説明

インドール誘導体及び同誘導体を含有する塩味増強剤

【課題】新規な塩味増強剤又は塩味増強方法を提供する。
【解決手段】本発明の塩味増強剤はインドール誘導体を含有する。食塩含有量を低減した飲食品の塩味不足による喫食率の低下を改善するために用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インドール誘導体、ならびに同誘導体を含有する塩味増強剤に関し、より詳細には、食塩含有量を低減した飲食品の塩味の不足に基づく呈味性や喫食率の低下を改善するための塩味増強剤、及びこれを用いる減塩方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
食塩の過剰摂取は血圧上昇の一因であり、脳卒中や心臓疾患の原因と考えられている。これを予防するためには食塩そのものの摂取量を減らすか又は食塩代替物を添加することが一般的である。しかしながら、食塩の添加量を減らした減塩食品は、味がぼけてしまい呈味性が著しく低下する。減塩による呈味性の低下を改善するために、グルタミン酸ナトリウムや香辛料を添加する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、グルタミン酸ナトリウムや香辛料では、呈味の幅は広がるが塩味そのものの増強効果は十分ではない。
【0003】
また、食塩の一部をカリウム塩、アンモニウム塩、塩基性アミノ酸、又は塩味を示すペプチド等の食塩代替物で置き換える方法も報告されている。例えば、塩化カリウムにカラギナンを併用使用することにより塩化カリウムのもつ苦味を低減する方法(例えば、特許文献1参照)や、塩化カリウム含有発酵食品の製造方法(例えば、特許文献2参照)などである。さらに、それ自身は食塩味を呈しないが食塩と共存させるとその塩味を増強する物質も知られている。例えば、食塩含有飲食品に炭素数3乃至8を有する飽和脂肪族モノカルボン酸を食塩重量に基づいて0.01乃至1重量%の割合で添加する方法等である(例えば、特許文献3参照)。しかし、これらも塩味の強さや味質の点で満足いく方法ではない。
つまり、呈味性に優れた減塩食品、味質に優れた或いは強力な塩味増強剤、更には塩味を増強しうる新規な化合物が依然として求められている。
【0004】
一方、塩味の受容機構については種々の研究が行われているが、未だに不明な点も多い。
ENaC(上皮性ナトリウムチャネル)は、細胞膜に存在する電位非依存性でアミロライド感受性のナトリウムチャネルであり、3種のサブユニット(α若しくはδサブユニット、βサブユニット、およびγサブユニット)が結合して機能するイオンチャネルである。ENaCは、多くの上皮組織において、ナトリウムイオンの流入経路として知られている(非特許文献2、3)。
ENaCは塩味との関係で特に研究されたタンパク質の一つであるが、それにも関わらず、依然としてヒトの塩味受容への関与が明確に示されていない。むしろ、げっ歯類の塩味受容への関与は認められつつも、ヒトの塩味受容への寄与には否定的な意見も見受けられる。実際、非特許文献4(Journal of Biological Chemistry (2008), 283(18), 11981-11994)には、S3969(Pentanamide, N-(2-hydroxyethyl)-4-methyl-2-[(4-methyl-1H-indol-3-yl)thio])がβサブユニットに作用するENaCの刺激剤(活性化剤)であることが記載されているが、塩味についてはげっ歯類において刺激作用を有する可能性が示唆されているのみであり、実際にヒトにおける喫食時にどのような呈味作用を有するかは記載も示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−262758号公報
【特許文献2】特開2007−289145号公報
【特許文献3】特開平5−184326号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】日本味と匂学会誌14巻3号 447−450頁 2007年
【非特許文献2】Palmer LG (1987). "Ion selectivity of epithelial Na channels". J Membr Biol 96: 97−106.
【非特許文献3】Lazdunski M, Waldmann R, Champigny G, Bassilana F, Voilley N (1995). "Molecular cloning and functional expression of a novel amiloride-sensitive Na+ channel". J. Biol. Chem. 270 (46): 27411−27414.
【非特許文献4】Lu, M., et al. Small Molecule Activator of the Human Epithelial Sodium Channel, Journal of Biological Chemistry (2008), 283(18), 11981-11994
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、塩味増強剤や塩味調節方法の提供を目的とする。
又、本発明は、ENaC刺激活性を有する新規なインドール誘導体又はその可食性の塩の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、驚くべきことにENaC刺激活性を有するインドール誘導体が、食塩と共存することによって、食塩のヒトに対する塩味を増強する効果に優れることを発見し、又、一定の構造を有するインドール誘導体がENaC刺激活性を有することを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、下記式(I)に表されるインドール誘導体またはその可食性の塩(以下、「本発明のインドール誘導体」呼ぶこともある。)を含有する塩味増強剤を提供する。
【化1】

[式(I)中、
R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、ハロゲノ基、水酸基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、メルカプト基、低級アルコキシ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、又は低級アルキルチオ基を示し、
R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、
Xは、−OR7、−NR8R9、又は−NH−(CH)n−NH−Yで表される基を示し、
R7は、水素原子又は低級アルキル基を示し、
R8およびR9は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシ低級シクロアルキル基、または、−CH(Ra)CORbもしくは−CH(Ra’)CHOHで表される基を示し、
RaおよびRa’は、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を示し、
Rbは、水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、又は2−ヒドロキシエチルアミノ基を示し、
nは1、2、又は3であり、
Yは下記式(I−2)で表される基を示し、
【化2】

(式(I−2)中、
R’1、R’、R’、及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、ハロゲノ基、水酸基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、メルカプト基、低級アルコキシ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、又は低級アルキルチオ基を示し、
R’およびR’は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示す。)
ここで、
置換基を有してもよい低級アルキル基における置換基とは、水酸基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、メルカプト基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、グアニジノ基、置換基を有してもよいアリール基、及び置換基を有してもよいヘテロアリール基からなる群より選択される1から2の置換基であり、
置換基を有してもよいアリール基及び置換基を有してもよいヘテロアリール基における置換基とは、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、ハロゲノ基、水酸基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、メルカプト基、低級アルコキシ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、及び低級アルキルチオ基からなる群より選択される1から7の置換基である。]
【0010】
本発明は、又、上記一般式(I)で表されるインドール誘導体またはその可食性の塩と、飲食物とを混合する工程を含む、ヒト用飲食品の塩味を調節する方法を提供する。
また、本発明は、食塩を含有する飲食品に本発明のインドール誘導体を添加することを特徴とする飲食品の塩味増強方法である。
【0011】
本発明は、又、上記一般式(I)で表されるインドール誘導体またはその可食性の塩を含有するヒト用飲食品を提供する。
【0012】
本発明は、又、下記式(II)で表されるインドール誘導体またはその可食性の塩を提供する。
【化3】

[式(II)中、
R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、ハロゲノ基、水酸基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、メルカプト基、低級アルコキシ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、又は低級アルキルチオ基を示し、
R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、
は、−NR8R9、又は−NH−(CH)n−NH−Yで表される基を示し、
R8およびR9は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシ低級シクロアルキル基、または、−CH(Ra)CORbもしくは−CH(Ra’)CHOHで表される基を示し、
RaおよびRa’は、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を示し、
Rbは、水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、又は2−ヒドロキシエチルアミノ基を示し、
nは1、2、又は3であり、
Yは下記式(I−2)で表される基を示し、
【化4】

(式(I−2)中、
R’1、R’、R’、及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、ハロゲノ基、水酸基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、メルカプト基、低級アルコキシ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、又は低級アルキルチオ基を示し、
R’およびR’は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示す。)
ここで、
置換基を有してもよい低級アルキル基における置換基とは、水酸基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、メルカプト基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、グアニジノ基、置換基を有してもよいアリール基、及び置換基を有してもよいヘテロアリール基からなる群より選択される1から2の置換基であり、
置換基を有してもよいアリール基及び置換基を有してもよいヘテロアリール基における置換基とは、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、ハロゲノ基、水酸基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、メルカプト基、低級アルコキシ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、及び低級アルキルチオ基からなる群より選択される1から7の置換基である。
ただし、R1がメチル基、R2、R3およびR4が水素原子、R5及びR6の一方が水素原子をもう一方がイソブチル基を表し、Xが−NR8R9で示される基を表し、R8及びR9の一方が水素原子をもう一方が2−ヒドロキシエチル基を表す化合物は除く。]
【0013】
本発明は、又、下記いずれかのインドール誘導体またはその可食性の塩を提供する(なお、上記式(II)で表されるインドール誘導体と下記のインドール誘導体とをあわせて「新規インドール誘導体」と呼ぶこともある)。:
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)プロピオン酸、
(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)酢酸、
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)酪酸、
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)ペンタン酸、
3−メチル−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)酪酸、
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)―2−フェニル酢酸、
4−メチル−2−(1H−インドール−3−イル−チオ)ペンタン酸。
あるいは:
(S)−4−メチル−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)ペンタン酸、(R)−4−メチル−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)ペンタン酸。なお、ここで(R)体の方がENaC刺激活性に優れ好ましい。
【0014】
本発明は、又、新規インドール誘導体又はその可食性の塩を含有する塩味増強剤を提供する。
本発明は、又、新規インドール誘導体又はその可食性の塩と、飲食品とを混合する工程を含む、飲食品の塩味を調節する方法を提供する。
本発明は、又、新規インドール誘導体又はその可食性の塩を含有する飲食品を提供する。
【発明の効果】
【0015】
後述の実施例に示されるように、式(I)で表されるインドール誘導体は、ENaC刺激活性を有し、ヒトに対して、共存する食塩の塩味を増強する効果を示す。よって、本発明の塩味増強剤は、共存する食塩の塩味を増強する効果を有し、これによって減塩食品における塩味本来の呈味性を改善し、喫食量の低下を防止することができる。したがって、ナトリウムの摂取量を制限される高血圧患者、心臓血管疾患患者、腎臓病患者等の食事制限を受けている患者や生活習慣病予防の観点から減塩食を摂取している健常人に対して、食事からのエネルギーや他の栄養素の摂取量を低下させることなく減塩食を提供するために有用である。
又、本発明の新規インドール誘導体はENaC刺激活性を示しており、共存する食塩の塩味を増強する塩味増強剤の提供に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】化合物36を用いたENaC刺激活性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について詳述する。
〔インドール誘導体とその可食性の塩〕
本発明において、低級アルキル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、及び低級アルキルチオ基の成分である低級アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基を示し、具体的には例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、3-ヘキシル基、2-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などがあげられ、好ましくは1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、具体的には例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、などがあげられ、特に好ましくはメチル基、エチル基、イソブチル基などがあげられる。
低級アルケニル基とは、炭素数2〜6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルケニル基を示し、例えばビニル基、アリル基などがあげられる。
低級アルキニル基とは、炭素数2〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキニル基を示し、例えばエチニル基などがあげられる。
低級アルキルカルボニル基として、例えば、アセチル基が挙げられる。
低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、及び低級アルコキシカルボニルアミノ基の成分である低級アルコキシ基とは、炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基を有するアルコキシ基を示し、具体的に例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などがあげられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n -プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基があげられる。
低級アルコキシカルボニル基として、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が挙げられる。
低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基には、置換基を有さないカルバモイル基、その窒素原子上に1つの低級アルキル基を有するカルバモイル基及び2つの低級アルキル基を有するカルバモイル基が含まれる。この2つの低級アルキル基は同じでも異なっていてもよく、又結合して環を形成してもよい。具体的には例えばカルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、1−ピロリジルカルボニル基、1−ピペリジルカルボニル基、4−モルホリニルカルボニル基などがあげられる。
ハロゲノ基とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を示す。
低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基には、置換基を有さないアミノ基、1つの低級アルキル基で置換されたアミノ基、2つの低級アルキル基で置換されたアミノ基が含まれる。この2つの低級アルキル基は同じでも異なっていてもよく、又結合して環を形成してもよい。具体的には例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、1−ピロリジニル基、1−ピペリジニル基などがあげられる。
低級アルキルカルボニルアミノ基として、例えば、アセタミド基が挙げられる。
低級アルコキシカルボニルアミノ基として、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
低級アルキニルスルホニルアミノ基として、例えば、メチルスルホニルアミノ基が挙げられる。
低級アルキルチオ基として、例えば、メチルチオ基が挙げられる。
【0018】
アリール基とは、炭素原子で構成される炭素数5〜12の単環または2環よりなる芳香族置換基を示し、具体的に例えばフェニル基、インデニル基、ナフチル基、フルオレニル基などがあげられ、好ましくはフェニル基、ナフチル基、特に好ましくはフェニル基があげられる。
低級シクロアルキル基とは、炭素数3〜6の環状のアルキル基を示し、具体的に例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などがあげられ、好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基であり、特に好ましくはシクロヘキシル基である。
ヘテロアリール基とは、窒素、酸素、及びイオウからなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を環中に有する、5〜7員の単環もしくは8〜10員の縮合2環の芳香環基であり、例えば、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピローリル基、フラニル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリル基などがあげられ、好ましくはピリジル基、チエニル基、インドリル基、イミダゾリル基などがあげられる。
【0019】
上記式(I)又は(II)で表されるインドール誘導体には互変異性体、光学異性体などの各種立体異性体の混合物や単離されたものが含まれる。
【0020】
上記式(I)又は(II)で表されるインドール誘導体において、
R1、R2、R3、及びR4が示す基として、水素原子又は低級アルキル基が好ましく、特に、水素原子又はメチル基が好ましい。
R5は水素原子を示すのが好ましく、
R6は水素原子、低級アルキル基又はフェニル基を示すのが好ましく、特に、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、又はフェニル基を示すのが好ましい。
R5が水素原子でありR6が水素原子以外の基であるとき、R5及びR6が結合する炭素の立体は、(R)でも(S)でもそれらの混合物であっても良いが、(R)が好ましい。
特に、R1がメチル基を示しR2、R3及びR4が水素原子を示すのが好ましい。又、R1、R2、R3及びR4が全て水素原子を示すのも好ましい。
Xが−OR7を示し、R7は水素原子であるのが好ましい。
又、X又はXが−NR8R9を示し、R8は水素原子であるのも好ましい。ここで特に、
又、X又はXが−NHR9を示し、R9が低級アルキル基であるのも好ましい。
又、X又はXが−NHR9を示し、R9がヒドロキシ低級アルキル基であるのも好ましい。ここでヒドロキシ低級アルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基が特に好ましい。
又、X又はXが−NHR9を示し、R9が−CH(Ra)CORbで表される基であるのも好ましい。ここでRaは水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、フェニル基が好ましく、Rbは水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノ基が好ましい。
又、X又はXが−NHR9を示し、R9が−CH(Ra’)CHOHで表される基であるのも好ましい。ここでRa’は水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、フェニル基が好ましい。
又、X又はXが−NHR9を示し、R9がヒドロキシ低級シクロアルキル基で表される基であるのも好ましい。ここでヒドロキシ低級シクロアルキル基としては、2−ヒドロキシシクロヘキシル基又は4−ヒドロキシシクロヘキシル基が好ましい。
なお、−CH(Ra)CORb又は−CH(Ra’)CHOHで表される基において、Ra又はRa’が水素原子以外を示す場合、その結合する炭素の立体は(R)でも(S)でもそれらの混合物であっても良い。
【0021】
更に一方で、X又はXが−NH−(CH)n−NH−Yを示すのも好ましい。ここで特に、nは2が好ましく、Yが示す式(I−2)において、R’1、R’、R’、R’、R’およびR’は、それぞれ、R1、R2、R3、R4、R5及びR6において好ましい基が、好ましい。
【0022】
又、置換基を有してもよい低級アルキル基における置換基の数は1が好ましい。更に該置換基としては、フェニル基、水酸基、インドリル基、低級アルキルチオ基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシフェニル基、低級アルキルカルボニルアミノ基、アミノ基が好ましく、特に、水酸基、ヒドロキシフェニル基が好ましい。
又、置換基を有してもよいアリール基及び置換基を有してもよいヘテロアリール基における置換基の数は1乃至3が好ましい。
【0023】
より具体的には、式(I)又は式(II)で表される化合物としては、以下で示される化合物が好ましい。但し、式(II)で表される化合物からは、R1がメチル基、R2、R3およびR4が水素原子、R5及びR6の一方が水素原子をもう一方がイソブチル基を表し、Xが−NR8R9で示される基を表し、R8及びR9の一方が水素原子をもう一方が2−ヒドロキシエチル基を表す化合物は除かれる。
【0024】
R5は水素原子を示し、R6は置換基を有してもよい低級アルキル基、又はフェニル基を示し、Xは−NR8R9で表される基を示し、R8は水素原子を示し、R9は、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級シクロアルキル基、または、−CH(Ra)CORbもしくは−CH(Ra’)CHOHで表される基を示し、RaおよびRa’は、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、フェニル基を示し、Rbは水酸基、低級アルコキシ基を示し、ここで、置換基を有してもよい低級アルキル基における置換基とは、水酸基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、メルカプト基、カルバモイル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアリール基、及び置換基を有してもよいヘテロアリール基からなる群より選択される1の置換基である、式(I)又は式(II)で表される化合物。
【0025】
R5は水素原子を示し、R6は水素原子、低級アルキル基又はフェニル基を示し、Xは−NR8R9で表される基を示し、R8は水素原子を示し、R9は−CH(Ra’)CHOHで表される基を示し、Ra’は、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、フェニル基を示し、ここで、置換基を有してもよい低級アルキル基における置換基の数は1であり、該置換基は、フェニル基、水酸基、インドリル基、低級アルキルチオ基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシフェニル基、低級アルキルカルボニルアミノ基、アミノ基のいずれかである、式(I)で表される化合物。
【0026】
R5は水素原子を示し、R6は水素原子、低級アルキル基又はフェニル基を示し、Xは−NR8R9で表される基を示し、R8は水素原子を示し、R9はヒドロシキ低級シクロアルキル基を示す、式(I)又は式(II)で表される化合物。
R5は水素原子を示し、R6は水素原子、低級アルキル基又はフェニル基を示し、Xは−OR7を示し、R7は水素原子を示す、式(I)又は式(II)で表される化合物。
又、本明細書の実施例に記載された化合物は好ましい。
又、本明細書の試験例に記載された化合物は好ましい。
【0027】
式(I)又は式(II)で表されるインドール誘導体の製造方法に特に制限はないが、例えば、以下の方法により、化学的に合成することができる。
【0028】
合成法の概略を下式に示す。式中、R1〜R8は式(I)中と同じ意味を示し、Lはハロゲン原子などの脱離基を示す。
【化5】

式(A)で表わされるインドール化合物(以下、化合物(A)ともいう。)を非特許文献5(G. G. Levkovskaya et al., Russian Journal of Organic Chemistry, 2002, 38 (11), 1641-1646.)、非特許文献6(E. P. L. van der Geer et al., Inorganic Chemistry, 2008, 47 (7), 2849-2857.)、非特許文献7(K. Nagarajan et al., Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry, 1981, 20B (8), 672-679.)などに記載された方法に従って、式(B)で表わされるインドール化合物(以下、化合物(B)ともいう。)または、更に式(C)で表される化合物に変換する。
その化合物(B)または化合物(C)を、式(D)で表されるα−置換カルボン酸化合物(以下、化合物(D)ともいう。)と、非特許文献5に記載の方法に従って反応させることによって、一般式(I)においてXが−OHを示すカルボン酸化合物(E)を合成することができる。
【0029】
反応条件は基本的に上記非特許文献記載の方法に従えば良く、塩基、酸、溶媒、反応時間、反応温度などは反応基質の性質によって適宜工夫すれば良い。
更に、上記カルボン酸化合物(E)を、例えば酸や縮合剤の存在下で低級アルコールと反応させることにより、一般式(I)において、Xが−OR7を示し、R7が低級アルキル基を示す化合物を得ることができる。
【0030】
また、上記カルボン酸化合物(E)と、アミン化合物NHR8R9とを、例えば脱水縮合剤の存在下で反応させ、アミド結合を生成させることによって、一般式(I)又は(II)において、X又はXが−NR8R9で表される化合物(F)を得ることができる。ここに、アミン化合物NHR8R9はカルボン酸化合物(E)に対して、0.8当量〜1.2当量が好ましく、0.90当量〜1.1当量が更に好ましい。
【0031】
該アミド化反応における、縮合剤としては、EDCI・HCl(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)-carbodiimide hydrochloride)、DCC(N,N’-Dicyclohexylcarbodiimide)、HATU(O-(7-azabenzotriazol-1-yl)-1,1,3,3-tetramethyluronium hexafluorophosphate)、CDI(N,N’-Carbonyldiimidazole)などの一般的な脱水縮合剤を用いれば良く、縮合促進剤としては、HOBt(1-Hydroxybenzotriazole)、HOSu(N-Hydroxysuccinimide)、DMAP(4-Dimethylaminopyridine)などを用いれば良い。脱水縮合剤の量は、カルボン酸化合物(E)に対して、1.0当量〜2.0当量が好ましく、1.0当量〜1.2当量が更に好ましい。
【0032】
溶媒としては、塩化メチレン、DMF(N,N-Dimethylformamide)、THF(Tetrahydrofuran)などを用いれば良い。
【0033】
反応温度は、0℃〜50℃が好ましく、10℃〜30℃が更に好ましい。反応時間は、2時間〜24時間が好ましく、8時間〜16時間が更に好ましい。アミン化合物(G)として塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩などを用いる時は、トリエチルアミンなどを当量用いれば良い。
【0034】
また、上記カルボン酸(E)と、NH−(CH)n−NH−Yとを、例えば、上記アミン化合物(G)との場合と同様にして、縮合させれば、一般式(I)又は(II)においてX又はXが−NH−(CH)n−NH−Yで表される化合物を得ることができる。
上記製造法に準じて、あるいはR1〜R8等を、工程の途中でR1〜R8等に変換可能な別の基、例えば保護された基、に置き換える等の容易な応用を施して、式(I)又は(II)で表されるインドール誘導体を得ることができる。
例えば、カルボキシル基は、その保護基としてエステル基を用いてよく、その場合には適宜、アルカリ加水分解、或いは酸加水分解でカルボキシル基に変換することができる。また、アミノ基はその保護基として、例えばBoc基(t-Butoxycarbonyl)を用いることができ、その場合は適宜、酸による脱保護を行えばよい。
【0035】
このようにして得られるインドール誘導体は、通常有機合成で用いられる、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー等の手法を用いて精製することができる。また、常法により可食性の塩にすることができる。例えば、該インドール誘導体と必要な酸または塩基とを適当な量比で溶媒、分散剤中で混合することや、他の塩の形よりイオン交換を行う方法が挙げられる。
【0036】
本発明において、可食性の塩とは、具体的に例えば十分に酸性である本発明の化合物については、そのアンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩などが例示され、これらが好ましい)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩などが例示され、これらが好ましい)、有機塩基の塩としてはたとえばジシクロヘキシルアミン塩、ベンザチン塩、N -メチル-D -グルカン塩、ヒドラミン塩、アルギニンまたはリジンのようなアミノ酸の塩などが挙げられる。さらに十分に塩基性である本発明化合物ついてはその酸付加塩、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸塩、または酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、モノメチル硫酸等の有機酸塩などが挙げられる。また、場合によっては含水物あるいは水和物であってもよい。
【0037】
〔ENaC刺激活性の測定方法〕
本発明のインドール化合物は、ENaC刺激活性を有するが、これは、例えば、ENaCを発現したアフリカツメガエルの卵母細胞を用いて、確認することができる。
なお、各種動物はENaC遺伝子を持っているが、ヒトのENaC遺伝子は、NCBIのデータベースに、遺伝子名SCNN1A(αサブユニット)、SCNN1B(β)、SCNN1G(γ)、SCNNID(δ)として登録されている。うち、ヒトのENaC α、βおよびγサブユニットの遺伝子の塩基配列を、配列番号1、3、5に示した。また、本明細書においては、ENaC、あるいはENaCチャネルとは、ENaCのα若しくはδサブユニット、βサブユニット、及びγサブユニットの3種が結合して機能する形になったチャネルを表すものとする。
通常、細胞外のナトリウムイオン濃度は細胞内のナトリウムイオン濃度よりも高いため、ENaCチャネルを通って、濃度の高い細胞外から、濃度の低い細胞内へナトリウムイオンが流れる。チャネルの開閉をコントロールできれば、ナトリウムイオンの流れる量を変えることができる。
何らかの刺激を受けてENaCのチャネルが開く確率を上がると(活性化されると)、より多くのナトリウムイオンが通過し、ENaCを介して流れる電流量が増す。ENaCを発現している卵母細胞を各種化合物で刺激して電流量の変化を測定すれば、その化合物のENaC刺激活性(活性化能)を調べることができる。
例えば、非特許文献8(中村元直、清水孝雄著:アフリカツメガエル卵母細胞の実験
実験医学 Vol.11, No.3、224-232 (1993))に記載の方法に従って、アフリカツメガエル卵母細胞にENaCを発現せしめ、各種化合物で卵母細胞を刺激し、電流が増加しはじめたときの化合物の最小有効濃度 (minimum effective dose、以下MEDと略すこともある。)を測定し、活性を評価することができる。
【0038】
〔塩味増強剤、塩味調節方法及び飲食品〕
本発明の塩味増強剤の形態としては、固形組成物もしくは液体組成物のいずれの形態であっても良く、塩味増強作用を妨げない範囲内で、適当な添加物を配合し、製造することができる。例えば、通常食品の製造に用いられる各種成分、タンパク質(乳タンパク質、大豆タンパク質等)、無機塩、酸、アミノ酸類(グルタミン酸等)、核酸系呈味成分、糖類、脂肪、天然調味料、香辛料、賦形剤、色素成分等の通常の飲食品の製造に使用可能な各種添加物を含有していてもよい。
【0039】
本発明の飲食品の塩味調節方法は、好ましくは食塩を含有する飲食品に本発明のインドール誘導体を添加し塩味を増強することを特徴とする。インドール誘導体の添加量は、飲食品における塩味を増強するのに十分であって、ヒト被験体が十分に塩味を知覚しうるインドール誘導体の量を意味する。飲食品中に含有される食塩重量に対して0.000025〜250重量%が好ましく、より好ましくは0.00025〜25重量%であり、さらに好ましくは0.0025〜2.5重量%である。飲食品中における本発明の塩味増強剤の濃度は、目的とする飲食品中の食塩濃度にもよるが、目的とする飲食品の喫食時の重量に対して、0.0000001〜1重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.00001〜0.01重量%である。
又、本発明の他の好ましい、飲食品の塩味調節方法は、飲食品に含まれる食塩の一部を、本発明のインドール誘導体で代替することを特徴とする。例えば、減塩対象となる飲食品の製造において食塩の混合量を減らす一方で、インドール誘導体を添加する。減塩対象となる飲食品へのインドール誘導体の添加量は、減量される食塩重量の0.00001〜100重量%が好ましく、より好ましくは0.0001〜90重量%、さらに好ましくは0.001〜80重量%である。
【0040】
本発明のインドール誘導体が添加、又は含まれていても良い、飲食品は特に限定されないが、例えば、味噌、醤油、たれ、出し、ドレッシング、マヨネーズ、トマトケチャップ等の調味料、味噌汁、お吸い物、コンソメスープ、卵スープ、ワカメスープ、ポタージュ等のスープ類、そば、うどん、ラーメン、パスタ等のつゆ、ソース類、おかゆ、雑炊、お茶漬け等の米飯調理食品、ハム、ソーセージ、チーズ等の畜産加工品、ポテトチップス、煎餅、クッキー等の菓子スナック類、煮物、揚げ物、焼き物、カレー等の調理食品、更には飲料等が挙げられる。
本発明の飲食品には、本発明のインドール誘導体を含有する塩味調味料も含まれる。ここで、該塩味調味料は、食塩と、当該食塩重量に対して0.000025〜25重量%、より好ましくは0.00025〜25重量%、さらに好ましくは0.0025〜2.5重量%のインドール誘導体とを含有し、必要に応じて無機塩、酸、アミノ酸類、核酸系呈味成分、糖類、天然調味料、香辛料、賦形剤等の飲食品に使用可能な各種添加物を含有していてもよい。無機塩としては、塩化カリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられ、酸としては、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸等のカルボン酸及びそれらの塩等が挙げられる。アミノ酸類としては、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸アンモニウム、グルタミン酸マグネシウム等のグルタミン酸塩やグルタミン酸などが挙げられ、これらは食品の風味増強剤としてすでに使用されている。いずれもグルタミン酸に由来する旨味やそれぞれのカチオンに特徴的な呈味特性、例えば、アンモニウム塩における酸味等がある。核酸系呈味成分としては、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等が挙げられる。糖類としては、ショ糖、ブドウ糖、乳糖等が挙げられる。
【実施例】
【0041】
以下、本発明を、実施例、試験例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、合成された化合物の構造は核磁気共鳴スペクトル(Bruker AVANCE400 (400MHz))および、質量分析(Thermo Quest TSQ700)によって同定した。
【0042】
実施例1 (R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタン酸(化合物26)等の合成
(1)4−メチル−1H−インドール−3−イル カルバムイミドチオエートよう化水素酸塩の合成
よう化カリウム(19.0g、114.4mmol)を水225mLに溶解し、よう素水溶液(9.7g、38.1mmol、水75mL)を加え、室温にて撹拌した。この反応液を4−メチルインドール(5.0g、38.1mmol)とチオ尿素(2.9g、38.1mmol)のメタノール溶液(80ml)にゆっくり加え、さらに室温で二時間撹拌した。反応終了後、溶媒を除去し、水100mLと活性炭2gを加え、100℃にて一時間撹拌した。その後、活性炭をろ過し、ろ液を終夜冷蔵保存した。析出した結晶をろ過することで薄黄色結晶9.72gの4−メチル−1H−インドール−3−イル カルバムイミドチオエートよう化水素酸塩(9.7g、29.2mmol)を得た。
1H NMR (CDCD3) δ= 2.70 (s, 3H), 6.94 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 7.12-7.17 (m, 1H), 7.38 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H)
(2)(S)−2−ブロモ−4−メチル−ペンタン酸の合成
L−ロイシン(2.6g、20.0mmol)に2.93M臭化水素水溶液31mLを加え、氷浴にて冷却した。亜硝酸ナトリウム水溶液(2.2g、32.0mmol、水10mL)をゆっくり加え、さらに氷浴にて3時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルを加え、抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色液体(S)−2−ブロモ−4−メチル−ペンタン酸(4.7g、24.3mmol)を得た。
1H NMR (CDCD3) δ= 0.92-0.99 (m, 6H), 1.79-1.86 (m, 1H), 1.91-1.95 (m, 2H), 4.27-4.32 (m, 1H)
(3)化合物26の合成
(R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタン酸の合成
4−メチル−1H−インドール−3−イル カルバムイミドチオエートよう化水素酸塩(4.0g、12.0mmol)に2M水酸化ナトリウム水溶液18mLを加え、90℃で30分撹拌した。反応液に(S)−2−ブロモ−4−メチル−ペンタン酸(2.0g、10.0mmol)を水5mLに溶解し加え、90℃でさらに2時間反応させた。反応終了後、1M塩酸を加え、pHを約2とし、酢酸エチルを加え抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、茶色液体(R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタン酸(1.8g、6.4mmol)を得た。
【0043】
実施例2〜9
表(1−1)〜(1−4)の、化合物12、化合物13、化合物16、化合物17、化合物19、化合物20、化合物24、化合物27を実施例1と同様の方法で合成した。
【0044】
実施例10 (R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルペンタンアミド(化合物28)の合成
(R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタン酸(416.1mg、1.5mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド7.5mLに溶解し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(298.6mg、2.0mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(373.8mg、2.0mmol)を加えた。その後、2−アミノエタノール(116μL、2.0mmol)を加え、室温にて終夜反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、酢酸エチルを加え、溶解した。5%クエン酸水溶液で2回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄した後、10%飽和重曹水で2回洗浄し、最後に飽和食塩水で1回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体(R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルペンタンアミド(343.8mg、1.1mmol)を得た。
【0045】
実施例11〜25
表(1−1)〜(1−4)の、化合物1、化合物3、化合物5、化合物6、化合物7、化合物14、化合物15、化合物18、化合物21、化合物22、化合物23、化合物25、化合物29、化合物40、化合物48を実施例10と同様の方法で合成した。
【0046】
実施例26 (R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)−4−メチルペンタンアミド(化合物47)の合成
(R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタン酸(277.4mg、1.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド5mLに溶解し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(199.0mg、1.3mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(249.2mg、1.3mmol)を加えた。その後、2−アミノ−1,3−プロパンジオール(118.4mg、1.3mmol)を加え、室温にて終夜反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、酢酸エチルを加え、溶解した。5%クエン酸水溶液で2回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄した後、10%飽和重曹水で2回洗浄し、最後に飽和食塩水で1回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体(R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)−4−メチルペンタンアミド(282.8mg、0.8mmol)を得た。
【0047】
実施例27 メチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド) アセテート(化合物30)の合成
(R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタン酸(360.6mg、1.3mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド6.5mLに溶解し、グリシンメチルエステル塩酸塩(212.2mg、1.7mmol)とトリエチルアミン(305μL、2.2mmol)を加えた。その後、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(258.8mg、1.7mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(324.0mg、1.7mmol)を加え、室温にて終夜反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、酢酸エチルを加え、溶解した。5%クエン酸水溶液で2回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄した後、10%飽和重曹水で2回洗浄し、最後に飽和食塩水で1回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色液体メチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド) アセテート(396.5mg、1.1mmol)を得た。
【0048】
実施例28〜44
表(1−1)〜(1−4)の、化合物2、化合物4、化合物9、化合物10、化合物31、化合物32、化合物36、化合物37、化合物41、化合物42、化合物45、化合物49、化合物50、化合物51、化合物54、化合物55、化合物56を実施例27と同様の方法で合成した。
【0049】
実施例45 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)酢酸(化合物33)の合成
2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド) アセテート(341.9mg、1.0mmol)をメタノール:水=3:1の溶液5mLに溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液を2mL加え、室温にて1時間反応させた。反応終了後、1M塩酸を加えpHを約2とし、酢酸エチルを加え、抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)酢酸(301.0mg、0.9mmol)を得た。
【0050】
実施例46〜56
表(1−1)〜(1−4)の、化合物11、化合物34、化合物38、化合物39、化合物43、化合物44、化合物46、化合物52、化合物57、化合物58、化合物59を実施例45と同様の方法で合成した。
【0051】
実施例57 (R)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)プロパン酸(化合物35)の合成
(R)−tert−ブチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド) プロパノエート(370.6mg、0.9mmol)にジクロロメタン:6M塩酸=1:1溶液30mLを加え、室温にて3時間、70℃にて1.5時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィーにて精製し、無色結晶(R)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)プロパン酸(90.6mg、0.3mmol)を得た。
【0052】
実施例58 (S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−4−カルバモイルブタン酸(化合物53)の合成
(S)−tert−ブチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−4−カルバモイルブタノエート(259.3mg、0.56mmol)に30%トリフルオロ酢酸−ジクロロメタン溶液5.6mLを加え室温にて終夜反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィーにて精製し、白色固体(S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−4−カルバモイルブタン酸(156.2mg、0.4mmol)
【0053】
実施例59 (S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−6−アミノヘキサン酸 塩酸塩(化合物60)の合成
tert−ブチル (S)− 5−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−5−カルボキシペンチルカーバメート(1.3g、2.6mmol)をジクロロメタン25mLに溶解し、トリフルオロ酢酸(5.9mL、77.1mmol)を氷浴下加えた。室温まで自然昇温した後、終夜反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、2M 水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを約12とした後、6M塩酸を加えpHを約2とした。その後酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィーにより精製し、白色固体(S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−6−アミノヘキサン酸 塩酸塩(1.0g、2.56mmol)を得た。
実施例60 表(1−1)の、化合物8は、実施例1と同様の方法で合成した。
【0054】
上記実施例で得られた化合物の物性データ等を以下に記す。
化合物1
収率:68%
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-((S)-1-hydroxy-3-methylbutan-2-yl)-4-methylpentanamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−((S)−1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.62 (d, J= 6.8 Hz, 3H), 0.73 (d, J= 6.8 Hz, 3H), 0.79 (d, J= 6.8 Hz, 3H), 0.88 (d, J= 6.8 Hz, 3H), 0.93-0.97 (m, 12H), 1.50-1.60 (m, 2H), 1.65-1.88 (m, 6H), 2.88 (s, 3H), 2.90 (s, 3H), 3.19-3.30 (m, 2H), 3.43-3.67 (m, 6H), 6.82-6.84 (m, 2H), 7.00-7.04 (m, 2H), 7.19-7.23 (m, 2H), 7.37 (s, 1H), 7.38 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 362.6 (M+1)
【0055】
化合物2
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(trans-2-hydroxycyclohexyl)-4-methylpentanamide
収率:58%
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.92-0.97 (m, 12H), 1.12-1.89 (m, 22H), 2.88 (s, 6H), 3.08-3.14 (m, 1H), 3.22-3.24 (m, 1H), 3.37-3.43 (m, 1H), 3.46-3.53 (m, 3H), 6.82-6.84 (m, 2H), 7.00-7.04 (m, 2H), 7.21-7.23 (m, 2H), 7.38 (s, 1H), 7.42 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 374.8 (M+1)
【0056】
化合物3
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(2-hydroxyphenyl)-4-methylpentanamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(2−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタンアミド
収率:79%
1H NMR (CDCD3) δ= 0.99-1.01 (m, 6H), 1.64-1.70 (m, 1H), 1.80-1.93 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 3.69-3.73 (m, 1H), 6.73-6.77 (m, 1H), 6.82-6.86 (m, 2H), 6.96-7.04 (m, 2H), 7.20-7.22 (m, 1H), 7.33-7.35 (m, 1H), 7.38 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 368.9 (M+1)
【0057】
化合物4
収率:74%
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-ethyl-4-methylpentanamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−エチル−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.86 (t, J= 7.3 Hz, 3H), 0.92-0.96 (m, 6H), 1.50-1.57 (m, 1H), 1.62-1.71 (m, 1H), 1.78-1.85 (m, 1H), 2.87 (s, 3H), 2.96-3.10 (m, 2H), 3.40-3.44 (m, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 303.3 (M-1)
【0058】
化合物5
収率:71%
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-((S)-2-hydroxy-1-phenylethyl)-4-methylpentanamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−((S)−2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル)−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.87-0.91 (m, 6H), 0.96-0.98 (m, 6H), 1.50-1.61 (m, 3H), 1.73-1.88 (m, 3H), 2.86 (s, 3H), 2.88 (s, 3H), 3.40-3.49 (m, 2H), 3.54-3.69 (m, 4H), 4.82-4.94 (m, 2H), 6.81-6.86 (m, 2H), 6.97-7.06 (m, 4H), 7.09 (s, 1H), 7.21-7.30 (m, 11H)
MS(ESI) m/z: 394.7 (M-1)
【0059】
化合物6
収率:50%
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-((S)-1-hydroxy-3-phenylpropan-2-yl)-4-methylpentanamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−((S)−1−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン−2−イル)−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.76-0.79 (m, 6H), 0.89-0.92 (m, 6H), 1.10-1.20 (m, 1H), 1.30-1.38 (m, 1H), 1.48-1.52 (m, 1H), 1.59-1.75 (m, 3H), 2.41-2.50 (m, 2H), 2.55-2.61 (m, 1H), 2.85 (s, 3H), 2.87 (s, 3H), 2.96-3.06 (m, 2H), 3.27-3.40 (m, 3H), 3.42-3.50 (m, 1H), 3.99-4.02 (m, 1H), 4.09-4.13 (m, 2H), 6.82-6.85 (m, 2H), 7.00-7.07 (m, 3H), 7.12-7.27 (m, 13H)
MS(ESI) m/z: 408.8 (M-1)
【0060】
化合物7
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(trans-4-hydroxycyclohexyl)-4-methylpentanamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−メチルペンタンアミド
収率:89%
1H NMR (CDCD3) δ= 0.77-0.88 (m, 1H), 0.92-0.96 (m, 6H), 1.04-1.13 (m, 1H), 1.17-1.32 (m, 2H), 1.37-1.41 (m, 1H), 1.49-1.56 (m, 1H), 1.63-1.69 (m, 1H), 1.73-1.87 (m, 4H), 2.87 (s, 3H), 3.36-3.48 (m, 3H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.21 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 375.1 (M+1)
【0061】
化合物8
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanoic acid
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタン酸
収率:78%
1H NMR (CDCD3) δ= 0.90-0.95 (m, 6H), 1.56-1.61 (m, 1H), 1.72-1.81 (m, 2H), 2.86 (s, 3H), 3.41-3.45 (m, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.01-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 7.36 (s, 1H)
【0062】
化合物9
収率:74%
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-isobutyl-4-methylpentanamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−イソブチル−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.66 (d, J= 6.7 Hz, 3H), 0.74 (d, J= 6.7 Hz, 3H), 0.93-0.96 (m, 6H), 1.50-1.57 (m, 2H), 1.63-1.70 (m, 1H), 1.79-1.86 (m, 1H), 2.74-2.79 (m, 1H), 2.85-2.90 (m, 1H), 2.87 (s, 3H), 3.48-3.51 (m, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.21 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.32 (m, 1H)
MS(ESI) m/z: 333.3 (M+1)
【0063】
化合物10
収率:89%
Methyl 2-(2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)acetate
メチル 2−(2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド) アセテート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.93-0.96 (m, 6H), 1.54-1.60 (m, 1H), 1.72-1.87 (m, 2H), 2.86 (s, 3H), 3.47-3.51 (m, 1H), 3.69 (d, J= 17.4 Hz, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.89 (d, J= 17.4 Hz, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.21-7.22 (m, 1H), 7.42 (s, 1H)
【0064】
化合物11
収率:quant.
2-(2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)acetic acid
2−(2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)酢酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.93-0.96 (m, 6H), 1.54-1.60 (m, 1H), 1.75-1.87 (m, 2H), 2.86 (s, 3H), 3.47-3.50 (m, 1H), 3.63 (d, J= 17.7 Hz, 1H), 3.91 (d, J= 17.7 Hz, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 335.1 (M+1)
【0065】
化合物12
2-(1H-Indol-3-ylthio)-4-methylpentanoic acid
2−(1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.89-1.01 (m, 6H), 1.54-1.94 (m, 3H), 3.40-3.44 (m, 1H), 7.09-7.18 (m, 2H), 7.39-7.43 (m, 2H), 7.68-7.70 (m, 1H)
【0066】
化合物13
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)propanoic acid
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)プロパン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 1.38 (d, J= 7.1 Hz, 3H), 2.85 (s, 3H), 3.45-3.50 (m, 1H), 6.81-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.21-7.23 (m, 1H), 7.36-7.37 (m, 1H)
【0067】
化合物14
収率:24%
2-(1H-Indol-3-ylthio)-N-(2-hydroxyethyl)-4-methylpentanamide
2−(1H−インドール−3−イルチオ)−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.92-0.96 (m, 6H), 1.53-1.59 (m, 1H), 1.73-1.80 (m, 2H), 3.08-3.18 (m, 2H), 3.37-3.47 (m, 3H), 7.11-7.18 (m, 2H), 7.39-7.42 (m, 2H), 7.67-7.69 (m, 1H)
MS(ESI) m/z: 307.2 (M+1)
【0068】
化合物15
収率:44%
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(2-hydroxyethyl)propanamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(2−ヒドロキシエチル)プロパンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 1.41 (d, J= 7.1 Hz, 3H), 2.85 (s, 3H), 3.12-3.24 (m, 2H), 3.35-3.39 (m, 1H), 3.42-3.50 (m, 2H), 6.82-6.85 (m, 1H), 7.00-7.05 (m, 1H), 7.23 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.38 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 279.0 (M+1)
【0069】
化合物16
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)acetic acid
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)酢酸
1H NMR (CDCD3) δ= 2.84 (s, 3H), 3.35 (s, 2H), 6.80 (d, J= 7.5 Hz, 1H), 6.97-7.02 (m, 1H), 7.19 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.37 (s, 1H)
【0070】
化合物17
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)butanoic acid
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)ブタン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.97-1.02 (m, 3H), 1.76-1.82 (m, 2H), 2.83 (s, 3H), 3.23-3.30 (m, 1H), 6.80 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 6.97-7.02 (m, 1H), 7.19 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H)
【0071】
化合物18
収率:62%
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(2-hydroxyethyl)acetamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(2−ヒドロキシエチル)アセトアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 2.85 (s, 3H), 3.19-3.23 (m, 2H), 3.29-3.32 (m, 2H), 3.43-3.47 (m, 2H), 6.80-6.82 (m, 1H), 6.98-7.03 (m, 1H), 7.20 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.39 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 265.1 (M+1)
【0072】
化合物19
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)pentanoic acid
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)ペンタン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.89-0.96 (m, 3H), 1.37-1.49 (m, 2H), 1.64-1.83 (m, 2H), 2.83 (s, 3H), 3.29-3.36 (m, 1H), 6.80 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 6.97-7.02 (m, 1H), 7.69 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H)
【0073】
化合物20
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-3-methylbutanoic acid
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−3−メチルブタン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 1.05 (d, J= 6.6 Hz, 3H), 1.20 (d, J= 6.6 Hz, 3H), 1.98-2.13 (m, 1H), 2.84 (s, 3H), 3.16 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 6.79 (d, J= 6.9 Hz, 1H), 6.96-7.02 (m, 1H), 7.19 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.32 (s, 1H)
【0074】
化合物21
収率:68%
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(2-hydroxyethyl)butanamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(2−ヒドロキシエチル)ブタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.97-1.02 (m, 3H), 1.73-1.85 (m, 2H), 2.84 (s, 3H), 3.13-3.18 (m, 2H), 3.27-4.85 (m, 3H), 6.80 (d, J= 7.5 Hz, 1H), 6.97-7.02 (m, 1H), 7.20 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.34 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 293.0 (M+1)
【0075】
化合物22
収率:87%
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(2-hydroxyethyl)pentanamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(2−ヒドロキシエチル)ペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.91-0.95 (m, 3H), 1.38-1.45 (m, 2H), 1.65-1.83 (m, 2H), 2.84 (s, 3H), 3.11-3.16 (m, 2H), 3.27-4.85 (m, 3H), 6.80 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 6.97-7.02 (m, 1H), 7.20 (d, J= 8.1 Hz, 1H) , 7.33 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 307.2 (M+1)
【0076】
化合物23
収率:56%
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(2-hydroxyethyl)-3-methylbutanamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルブタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 1.00 (d, J= 6.6 Hz, 3H), 1.21 (d, J= 6.6 Hz, 3H), 2.03-2.10 (m, 1H), 2.85 (s, 3H), 3.09-3.16 (m, 2H), 3.23-4.85 (m, 3H), 6.80 (d, J= 7.5 Hz, 1H), 6.97-7.02 (m, 1H), 7.19 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.32 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 307.0 (M+1)
【0077】
化合物24
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-2-phenylacetic acid
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−2−フェニル酢酸
1H NMR (CDCD3) δ= 2.80 (s, 3H), 4.58 (s, 1H), 6.79-6.81 (m, 1H), 6.98-7.03 (m, 1H), 7.10 (s, 1H), 7.17-7.30 (m, 6H)
【0078】
化合物25
収率:90%
2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(2-hydroxyethyl)-2-phenylacetamide
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−フェニルアセトアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 2.85 (s, 3H), 3.19-3.23 (m, 2H), 3.38-3.48 (m, 2H), 4.61 (s, 1H), 6.80-6.83 (m, 1H), 6.98-7.03 (m, 1H), 7.18-7.44 (m, 7H)
MS(ESI) m/z: 341.0 (M+1)
【0079】
化合物26
(R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanoic acid
(R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.87-0.96 (m, 6H), 1.53-1.58 (m, 1H), 1.60-1.82 (m, 2H), 2.83 (s, 3H), 3.39-3.44 (m, 1H), 6.80 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 6.97-7.02 (m, 1H), 7.20 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H)
【0080】
化合物27
(S)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanoic acid
(S)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.87-0.96 (m, 6H), 1.51-1.59 (m, 1H), 1.60-1.82 (m, 2H), 2.83 (s, 3H), 3.38-3.43 (m, 1H), 6.80 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 6.97-7.02 (m, 1H), 7.20 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H)
【0081】
化合物28
収率:72%
(R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(2-hydroxyethyl)-4-methylpentanamide
(R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.90-0.94 (m, 6H), 1.51-1.58 (m, 1H), 1.65-1.82 (m, 2H), 2.84 (s, 3H), 3.09-3.14 (m, 2H), 3.23-3.45 (m, 3H), 6.81 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 6.98-7.03 (m, 1H), 7.20 (d, J= 7.5 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 321.1 (M+1)
【0082】
化合物29
(S)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(2-hydroxyethyl)-4-methylpentanamide
(S)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.90-0.94 (m, 6H), 1.51-1.58 (m, 1H), 1.63-1.83 (m, 2H), 2.84 (s, 3H), 3.09-3.14 (m, 2H), 3.23-3.45 (m, 3H), 6.81 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 6.98-7.03 (m, 1H), 7.20 (d, J= 7.5 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H)
【0083】
化合物30
収率:88%
Methyl 2-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)acetate
メチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド) アセテート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.93-0.96 (m, 6H), 1.54-1.60 (m, 1H), 1.71-1.87 (m, 2H), 2.86 (s, 3H), 3.47-3.51 (m, 1H), 3.69 (d, J= 17.4 Hz, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.89 (d, J= 17.4 Hz, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.21-7.22 (m, 1H), 7.42 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 349.2 (M+1)
【0084】
化合物31
収率:87%
(S)-Methyl
2-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)propanoate
(S)−メチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド) プロパノエート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.92-0.98 (m, 6H), 1.24-1.27 (m, 3H), 1.54-1.61 (m, 1H), 1.64-1.75 (m, 1H), 1.79-1.86 (m, 1H), 2.87 (s, 3H), 3.46-3.51 (m, 1H), 3.64 (s, 3H), 4.29-4.34 (m, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 9.6 Hz, 1H), 7.40 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 363.2 (M+1)
【0085】
化合物32
収率:81%
(R)-tert-Butyl 2-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)propanoate
(R)−tert−ブチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド) プロパノエート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.91-0.99 (m, 9H), 1.42 (s, 9H), 1.48-1.58 (m, 1H), 1.69-1.79 (m, 1H), 1.81-1.89 (m, 1H), 2.86 (s, 3H), 3.49-3.53 (m, 1H), 4.05-4.16 (m, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.36 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 403.2 (M-1)
【0086】
化合物33
収率:92%
2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)acetic acid
2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)酢酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.93-0.96 (m, 6H), 1.54-1.60 (m, 1H), 1.75-1.87 (m, 2H), 2.86 (s, 3H), 3.47-3.50 (m, 1H), 3.63 (d, J= 17.7 Hz, 1H), 3.91 (d, J= 17.7 Hz, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 335.1 (M+1)
【0087】
化合物34
収率:86%
(S)-2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)propanoic acid
(S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)プロパン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.90-0.97 (m, 6H), 1.29 (d, J= 7.3 Hz, 3H), 1.55-1.62 (m, 1H), 1.70-1.75 (m, 1H), 1.79-1.86 (m, 1H), 2.87 (s, 3H), 3.45-3.49 (m, 1H), 4.27-4.32 (m, 1H), 6.81-6.83 (m, 1H), 7.00-7.03 (m, 1H), 7.21 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.42 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 346.9 (M-1)
【0088】
化合物35
収率:28%
(R)-2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)propanoic acid
(R)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)プロパン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.79-0.87 (m, 9H), 1.38-1.44 (m, 1H), 1.62-1.74 (m, 2H), 2.74 (s, 3H), 3.39-3.43 (m, 1H), 4.05-4.11 (m, 1H), 6.71-6.73 (m, 1H), 6.89-6.93 (m, 1H), 7.09-7.11 (m, 1H), 7.25 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 349.2 (M+1)
【0089】
化合物36
収率:90%
(S)-Methyl 2-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-3-hydroxypropanoate
(S)−メチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−3−ヒドロキシプロパノエート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.94-0.97 (m, 6H), 1.56-1.63 (m, 1H), 1.72-1.86 (m, 2H), 2.86 (s, 3H), 3.52-3.56 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 3.67-3.70 (m, 1H), 3.74-3.78 (m, 1H), 4.41-4.44 (m, 1H), 6.83 (d, J= 7.1 Hz, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 379.2 (M+1)
【0090】
化合物37
収率:81%
(S)-Methyl 2-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-3-(1H-indol-3-yl)propanoate
(S)−メチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−3−(1H−インドール−3−イル)プロパノエート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.74-0.79 (m, 6H), 1.23-1.31 (m, 1H), 1.37-1.44 (m, 1H), 1.60-1.67 (m, 1H), 2.82 (s, 3H), 2.98-3.00 (m, 1H), 3.18-3.23 (m, 1H), 3.36 (s, 3H), 3.38-3.41 (m, 1H), 4.72-4.76 (m, 1H), 6.81 (d, J= 7.1 Hz, 1H), 6.97-7.27 (m, 6H), 7.12 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.46 (d, J= 8.1 Hz, 1H)
MS(ESI) m/z: 478.2 (M+1)
【0091】
化合物38
収率:94%
(S)-2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-3-hydroxypropanoic acid
(S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−3−ヒドロキシプロパン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.93-0.97 (m, 6H), 1.58-1.64 (m, 1H), 1.75-1.86 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.50-3.58 (m, 1H), 3.68-3.76 (m, 1H), 3.81-3.85 (m, 1H), 4.38-4.41 (m, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.05 (m, 1H), 7.20-7.23 (m, 1H), 7.46 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 362.5 (M-1)
【0092】
化合物39
収率:quant.
(S)-2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-3-(1H-indol-3-yl)propanoic acid
(S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−3−(1H−インドール−3−イル)プロパン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.72-0.79 (m, 6H), 1.24-1.35 (m, 1H), 1.38-1.47 (m, 1H), 1.60-1.67 (m, 1H), 2.81 (s, 3H), 2.98-3.10 (m, 1H), 3.26-3.42 (m, 2H), 4.70-4.74 (m, 1H), 6.79-6.82 (m, 1H), 6.97-7.21 (m, 6H), 7.32-7.34 (m, 1H), 7.50-7.52 (m, 1H)
MS(ESI) m/z: 461.7 (M-1)
【0093】
化合物40
収率:58%
(R)-N-((2-Hydroxyethylcarbamoyl)methyl)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamide
(R)−N−((2−ヒドロキシエチルカルバモイル)メチル)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.90-0.97 (m, 6H), 1.56-1.63 (m, 1H), 1.72-1.86 (m, 2H), 2.86 (s, 3H), 3.20-3.37 (m, 2H), 3.50-3.58 (m, 3H), 3.61 (d, J= 16.4 Hz, 1H), 3.79 (d, J= 16.4 Hz, 1H), 6.83-6.85 (m, 1H), 7.01-7.05 (m, 1H), 7.23 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 375.8 (M-1)
【0094】
化合物41
収率:92%
(S)-Methyl 2-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-4-methylpentanoate
(S)−メチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−4−メチルペンタノエート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.86-0.98 (m, 12H), 1.47-1.88 (m, 6H), 2.87 (s, 3H), 3.51-3.55 (m, 1H), 3.62 (s, 3H), 4.42-4.46 (m, 1H), 6.83 (d, J= 7.1 Hz, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.37 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 405.2 (M+1)
【0095】
化合物42
収率:94%
(S)-Methyl 2-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-4-(methylthio)butanoate
(S)−メチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−4−(メチルチオ)ブタノエート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.93-0.98 (m, 6H), 1.53-1.60 (m, 1H), 1.65-1.72 (m, 1H), 1.81-1.90 (m, 2H), 1.96-2.10 (m, 4H), 2.27-2.34 (m, 1H), 2.40-2.45 (m, 1H), 2.87 (s, 3H), 3.51-3.55 (m, 1H), 3.64 (s, 3H), 4.45-4.49 (m, 1H), 6.83 (d, J= 7.1 Hz, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.38 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 423.2 (M+1)
【0096】
化合物43
収率:34%
(S)-2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-4-methylpentanoic acid
(S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−4−メチルペンタン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.87-0.95 (m, 12H), 1.56-1.61 (m, 2H), 1.71-1.78 (m, 2H), 1.80-1.86 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.47-3.51 (m, 1H), 4.35-4.42 (m, 1H), 6.81-6.83 (m, 1H), 7.00-7.03 (m, 1H), 7.21 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 7.38 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 389.0 (M-1)
【0097】
化合物44
収率:47%
(S)-2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-4-(methylthio)butanoic acid
(S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−4−(メチルチオ)ブタン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.90-0.97 (m, 6H), 1.54-1.62 (m, 1H), 1.68-1.76 (m, 1H), 1.79-1.94 (m, 2H), 2.00 (s, 3H), 2.03-2.17 (m, 1H), 2.30-2.43 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.48-3.52 (m, 1H), 4.36-4.39 (m, 1H), 6.81-6.84 (m, 1H), 6.99-7.04 (m, 1H), 7.21-7.24 (m, 1H), 7.39 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 407.0 (M-1)
【0098】
化合物45
収率:87%
(R)-Methyl 2-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-3-hydroxypropanoate
(R)−メチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−3−ヒドロキシプロパノエート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.93-0.97 (m, 6H), 1.53-1.60 (m, 1H), 1.73-1.86 (m, 2H), 2.86 (s, 3H), 3.31-3.35 (m, 1H), 3.54-3.58 (m, 1H), 3.63-3.67 (m, 1H), 3.70 (s, 3H), 4.33-4.36 (m, 1H), 6.84 (d, J= 7.1 Hz, 1H), 7.01-7.05 (m, 1H), 7.23 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.42 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 379.1 (M+1)
【0099】
化合物46
収率:42%
(R)-2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-3-hydroxypropanoic acid
(R)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−3−ヒドロキシプロパン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.96-0.97 (m, 6H), 1.55-1.65 (m, 1H), 1.78-1.89 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.40-3.44 (m, 1H), 3.54-3.57 (m, 1H), 3.61-3.75 (m, 1H), 4.25-4.39 (m, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.21-7.23 (m, 1H), 7.47 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 365.9(M+1)
【0100】
化合物47
収率:80%
(R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(1,3-dihydroxypropan-2-yl)-4-methylpentanamide
(R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.92-0.98 (m, 6H), 1.30-1.47 (m, 1H), 1.69-1.85 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.17-3.21 (m, 1H), 3.32-3.38 (m, 2H), 3.49-3.53 (m, 2H), 3.77-3.82 (m, 1H), 6.82-6.85 (m, 1H), 7.01-7.05 (m, 1H), 7.23 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.40 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 351.1(M+1)
【0101】
化合物48
収率:7%
(2R)-N-(2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-2-ylthio)4-methylpentanamido)ethyl)
-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamide
(2R)−N−(2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−2−イルチオ)4−メチルペンタンアミド)エチル)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.90-0.94 (m, 12H), 1.50-1.57 (m, 2H), 1.62-1.79 (m, 4H), 2.68-2.75 (m, 2H), 2.84 (s, 6H), 2.86-2.90 (m, 2H), 3.32-3.37 (m, 2H), 6.82-6.84 (m, 2H), 7.01-7.05 (m, 2H), 7.23-7.25 (m, 2H), 7.31-7.32 (m, 2H)
MS(ESI) m/z: 576.6(M-1)
【0102】
化合物49
収率:86%
(R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-N-(carbamoylmethyl)-4-methylpentanamide
(R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−N−(カルバモイルメチル)−4−メチルペンタンアミド
1H NMR (CDCD3) δ= 0.94-0.97 (m, 6H), 1.57-1.62 (m, 1H), 1.75-1.84 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.50-3.54 (m, 1H), 3.62 (d, J= 16.8 Hz, 1H), 3.76 (d, J= 16.8 Hz, 1H), 6.83-6.85 (m, 1H), 7.01-7.05 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.40 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 334.2 (M+1)
【0103】
化合物50
収率:78%
(S)-Dimethyl 2-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)pentanedioate
(S)−ジメチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)ペンタンジオエート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.93-0.97 (m, 6H), 1.53-1.60 (m, 1H), 1.65-1.70 (m, 1H), 1.76-1.87 (m, 2H), 2.04-2.11 (m, 1H), 2.23-2.27 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.50-3.54 (m, 1H), 3.63 (s, 3H), 3.65 (s, 3H), 4.33-4.37 (m, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.38 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 435.1 (M+1)
【0104】
化合物51
収率:72%
(S)-tert-Butyl 2-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-4-carbamoylbutanoate
(S)−tert−ブチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−4−カルバモイルブタノエート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.92-0.96 (m, 6H), 1.47 (s, 9H), 1.55-1.62 (m, 1H), 1.69-1.76 (m, 1H), 1.80-1.89 (m, 2H), 1.97-2.00 (m, 1H), 2.11-2.18 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.48-3.52 (m, 1H), 4.15-4.18 (m, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.42 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 460.1 (M-1)
【0105】
化合物52
収率:29%
(S)-2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)pentanedioic acid
(S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)ペンタンジオン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.90-0.97 (m, 6H), 1.54-1.61 (m, 1H), 1.68-1.75 (m, 1H), 1.81-1.91 (m, 2H), 2.03-2.15 (m, 1H), 2.25-2.29 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.47-3.51 (m, 1H), 4.32-4.36 (m, 1H), 6.81-6.83 (m, 1H), 7.00-7.03 (m, 1H), 7.21 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 405.1 (M-1)
【0106】
化合物53
収率:70%
(S)-2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-4-carbamoylbutanoic acid
(S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−4−カルバモイルブタン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.90-0.96 (m, 6H), 1.52-1.61 (m, 1H), 1.75-1.83 (m, 2H), 1.90-2.05 (m, 1H), 2.15-2.30 (m, 3H), 2.49 (s, 3H), 3.60-3.64 (m, 1H), 4.30-4.40 (m, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.78-6.80 (m, 1H), 6.99-7.03 (m, 1H), 7.19-7.21 (m, 1H)
MS(ESI) m/z: 406.0 (M+1)
【0107】
化合物54
収率:80%
(2S,3R)-Methyl 2-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-3-hydroxybutanoate
(2S、3R)−メチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−3−ヒドロキシブタノエート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.94-0.97 (m, 6H), 1.10 (d, J= 6.4 Hz, 3H), 1.56-1.63 (m, 1H), 1.69-1.76 (m, 1H), 1.81-1.88 (m, 1H), 2.88 (s, 3H), 3.59-3.62 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 4.16-4.22 (m, 1H), 4.44 (d, J= 3.3 Hz, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.01-7.04 (m, 1H), 7.20 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.42 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 391.1 (M-1)
【0108】
化合物55
収率:quant.
(S)-Methyl 2-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-3-(4-hydroxyphenyl)propanoate
(S)−メチル 2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−3−(4−ヒドロキシフェニル) プロパノエート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.79-0.84 (m, 6H), 1.20-1.30 (m, 1H), 1.38-1.45 (m, 1H), 1.64-1.71 (m, 1H), 2.66-2.71 (m, 1H), 2.84 (s, 3H), 2.95-3.00 (m, 1H), 3.39-3.43 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 4.61-4.65 (m, 1H), 6.65-6.68 (m, 2H), 6.81-6.83 (m, 1H), 6.92-6.96 (m, 2H), 7.00-7.05 (m, 1H), 7.21-7.22 (m, 2H)
MS(ESI) m/z: 453.1 (M-1)
【0109】
化合物56
収率:quant.
tert-Butyl (S)-5-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-5-(methoxycarbonyl)pentylcarbamate
tert−ブチル (S)− 5−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−5−(メトキシカルボニル)ペンチルカーバメート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.93-0.97 (m, 6H), 1.20-1.28 (m, 1H), 1.39-1.49 (m, 12H), 1.53-1.60 (m, 2H), 1.64-1.73 (m, 2H), 1.80-1.87 (m, 1H), 2.87 (s, 3H), 2.95-2.99 (m, 2H), 3.51-3.55 (m, 1H), 3.63 (s, 3H), 4.29-4.33 (m, 1H), 6.82-6.84 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.38 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 520.2 (M+1)
【0110】
化合物57
収率:51%
(2S,3R)-2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-3-hydroxybutanoic acid
(2S、3R)2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−3−ヒドロキシブタン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.93-0.96 (m, 6H), 1.08 (d, J= 5.8 Hz, 3H), 1.58-1.65 (m, 1H), 1.75-1.87 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.50-3.53 (m, 1H), 4.13-4.30 (m, 2H), 6.81-6.83 (m, 1H), 6.99-7.03 (m, 1H), 7.21 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.47 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 377.5 (M-1)
【0111】
化合物58
収率:87%
(S)-2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-3-(4-hydroxyphenyl)propanoic acid
(S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸
1H NMR (CDCD3) δ= 0.79-0.86 (m, 6H), 1.39-1.49 (m, 2H), 1.68-1.74 (m, 1H), 2.76-2.86 (m, 4H), 3.05-3.09 (m, 1H), 3.35-3.37 (m, 1H), 4.51-4.54 (m, 1H), 6.63-6.65 (m, 2H), 6.79-6.81 (m, 1H), 6.97-7.01 (m, 3H), 7.17-7.21 (m, 2H)
MS(ESI) m/z: 438.9 (M-1)
【0112】
化合物59
収率:quant.
tert-Butyl (S)-5-((R)-2-(4-methyl-1H-indol-3-ylthio)
-4-methylpentanamido)-5-carboxy-pentylcarbamate
tert−ブチル (S)− 5−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−5−カルボキシペンチルカーバメート
1H NMR (CDCD3) δ= 0.92-0.97 (m, 6H), 1.39-1.47 (m, 12H), 1.55-1.88 (m, 6H), 2.87 (s, 3H), 2.96-3.00 (m, 1H), 3.37 (s, 1H), 3.49-3.53 (m, 1H), 4.29-4.32 (m, 1H), 6.82-6.83 (m, 1H), 7.00-7.04 (m, 1H), 7.22 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 7.40 (s, 1H)
MS(ESI) m/z: 506.2 (M+1)
【0113】
化合物60
収率:quant.
(S)-2-((R)-2-(4-Methyl-1H-indol-3-ylthio)-4-methylpentanamido)-6-aminohexanoic acid hydrochloride
(S)−2−((R)−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イルチオ)−4−メチルペンタンアミド)−6−アミノヘキサン酸 塩酸塩
1H NMR (CDCD3) δ= 0.90-0.99 (m, 6H), 1.49-1.90 (m, 9H), 2.49 (s, 3H), 2.64-2.73 (m, 2H), 3.67-3.71 (m, 1H), 4.24-4.27 (m, 1H), 6.63 (s, 1H), 6.78-6.80 (m, 1H), 6.99-7.03 (m, 1H), 7.21-7.23 (m, 1H)
MS(ESI) m/z: 406.2 (M+1)
【0114】
これら化合物の化合物番号と構造式との対応を表(1−1)〜(1−4)に記す。
【0115】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【0116】
試験例1 ENaC活性化能(刺激活性)の測定
アフリカツメガエルの卵母細胞採取、卵母細胞へのcRNAのマイクロインジェクション、二電極膜電位固定法による電流値測定は、文献1(中村元直、清水孝雄著:アフリカツメガエル卵母細胞の実験、実験医学 Vol.11, No.3、224-232 (1993))に記載の方法でおこなった。
ただし本発明では、文献1中のMBS緩衝液の代わりに、ND96(96mM NaCl, 2mM KCl, 1mM MgCl2, 5mM Hepes, 1.8mM CaCl2、pH7.6)を用いた。また、マイクロインジェクションはWorld Precision Instruments 社製のインジェクターNANOLITER 2000を用い、二電極膜電位固定法による電流値測定は、Molecular Devices社製 OpusXpress 6000Aを用い、データ解析は、Molecular Devices社製Clampfit 10.2ソフトウエアを用いた。
配列番号1、3、5に示したヒトのENaCα、β、γサブユニットの遺伝子を、ぞれぞれプラスミドベクターにクローニングして、cRNA合成のための鋳型DNAとして用いた。cRNAの合成は、Ambion社製MEGAscriptキットを使い、方法はメーカーのマニュアルに従った。
アフリカツメガエルの卵母細胞に、ENaC α、βおよびγサブユニットのcRNA (0.4μg/μL)を等量ずつ混合したものを、卵母細胞一個あたり27.6nLインジェクションし、16時間から72時間培養した。そして測定装置OpusXpress 6000Aに卵母細胞をセットし、電極を卵母細胞に挿入して、二電極膜電位固定法にて静止膜電位よりも-30mV低い値に電圧をクランプし、電流値を測定した。
ENaC活性化能を測定するために、各種化合物で卵母細胞を刺激し、電流が増加しはじめたときの化合物の最小有効濃度 (minimum effective dose、以下MEDと略すこともある)を測定した。この際、化合物添加前の無刺激状態の電流値に比べて、10%以上電流値が増加した刺激化合物の最小有効濃度を、MEDとした。MEDが小さいほど、ENaCの活性化能が高いことを示している。
【0117】
評価対象の化合物は、直接ND96に溶かすか、あるいは、まず100mM になるようにDimethyl sulfoxide (DMSO)に溶解し、ついでND96で、評価に使用する濃度になるように希釈し調製した。ND96中の化合物の濃度は、0.1nM 〜 300μM の範囲で、さまざまな濃度に調製した。なお、調製液中に含まれる濃度のDMSOは、ENaCの電流値に影響を及ぼさない。
ENaC発現卵母細胞をセットした測定装置OpusXpress 6000Aには、灌流液としてND96を0.5mL/分の速度で流し、3分ごとに灌流液を一時停止して、ND96に溶かした評価対象の化合物溶液0.25mLを0.5mL/分の速度で添加した。こうして、評価対象の化合物がENaC発現卵母細胞に触れるようにし、化合物によってENaCが活性化されるかどうかを、電流値を測定することによって調べた。化合物の添加終了後、灌流液の送液を再開し化合物を洗い流し、次の化合物添加に備えた。
化合物は、低濃度から高濃度まで、順番に添加して、ENaC発現卵母細胞を刺激した。実際に添加した濃度は、例えば、ひとつの化合物を、1nM, 3nM, 10nM, 30nM, 100nM, 300nM、あるいは、1μM, 3μM, 10μM, 30μM, 100μM, 300μM といった具合にした。低濃度から高濃度まで、それぞれ3分間隔で添加した。また、第一の化合物について、低濃度から高濃度まで添加した後、第二、第三の化合物についても同様に同一の卵母細胞に続けて添加し、電流値の変化を測定した。電流値は、実験開始から終了まで、連続測定した。
化合物添加直前の無刺激状態の電流値に対して、化合物添加後に電流値がはじめて10%以上増加したとき、そのときの化合物濃度をMEDとした。MED測定の一例として、化合物36でENaC発現卵母細胞を刺激したときの電流値グラフを示した(図1)。このように、化合物36の濃度を、低濃度から高濃度まで変化させて電流値の変化を調べた結果、100nMで、はじめて電流値が10%以上増加した。よって、化合物36のMEDは100nMと判定された。
同様にして、化合物7、8、11、25、26、28、33、36、38、36、40、45および47についてMEDを測定したデータを表2に示す。
【0118】
【表2】

このように、本発明の化合物がENaC活性化能を有することが確認された。なお、表2に記載した化合物以外の実施例化合物についてもいずれもENaC刺激活性を有することが確認された。また、これらの化合物群は下記試験例2に記載された方法に従って、塩味増強活性を有することを確認することができる。
【0119】
[試験例2] 化合物S3969のヒトの塩味増強活性評価
ENaC活性化作用を有する化合物S3969、N-(2-hydroxyethyl)-4-methyl-2-[(4-methyl-1H-indol-3-yl)thio]pentanamide、について定量的な官能評価試験によりヒトの塩味増強活性の有無を調べた。なお、S3969は非特許文献4の記載に準じた改良法によって合成したものを用いた。
定量的官能評価試験は以下のように実施した。塩化ナトリウム(0.4g/dl)を含有する蒸留水に、試料として化合物S3969を0.0001〜0.002g/dlにて混合した場合の、塩味増強活性の強度を測定した。塩化ナトリウム(0.6g/dl)を含有する蒸留水をポジティブコントロールとした。官能評点について、コントロール:1点、やや強い:2点、強い:3点、かなり強い:4点、非常に強い:5点として、n=5で実施した。評点3はコントロールの1.25倍の塩味、評点5はコントロールの1.5倍の塩味(ポジティブコントロールの塩味)とした。尚、「中後味」とは、中味と後味を合わせたものである。結果を下記表3に示した。このように、ENaC活性化作用を有する化合物が優れたヒトの塩味増強作用を有することが見出された。
【0120】
【表3】

【0121】
本発明の塩味増強剤は、飲食品の呈味性を低下させることなく減塩を行うために使用することができうるため、各種飲食品、特に、食塩摂取量を制限したい対象者のための飲食品又は調味料として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表されるインドール誘導体またはその可食性の塩を含有する、ヒト用飲食品の塩味増強剤。

[式(I)中、
R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、ハロゲノ基、水酸基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、メルカプト基、低級アルコキシ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、又は低級アルキルチオ基を示し、
R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、
Xは、−OR7、−NR8R9、又は−NH−(CH)n−NH−Yで表される基を示し、
R7は、水素原子又は低級アルキル基を示し、
R8およびR9は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシ低級シクロアルキル基、または、−CH(Ra)CORbもしくは−CH(Ra’)CHOHで表される基を示し、
RaおよびRa’は、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を示し、
Rbは、水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、又は2−ヒドロキシエチルアミノ基を示し、
nは1、2、又は3であり、
Yは下記式(I−2)で表される基を示し、

(式(I−2)中、
R’1、R’、R’、及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、ハロゲノ基、水酸基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、メルカプト基、低級アルコキシ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、又は低級アルキルチオ基を示し、
R’およびR’は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示す。)
ここで、
置換基を有してもよい低級アルキル基における置換基とは、水酸基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、メルカプト基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、グアニジノ基、置換基を有してもよいアリール基、及び置換基を有してもよいヘテロアリール基からなる群より選択される1から2の置換基であり、
置換基を有してもよいアリール基及び置換基を有してもよいヘテロアリール基における置換基とは、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、ハロゲノ基、水酸基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、メルカプト基、低級アルコキシ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、及び低級アルキルチオ基からなる群より選択される1から7の置換基である。]
【請求項2】
請求項1に記載の一般式(I)で表されるインドール誘導体またはその可食性の塩と、飲食品とを混合する工程を含む、ヒト用飲食品の塩味を調節する方法。
【請求項3】
既存の飲食品に含まれる食塩の一部を、請求項1に記載の一般式(I)で表されるインドール誘導体またはその可食性の塩で代替することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1に記載の一般式(I)で表されるインドール誘導体またはその可食性の塩を含有するヒト用飲食品。
【請求項5】
下記式(II)で表されるインドール誘導体またはその可食性の塩。

[式(II)中、
R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、ハロゲノ基、水酸基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、メルカプト基、低級アルコキシ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、又は低級アルキルチオ基を示し、
R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、
は、−NR8R9、又は−NH−(CH)n−NH−Yで表される基を示し、
R8およびR9は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシ低級シクロアルキル基、または、−CH(Ra)CORbもしくは−CH(Ra’)CHOHで表される基を示し、
RaおよびRa’は、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を示し、
Rbは、水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、又は2−ヒドロキシエチルアミノ基を示し、
nは1、2、又は3であり、
Yは下記式(I−2)で表される基を示し、

(式(I−2)中、
R’1、R’、R’、及びR’は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、ハロゲノ基、水酸基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、メルカプト基、低級アルコキシ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、又は低級アルキルチオ基を示し、
R’およびR’は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい低級アルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示す。)
ここで、
置換基を有してもよい低級アルキル基における置換基とは、水酸基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、メルカプト基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、グアニジノ基、置換基を有してもよいアリール基、及び置換基を有してもよいヘテロアリール基からなる群より選択される1から2の置換基であり、
置換基を有してもよいアリール基及び置換基を有してもよいヘテロアリール基における置換基とは、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シアノ基、ホルミル基、低級アルキルカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、アミジノ基、グアニジノ基、ハロゲノ基、水酸基、低級アルキル基で置換されてもよいアミノ基、メルカプト基、低級アルコキシ基、ホルミルアミノ基、低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、及び低級アルキルチオ基からなる群より選択される1から7の置換基である。
ただし、R1がメチル基、R2、R3およびR4が水素原子、R5及びR6の一方が水素原子をもう一方がイソブチル基を表し、Xが−NR8R9で示される基を表し、R8及びR9の一方が水素原子をもう一方が2−ヒドロキシエチル基を表す化合物は除く。]
【請求項6】
下記いずれかのインドール誘導体またはその可食性の塩:
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)プロピオン酸、
(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)酢酸、
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)酪酸、
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)ペンタン酸、
3−メチル−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)酪酸、
2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)―2−フェニル酢酸、
4−メチル−2−(1H−インドール−3−イル−チオ)ペンタン酸。
【請求項7】
下記のインドール誘導体またはその可食性の塩:
(R)−4−メチル−2−(4−メチル−1H−インドール−3−イル−チオ)ペンタン酸。
【請求項8】
請求項5乃至7に記載のインドール誘導体又はその可食性の塩を含有する塩味増強剤。
【請求項9】
請求項5乃至7に記載のインドール誘導体又はその可食性の塩と、飲食品とを混合する工程を含む、飲食品の塩味を調節する方法。
【請求項10】
混合されるインドール誘導体又はその可食性の塩の量が、前記飲食品の喫食時の重量に対して0.0000001〜1重量%である塩味増強方法である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
既存飲食品に含まれる食塩の一部を、インドール誘導体又はその可食性の塩で代替することを特徴とする飲食品の減塩方法である、請求項9記載の方法。
【請求項12】
請求項5乃至7に記載のインドール誘導体又はその可食性の塩を含有する飲食品。
【請求項13】
食塩と、当該食塩重量に対して0.000025〜250重量%のインドール誘導体又はその可食性の塩とを含有する塩味調味料である、請求項12記載の飲食品。
【請求項14】
さらに、グルタミン酸、グルタミン酸塩、核酸系呈味成分、乳酸、乳酸塩、リンゴ酸、リンゴ酸塩、クエン酸、クエン酸塩、コハク酸及びコハク酸塩からなる群より選択される1種又は2種以上を添加してなる請求項13に記載の塩味調味料。

【図1】
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【公開番号】特開2012−191850(P2012−191850A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172727(P2009−172727)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】