説明

インクジェット記録シート

【課題】 高い白紙光沢度とインク吸収性を有するインクジェット記録シートを、低価格で提供する。
【解決手段】 基材の少なくとも片面に、微細顔料とバインダーを含有するインク受容層を設けてなるインクジェット記録シートにおいて、前記基材のインク受容層を設ける面から測定した接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が15g/m2以上であり、前記インク受容層の細孔分布曲線が、細孔直径0.1μm以下に少なくとも1つの極大ピークを有し、かつ、細孔直径0.1μm以下の細孔容積が、0.1〜0.5ml/gであることを特徴とするインクジェット記録シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録シートに関するものであり、特に、高い白紙光沢度とインク吸収性を有し、かつ低価格で供給し得るインクジェット記録シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を吐出させて記録用紙上に画像を形成させるものであり、高速、低騒音、多色化が容易、現像−定着が不要等の特長を有することから、各種カラー画像等の記録方式として種々の用途に急速に普及している。更に、近年商業印刷等の分野においては、デジタル情報を製版することなく紙などのメディアに直接印刷できるため少部数の印刷や可変情報印刷(バリアブル印刷)に最適であるオンデマンド印刷へのインクジェット記録方式の導入が進んできており、ラインヘッド搭載のインクジェット記録方式が、格段に印刷が早いために特に注目を集めている。
【0003】
このインクジェット記録方式では、通常の印刷や筆記に使われる上質紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面から努力が成されてきた。しかし、装置の高速化・高精細化あるいはフルカラー化などインクジェット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録用紙に対してもより高度な特性が要求されるようになった。即ち、当該記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等の高い画像再現性が要求されている。
【0004】
中でも、オンデマンド印刷は、パーソナル用ではなく商業印刷用であるため、用いる紙には上記の特性以外にオフセット印刷用の一般コート紙に近い白紙光沢と低価格が強く求められている。また、商業印刷では生産性が重要で、インクの乾燥を促進するための補助乾燥装置を備えた印刷機が通常用いられるが、熱による紙への負荷を抑えるために、加熱条件は制限され、かかる条件の中で高速印刷するためには、パーソナルの場合と同様にインク乾燥性の優れた記録用紙が求められる。
【0005】
このようなオンデマンド印刷用インクジェット記録用紙への要求を満足できるものは、従来のインクジェット記録用紙には無かった。例えば、比表面積が大きく細孔容積の大きい微細顔料をインク受容層の材料として使用した場合には、インク吸収性に優れていて良好な画質を有し、優れたインク乾燥性を有するインクジェット記録用紙が得られ、中でも超微細顔料を用いた場合、極めて良好な白紙光沢を有するものが得られるが、原料コストが高いために、低コスト品を得ることが難しく、オンデマンド印刷用としては問題がある(例えば、特許文献1、2、3、4参照)。
【0006】
一方、比表面積や細孔容積が比較的小さな微細顔料は、原料として低廉であるが、インク吸収性が劣るために良好な画質が得られず、インクが十分に乾燥しないという問題を有している。特に、キャレンダー処理を施して白紙光沢を上げた場合、キャレンダー処理の圧力でインク受容層の空隙が減少するので、インクの乾燥が更に悪いものになる。インク吸収性を低下させることなく白紙光沢を上げる他の方法としては、例えば、キャスト方式で製造する(例えば、特許文献4参照)、インク吸収層の上に光沢発現層を設ける(例えば、特許文献5、6参照)等を公知技術として挙げることが出来るが、何れもオンデマンド印刷用インクジェット記録用紙としては高価であり実用的でない。
【0007】
【特許文献1】特開昭59−185690号公報
【特許文献2】特開平9−183267号公報
【特許文献3】特開2003−182209号公報
【特許文献4】特開昭58−110287号公報
【特許文献5】特開平7−89220号公報
【特許文献6】特開平7−101142号公報
【特許文献7】特開平7−117335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、高い白紙光沢度とインク吸収性を有するインクジェット記録シートを、低価格で提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は鋭意検討した結果、比表面積が大きく細孔容積の大きい微細顔料と比べて低廉である、比表面積の比較的小さな微細顔料をインク受容層の顔料に使って、特定の細孔分布曲線を有するインク受容層を形成し、その比表面積の比較的小さな微細顔料を使うことによって生じるインク吸収性不足、またキャレンダー処理することによって更に増幅されるインク吸収性不足を、基材としてインク吸収性の良好なものを用いて補うことによって、高い白紙光沢と良好なインク吸収性を有する紙が低価格で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下の各発明を包含する。
【0010】
(1)基材の少なくとも片面に、微細顔料とバインダーを含有するインク受容層を設けてなるインクジェット記録シートにおいて、前記基材のインク受容層を設ける面から測定した接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が15〜200g/m以上であり、前記インク受容層の細孔分布曲線が、細孔直径0.1μm以下に少なくとも1つの極大ピークを有し、かつ、細孔直径0.1μm以下の細孔容積が、0.1〜0.5ml/gであることを特徴とするインクジェット記録シート。
【0011】
(2)前記基材が、下塗り層を設けたシート状基材であることを特徴とする(1)記載のインクジェット記録シート。
【0012】
(3)前記インクジェット記録シートが、インク受容層を設けた後にキャレンダー処理を施して得られたものである(1)又は(2)に記載のインクジェット記録シート。
【0013】
(4)細孔直径0.1μm以下の細孔容積のキャレンダー処理前後における差が、0.01〜0.4ml/gである(3)記載のインクジェット記録シート。
【0014】
(5)インク受容層面のJIS Z8741に規定される75度鏡面光沢度が、30%以上である(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット記録シート
【0015】
(6)前記微細顔料が湿式法シリカである(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェット記録シート。
【0016】
(7)前記インクジェット記録シートが、補助乾燥装置を備えた輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステム用の記録シートである(1)〜(6)のいずれかに記載のインクジェット記録シート。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るインクジェット記録シートは、高い白紙光沢度とインク吸収性を有するもので、かつ低価格で供給し得るものであり、実用上極めて有用なものである。特に、補助乾燥装置を備えた輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステム用の記録シートとして有用なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
微細顔料とバインダーを含有するインク受容層の場合、インク受容層中の径が0.1μm以下の細孔がインク吸収に対して特に有効に働くので、インク受容層の細孔分布曲線としては、細孔直径0.1μm以下に少なくとも1つ極大を有するものが好ましく、かつ、細孔直径0.1μm以下の範囲の細孔容積が0.1〜0.5ml/gの範囲のものが好ましい。中でも、細孔直径0.1μm以下の範囲の細孔容積が0.2〜0.4ml/gの範囲のものが好ましい。細孔直径0.1μm以下の細孔容積が0.1ml/g未満の場合は、インク受容層のインク吸収性が極めて劣ったものとなり、良好なインク吸収性を有する基材を用いても所期の性能が出ない。細孔直径0.1μm以下の細孔容積が0.5ml/gを超える場合は、原因はわからないが、インク受容層の表面が粗となり、白紙光沢の良好なものが得られない。
【0019】
本発明のインクジェット記録シートの製造では、必ずしもインク受容層の塗設後に、キャレンダー処理を施す必要はないが、良好な白紙光沢を得るためにはキャレンダー処理を施すことが好ましい。本発明においては、インク受容層表面の、JIS Z 8741に準じて測定した75度での光沢度が30%以上であることが好ましい。
キャレンダー処理を施す場合、インク吸収性の安定した記録シートを得るためには、細孔直径0.1μm以下の細孔容積のキャレンダー処理前後における差が、0.01〜0.4ml/gとなるように処理することが好ましい。細孔容積の差が0.01ml/g未満の場合は、著しい低圧でのキャレンダー処理で達成されるが、白紙光沢向上の効果が少なく、また品質の安定性に問題があり好ましくない。一方、細孔容積の差が0.4ml/gを超える場合は、著しい高圧でのキャレンダー処理で達成されるが、表面強度低下を生じ、また品質の安定性に問題があり好ましくない。
【0020】
本発明のインク受容層は、微細顔料とバインダーを含有する塗液をシート状基材に塗工して形成される。微細顔料としては、例えば、気相法シリカ、湿式法シリカ、コロイダルシリカ、メソポーラスシリカ、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカを炭酸カルシウムに担持させたシリカ複合炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般の塗工紙製造分野で公知の各種顔料が挙げられ、これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
【0021】
微細顔料のうち、湿式法シリカは、インク吸収性に優れ、かつ低価格であり、BET法で測定した比表面積が100m2/g以上の湿式法シリカはインク吸収性に優れていて好ましく、取り分け比表面積が100〜250m2/gの湿式法シリカは、低価格で、かつキャレンダー処理で白紙光沢が向上しやすいので好ましい。中でも、比表面積が100〜200m2/gの湿式法シリカが特に好ましい。平均粒子径としては、通常0.1〜30μmのものが用いられるが、中でも、0.3〜5.0μmのものは、キャレンダー処理によって白紙光沢、表面強度の面で特に優れたものが得られるので好ましい。湿式法シリカの粉砕処理には乾式法、湿式法があるが、処理効率の面から湿式が好ましい。
微細顔料は、通常インク受容層用塗液に固形分質量%で50〜95%となるように配合される。中でも、55%〜85%が好ましい。
【0022】
本発明に用いられるバインダーとしては、特に限定するものではないが、例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリビニルアセタール、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロイルモルホリン、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリアクリル酸、等の水溶性樹脂、スチレンブタジエンラテックス(SBR)、メチルメタクリレートブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタジエンラテックス等のジエン系共重合体ラテックス、スチレンアクリルエマルジョン、(メタ)アクリル酸エステルエマルジョン等の(メタ)アクリル酸エステルエマルジョン、酢ビ系エマルジョン、エチレン−酢ビ系エマルジョン、ポリウレタンやポリエステル、ポリアミド等のエマルジョン、等の水分散性樹脂が例示でき、これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択される。中でも、水分散性樹脂は、水溶性樹脂よりキャレンダー処理で白紙光沢が発現し易く好ましい。
バインダーは、通常、インク受容層用塗液に固形分質量%で5〜50%となるように配合される。中でも、10%〜40%が好ましい。
【0023】
インク受容層用塗液には、上記微細顔料とバインダーの他に、インク受容層とインクの結合力を高める作用をもつカチオン性またはアニオン性の物質が適宜配合される。カチオン性物質としては、例えば、ポリアルキレンポリアミン系樹脂、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物等のカチオン性ポリマーが挙げられる。
【0024】
具体的には、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン、ジシアンジアミドホルムアルデヒド、ジアクリルアミン、カチオン性ポリビニルピロリドン、ポリ−トリメチルアンモニウムメタクリレート、ビニルイミダゾリウムメタクロライド−ビニルピロリドン共重合体、ジアリルジメチル4級アンモニウム塩酸塩、ジシアンジアミド−ポリエチレンポリアミン、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド−メチルクロライド4級塩重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体、ポリオキシプロピル4級アンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩−アクリルアミド共重合体、ポリジメチルアミン−アンモニア−エピクロルヒドリン、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド重合物、ポリアルコキシジアルキル第4級アンモニウム塩、モノアリルアミン−ジアリルアミン塩酸塩共重合体、ポリアリルアミン塩酸塩、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド・SO2 共重合物、ジアリルアミン塩・SO2 共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体等が挙げられる。
【0025】
また、アニオン性物質としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸などの水不溶性無機塩、スチレン−無水マレイン酸共重合物のアンモニウム塩、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合物のアンモニウム塩、アニオン変性PVA、カルボキシメチルセルロース等のアニオン性ポリマ−が挙げられる。
【0026】
これらのカチオン性物質あるいはアニオン性物質は、通常、インク受容層用塗液に固形分質量%で0〜45%となるように配合される。中でも、3%〜40%が好ましい。
【0027】
インク受容層用塗液には、必要に応じて更に各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等が適宜配合される。
【0028】
シート状基材へのインク受容層用塗液の塗工量は、固形分で片面当り1g/m2〜15g/m2が好ましく、さらに好ましくは2g/m2〜10g/m2である。塗工量が1g/m2未満では、塗工物の基材への被覆が不十分となり、キャレンダー処理を施しても白紙光沢の劣ったものしか得られない。また塗工量が15g/m2より多い場合では、所望する性能は得られるが、材料費と乾燥エネルギーの増大による製造コスト高となるため、好ましくない。
【0029】
インク受容層用塗液の塗工は、一般の塗工装置、例えば、ブレードコータ、エヤーナイフコータ、スプレーコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ及びツーロール、並びにメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、リップコータ及びゲートロールコータ等を用いて、オンマシン或いはオフマシンの何れかで行われる。
【0030】
インク受容層用塗液の塗工は、必要に応じてシート状基材の片面或いは両面に行われる。また、同一面への多層塗工も可能である。両面塗工や多層塗工の場合、各々の塗液は同一組成である必要はない。
【0031】
塗工後に行われるキヤレンダー処理には、通常、スーパーキャレンダー、グロスキャレンダー、ソフトキャレンダー、シューニップキャレンダー等の平滑化処理装置が用いられ、オンマシンやオフマシンで適宜処理される。本発明において好ましいものである細孔直径0.1μm以下の細孔容積のキャレンダー処理前後における差が0.01〜0.4ml/gとなるような処理条件は、加圧装置の形態、加圧ニップの数、ロール温度等を適宜選択することによって達成される。
【0032】
本発明に用いられるシート状基材は、インク受容層を設ける面から測定した接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が15g〜200g/m2のものであるが、中でも、好ましいコッブサイズ度は20〜180g/m2である。コッブサイズ度が200g/m2を超える場合、インク受容層の塗設時に皺が発生し易くなり、印画時にコックリングし易くなる。特に、輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムは、補助乾燥装置を備えていてインク受容層表面での乾燥が進むために、シート状基材へのインクの染み込みが抑えられ、パーソナル用インクジェットプリンターを用いた場合よりコックリングが発生し難く、コッブサイズ度が高めの基材を用いてインク吸収性を高く設定しても、コックリングの心配が無い。
【0033】
本発明に用いられるシート状基材の材質は特に限定されるものではないが、例えば、紙、フィルム(合成紙)、フィルム(合成紙)と紙の接合物等を挙げることが出来る。また、紙、フィルム(合成紙)、フィルム(合成紙)と紙の接合物等に下塗り層を設けたシートも本発明のシート状基材として挙げることが出来る。該下塗り層は、吸水性改善、或いはインク受容層と基材の密着性改善、或いはインク受容層とインクの結合力改善等の目的で設けられる。下塗り層を設ける場合、下塗り層を設けたシートの下塗り層面から測定した接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が15〜200g/m2以上となるように、下塗り層用塗液の組成及び塗工量が決定される。
かかるシートの中でも、紙、或いは紙に下塗り層を設けたシートは、高吸水性で、かつ低価格であり、最も好ましいものとして挙げることが出来る。
【0034】
シート状基材としての紙を構成するパルプ等の繊維の製法及び種類等に特に限定はなく、例えば、KPのような化学パルプ、SGP、RGP、BCTMP、CTMP等の機械パルプ、脱墨パルプのような古紙パルプ、ケナフ、竹、藁、麻等のような非木材パルプ等が用いられる。また、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機合成繊維、ポリノジック繊維等の再生繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機質繊維も混用することができる。中でも、ECFパルプ、TCFパルプ等の塩素フリーパルプの使用が好ましい。
【0035】
また、紙料中には、上記パルプ繊維の他に必要に応じて、填料が配合されていてもよい。填料としては、一般に上質紙に用いられる各種の顔料を用いることができ、例えば、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト及びスメクタイト等の鉱物質顔料、並びにポリスチレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂及び塩化ビニリデン系樹脂の微小中空粒子、密実型粒子および貫通孔型粒子などの有機顔料が挙げられる。
【0036】
また、紙料中には、上記パルプ繊維や填料の他に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、従来から使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の各種抄紙用内添助剤を必要に応じて適宜選択して使用することができる。さらに染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤も必要に応じて適宜添加することができる。
【0037】
紙の抄紙方法については特に限定はなく、例えば、抄紙pHが4.5付近で行われる酸性抄紙法、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み抄紙pH約6の弱酸性から抄紙pH約9の弱アルカリ性で行われる中性抄紙法等の、全ての抄紙方法を適用することができ、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機を適宜使用することができる。
本発明に用いられる紙の質量(坪量)は、特に限定されるものではないが、通常30g/m2〜200g/m2の範囲のものが用いられる。
【0038】
基材シートとしてのフィルムとしては、例えば、アセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハンなどを挙げることが出来る。フィルムには、必要に応じて無機顔料、有機顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光染料、架橋剤、滑剤、離型剤などの添加剤を含有させたものが用いられる。フィルムの製造方法については、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることが出来る。本発明に用いられるフィルムには、一般に合成紙と呼ばれるものも含まれる。フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、通常50μm〜300μmの範囲のものが用いられる。
【0039】
フィルムと紙の接合物は、公知の方法で得ることが出来る。基材として用いられるフィルムと紙の接合物の厚さは、特に限定されるものではないが、通常50μm〜300μmの範囲のものが用いられる。
【0040】
紙、フィルム(合成紙)、フィルム(合成紙)と紙の接合物等に設けられる下塗り層は、吸水性調整、インク受容層と基材の密着性改善、或いはインク受容層とインクの結合力改善等の目的で設けられる。該下塗り層は、カチオン性ポリマー或いはアニオン性ポリマーを主成分とする塗液、或いは顔料とバインダーを主成分とする塗液を塗工することによって形成される。下塗り層に用いられるカチオン性ポリマー或いはアニオン性ポリマーとしては、インク受容層用塗液の材料として挙げた前記のカチオン性ポリマー或いはアニオン性ポリマーが挙げられる。かかるポリマーは単独、または澱粉或いはポリビニルアルコール等のノニオン性ポリマーとの併用の形で用いられる。下塗り層に用いられる顔料とバインダーとしては、インク受容層用塗液の材料として挙げた前記の顔料とバインダーが挙げられる。
【0041】
また、本発明のインクジェット記録シートのインク受容層片面塗工品は、必要に応じて、その裏面に帯電防止、カール防止、密着性改善、印刷適性付与、プリンターでの給排紙適性改善等のために公知の各種塗工層を設けることが出来る。また、裏面に種々の加工、例えば粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の後加工を施すことにより、用途適性を付加することも勿論可能である。
【実施例】
【0042】
本発明を下記実施例により具体的に説明するが、勿論、それらは本発明の範囲を限定するものでない。なお、例中の「部」および「%」は、特に断わらない限り、「質量部」及び「質量%」を表す。
【0043】
実施例1
〔インク受容層用塗液の調製〕
平均粒径11μmの湿式法シリカ(商品名:トクシールNP、株式会社トクヤマ製)を水に分散し、ビーズミルにて平均粒径2μmとなるまで湿式粉砕して得たシリカスラリー100部(固形分量)に、エチレン酢酸ビニル(商品名:EVA#88、電気化学工業社製)25部(固形分量)を加えて攪拌し、さらにカチオン性樹脂(商品名:ユニセンスCP−91、センカ株式会社)10部(固形分量)を加え、更に水を加えて固形分濃度15%のインク受容層用塗液を調製した。
【0044】
〔インク受容層の形成及びキャレンダー処理〕
接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が50g/m2である坪量104g/m2の上質紙の両面に、上記インク受容層用塗液を、エアーナイフを用いて片面当たり乾燥塗工量が7.0g/m2になるように塗工した。その後に、金属ロールと弾性ロールで構成されたキャレンダーに標準圧で通紙して表面処理し、坪量が118g/m2のインクジェット記録シートを得た。
【0045】
実施例2
キャレンダー処理を実施例1より高圧で行ったこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0046】
実施例3
キャレンダー処理を実施例1より低圧で行ったこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0047】
実施例4
紙として、接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が50g/m2である坪量104g/m2の上質紙の代りに、コッブサイズ度が180g/m2である坪量104g/m2の上質紙を用いた以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0048】
実施例5
紙として、接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が50g/m2である坪量104g/m2の上質紙の代りに、コッブサイズ度が180g/m2である坪量104g/m2の上質紙を用いた以外は、実施例2と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0049】
実施例6
紙として、接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が50g/m2である坪量104g/m2の上質紙の代りに、コッブサイズ度が180g/m2である坪量104g/m2の上質紙を用いた以外は、実施例3と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0050】
実施例7
紙として、接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が50g/m2である坪量104g/m2の上質紙の代りに、コッブサイズ度が17g/m2である坪量104g/m2の上質紙を用いた以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0051】
実施例8
紙として、接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が50g/m2である坪量104g/m2の上質紙の代りに、コッブサイズ度が17g/m2である坪量104g/m2の上質紙を用いた以外は、実施例2と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0052】
実施例9
紙として、接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が50g/m2である坪量104g/m2の上質紙の代りに、コッブサイズ度が17g/m2である坪量104g/m2の上質紙を用いた以外は、実施例3と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0053】
比較例1
紙として、接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が50g/m2である坪量104g/m2の上質紙の代りに、コッブサイズ度が10g/m2である坪量104g/m2の上質紙を用いた以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0054】
比較例2
紙として、接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が50g/m2である坪量104g/m2の上質紙の代りに、コッブサイズ度が10g/m2である坪量104g/m2の上質紙を用いた以外は、実施例2と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0055】
比較例3
紙として、接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が50g/m2である坪量104g/m2の上質紙の代りに、コッブサイズ度が10g/m2である坪量104g/m2の上質紙を用いた以外は、実施例3と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0056】
実施例10
片面あたりの乾燥塗布質量を7.0g/m2から1.5g/m2とした以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0057】
実施例11
平均粒径11μmの湿式法シリカ(商品名:トクシールNP、株式会社トクヤマ製)を水に分散し、ビーズミルにて平均粒径2μmとなるまで湿式粉砕して得たシリカスラリーの代りに、ファインシールX45(平均粒径3μmの湿式法シリカ、水澤化学工業社製)を水に分散して得たシリカスラリーを用いた以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0058】
実施例12
実施例1と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0059】
比較例4
キャレンダー処理を実施例2より更に高圧で行ったこと以外は、実施例2と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0060】
比較例5
平均粒径11μmの湿式法シリカ(商品名:トクシールNP、株式会社トクヤマ製)を水に分散し、ビーズミルにて平均粒径2μmとなるまで湿式粉砕して得たシリカスラリーの代りに、トクシールNPを水に分散して得た湿式粉砕未処理のシリカスラリーを用い、更にキャレンダーによる表面処理を行わなかった以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0061】
参考例1
平均粒径11μmの湿式法シリカ(商品名:トクシールNP、株式会社トクヤマ製)を水に分散し、ビーズミルにて平均粒径2μmとなるまで湿式粉砕して得たシリカスラリーの代りに、平均粒径10〜20nmのコロイダルシリカ(商品名:ルドックスSM、Grace社製)を水に分散して得たシリカスラリーを用い、更にキャレンダーによる表面処理を行わなかった以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録シートを得た。
【0062】
実施例1〜12、比較例1〜5、参考例1で得られたインクジェット記録シートを、以下に示す方法で評価し、表1にまとめた。
「平均粒径」
分散液を、コールターカウンター(COULTER ELECRONICS INS製TA−ll型)を用い、50μmのアパーチャーで測定した。
「BET比表面積」
2吸着によるBET式比表面積計にて測定した。
「コッブサイズ度」
JIS P8140に規定されるコッブサイズ度を接触時間60秒で測定した。
【0063】
「細孔分布」
マイクロメトリックス ポアサイザー9320〔(株)島津製作所製〕を用い、水銀圧入法により求めた空隙量分布曲線から細孔分布を計算して求め、ピーク位置を求めた。水銀圧入法による細孔径の測定は細孔の断面を円形として仮定して導かれた下記の式を用いて計算した。
D=−4γCOSθ/P
式中、D:細孔直径、γ:水銀の表面張力、θ:接触角、P:圧力を表す。また、水銀の表面張力は482.536dyn/cmとし、使用接触角は130°とした。
さらに得られた細孔分布曲線より、0.1μm以下の範囲での細孔容積を積算して求めた。
【0064】
「白紙光沢度」
JIS Z 8741に規定される75度鏡面光沢度を測定した。
「インク吸収性」
実施例1〜11、比較例1〜5、参考例1で得られたインクジェット記録シートにはパーソナル用のエプソン社製インクジェットプリンター(MJ−800C)を用い、また実施例12のシートには商業印刷用のインクジェット印刷機コダック ヴァーサマーク社製 産業用インクジェット印刷システム(Vx5000e)を用いて、単色および重色(2色、3色、4色)のベタ印字を行い、インク吸収性を目視評価した。尚、インクはその標準インクを使用した。
【0065】
5:4重色部においても、全くウェット感が見られない。
4:4重色部において、ややウェット感が見られるが、実用上問題ない。
3:4重色部において、ややウェット感が見られるが、実用上問題ない。
2:単色部、2重色部において、ウェット感がみられないが、3重色部や4重色部では、ウェット感が見られる。画像によっては実用可レベル。
1:単色部で、ウェット感が見られ、実用不可レベル。
【0066】
「コックリング」
実施例1〜11、比較例1〜5、参考例1で得られたインクジェット記録シートにはエプソン社製インクジェットプリンター(MJ−800C)を用い、また実施例12のシートには、補助乾燥装置としてドラムシリンダーと熱風乾燥装置を有するコダック ヴァーサマーク社製 産業用インクジェット印刷システム(Vx5000e)を用いて、単色および重色(2色、3色、4色)のベタ印字を行い、コックリングを目視評価した。尚、インクはその標準インクを使用した。
【0067】
5:全くコックリングしない。
4:4重色部がコックリング気味だが、実用上問題ない。
3:4重色部と3重色部でコックリングを生じるが、単色部と2重色部ではコックリングを生じない。画像によっては実用可レベル。
2:4重色部と3重色部と2重色部でコックリングを生じるが、単色部ではコックリングを生じない。画像によっては実用可レベル。
1:単色部でもコックリングを生じ、実用不可レベル。
【0068】
「製造コスト」
○:オンデマンド印刷用として可能レベルの低価格。
△:オンデマンド印刷用としてやや問題有りの価格
×:オンデマンド印刷用として不可レベルの高価格。
【0069】
「キャレンダー処理」
キャレンダー処理は、ロール温度40℃、速度10m/minの2段スーパーキャレンダー(チルド―コットン)で、塗工面を2回チルドロールに当てることによって行った。
表中のキャレンダー処理条件は以下のとうりである。
「標準」:線圧140kg/cm
「低圧」:線圧20kg/cm
「高圧」:線圧400kg/cm
【0070】
【表1】

【0071】
表1から明らかなように、本発明のインクジェット記録シートは、白紙光沢が高く、かつインク吸収性が良好で、しかも低廉である(実施例1〜12)。中でも、補助乾燥装置を備えた商業印刷用インクジェット印刷機で印刷したものは優れており、パーソナル用プリンターで印刷したものよりコックリングが発生し難い(実施例1と12の比較)。
一方、紙基材として、インク受容層を設ける面から測定した接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が15g/m未満のものを用いた場合、所望する
インク吸収性が得られない(比較例1〜3)。また、キャレンダー処理を極めて高圧で行った場合や平均粒径の大きい顔料を用い、キャレンダー処理を行わなかった場合のように、0〜0.1μmまでの細孔容積が0.1ml/g未満となった場合、所望するインク吸収性が得られない(比較例4、5)。また、微細顔料として、高価なコロイダルシリカを用いた場合、好ましい細孔容積が得られ、インク吸収性および白紙光沢は所望するものが得られるが、高価な材料を用いるため、目的とする低価格の記録シートは得られない(比較例6)。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明に係るインクジェット記録シートは高い白紙光沢度とインク吸収性を有し、さらに低廉であることから、実用的に優れ、特に補助乾燥装置を備えた輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステム用の記録シートとして優れているものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の少なくとも片面に、微細顔料とバインダーを含有するインク受容層を設けてなるインクジェット記録シートにおいて、前記基材のインク受容層を設ける面から測定した接触時間60秒のJIS P8140に規定されるコッブサイズ度が15g/m2〜200g/m2であり、前記インク受容層の細孔分布曲線が、細孔直径0.1μm以下に少なくとも1つの極大ピークを有し、かつ細孔直径0.1μm以下の細孔容積が、0.1〜0.5ml/gであることを特徴とするインクジェット記録シート。
【請求項2】
前記インクジェット記録シートが、インク受容層を設けた後にキャレンダー処理を施して得られたものである請求項1に記載のインクジェット記録シート。
【請求項3】
細孔直径0.1μm以下の細孔容積のキャレンダー処理前後における差が、0.01〜0.4ml/gである請求項2に記載のインクジェット記録シート。
【請求項4】
インク受容層面のJIS Z8741に規定される75度鏡面光沢度が、30%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録シート
【請求項5】
前記微細顔料が、湿式法シリカである請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録シート。
【請求項6】
前記インクジェット記録シートが、補助乾燥装置を備えた輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステム用の記録シートである請求項1〜5いずれかに記載のインクジェット記録シート。



【公開番号】特開2006−289856(P2006−289856A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−115822(P2005−115822)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】