説明

インターホンシステム

【課題】通信経路を多重化し、系統分岐器間の接続断時又はその復旧時においてID番号を再付与して通信経路を変更することにより、継続した通信を可能とする。
【解決手段】系統毎に異なる系統幹線L1、L2、L3を経由して制御装置6に接続される複数の系統分岐器のうち最後段の当該系統分岐器と終端分岐器5を接続する。系統分岐器は、制御装置からの番号付与フレーム信号に付加されたID番号を自系統分岐器のID番号として登録し、登録完了フレーム信号を生成するID番号管理部40を備える。終端分岐器は、最後段の系統分岐器から伝送されてくる番号付与フレーム信号及び登録完了フレーム信号に付加された系統番号及びID番号を幹線分岐制御部53に登録し、この幹線分岐制御部により、フレーム信号を受信した当該系統データ通信部が接続される幹線に付与されたポート番号に隣接するポート番号の幹線におけるフレーム信号の送受信を管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホンシステムに係り、特に、制御装置により送受信制御される複数の端末を、複数の系統分岐器を経由して接続することができるインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種のインターホンシステムとして、同一の幹線(主幹線)に接続されている住戸端末同士の通信が可能な集合住宅用インターホンシステムが開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−28771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術に記載した集合住宅用インターホンシステムによれば、分岐器に故障等が発生して幹線(主幹線)を経由した接続が切断されると、接続断の分岐器より後段側に接続されている分岐器全てが使用できなくなり、継続した通信が不可能となる難点があった。
【0005】
本発明は、この難点を解消するためになされたもので、複数の系統毎の幹線に接続される系統分岐器のうち最後段の系統分岐器と終端分岐器とを接続して通信経路を多重化し、系統分岐器間の接続断時又はその復旧時においてID番号を再付与して通信経路を変更することにより、継続した通信が可能なインターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様であるインターホンシステムは、リング状にポート番号が付与された複数の異なる系統毎に設置される複数の系統分岐器と、系統毎に設置される複数の系統分岐器のうち最後段の当該系統分岐器に接続される終端分岐器と、系統分岐器に接続される複数の端末と、複数の系統のうち少なくとも2の系統にそれぞれ割当てられる当該系統分岐器に幹線を経由して接続され、複数の端末の送受信制御を行うための制御装置とを備えている。制御装置は、当該制御装置が管理を行うID番号を系統分岐器に付与するための番号付与フレーム信号を生成する系統/ID番号管理部と、系統毎に設けられ系統/ID番号管理部にて生成された番号付与フレーム信号を幹線に送出するための系統データ通信部とを備えている。系統分岐器は、制御装置から幹線を経由して伝送されてくる番号付与フレーム信号に付加されたID番号を自系統分岐器の当該ID番号として登録し、登録が完了したことの登録完了フレーム信号を生成するためのID番号管理部を備えている。終端分岐器は、複数の系統毎の幹線に接続された最後段の当該系統分岐器から伝送されてくる番号付与フレーム信号及び登録完了フレーム信号を受信するための終端分岐データ通信部と、終端分岐データ通信部にて受信した番号付与フレーム信号及び登録完了フレーム信号に付加された系統番号及びID番号を登録し、番号付与フレーム信号及び登録完了フレーム信号を受信した当該系統データ通信部が接続される幹線に付与されたポート番号に隣接する当該ポート番号の幹線におけるフレーム信号の送受信を管理するための幹線分岐制御部とを備えている。
【0007】
また、本発明の第2の態様であるインターホンシステムは、本発明の第1の態様において、終端分岐器の幹線分岐制御部は、系統データ通信部における最後段の当該系統分岐器から伝送されてくる番号付与フレーム信号の受信動作を検出すると、当該系統データ通信部にて受信した番号付与フレーム信号を構成する系統番号及びID番号のうち当該系統番号を登録するとともに、当該ID番号より「1」減算した番号を登録した後、受信動作が検出された系統データ通信部に接続される幹線に付与されたポート番号に隣接する当該系統番号及び当該ID番号の登録状態を確認し、登録状態でないとき、受信した番号付与フレーム信号を構成するID番号を付加した番号付与フレーム信号を生成し、番号付与フレーム信号を受信した当該系統データ通信部が接続される幹線に付与されたポート番号に隣接する当該ポート番号の幹線に接続された当該系統データ通信部から最後段の当該系統分岐器に送出するものである。
【0008】
また、本発明の第3の態様であるインターホンシステムは、本発明の第1の態様又は第2の態様において、終端分岐器の幹線分岐制御部は、系統データ通信部における最後段の当該系統分岐器から伝送されてくる登録完了フレーム信号の受信動作を検出すると、当該系統データ通信部にて受信した登録完了フレーム信号を構成する系統番号及びID番号を登録した後、受信動作が検出された系統データ通信部に接続される幹線に付与されたポート番号に隣接する当該系統番号及び当該ID番号の登録状態を確認し、登録状態でないとき、受信した番号付与フレーム信号を構成するID番号に所定値を追加した番号付与フレーム信号を生成し、登録完了フレーム信号を受信した当該系統データ通信部が接続される幹線に付与されたポート番号に隣接する当該ポート番号の幹線に接続された当該系統データ通信部から最後段の当該系統分岐器に送出するものである。
【0009】
また、本発明の第4の態様であるインターホンシステムは、本発明の第2の態様又は第3の態様において、系統分岐器は、制御装置から幹線を経由して伝送されてくる番号付与フレーム信号を受信するための前段側データ通信部と、終端分岐器から幹線を経由して伝送されてくる番号付与フレーム信号を受信するための後段側データ通信部とを備えている。ID番号管理部は、前段側データ通信部及び後段側データ通信部のうち何れか一方の当該データ通信部において受信された番号付与フレーム信号に付加されているID番号を自系統分岐器の当該ID番号として登録した後、登録が完了したことの登録完了フレーム信号を生成し、一方の当該データ通信部から幹線を経由して制御装置に送出するものである。
【0010】
また、本発明の第5の態様であるインターホンシステムは、本発明の第4の態様において、系統分岐器のID番号管理部は、前段側データ通信部及び後段側データ通信部のうち何れか一方の当該データ通信部において番号付与フレーム信号の受信動作を検出したとき、受信した番号付与フレーム信号を構成するID番号に所定値を追加させた当該番号付与フレーム信号を生成して他方の当該データ通信部から幹線に送出するものである。
【0011】
また、本発明の第6の態様であるインターホンシステムは、本発明の第4の態様又は第5の態様において、当該インターホンシステムの初期起動後において、番号付与フレーム信号の受信動作が行われた当該データ通信部と幹線を経由して制御装置との間で通信を行うものであって、制御装置から番号付与フレーム信号の受信動作が行われた当該データ通信部への出力信号が不達であるとき、ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号を生成して幹線に送出するものである。
【0012】
また、本発明の第7の態様であるインターホンシステムは、本発明の第6の態様において、番号付与フレーム信号の受信動作が行われた当該データ通信部は、制御装置からの出力信号が不達であるとき、ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号を定期的に生成して幹線に送出するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明のインターホンシステムによれば、リング状にポート番号が付与された複数の異なる系統毎に設置され、当該系統毎に異なる幹線を経由して制御装置に接続される複数の系統分岐器のうち、少なくとも2の系統における最後段の系統分岐器を終端分岐器に接続して通信経路を多重化し、系統分岐器の接続断時又はその接続断の復旧時においてID番号の再付与することで通信経路を変更することができる。これにより、ある系統分岐器と幹線との間が接続断となった場合であっても、他の系統分岐器を経由した継続通信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例によるインターホンシステムの全体構成を示すシステム説明図。
【図2】本発明の実施例によるインターホンシステムにおいて、(A)は制御装置の具体的な構成を示すブロック図、(B)は複数の系統分岐器の具体的な構成を示すブロック図、(C)は終端分岐器の具体的な構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例によるインターホンシステムにおける具体的な動作(第1の動作)を説明するための模式図(A)、(B)。
【図4】本発明の実施例によるインターホンシステムにおける具体的な動作(第2の動作)を説明するための模式図(A)、(B)。
【図5】本発明の実施例によるインターホンシステムにおける具体的な動作(第2の動作)を説明するための模式図(A)、(B)。
【図6】本発明の実施例によるインターホンシステムにおける具体的な動作(第3の動作)を説明するための模式図(A)、(B)、(C)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のインターホンシステムを適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施例によるインターホンシステムの全体構成を示すシステム説明図である。このインターホンシステムは、所定の建物内、例えば、マンション等の集合住宅の複数のフロア毎のフロア玄関、住戸内、住戸玄関等にそれぞれ設置される複数の端末を構成するカメラ端末1、1、・・・、モニタ端末2、2、・・・及び子機端末3、3、・・・と、複数の端末1、1、・・・、2、2、・・・、3、3、・・・のうち複数のフロア毎に設置可能な端末の台数に制限が設けられている場合において、当該端末を複数の異なる系統毎に割当てて分岐するための(複数の)系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4Lと、複数の異なる系統毎に設置される(複数の)系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4Lのうち後述する最後段の当該系統分岐器に接続される終端分岐器5と、複数の系統のうち少なくとも2以上の系統にそれぞれ割当てられる当該系統分岐器に系統毎の後述する幹線(系統幹線)を経由して接続され、複数の端末1、1、・・・、2、2、・・・、3、3、・・・の送受信制御、例えば、呼出時における制御信号の伝送、映像撮像時における映像信号の伝送、通話成立時における音声信号の送受信等を行うための制御装置6とが備えられている。
【0017】
なお、本発明の実施例において、複数の系統としては、系統番号が「1」、「2」、「3」で異なる第1乃至第3の系統が設定されているものとし、この系統毎の幹線(系統幹線)としては、第1乃至第3の系統幹線L1、L2、L3がそれぞれ割当てられているものとする。
【0018】
また、制御装置6に接続される(少なくとも2の系統にそれぞれ割当てられる)複数の系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4Lとしては、(幹線番号「1」の)第1の系統幹線L1を経由して当該制御装置寄りの最前段から終端分岐器5寄りの最後段まで順次接続される(4台の)系統分岐器4A、4B、4C、4Dと、(幹線番号「2」の)第2の系統幹線L2を経由して当該制御装置寄りの最前段から終端分岐器5寄りの最後段まで順次接続される(4台の)系統分岐器4E、4F、4G、4Hと、(幹線番号「3」の)第3の系統幹線L3を経由して当該制御装置寄りの最前段から終端分岐器5寄りの最後段まで順次接続される(4台の)系統分岐器4I、4J、4K、4Lとが備えられているものとする。
【0019】
なお、複数の系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4Lにそれぞれ接続される複数の端末1、1、・・・、2、2、・・・、3、3、・・・としては、カメラ端末1、1、・・・のみの接続、モニタ端末2、2、・・・のみの接続、モニタ端末2、2、・・・を経由して子機端末3、3、・・・への接続等、多種・多様な接続の態様を適用することができる。
【0020】
次に、制御装置6の具体的な構成について、図2(A)のブロック図を参照して説明する。同図に示す制御装置6には、自制御装置6が管理を行うID番号を複数の系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4Lにそれぞれ付与するための番号付与フレーム信号を生成する系統/ID番号管理部60と、複数の系統である第1乃至第3の系統毎に設けられ、系統/ID番号管理部60にて生成された番号付与フレーム信号を(系統毎の)第1乃至第3の系統幹線L1、L2、L3にそれぞれ送出するための複数のデータ通信部、ここでは、第1乃至第3の系統データ通信部61、62、63とが備えられている。また、系統/ID番号管理部60と第1乃至第3の系統データ通信部61、62、63の間はそれぞれ、相互に接続、例えば、バスライン接続されている。
【0021】
次に、複数の系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4Lの具体的な構成について、図2(B)のブロック図を参照して説明する。同図に示す系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4Lはそれぞれ同様な構成であり、制御装置6から第1乃至第3の系統幹線L1、L2、L3をそれぞれ経由して伝送されてくる番号付与フレーム信号に付加されたID番号を自系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4Lの当該ID番号として登録し、登録が完了したことの登録完了フレーム信号を生成するためのID番号管理部40と、前述の番号付与フレーム信号を受信するためのデータ通信部であって自系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4Lにおいて制御装置6寄りの前段側データ通信部41及びその反対側である終端分岐器5寄りの後段側データ通信部42と、複数の端末1、1、・・・、2、2、・・・、3、3、・・・が接続可能な複数の端末側データ通信部、ここでは、3つの端末側データ通信部43、44、45とが備えられている。また、前段側データ通信部41とID番号管理部40、端末側データ通信部43、44、45の間、後段側データ通信部42とID番号管理部40、端末側データ通信部43、44、45の間はそれぞれ、相互に接続、例えば、バスライン接続されている。
【0022】
なお、複数の系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4Lにおいて、当該端末側データ通信部の数は、図示のような3つ(43、44、45)に限定されるものではなく、任意の数を備えることができる。
【0023】
次に、終端分岐器5の具体的な構成について、図2(C)のブロック図を参照して説明する。同図に示す終端分岐器5は、第1乃至第3の系統幹線L1、L2、L3に接続された最後段の系統分岐器4D、4H、4Lから伝送されてくる番号付与フレーム信号及び登録完了フレーム信号を、所定のポート番号「1」、「2」、「3」を有するポートP1、P2、P3を経由して受信するための複数のデータ通信部、ここでは、第1乃至第3の終端分岐データ通信部50、51、52と、第1乃至第3の終端分岐データ通信部50、51、52にて受信した番号付与フレーム信号及び登録完了フレーム信号に付与された系統番号及びID番号を登録するための後述する記憶テーブル530を有し、番号付与フレーム信号及び登録完了フレーム信号を受信した当該終端分岐データ通信部が接続される系統幹線に付与されたポート番号「1」、「2」、「3」にリング状で隣接する当該ポート番号に付与された系統幹線におけるフレーム信号の送受信を管理するための幹線分岐制御部53とが備えられている。また、幹線分岐制御部53と第1乃至第3の終端分岐データ通信部50、51、52の間はそれぞれ、相互に接続、例えば、バスライン接続されている。
【0024】
このように構成された本発明の実施例によるインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。なお、具体的な動作を説明するにあたり送受信される各種信号の図示については、図3乃至図6の模式図についてのみ記載し、図1、図2(A)、(B)、(C)においては省略するものとする。
『第1の動作』
本発明の第1の動作として、図1に示すインターホンシステムを所定の建物内、例えば、マンション等の集合住宅に設置する(施工時のような)初回起動時、すなわち、図3(A)に示すように、終端分岐器5の幹線分岐管理部53における記憶テーブル530の登録内容として、前述のポート番号(/幹線番号)「1」、「2」、「3」にそれぞれ割当てられる系統番号、ID番号及び信号伝送方向を示すデータが登録状態ではない、すなわち、「未登録(未登録状態)」である場合において、図2(A)に示す制御装置6の系統/ID番号管理部60は、第1の系統幹線L1を経由して複数の系統分岐器4A、4B、4C、4Dが順次接続された第1の系統データ通信部61に自制御装置6が管理を行うためのID番号を付与する当該信号であって系統番号「1」が付加された番号付与フレーム信号(以下、第1の系統番号付与フレーム信号という。)S1を生成する。また、系統/ID番号管理部60は、第1の系統番号付与フレーム信号S1にかかる信号生成と同時のタイミングで、第2の系統幹線L2を経由して複数の系統分岐器4E、4F、4G、4Hが順次接続された第2の系統データ通信部62に自制御装置6が管理を行うためのID番号を付与する当該信号であって系統番号「2」が付加された番号付与フレーム信号(以下、第2の系統番号付与フレーム信号という。)S2と、第3の系統幹線L3を経由して複数の系統分岐器4I、4J、4K、4Lが順次接続された第3の系統データ通信部63に自制御装置6が管理を行うためのID番号を付与する当該信号であって系統番号「3」が付加された番号付与フレーム信号(以下、第3の系統番号付与フレーム信号という。)S3を、それぞれ生成する。
【0025】
ここで、制御装置6の系統/ID番号管理部60にて生成された第1の系統番号付与フレーム信号S1には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付加されており、この第1の系統番号付与フレーム信号S1は、第1の系統データ通信部61、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Aの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0026】
系統分岐器4AのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第1の系統番号付与フレーム信号S1を構成するID番号「1」を自系統分岐器4Aに割当てられる当該ID番号として登録した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S10aを生成する。この登録完了フレーム信号S10aは、ID番号管理部40から前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、制御装置6の第1の系統データ通信部61を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0027】
また、系統分岐器4AのID番号管理部40は、同様に受信された第1の系統番号付与フレーム信号S1を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「2」と前述の系統番号「1」を付加した第1の系統番号付与フレーム信号S1aを生成する。この第1の系統番号付与フレーム信号S1aは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第1の系統幹線L1を経由して(直後段の)系統分岐器4Bに伝送される。
【0028】
このように、第1の系統幹線L1を経由して制御装置6に順次接続された複数の系統分岐器4A、4B、4C、4DのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された当該第1の系統番号付与フレーム信号を構成するID番号に、所定値である例えば、「1」を順次加えた当該ID番号「2」、「3」、「4」、「5」と前述の系統番号「1」を付加した第1の系統番号付与フレーム信号S1b、S1b、S1c、S1dを生成し、後段側データ通信部42を経由して第1の系統幹線L1に送出することができる(図2(B)、図3(B)を参照。)。
【0029】
また、第1の系統幹線L1を経由して制御装置6に順次接続された複数の系統分岐器4A、4B、4C、4DのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された第1の系統番号付与フレーム信号S1、S1a、S1b、S1cを構成するID番号「1」、「2」、「3」、「4」をそれぞれ、自系統分岐器4A、4B、4C、4Dに割当てられる当該ID番号として登録した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S10a、S10b、S10c、S10dを生成し、前述の第1の系統番号付与フレーム信号S1、S1a、S1b、S1cの信号伝送路と逆の伝送路を経由して制御装置6の系統/ID番号管理部60に送出することができる(図2(B)、図3(B)を参照。)。
【0030】
次に、制御装置6の系統/ID番号管理部60にて生成された第2の系統番号付与フレーム信号S2には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付加されており、この第2の系統番号付与フレーム信号S2は、第2の系統データ通信部62、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Eの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0031】
系統分岐器4EのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第2の系統番号付与フレーム信号S2を構成するID番号「1」を自系統分岐器4Eに割当てられる当該ID番号として登録した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S20eを生成する。この登録完了フレーム信号S20eは、ID番号管理部40から前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、制御装置6の第2の系統データ通信部62を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0032】
また、系統分岐器4EのID番号管理部40は、同様に受信された第2の系統番号付与フレーム信号S2を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「2」と前述の系統番号「2」を付加した第2の系統番号付与フレーム信号S2eを生成する。この第2の系統番号付与フレーム信号S2eは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2を経由して(直後段の)系統分岐器4Fに伝送される。
【0033】
このように、第2の系統幹線L2を経由して制御装置6に順次接続された複数の系統分岐器4E、4F、4G、4HのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された当該第2の系統番号付与フレーム信号を構成するID番号に、所定値である例えば、「1」を順次加えた当該ID番号「2」、「3」、「4」、「5」と前述の系統番号「2」を付加した第2の系統番号付与フレーム信号S2e、S2f、S2g、S2hを生成し、後段側データ通信部42を経由して第2の系統幹線L2に送出することができる(図2(B)、図3(B)を参照。)。
【0034】
また、第2の系統幹線L2を経由して制御装置6に順次接続された複数の系統分岐器4E、4F、4G、4HのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された第2の系統番号付与フレーム信号S2、S2e、S2f、S2gを構成するID番号「1」、「2」、「3」、「4」をそれぞれ、自系統分岐器4E、4F、4G、4Hに割当てられる当該ID番号として登録した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S20e、S20f、S20g、S20hを生成し、前述の第2の系統番号付与フレーム信号S2、S2e、S2f、S2gの信号伝送路と逆の伝送路を経由して制御装置6の系統/ID番号管理部60に送出することができる(図2(B)、図3(B)を参照。)。
【0035】
次に、制御装置6の系統/ID番号管理部60にて生成された第3の系統番号付与フレーム信号S3には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付加されており、この第3の系統番号付与フレーム信号S3は、第3の系統データ通信部63、第3の系統幹線L3、系統分岐器4Iの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0036】
系統分岐器4IのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第3の系統番号付与フレーム信号S3を構成するID番号「1」を自系統分岐器4Iに割当てられる当該ID番号として登録した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S30iを生成する。この登録完了フレーム信号S30iは、ID番号管理部40から前段側データ通信部41、第3の系統幹線L3、制御装置6の第3の系統データ通信部63を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0037】
また、系統分岐器4IのID番号管理部40は、同様に受信された第3の系統番号付与フレーム信号S3を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「2」と前述の系統番号「3」を付加した第3の系統番号付与フレーム信号S3iを生成する。この第3の系統番号付与フレーム信号S3iは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第3の系統幹線L3を経由して(直後段の)系統分岐器4jに伝送される。
【0038】
このように、第3の系統幹線L3を経由して制御装置6に順次接続された複数の系統分岐器4I、4J、4K、4LのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された当該第3系統番号付与フレーム信号を構成するID番号に、所定値である例えば、「1」を順次加えた当該ID番号「2」、「3」、「4」、「5」と前述の系統番号「3」を付加した第3の系統番号付与フレーム信号S3i、S3j、S3k、S3lを生成し、後段側データ通信部42を経由して第3の系統幹線L3に送出することができる(図2(A)、図3(B)を参照。)。
【0039】
また、第3の系統幹線L3を経由して制御装置6に順次接続された複数の系統分岐器4I、4J、4K、4LのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された第3の系統番号付与フレーム信号S3、S3i、S3j、S3kを構成するID番号「1」、「2」、「3」、「4」をそれぞれ、自系統分岐器4I、4J、4K、4Lに割当てられる当該ID番号として登録した後、この登録が完了したことの登録完了フレーム信号S30i、S30j、S30k、S30lを生成し、前述の第3の系統番号付与フレーム信号S3、S3i、S3j、S3kの信号伝送路と逆の伝送路を経由して制御装置6の系統/ID番号管理部60に送出することができる(図2(A)、図3(B)を参照。)。
【0040】
次に、前述のような動作が行われたとき、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、ポート番号「1」のポートP1に接続される第1の終端分岐データ通信部50にて受信された、第1の系統幹線L1を経由して最後段の系統分岐器4Dからの出力信号である第1の系統番号付与フレーム信号S1dを構成する系統番号「1」及びID番号「5」をもとに、記憶テーブル530の登録内容を図3(B)に示すように、系統番号「1」をポート番号(/幹線番号)「1」に割当てて登録するとともに、ID番号「5」より「1」減算した当該ID番号「4」をポート番号(/幹線番号)「1」に割当てて登録し、さらには、自終端分岐器5が第1の系統幹線L1を経由して制御装置6に接続されており、制御装置6からの出力信号を受信する旨の信号伝送方向を示す「前段側(受信ポート)」のデータをポート番号(/幹線番号)「1」に割当てて登録することができる。
【0041】
この後、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、記憶テーブル530の登録内容を参照し、受信動作が検出された第1の終端分岐データ通信部50に接続される第1の系統幹線L1に付与されたポート番号「1」にリング状で隣接するポート番号「2」に割当てられて系統番号及びID番号が登録されているか否かを検出し、登録状態でない「未登録(未登録状態)」の場合には、受信した第1の系統番号付与フレーム信号S1dを構成するID番号「5」を付加した当該番号付与フレーム信号を生成し、ポート番号「1」にリング状で隣接するポート番号「2」が付与されたポートP2に接続されている第2の終端分岐データ通信部51から第2の系統幹線L2を経由して最後段の系統分岐器4Hに送出する。
【0042】
また、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、ポート番号「2」のポートP2に接続される第2の終端分岐データ通信部51にて受信された、第2の系統幹線L2を経由して最後段の系統分岐器4Hからの出力信号である第2の系統番号付与フレーム信号S2hを構成する系統番号「2」及びID番号「5」をもとに、記憶テーブル530の登録内容を図3(B)に示すように、系統番号「2」をポート番号(/幹線番号)「2」に割当てて登録するとともに、ID番号「5」より「1」減算した当該ID番号「4」をポート番号(/幹線番号)「2」に割当てて登録し、さらには、自終端分岐器5が第2の系統幹線L2を経由して制御装置6に接続されており、制御装置6からの出力信号を受信する旨の信号伝送方向を示す「前段側(受信ポート)」のデータをポート番号(/幹線番号)「2」に割当てて登録することができる。
【0043】
この後、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、記憶テーブル530の登録内容を参照し、受信動作が検出された第2の終端分岐データ通信部51に接続される第2の系統幹線L2に付与されたポート番号「2」にリング状で隣接するポート番号「3」に割当てられて系統番号及びID番号が登録されているか否かを検出し、登録状態でない「未登録(未登録状態)」の場合には、受信した第2の系統番号付与フレーム信号S2hを構成するID番号「5」を付加した当該番号付与フレーム信号を生成し、ポート番号「2」にリング状で隣接するポート番号「3」が付与されたポートP3に接続されている第3の終端分岐データ通信部52から第3の系統幹線L3を経由して最後段の系統分岐器4Lに送出する。
【0044】
また、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、ポート番号「3」のポートP3に接続される第3終端分岐データ通信部52にて受信された、第3の系統幹線L3を経由して最後段の系統分岐器4Lからの出力信号である第3の系統番号付与フレーム信号S3lを構成する系統番号「3」及びID番号「5」をもとに、記憶テーブル530の登録内容を図3(B)に示すように、系統番号「3」をポート番号(/幹線番号)「3」に割当てて登録するとともに、ID番号「5」より「1」減算した当該ID番号「4」をポート番号(/幹線番号)「3」に割当てて登録し、さらには、自終端分岐器5が第3の系統幹線L3を経由して制御装置6に接続されており、制御装置6からの出力信号を受信する旨の信号伝送方向を示す「前段側(受信ポート)」のデータをポート番号(/幹線番号)「3」に割当てて登録することができる。
【0045】
この後、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、記憶テーブル530の登録内容を参照し、受信動作が検出された第3の終端分岐データ通信部52に接続される第3の系統幹線L3に付与されたポート番号「3」にリング状で隣接するポート番号「1」に割当てられて系統番号及びID番号が登録されているか否かを検出し、登録状態でない「未登録(未登録状態)」の場合には、受信した第3の系統番号付与フレーム信号S3lを構成するID番号「5」を付加した当該番号付与フレーム信号を生成し、ポート番号「3」にリング状で隣接するポート番号「1」が付与されたポートP1に接続されている第1の終端分岐データ通信部50から第1の系統幹線L1を経由して最後段の系統分岐器4Dに送出する。
【0046】
ここでは、終端分岐器5の幹線分岐制御部53における記憶テーブル530の登録内容として、図3(B)に示すようにポート番号(/幹線番号)「1」、「2」、「3」に割当てられて系統番号「1」、「2」、「3」及びID番号「4」、「4」、「4」がそれぞれ登録されている「登録状態」であるため、前述のような、受信した第1乃至第3の系統番号付与フレーム信号S1d、S2h、S3lをそれぞれ構成するID番号「5」を付加した当該番号付与フレーム信号が生成されることなく、ゆえに、最後段の系統分岐器4D、4H、4Lに送出されることもない。
【0047】
前述までの説明から明らかなように、本発明の第1の動作によれば、制御装置6の系統/ID番号管理部60は、初回起動時において自制御装置6が管理を行うためのID番号を複数の系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4Lにそれぞれ付与するにあたり、ID番号の登録が完了したことの登録完了フレーム信号S10a、S10b、S10c、S10d、S20e、S20f、S20g、S20h、S30i、S30j、S30k、S30lを検出することにより、第1の系統幹線L1を経由して第1の系統データ通信部61に順次接続された複数の系統分岐器が系統分岐器4a、4b、4c、4dの「4台」、第2の系統幹線L2を経由して第2の系統データ通信部62に順次接続された複数の系統分岐器が系統分岐器4e、4f、4g、4hの「4台」、第3の系統幹線L3を経由して第3の系統データ通信部63に順次接続された複数の系統分岐器が系統分岐器4i、4j、4k、4lの「4台」、であることを確認することができる。
『第2の動作』
次に、本発明の第2の動作として、前述のような初回起動時において、図2(A)に示す制御装置6の第1乃至第3の系統データ通信部61、62、63にそれぞれ、第1の系統幹線L1を経由して複数の系統分岐器4、4B、4C、4D、第2の系統幹線L2を経由して複数の系統分岐器4E、4F、4G、4H、第3の系統幹線L3を経由して複数の系統分岐器4I、4J、4K、4Lが正常に接続された後の図3(B)、図4(A)に示す(終端分岐器5の幹線分岐制御部53における)記憶テーブル530の登録後の動作であり、例えば、図2(B)に示す系統分岐器4F、4Lの前段側データ通信部41に故障等が発生し、系統分岐器4E及び系統分岐器4Fの間を接続する第2の系統幹線L2と、系統分岐器4K及び系統分岐器4Lの間を接続する第3の系統幹線L3とがそれぞれ、図4(B)に示すように切断(接続断)されると、例えば、図1に示す系統分岐器4Fの端末側データ通信部43に接続されるカメラ端末1にて生成された映像信号は、前段側データ通信部41から第2の系統幹線L2を経由して(直前段の)系統分岐器4Eの後段側データ通信部42に伝送されず、ゆえに、この系統分岐器4Eから第2の系統幹線L2を経由して制御装置6に対して伝送することもできないため、制御装置6からの出力信号も不達とされ、所謂、不達状態となる。一方、例えば、系統分岐器4Lの端末側データ通信部43に接続されるカメラ端末1にて生成された映像信号についても、前段側データ通信部41から第3の系統幹線L3を経由して(直前段の)系統分岐器4Kの後段側データ通信部42に伝送されず、ゆえに、この系統分岐器4Kから第3の系統幹線L3及び前段側の系統分岐器4J、4Iを順次経由して制御装置6に伝送することもできないため、制御装置6からの出力信号も不達とされ、所謂、不達状態となる。
【0048】
そこで、(図2(B)に示す系統分岐器4Fの直前段である)系統分岐器4Eの後段側データ通信部42は、前述の接続断を検出し、ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号(以下、第2の系統再付与要求通知フレーム信号という。)S120eを生成する。この第2の系統再付与要求通知フレーム信号S120eは、後段側データ通信部42からID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、制御装置6の第2の系統データ通信部62を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0049】
また、(図2(B)に示す)系統分岐器4Fの前段側データ通信部41は、前述の接続断を、系統分岐器4Eの後段側データ通信部42と同時のタイミングで検出し、終端分岐器5の幹線分岐制御部53における記憶テーブル530の登録内容のうちポート番号(/幹線番号)「2」に割当てられている登録内容を(全て)削除して「未登録(未登録状態)」とするための登録情報削除要求フレーム信号(以下、第2の系統登録情報削除要求フレーム信号という。)S102fを生成する。この第2の系統登録情報削除要求フレーム信号S102fは、前段側データ通信部41からID番号管理部40、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Gの前段側データ通信部41、ID番号管理部40、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Hの前段側データ通信部41、ID番号管理部40、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、終端分岐器5の(ポートP2に接続された)第2の終端分岐データ通信部51を経由して幹線分岐制御部53に伝送される。
【0050】
一方、(図2(B)に示す系統分岐器4Lの直前段である)系統分岐器4Kの後段側データ通信部42は、前述の接続断を検出し、ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号(以下、第3の系統再付与要求通知フレーム信号という。)S130kを生成する。この第3の系統再付与要求通知フレーム信号S130kは、後段側データ通信部42からID番号管理部40、前段側データ通信部41、第3の系統幹線L3、系統分岐器4Jの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第3の系統幹線L3、系統分岐器4Iの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第3の系統幹線L3、制御装置6の第3の系統データ通信部63を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0051】
また、(図2(B)に示す)系統分岐器4Lの前段側データ通信部41は、前述の接続断を、系統分岐器4Kの後段側データ通信部42と同時のタイミングで検出し、終端分岐器5の幹線分岐制御部53における記憶テーブル530の登録内容のうちポート番号(/幹線番号)「3」に割当てられている登録内容を(全て)削除して「未登録(未登録状態)」とするための登録情報削除要求フレーム信号(以下、第3の系統登録情報削除要求フレーム信号という。)S103lを生成する。この第3の系統登録情報削除要求フレーム信号S103lは、前段側データ通信部41からID番号管理部40、後段側データ通信部42、第3の系統幹線L3、終端分岐器5の(ポートP3に接続された)第3の終端分岐データ通信部52を経由して幹線分岐制御部53に伝送される。
【0052】
この後、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、前述のように系統分岐器4F、4Lの後段側データ通信部42からそれぞれ伝送されてきた第2、第3の系統登録情報削除要求フレーム信号S102f、S103lを受信すると、記憶テーブル530の登録内容を図4(B)、図5(A)に示すように、ポート番号(/幹線番号)「2」、「3」にそれぞれ割当てられている登録内容を(全て)削除して「未登録(未登録状態)」とすることができる。
【0053】
一方、制御装置6の系統/ID番号管理部60は、前述のように系統分岐器4E、4Kの前段側データ通信部41からそれぞれ伝送されてきた第2、第3の系統再付与要求通知フレーム信号S120e、S130kを受信すると、第1乃至第3の系統幹線L1、L2、L3にそれぞれ接続される第1乃至第3の系統データ通信部61、62、63に対して同時のタイミングで、自制御装置6が管理を行うためのID番号を再付与する当該信号であって系統番号「1」、「2」、「3」がそれぞれ付加された番号再付与フレーム信号(以下、第1乃至第3の系統番号再付与フレーム信号という。)S201、S202、S203を生成する(図5(A)を参照。)。
【0054】
ここで、制御装置6の系統/ID番号管理部60にて生成された第1の系統番号再付与フレーム信号S201には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付加されており、この第1の系統番号再付与フレーム信号S201は、第1の系統データ通信部61、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Aの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0055】
系統分岐器4AのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S201を構成するID番号「1」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「1」、「1」で一致するため、これを検出したID番号管理部40は、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置6の系統/ID番号管理部60に対して当該登録完了フレーム信号の送出を行うこともない。
【0056】
また、系統分岐器4AのID番号管理部40は、同様に受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S201を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「2」と前述の系統番号「1」を付加した第1の系統番号再付与フレーム信号S201aを生成する。この第1の系統番号再付与フレーム信号S201aは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第1の系統幹線L1を経由して(直前段の)系統分岐器4Bに伝送される。
【0057】
このように、第1の系統幹線L1を経由して制御装置6に順次接続された複数の系統分岐器4A、4B、4C、4DのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された当該第1の系統番号再付与フレーム信号を構成するID番号と前述の初回起動時において登録されていたID番号とが「1」、「2」、「3」、「4」で一致するため、所定値である例えば、「1」を順次加えた当該ID番号「2」、「3」、「4」、「5」と前述の系統番号「1」を付加した第1の系統番号再付与フレーム信号S201a、S201b、S201c、S201dを生成し、後段側データ通信部42を経由して第1の系統幹線L1に送出することができる(図2(B)、図5(A)を参照。)。
【0058】
この後、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、第1の系統幹線L1を経由して最後段の系統分岐器4Dより伝送されてきた第1の系統番号再付与フレーム信号S201dを、(ポートP1に接続された)第1の終端分岐データ通信部50を経由して検出すると、最初に、記憶テーブル530においてポート番号(/幹線番号)「1」に割当てられている登録内容を確認する。ここでは、ポート番号(/幹線番号)「1」に割当てられている登録内容が図5(A)に示すように、系統番号「1」、ID番号「4」及び信号伝送方向を示す「前段側(受信ポート)」のデータで既に登録済みであるため、第1の系統番号再付与フレーム信号S201dを構成する系統番号及びID番号に基づく新たな登録動作を行うことはない。
【0059】
また、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、前述の第1の系統番号再付与フレーム信号S201dが受信された第1の終端分岐データ通信部50に接続される第1の系統幹線L1に割当てられているポートP1のポート番号(/幹線番号)「1」にリング状で隣接するポート番号である、ポート番号(/幹線番号)「2」に割当てられている登録内容を、記憶テーブル530を参照して確認する。ここでは、図4(B)、図5(A)に示すように「未登録(未登録状態)」であるため、第1の終端分岐データ通信部50を経由して受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S201dを構成する系統番号「1」及びID番号「5」と前述の系統番号「1」を付加した第1の系統番号再付与フレーム信号S210を生成する。この第1の系統番号再付与フレーム信号S210は、幹線分岐制御部53から第2の終端分岐データ通信部51、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Hの後段側データ通信部42を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0060】
系統分岐器4HのID番号管理部40は、後段側データ通信部42にて受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S210を構成するID番号「5」と前述の初回起動時において予め登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「5」、「4」で不一致であるため、これを検出したID番号管理部40は、第1の系統番号再付与フレーム信号S210を構成するID番号「5」を、自系統分岐器4Hに割当てられる当該ID番号として図5(B)に示すように新たに登録(上書き登録)した後、登録されたID番号「5」及び系統番号「1」が付加された登録完了フレーム信号S202hを生成する。この登録完了フレーム信号S202hは、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、終端分岐器5の(ポートP2に接続された)第2の終端分岐データ通信部51、幹線分岐制御部53、(ポートP1に接続された)第1の終端分岐データ通信部50、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Dの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Cの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Bの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Aの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、制御装置6の第1の系統データ通信部61を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0061】
また、系統分岐器4HのID番号管理部40は、同様に受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S210を構成するID番号「5」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「6」と前述の系統番号「1」を付加した第1の系統番号再付与フレーム信号S210hを生成する。この第1の系統番号再付与フレーム信号S210hは、ID番号管理部40から前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Gの後段側データ通信部42を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0062】
系統分岐器4GのID番号管理部40は、後段側データ通信部42にて受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S210hを構成するID番号「6」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「6」、「3」で不一致であるため、これを検出したID番号管理部40は、第1の系統番号再付与フレーム信号S210hを構成するID番号「6」を、自系統分岐器4Gに割当てられる当該ID番号として図5(B)に示すように新たに登録(上書き登録)した後、登録されたID番号「6」及び系統番号「1」が付加された登録完了フレーム信号S202gを生成する。この登録完了フレーム信号S202gは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Hの前段側データ通信部41、ID番号管理部40、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、終端分岐器5の(ポートP2に接続された)第2の終端分岐データ通信部51、幹線分岐制御部53、(ポートP1に接続された)第1の終端分岐データ通信部50、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Dの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Cの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Bの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Aの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、制御装置6の第1の系統データ通信部61を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0063】
また、系統分岐器4GのID番号管理部40は、同様に受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S210hを構成するID番号「6」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「7」と前述の系統番号「1」を付加した第1の系統番号再付与フレーム信号S210gを生成する。この第1の系統番号再付与フレーム信号S210gは、ID番号管理部40から前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Fの後段側データ通信部42を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0064】
系統分岐器4FのID番号管理部40は、後段側データ通信部42にて受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S210gを構成するID番号「7」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「7」、「2」で不一致であるため、これを検出したID番号管理部40は、第1の系統番号再付与フレーム信号S210gを構成するID番号「7」を、自系統分岐器4Fに割当てられる当該ID番号として図5(B)に示すように新たに登録(上書き登録)した後、登録されたID番号「7」及び系統番号「1」と終端分岐器5が有するポート番号「2」のポートP2に接続される最後段の当該系統分岐器であることを示すフラグ(以下、最後段系統分岐器フラグという。)が付加された登録完了フレーム信号S202fを生成する。この登録完了フレーム信号S202fは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Gの前段側データ通信部41、ID番号管理部40、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Hの前段側データ通信部41、ID番号管理部40、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、終端分岐器5の(ポートP2に接続された)第2の終端分岐データ通信部51、幹線分岐制御部53、(ポートP1に接続された)第1の終端分岐データ通信部50、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Dの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Cの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Bの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Aの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、制御装置6の第1の系統データ通信部61を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0065】
なお、系統分岐器4FのID番号管理部40によれば、自系統分岐器4Fにおける前段側データ通信部41及び(直前段である)系統分岐器4Eの後段側データ通信部42の間を接続する第2の系統幹線L2が、図4(B)、図5(A)、(B)に示すように切断(接続断)されているため、前段側データ通信部41を経由して当該第1の系統番号再付与フレーム信号の送出を行うことはない。
【0066】
この後、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、第2の終端分岐データ通信部51にて受信された登録完了フレーム信号S202fを構成する最後段系統分岐器フラグを検出すると、記憶テーブル530の登録内容として図5(B)に示すように、ポート番号(/幹線番号)「2」に割当てられる系統番号及びID番号を、当該登録完了フレーム信号S202fを構成する系統番号「1」及びID番号「7」を適用して新たに登録(上書き登録)するとともに、自終端分岐器5が第2の系統幹線L2を経由して制御装置6に接続されておらず、制御装置6への出力信号を受信する旨の信号伝送方向を示す「後段側(受信ポート)」のデータをポート番号(/幹線番号)「2」に割当てて登録することができる。
【0067】
また、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、前述の登録完了フレーム信号S202f、S202g、S202hをそれぞれ受信した第2の終端分岐データ通信部51に接続されるポートP2のポート番号「2」にリング状で隣接するポート番号である、ポート番号(/幹線番号)「3」に割当てられている登録内容を、記憶テーブル530を参照して確認する。ここでは、図4(A)、図5(A)に示すように「未登録(未登録状態)」であるため、登録完了フレーム信号S202fを構成する系統番号「1」及びID番号「7」のうち、ID番号「7」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「8」と前述の系統番号「1」を付加した第1の系統番号再付与フレーム信号S211を生成する。この第1の系統番号再付与フレーム信号S211は、幹線分岐制御部53から(ポートP3に接続された)第3の終端分岐データ通信部52、第3の系統幹線L3、系統分岐器4Lの後段側データ通信部42を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0068】
系統分岐器4LのID番号管理部40は、後段側データ通信部42にて受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S211を構成するID番号「8」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「8」、「4」で不一致であるため、これを検出したID番号管理部40は、第1の系統番号再付与フレーム信号S210を構成するID番号「8」を、自系統分岐器4Lに割当てられる当該ID番号として新たに登録(上書き登録)した後、登録されたID番号「8」及び系統番号「1」と終端分岐器5が有するポート番号「3」のポートP3に接続される最後段の当該系統分岐器であることを示す最後段分岐器フラグが付加された登録完了フレーム信号S203lを生成する。この登録完了フレーム信号S203lは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第3の系統幹線L3、終端分岐器5の(ポートP3に接続された)第3の終端分岐データ通信部52、幹線分岐制御部53、(ポートP1に接続された)第1の終端分岐データ通信部50、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Dの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Cの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Bの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Aの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、制御装置6の第1の系統データ通信部61を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0069】
なお、系統分岐器4LのID番号管理部40によれば、自系統分岐器4Lにおける前段側データ通信部41及び(直前段である)系統分岐器4Kの後段側データ通信部42の間を接続する第3の系統幹線L3が、図4(B)、図5(A)、(B)に示すように切断(接続断)されているため、前段側データ通信部41を経由して当該第1の系統番号再付与フレーム信号の送出を行うことはない。
【0070】
この後、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、第3の終端分岐データ通信部52にて受信された登録完了フレーム信号S203lを構成する最後段系統分岐器フラグを検出すると、記憶テーブル530の登録内容として図5(B)に示すように、ポート番号(/幹線番号)「3」に割当てられる系統番号及びID番号を、当該登録完了フレーム信号S203lを構成する系統番号「1」及びID番号「8」を適用して新たに登録(上書き登録)するとともに、自終端分岐器5が第3の系統幹線L3を経由して制御装置6に接続されておらず、制御装置6への出力信号を受信する旨の信号伝送方向を示す「後段側(受信ポート)」のデータをポート番号(/幹線番号)「3」に割当てて登録することができる。
【0071】
また、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、前述の登録完了フレーム信号S203lを受信した第3の終端分岐データ通信部52に接続されるポートP3のポート番号「3」にリング状で隣接するポート番号である、ポート番号(/幹線番号)「1」に割当てられている登録内容を、記憶テーブル530を参照して確認する。ここでは、図4(B)、図5(A)、(B)に示すように、系統番号「1」、ID番号「4」及び信号伝送方向を示す「前段側(受信ポート)」のデータのように登録状態であるため、当該系統番号再付与フレーム信号の送出を行うことはない。
【0072】
次に、制御装置6の系統/ID番号管理部60にて生成された第2の系統番号再付与フレーム信号S202には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付加されており、この第2の系統番号再付与フレーム信号S202は、第2の系統データ通信部62、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Eの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0073】
系統分岐器4EのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S202を構成するID番号「1」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「1」、「1」で一致するため、これを検出したID番号管理部40は、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置6の系統/ID番号管理部60に対して当該登録完了フレーム信号の送出を行うこともない。
【0074】
また、系統分岐器4EのID番号管理部40は、同様に受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S201を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「2」の当該第1の系統番号再付与フレーム信号を生成するものの、後段側データ通信部42を経由して第2の系統幹線L2との間が切断(接続断)されているため、系統分岐器4Fの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送されることはない。
【0075】
次に、制御装置6の系統/ID番号管理部60にて生成された第3の系統番号再付与フレーム信号S203には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付加されており、この第3の系統番号再付与フレーム信号S203は、第3の系統データ通信部63、第3の系統幹線L3、系統分岐器4Iの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0076】
系統分岐器4IのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第3の系統番号再付与フレーム信号S203を構成するID番号「1」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「1」、「1」で一致するため、これを検出したID番号管理部40は、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置6の系統/ID番号管理部60に対して当該登録完了フレーム信号の送出を行うこともない。
【0077】
また、系統分岐器4IのID番号管理部40は、同様に受信された第3の系統番号再付与フレーム信号S203を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「2」と前述の系統番号「3」を付加した第3の系統番号再付与フレーム信号S203iを生成する。この第3の系統番号再付与フレーム信号S203iは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第3の系統幹線L3、系統分岐器4Jの前段側データ通信部41を経由してID番号登録部40に伝送される。
【0078】
系統分岐器4JのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第3の系統番号再付与フレーム信号S203iを構成するID番号「2」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「2」、「2」で一致するため、これを検出したID番号管理部40は、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置6の系統/ID番号管理部60に対して当該登録完了フレーム信号の送出を行うこともない。
【0079】
また、系統分岐器4JのID番号管理部40は、同様に受信された第3の系統番号再付与フレーム信号S203iを構成するID番号「2」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「3」と前述の系統番号「3」を付加した第3の系統番号再付与フレーム信号S203jを生成する。この第3の系統番号再付与フレーム信号S203jは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第3の系統幹線L3、系統分岐器4Kの前段側データ通信部41を経由してID番号登録部40に伝送される。
【0080】
系統分岐器4KのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第3の系統番号再付与フレーム信号S203jを構成するID番号「3」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「3」、「3」で一致するため、これを検出したID番号管理部40は、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置6の系統/ID番号管理部60に対して当該登録完了フレーム信号の送出を行うこともない。
【0081】
また、系統分岐器4KのID番号管理部40は、同様に受信された第3の系統番号再付与フレーム信号S203jを構成するID番号「3」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号が「3」の当該第3の系統番号再付与フレーム信号を生成するものの、後段側データ通信部42を経由して第3の系統幹線L3との間が切断(接続断)されているため、系統分岐器4Lの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送されることはない。
【0082】
前述までの説明から明らかなように、本発明の第2の動作によれば、制御装置6の系統/ID番号管理部60は、ID番号の新たな登録(上書き登録)が完了したことの登録完了フレーム信号S202f、S202g、S202h、S203lをそれぞれ検出し、終端分岐器5の幹線分岐制御部53における記憶テーブル530の登録内容として、ポート番号(/幹線番号)「2」、「3」にそれぞれ割当てられた系統番号、ID番号及び信号伝送方向を示すデータを新たに登録(上書き登録)することにより、前述の不達状態における系統分岐器4Fの端末側データ通信部44、45、46に接続された端末(カメラ端末、モニタ端末、子機端末)、例えば、カメラ端末1からのデータ信号(映像信号)の信号伝送路としては、当該系統分岐器4Fの端末側データ通信部43、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Gの前段側データ通信部41、ID番号管理部40、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Hの前段側データ通信部41、ID番号管理部40、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、終端分岐器5の(ポートP2に接続された)第2の終端分岐データ通信部51、幹線分岐制御部53、(ポートP1に接続された)第1の終端分岐データ通信部50、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Dの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Cの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Bの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Aの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、制御装置6の第1の系統データ通信部61を経由して系統/ID番号管理部60までの信号伝送路を形成することができ、前述の初回起動時とは異なる通信経路が確保されて継続した通信が可能となる。
【0083】
また、前述の不達状態における系統分岐器4Lの端末側データ通信部44、45、46に接続された端末(カメラ端末、モニタ端末、子機端末)、例えば、カメラ端末1からのデータ信号(映像信号)の信号伝送路としては、当該系統分岐器4Lの端末側データ通信部43、後段側データ通信部42、第3の系統幹線L3、終端分岐器5の(ポートP3に接続された)第3の終端分岐データ通信部52、幹線分岐制御部53、(ポートP1に接続された)第1の終端分岐データ通信部50、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Dの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Cの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Bの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Aの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第1の系統幹線L1、制御装置6の第1の系統データ通信部61を経由して系統/ID番号管理部60までの信号伝送路を形成することができ、前述の初回起動時とは異なる通信経路が確保されて継続した通信が可能となる。
【0084】
なお、本発明の第2の動作によれば、系統分岐器4E及び系統分岐器4Fの間を接続する第2の系統幹線L2が切断(接続断)された場合と、系統分岐器4k及び終端分岐器6の間を接続する第3の系統幹線L3が切断(接続断)された場合の動作について説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、第1、第2、第3の系統毎の複数の系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4Lのうち、最前断の系統分岐器4A、4E、4I及び制御装置6の間の第1乃至第3の系統幹線L1、L2、L3が切断された場合には、この接続断は制御装置6の第1乃至第3の系統データ通信部61、62、63にてそれぞれ検出され、これを確認した系統/ID番号管理部60が前述のような第1乃至第3の系統番号再付与フレーム信号S201、S202、S203を生成することができるため、同様な動作が可能となる。
『第3の動作』
次に、本発明の第3の動作として、前述の第2の動作に伴う(接続断時の)ID番号の再付与後(図5(B)、図6(A)を参照。)において、図2(B)に示す系統分岐器4Fの前段側データ通信部41は、定期的なタイミングでID番号の再付与を要求するための再付与要求通知フレーム信号S310fを生成することができる。ここで、この信号生成のタイミングが、図6(B)に示すような前述の接続断から復旧したタイミングであると、再付与要求通知フレーム信号S310fは、前段側データ通信部41から第2の系統幹線L2、系統分岐器4Eの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、制御装置6の第2の系統データ通信部62を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0085】
また、前述の第2の動作に伴い、系統分岐器4Fとの間が接続断となっていた系統分岐器4EのID番号管理部40は、後段側データ通信部42を経由して系統分岐器4Fからの再付与要求通知フレーム信号S310fを受信すると、終端分岐器5の幹線分岐制御部53における記憶テーブル530の登録内容のうちポート番号(/幹線番号)「2」、「3」に割当てられている登録内容を(全て)削除して「未登録(未登録状態)」とするための登録情報削除要求フレーム信号S302eを生成する。この登録情報削除要求フレーム信号S302eは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Fの前段側データ通信部41、ID番号管理部40、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Gの前段側データ通信部41、ID番号管理部40、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Hの前段側データ通信部41、ID番号管理部40、後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、終端分岐器5の(ポートP2に接続された)第2の終端分岐データ通信部51を経由して幹線分岐制御部53に伝送される。
【0086】
終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、前述のように系統分岐器4Eの後段側データ通信部42から伝送されてきた系統登録情報削除要求フレーム信号S302eを受信すると、記憶テーブル530の登録内容を図6(B)に示すように、ポート番号(/幹線番号)「2」、「3」にそれぞれ割当てられている登録内容を(全て)削除して「未登録(未登録状態)」とすることができる。
【0087】
一方、制御装置6の系統/ID番号管理部60は、前述のように系統分岐器4Fの前段側通信部41から伝送されてきた再付与要求通知フレーム信号S310fを受信すると、第1乃至第3の系統幹線L1、L2、L3にそれぞれ接続される第1乃至第3の系統データ通信部61、62、63に対して同時のタイミングで、自制御装置6が管理を行うためのID番号を再付与する系統番号「1」、「2」、「3」がそれぞれ付加された第1乃至第3の系統番号再付与フレーム信号S401、S402、S403を生成する(図6(C)を参照。)。
【0088】
ここで、制御装置6の系統/ID番号管理部60にて生成された第1の系統番号再付与フレーム信号S401には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付加されており、この第1の系統番号再付与フレーム信号S401は、第1の系統データ通信部61、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Aの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0089】
系統分岐器4AのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S401を構成するID番号「1」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「1」、「1」で一致するため、これを検出したID番号管理部40は、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置6の系統/ID番号管理部60に対して等顔登録完了フレーム信号を送出することもない。
【0090】
また、系統分岐器4AのID番号管理部40は、同様に受信された第1の系統番号再付与フレーム信号S401を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「2」と前述の系統番号「1」を付加した第1の系統番号再付与フレーム信号S401aを生成する。この第1の系統番号再付与フレーム信号S401aは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第1の系統幹線L1、系統分岐器4Bの前段側データ通信部41を経由してID管理部40に伝送される。
【0091】
このように、第1の系統幹線L1を経由して制御装置6に順次接続された複数の系統分岐器4A、4B、4C、4DのID番号管理部40はそれぞれ、前段側データ通信部41にて受信された当該第1の系統番号付与フレーム信号を構成するID番号に、所定値である例えば、「1」を順次加えた当該ID番号「2」、「3」、「4」と前述の系統番号「1」とを付加した第1の系統番号再付与フレーム信号S401a、S401b、S401c、S401dを生成し、後段側データ通信部42を経由して第1の系統幹線L1に送出することができる(図2(B)、図6(C)を参照。)。
【0092】
次に、制御装置6の系統/ID番号管理部60にて生成された第2の系統番号再付与フレーム信号S402には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付加されており、この第2の系統番号再付与フレーム信号S402は、第2の系統データ通信部62、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Eの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0093】
系統分岐器4EのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S402を構成するID番号「1」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「1」、「1」で一致するため、これを検出したID番号管理部40は、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置6の系統/ID番号管理部60に対して当該登録完了フレーム信号の送出を行うこともない。
【0094】
また、系統分岐器4EのID番号管理部40は、同様に受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S402を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「2」と前述の系統番号「2」を付加した第2の系統番号再付与フレーム信号S402eを生成する。この第2の系統番号再付与フレーム信号S402eは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Fの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0095】
系統分岐器4FのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S402eを構成するID番号「2」と前述の接続断時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「2」、「7」で不一致であるため、これを検出したID番号管理部40は、第2の系統番号再付与フレーム信号S402eを構成するID番号「2」を、自系統分岐器4Fに割当てられる当該ID番号として図6(C)に示すように新たに登録(上書き登録)した後、登録が完了したことの登録完了フレーム信号S410fを生成する。この登録完了フレーム信号S410fは、ID番号管理部40から前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Eの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、制御装置6の第2の系統データ通信部62を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0096】
また、系統分岐器4FのID番号管理部40は、同様に受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S402eを構成するID番号「2」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「3」と前述の系統番号「2」を付加した第2の系統番号付与フレーム信号S402fを生成する。この第2の系統番号付与フレーム信号S402fは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Gの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0097】
系統分岐器4GのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S402fを構成するID番号「3」と前述の接続断時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「3」、「6」で不一致であるため、これを検出したID番号管理部40は、第2の系統番号再付与フレーム信号S402fを構成するID番号「3」を、自系統分岐器4Gに割当てられる当該ID番号とし図6(C)に示すように新たに登録(上書き登録)した後、登録が完了したことの登録完了フレーム信号S410gを生成する。この登録完了フレーム信号S410gは、ID番号管理部40から前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Fの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Eの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、制御装置6の第2の系統データ通信部62を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0098】
また、系統分岐器4GのID番号管理部40は、同様に受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S402fを構成するID番号「3」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「4」と前述の系統番号「2」を付加した第2の系統番号付与フレーム信号S402gを生成する。この第2の系統番号付与フレーム信号S402gは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Hの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0099】
系統分岐器4HのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S402gを構成するID番号「4」と前述の接続断時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「4」、「5」で不一致であるため、これを検出したID番号管理部40は、第2の系統番号再付与フレーム信号S402gを構成するID番号「4」を、自系統分岐器4Hに割当てられる当該ID番号として図6(C)に示すように新たに登録(上書き登録)した後、登録が完了したことの登録完了フレーム信号S410hを生成する。この登録完了フレーム信号S410hは、ID番号管理部40から前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Gの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Fの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Eの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、制御装置6の第2の系統データ通信部62を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0100】
また、系統分岐器4HのID番号管理部40は、同様に受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S402gを構成するID番号「4」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「5」と前述の系統番号「2」を付加した第2の系統番号付与フレーム信号S402hを生成する。この第2の系統番号付与フレーム信号S402hは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第2の系統幹線L2、終端分岐器5の(ポートP2に接続された)第2の終端分岐データ通信部51を経由して幹線分岐管理部53に伝送される。
【0101】
次に、制御装置6の系統/ID番号管理部60にて生成された第3の系統番号再付与フレーム信号S403には、その信号を構成するID番号として例えば、初期値「1」が付加されており、この第3の系統番号再付与フレーム信号S403は、第3の系統データ通信部63、第3の系統幹線L3、系統分岐器4Iの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0102】
系統分岐器4IのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第3の系統番号再付与フレーム信号S403を構成するID番号「1」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「1」、「1」で一致するため、これを検出したID番号管理部40は、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置6の系統/ID番号管理部60に対して当該登録完了フレーム信号の送出を行うこともない。
【0103】
また、系統分岐器4IのID番号管理部40は、同様に受信された第3の系統番号再付与フレーム信号S403を構成するID番号「1」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「2」と前述の系統番号「3」を付加した第3の系統番号再付与フレーム信号S403iを生成する。この第3の系統番号再付与フレーム信号S403iは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第3の系統幹線L3、系統分岐器4Jの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0104】
系統分岐器4JのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第3の系統番号再付与フレーム信号S403iを構成するID番号「2」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「2」、「2」で一致するため、これを検出したID番号管理部40は、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置6の系統/ID番号管理部60に対して当該登録完了フレーム信号の送出を行うこともない。
【0105】
また、系統分岐器4JのID番号管理部40は、同様に受信された第3の系統番号再付与フレーム信号S403iを構成するID番号「2」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「3」と前述の系統番号「3」を付加した第3の系統番号再付与フレーム信号S403jを生成する。この第3の系統番号再付与フレーム信号S403jは、ID番号管理部40から後段側データ通信部42、第3の系統幹線L3、系統分岐器4Kの前段側データ通信部41を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0106】
系統分岐器4KのID番号管理部40は、前段側データ通信部41にて受信された第3の系統番号再付与フレーム信号S403jを構成するID番号「3」と前述の初回起動時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「3」、「3」で一致するため、これを検出したID番号管理部40は、何らの登録動作は行わず、ゆえに、制御装置6の系統/ID番号管理部60に対して当該登録完了フレーム信号の送出を行うこともない。
【0107】
また、系統分岐器4JのID番号管理部40は、同様に受信された第3の系統番号再付与フレーム信号S403jを構成するID番号「3」に、所定値である例えば、「1」を加えた当該ID番号「4」と前述の系統番号「3」を付加した当該第3の系統番号再付与フレーム信号を生成するものの、この第3の系統幹線L3と(直後段である)系統分岐器4Lの前段側データ通信部41との間は切断(接続断)が続いているため、系統分岐器4LのID番号管理部40に伝送されず、ゆえに、終端分岐器5の幹線分岐制御部503に伝送されることもない。
【0108】
次に、前述のような動作が行われたとき、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、記憶テーブル530を参照し、第1の系統番号再付与フレーム信号S401dを受信した第1の終端分岐データ通信部50に接続されるポートP1のポート番号「1」にリング状で隣接するポート番号である、ポート番号(/幹線番号)「2」に割当てられて系統番号及びIDバングが登録されているか否かを検出し、登録状態でない「未登録(未登録状態)」の場合には、受信した第1の系統番号付与フレーム信号S401dを構成するID番号「5」と前述の系統番号「1」を付加した当該番号再付与フレーム信号を生成し、ポート番号「1」にリング状で隣接するポート番号「2」が付与されたポートP2に接続されている第2の終端分岐データ通信部51から第2の系統幹線L2を経由して最後段の系統分岐器4Hに送出する。
【0109】
ここでは、終端分岐器5の幹線分岐制御部53における記憶テーブル530の登録内容として、図6(C)に示すようにポート番号(/幹線番号)「2」に割当てられて系統番号「2」及びID番号「4」がそれぞれ登録されている「登録状態」であるため、前述のような、受信した第1の系統番号付与フレーム信号S401dを構成するID番号「5」と前述の系統番号「1」を付加した当該番号再付与フレーム信号が生成されることなく、ゆえに、最後段の系統分岐器4Hに送出されることもない。
【0110】
また、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、記憶テーブル530の記憶テーブル530の登録内容を参照し、第2の系統番号再付与フレーム信号S402hを受信した第2の終端分岐データ通信部51に接続されるポートP2のポート番号「2」にリング状で隣接するポート番号である、ポート番号(/幹線番号)「3」に割当てられて系統番号及びIDバングが登録されているか否かを検出し、登録状態でない「未登録(未登録状態)」の場合には、受信した第2の系統番号付与フレーム信号S402hを構成するID番号「5」と前述の系統番号「2」を付加した当該番号再付与フレーム信号を生成し、ポート番号「2」にリング状で隣接するポート番号「3」が付与されたポートP3に接続されている第3の終端分岐データ通信部52から第3の系統幹線L3を経由して最後段の系統分岐器4Lに送出する。
【0111】
ここでは、終端分岐器5の幹線分岐制御部53における記憶テーブル530の登録内容として、図6(A)、(B)に示すようにポート番号(/幹線番号)「3」に割当てられた系統番号及びID番号が「未登録(未登録状態)」であるため、前述のような、受信した第2の系統番号付与フレーム信号S402hを構成するID番号「5」と前述の系統番号「2」を付加した第2の系統番号再付与フレーム信号S510が生成される。この第2の系統番号再付与フレーム信号S510は、幹線分岐制御部53から第3の終端分岐データ通信部52、第3の系統幹線L3、系統分岐器4Lの後段側データ通信部42を経由してID番号管理部40に伝送される。
【0112】
系統分岐器4LのID番号管理部40は、後段側データ通信部42にて受信された第2の系統番号再付与フレーム信号S510を構成するID番号「5」と前述の接続断時において登録されていたID番号とを照合する。ここでは、ID番号が「5」、「8」で不一致であるため、これを検出したID番号管理部40は、第2の系統番号再付与フレーム信号S510を構成するID番号「5」を、自系統分岐器4Lに割当てられる当該ID番号として新たに登録(上書き登録)した後、登録されたID番号「5」及び系統番号「2」と終端分岐器5が有するポート番号「3」のポートP3に接続される最後段の当該系統分岐器であることを示す最後段分岐器フラグが付加された登録完了フレーム信号S403lを生成する。この登録完了フレーム信号S403lは、ID管理部40から後段側データ通信部42、第3の系統幹線L3、終端分岐器5の(ポートP3に接続された)第3の終端データ通信部52、(ポートP2に接続された)第2の終端分岐データ通信部51、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Hの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Gの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Fの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Eの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、制御装置6の第2の系統データ通信部62を経由して系統/ID番号管理部60に伝送される。
【0113】
また、終端分岐器5の幹線分岐制御部53は、第3の終端分岐データ通信部52にて受信された登録完了フレーム信号S403lを構成する最後段系統分岐器フラグを検出すると、記憶テーブル530の登録内容として図6(C)に示すように、ポート番号(/幹線番号)「3」に割当てられる系統番号及びID番号を、当該登録完了フレーム信号S403lを構成する系統番号「2」及びID番号「5」を適用して新たに登録(上書き登録)するとともに、自終端分岐器5が第3の系統幹線L3を経由して制御装置6に接続されておらず、制御装置6への出力信号を受信する旨の信号伝送方向を示す「後段側(受信ポート)」のデータをポート番号(/幹線番号)「2」に割当てて登録することができる。
【0114】
前述までの説明から明らかなように、本発明の第3の動作によれば、制御装置6の系統/ID番号管理部60は、接続断が復旧してID番号の新たな登録(上書き登録)が完了したことの登録完了フレーム信号S410f、S410g、S410h、S403lをそれぞれ検出することにより、前述の接続断時とは異なる通信経路を確保することができる。具体的に、前述の接続断から復旧した系統分岐器4Fの端末側データ通信部44、45、46に接続された端末(カメラ端末、モニタ端末、子機端末)、例えば、カメラ端末1からのデータ信号(映像信号)の信号伝送路としては、当該系統分岐器4Fの端末側データ通信部43、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Eの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、制御装置6の第2の系統データ通信部62を経由して系統/ID番号管理部60までの信号伝送路を形成することができ、前述の接続断時とは異なる通信経路が確保されて継続した通信が可能となる。
【0115】
また、前述の不達状態における系統分岐器4Lの端末側データ通信部44、45、46に接続された端末(カメラ端末、モニタ端末、子機端末)、例えば、カメラ端末1からのデータ信号(映像信号)の信号伝送路としては、当該系統分岐器4Lの端末側データ通信部43、後段側データ通信部42、第3の系統幹線L3、終端分岐器5の(ポートP3に接続された)第3の終端分岐データ通信部52、幹線分岐制御部53、(ポートP2に接続された)第2の終端分岐データ通信部51、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Hの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Gの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Fの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、系統分岐器4Eの後段側データ通信部42、ID番号管理部40、前段側データ通信部41、第2の系統幹線L2、制御装置6の第2の系統データ通信部62を経由して系統/ID番号管理部60までの信号伝送路を形成することができ、前述の初回起動時及び接続断時とは異なる通信経路が確保されて継続した通信が可能となる。
【0116】
本発明のインターホンシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該システムであっても採用できるということは言うまでもないことである。
【0117】
具体的に、本発明の実施例においては、制御装置6に接続される複数の系統分岐器として、第1乃至第3の系統幹線L1、L2、L3を経由して最前段から最後段へ順次接続される4台ずつの系統分岐器4A、4B、4C、4D、系統分岐器4E、4F、4G、4H、系統分岐器4I、4J、4K、4Lを適用し、系統毎の最後段の分岐器4D、4H、4Lをそれぞれ、終端分岐器5に接続して通信経路を多重化したが、この系統数に限定されるものでない。例えば、より複数の系統による最後段の当該系統分岐器をそれぞれ、終端分岐器5に接続して通信経路を多重化させることもできる。
【0118】
また、本発明の実施例においては、第1乃至第3の系統幹線L1、L2、L3を経由して最前段から最後段へ順次接続される複数の系統分岐器として、4台ずつの系統分岐器4A、4B、4C、4D、系統分岐器4E、4F、4G、4H、系統分岐器4I、4J、4K、4Lを適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、当該インターホンシステムが設置される建物(集合住宅)の規模に対応させた数の当該系統分岐器を設けることができる。
【0119】
また、本発明の実施例においては、制御装置6の系統/ID番号管理部60にて生成される当該系統番号付与フレーム信号及び当該系統番号再付与フレーム信号を構成するID番号として、初期値「1」の当該ID番号を適用したが、この値に限定されるものではない。例えば、「1」以外の適宜な値(初期値)のID番号を適用することができる。
【0120】
さらに、本発明の実施例においては、複数の系統分岐器4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4LのID番号管理部40の動作として、受信した番号付与フレーム信号を構成するID番号に所定値を追加するにあたり、その所定値として「1」を適用したが、この値に限定されるものではない。例えば、「1」以外の適宜な値を追加することができる。
【符号の説明】
【0121】
1、1、・・・、2、2、・・・、3、3、・・・ ……複数の端末
4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4L……複数の系統分岐器
40……ID番号管理部
41……前段側データ通信部
42……後段側データ通信部
43、44、45……端末側データ通信部
5……終端分岐器
50、51、52……(第1乃至第3の)終端分岐データ通信部
53……幹線分岐制御部
6……制御装置
60……系統/ID番号管理部
51、52、53……(第1乃至第3の)系統データ通信部
L1、L2、L3……第1乃至第3の系統幹線(複数の系統毎の幹線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング状にポート番号が付与された複数の異なる系統毎に設置される複数の系統分岐器(4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、4J、4K、4L)と、前記系統毎に設置される複数の系統分岐器のうち最後段の当該系統分岐器に接続される終端分岐器(5)と、前記系統分岐器に接続される複数の端末(1、1、・・・、2、2、・・・、3、3、・・・)と、前記複数の系統のうち少なくとも2の系統にそれぞれ割当てられる当該系統分岐器に幹線(L1、L2、L3)を経由して接続され、前記複数の端末の送受信制御を行うための制御装置(6)とを備えるインターホンシステムにおいて、
前記制御装置は、当該制御装置が管理を行うID番号を前記系統分岐器に付与するための番号付与フレーム信号を生成する系統/ID番号管理部(60)と、前記系統毎に設けられ前記系統/ID番号管理部にて生成された前記番号付与フレーム信号を前記幹線に送出するための系統データ通信部(61、62、63)とを備え、
前記系統分岐器は、前記制御装置から前記幹線を経由して伝送されてくる前記番号付与フレーム信号に付加されたID番号を自系統分岐器の当該ID番号として登録し、前記登録が完了したことの登録完了フレーム信号を生成するためのID番号管理部(40)を備え、
前記終端分岐器は、前記複数の系統毎の幹線に接続された前記最後段の当該系統分岐器から伝送されてくる前記番号付与フレーム信号及び前記登録完了フレーム信号を受信するための終端分岐データ通信部(50、51、52)と、前記終端分岐データ通信部にて受信した前記番号付与フレーム信号及び前記登録完了フレーム信号に付加された系統番号及びID番号を登録し、前記番号付与フレーム信号及び前記登録完了フレーム信号を受信した当該系統データ通信部が接続される幹線に付与されたポート番号に隣接する当該ポート番号の幹線における前記フレーム信号の送受信を管理するための幹線分岐制御部(53)とを備えることを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記終端分岐器の前記幹線分岐制御部は、前記系統データ通信部における前記最後段の当該系統分岐器から伝送されてくる前記番号付与フレーム信号の受信動作を検出すると、当該系統データ通信部にて受信した前記番号付与フレーム信号を構成する系統番号及びID番号のうち当該系統番号を登録するとともに、当該ID番号より「1」減算した番号を登録した後、前記受信動作が検出された前記系統データ通信部に接続される幹線に付与されたポート番号に隣接する当該系統番号及び当該ID番号の登録状態を確認し、登録状態でないとき、前記受信した番号付与フレーム信号を構成するID番号を付加した番号付与フレーム信号を生成し、前記番号付与フレーム信号を受信した当該系統データ通信部が接続される幹線に付与されたポート番号に隣接する当該ポート番号の幹線に接続された当該系統データ通信部から最後段の当該系統分岐器に送出することを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記終端分岐器の前記幹線分岐制御部は、前記系統データ通信部における前記最後段の当該系統分岐器から伝送されてくる前記登録完了フレーム信号の受信動作を検出すると、当該系統データ通信部にて受信した前記登録完了フレーム信号を構成する系統番号及びID番号を登録した後、前記受信動作が検出された前記系統データ通信部に接続される幹線に付与されたポート番号に隣接する当該系統番号及び当該ID番号の登録状態を確認し、登録状態でないとき、前記受信した番号付与フレーム信号を構成するID番号に所定値を追加した番号付与フレーム信号を生成し、前記登録完了フレーム信号を受信した当該系統データ通信部が接続される幹線に付与されたポート番号に隣接する当該ポート番号の幹線に接続された当該系統データ通信部から最後段の当該系統分岐器に送出することを特徴とする請求項1又は請求項2項記載のインターホンシステム。
【請求項4】
前記系統分岐器は、前記制御装置から前記幹線を経由して伝送されてくる前記番号付与フレーム信号を受信するための前段側データ通信部(41)と、前記終端分岐器から前記幹線を経由して伝送されてくる前記番号付与フレーム信号を受信するための後段側データ通信部(42)とを備え、
前記ID番号管理部は、前記前段側データ通信部及び前記後段側データ通信部のうち何れか一方の当該データ通信部において受信された前記番号付与フレーム信号に付加されているID番号を自系統分岐器の当該ID番号として登録した後、前記登録が完了したことの前記登録完了フレーム信号を生成し、前記一方の当該データ通信部から前記幹線を経由して前記制御装置に送出することを特徴とする請求項2又は請求項3記載のインターホシステム。
【請求項5】
前記系統分岐器の前記ID番号管理部は、前記前段側データ通信部及び前記後段側データ通信部のうち何れか一方の当該データ通信部において前記番号付与フレーム信号の受信動作を検出したとき、前記受信した番号付与フレーム信号を構成するID番号に所定値を追加させた当該番号付与フレーム信号を生成して他方の当該データ通信部から前記幹線に送出することを特徴とする請求項4記載のインターホンシステム。
【請求項6】
当該インターホンシステムの初期起動後において、前記番号付与フレーム信号の受信動作が行われた当該データ通信部と前記幹線を経由して前記制御装置との間で通信を行うものであって、前記制御装置から前記番号付与フレーム信号の受信動作が行われた当該データ通信部への出力信号が不達であるとき、前記ID番号の再付与を要求するための通知フレーム信号を生成して前記幹線に送出することを特徴とする請求項4又は請求項5項記載のインターホンシステム。
【請求項7】
前記番号付与フレーム信号の受信動作が行われた当該データ通信部は、前記制御装置からの出力信号が不達であるとき、前記ID番号の再付与を要求するための前記通知フレーム信号を定期的に生成して前記幹線に送出することを特徴とする請求項6記載のインターホンシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−93644(P2013−93644A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232674(P2011−232674)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】