説明

インクジェット記録装置

【課題】インクチューブの接続部であるセプタムユニットおよびインク容器のインク供給口において、弾性体に設けられたスリット部分に隙間が生じ、インク漏れが発生するといった不具合を防止する。
【解決手段】インクチューブ50とインクジェットヘッドあるいはインクタンクを接続するセプタムユニット51において、インク流路に接続されるパイプ45が挿入される弾性体512を、スリットを貫通したパイプ45が嵌合するとともにインク流路に接続する内孔を設け、その外周部分をインク流路を形成するコネクタ511の内径部分に当接するよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェット記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のインクジェット記録装置の一般的な構成は、インクを選択的に吐出するインクジェット記録ヘッドと、この記録ヘッドを搭載したキャリッジ、このキャリッジを主走査方向へ往復移動させる主走査駆動手段、記録紙を副走査方向へ搬送する副走査駆動手段よりなり、主走査および副走査、記録ヘッドのインク吐出を同期させて、記録紙上に所望の画像を形成するよう設けられている。
インク供給手段としては、インクカートリッジより、インクカートリッジと記録ヘッドとを連通させるジョイントを通じて記録ヘッドへ供給される方式、またはこれらインクカートリッジと記録ヘッドが一体に形成されるものが用いられ、記録ヘッドのノズルに供給されるようインクには負圧がかかっている必要があり、そのためこの種のインクカートリッジには、多孔質体を圧縮したものにインクを染み込ませることにより、多孔質体の毛細管力でインクに負圧を発生させる負圧機構を内蔵させて構成されている。また、記録によりインクがなくなると、インクカートリッジごと新しいカートリッジに交換できるよう、記録ヘッドまたはキャリッジに着脱可能に構成されている。
【特許文献1】特開2003−326732号公報
【0003】
このカートリッジをキャリッジ上に搭載する方式のインクジェット記録装置においては、カートリッジに収容されるインク量を多くすると、重量が重くなってキャリッジの高速移動の障害となる等の不具合が生じるので、カートリッジの容量をあまり大きくすることができず、例えばA0サイズといった大判の記録紙に記録を行うインクジェット記録装置には不向きとなる。このため、この種のラージフォーマット対応のインクジェット記録装置においては、記録装置本体に設けられたインクタンクよりキャリッジに搭載された記録ヘッドにチューブを介してインクを供給する方式が採用されている。
図8はこの種のラージフォーマット対応のインクジェット記録装置の要部構成を示す図であり、図において1は図示しない副走査駆動手段により副走査方向(X軸方向)に搬送される記録紙が載置されるプラテン、2はプラテン1に載置された記録紙の搬送方向と直交する主走査方向に延びるよう設けられるガイドレール、3はガイドレール2に摺動可能に設けられるキャリッジ、4はインク滴を記録紙に吐出するインクジェットヘッド、5はヘッド4にインクを供給するための柔軟性を有するチューブ、6はヘッド4に供給するインクを貯蔵保持するインクタンクである。
図に示すように、キャリッジ3はガイドレール2に沿って主走査(Y軸)方向に移動可能に構成されており、このキャリッジ3には4つの記録ヘッド401〜404が搭載されている。
記録ヘッド401〜404は、各々インクチューブ5を介してそれぞれ色の異なるインクが保持されているインクタンク6に接続されており、これら記録ヘッド4−チューブ5−インクタンク6のインク流経路は各々密閉構造となるよう設けられている。これにより、記録ヘッド4に設けられた吐出ノズルよりインクを吐出させると、吐出したインク量に応じて記録ヘッド4内が負圧となり、さらにこの負圧に応じてインクタンク6よりチューブ5を介してインクが記録ヘッド4に供給されるよう構成されている。
記録ヘッド4の移動経路直下のプラテン1上には、記録紙が副走査(X軸)方向に移動可能に装着されている。記録動作においては、記録紙をX軸方向に、記録ヘッド4をY軸方向にそれぞれ移動させるとともに、各記録ヘッド401〜404から選択的にインクを吐出させることにより所望の記録を行うよう設けられている。
【特許文献2】特開2002−240316号公報
【0004】
この種のインクジェット記録装置において、インクカートリッジからインクをインクジェット記録ヘッドの吐出ノズルまでインクチューブ内に導くための初期充填動作が必要となるが、従来のインクジェット記録装置においては、上述の特許文献1に記載されるように、記録ヘッドと対向し、必要なときにヘッド表面に密着する吸引キャップとこれに連通した吸引ポンプを設け、この吸引ポンプにより吐出ノズルを吸引して新しいカートリッジのインクをヘッドのノズル内に導く構成や、インクタンクを有する装置においては、記録ヘッドのサブタンクに空気を排出する、手動またはモータ等の駆動源を利用したポンプを設け、このポンプによりチューブを介してインクタンクよりインクをサブタンクへ充填する構成、或いは、インクタンク−チューブ−記録ヘッドのインク流経路上の何れかに設けたポンプより、インクタンクから記録ヘッドへインクを供給するといった方法が用いられる。これにより、この初期動作のための操作が必要となり、作業が煩雑なものとなっていた。また、装置全体として部品点数が多くなるので、製作コストの上昇を招くとともに、装置自体が大掛かりなものとなるといった不具合が生じていた。
この不具合を解決するために、本出願人はインクジェットヘッドを予めインクを所定量収容するよう設け、この予め収容されたインクにより記録を行うことができるとともに、記録に伴うインク吐出によりインクジェットヘッド内を負圧とすることにより、インクチューブを介してインクタンクよりインクをインクジェットヘッドに供給するよう構成したインクジェット記録装置を提案した。
図2はこのインクジェット記録装置の要部構成を示す外観図であり、プラテン1上に載置される記録紙が図示しない副走査駆動手段により副走査方向(図のX方向)に搬送可能に支持され、この記録紙の搬送方向と直交する主走査方向に延びるよう設けられたガイドレール20ならびにガイドシャフト21にキャリッジ3が摺動することにより、インクジェットヘッド4が主走査方向(図のY方向)に移動し、インクジェットヘッド4よりインク滴を吐出して記録紙上に所望の記録を行うよう構成されている。また、インクジェットヘッド4には、インクチューブ5を経由して記録装置本体に支持されているインクタンク6よりインクが供給されるよう構成されている。
【0005】
図3はこのインクジェット記録装置のキャリッジ、インクジェットヘッドおよびカバー部材の構成、ならびにインクジェットヘッド−インクチューブ−インクタンクより構成されるインク流経路を示す図であり、上述の通りキャリッジ3はガイドレール20およびガイドシャフト21に摺動可能に支持され、図示しない主走査駆動手段により主走査方向に移動可能に設けられる。キャリッジ3にはインクジェットヘッド4が搭載されるとともに、カバー部材7が開閉可能に設けられている。このカバー部材7は、インクジェットヘッド4を閉塞するカバー70と、このカバー70を支持するアーム71により構成されており、アーム71はカバー70を支持する側から、ガイドレール20を挟んだ他端側において、キャリッジ3に対して回動可能となるよう支持されている。またカバー70には、カバー部材7が閉じられた際にインクジェットヘッド4に当接し、圧縮バネの復元力によりこれをキャリッジ3の方向へ付勢するヘッド押圧部72と、同じくインクジェットヘッド4に当接するとともに弾性変形してこれをガイドレール20の方向へ付勢して保持するよう設けられるレバー73、キャリッジと係合してカバー部材7を固定するフック74が設けられている。更に、カバー70にはインクチューブ5の接続部であるセプタムユニット51が支持されている。
インクチューブ5の他端側には、記録装置本体に設置されるインクタンク6が接続されており、後述するとおり密閉されるよう構成されたインクジェットヘッド4、このインクジェットヘッド4に接続されるインクチューブ5、インクチューブ5が接続されるインクタンク6内のインクとによりインク流経路が形成される。インクタンク6には、図に示されるとおり設置面に対して垂直上方向にインクタンク内部と外気とを接続するための大気開放部が設けられており、これによりインクタンク6内に貯蔵されるインクには大気圧が作用するよう設けられている。
【0006】
インクジェットヘッド4は、図4に示されるとおり、記録紙に対向する面、即ち底面にインク吐出ノズルアレイを有したヘッド部41が設けられるとともに、インクが収容されるインク貯蔵部としてのカートリッジ42と、このカートリッジ42の上部開口部分を密閉する蓋43、蓋43に取り付けられる筒状部材44、およびこの筒状部材44に設けられるパイプ45、カートリッジ42内に収容されるインク保持体46により構成されている。
パイプ45は管状のチューブ部材であり、後述する通りインクチューブ5をインクジェットヘッド4に接続し、インクタンク6からインクをインクチューブ5を介してインクジェットヘッド4のカートリッジ42に供給する。
【0007】
インクチューブ5の接続部であるセプタムユニット51は、インクチューブ50が接続される中心部分が円筒状チューブよりなるコネクタ511と、このコネクタ511の端部に当接するとともに中心部分にスリットが形成されたゴム等よりなる弾性体512と、この弾性体512の中心部分のスリットを露出するとともに弾性体512を覆うようにしてコネクタ511にカシメ固定されたキャップ513により構成されており、インクチューブ50、コネクタ511の円筒状チューブならびに弾性体512のスリットによりインク流路が形成されている。
このセプタムユニット51は、インクジェットヘッド4に設けられる筒状部材44に嵌合して、インクチューブ5とインクジェットヘッド4とを連接する。
図5はインクチューブ5とインクジェットヘッド4の連接を説明する図であり、図5上図(a)に示されるように、セプタムユニット51がインクジェットヘッド4に接続されていないとき、弾性体512のスリットは閉じた状態であり、これによりインクチューブ5内(インク流路)は密閉されることとなる。
インクチューブ5をインクジェットヘッド4に接続する場合、セプタムユニット51の弾性体512のスリットにインクジェットヘッド4のパイプ45を当接させ、更にこれを押し込むと、パイプ45が弾性体512を弾性変形させてスリットを開放し、挿入される。セプタムユニット51が筒状部材43に完全に嵌合すると、図5下図(b)に示される通り、インクチューブ5のインク流路とインクジェットヘッド4のインク貯蔵部であるカートリッジ42が接続される。
【0008】
図6は本発明のインクジェット記録装置のインクタンク部6の構成を示す図であり、記録装置本体1に固定するよう設けられるベース60と、このベース60に対して着脱して連接させるインク容器61により構成されている。
インク容器61は、容器内にインクを貯蔵するよう設けられるとともに、容器内の上方に形成されるインクが充填されない空間と外気とを接続し、容器内を大気開放して貯蔵されるインクに大気圧を作用させる大気開放口66と、容器下方側より容器内のインクをインク流路へ供給するインク供給口64が、容器の同一側面に設置面に対して垂直方向に設けられるよう構成されている。これら大気開放口66ならびにインク供給口64は、それぞれインク容器61内に貫通して流路を形成するチューブがその中心部分に設けられるコネクタ661,641と、このコネクタの端部に当接するとともに、中心部分にスリットが形成されたゴム等よりなる弾性体662,642と、この弾性体の中心部分のスリットを露出するとともに、この弾性体を覆うようにしてコネクタにカシメ固定されたキャップ663,643により構成されている。このインク容器61がベース60より取り外されている状態においては、大気開放口66ならびにインク供給口64の弾性体662,642はスリットが閉じた状態であり、それぞれの流路が閉じられることによりインク容器61は密閉される。
また、インク容器61の大気開放口66およびインク供給口64が設けられる面には、ガイド62が近接するようにして設けられている。このガイド62は、インク容器61の断面形状に対して外形が大きくなるよう形成されており、後述する通り、ベース60に当接し、これに摺動して連接する際の案内部材として機能するよう設けられている。更に、インク容器61の大気開放口66およびインク供給口64が設けられる面には、突起67が設けられており、後述するベース60の突起68との組み合わせでインク容器61の誤挿入を防止するよう構成されている。
ベース60は、記録装置本体1に対して固定するよう設けられ、インク容器61の大気開放口66およびインク供給口64に対応して、これらに接続される第2のジョイントとしてのエアジョイント65、第1のジョイントとしてのジョイント63が垂直方向に設けられている。
また、図6右図に示されるように、ベース60の上面および底面内側602,601は、支持されるインク容器61のガイド62の形状と正面視略合致するように、それぞれ後述するガイド62が摺動するレール601,602を形成するよう設けられている。
第2のジョイントであるエアジョイント65は、インク容器61の大気開放口66(のキャップ663)が嵌合する筒状部材651と、この筒状部材651の中心部分に設けられる管状のチューブ部材であるパイプ652と、ベース60に取り付けられるとともに、パイプ652の流路と接続してこれを大気開放する流路ならびに垂直方向下向きの流路とに分岐するよう設けられるエアジョイント本体653とにより構成されている。また、第1のジョイントであるジョイント63は、インク容器61のインク供給口64が嵌合する筒状部材631と、この筒状部材631の中心部分に設けられる管状のチューブ部材であるパイプ632と、ベース60に取り付けられるとともに、パイプ631の流路とインクチューブ5とを接続するコネクタ633とにより構成されている。
【0009】
本発明のインクジェット記録装置において、インク容器を記録装置本体に挿入すると、大気開放口とインク供給口が各々のジョイント65,63に嵌合し、更に押し込まれると、各々のジョイントに設けられるパイプ652,632は、弾性体662,642を弾性変形させてスリットを開放し、これが完全に嵌合すると、大気開放口66よりパイプ652の先端がコネクタ661の中心部分に設けられるチューブに当接して接続され、これによりインク容器内が大気開放される。同じく、インク供給口64よりパイプ632の先端がコネクタ641の中心部分に設けられるチューブに当接して接続され、これによりインク容器内に貯蔵されているインクがインクチューブ5(インク流路)に接続される。(図7)
【0010】
記録動作においては、インクジェットヘッド4のヘッド部41よりインクが吐出されると、インク保持体46に保持されたインクがヘッド部41に引き出され、密閉状態にあるインクジェットヘッド4内は負圧となり、このインクジェット記録装置においては、インク流路が密閉状態であり且つ上述の通りインクタンク6のインクには大気圧が作用していることにより、インクタンク6よりインクが吸引され、吐出されるインクと同量のインクがインクチューブ50、セプタムユニット51を介してパイプ45よりカートリッジ42内に滴下し、インク保持体46に保持される、すなわちインクタンク6からインクジェットヘッド4へのインク供給が行われる。
【特許文献3】特開2007−001294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の従来のインクジェット記録装置においては、インクチューブ5の接続部であるセプタムユニット51およびインク容器61の大気開放口66ならびにインク供給口64において、弾性体512,662,642は、それぞれ円形平板状のゴム等にパイプ45,652,632が挿入されるスリットが設けられて構成されており、インクジェット記録装置が設置されている周囲環境の温度変化または経時変化、あるいはパイプ45,652,632を挿入する際の外的要因等により、弾性体512,662,642に許容量を超える負荷がかかる等、このスリット部分が破壊されることが極稀に生じることがあり、この結果スリット部分に隙間が生じ、インク漏れが発生するといった不具合が生じていた。
インクジェットヘッドも弾性体512 で接合されており、プリントヘッドを交換する度に512のスリット部で抜き挿しが繰り返し行われ、寿命によってスリット部が破壊されることや
許容量を超える負荷が原因で、スリット部に隙間が生じインクジェットヘッド内の負圧が保てず、インクタンクからのインクをインクジェットヘッドに供給できなくなることがあった。
本発明は、これら不具合を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置においては、インクチューブとインクジェットヘッドあるいはインクタンクを接続するセプタムユニットにおいて、インク流路に接続されるパイプが挿入される弾性体を、スリットを貫通したパイプが嵌合するとともにインク流路に接続する内孔を設けるとともに、その外周部分をインク流路を形成するコネクタの内径部分に当接するよう設けて構成した。
【発明の効果】
【0013】
本発明のインクジェット記録装置によれば、インクチューブとインクジェットヘッドあるいはインクタンクを接続するセプタムユニットにおいて、弾性体のスリット部分に隙間が生じてもインク漏れ、インクジェットヘッドにインクが供給できない不具合が発生することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明のインクジェット記録装置を説明する。
図1は本発明のインクジェット記録装置におけるインクチューブとインクジェットヘッドあるいはインクタンクを接続するセプタムユニットを示す説明図であり、本説明においてはインクチューブ5の一端側に設けられる接続部であるセプタムユニット51と、インクジェットヘッド4に設けられる筒状部材44ならびにパイプ45に適用した例を示しているが、これに限定されるものではなく、インクタンクであるインク容器61に設けられるインク供給口64ならびにベース60に設けられる第1のジョイント63に適用することも可能である。
本発明のインクジェット記録装置におけるインクチューブ5の接続部であるセプタムユニット51は、インクチューブ50が接続される中心部分が円筒状チューブよりなるコネクタ511と、このコネクタ511の端部に当接するとともに中心部分にスリットが形成されたゴム等よりなる弾性体512と、この弾性体512の中心部分のスリットを露出するとともに弾性体512を覆うようにしてコネクタ511にカシメ固定されたキャップ513により構成されており、インクチューブ50、コネクタ511の円筒状チューブならびに弾性体512のスリットによりインク流路が形成されている。
弾性体512は、その中心部分にスリットが形成された平板状の部位と、このスリットに貫通し、コネクタ511の中心部分に設けられる中空のインク流路を形成するコネクタの内径部分に繋がる内孔が設けられる円錐状の部位とで構成されており、図に示される通り円錐状の部位の外周部分がコネクタ511の内径部分に当接するように設けられ、この状態で弾性体512を覆うように且つその中心部分のスリットを露出するようにキャップ513がコネクタ511にカシメ固定されて設けられている。このセプタムユニット51がインクジェットヘッド4に設けられる筒状部材44に嵌合して、インクチューブ5とインクジェットヘッド4とを連接する場合、セプタムユニット51の弾性体512のスリットにインクジェットヘッド4のパイプ45を当接させ、これを押し込むとパイプ45が弾性体512の平板状部位を弾性変形させてスリットを開放し、挿入される。更にこれを押し込んでセプタムユニット51を筒状部材43に嵌合させると、図に示される通り、スリットを貫通したパイプ45が円錐状部位の内孔に嵌合する。このとき、弾性体512はパイプ45とコネクタ511の内径部分とで弾性変形し、コネクタ511とパイプ45とをインク流路を確保した状態でシーリングする。
本発明の弾性体512によれば、平板状部位のスリットと、コネクタ511とパイプ45の間を弾性変形して密閉する円錐状部位とで2重にシーリングすることが可能となり、これによりスリット部分に隙間が生じてもインク漏れが発生することを防ぐことが可能となる。また、インクジェットヘッドとの接合も同様で2重にシーリングすることが可能となり、これによりスリット部に隙間が生じてもインクジェットヘッド内の負圧が保つことができ、インクタンクからのインクをインクジェットヘッドに確実に供給できることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のインクジェット記録装置におけるセプタムユニットの構成を示す図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の要部構成を示す斜視図である。
【図3】本発明のインクジェット記録装置の構成を示す断面図である。
【図4】本発明のインクジェット記録装置のインクジェットヘッドならびにカバー部材の構成を示す図である。
【図5】本発明のインクジェット記録装置におけるインクチューブとインクジェットヘッドの連接を示す説明図である。
【図6】本発明のインクジェット記録装置におけるインクタンク部の構成を示す図である。
【図7】本発明のインクジェット記録装置におけるインクタンク部の構成を示す図である。
【図8】従来のインクジェット記録装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0016】
1 プラテン(記録装置本体)
2 ガイドレール
3 キャリッジ
4 インクジェットヘッド
5 インクチューブ
6 インクタンク
7 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録装置本体に支持され、インクを貯蔵するインクタンクと、
キャリッジに搭載されて主走査方向に移動されるインクジェットヘッドと、
上記インクタンクから上記インクジェットヘッドへインク流路を形成するインクチューブとを有し、
上記キャリッジに搭載されたインクジェットヘッドを主走査方向に移動させるとともにインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
上記インクジェットヘッドには、インクチューブに設けられた弾性体のスリットに挿入されてこれを弾性変形させてインク流路を開放するパイプが設けられ、
当該パイプが挿入されるインクチューブに設けられた弾性体には、スリットを貫通したパイプが嵌合するとともにインク流路に接続する内孔が設けられるとともに、その外周部分がインクチューブのインク流路を形成するコネクタの内径部分に当接するよう設けられることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
記録装置本体に支持され、インクを貯蔵するインクタンクと、
キャリッジに搭載されて主走査方向に移動されるインクジェットヘッドと、
上記インクタンクから上記インクジェットヘッドへインク流路を形成するインクチューブとを有し、
上記キャリッジに搭載されたインクジェットヘッドを主走査方向に移動させるとともにインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
上記インクチューブには、インクタンクに設けられた弾性体のスリットに挿入されてこれを弾性変形させてインク流路を開放するパイプが設けられ、
当該パイプが挿入されるインクタンクに設けられた弾性体には、スリットを貫通したパイプが嵌合するとともにインク流路に接続する内孔が設けられるとともに、その外周部分がインクタンクのインク流路を形成するコネクタの内径部分に当接するよう設けられることを特徴とするインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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