インクジェット記録装置
【課題】ヘッドの吐出面の損傷或いはインクの混色を引き起こすことなく、インク吐出口表面を払拭することができ、また、クリーニング機構のローラ部材を簡単に交換することができるインクジェット記録装置のクリーニング機構を提供する。
【解決手段】本発明のインクジェット記録装置においては、インク吸収部材よりなるローラ部材と、インクジェットヘッドに対向するようローラ部材の軸部を回転可能に支持する開口部を有するとともに、インクジェットヘッドの移動方向と直交する方向に移動可能に設けられ、ローラ部材をインクジェットヘッドに圧接、離反させるクリーニング機構を設けて構成した。
【解決手段】本発明のインクジェット記録装置においては、インク吸収部材よりなるローラ部材と、インクジェットヘッドに対向するようローラ部材の軸部を回転可能に支持する開口部を有するとともに、インクジェットヘッドの移動方向と直交する方向に移動可能に設けられ、ローラ部材をインクジェットヘッドに圧接、離反させるクリーニング機構を設けて構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はインクジェット記録装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
この種のインクジェット記録装置の一般的な構成は、インクを選択的に吐出するインクジェット記録ヘッドと、この記録ヘッドを搭載したキャリッジ、このキャリッジを主走査方向へ往復移動させる主走査駆動手段、記録紙を副走査方向へ搬送する副走査駆動手段よりなり、主走査および副走査、記録ヘッドのインク吐出を同期させて、記録紙上に所望の画像を形成するよう設けられている。
インク供給手段としては、インクカートリッジより、インクカートリッジと記録ヘッドとを連通させるジョイントを通じて記録ヘッドへ供給される方式、またはこれらインクカートリッジと記録ヘッドが一体に形成されるものが用いられ、記録ヘッドのノズルに供給されるようインクには負圧がかかっている必要があり、そのためこの種のインクカートリッジには、多孔質体を圧縮したものにインクを染み込ませることにより、多孔質体の毛細管力でインクに負圧を発生させる負圧機構を内蔵させて構成されている。また、記録によりインクがなくなると、インクカートリッジごと新しいカートリッジに交換できるよう、記録ヘッドまたはキャリッジに着脱可能に構成されている。
【特許文献１】特開２００３−３２６７３２号公報
【０００３】
このカートリッジをキャリッジ上に搭載する方式のインクジェット記録装置においては、カートリッジに収容されるインク量を多くすると、重量が重くなってキャリッジの高速移動の障害となる等の不具合が生じるので、カートリッジの容量をあまり大きくすることができず、例えばＡ０サイズといった大判の記録紙に記録を行うのインクジェット記録装置には不向きとなる。このため、この種のラージフォーマット対応のインクジェット記録装置においては、記録装置本体に設けられたインクタンクよりキャリッジに搭載された記録ヘッドにチューブを介してインクを供給する方式が採用されている。
図２はこの種のラージフォーマット対応のインクジェット記録装置の要部構成を示す図であり、図において１は図示しない副走査駆動手段により副走査方向（Ｘ軸方向）に搬送される記録紙が載置されるプラテン、２はプラテン１に載置された記録紙の搬送方向と直交する主走査方向に延びるよう設けられるガイドレール、３はガイドレール２に摺動可能に設けられるキャリッジ、４はインク滴を記録紙に吐出するインクジェットヘッド、５はヘッド４にインクを供給するための柔軟性を有するチューブ、６はヘッド４に供給するインクを貯蔵保持するインクタンクである。
図に示すように、キャリッジ３はガイドレール２に沿って主走査（Ｙ軸）方向に移動可能に構成されており、このキャリッジ３には４つの記録ヘッド４０１〜４０４が搭載されている。
記録ヘッド４０１〜４０４は、各々インクチューブ５を介してそれぞれ色の異なるインクが保持されているインクタンク６に接続されており、これら記録ヘッド４−チューブ５−インクタンク６のインク流経路は各々密閉構造となるよう設けられている。これにより、記録ヘッド４に設けられた吐出ノズルよりインクを吐出させると、吐出したインク量に応じて記録ヘッド４内が負圧となり、さらにこの負圧に応じてインクタンク６よりチューブ５を介してインクが記録ヘッド４に供給されるよう構成されている。
記録ヘッド４の移動経路直下のプラテン１上には、記録紙が副走査（Ｘ軸）方向に移動可能に装着されている。記録動作においては、記録紙をＸ軸方向に、記録ヘッド４をＹ軸方向にそれぞれ移動させるとともに、各記録ヘッド４０１〜４０４から選択的にインクを吐出させることにより所望の記録を行うよう設けられている。
【特許文献２】特開２００２−２４０３１６号公報
【０００４】
この種のインクジェット記録装置においては、記録動作を続けるとインク滴が吐出される際に発生する微小なインクミスト（霧状インク）がインクジェット記録ヘッドの吐出口表面に付着し、これが蓄積されると大きなインク滴に成長し、これが残留する他、周囲環境の塵埃或いは記録紙の紙粉が付着し、これら付着物により正常なインク吐出が阻害されたり、或いは記録紙表面を汚染する等といった不具合が生じることとなる。そこで、この種のインクジェット記録装置においては、ウレタンゴム等の弾性体によりなるワイピングブレードを有するクリーニング機構を設け、記録動作の前、または一定期間毎にこれをインクジェット記録ヘッドに圧接させ、記録ヘッドまたはワイピングブレードを移動することにより、インクジェット記録ヘッドの吐出口表面の付着物等を拭き取り除去するよう構成されていた。
【特許文献３】特開昭６２−１０３１４７号公報
【特許文献４】特開平０７−０４７６７９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
この種のインクジェット記録装置において、クリーニング機構におけるワイピングブレードは拭き取り効果が得られる程度の硬さを有し、尚且つヘッドの吐出口（ノズル）表面を損傷させない程度に柔らかいといった特性が要求され、その素材、寿命、コスト等を考慮すると、ワイピングブレードの設計、製作は非常に困難であり、また、上述の従来の装置においては、ゴム等の弾性体であるブレードをインクジェット記録ヘッドのインク吐出口表面に圧接させてこれを擦るので、ヘッドの吐出口を損傷させて各ノズルからのインク滴の吐出不良（不吐）や吐出方向の乱れが発生したり、また、複数色の吐出口を有するヘッドにあっては、ブレードが拭き取ったインク滴を別の色のインク吐出口に詰め込んでしまい、これによりインクの混色を引き起こして画像品質の低下を招くといった不具合を生じることとなっていた。
本発明はこれら不具合を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明のインクジェット記録装置においては、インク吸収部材よりなるローラ部材と、インクジェットヘッドに対向するようローラ部材の軸部を回転可能に支持する開口部を有するとともに、インクジェットヘッドの移動方向と直交する方向に移動可能に設けられ、ローラ部材をインクジェットヘッドに圧接、離反させるクリーニング機構を設けて構成した。
【発明の効果】
【０００７】
本発明のインクジェット記録装置によれば、ヘッドの吐出面を損傷或いはインクの混色を引き起こすことなく、インク吐出口表面を払拭することができ、また、クリーニング機構のローラ部材を簡単に交換することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
以下、図面に基づいて本発明のインクジェット記録装置を詳細に説明する。
図１は本発明のインクジェット記録装置のクリーニング機構およびキャッピング機構部分の構成を示す図であり、上述の従来の装置と同等の構成については同一の符号が付与されている。
図において７は日記録動作時に記録ヘッドの吐出ノズルからインクが蒸発することを防ぐためにキャリッジ３の移動可能範囲であり且つ記録領域ではないホームポジションに設けられるキャッピング機構、８はキャッピング機構７と共にホームポジションに設けられるクリーニング機構、９はこれらキャッピング機構７およびクリーニング機構８をホームポジションに位置づけられたインクジェットヘッド４（キャリッジ３）に対して圧接，離反させるための昇降駆動機構である。
【０００９】
キャッピング機構７は、記録装置本体に固定される基台７０と、この基台７０に設けられる支柱７２、この支柱７２に対して摺動可能に設けられるキャッピングベース７１と、支柱７２に嵌挿され、キャッピングベース７１を常時記録ヘッド４の方向へ押圧する圧縮バネよりなるスプリング７３、キャッピングベース７１に摺動可能に且つ圧縮バネよりなるスプリングにより常時記録ヘッド４の方向へ付勢されるキャップ７０１〜７０４により構成されている。
クリーニング機構８は、上記キャッピングベース７１に取り付けられるクリーナアングル８２と、このクリーナアングルの開口部８３に（ローラ軸８１が）回転可能に支持されるローラ部材８０により構成されている。ローラ部材８０は、スポンジ等といった吸水性を有する発泡体または多孔質体よりなるインク吸収部材により構成されている。
昇降駆動機構９は、基台７０に固定される駆動モータ９０と、この駆動モータ９０の回転駆動力を伝達するベルトならびにプーリよりなる駆動伝達機構９１、基台７０に対して回転可能に支持されるとともに、駆動伝達機構９１を介して駆動モータ９０により回転駆動されるシャフト９２と、このシャフト９２に設けられる偏心カム９３により構成されている。
【００１０】
本発明のインクジェット記録装置において、非記録動作時にはインクジェットヘッド４がホームポジション、すなわちキャッピング機構７の直上に位置づけられ、この状態で昇降駆動手段９により偏心カム９３を回転させてスプリング７３の付勢力によりキャッピングベース７１を上昇させて、各キャップ７０１〜７０４を各々対向，対応する記録ヘッド４０１〜４０４の吐出口を密閉する。記録動作時には、キャッピングベース７１を降下させて記録ヘッド４０１〜４０４を開放し、インクジェットヘッド４を主走査方向へ移動させて記録を行う。
【００１１】
記録動作の直前、直後、或いはオペレータからの指示に基づき、本発明のインクジェット記録装置においてもクリーニング機構によるインクジェットヘッド４のクリーニング動作が行われる。
このクリーニング動作は、インクジェットヘッド４が上述のホームポジションにある場合において、駆動モータ９０を駆動制御して記録ヘッド４０１〜４０４がキャップ７０１〜７０４から開放され且つ各記録ヘッド４０１〜４０４のインク吐出口がローラ部材８０の頭頂部と接する高さとなるように、キャッピングベース７１を位置づける。この状態で、インクジェットヘッド４を主走査方向に移動させ、各記録ヘッド４０１〜４０４にローラ部材８０を圧接させ、さらに主走査方向に移動させてローラ部材８０を従動させる。このとき、記録ヘッド４０１〜４０４のインク吐出口は、インク吸収部材であるローラ部材８０の表面に接触し、その表面上のインク或いは付着物等をこれに吸収，吸着させる。
クリーニング動作を繰り返し行うことにより、ローラ部材８０のインク吸収力は次第に低下するので、これを交換する必要が生じるが、本発明のインクジェット記録装置におけるクリーニング機構においては、ローラ部材８０の回転軸８１をその両側で回転可能に支持するクリーナアングル８２に、図に示されるとおりインクジェットヘッド４に対向する側に開口部８３を設けて構成したので、ローラ部材８０を容易に取り外すことが可能となり、その交換作業を簡単に行うことできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明のインクジェット記録装置の構成を示す図である。
【図２】従来のインクジェット記録装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【００１３】
１ プラテン（記録装置本体）
２ ガイドレール
３ キャリッジ
４ インクジェットヘッド
５ インクチューブ
６ インクタンク
７ キャッピング機構
８ クリーニング機構
９ 昇降駆動機構
【技術分野】
【０００１】
本発明はインクジェット記録装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
この種のインクジェット記録装置の一般的な構成は、インクを選択的に吐出するインクジェット記録ヘッドと、この記録ヘッドを搭載したキャリッジ、このキャリッジを主走査方向へ往復移動させる主走査駆動手段、記録紙を副走査方向へ搬送する副走査駆動手段よりなり、主走査および副走査、記録ヘッドのインク吐出を同期させて、記録紙上に所望の画像を形成するよう設けられている。
インク供給手段としては、インクカートリッジより、インクカートリッジと記録ヘッドとを連通させるジョイントを通じて記録ヘッドへ供給される方式、またはこれらインクカートリッジと記録ヘッドが一体に形成されるものが用いられ、記録ヘッドのノズルに供給されるようインクには負圧がかかっている必要があり、そのためこの種のインクカートリッジには、多孔質体を圧縮したものにインクを染み込ませることにより、多孔質体の毛細管力でインクに負圧を発生させる負圧機構を内蔵させて構成されている。また、記録によりインクがなくなると、インクカートリッジごと新しいカートリッジに交換できるよう、記録ヘッドまたはキャリッジに着脱可能に構成されている。
【特許文献１】特開２００３−３２６７３２号公報
【０００３】
このカートリッジをキャリッジ上に搭載する方式のインクジェット記録装置においては、カートリッジに収容されるインク量を多くすると、重量が重くなってキャリッジの高速移動の障害となる等の不具合が生じるので、カートリッジの容量をあまり大きくすることができず、例えばＡ０サイズといった大判の記録紙に記録を行うのインクジェット記録装置には不向きとなる。このため、この種のラージフォーマット対応のインクジェット記録装置においては、記録装置本体に設けられたインクタンクよりキャリッジに搭載された記録ヘッドにチューブを介してインクを供給する方式が採用されている。
図２はこの種のラージフォーマット対応のインクジェット記録装置の要部構成を示す図であり、図において１は図示しない副走査駆動手段により副走査方向（Ｘ軸方向）に搬送される記録紙が載置されるプラテン、２はプラテン１に載置された記録紙の搬送方向と直交する主走査方向に延びるよう設けられるガイドレール、３はガイドレール２に摺動可能に設けられるキャリッジ、４はインク滴を記録紙に吐出するインクジェットヘッド、５はヘッド４にインクを供給するための柔軟性を有するチューブ、６はヘッド４に供給するインクを貯蔵保持するインクタンクである。
図に示すように、キャリッジ３はガイドレール２に沿って主走査（Ｙ軸）方向に移動可能に構成されており、このキャリッジ３には４つの記録ヘッド４０１〜４０４が搭載されている。
記録ヘッド４０１〜４０４は、各々インクチューブ５を介してそれぞれ色の異なるインクが保持されているインクタンク６に接続されており、これら記録ヘッド４−チューブ５−インクタンク６のインク流経路は各々密閉構造となるよう設けられている。これにより、記録ヘッド４に設けられた吐出ノズルよりインクを吐出させると、吐出したインク量に応じて記録ヘッド４内が負圧となり、さらにこの負圧に応じてインクタンク６よりチューブ５を介してインクが記録ヘッド４に供給されるよう構成されている。
記録ヘッド４の移動経路直下のプラテン１上には、記録紙が副走査（Ｘ軸）方向に移動可能に装着されている。記録動作においては、記録紙をＸ軸方向に、記録ヘッド４をＹ軸方向にそれぞれ移動させるとともに、各記録ヘッド４０１〜４０４から選択的にインクを吐出させることにより所望の記録を行うよう設けられている。
【特許文献２】特開２００２−２４０３１６号公報
【０００４】
この種のインクジェット記録装置においては、記録動作を続けるとインク滴が吐出される際に発生する微小なインクミスト（霧状インク）がインクジェット記録ヘッドの吐出口表面に付着し、これが蓄積されると大きなインク滴に成長し、これが残留する他、周囲環境の塵埃或いは記録紙の紙粉が付着し、これら付着物により正常なインク吐出が阻害されたり、或いは記録紙表面を汚染する等といった不具合が生じることとなる。そこで、この種のインクジェット記録装置においては、ウレタンゴム等の弾性体によりなるワイピングブレードを有するクリーニング機構を設け、記録動作の前、または一定期間毎にこれをインクジェット記録ヘッドに圧接させ、記録ヘッドまたはワイピングブレードを移動することにより、インクジェット記録ヘッドの吐出口表面の付着物等を拭き取り除去するよう構成されていた。
【特許文献３】特開昭６２−１０３１４７号公報
【特許文献４】特開平０７−０４７６７９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
この種のインクジェット記録装置において、クリーニング機構におけるワイピングブレードは拭き取り効果が得られる程度の硬さを有し、尚且つヘッドの吐出口（ノズル）表面を損傷させない程度に柔らかいといった特性が要求され、その素材、寿命、コスト等を考慮すると、ワイピングブレードの設計、製作は非常に困難であり、また、上述の従来の装置においては、ゴム等の弾性体であるブレードをインクジェット記録ヘッドのインク吐出口表面に圧接させてこれを擦るので、ヘッドの吐出口を損傷させて各ノズルからのインク滴の吐出不良（不吐）や吐出方向の乱れが発生したり、また、複数色の吐出口を有するヘッドにあっては、ブレードが拭き取ったインク滴を別の色のインク吐出口に詰め込んでしまい、これによりインクの混色を引き起こして画像品質の低下を招くといった不具合を生じることとなっていた。
本発明はこれら不具合を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明のインクジェット記録装置においては、インク吸収部材よりなるローラ部材と、インクジェットヘッドに対向するようローラ部材の軸部を回転可能に支持する開口部を有するとともに、インクジェットヘッドの移動方向と直交する方向に移動可能に設けられ、ローラ部材をインクジェットヘッドに圧接、離反させるクリーニング機構を設けて構成した。
【発明の効果】
【０００７】
本発明のインクジェット記録装置によれば、ヘッドの吐出面を損傷或いはインクの混色を引き起こすことなく、インク吐出口表面を払拭することができ、また、クリーニング機構のローラ部材を簡単に交換することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
以下、図面に基づいて本発明のインクジェット記録装置を詳細に説明する。
図１は本発明のインクジェット記録装置のクリーニング機構およびキャッピング機構部分の構成を示す図であり、上述の従来の装置と同等の構成については同一の符号が付与されている。
図において７は日記録動作時に記録ヘッドの吐出ノズルからインクが蒸発することを防ぐためにキャリッジ３の移動可能範囲であり且つ記録領域ではないホームポジションに設けられるキャッピング機構、８はキャッピング機構７と共にホームポジションに設けられるクリーニング機構、９はこれらキャッピング機構７およびクリーニング機構８をホームポジションに位置づけられたインクジェットヘッド４（キャリッジ３）に対して圧接，離反させるための昇降駆動機構である。
【０００９】
キャッピング機構７は、記録装置本体に固定される基台７０と、この基台７０に設けられる支柱７２、この支柱７２に対して摺動可能に設けられるキャッピングベース７１と、支柱７２に嵌挿され、キャッピングベース７１を常時記録ヘッド４の方向へ押圧する圧縮バネよりなるスプリング７３、キャッピングベース７１に摺動可能に且つ圧縮バネよりなるスプリングにより常時記録ヘッド４の方向へ付勢されるキャップ７０１〜７０４により構成されている。
クリーニング機構８は、上記キャッピングベース７１に取り付けられるクリーナアングル８２と、このクリーナアングルの開口部８３に（ローラ軸８１が）回転可能に支持されるローラ部材８０により構成されている。ローラ部材８０は、スポンジ等といった吸水性を有する発泡体または多孔質体よりなるインク吸収部材により構成されている。
昇降駆動機構９は、基台７０に固定される駆動モータ９０と、この駆動モータ９０の回転駆動力を伝達するベルトならびにプーリよりなる駆動伝達機構９１、基台７０に対して回転可能に支持されるとともに、駆動伝達機構９１を介して駆動モータ９０により回転駆動されるシャフト９２と、このシャフト９２に設けられる偏心カム９３により構成されている。
【００１０】
本発明のインクジェット記録装置において、非記録動作時にはインクジェットヘッド４がホームポジション、すなわちキャッピング機構７の直上に位置づけられ、この状態で昇降駆動手段９により偏心カム９３を回転させてスプリング７３の付勢力によりキャッピングベース７１を上昇させて、各キャップ７０１〜７０４を各々対向，対応する記録ヘッド４０１〜４０４の吐出口を密閉する。記録動作時には、キャッピングベース７１を降下させて記録ヘッド４０１〜４０４を開放し、インクジェットヘッド４を主走査方向へ移動させて記録を行う。
【００１１】
記録動作の直前、直後、或いはオペレータからの指示に基づき、本発明のインクジェット記録装置においてもクリーニング機構によるインクジェットヘッド４のクリーニング動作が行われる。
このクリーニング動作は、インクジェットヘッド４が上述のホームポジションにある場合において、駆動モータ９０を駆動制御して記録ヘッド４０１〜４０４がキャップ７０１〜７０４から開放され且つ各記録ヘッド４０１〜４０４のインク吐出口がローラ部材８０の頭頂部と接する高さとなるように、キャッピングベース７１を位置づける。この状態で、インクジェットヘッド４を主走査方向に移動させ、各記録ヘッド４０１〜４０４にローラ部材８０を圧接させ、さらに主走査方向に移動させてローラ部材８０を従動させる。このとき、記録ヘッド４０１〜４０４のインク吐出口は、インク吸収部材であるローラ部材８０の表面に接触し、その表面上のインク或いは付着物等をこれに吸収，吸着させる。
クリーニング動作を繰り返し行うことにより、ローラ部材８０のインク吸収力は次第に低下するので、これを交換する必要が生じるが、本発明のインクジェット記録装置におけるクリーニング機構においては、ローラ部材８０の回転軸８１をその両側で回転可能に支持するクリーナアングル８２に、図に示されるとおりインクジェットヘッド４に対向する側に開口部８３を設けて構成したので、ローラ部材８０を容易に取り外すことが可能となり、その交換作業を簡単に行うことできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明のインクジェット記録装置の構成を示す図である。
【図２】従来のインクジェット記録装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【００１３】
１ プラテン（記録装置本体）
２ ガイドレール
３ キャリッジ
４ インクジェットヘッド
５ インクチューブ
６ インクタンク
７ キャッピング機構
８ クリーニング機構
９ 昇降駆動機構
【特許請求の範囲】
【請求項１】
キャリッジに搭載されたインクジェットヘッドを主走査方向に移動させるとともにインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
インク吸収部材よりなるローラ部材と、
上記インクジェットヘッドに対向するよう上記ローラ部材の軸部を回転可能に支持する開口部を有するとともに、上記インクジェットヘッドの移動方向と直交する方向に移動可能に設けられ、上記ローラ部材をインクジェットヘッドに圧接、離反させるクリーニング機構を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項２】
請求項１記載のインクジェット記録装置において、
上記ローラ部材は吸水性を有する発泡体よりなることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項１】
キャリッジに搭載されたインクジェットヘッドを主走査方向に移動させるとともにインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
インク吸収部材よりなるローラ部材と、
上記インクジェットヘッドに対向するよう上記ローラ部材の軸部を回転可能に支持する開口部を有するとともに、上記インクジェットヘッドの移動方向と直交する方向に移動可能に設けられ、上記ローラ部材をインクジェットヘッドに圧接、離反させるクリーニング機構を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項２】
請求項１記載のインクジェット記録装置において、
上記ローラ部材は吸水性を有する発泡体よりなることを特徴とするインクジェット記録装置。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００９−１２３９１（Ｐ２００９−１２３９１Ａ）
【公開日】平成２１年１月２２日（２００９．１．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１７８６７０（Ｐ２００７−１７８６７０）
【出願日】平成１９年７月６日（２００７．７．６）
【出願人】（０００１０５０６２）グラフテック株式会社 (31)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１月２２日（２００９．１．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年７月６日（２００７．７．６）
【出願人】（０００１０５０６２）グラフテック株式会社 (31)
【Ｆターム（参考）】
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