説明

イミド化合物及びその製造方法並びに殺虫剤としての使用

【課題】高い効果を有する殺虫剤を提供する。
【解決手段】殺虫剤を下記一般式(1)で表されるイミド化合物を含んで構成する。


(式中、A、A、A及びAはそれぞれ炭素原子、窒素原子又は酸化された窒素原子を示し、Rは水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいC2−C4アルキルカルボニル基を示す。G及びGはそれぞれ、酸素原子又は硫黄原子を示す。Xは同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基又はトリフルオロメチル基を示す。nは0から4の整数を示す。Q及びQは、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基又は置換されていてもよい複素環基を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イミド化合物及びその製造方法並びに殺虫剤に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2005/21488号パンフレットには、殺虫剤として本発明化合物と類似した化合物の記載が認められる。また国際公開第2005/73165号パンフレットには、殺虫剤として本発明化合物と類似した化合物の記載が認められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2005/21488号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/73165号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載の化合物は本発明における特許請求の範囲外の化合物であることが明らかである。
本発明の目的は、高い殺虫効果を有するイミド化合物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、該イミド化合物の製造方法、該化合物を有効成分として含有する殺虫剤、及び該化合物と他の殺虫剤及び/又は殺菌剤を組み合わせて得られる混合剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明のイミド化合物は文献未記載の新規な化合物であり、顕著に優れた殺虫効果を有することから、殺虫剤としての新規な用途を見出した。また、文献未記載の化合物が、本発明の化合物を製造する上で、有用な製造中間体であることも見出した。その結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]下記一般式(1)
【0006】
【化1】



【0007】
(式中、A、A、A及びAはそれぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸化された窒素原子を示す。Rはそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、又は置換されていてもよいC2−C4アルキルカルボニル基を示す。G及びGはそれぞれ独立に、酸素原子、又は硫黄原子を示す。Xはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、Xが2以上ある場合、それぞれのXは同一でも異なっていてもよい。nは0から4の整数を示す。
はそれぞれ独立に、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、又は置換されていてもよい複素環基を示す。Qは1つ以上の置換基を有するフェニル基又は複素環基を示し、その置換基の少なくとも1つがC1−C4ハロアルコキシ基、C2−C6パーフルオロアルキル基、C1−C6パーフルオロアルキルチオ基、C1−C6パーフルオロアルキルスルフィニル基、又はC1−C6パーフルオロアルキルスルホニル基である。)で表されるイミド化合物。
【0008】
[2] 前記一般式(1)において、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はC1−C4アルキル基であり、Xはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はトリフルオロメチル基であり、Qはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4ハロアルケニル基、C2−C4アルキニル基、C2−C4ハロアルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6ハロシクロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、C2−C4アルキルカルボニル基、C2−C4アルキルカルボニルオキシ基、C2−C4アルコキシカルボニル基、アセチルアミノ基及びフェニル基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよいフェニル基;又はピリジル基、ピリジン−N−オキシド基、ピリミジニル基、ピリダジル基、ピラジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、ピロール基、ピラゾリル基及びテトラゾリル基からなる複素環基群より選ばれ、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4ハロアルケニル基、C2−C4アルキニル基、C2−C4ハロアルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6ハロシクロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、C2−C4アルキルカルボニル基、C2−C4アルキルカルボニルオキシ基、C2−C4アルコキシカルボニル基、アセチルアミノ基及びフェニル基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよい複素環基であり、
が下記一般式(2)
【0009】
【化2】



【0010】
(式中、Y及びYはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、又はシアノ基を示し、YはC2−C6パーフルオロアルキル基、C1−C6パーフルオロアルキルチオ基、C1−C6パーフルオロアルキルスルフィニル基、又はC1−C6パーフルオロアルキルスルホニル基を示し、Y及びYはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はC1−C4アルキル基を示す。)で表される置換基を有するフェニル基、又は下記一般式(3)
【0011】
【化3】



【0012】
(式中、Y及びYはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、又はシアノ基を示し、YはC1−C4ハロアルコキシ基、C2−C6パーフルオロアルキル基、C1−C6パーフルオロアルキルチオ基、C1−C6パーフルオロアルキルスルフィニル基、又はC1−C6パーフルオロアルキルスルホニル基を示し、Yは水素原子、ハロゲン原子、又はC1−C4アルキル基を示す。)で表される置換基を有するピリジル基である、前記[1]に記載のイミド化合物。
【0013】
[3] 下記一般式(1a)
【0014】
【化4】



【0015】
{式中、Qは下記一般式(2)
【0016】
【化5】



【0017】
(式中、Y及びYはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、又はシアノ基を示し、YはC2−C6パーフルオロアルキル基を示し、Y及びYはそれぞれ独立に、水素原子、又はC1−C4アルキル基を示す。)で表される置換基を有するフェニル基を示す。
及びXはそれぞれ独立に、水素原子又はフッ素原子を示し、Rは水素原子又はC1−C4アルキル基を示す。Qはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、シアノ基及びニトロ基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよいフェニル基、又は、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、シアノ基及びニトロ基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよいピリジル基を示す。}で表される、前記[2]に記載のイミド化合物。
【0018】
[4] 下記一般式(4)
【0019】
【化6】



【0020】
(式中、A、A、A及びAはそれぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸化された窒素原子を示す。Rは水素原子、C1−C4アルキル基、又はC1−C4アルキルカルボニル基を示す。G及びGはそれぞれ独立に、酸素原子、又は硫黄原子を示す。Xは水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、Xが2以上ある場合、それぞれのXは同一でも異なっていてもよい。nは0から4の整数を示す。
は置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、又は置換されていてもよい複素環基を示す。Halは塩素原子又は臭素原子を示す。)で表される化合物と、下記一般式(5)
【0021】
【化7】



【0022】
(式中、Qは1つ以上の置換基を有するフェニル基又は複素環基を示し、その置換基の少なくとも1つがC1−C4ハロアルコキシ基、C2−C6パーフルオロアルキル基、C1−C6パーフルオロアルキルチオ基、C1−C6パーフルオロアルキルスルフィニル基、又はC1−C6パーフルオロアルキルスルホニル基である。)で表される化合物と、を反応させることを含む、前記[1]に記載の一般式(1)で表されるイミド化合物の製造方法。
【0023】
[5] 前記一般式(4)におけるQは、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4ハロアルケニル基、C2−C4アルキニル基、C2−C4ハロアルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6ハロシクロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、C2−C4アルキルカルボニル基、C2−C4アルキルカルボニルオキシ基、C2−C4アルコキシカルボニル基、アセチルアミノ基及びフェニル基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよいフェニル基;又はピリジル基、ピリジン−N−オキシド基、ピリミジニル基、ピリダジル基、ピラジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、ピロール基、ピラゾリル基及びテトラゾリル基からなる複素環基群より選ばれ、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4ハロアルケニル基、C2−C4アルキニル基、C2−C4ハロアルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6ハロシクロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、C2−C4アルキルカルボニル基、C2−C4アルキルカルボニルオキシ基、C2−C4アルコキシカルボニル基、アセチルアミノ基及びフェニル基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよい複素環基を示す、前記[4]に記載のイミド化合物の製造方法。
【0024】
[6] 前記[1]から[3]の何れか1項に記載のイミド化合物を有効成分として含有する殺虫剤。
【0025】
[7] 前記[1]から[3]の何れか1項に記載のイミド化合物を有効成分として含有する農園芸用殺虫剤。
【0026】
[8] 前記[1]から[3]の何れか1項に記載のイミド化合物の有効量を、有害生物から有用作物を保護するために、対象とする有用作物もしくは土壌に処理することを含む、イミド化合物の使用方法。
【0027】
[9] 前記[1]から[3]の何れか1項に記載のイミド化合物と、不活性担体及び補助剤の少なくとも1種と、を含む組成物。
【0028】
[10] 前記[1]から[3]の何れか1項に記載のイミド化合物と、該イミド化合物以外の殺虫剤及び殺菌剤から選ばれる少なくとも1種と、を含む混合剤。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、高い殺虫効果を有するイミド化合物を提供することができる。また、本発明によれば、該イミド化合物の製造方法、該化合物を有効成分として含有する殺虫剤、及び該化合物と他の殺虫剤及び/又は殺菌剤を組み合わせて得られる混合剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明のイミド化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
本発明のイミド化合物は低薬量で殺虫剤として優れた防除効果を示し、また、他の殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤、生物農薬などと組み合わせて使用することによっても優れた防除効果を示すものである。
【0031】
【化8】



【0032】
式中、A、A、A及びAはそれぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸化された窒素原子を示す。Rは水素原子、置換されていてもよいC1−C4アルキル基、又は置換されていてもよいC1−C4アルキルカルボニル基を示す。G及びGはそれぞれ独立に、酸素原子、又は硫黄原子を示す。Xは水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、Xが2以上ある場合、それぞれのXは同一でも異なっていてもよい。nは0から4の整数を示す。
は置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、又は置換されていてもよい複素環基を示す。Qは1つ以上の置換基を有するフェニル基又は複素環基を示し、その置換基の少なくとも1つがC1−C4ハロアルコキシ基、C2−C6パーフルオロアルキル基、C1−C6パーフルオロアルキルチオ基、C1−C6パーフルオロアルキルスルフィニル基、又はC1−C6パーフルオロアルキルスルホニル基である。
【0033】
本発明の一般式(1)などの一般式において使用される文言は、その定義においてそれぞれ以下に説明されるような意味を有する。
「ハロゲン原子」とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
「Ca−Cb(a、bは1以上の整数を表す)」との表記は、例えば、「C1−C3」とは炭素原子数が1〜3個であることを意味し、「C2−C6」とは炭素原子数が2〜6個であることを意味し、「C1−C4」とは炭素原子数が1〜4個であることを意味する。
「n−」とはノルマル意味し、「i−」はイソを意味し、「s−」はセカンダリーを意味し、「t−」はターシャリーを意味する。
【0034】
「置換されていてもよいアルキル基」とは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6ハロアルコキシ基、C1−C6アルキルチオ基、C1−C6ハロアルキルチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C1−C6ハロアルキルスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、C1−C6ハロアルキルスルホニル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C1−C6ハロアルキルカルボニル基、C1−C6アルコキシカルボニル基、C1−C6ハロアルコキシカルボニル基、C1−C6アルキルカルボニルオキシ基、C1−C6ハロアルキルカルボニルオキシ基、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフェニルカルボニル基、置換されていてもよいフェニルアミノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる置換基群より選ばれる1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよい直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基を意味する。
【0035】
「置換されていてもよいC2−C4アルキルカルボニル基」とは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6ハロアルコキシ基、C1−C6アルキルチオ基、C1−C6ハロアルキルチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C1−C6ハロアルキルスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、C1−C6ハロアルキルスルホニル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C1−C6ハロアルキルカルボニル基、C1−C6アルコキシカルボニル基、C1−C6ハロアルコキシカルボニル基、C1−C6アルキルカルボニルオキシ基、C1−C6ハロアルキルカルボニルオキシ基、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフェニルカルボニル基、置換されていてもよいフェニルアミノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる置換基群より選ばれる1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよい直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の炭素原子数2〜4個のアルキルカルボニル基を意味する。
【0036】
「置換されていてもよいフェニル基」とは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6ハロアルコキシ基、C1−C6アルキルチオ基、C1−C6ハロアルキルチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C1−C6ハロアルキルスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、C1−C6ハロアルキルスルホニル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C1−C6ハロアルキルカルボニル基、C1−C6アルコキシカルボニル基、C1−C6ハロアルコキシカルボニル基、C1−C6アルキルカルボニルオキシ基、C1−C6ハロアルキルカルボニルオキシ基、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、アセチルアミノ基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフェニルカルボニル基、置換されていてもよいフェニルアミノ基、置換されていてもよい複素環基からなる置換基群より選ばれる1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよいフェニル基を意味する。
【0037】
「置換されていてもよいナフチル基」とは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6ハロアルコキシ基、C1−C6アルキルチオ基、C1−C6ハロアルキルチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C1−C6ハロアルキルスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、C1−C6ハロアルキルスルホニル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C1−C6ハロアルキルカルボニル基、C1−C6アルコキシカルボニル基、C1−C6ハロアルコキシカルボニル基、C1−C6アルキルカルボニルオキシ基、C1−C6ハロアルキルカルボニルオキシ基、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、アセチルアミノ基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフェニルカルボニル基、置換されていてもよいフェニルアミノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる置換基群より選ばれる1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよいナフチル基を意味する。
【0038】
「置換されていてもよい複素環基」とは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6ハロアルコキシ基、C1−C6アルキルチオ基、C1−C6ハロアルキルチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C1−C6ハロアルキルスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、C1−C6ハロアルキルスルホニル基、ホルミル基、C2−C6アルキルカルボニル基、C2−C6ハロアルキルカルボニル基、C2−C6アルコキシカルボニル基、C2−C6ハロアルコキシカルボニル基、C2−C6アルキルカルボニルオキシ基、C2−C6ハロアルキルカルボニルオキシ基、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、アセチルアミノ基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフェニルカルボニル基、置換されていてもよいフェニルアミノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる置換基群より選ばれる1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよい複素環基を意味する。
【0039】
ここで複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリジン−N−オキシド基、ピリミジニル基、ピリダジル基、ピラジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、ピロール基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等を挙げることができる。
【0040】
また、「C1−C3アルキル基」とは例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピルなどの直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜3個のアルキル基を示し、「C1−C4アルキル基」とは「C1−C3アルキル基」に加えて例えば、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチルなどの直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜4個のアルキル基を示し、「C1−C6アルキル基」とは「C1−C4アルキル基」に加えて例えば、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、4−メチル−2−ペンチル、3−メチル−n−ペンチルなどの直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキル基を示す。
【0041】
「C1−C3ハロアルキル基」とは例えば、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、モノブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、2,2−ジクロロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1−ブロモエチル、2−ブロモエチル、2,2−ジブロモエチル、2,2,2−トリブロモエチル、2−ヨードエチル、ペンタフルオロエチル、3−フルオロ−n−プロピル、3−クロロ−n−プロピル、3−ブロモ−n−プロピル、1,3−ジフルオロ−2−プロピル、1,3−ジクロロ−2−プロピル、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル、1−クロロ−3−フルオロ−2−プロピル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−クロロ−2−プロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル、ヘプタフルオロ−i−プロピル、ヘプタフルオロ−n−プロピルなどの同一又は異なっていてもよい1以上のハロゲン原子によって置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜3個のアルキル基を示し、「C1−C4ハロアルキル基」とは「C1−C3ハロアルキル基」に加えて例えば、4−フルオロ−n−ブチル、ノナフルオロ−n−ブチル、ノナフルオロ−2−ブチルなどの同一又は異なっていてもよい1以上のハロゲン原子によって置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜4個のアルキル基を示す。
【0042】
「C2−C4アルケニル基」とは例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニルなどの炭素鎖の中に二重結合を有する炭素原子数2〜4個のアルケニル基を示し、「C2−C4ハロアルケニル基」とは例えば、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、3,3−ジクロロ−2−プロペニル、3,3−ジブロモ−2−プロペニル、2,3−ジブロモ−2−プロペニル、4,4−ジフルオロ−3−ブテニル、3,4,4−トリブロモ−3−ブテニルなどの同一又は異なっていてもよい1以上のハロゲン原子によって置換された炭素鎖の中に二重結合を有する直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜4個のアルケニル基を示し、
【0043】
「C2−C4アルキニル基」とは例えば、プロパルギル、1−ブチン−3−イル、1−ブチン−3−メチル−3−イルなどの炭素鎖の中に三重結合を有する直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜4個のアルキニル基を示し、「C2−C4ハロアルキニル基」とは例えば、同一又は異なっていてもよい1以上のハロゲン原子によって置換された炭素鎖の中に三重結合を有する直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜4個のアルケニル基を示す。
【0044】
「C3−C6シクロアルキル基」とは例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、2−メチルシクロペンチル、3−メチルシクロペンチル、シクロヘキシルなどの環状構造を有する炭素原子数3〜6個のシクロアルキル基を示し、「C3−C6ハロシクロアルキル基」とは例えば、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル、2−クロロシクロヘキシル、4−クロロシクロヘキシルなどの同一又は異なっていてもよい1以上のハロゲン原子によって置換された環状構造を有する炭素原子数3〜6個のシクロアルキル基を示す。
【0045】
「C1−C3アルコキシ基」とは例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシなどの直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜3個のアルコキシ基を示し、「C1−C6アルコキシ基」とは「C1−C3アルコキシ基」に加えて例えば、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、s−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、n−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、i−ヘキシルオキシ、3-メチルペンチルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、2,3−ジメチルブチルオキシ、2,2−ジメチルブチルオキシなどの直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルコキシ基を示す。
「C1−C3ハロアルコキシ基」とは例えば、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピルオキシ、3−フルオロ−n−プロピルオキシなどの同一又は異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜3個のハロアルコキシ基を示し、「C1−C4ハロアルコキシ基」とは「C1−C3ハロアルコキシ基」に加えて例えば、1,1,1,3,3,4,4,4−オクタフルオロ−2−ブチルオキシなどの同一又は異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基を示し、「C1−C6ハロアルコキシ基」とは「C1−C4ハロアルコキシ基」に加えて例えば、1,1,1,2,2,4,4,5,5,5−デカフルオロ−3−ペンチルオキシなどの同一又は異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のハロアルコキシ基を示す。
【0046】
「C1−C3アルキルチオ基」とは例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、i−プロピルチオ、シクロプロピルチオなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素原子数1〜3個のアルキルチオ基を示し、「C1−C4アルキルチオ基」とは「C1−C3アルキルチオ基」に加えて例えば、n−ブチルチオ、i−ブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、シクロプロピルメチルチオなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素原子数1〜4個のアルキルチオ基を示し、「C1−C6アルキルチオ基」とは「C1−C4アルキルチオ基」に加えて例えば、n−ペンチルチオ、i−ペンチルチオ、ネオペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、イソヘキシルチオ、3-メチルペンチルチオ、2−メチルペンチルチオ、2,3−ジメチルブチルチオ、2,2−ジメチルブチルチオなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素原子数1〜6個のアルキルチオ基を示す。
「C1−C3ハロアルキルチオ基」とは例えば、トリフルオロメチルチオ、ペンタフルオロエチルチオ、2,2,2−トリフルオロエチルチオ、ヘプタフルオロ−n−プロピルチオ、ヘプタフルオロ−i−プロピルチオなどの同一又は異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜3個のアルキルチオ基を示し、「C1−C4ハロアルキルチオ基」とは「C1−C3ハロアルキルチオ基」に加えて例えば、ノナフルオロ−n−ブチルチオ、ノナフルオロ−s−ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロ−n−ブチルチオなどの同一又は異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜4個のアルキルチオ基を示し、「C1−C6ハロアルキルチオ基」とは「C1−C4ハロアルキルチオ基」に加えて例えば、ウンデカフルオロ−n−ペンチルチオ、トリデカフルオロ−n−ヘキシルチオなどの同一又は異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキルチオ基を示す。
【0047】
「C1−C3アルキルスルフィニル基」とは例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、i−プロピルスルフィニル、シクロプロピルスルフィニルなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素原子数1〜3個のアルキルスルフィニル基を示し、「C1−C6アルキルスルフィニル基」とは「C1−C3アルキルスルフィニル基」に加えて例えば、n−ブチルスルフィニル、i−ブチルスルフィニル、s−ブチルスルフィニル、t−ブチルスルフィニル、シクロプロピルメチルスルフィニル、n−ペンチルスルフィニル、i−ペンチルスルフィニル、ネオペンチルスルフィニル、n−ヘキシルスルフィニル、i−ヘキシルスルフィニル、3-メチルペンチルスルフィニル、2−メチルペンチルスルフィニル、2,3−ジメチルブチルスルフィニル、2,2−ジメチルブチルスルフィニルなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素原子数1〜6個のアルキルスルフィニル基を示す。
「C1−C3ハロアルキルスルフィニル基」とは例えば、トリフルオロメチルスルフィニル、ペンタフルオロエチルスルフィニル、2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル、ヘプタフルオロ−n−プロピルスルフィニル、ヘプタフルオロ−i−プロピルスルフィニルなどの同一又は異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜3個のアルキルスルフィニル基を示し、「C1−C6ハロアルキルスルフィニル基」とは「C1−C3ハロアルキルスルフィニル基」に加えて例えば、ノナフルオロ−n−ブチルスルフィニル、ウンデカフルオロ−n−ペンチルスルフィニル、トリデカフルオロ−n−ヘキシルスルフィニルなどの同一又は異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキルスルフィニル基を示す。
【0048】
「C1−C3アルキルスルホニル基」とは例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、i−プロピルスルホニル、シクロプロピルスルホニルなどの直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜3個のアルキルスルホニル基を示し、「C1−C6アルキルスルホニル基」とは「C1−C3アルキルスルホニル基」に加えて例えば、n−ブチルスルホニル、i−ブチルスルホニル、s−ブチルスルホニル、t−ブチルスルホニル、シクロプロピルメチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル、i−ペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、n−ヘキシルスルホニル、i−ヘキシルスルホニル、3-メチルペンチルスルホニル、2−メチルペンチルスルホニル、2,3−ジメチルブチルスルホニル、2,2−ジメチルブチルスルホニルなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素原子数1〜6個のアルキルスルホニル基を示す。
「C1−C3ハロアルキルスルホニル基」とは例えば、トリフルオロメチルスルホニル、ペンタフルオロエチルスルホニル、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニル、ヘプタフルオロ−n−プロピルスルホニル、ヘプタフルオロ−i−プロピルスルホニルなどの同一又は異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜3個のアルキルスルホニル基を示し、「C1−C6ハロアルキルスルホニル基」とは「C1−C3ハロアルキルスルホニル基」に加えて例えば、ノナフルオロ−n−ブチルスルホニル、ウンデカフルオロ−n−ペンチルスルホニル、トリデカフルオロ−n−ヘキシルスルホニルなどの同一又は異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキルスルホニル基を示す。
【0049】
「モノC1−C4アルキルアミノ基」とは例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、i−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、シクロプロピルアミノなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素原子数1〜4個のモノアルキルアミノ基を示し、「モノC1−C6アルキルアミノ基」と「モノC1−C4アルキルアミノ基」に加えて例えば、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、i−ヘキシルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素原子数1〜6個のモノアルキルアミノ基を示す。
「ジC1−C4アルキルアミノ基」とは例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノなどの同一でも異なっていてもよい直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜4個のアルキル基を2つ有するジアルキルアミノ基を示し、「ジC1−C6アルキルアミノ基」とは「ジC1−C4アルキルアミノ基」に加えて例えば、N−n−ブチル−N−メチルアミノ、N−n−ブチル−N−エチルアミノ、N−n−ヘキシル−N−n−ペンチルアミノなどの直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキル基を2つ有するジアルキルアミノ基を示す。
【0050】
「C2−C4アルキルカルボニル基」とは例えば、アセチル、プロピオニル、イソプロピルカルボニル、シクロプロピルカルボニルなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素原子数2〜4個のアルキルカルボニル基を示し、「C2−C6アルキルカルボニル基」とは「C2−C4アルキルカルボニル基」に加えて、n−ブチルカルボニル、s−ブチルカルボニル、t−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、i−ペンチルカルボニル、ネオペンチルカルボニル、シクロペンチルカルボニルなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素原子数2〜6個のアルキルカルボニル基を示す。
「C2−C6ハロアルキルカルボニル基」とは例えば、フルオロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、ブロモアセチル、トリブロモアセチル、ヨードアセチル、トリヨードアセチル、3,3,3−トリフルオロプロピオニル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピオニル、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチオニルなどの同一又は異なっていてもよい1以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜6個のアルキルカルボニル基を示す。
【0051】
「C2−C4アルキルカルボニルオキシ基」とは例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシなどの直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜4個のアルキルカルボニルオキシ基を示し、「C2−C6アルキルカルボニルオキシ基」とは「C2−C4アルキルカルボニルオキシ基」に加えて、n−ブチルカルボニルオキシ、s−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、ネオペンチルカルボニルオキシ、シクロペンチルカルボニルオキシなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素原子数2〜6個のアルキルカルボニルオキシ基を示す。
「C2−C6ハロアルキルカルボニルオキシ基」とは例えば、フルオロアセトキシ、ジフルオロアセトキシ、トリフルオロアセトキシ、クロロアセトキシ、ジクロロアセトキシ、トリクロロアセトキシ、ブロモアセトキシ、ヨードアセトキシ、3,3,3−トリフルオロプロピオニルオキシ、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピオニルオキシ、2,2,3,3,4,4、4−ヘプタフルオロブチニルオキシなどの同一又は異なっていてもよい1以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜6個のアルキルカルボニルオキシ基を示す。
「C2−C4アルコキシカルボニル基」とは例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニルなどの直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜4個のアルコキシカルボニル基を示す。「C2−C6アルコキシカルボニル基」とは「C2−C4アルコキシカルボニル基」に加えて、n−ブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、シクロペンチルカルボニルなどの直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素原子数2〜6個のアルコキシカルボニル基を示す。
「C2−C6ハロアルコキシカルボニル基」とは例えば、フルオロメトキシカルボニル、ジフルオロメトキシカルボニル、トリフルオロメトキシカルボニル、クロロメトキシカルボニル、ジクロロメトキシカルボニル、トリクロロメトキシカルボニル、ブロモメトキシカルボニル、ヨードメトキシカルボニル、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシカルボニル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオキシカルボニル、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルオキシカルボニル、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルオキシカルボニルなどの同一又は異なっていてもよい1以上のハロゲン原子により置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜6個のアルコキシカルボニル基を示す。
【0052】
「C1−C4パーフルオロアルキル基」とは例えば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロ−n−プロピル、ヘプタフルオロ−i−プロピル、ノナフルオロ−n−ブチル、ノナフルオロ−2−ブチル、ノナフルオロ−i−ブチルなどのフッ素原子により全て置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜4個のアルキル基を示し、「C2−C6パーフルオロアルキル基」とは例えば、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロ−n−プロピル、ヘプタフルオロ−i−プロピル、ノナフルオロ−n−ブチル、ノナフルオロ−2−ブチル、ノナフルオロ−i−ブチル、パーフルオロ−n−ペンチル、パーフルオロ−n−ヘキシルなどのフッ素原子により全て置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜6個のアルキル基を示す。
【0053】
「C1−C6パーフルオロアルキルチオ基」とは例えば、トリフルオロメチルチオ、ペンタフルオロエチルチオ、ヘプタフルオロ−n−プロピルチオ、ヘプタフルオロ−i−プロピルチオ、ノナフルオロ−n−ブチルチオ、ノナフルオロ−2−ブチルチオ、ノナフルオロ−i−ブチルチオ、パーフルオロ−n−ペンチルチオ、パーフルオロ−n−ヘキシルチオなどのフッ素原子により全て置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキルチオ基を示す。
【0054】
「C1−C6パーフルオロアルキルスルフィニル基」とは例えば、トリフルオロメチルスルフィニル、ペンタフルオロエチルスルフィニル、ヘプタフルオロ−n−プロピルスルフィニル、ヘプタフルオロ−i−プロピルスルフィニル、ノナフルオロ−n−ブチルスルフィニル、ノナフルオロ−2−ブチルスルフィニル、ノナフルオロ−i−ブチルスルフィニル、パーフルオロ−n−ペンチルスルフィニル、パーフルオロ−n−ヘキシルスルフィニルなどのフッ素原子により全て置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキルスルフィニル基を示す。
【0055】
「C1−C6パーフルオロアルキルスルホニル基」とは例えば、トリフルオロメチルスルホニル、ペンタフルオロエチルスルホニル、ヘプタフルオロ−n−プロピルスルホニル、ヘプタフルオロ−i−プロピルスルホニル、ノナフルオロ−n−ブチルスルホニル、ノナフルオロ−2−ブチルスルホニル、ノナフルオロ−i−ブチルスルホニル、パーフルオロ−n−ペンチルスルホニル、パーフルオロ−n−ヘキシルスルホニルなどのフッ素原子により全て置換された直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキルスルホニル基を示す。
【0056】
本発明の一般式(1)で表されるイミド化合物は、その構造式中に、1個又は複数個の不斉炭素原子又は不斉中心を含む場合があり、2種以上の光学異性体が存在する場合もあるが、本発明は各々の光学異性体及びそれらが任意の割合で含まれる混合物をも全て包含するものである。また、本発明の一般式(1)で表されるイミド化合物は、その構造式中に、炭素−炭素二重結合に由来する2種以上の幾何異性体が存在する場合もあるが、本発明は各々の幾何異性体及びそれらが任意の割合で含まれる混合物をも全て包含するものである。
【0057】
本発明の一般式(1)などで表される一般式で表される化合物中の置換基などで好ましい置換基又は原子は以下のとおりである。
、A、A及びAとして好ましくは、Aが炭素原子、窒素原子もしくは酸化された窒素原子であると同時にA、A及びAが全て炭素原子であり、さらに好ましくは、A、A、A及びAが全て炭素原子である。
として好ましくは、水素原子又はC1−C4アルキル基であり、さらに好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基である。
及びGとして好ましくは、それぞれ、酸素原子もしくは硫黄原子であり、さらに好ましくは、G及びG共に酸素原子である。
Xとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは、水素原子、フッ素原子である。
nとして好ましくは、Xが水素原子以外の場合のnとして0、1又は2であり、さらに好ましくは、0もしくは1である。
【0058】
として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは、水素原子もしくはフッ素原子である。
として好ましくは、水素原子、フッ素原子であり、さらに好ましくは、水素原子である。
及びXとして好ましくは、水素原子である。
として好ましくは、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4ハロアルケニル基、C2−C4アルキニル基、C2−C4ハロアルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6ハロシクロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、C1−C4アルキルカルボニル基、C1−C4アルキルカルボニルオキシ基、C1−C4アルコキシカルボニル基、アセチルアミノ基及びフェニル基からなる置換基群より選択される1以上の同一又は異なっていてもよい置換基で置換されていてもよいフェニル基、又はハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4ハロアルケニル基、C2−C4アルキニル基、C2−C4ハロアルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6ハロシクロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、C1−C4アルキルカルボニル基、C1−C4アルキルカルボニルオキシ基、C1−C4アルコキシカルボニル基、アセチルアミノ基及びフェニル基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよいピリジル基である。
としてさらに好ましくは、無置換のフェニル基、若しくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メチルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、トリフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シアノ基及びニトロ基からなる置換基群より選択される1から3個の同一でも異なっていてもよい置換基を有する置換フェニル基、又は、無置換のピリジル基、若しくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メチルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、トリフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、シアノ基及びニトロ基からなる置換基群より選択される1から2個の同一でも異なっていてもよい置換基を有する置換ピリジル基である。
【0059】
として好ましくは、一般式(2)で表される置換されたフェニル基又は一般式(3)で表される置換されたピリジル基である。
その中で、一般式(2)におけるY及びYとして好ましくは、それぞれ独立に、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基、トリフルオロメチル基、メチルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、トリフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、又はシアノ基である。
また一般式(3)におけるY及びYとして好ましくは、それぞれ独立に、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基、トリフルオロメチル基、メチルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、トリフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、シアノ基である。
、Y及びYとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子又はメチル基であり、さらに好ましくは、水素原子である。
【0060】
として好ましくは、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、ノナフルオロ−2−ブチル基、ノナフルオロ−i−ブチル基、トリフルオロメチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、ヘプタフルオロ−n−プロピルチオ基、ヘプタフルオロ−i−プロピルチオ基、ノナフルオロ−n−ブチルチオ基、ノナフルオロ−2−ブチルチオ基、トリフルオロメチルスルフィニル基、ペンタフルオロエチルスルフィニル基、ヘプタフルオロ−n−プロピルスルフィニル基、ヘプタフルオロ−i−プロピルスルフィニル基、ノナフルオロ−n−ブチルスルフィニル基、ノナフルオロ−2−ブチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、ペンタフルオロエチルスルホニル基、ヘプタフルオロ−n−プロピルスルホニル基、ヘプタフルオロ−i−プロピルスルホニル基、ノナフルオロ−n−ブチルスルホニル基、又はノナフルオロ−2−ブチルスルホニル基である。
【0061】
として好ましくは、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、ノナフルオロ−2−ブチル基、ノナフルオロ−i−ブチル基、トリフルオロメチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、ヘプタフルオロ−n−プロピルチオ基、ヘプタフルオロ−i−プロピルチオ基、ノナフルオロ−n−ブチルチオ基、ノナフルオロ−2−ブチルチオ基、トリフルオロメチルスルフィニル基、ペンタフルオロエチルスルフィニル基、ヘプタフルオロ−n−プロピルスルフィニル基、ヘプタフルオロ−i−プロピルスルフィニル基、ノナフルオロ−n−ブチルスルフィニル基、ノナフルオロ−2−ブチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、ペンタフルオロエチルスルホニル基、ヘプタフルオロ−n−プロピルスルホニル基、ヘプタフルオロ−i−プロピルスルホニル基、ノナフルオロ−n−ブチルスルホニル基、ノナフルオロ−2−ブチルスルホニル基、ペンタフルオロエトキシ基、又は1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−i−プロピルオキシ基である。
【0062】
以下に本発明の化合物の代表的な製造方法を示し、それに従うことにより本発明の化合物の製造が可能であるが、製造方法及び経路は以下に示す製造方法に限定されるものではない。
また、以下の反応式中のA、A、A及びAはそれぞれ炭素原子、窒素原子又は酸化された窒素原子を示し、Rは水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいC1−C4アルキルカルボニル基を示し、G及びGはそれぞれ、酸素原子又は硫黄原子を示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基又はトリフルオロメチル基を示し、Xが2以上ある場合、それぞれのXは同一でも異なっていてもよい。nは0から4の整数を示す。Qは置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよい複素環基を示す。Qは1つ以上の置換基を有するフェニル基又は複素環基を示し、その置換基の少なくとも1つがC1−C4ハロアルコキシ基、C2−C6パーフルオロアルキル基、C1−C6パーフルオロアルキルチオ基、C1−C6パーフルオロアルキルスルフィニル基、又はC1−C6パーフルオロアルキルスルホニル基である。Halは塩素原子もしくは臭素原子を示す。
【0063】
【化9】



【0064】
一般式(6)+一般式(7) → 一般式(8)
一般式(6)で表される芳香族カルボン酸ハライド誘導体と一般式(7)で表される芳香族アミン誘導体を適当な溶媒中もしくは無溶媒で反応させることにより、一般式(8)で表される芳香族イミド誘導体を製造することができる。
溶媒としては、本反応の進行を著しく阻害しないものであれば良く、例えば、水、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状又は環状エーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、アセトニトリルなどのニトリル類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの不活性溶媒を示すことができる。これらの溶媒は1種単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0065】
本工程では適当な塩基を用いることもできる。塩基としては、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩類、リン酸一水素二カリウム、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩類、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコラート類などを示すことができる。これらの塩基は、一般式(6)で表される化合物に対して0.01〜5倍モル当量の範囲で適宜選択して使用すればよい。
反応温度は、−20℃から使用する溶媒の還流温度の範囲で、反応時間は、数分から96時間の範囲で、それぞれ適宜選択すればよい。
【0066】
一般式(6)で表される芳香族カルボン酸ハライド誘導体は芳香族カルボン酸から、ハロゲン化剤を使用する常法により、容易に製造することができる。ハロゲン化剤としては、例えば、塩化チオニル、臭化チオニル、オキシ塩化リン、オキザリルクロリド、三塩化リンなどのハロゲン化剤を示すことができる。
【0067】
一方、ハロゲン化剤を使用せずに芳香族カルボン酸誘導体と一般式(7)で表される化合物から一般式(8)で表される化合物を製造することが可能であり、その方法としては、例えば、Chem.Ber.788ページ(1970年)に記載の方法に従うことにより、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどの添加剤を適宜使用し、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを使用する縮合剤を用いる方法を示すことができる。この場合に使用される他の縮合剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾールなどを示すことができる。
【0068】
また、一般式(8)で表される化合物を製造する他の方法としては、クロロギ酸エステル類を用いた混合酸無水物法を示すこともできる。例えば、J.Am.Chem.Soc.5012ページ(1967年)に記載の方法に従うことにより、芳香族カルボン酸誘導体と一般式(7)で表される化合物から一般式(8)で表される化合物を製造することが可能である。この場合使用されるクロロギ酸エステル類としてはクロロギ酸イソブチル、クロロギ酸イソプロピルなどを示すことができ、クロロギ酸エステル類の他には、塩化ジエチルアセチル、塩化トリメチルアセチルなどを示すことができる。
【0069】
縮合剤を用いる方法、混合酸無水物法共に、前記文献記載の溶媒、反応温度、反応時間に限定されることは無く、適宜反応の進行を著しく阻害しない不活性溶媒を使用すればよく、反応温度、反応時間についても、反応の進行に応じて、適宜選択すればよい。
前記に示した製造方法において、目的物は、反応終了後、反応系から常法に従って単離すればよいが、必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留などの操作を行い精製することができる。
【0070】
以下、第1表から第6表に本発明の殺虫剤の有効成分である一般式(1)で表されるイミド化合物の代表的な化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、表中、「n−」はノルマルを、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「H」は水素原子を、「O」は酸素原子を、「S」は硫黄原子を、「C」は炭素原子を、「N」は窒素原子を、「F」はフッ素原子を、「Cl」は塩素原子を、「Br」は臭素原子を、「I」はヨウ素原子を、「CF3」はトリフルオロメチル基をそれぞれ表すものである。
【0071】
【化10】



【0072】
【表1】



【0073】
【表2】



【0074】
【表3】



【0075】
【表4】



【0076】
【表5】



【0077】
【表6】



【0078】
【表7】



【0079】
【表8】



【0080】
【表9】



【0081】
【表10】



【0082】
【表11】



【0083】
【表12】



【0084】
【表13】



【0085】
【表14】



【0086】
【表15】




【0087】
【表16】




【0088】
【表17】




【0089】
【化11】



【0090】
【表18】



【0091】
【表19】



【0092】
【表20】



【0093】
【表21】



【0094】
【表22】



【0095】
【表23】



【0096】
【表24】




【0097】
【表25】




【0098】
【表26】




【0099】
【表27】




【0100】
【表28】




【0101】
【表29】




【0102】
【表30】



【0103】
【化12】



【0104】
【表31】




【0105】
【表32】




【0106】
【表33】




【0107】
【表34】




【0108】
【表35】




【0109】
【表36】




【0110】
【表37】



【0111】
【表38】




【0112】
【表39】




【0113】
【表40】




【0114】
【表41】




【0115】
【表42】




【0116】
【表43】




【0117】
【表44】




【0118】
【表45】




【0119】
【表46】




【0120】
【表47】




【0121】
【表48】




【0122】
【表49】




【0123】
【表50】




【0124】
【表51】




【0125】
【表52】




【0126】
【表53】




【0127】
【表54】




【0128】
【化13】



【0129】
【表55】




【0130】
【表56】




【0131】
【化14】



【0132】
【表57】




【0133】
【表58】




【0134】
【表59】




【0135】
【表60】




【0136】
【表61】




【0137】
【表62】




【0138】
【化15】



【0139】
【表63】




【0140】
本発明の一般式(1)で表されるイミド化合物を有効成分として含有する殺虫剤は、水稲、果樹、野菜、その他作物及び花卉などの有用作物を加害する各種農林、園芸、貯穀害虫や衛生害虫あるいは線虫などの害虫防除に適している。
害虫としては例えば、ウリノメイガ(Diaphania indica)、チャハマキ(Homona magnanima)、ハイマダラノメイガ(Hellulla undalis)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes sp.)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、モモシンクイガ(Carposina niponensis)、リンゴコシンクイ(Grapholita inopinata)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、クワヒメハマキ(Olethreutes mori)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、カキノヘタムシガ(Stathmopoda masinissa)、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、リンゴハマキホソガ(Caloptilia zachrysa)、キンモンホソガ(Phyllonorycterringoniella)、ナシホソガ(Spulerrina astaurota)、アゲハチョウ(Papilio xuthus)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)、オオタバコガ(Heliothis armigera)、コドリンガ(Lapsey resia pomonella)、コナガ(Plutella xylostella)、リンゴヒメシンクイ(Argyresthia conjugella)、モモシンクイガ(Carposina niponensis)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、チャマダラメイガ(Ephestiaelutella)、クワノメイガ(Glyphodes pyloalis)、イッテンオオメイガ(Scirpophagaincertulas)、イチモンジセセリ(Parnara guttata)、アワヨトウ(Pseudaletiaseparata)、イネヨトウ(Sesamia inferens)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、ハスモンヨトウ(Spodopteralitura)、シロイチモンジヨトウ(Spodoptera exigua)、タマナヤガ(Agrotisipsilon)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、タマナギンウワバ(Autographanigrisigna)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)などの鱗翅目害虫、フタテンヨコバイ(Macrostelesfascifrons)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nilaparvatalugens)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、セジロウンカ(Sogatellafurcifera)、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)、ブドウコナジラミ(Aleurolobustaonabae)、シルバーリーフコナジラミ(Bermisia argentifolii)、タバココナジラミ(Bemisiatabaci)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphiserysimi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis Citricola)、モモアカアブラムシ(Myzuspersicae)、ツノロウムシ(Ceroplastes ceriferus)、クワコナカイガラムシ(PseudococcusComstocki)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kraunhiae)、ミカンワタカイガラムシ(Pulvinariaaurantii)、ミカンマルカイガラムシ(Pseudaonidia duplex)、ナシマルカイガラムシ(Comstockaspisperniciosa)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)、チャバネアオカメムシ(PlautiaStali)、クサギカメムシ(Halyomorpha mista)、などの半翅目害虫、ヒメコガネ(Anomalarufocuprea)、マメコガネ(Popillia japonica)、タバコシバンムシ(Lasiodermaserricorne)、ヒラタキクイムシ(Lyctusbrunneus)、ニジュウヤホシテントウ(Epilachnavigintioctopunctata)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、ヤサイゾウムシ(Listroderescostirostris)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、ワタミゾウムシ(Anthonomusgradis gradis)、イネミズソウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ウリハムシ(Aulacophorafemoralis)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、キスジノミハムシ(Phyllotretastriolata)、マツノキクイムシ(Tomicus piniperda)、コロラドポテトビートル(Leptinotarsadecemlineata)、メキシカンビートビートル(Epilachna varivestis)、コーンルートワーム類(Diabroticasp.)、キボシカミキリ(Psacothea hilaris)、ゴマダラカミキリ(Anoplophoramalasiaca)などの甲虫目害虫、ウリミバエ(Dacus(Bactrocera) dorsalis)、イネハモグリバエ(Agromyzaoryzae)、タマネギバエ(Delia antiqua)、タネバエ(Delia platura)、ダイズサヤタマバエ(Asphondyliasp.)、イエバエ(Musca domestica)、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)、マメハモグリバエ(Liriomyzatrifolii)、ナスハモグリバエ(Liriomyza bryoniae)、アカイエカ(Culex pipienspipiens)などの双翅目害虫、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)、ネグサレセンチュウ(Pratylenchussp.)、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、ネコブセンチュウ(Meloidogynesp.)、ミカンネセンチュウ(Tylemchulus semipenetrans)、ニセネグサレセンチュウ(Aphelenchusavenae)、ハガレセンチュウ(Aphelenchoides ritzemabosi)などのハリセンチュウ目害虫、ミナミキイロアザミウマ(Thripspalmi)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothripsdorsalis)、キイロハナアザミウマ(Thrips flavus)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)などのアザミウマ目害虫、チャバネゴキブリ(Blattellagermanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、コバネイナゴ(Oxyayezoensis)などの直翅目害虫などに対して、強い殺虫効果を有するものである。
【0141】
本発明の一般式(1)で表されるイミド化合物を有効成分とする殺虫剤は、水田作物、畑作物、果樹、野菜、その他の作物及び花卉などの有用作物に被害を与える前記害虫に対して顕著な防除効果を有するものであるので、害虫の発生が予測される時期に合わせて、害虫の発生前又は発生が確認された時点で、水田、畑、果樹、野菜、その他の作物、花卉などの水田水、茎葉又は土壌に処理することにより本発明の殺虫剤としての効果が得られるものである。
【0142】
本発明の殺虫剤は、農園芸薬剤における製剤上の常法に従い、使用上都合のよい形状に製剤して使用するのが一般的である。すなわち、一般式(1)で表されるイミド化合物はこれらを適当な不活性担体に、又は必要に応じて補助剤と一緒に適当な割合に配合して溶解、分離、懸濁、混合、含浸、吸着もしくは付着させ、適宜の剤形、例えば、懸濁剤、乳剤、液剤、水和剤、粒剤、粉剤、錠剤などに製剤して使用すればよい。
【0143】
本発明で使用できる不活性担体としては固体又は液体のいずれであっても良く、固体の不活性担体になりうる材料としては、例えば、ダイズ粉、穀物粉、木粉、樹皮粉、鋸粉、タバコ茎粉、クルミ殻粉、ふすま、繊維素粉末、植物エキス抽出後の残渣、粉砕合成樹脂などの合成重合体、粘土類(例えばカオリン、ベントナイト、酸性白土など)、タルク類(例えばタルク、ピロフィライドなど)、シリカ類(例えば珪藻土、珪砂、雲母、ホワイトカーボン〔含水微粉珪素、含水珪酸ともいわれる合成高分散珪酸で、製品により珪酸カルシウムを主成分として含むものもある。〕)、活性炭、イオウ粉末、軽石、焼成珪藻土、レンガ粉砕物、フライアッシュ、砂、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの無機鉱物性粉末、硫安、燐安、硝安、尿素、塩安などの化学肥料、堆肥などを挙げることができ、これらは単独でもしくは二種以上の混合物の形で使用される。
【0144】
液体の不活性担体になりうる材料としては、それ自体溶媒能を有するものの他、溶媒能を有さずとも補助剤の助けにより有効成分化合物を分散させうることとなるものから選択され、例えば代表例として次に上げる担体を例示できるが、これらは単独でもしくは2種以上の混合物の形で使用され、例えば水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールなど)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジオキサン、セロソルブ、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(例えばケロシン、鉱油など)、芳香族炭化水素類(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、アルキルナフタレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなど)、エステル類(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルなど)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、ニトリル類(例えばアセトニトリルなど)を挙げることができる。
【0145】
補助剤としては、次に例示する代表的な補助剤を挙げることができ、これらの補助剤は目的に応じて使用され、単独で、ある場合は2種以上の補助剤を併用し、またある場合には全く補助剤を使用しないことも可能である。
有効成分化合物の乳化、分散、可溶化及び/又は湿潤の目的のために界面活性剤が使用され、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、アルキルアリールスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステルなどの界面活性剤を示すことができる。
【0146】
また、有効成分化合物の分散安定化、粘着及び/又は結合の目的のために、次に例示する補助剤を使用することができ、例えば、カゼイン、ゼラチン、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、松根油、糠油、ベントナイト、キサンタンガム、リグニンスルホン酸塩などの補助剤を使用することができる。
固体製品の流動性改良のために次に挙げる補助剤を使用することもでき、例えばワックス、ステアリン酸塩、燐酸アルキルエステルなどの補助剤を使用することができる。懸濁性製品の解こう剤として、例えばナフタレンスルホン酸縮合物、縮合燐酸塩などの補助剤を使用することもできる。消泡剤としては、例えばシリコーン油などの補助剤を使用することもできる。
【0147】
なお、本発明の一般式(1)で表されるイミド化合物は光、熱、酸化などに安定であるが、必要に応じ酸化防止剤あるいは紫外線吸収剤、例えばBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)のようなフェノール誘導体、ビスフェノール誘導体、またフェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェネチジンとアセトンの縮合物などのアリールアミン類あるいはベンゾフェノン系化合物類を安定剤として適量加えることによって、より効果の安定した組成物を得ることができる。
【0148】
本発明の一般式(1)で表されるイミド化合物の有効成分量は、通常粉剤では0.5〜20重量%、乳剤では5〜50重量%、水和剤では10〜90重量%、粒剤では0.1〜20重量%及びフロアブル製剤では10〜90重量%である。一方それぞれの剤型における担体の量は、通常粉剤では60〜99重量%、乳剤では40〜95重量%、水和剤では10〜90重量%、粒剤では80〜99重量%、及びフロアブル製剤では10〜90重量%である。また、補助剤の量は、通常粉剤では0.1〜20重量%、乳剤では1〜20重量%、水和剤では0.1〜20重量%、粒剤では0.1〜20重量%及びフロアブル製剤では0.1〜20重量%である。
【0149】
各種害虫を防除するためにそのまま、又は水などで適宜希釈し、もしくは懸濁させた形で病害防除に有効な量を当該害虫の発生が予測される作物もしくは発生が好ましくない場所に適用して使用すればよい。その使用量は種々の因子、例えば目的、対象害虫、作物の生育状況、害虫の発生傾向、天候、環境条件、剤型、施用方法、施用場所、施用時期などにより変動するが、一般に有効成分0.0001ppm〜5000ppm、好ましくは0.01ppm〜1000ppmの濃度で使用するのが好ましい。また、10aあたりの施用量は、一般に有効成分で1g〜300gである。
【0150】
本発明の一般式(1)で表されるイミド化合物を有効成分として含有する殺虫剤は単独で水稲、果樹、野菜、その他作物及び花卉などを加害する各種農林、園芸、貯穀害虫や衛生害虫あるいは線虫などの害虫防除に使用してもよいが、更に、同時に発生する多種多様な病害虫の防除に対して、さらに優れた防除効果を得るために、一般式(1)で表されるイミド化合物以外の他の殺虫剤及び殺菌剤から選ばれる1種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0151】
本発明の一般式(1)で表されるイミド化合物と組み合わせることができる他の殺虫剤としては例えば、アレスリン、テトラメトリン、レスメトリン、フェノトリン、フラメトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、シハロトリン、シフルトリン、フェンプロパトリン、トラロメトリン、シクロプロトリン、フルシトリネート、フルバリネート、アクリナトリン、テフルトリン、ビフェントリン、エンペントリン、ベータサイフルスリン、ゼータサイパーメスリン、フェンバレレート等の合成ピレスロイド系殺虫剤及びこれらの各種異性体あるいは除虫菊エキス、DDVP、シアノホス、フェンチオン、フェニトロチオン、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、メチルパラチオン、テメホス、ホキシム、アセフェート、イソフェンホス、サリチオン、DEP、EPN、エチオン、メカルバム、ピリダフェンチオン、ダイアジノン、ピリミホスメチル、エトリムホス、イソキサチオン、キナルホス、クロルピリホスメチル、クロルピリホス、ホサロン、ホスメット、メチダチオン、オキシデブロホス、バミドチオン、マラチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、チオメトン、エチルチオメトン、ホレート、テルブホス、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、ピラクロホス、モノクロトホス、ナレド、ホスチアゼート、カズサホス等の有機リン系殺虫剤、NAC、MTMC、MIPC、BPMC、XMC、PHC、MPMC、エチオフェンカルブ、ベンダイオカルブ、ピリミカーブ、カルボスルファン、ベンフラカルブ、メソミル、オキサミル、アルジカルブ等のカーバメート系殺虫剤、エトフェンプロックス、ハルフェンプロックス等のアリールプロピルエーテル系殺虫剤、シラフルオフェン等のシリルエーテル系化合物、硫酸ニコチン、ポリナクチン複合体、アバメクチン、ミルベメクチン、BT剤等の殺虫性天然物、カルタップ、チオシクラム、ベンズルタップ、ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ヘキサフルムロン、フルアズロン、イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、ジノテフラン、ピメトロジン、フィプロニル、ブプロフェジン、フェノキシカルブ、ピリプロキシフェン、メトプレン、ハイドロプレン、キノプレン、エンドスルファン、ジアフェンチウロン、トリアズロン、テブフェノジド、ベンゾエピン等の殺虫剤、ジコホル、クロルベンジレート、フェニソブロモレート、テトラジホン、CPCBS、BPPS、キノメチオネート、アミトラズ、ベンゾメート、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、シヘキサチン、ジエノクロル、クロフェンテジン、ピリダベン、フェンピロキシメート、フェナザキン、テブフェンピラド等の殺ダニ剤、またノバルロン、ノビフルムロン、エマメクチンベンゾエート、クロチアニジン、チアクロプリド、チアメトキサム、フルピラゾフォス、アセキノシル、ビフェナゼート、クロマフェノジド、エトキサゾール、フルアクリピリム、フルフェンジン、ハロフェノジド、インドキサカルブ、メトキシフェノジド、スピロジクロフェン、トルフェンピラド、ガンマシハロスリン、エチプロール、アミドフルメト、ビストリフルロン、フロニカミド、フルブロシスリネート、フルフェネリム、ピリダリル、ピリミジフェン、スピノサド及びスピロメシフェンが挙げられる。
【0152】
本発明の一般式(1)で表されるイミド化合物と組み合わせることができる殺菌剤としては例えば、トリアジメホン、ヘキサコナゾール、プロピコナゾール、イプコナゾール、プロクロラズ、トリフルミゾール等のアゾール系殺菌剤、ピリフェノックス、フェナリモル等のピリミジン系殺菌剤、メパニピリム、シプロジニル等のアニリノピリミジン系殺菌剤、メタラキシル、オキサディキシル、ベナラキシル等のアシルアラニン系殺菌剤、チオファネートメチル、ベノミル等のベンズイミダゾール系殺菌剤、マンゼブ、プロピネブ、ジネブ、メチラム等のジチオカーバメート系殺菌剤、テトラクロロイソフタロニトリル等の有機塩素系殺菌剤、カルプロパミド、エタボキサム等のカルボキサミド系殺菌剤、ジメトモルフ等のモルホリン系殺菌剤、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、フルオキサストロビン、トリフロキシストロビン、ジモキシストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン等のストロビルリン系殺菌剤、イプロジオン、プロシミドン等のジカルボキシイミド系殺菌剤、フルスルファミド、ダゾメット、メチルイソチオシアネート、クロルピクリン等の土壌殺菌剤、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、ノニルフェノールスルホン酸銅、オキシン銅、DBEDC等の銅殺菌剤、無機硫黄、硫酸亜鉛等の無機殺菌剤、エジフェンホス、トルクロホスメチル、ホセチル等の有機リン系殺菌剤、フサライド、トリシクラゾール、ピロキロン、ジクロシメット等のメラニン生合成阻害剤系殺菌剤、カスガマイシン、バリダマイシン、ポリオキシン等の抗生物質殺菌剤、ナタネ油等の天然物殺菌剤、ベンチアバリカルブイソプロピル、イプロバリカルブ、シフルフェナミド、フェンヘキサミド、キノキシフェン、スピロキサミン、ジフルメトリム、メトラフェノン、ピコベンザミド、プロキナジド、シルチオファム、オキシスポコナゾール、ファモキサドン、シアゾファミド、フェナミドン、フラメトピル、ゾキサミド、ボスカリド、チアジニル、シメコナゾール、クロロタロニル、シモキサニル、キャプタン、ジチアノン、フルアジナム、フォルペット、ジクロフルアニド、(RS)−N−[2−(1,3−ジメチルブチル)チオフェン−3−イル]−1−メチル−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名申請中:ペンチオピラド)、オキシカルボキシン、メプロニル、フルトラニル、トリホリン、オキソリニック酸、プロベナゾール、アシベンゾラルSメチル、イソプロチオラン、フェリムゾン、ジクロメジン、ペンシクロン、フルオルイミド、キノメチオネート、イミノクタジン酢酸塩、イミノクタジンアルベシル酸塩等の殺菌剤が挙げられる。
【0153】
本発明の一般式(1)で表されるイミド化合物と他の殺虫剤及び殺菌剤から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせて使用する場合、一般式(1)で表されるイミド化合物と他の殺虫剤及び殺菌剤から選ばれる少なくとも1種との混合組成物として使用してもよく、又は、一般式(1)で表されるイミド化合物と他の殺虫剤及び殺菌剤から選ばれる少なくとも1種とを農薬処理時に混合して使用してもよい。
上記の殺虫剤、殺菌剤の他に、一般式(1)で表されるイミド化合物は除草剤、肥料、土壌改良材、植物成長調整剤などの植物保護剤や資材などと混合して、更に効力の優れた多目的組成物を作ることもでき、また相加効果又は相乗効果も期待できる組成物とすることもできる。
【実施例】
【0154】
次の実施例により本発明の代表的な実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。H−NMRの化学シフト値は、テトラメチルシランから低磁場にppmで示され、「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「t」は三重項を意味し、「m」は多重項を意味し、「brs」は幅の広い一重項を意味する。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
【0155】
[実施例1−1]
N-[2-フルオロ-3-[ベンゾイル(メチル)アミノ]ベンゾイル]-3-[ベンゾイル(メチル)アミノ]-N-「2-ブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピル-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フルオロベンズアミド(化合物番号1342)合成
2-ブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピル-6-(トリフルオロメチル)アニリン1.00g、トリエチルアミン0.89g、N、N−ジメチル−4−アミノピリジン0.03g及び2-フルオロ-3-(N-メチルベンズアミド)ベンゾイルクロライド1.57gを1,3−ジメチルイミダゾリジン-2-オン4.00gに加えて室温で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出して、飽和食塩水で洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムを濾別したのち溶液を濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、目的とするイミド化合物2.20g(収率97%)を白色固体として得た。
H-NMR(DMSO−d6、70℃)δppm:8.44(s,1H),7.99(s,1H),7.60−7.57(m,2H),7.51(brs,2H),7.30−7.18(m,12H),3.12(s,6H)
MS(M+H)=918,920
【0156】
[実施例1−2]
N-[2-フルオロ-3-[ベンゾイル(メチル)アミノ]ベンゾイル]-3-[ベンゾイル(メチル)アミノ]-N-「2-ブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピル-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フルオロベンズアミド(化合物番号1342)合成
2-ブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピル-6-(トリフルオロメチル)アニリン1.00g、トリエチルアミン0.89g、N、N-ジメチル-4-アミノピリジン0.03g、2-フルオロ-3-(N-メチルベンズアミド)ベンゾイルクロライド1.57g及びトルエン3.00gを加えて90℃で4時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出して、飽和食塩水で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムを濾過したのち溶液を濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、目的とするイミド化合物2.16g(収率95%)を白色固体として得た。
【0157】
[実施例2]
N-[2-フルオロ-3-[ベンゾイル(メチル)アミノ]ベンゾイル]-3-[ベンゾイル(メチル)アミノ]-N-「4-ヘプタフルオロイソプロピル-2−ヨード−6-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フルオロベンズアミド(化合物番号1343)の合成
4-ヘプタフルオロイソプロピル-2-ヨード-6-(トリフルオロメチル)アニリン3.79g、トリエチルアミン2.80g,N、N−ジメチル-4-アミノピリジン0.06g、2−フルオロ−3−(N−メチルベンズアミド)ベンゾイルクロライド5.3g、及びトルエン7.6gを用いて90℃で2時間攪拌した。反応液を室温に冷却後、水を加えて析出した結晶を濾過し、トルエン、水で洗浄することにより目的とするイミド化合物5.87g(収率73%)を淡黄色固体として得た。
H-NMR(DMSO−d6,70℃)δppm:8.53(s,1H),7.97(s,1H),7.54−7.51(m,4H),7.30−7.13(m,12H),3.14(s,6H)
MS(M+H)=966
【0158】
[実施例3]
N−[2-フルオロ-3-[4-フルオロベンゾイル(メチル)アミノ]ベンゾイル]-3-[4-フルオロベンゾイル(メチル)アミノ]-N-「2-ブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピル-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フルオロベンズアミド(化合物番号1344)の合成
上記と同様な方法にて標記の化合物を合成した。
H-NMR(DMSO−d6,70℃)δppm:8.44(s,1H),7.97(s,1H),7.64−7.62(m,2H),7.50(brs,2H),7.28−7.24(m,6H),7.00−6.96(m,4H),3.15(s,6H)
MS(M+H)=954、956
【0159】
[実施例4]
N−[2-フルオロ-3-[4-フルオロベンゾイル(メチル)アミノ]ベンゾイル]-3-[4-フルオロベンゾイル(メチル)アミノ]-N-[4-ヘプタフルオロイソプロピル-2-ヨード-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フルオロベンズアミド(化合物番号1345)の合成
上記と同様な方法にて標記の化合物を合成した。
H-NMR(DMSO−d6,70℃)δppm:8.53(s,1H),7.95(s,1H),7.59−7.57(m,2H),7.48(brs,2H), 7.28−7.22(m,6H),7.01−6.97(m,4H),3.16(s,6H)
MS(M+H)=1002
【0160】
[実施例5]
N−[2-フルオロ-3-[2,6-ジフルオロベンゾイル(メチル)アミノ]ベンゾイル]-3-[2,6-ジフルオロベンゾイル(メチル)アミノ]-N-「2-ブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピル-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フルオロベンズアミド(化合物番号1346)の合成
上記と同様な方法にて標記の化合物を合成した。
H-NMR(DMSO−d6,70℃)δppm:8.46(s,1H),8.01(s,1H),7.33−7.30(m,4H),7.25−7.11(m,5H),6.86(brs,3H),3.17(s,6H)
MS(M+H)=990、992
【0161】
[実施例6]
N−[2-フルオロ-3-[4-ニトロベンゾイル(メチル)アミノ]ベンゾイル]-3-[4-ニトロベンゾイル(メチル)アミノ]-N-「2-ブロモ-4-ヘプタフルオロイソプロピル-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フルオロベンズアミド(化合物番号1357)の合成
上記と同様な方法にて標記の化合物を合成した。
H-NMR(DMSO−d6,70℃)δppm:8.41(s,1H),8.03-8.01(m,4H),7.92(s,1H),7.72−7.70(m,6H),7.30−7.24(m,2H),3.20(s,6H)
MS(M+Na)=1030,1032
【0162】
[実施例7]
N−[2-フルオロ-3-[4-ニトロベンゾイル(メチル)アミノ]ベンゾイル]-3-[4-ニトロベンゾイル(メチル)アミノ]-N-「4-ヘプタフルオロイソプロピル-2-ヨード-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フルオロベンズアミド(化合物番号1358)の合成
上記と同様な方法にて標記の化合物を合成した。
H-NMR(DMSO−d6,70℃)δppm:8.49(s,1H),8.03-8.02(m,4H),7.92(s,1H),7.70−7.67(m,2H),7.49−7.48(m,4H),7.25−7.24(m,2H),3.21(s,6H)
MS(M+Na)=1078
【0163】
[実施例8]
N−[2-フルオロ-3-[ベンゾイル(メチル)アミノ]ベンゾイル]-3-[ベンゾイル(メチル)アミノ]-N-「2,4-ビス(ヘプタフルオロイソプロピル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フルオロベンズアミド(化合物番号1359)の合成
上記と同様な方法にて標記の化合物を合成した。
H-NMR(DMSO−d6,70℃)δppm:8.48(s,1H),8.07(s,1H),7.57−7.54(m,2H),7.34(brs,2H),7.28−7.18(m,14H),3.07(s,6H)
MS(M+H)=1008
【0164】
[実施例9]
N−[2-フルオロ-3-[ベンゾイル(メチル)アミノ]ベンゾイル]-3-[ベンゾイル(メチル)アミノ]-N-「4-ブロモ−2-ヘプタフルオロイソプロピル-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-フルオロベンズアミド(化合物番号1360)の合成
上記と同様な方法にて標記の化合物を合成した。
H-NMR(DMSO−d6,70℃)δppm:8.52(s,1H),8.09(s,1H),7.51−7.48(m,2H),7.28−7.26(m,2H),7.21−7.19(m,12H),3.08(s,6H)
MS(M+H)=918、920
【0165】
[実施例10]
N−[2-フルオロ-3-[ベンゾイル(メチル)アミノ]ベンゾイル]-3-[ベンゾイル(メチル)アミノ]-N-「2,6-ジブロモ−4-(ノナフルオロ-sec-ブチル)フェニル]-2-フルオロベンズアミド(化合物番号1361)の合成
上記と同様な方法にて標記の化合物を合成した。
H-NMR(DMSO−d6,70℃)δppm:7.95(s,2H),7.61−7.58(m,2H),7.50(brs,2H),7.29−7.26(m,2H),7.22−7.16(m,10H),3.21(s,6H)
MS(M+Na)+=1000,1002
【0166】
次に、本発明の一般式(1)で表された化合物を有効成分として含有する製剤例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、製剤例中、部とあるのは質量部を示す。
【0167】
[製剤例1]
一般式(1)で表される本発明化合物20部、ソルポール355S(東邦化学工業製、界面活性剤)10部、キシレン70部、以上を均一に攪拌混合して乳剤を得た。
【0168】
[製剤例2]
一般式(1)で表される本発明化合物10部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部、ホワイトカーボン5部、珪藻土82部、以上を均一に攪拌混合して水和剤を得た。
【0169】
[製剤例3]
一般式(1)で表される本発明化合物0.3部、ホワイトカーボン0.3部を均一に混合し、クレー99.2部、ドリレスA(三共株式会社製)0.2部を加えて、均一に粉砕混合し、粉剤を得た。
【0170】
[製剤例4]
一般式(1)で表される本発明化合物2部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト94部、以上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して粒剤を得た。
【0171】
[製剤例5]
一般式(1)で表される本発明化合物20部及びポリビニルアルコールの20%水溶液5部を十分攪拌混合した後、キサンタンガムの0.8%水溶液75部を加えて、再び攪拌混合してフロアブル剤を得た。
【0172】
さらに、本発明の一般式(1)で表されるイミド化合物が優れた殺虫活性を有することを明確にするために、以下に試験例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0173】
[試験例1] ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)に対する殺虫試験
試験化合物を所定濃度に希釈した薬液にキャベツ葉片を30秒間浸漬し風乾後、7cmのポリエチレンカップに入れハスモンヨトウ2齢幼虫を放虫した。25℃恒温室にて放置し、3日後に生死虫数を調査した。尚、試験は1区5匹2連制で行った。
その結果、100ppmにおいて、化合物番号1342、1343、1344、1345、1357、1358、1361が70%以上の死虫率を示した。
【0174】
[試験例2] コナガ(Plutella xylostella)に対する殺虫試験
試験化合物を所定濃度に希釈した薬液にキャベツ葉片を30秒間浸漬し風乾後、7cmのポリエチレンカップに入れコナガ2齢幼虫を放虫した。25℃恒温室にて放置し、3日後に生死虫数を調査した。尚、試験は1区5匹2連制で行った。
その結果、100ppmにおいて、化合物番号1342、1343、1344、1357、1358、1361が70%以上の死虫率を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】



(式中、A、A、A及びAはそれぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸化された窒素原子を示す。Rはそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいC2−C4アルキルカルボニル基を示す。G及びGはそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を示す。Xはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、Xが2以上ある場合、それぞれのXは同一でも異なっていてもよい。nは0から4の整数を示す。
はそれぞれ独立に、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、又は置換されていてもよい複素環基を示す。Qは1つ以上の置換基を有するフェニル基又は複素環基を示し、その置換基の少なくとも1つがC1−C4ハロアルコキシ基、C2−C6パーフルオロアルキル基、C1−C6パーフルオロアルキルチオ基、C1−C6パーフルオロアルキルスルフィニル基、又はC1−C6パーフルオロアルキルスルホニル基である。)で表されるイミド化合物。
【請求項2】
前記一般式(1)において、
はそれぞれ独立に、水素原子又はC1−C4アルキル基であり、
Xはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はトリフルオロメチル基であり、
はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4ハロアルケニル基、C2−C4アルキニル基、C2−C4ハロアルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6ハロシクロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、C2−C4アルキルカルボニル基、C2−C4アルキルカルボニルオキシ基、C2−C4アルコキシカルボニル基、アセチルアミノ基及びフェニル基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよいフェニル基、又は、
ピリジル基、ピリジン−N−オキシド基、ピリミジニル基、ピリダジル基、ピラジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、ピロール基、ピラゾリル基及びテトラゾリル基からなる複素環基群より選ばれ、
ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4ハロアルケニル基、C2−C4アルキニル基、C2−C4ハロアルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6ハロシクロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、C2−C4アルキルカルボニル基、C2−C4アルキルカルボニルオキシ基、C2−C4アルコキシカルボニル基、アセチルアミノ基及びフェニル基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよい複素環基であり、
が下記一般式(2)
【化2】



(式中、Y及びYはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、又はシアノ基を示し、YはC2−C6パーフルオロアルキル基、C1−C6パーフルオロアルキルチオ基、C1−C6パーフルオロアルキルスルフィニル基、又はC1−C6パーフルオロアルキルスルホニル基を示し、Y及びYはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はC1−C4アルキル基を示す。)で表される置換基を有するフェニル基、又は下記一般式(3)
【化3】



(式中、Y及びYはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、又はシアノ基を示し、YはC1−C4ハロアルコキシ基、C2−C6パーフルオロアルキル基、C1−C6パーフルオロアルキルチオ基、C1−C6パーフルオロアルキルスルフィニル基、又はC1−C6パーフルオロアルキルスルホニル基を示し、Yは水素原子、ハロゲン原子、又はC1−C4アルキル基を示す。)で表される置換基を有するピリジル基である、請求項1に記載のイミド化合物。
【請求項3】
下記一般式(1a)
【化4】



{式中、Qは下記一般式(2)
【化5】



(式中、Y及びYはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、又はシアノ基を示し、YはC2−C6パーフルオロアルキル基を示し、Y及びYはそれぞれ独立に、水素原子、又はC1−C4アルキル基を示す。)で表される置換基を有するフェニル基を示す。
及びXはそれぞれ独立に、水素原子又はフッ素原子を示し、Rは水素原子又はC1−C4アルキル基を示す。Qはハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、シアノ基及びニトロ基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよいフェニル基、又は、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、シアノ基及びニトロ基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよいピリジル基を示す。}で表される、請求項2に記載のイミド化合物。
【請求項4】
下記一般式(4)
【化6】



(式中、A、A、A及びAはそれぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、又は酸化された窒素原子を示す。Rは水素原子、C1−C4アルキル基、又はC1−C4アルキルカルボニル基を示す。G及びGはそれぞれ独立に、酸素原子、又は硫黄原子を示す。Xはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、Xが2以上ある場合、それぞれのXは同一でも異なっていてもよい。nは0から4の整数を示す。
は置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、又は置換されていてもよい複素環基を示す。Halは塩素原子又は臭素原子を示す。)で表される化合物と、下記一般式(5)
【化7】



(式中、Qは1つ以上の置換基を有するフェニル基又は複素環基を示し、その置換基の少なくとも1つがC1−C4ハロアルコキシ基、C2−C6パーフルオロアルキル基、C1−C6パーフルオロアルキルチオ基、C1−C6パーフルオロアルキルスルフィニル基、又はC1−C6パーフルオロアルキルスルホニル基である。)で表される化合物と、を反応させることを含む、請求項1に記載の前記一般式(1)で表されるイミド化合物の製造方法。
【請求項5】
前記一般式(4)におけるQは、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4ハロアルケニル基、C2−C4アルキニル基、C2−C4ハロアルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6ハロシクロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、C2−C4アルキルカルボニル基、C2−C4アルキルカルボニルオキシ基、C2−C4アルコキシカルボニル基、アセチルアミノ基及びフェニル基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよいフェニル基、又は、ピリジル基、ピリジン−N−オキシド基、ピリミジニル基、ピリダジル基、ピラジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、ピロール基、ピラゾリル基及びテトラゾリル基からなる複素環基群より選ばれ、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4ハロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4ハロアルケニル基、C2−C4アルキニル基、C2−C4ハロアルキニル基、C3−C6シクロアルキル基、C3−C6ハロシクロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、C1−C3アルキルスルフィニル基、C1−C3ハロアルキルスルフィニル基、C1−C3アルキルスルホニル基、C1−C3ハロアルキルスルホニル基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、C2−C4アルキルカルボニル基、C2−C4アルキルカルボニルオキシ基、C2−C4アルコキシカルボニル基、アセチルアミノ基及びフェニル基からなる置換基群より選択される1以上の同一でも異なっていてもよい置換基で置換されていてもよい複素環基を示す、請求項4に記載のイミド化合物の製造方法。
【請求項6】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のイミド化合物を有効成分として含有する殺虫剤。
【請求項7】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のイミド化合物を有効成分として含有する農園芸用殺虫剤。
【請求項8】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のイミド化合物の有効量を、有害生物から有用作物を保護するために、対象とする有用作物もしくは土壌に処理することを含む、イミド化合物の使用方法。
【請求項9】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のイミド化合物と、不活性担体及び補助剤の少なくとも1種と、を含む組成物。
【請求項10】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のイミド化合物と、該イミド化合物以外の殺虫剤及び殺菌剤から選ばれる少なくとも1種と、を含む混合剤。

【公開番号】特開2013−35831(P2013−35831A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−153915(P2012−153915)
【出願日】平成24年7月9日(2012.7.9)
【出願人】(303020956)三井化学アグロ株式会社 (70)
【Fターム(参考)】