説明

インナフライス

本発明は、環状工具支持体(11)の内側ケーシングに切削インサートが備えられた環状工具支持体(11)を備えるインナフライスに関する。工具支持体(11)は機械ホルダ(10)に締結される。本発明によれば、バヨネット式結合部が工具支持体(11)と機械ホルダ(10)との間に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状工具支持体を有するインナフライスであって、前記環状工具支持体の内側面に切削インサートが取り付けられ、前記環状工具支持体が機械ホルダに締結されるインナフライスに関する。
【背景技術】
【0002】
内側切削エッジ、好ましくはインデックス可能なカッターインサートを有する環状フライスディスクは、クランクシャフトのフライス加工用の当該環状フライスディスクの使用に関しても長い間知られていた。
【0003】
独国特許発明第34 38 978 C1号明細書には、ロック要素によってインナフライス支持体をクランクシャフトフライス盤のフライスドラムの受容フランジに締結するための装置が記載されており、前記ロック要素は、インナフライス支持体がフライスドラムの受容フランジに押し付けられることによって、それぞれ他の部分の対向面と当接されることができる。楔は支持体に又はフライスドラムに締結され、これらの楔の部分面は対向面を形成する。リング要素の形態の楔はフライスドラムに又は支持体に配置され、これらの楔は、フライスドラム又は支持体と相互作用し、支持軸に対して半径方向に変位されることが可能であり、この場合、それぞれ1つの偏心器が、変位可能な部分のための変位駆動部として、その偏心器と楔との組み合わせが自動ロックするように設けられる。
【0004】
DE10 2009 006 010.3号明細書には、フライス加工工具支持体と機械ホルダとの間のねじ山結合によって、特にインナフライスの環状フライス加工工具支持体を機械ホルダに締結するための装置が記載されている。この構成は、取付部が非常に少数で済むので製造関連の利点を有する。さらに、この結合部の取り扱いが容易である。しかし、確実に固定又は解除するために工具支持ディスクを複数回回転させなければならないという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、より迅速な取り扱いに鑑み工具支持体と機械ホルダとの間の結合を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載のインナフライスによって達成される。本発明によれば、工具支持体及び機械ホルダはバヨネット結合部によって互いに締結される。バヨネット結合部は、部分の相互の取り付けを可能にするために回転させる角度が小さくて済むという特別な利点を有する。さらに、このような結合手段は、簡単な設計であり、製造が容易であり、操作中に誤作動しにくい。
【0007】
突出部がアンダカットに保持されるまで、対応する凹部に案内されて回転される突出部をどの部分が有するかということは、基本的に重要でない。
【0008】
本発明の別の構成によれば、等距離の突出部を有するストリップ状の環状体はバヨネット結合部の部分として使用され、この部分は、工具支持体又は機械ホルダに解除可能にねじ止めされ、それらと共に、部分的に中断された溝状のバヨネットガイドを形成する。この環状体は、頻繁な工具の取り替えが、バヨネットガイドにもはや信頼性がないことを意味する摩耗をもたらした場合、容易に交換できることが有利である。
【0009】
使用されるバヨネット結合部は、工具支持体の外側面が2〜20個の、好ましくは12個の半径方向に突出する突出部を有し、これらの突出部が工具支持体の又はストリップ状の環状体の対応するアンダカットに直接保持されるバヨネット結合部であることが好ましい。一般に、確実な及び常に再現可能な同一の向きをもたらすために、アンダカットに対して対応する当接部を有する12個の突出部があれば十分である。
【0010】
製造公差の故に、同心度の誤差の補償を可能にするために、好ましくは、調整可能な楔がセンタリング要素として使用され、これらのセンタリング要素は、原理的には従来技術から知られており、例えば、上記の独国特許発明第34 39 978 C1号明細書に記載されている。
【0011】
図面を参照して、別の変形例及び利点について以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】工具支持体が取り付けられた工具ホルダの平面図を示す。
【図2】図1の線A−Aに沿った断面図を示す。
【図3】図1の線B−Bに沿った断面図を示す。
【図4】センタリング要素としての楔の部分的な断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
工作機械に関連する限り、図1は、工作機械に従来の方法で締結される機械ホルダ10を示している。この機械ホルダ10は、インナフライスを矢印12の方向に移動させることによって解除することができるバヨネット結合部を介して環状工具支持体11に締結される。工具支持体の内側面及び側面には、使用目的、例えばクランクシャフトの粗削り又は平滑化作業に従って選択かつ配置されるインデックス可能なカッターインサートが取り付けられる。図3から理解できるように、ストリップ状の環状体13の形態のバヨネット結合部を形成するために使用される追加の部分があり、環状体13はその外側面に、機械ホルダ10の対応するガイド溝に当接するノーズ14を有する。さらに、環状体13はその内側面に、開口部16(図1参照)によって等距離間隔で部分的に中断される突出部15を有する。これらの開口部16は、工具支持体の半径方向に突出する突出部17の貫通を可能にする幅及び高さを有する。工具支持体11が(矢印12の方向と反対方向に)回転されることによって、これらの突出部がストリップ状の環状体13のアンダカット領域内に案内される。図3に示した例では、突出部17は溝状凹部に案内され、この溝状凹部は、一方では、環状ストリップ体13の凹部によって、他方では、機械ホルダ10の本体の反対側に配置された凹部によって形成される。さらに、図2及び図4は、調整可能な楔としてのセンタリング要素18を示しており、この場合、半径方向の調整可能性は、偏心器19、さもなければ、同様に作用する変位要素によって可能になる。原理的には従来技術によって知られているこのセンタリング要素は、いかなる同心度の誤差も補償する働きをする。
【0014】
当然、本発明の範囲で、回転防止手段又はクランプ楔を補助部として使用して、バヨネット結合部を閉状態で固定することが可能である。さらに、それぞれ使用される工具支持体の相対回転を制限するためのストッパーが可能である。必要な場合、回転対称的でないか、又はある回転角度でのみ回転対称的であるバヨネット結合構成を選択することも可能であり、これらのバヨネット結合構成により、機械ホルダへの導入時における工具支持体の一定の予備位置決めが保証される。
【符号の説明】
【0015】
10 機械ホルダ
11 工具支持体
12 矢印
13 ストリップ状の環状体
14 ノーズ
15 突出部
16 開口部
17 突出部
18 センタリング要素
19 偏心器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状工具支持体(11)を有するインナフライスであって、前記環状工具支持体(11)の内側面に切削インサートが取り付けられ、前記環状工具支持体(11)が機械ホルダ(10)に締結されるインナフライスにおいて、
前記工具支持体と前記機械ホルダとの間のバヨネット結合部を特徴とするインナフライス。
【請求項2】
前記バヨネット結合部の一部がストリップ状の環状体(13)を備え、前記ストリップ状の環状体(13)が、等距離の突出部(15)を有し、前記工具支持体(11)又は前記機械ホルダ(10)に解除可能にねじ止めされ、前記工具支持体(11)又は前記機械ホルダ(10)と共に、部分的に中断された溝状バヨネットガイドを形成することを特徴とする請求項1に記載のインナフライス。
【請求項3】
前記工具支持体(11)の外側面が、2〜20個の、好ましくは12個の半径方向に突出するノーズ(14)を有し、前記半径方向に突出するノーズ(14)がアンダカットに保持されることを特徴とする請求項1又は2に記載のインナフライス。
【請求項4】
いかなる同心度の誤差も補償するためのセンタリング要素としての調整可能な楔(18)を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインナフライス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−503753(P2013−503753A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527214(P2012−527214)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004989
【国際公開番号】WO2011/026557
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(399031078)ケンナメタル インコーポレイテッド (182)
【氏名又は名称原語表記】Kennametal Inc.
【住所又は居所原語表記】1600 Technology Way Latrobe PA 15650−0231, USA
【Fターム(参考)】