周囲に、等間隔で8つ配置されている。
第7の実施形態のアンテナ42は、第6のアンテナ36と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。第7実施形態のアンテナ42の放射素子44は、円形状の閉ループを2つ接続して構成されるため、第6の実施形態のアンテナ36よりも感度を良くすることができる。なお、第7の実施形態では、放射素子44は2つの円形状の閉ループにより構成されているが、これに限らず、放射素子44は3つ以上の閉ループにより構成されても良い。
【0032】
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。図8は第8の実施形態のアンテナ46の全体構成を示す上面視図である。なお、第8の実施形態のアンテナ46は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第8の実施形態のアンテナ46は、三角形状の閉ループ素子48を備えている。閉ループ素子48の各辺の外側には、三角形状の閉ループより形成される放射素子50が連結部12を介して接続されている。
第8の実施形態のアンテナ46は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。なお、第8の実施形態では、閉ループ素子48と放射素子50の形状を三角形状としたが、これに限らず、例えば、閉ループ素子および放射素子の形状を5角形としても良い。
【0033】
次に、第9の実施形態について説明する。図9は第9の実施形態のアンテナ52の全体構成を示す上面視図である。なお、第9の実施形態のアンテナ52は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第9の実施形態のアンテナ52において、四角形状の閉ループ素子6の外側の上下には、放射素子54が配置されている。放射素子54は、1つの四角形状の閉ループにより構成されるものである。また、閉ループ素子6の外側の左右には、放射素子56が配置されている。放射素子56は、四角形状の閉ループが3つ連結されて構成されるものである。
第9の実施形態のアンテナ52は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。特に本実施形態のアンテナ52は、左右方向に感度の良い放射素子56を用いているため、左右方向の感度をより向上させることができる。なお、本実施形態では、閉ループ素子6の左右の放射素子56を、3つの閉ループが連結される構成をしたが、これに限らず、閉ループ素子6の上下の放射素子を3つの閉ループにより構成されるものとしても良い。また、放射素子の閉ループの個数は3つに限られず、例えば4つ以上でも良い。
【0034】
次に、第10の実施形態のアンテナ58について説明する。図10は第10の実施形態のアンテナ58の全体構成を示す上面視図である。なお、第10の実施形態のアンテナ58は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第10の実施形態のアンテナ58において、閉ループ素子6の右側には放射素子60が配置されている。放射素子60は、左右方向に連続して3つ配置された閉ループが連結されて1つの組をなし、この閉ループの組が上下に2つ配置され、それぞれが連結されて構成されるものである。この放射素子60は、閉ループ素子6のそれぞれの辺の外側の上下左右に4つ配置されている。
第10の実施形態のアンテナ58は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。特に本実施形態のアンテナ58は、閉ループ素子6のそれぞれの辺に6つの閉ループを持つ放射素子60が接続されているため、アンテナ58の感度を向上させることができる。また、本実施形態のアンテナ58の放射素子60は、3つの閉ループの組が並列して配置されるものであるため、アンテナ58の大きさを小型化することができる。例えば、図5の実施形態では、閉ループ素子6の右上、右下、左上および左下の各部分は放射素子が配置されず、無駄な空間となっていたが、図10の本実施形態では、閉ループ素子6の右上、右下、左上および左下の各部分に放射素子60が配置されているため、基板4上のスペースを有効に利用することができる。
【0035】
次に、第11の実施形態のアンテナ62について説明する。図11は第11の実施形態のアンテナ62の全体構成を示す上面視図である。なお、第11の実施形態のアンテナ62は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について説明する。
第11の実施形態のアンテナ62において、閉ループ素子64は、正五角形状の閉ループにより構成されている。閉ループ素子64の各辺の外側には、四角形状の放射素子66が配置されている。
第11の実施形態のアンテナ62は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。本実施形態のアンテナ62は、図5の実施形態のアンテナ32に比較して、放射素子の数が多いため、指向性を広くすることができる。
【0036】
次に、第12の実施形態のアンテナ68について説明する。図12は第12の実施形態のアンテナ68の全体構成を示す上面視図である。なお、第12の実施形態のアンテナ68は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について説明する。
図12のアンテナ68において、閉ループ素子6の各辺の外側には、放射素子70がそれぞれ接続されている。放射素子70は、四角形状の3つの閉ループから形成されるものであり、それぞれの閉ループは、閉ループ素子6の各辺に接続されている。
第12の実施形態のアンテナ68は、第1のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。なお、放射素子70の閉ループの数は3つに限られず、例えば、4つ以上としても良い。
【0037】
次に、第13の実施形態のアンテナ72について説明する。図13は第13の実施形態のアンテナ72の全体構成を示す上面視図である。なお、第13の実施形態のアンテナ72は、第1の実施形態のアンテナと主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
図13のアンテナ72において、閉ループ素子6の各辺の外側には、放射素子74がそれぞれ配置されている。放射素子74は、四角形状の2つの閉ループから形成されるものであり、それぞれの閉ループは、閉ループ素子6の各辺に接続されている。
第13のアンテナ74は、第1のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。
【0038】
次に、第14の実施の形態のアンテナ76について説明する。図14は第14の実施形態のアンテナ76の全体構成を示す上面視図である。なお、第14の実施形態のアンテナ76は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
図14のアンテナ76において、閉ループ素子78は、四角形状の閉ループより形成されている。閉ループ素子78は、上下方向の辺の長さが左右方向の辺の長さよりも長い形状とされている。閉ループ素子78の上下方向の辺の外側には、放射素子80が接続されている。放射素子80は、3つの四角形状の閉ループが上下方向に配置されて形成されており、それぞれの閉ループは、閉ループ素子78の上下方向の辺に接続されている。なお、閉ループ素子78の左右方向の辺には、放射素子80は接続されていない。
第14のアンテナ76は、第1のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。本実施形態のアンテナ76においては、閉ループ素子78の外側の左右にのみ、放射素子80が配置される構成であるため、アンテナ76の上下方向の寸法を小さくすることができる。なお、本実施形態では、アンテナ76の外側の左右にのみ放射素子80が配置される構成を示したが、これに限らず、例えば、閉ループ素子78の外側の上下にのみ放射素子80を配置させても良い。
【0039】
次に、第15の実施の形態のアンテナ82について説明する。図15は、第15の実施形態のアンテナ82の全体構成を示す上面視図である。なお、第15の実施形態のアンテナ82は、第1の実施形態のアンテナと主要な構成を共通とするため、異なる構成について説明する。
図15のアンテナ82において、閉ループ素子84は、円形状の閉ループより形成されている。閉ループ素子84の外側には、放射素子86が接続されている。放射素子86は、直線状の辺が3つ組み合わされて形成されており、直接、閉ループ素子84に接続されている。なお、第15の実施形態では、放射素子86は、閉ループ素子84の周りに16個、等間隔に配置されているが、放射素子86の数および間隔はこれに限られない。
第15のアンテナ82は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。本実施形態のアンテナ82は、閉ループ84素子を円形としたため、放射素子86を放射状に配置させることができ、指向性の良いアンテナとすることができる。
【0040】
次に、第16の実施の形態のアンテナ88について説明する。図16は、第16の実施形態のアンテナ88の全体構成を示す上面視図である。なお、第16の実施形態のアンテナ88は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について説明する。
図16のアンテナ88において、閉ループ素子90は、円形状の閉ループより形成されている。閉ループ素子90の外側には、放射素子92が接続されている。放射素子92は、直線状の2つの辺と円弧を組み合わせて形成されており、直接、閉ループ90素子に接続されている。なお、第16の実施形態では、放射素子92は、閉ループ90素子の周りに16個、等間隔に配置されているが、放射素子92の数、および間隔はこれに限られない。
第16の実施形態のアンテナ88は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。本実施形態のアンテナ88も、第15の実施形態のアンテナ82と同様に、放射素子92を放射状に配置させることができ、指向性の良いアンテナを構成することができる。
【0041】
次に、第17の実施形態のアンテナ94について説明する。図17は、第17の実施形態のアンテナ94の全体構成を示す上面視図である。なお、第17の実施形態のアンテナ94は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について説明する。
図17のアンテナ94において、閉ループ素子96は、円弧により形成される円形部分98と、円形部分98より外形側に突出する突出部分100が接続されて閉ループを形成している。放射素子102は、直線状の2つの辺と円弧を組み合わせて形成されており、直接、閉ループ素子96の円形部分98に接続されている。本実施形態では、放射素子102と閉ループ素子96の突出部分100の形状は、略同一の形状とされている。なお、第17の実施形態では、放射素子102は、閉ループ素子96の周りに11個、等間隔に配置されているが、放射素子の数、間隔、形状等はこれに限られない。
また、アンテナ94では、アース素子104は、閉ループ素子96の突出部分100の先端部の近傍に配置されている。陽極接続部14は、突出部分100の先端部に配置され、陰極接続部16は、アース素子104上に設けられる。
第17の実施形態のアンテナ94は、第1のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。本実施形態のアンテナ94では、閉ループ素子96の突出部分100上に陽極接続部14が設けられるため、アース素子104の位置をアンテナ94の中央部から端部にかけて自由に配置させることができ、アンテナ94の搭載性を向上させることができる。
【0042】
次に、第18の実施形態のアンテナ106について説明する。図18は、第18の実施形態のアンテナ106の全体構成を示す上面視図である。なお、第18の実施形態のアンテナ106は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について説明する。
図18のアンテナ106において、閉ループ素子108は、円形状の閉ループにより形成されている。閉ループ素子108の外側には、放射素子110が接続されている。放射素子110は、2つの円弧を接続して形成されており、直接、閉ループ素子108に接続されている。なお、第18の実施形態では、放射素子110は、閉ループ素子108の周りに12個、等間隔に配置されているが、放射素子110の数、および間隔はこれに限られない。
第18の実施形態のアンテナ106は、第1のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。本実施形態のアンテナ106も、第15の実施形態のアンテナ82と同様に、放射素子110を放射状に配置させることができ、指向性の良いアンテナを構成することができる。
【0043】
(実測結果)
次に、本発明のいくつかの実施形態について、実際の電波を受信して得た実測結果について説明する。本発明の実施形態と比較するための従来品(比較例)の構成を図19に示す。図19は、比較例の全体構成を示すための上面視図である。
【0044】
図19において、アンテナ112は、下に開放部を有するコの字形状の給電部114を備えている。給電部114の左右には、放射素子116が配置されている。放射素子116は上下方向に閉ループ形状の素子が4つずつ、給電部114の左右にそれぞれ配置される。給電部114の右側の下端には陽極接続部118が配置され、給電部114の左側下端には陰極接続部120が配置されている。
【0045】
まず、地上デジタル放送波を受信した結果を示す。図19の比較例では、受信感度は約86dBであった。一方、図1の本発明の第1の実施形態のアンテナ2を用いて同じ地上デジタル放送波を受信した場合は、約73dBであった。
また、同じ地上デジタル放送波を、図3の本発明の第3の実施形態のアンテナ26を用いて受信した場合、受信感度は約75dBであった。
【0046】
次に、図4の本発明の第4の実施形態のアンテナ28を用いて地上デジタル放送波を受信した場合は、受信感度は約55dBであった。
【0047】
上記の実測結果により、本発明の各実施形態のアンテナは、従来構造の比較例のアンテナ112に比べ、受信感度を確保しつつ、アンテナの寸法を小さくすることができることがわかった。
【0048】
また、アナログ方法のUHF波を受信した実測結果についても以下に示す。図20は、本発明の第19の実施形態のアンテナ122の全体構成を示す上面視図である。
【0049】
図20において、アンテナ122は、中央部に閉ループ素子124を備えている。閉ループ素子124の左右には、放射素子126が配置されている。閉ループ素子124の内側には、アース素子128が配置されている。閉ループ素子124には、陽極接続部130が設けられ、陽極接続部130近傍のアース素子128上には、陰極接続部132が設けられている。
【0050】
図19の比較例のアンテナ112と、図20の第19の実施形態のアンテナ122を用いてUFH波を受信したところ、アンテナ112とアンテナ122の受信感度は同等であった。これにより、本発明の第19の実施形態のアンテナ122は、比較例のアンテナ112に比べ、受信感度を確保しつつ、アンテナの寸法を小さくすることができることがわかった。
【0051】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図5】本発明の第5の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図6】本発明の第6の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図7】本発明の第7の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図8】本発明の第8の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図9】本発明の第9の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図10】本発明の第10の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図11】本発明の第11の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図12】本発明の第12の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図13】本発明の第13の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図14】本発明の第14の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図15】本発明の第15の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図16】本発明の第16の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図17】本発明の第17の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図18】本発明の第18の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図19】従来品の比較例のアンテナの全体構成を示す図である。
【図20】本発明の第19の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
2 アンテナ
4 基板
6 閉ループ素子
8 アース素子
10 放射素子
12 連結部
14 陽極接続部
16 陰極接続部
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナに関し、特に、全方向に指向性が広く、小型化に適したアンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線用アンテナは、無線通信技術においては必要不可欠のものであり、従来より様々なタイプのアンテナが開発、実用化されてきている。特に近年では、携帯電話や車載テレビ等の移動体通信機器に小型のアンテナが搭載されてきており、移動体機器の小型化に伴い、アンテナ自体の小型化も要求されている。また、移動体通信機器においては、その移動性により全方向に指向性が広いことも要求されている。本願の発明者らは、このような要求を満たすアンテナの開発に鋭意研究を重ね、以下に示す特許出願を過去に行ってきた。
【特許文献1】特許第3323442号公報
【0003】
上記特許文献1のアンテナは、中央にコの字状の放射器を、放射器の両側に左右対称となる旗形状の素子を設け、放射器の下端を一対の給電部とするものである。この構成により、従来のアンテナよりも小型で、かつ指向性の良好なアンテナを実現するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のアンテナは、従来のアンテナ、例えば八木アンテナやロッドアンテナに比べ、アンテナの大きさを小型化することができるとともに、指向性を向上させるものであったが、給電部が放射器の下端に位置するため、移動体通信機器への搭載性が悪いという問題があった。即ち、特許文献1のアンテナを通信機器へ搭載する際、通信機器側の給電部をアンテナ側の給電部の位置に合わせて設計したり、通信機器側の給電部からアンテナの給電部に銅線を延ばす必要があった。通信機器が小型化すると通信機器側の給電部の位置の設計自由度は低下する。
【0005】
また、給電部間の銅線内では信号の減衰、漏れ、ノイズ信号の混入等があるため、両者間の銅線は可能な限り短い方が望ましい。したがって、上記特許文献1においては、通信機器側の給電部の位置に基づいて、アンテナの給電部の位置を自由に変更することができるような構成が求められていた。
そこで、本発明は、アンテナの給電部を閉ループ状に設ける構成とすることにより、アンテナの給電部の位置を自由に変更することのできるアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1に係る発明は、閉ループ形状に形成される導電性の陽極給電部と、前記陽極給電部の外側に配置され、かつ前記陽極給電部に接続される導電性の放射部と、前記陽極給電部と絶縁された位置に配置される導電性の陰極給電部と、を備えるアンテナによって実現される。上記の発明によれば、陽極給電部が閉ループ形状とされているため、陽極電極を閉ループ上のいずれの位置でも取ることができ、アンテナの他の機器への搭載自由度が向上する。
【0007】
ここで、閉ループ形状とは、所定の幅の導電性材料により、始点から始まり、1周して再び始点に戻ってくるような形状のパターンを意味する。したがって、導電性材料が1周するようなパターンであれば、四角形等の多角形や円形等の形状とすることができる。閉ループの重心を中心とした正多角形若しくは円形とすることが好ましい。
【0008】
放射部とは、陽極給電部の閉ループの外側に配置されるものであり、陽極給電部と接続されることにより、外界の電波を受信したり、陽極給電部からの電圧により、外界に電波を送信するものである。
また、陰極給電部は、陽極給電部に対して、電気的に絶縁された位置に配置されていれば良く、絶縁体(誘電体)の基板上の互いに離れた位置に配置されていても良いし、空間内の離間された位置に配置されていても良い。
【0009】
また、前記放射部が前記陽極給電部に直接接続されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部が給電部に直接接続されることにより、放射部と陽極給電部の間の電気的な損失を減少させることができるため、送受信感度の良いアンテナを実現できる。
また、前記放射部が連結部を介して前記陽極給電部に接続されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、陽極給電部に対して放射部を所望の位置に配置させることができるため、例えば、放射部を陽極給電部に対して放射状に配置させて、全指向性に近いアンテナを実現することができる。放射部を陽極給電部に対して放射状に配置させた場合、各放射部の間隔(角度)を均等にすることが好ましい。
【0010】
また、前記放射部が閉ループ形状に形成されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部が閉ループ形状とされるため、送受信感度の良いアンテナを実現することができる。
また、前記放射部が複数個の閉ループより成ることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部が複数個の閉ループより形成されるため、単独の閉ループより成る放射部に比較して、送受信感度を向上させることができる。
【0011】
また、前記放射部が外側に開放部を有する形状より成ることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部が開放部を有する場合でも十分に送受信感度を確保することができるため、放射部の形状を様々な形状とすることができる。
また、前記陽極給電部が多角形形状に形成されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、陽極給電部を多角形形状とするため、放射部を配置させる位置を放射状にすることができ、全指向性に近いアンテナを実現することができる。
【0012】
また、前記陽極給電部の多角形形状のすべての辺には、前記放射部がそれぞれ接続されていることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部を放射状に配置させることができるため、全指向性に近いアンテナを実現することができる。
また、前記陽極電極の多角形形状の一部の辺にのみ、前記放射部がそれぞれ接続されており、前記放射部は互いに対称となる位置関係となることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部を一部の辺にのみ配置し、それらを互いに対称となるように配置することで、特定の方向に感度の良いアンテナを実現することができる。なお、放射部を互いに対称となる位置関係に配置させるとは、各放射部を線対称になる位置に配置させたり、円周上に等間隔に各放射部を配置させる場合のように、各放射部を点対称に配置しても良い。
【0013】
また、前記陽極給電部は、円形形状に形成されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、放射部を円形形状の外側に配置することで、全方向に指向性の良いアンテナを構成することができる。
また、前記陽極給電部は、円形形状の部分と、該円形形状より外形側へ突出する突出部分により形成されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、陽極給電部が突出部分を備えるため、陽極給電部に電源を接続する位置を、アンテナの中央部から端部までとることができる。
また、前記陰極給電部は、前記陽極給電部の突出部分の外側先端部近傍に配置されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、外部との接続の位置をアンテナの端部とすることができる。
【0014】
また、前記陰極給電部が前記陽極給電部の閉ループの内側に配置されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、陽極給電部の閉ループの内側の領域を有効に使用することができるため、アンテナを小型化することができる。また、搭載する通信機器側の接続部位に応じて陽極および陰極の位置を選択することができるため、搭載性が向上する。
また、前記陰極給電部が前記陽極給電部の閉ループの外側に配置されることを特徴とするアンテナとすることもできる。これによれば、搭載する通信機器側の接続部位に応じて陽極および陰極の位置を選択することができるため、搭載性が向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、陽極給電部を閉ループ形状にすることにより、陽極を配置する位置の自由度が向上するため、通信機器への搭載性が向上する。また、放射部を所望の位置に配置することで、全指向性に近い、小型化が可能なアンテナを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための実施の形態について以下に詳細に説明する。図1はアンテナ2の全体構成を示す上面視図である。なお、説明の都合上、以下の各図においては、図面の紙面の方向で上下左右を定義して説明を行うが、図面上の上下左右の方向が実際のアンテナの設置方向を限定するものではない。
【0017】
アンテナ2は、絶縁材料からなる基板4と、この基板4上に配置される各素子から構成される。基板4の中央部には、陽極の給電部である閉ループ素子6が配置されている。閉ループ素子6は、導電性の良い材料で構成されるものであり、銅、金、白金等の材料により構成することができるが、本実施形態では銅を用いている。閉ループ素子6は、所定の幅を持つ導体が1周することにより構成される、いわゆる閉ループ形状とされている。第1の実施形態では、閉ループ6は、同じ幅で、かつ同じ長さの4つ辺により構成されている。なお、第1の実施形態では、閉ループ6の4つの辺が同じ幅、同じ長さとしたが、これに限らず、各辺の幅や長さは異なるものでも良いし、後述するように、閉ループ6を円周形状としても良い。
【0018】
閉ループ6の内側には、陰極の給電部であるアース素子8が配置されている。アース素子8は、導電性の良い材料で構成され、本実施形態では銅による導電体で構成されている。第1実施形態では、アース素子8は、閉ループ6の各素子の長さよりも短い辺を持つ正方形とされている。なお、アース素子8の形状は正方形に限らず、他の形状を選択することができる。また、本実施形態のアース素子8は閉ループ6の内側に配置されているが、後述するように、閉ループ6の外側に配置しても良い。
閉ループ6の外側には、放射素子10が配置されている。放射素子10は、導電性の良い材料で構成され、本実施形態では銅による導電体で構成されている。なお、本実施形態の放射素子10に用いる放射素子という用語は、本明細書では、電波の放射だけでなく電波の捕捉をも行う素子という意味で用いている。
【0019】
第1実施形態では、放射素子10は、閉ループ6の4つの辺の素子から外側にそれぞれ4つずつ形成されており、それぞれの4つの放射素子10は、等間隔に配置されている。それぞれの放射素子10は、所定の幅の閉ループの形状とされている。
閉ループ6と放射素子10の間は、連結部12によって接続され、導通された状態となっている。連結部12は、閉ループ6および放射素子10と同じ導電材料で形成されている。連結部12は、設計の便宜上、閉ループ6および放射素子10と一体のパターンで形成することができるが、それぞれの素子を別個に形成し、各素子間を接続して導通させても良い。
【0020】
閉ループ6上には、図示しない同軸ケーブル等に接続される陽極接続部14が設けられている。なお、陽極接続部14は、閉ループ6上に設けられていれば良く、第1実施形態では、閉ループ6の右下部に陽極接続部14を配置させたが、例えば、閉ループ6の右上部等に陽極接続部14を配置させても良い。
また、アース素子8上には、図示しない同軸ケーブル等に接続される陰極接続部16が設けられている。陰極接続部16は、アース素子8上のいずれかの位置に設けられていれば良く、第1実施形態の位置に限られない。
【0021】
次に、第1実施形態のアンテナ2の作用について説明する。アンテナ2を受信アンテナとして用いた場合、空間を伝播する所定の周波数の電波により放射素子10付近に電界が発生する。これにより、放射素子10内の電子が移動し、閉ループ素子6に所定の周波数の電圧が形成され、陽極接続部14を介して図示しない同軸ケーブル等に電圧が伝達され、所定の周波数の電波を受信することができる。
【0022】
本実施形態のアンテナ2は、放射素子10が、閉ループ6の外側の上下左右の4つの方向に配置されているため、いずれの方向の電波に対しても感度良く電波を受信することができる。いいかえれば、アンテナ2の指向性を全方向に広くすることができる。したがって、このアンテナ2を携帯電話や車載器等の移動体通信の受信アンテナに用いた場合、移動体の方向によらず、電波を良好に受信することができる。
【0023】
また、本実施形態のアンテナ2は、給電部である閉ループ素子6の形状を、開ループではなく閉ループとしているため、放射素子10からの電位を損なうことなく、良好に同軸ケーブル等に給電することができる。また、本実施形態のアンテナ2は、給電部である閉ループ素子6の形状が閉ループであり、陽極接続部14の位置を閉ループ6のどの部分にも配置させることができるため、アンテナ2の受信機への搭載自由度が高いという利点がある。例えば、給電部が閉ループではなく開ループである場合、同軸ケーブル等との接続点の位置によりインピーダンスが変化する場合があり、この場合は受信機への搭載自由度は低下する。
また、本実施形態のアンテナ2は、放射素子10が上下左右に4つずつ設けられる構成のため、電波の受信感度を向上させることができる。
【0024】
本実施形態のアンテナ2は、上述したように、指向性が全方向に広くなり、受信感度が高いため、従来のアンテナに比較して小型化することができ、移動体通信機器への搭載性を向上させることができる。
なお、本実施形態のアンテナ2を送信アンテナとして用いた場合も、上述した事項と同様の利点を有している。すなわち、従来の送信アンテナよりも、電波の送信指向性が全方向に広く、送信機への搭載自由度が高いものとすることができる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図2は第2の実施形態のアンテナ18の全体構成を示す上面視図である。なお、第2実施形態のアンテナ18は、第1実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第2実施形態のアンテナ18のアース素子20は、閉ループ6の外側の左下部に配置されている。また、図示しない同軸ケーブル等に接続される陽極接続部22は、閉ループ6上の左下部に設けられている。また、図示しない同軸ケーブル等が接続される陰極接続部24は、アース素子20上の右上部に配置されている。
【0026】
第2の実施形態のアンテナ18は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができ、アンテナを小型化することができる。また、第2の実施形態のアンテナ18は、アース素子20を、閉ループ6の内側ではなく、外側に配置する構成のため、陰極接続のための同軸ケーブル等の接続部がアンテナに対して左下部にしかない場合に、配線の取り回しが良く、アンテナ18を通信機器に搭載する際の搭載自由度が向上する。なお、第2の実施形態のアンテナ18では、アース素子20を閉ループ素子6の左下部に配置させたが、アース素子20の位置はこれに限らず、例えば、アース素子20を閉ループ6の右下部等に配置させても良い。
また、第2実施形態においても、陽極の給電部である閉ループ6が、開ループではなく閉ループ形状であるため、陽極接続部22を所望の位置に配置することができる。なお、第2の実施形態では、陽極接続部22は、閉ループ6上の左下部に設けられていたが、これに限らず、例えば、閉ループ6上の右下部等に設けても良い。
【0027】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図3は第3の実施形態のアンテナ26の全体構成を示す上面視図である。なお、第3実施形態のアンテナ26は、第1実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第3の実施形態のアンテナ26は、閉ループ素子6と放射素子10の間に連結部が存在せず、両者を一体化して直接接続させた構成となっている。
第3の実施形態のアンテナ26は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。第3の実施形態のアンテナ26は、第1の実施形態のアンテナ2の連結部12が無い構成のため、アンテナ2に比べ、アンテナ26の上下左右の寸法を小さくすることができる。したがって、第3の実施形態のアンテナ26は、アンテナの寸法を小さくすることができるため、移動体通信機器への搭載性が向上する。
【0028】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図4は第4の実施形態のアンテナ28の全体構成を示す上面視図である。なお、第4実施形態のアンテナ28は、第1実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第4の実施形態のアンテナ28の放射素子30は、外側の一部が開放されたコの字形状とされている。放射素子30は、開放側と反対側の端部で連結部12を介して閉ループ素子6に接続されている。
第4の実施形態のアンテナ28は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。第4の実施形態のアンテナ26は、第1の実施形態のアンテナ2の放射素子10に比べ、開放部があるため、放射素子30に使用する導体の量を少なくすることができる。
【0029】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図5は第5の実施形態のアンテナ32の全体構成を示す上面視図である。なお、第5実施形態のアンテナ32は、第1実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第5実施形態のアンテナ32の放射素子34は、長方形の形状の1つの閉ループにより形成されており、連結部12を介して閉ループ素子6に接続されている。放射素子34は、閉ループ素子6の4つの辺の外側にそれぞれ配置されている。
第5の実施形態のアンテナ32は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。第5の実施形態のアンテナ32は、放射素子34が第1の実施形態のアンテナ2の放射素子10に比べ、1つの閉ループで構成されるため、アンテナ32の構成を簡略化することができる。
【0030】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図6は第6の実施形態のアンテナ36の全体構成を示す上面視図である。なお、第6の実施形態のアンテナ36は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第6実施形態のアンテナ36は、円形状の閉ループ素子38を備えている。閉ループ素子38の外側には、放射素子40が連結部12を介して接続されている。放射素子40は、円形状の閉ループにより構成されており、閉ループ素子38の周囲に8個、それぞれ等間隔に設けられている。
第6の実施形態のアンテナ36は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。第6の実施形態のアンテナ36は、円形状の閉ループ素子38の外側に放射状に放射素子40が設けられているため、全方向に広い指向性を実現することができる。本実施形態のアンテナ36は、閉ループ素子36が円形状であるため、閉ループ素子36の周りに放射状に放射素子40を配置し易いという利点がある。
【0031】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図7は第7の実施形態のアンテナ42の全体構成を示す上面視図である。なお、第7の実施形態のアンテナ42は、第6の実施形態のアンテナ36と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第7の実施形態のアンテナ42は、円形状の閉ループ素子38の周囲に、放射素子44を備えている。放射素子44は、2つの円形状の閉ループを連結部45により接続されて構成されている。放射素子44は、連結部12を介して閉ループ素子38に接続されており、閉ループ素子38の周囲に、等間隔で8つ配置されている。
第7の実施形態のアンテナ42は、第6のアンテナ36と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。第7実施形態のアンテナ42の放射素子44は、円形状の閉ループを2つ接続して構成されるため、第6の実施形態のアンテナ36よりも感度を良くすることができる。なお、第7の実施形態では、放射素子44は2つの円形状の閉ループにより構成されているが、これに限らず、放射素子44は3つ以上の閉ループにより構成されても良い。
【0032】
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。図8は第8の実施形態のアンテナ46の全体構成を示す上面視図である。なお、第8の実施形態のアンテナ46は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第8の実施形態のアンテナ46は、三角形状の閉ループ素子48を備えている。閉ループ素子48の各辺の外側には、三角形状の閉ループより形成される放射素子50が連結部12を介して接続されている。
第8の実施形態のアンテナ46は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。なお、第8の実施形態では、閉ループ素子48と放射素子50の形状を三角形状としたが、これに限らず、例えば、閉ループ素子および放射素子の形状を5角形としても良い。
【0033】
次に、第9の実施形態について説明する。図9は第9の実施形態のアンテナ52の全体構成を示す上面視図である。なお、第9の実施形態のアンテナ52は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第9の実施形態のアンテナ52において、四角形状の閉ループ素子6の外側の上下には、放射素子54が配置されている。放射素子54は、1つの四角形状の閉ループにより構成されるものである。また、閉ループ素子6の外側の左右には、放射素子56が配置されている。放射素子56は、四角形状の閉ループが3つ連結されて構成されるものである。
第9の実施形態のアンテナ52は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。特に本実施形態のアンテナ52は、左右方向に感度の良い放射素子56を用いているため、左右方向の感度をより向上させることができる。なお、本実施形態では、閉ループ素子6の左右の放射素子56を、3つの閉ループが連結される構成をしたが、これに限らず、閉ループ素子6の上下の放射素子を3つの閉ループにより構成されるものとしても良い。また、放射素子の閉ループの個数は3つに限られず、例えば4つ以上でも良い。
【0034】
次に、第10の実施形態のアンテナ58について説明する。図10は第10の実施形態のアンテナ58の全体構成を示す上面視図である。なお、第10の実施形態のアンテナ58は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
第10の実施形態のアンテナ58において、閉ループ素子6の右側には放射素子60が配置されている。放射素子60は、左右方向に連続して3つ配置された閉ループが連結されて1つの組をなし、この閉ループの組が上下に2つ配置され、それぞれが連結されて構成されるものである。この放射素子60は、閉ループ素子6のそれぞれの辺の外側の上下左右に4つ配置されている。
第10の実施形態のアンテナ58は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。特に本実施形態のアンテナ58は、閉ループ素子6のそれぞれの辺に6つの閉ループを持つ放射素子60が接続されているため、アンテナ58の感度を向上させることができる。また、本実施形態のアンテナ58の放射素子60は、3つの閉ループの組が並列して配置されるものであるため、アンテナ58の大きさを小型化することができる。例えば、図5の実施形態では、閉ループ素子6の右上、右下、左上および左下の各部分は放射素子が配置されず、無駄な空間となっていたが、図10の本実施形態では、閉ループ素子6の右上、右下、左上および左下の各部分に放射素子60が配置されているため、基板4上のスペースを有効に利用することができる。
【0035】
次に、第11の実施形態のアンテナ62について説明する。図11は第11の実施形態のアンテナ62の全体構成を示す上面視図である。なお、第11の実施形態のアンテナ62は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について説明する。
第11の実施形態のアンテナ62において、閉ループ素子64は、正五角形状の閉ループにより構成されている。閉ループ素子64の各辺の外側には、四角形状の放射素子66が配置されている。
第11の実施形態のアンテナ62は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。本実施形態のアンテナ62は、図5の実施形態のアンテナ32に比較して、放射素子の数が多いため、指向性を広くすることができる。
【0036】
次に、第12の実施形態のアンテナ68について説明する。図12は第12の実施形態のアンテナ68の全体構成を示す上面視図である。なお、第12の実施形態のアンテナ68は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について説明する。
図12のアンテナ68において、閉ループ素子6の各辺の外側には、放射素子70がそれぞれ接続されている。放射素子70は、四角形状の3つの閉ループから形成されるものであり、それぞれの閉ループは、閉ループ素子6の各辺に接続されている。
第12の実施形態のアンテナ68は、第1のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。なお、放射素子70の閉ループの数は3つに限られず、例えば、4つ以上としても良い。
【0037】
次に、第13の実施形態のアンテナ72について説明する。図13は第13の実施形態のアンテナ72の全体構成を示す上面視図である。なお、第13の実施形態のアンテナ72は、第1の実施形態のアンテナと主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
図13のアンテナ72において、閉ループ素子6の各辺の外側には、放射素子74がそれぞれ配置されている。放射素子74は、四角形状の2つの閉ループから形成されるものであり、それぞれの閉ループは、閉ループ素子6の各辺に接続されている。
第13のアンテナ74は、第1のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。
【0038】
次に、第14の実施の形態のアンテナ76について説明する。図14は第14の実施形態のアンテナ76の全体構成を示す上面視図である。なお、第14の実施形態のアンテナ76は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について詳細に説明する。
図14のアンテナ76において、閉ループ素子78は、四角形状の閉ループより形成されている。閉ループ素子78は、上下方向の辺の長さが左右方向の辺の長さよりも長い形状とされている。閉ループ素子78の上下方向の辺の外側には、放射素子80が接続されている。放射素子80は、3つの四角形状の閉ループが上下方向に配置されて形成されており、それぞれの閉ループは、閉ループ素子78の上下方向の辺に接続されている。なお、閉ループ素子78の左右方向の辺には、放射素子80は接続されていない。
第14のアンテナ76は、第1のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。本実施形態のアンテナ76においては、閉ループ素子78の外側の左右にのみ、放射素子80が配置される構成であるため、アンテナ76の上下方向の寸法を小さくすることができる。なお、本実施形態では、アンテナ76の外側の左右にのみ放射素子80が配置される構成を示したが、これに限らず、例えば、閉ループ素子78の外側の上下にのみ放射素子80を配置させても良い。
【0039】
次に、第15の実施の形態のアンテナ82について説明する。図15は、第15の実施形態のアンテナ82の全体構成を示す上面視図である。なお、第15の実施形態のアンテナ82は、第1の実施形態のアンテナと主要な構成を共通とするため、異なる構成について説明する。
図15のアンテナ82において、閉ループ素子84は、円形状の閉ループより形成されている。閉ループ素子84の外側には、放射素子86が接続されている。放射素子86は、直線状の辺が3つ組み合わされて形成されており、直接、閉ループ素子84に接続されている。なお、第15の実施形態では、放射素子86は、閉ループ素子84の周りに16個、等間隔に配置されているが、放射素子86の数および間隔はこれに限られない。
第15のアンテナ82は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。本実施形態のアンテナ82は、閉ループ84素子を円形としたため、放射素子86を放射状に配置させることができ、指向性の良いアンテナとすることができる。
【0040】
次に、第16の実施の形態のアンテナ88について説明する。図16は、第16の実施形態のアンテナ88の全体構成を示す上面視図である。なお、第16の実施形態のアンテナ88は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について説明する。
図16のアンテナ88において、閉ループ素子90は、円形状の閉ループより形成されている。閉ループ素子90の外側には、放射素子92が接続されている。放射素子92は、直線状の2つの辺と円弧を組み合わせて形成されており、直接、閉ループ90素子に接続されている。なお、第16の実施形態では、放射素子92は、閉ループ90素子の周りに16個、等間隔に配置されているが、放射素子92の数、および間隔はこれに限られない。
第16の実施形態のアンテナ88は、第1の実施形態のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。本実施形態のアンテナ88も、第15の実施形態のアンテナ82と同様に、放射素子92を放射状に配置させることができ、指向性の良いアンテナを構成することができる。
【0041】
次に、第17の実施形態のアンテナ94について説明する。図17は、第17の実施形態のアンテナ94の全体構成を示す上面視図である。なお、第17の実施形態のアンテナ94は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について説明する。
図17のアンテナ94において、閉ループ素子96は、円弧により形成される円形部分98と、円形部分98より外形側に突出する突出部分100が接続されて閉ループを形成している。放射素子102は、直線状の2つの辺と円弧を組み合わせて形成されており、直接、閉ループ素子96の円形部分98に接続されている。本実施形態では、放射素子102と閉ループ素子96の突出部分100の形状は、略同一の形状とされている。なお、第17の実施形態では、放射素子102は、閉ループ素子96の周りに11個、等間隔に配置されているが、放射素子の数、間隔、形状等はこれに限られない。
また、アンテナ94では、アース素子104は、閉ループ素子96の突出部分100の先端部の近傍に配置されている。陽極接続部14は、突出部分100の先端部に配置され、陰極接続部16は、アース素子104上に設けられる。
第17の実施形態のアンテナ94は、第1のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。本実施形態のアンテナ94では、閉ループ素子96の突出部分100上に陽極接続部14が設けられるため、アース素子104の位置をアンテナ94の中央部から端部にかけて自由に配置させることができ、アンテナ94の搭載性を向上させることができる。
【0042】
次に、第18の実施形態のアンテナ106について説明する。図18は、第18の実施形態のアンテナ106の全体構成を示す上面視図である。なお、第18の実施形態のアンテナ106は、第1の実施形態のアンテナ2と主要な構成を共通とするため、異なる構成について説明する。
図18のアンテナ106において、閉ループ素子108は、円形状の閉ループにより形成されている。閉ループ素子108の外側には、放射素子110が接続されている。放射素子110は、2つの円弧を接続して形成されており、直接、閉ループ素子108に接続されている。なお、第18の実施形態では、放射素子110は、閉ループ素子108の周りに12個、等間隔に配置されているが、放射素子110の数、および間隔はこれに限られない。
第18の実施形態のアンテナ106は、第1のアンテナ2と同様に、指向性が全方向に広く、感度の良いアンテナを構成することができる。本実施形態のアンテナ106も、第15の実施形態のアンテナ82と同様に、放射素子110を放射状に配置させることができ、指向性の良いアンテナを構成することができる。
【0043】
(実測結果)
次に、本発明のいくつかの実施形態について、実際の電波を受信して得た実測結果について説明する。本発明の実施形態と比較するための従来品(比較例)の構成を図19に示す。図19は、比較例の全体構成を示すための上面視図である。
【0044】
図19において、アンテナ112は、下に開放部を有するコの字形状の給電部114を備えている。給電部114の左右には、放射素子116が配置されている。放射素子116は上下方向に閉ループ形状の素子が4つずつ、給電部114の左右にそれぞれ配置される。給電部114の右側の下端には陽極接続部118が配置され、給電部114の左側下端には陰極接続部120が配置されている。
【0045】
まず、地上デジタル放送波を受信した結果を示す。図19の比較例では、受信感度は約86dBであった。一方、図1の本発明の第1の実施形態のアンテナ2を用いて同じ地上デジタル放送波を受信した場合は、約73dBであった。
また、同じ地上デジタル放送波を、図3の本発明の第3の実施形態のアンテナ26を用いて受信した場合、受信感度は約75dBであった。
【0046】
次に、図4の本発明の第4の実施形態のアンテナ28を用いて地上デジタル放送波を受信した場合は、受信感度は約55dBであった。
【0047】
上記の実測結果により、本発明の各実施形態のアンテナは、従来構造の比較例のアンテナ112に比べ、受信感度を確保しつつ、アンテナの寸法を小さくすることができることがわかった。
【0048】
また、アナログ方法のUHF波を受信した実測結果についても以下に示す。図20は、本発明の第19の実施形態のアンテナ122の全体構成を示す上面視図である。
【0049】
図20において、アンテナ122は、中央部に閉ループ素子124を備えている。閉ループ素子124の左右には、放射素子126が配置されている。閉ループ素子124の内側には、アース素子128が配置されている。閉ループ素子124には、陽極接続部130が設けられ、陽極接続部130近傍のアース素子128上には、陰極接続部132が設けられている。
【0050】
図19の比較例のアンテナ112と、図20の第19の実施形態のアンテナ122を用いてUFH波を受信したところ、アンテナ112とアンテナ122の受信感度は同等であった。これにより、本発明の第19の実施形態のアンテナ122は、比較例のアンテナ112に比べ、受信感度を確保しつつ、アンテナの寸法を小さくすることができることがわかった。
【0051】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図5】本発明の第5の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図6】本発明の第6の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図7】本発明の第7の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図8】本発明の第8の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図9】本発明の第9の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図10】本発明の第10の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図11】本発明の第11の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図12】本発明の第12の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図13】本発明の第13の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図14】本発明の第14の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図15】本発明の第15の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図16】本発明の第16の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図17】本発明の第17の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図18】本発明の第18の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【図19】従来品の比較例のアンテナの全体構成を示す図である。
【図20】本発明の第19の実施形態のアンテナの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
2 アンテナ
4 基板
6 閉ループ素子
8 アース素子
10 放射素子
12 連結部
14 陽極接続部
16 陰極接続部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉ループ形状に形成される導電性の陽極給電部と、
前記陽極給電部の外側に配置され、かつ前記陽極給電部に接続される導電性の放射部と
前記陽極給電部と絶縁された位置に配置される導電性の陰極給電部と、
を備えるアンテナ。
【請求項2】
前記放射部は、前記陽極給電部に直接接続されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記放射部は、連結部を介して前記陽極給電部に接続されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記放射部は、閉ループ形状に形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記放射部は、複数個の閉ループより成ることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記放射部は、外側に開放部を有する形状より成ることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記陽極給電部は、多角形形状に形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項8】
前記陽極給電部の多角形形状のすべての辺には、前記放射部がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項9】
前記陽極給電部の多角形形状の一部の辺にのみ、前記放射部がそれぞれ接続されており、前記放射部は互いに対称となる位置関係となることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項10】
前記陽極給電部は、円形形状に形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項11】
前記陽極給電部は、円形形状の部分と、該円形形状より外形側へ突出する突出部分により形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項12】
前記陰極給電部は、前記陽極給電部の突出部分の外側先端部近傍に配置されることを特徴とする請求項11に記載のアンテナ。
【請求項13】
前記陰極給電部は、前記陽極給電部の閉ループの内側に配置されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項14】
前記陰極給電部は、前記陽極給電部の閉ループの外側に配置されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項1】
閉ループ形状に形成される導電性の陽極給電部と、
前記陽極給電部の外側に配置され、かつ前記陽極給電部に接続される導電性の放射部と
前記陽極給電部と絶縁された位置に配置される導電性の陰極給電部と、
を備えるアンテナ。
【請求項2】
前記放射部は、前記陽極給電部に直接接続されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記放射部は、連結部を介して前記陽極給電部に接続されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記放射部は、閉ループ形状に形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記放射部は、複数個の閉ループより成ることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記放射部は、外側に開放部を有する形状より成ることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記陽極給電部は、多角形形状に形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項8】
前記陽極給電部の多角形形状のすべての辺には、前記放射部がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項9】
前記陽極給電部の多角形形状の一部の辺にのみ、前記放射部がそれぞれ接続されており、前記放射部は互いに対称となる位置関係となることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項10】
前記陽極給電部は、円形形状に形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項11】
前記陽極給電部は、円形形状の部分と、該円形形状より外形側へ突出する突出部分により形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項12】
前記陰極給電部は、前記陽極給電部の突出部分の外側先端部近傍に配置されることを特徴とする請求項11に記載のアンテナ。
【請求項13】
前記陰極給電部は、前記陽極給電部の閉ループの内側に配置されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のアンテナ。
【請求項14】
前記陰極給電部は、前記陽極給電部の閉ループの外側に配置されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のアンテナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2007−306536(P2007−306536A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−208756(P2006−208756)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(303007762)株式会社創大アンテナ (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(303007762)株式会社創大アンテナ (7)
【Fターム(参考)】
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