インピンジ冷却機構、タービン翼及び燃焼器
【課題】インピンジ冷却機構による冷却効率をより向上させる。
【解決手段】冷却ターゲット10と対向部材20との隙間におけるクロスフローFの流れ方向における開口幅D1が、クロスフローFの流れ方向と直交する方向における開口幅D2よりも大きく設定された扁平インピンジ孔2を有する。
【解決手段】冷却ターゲット10と対向部材20との隙間におけるクロスフローFの流れ方向における開口幅D1が、クロスフローFの流れ方向と直交する方向における開口幅D2よりも大きく設定された扁平インピンジ孔2を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インピンジ冷却機構、タービン翼及び燃焼器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タービン翼や燃焼器は、高温雰囲気に晒されるため、熱伝達率を高めて冷却効率を向上させるためにインピンジ冷却機構を備えることがある。
例えば、特許文献1には、冷却ターゲットに対向配置される対向配置される対向部材に形成される複数の円形のインピンジ孔を有するインピンジ冷却機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5100293号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、冷却ターゲットとインピンジ孔が形成される対向部材との隙間を流れるクロスフローは、インピンジ孔から当該隙間に供給される冷却ガスが加わることによって、下流に向かうに連れて流量が増大する。
このため、冷却ターゲットと対向部材との隙間を流れるクロスフローの下流側においては、インピンジ孔から噴出された冷却ガスが冷却ターゲットに到達する前に当該クロスフローに流されてしまい、熱伝達率を高めることが難しい。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、インピンジ冷却機構による冷却効率をより向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
第1の発明は、冷却ターゲットに対向配置される対向部材に形成される複数のインピンジ孔から上記冷却ターゲットに向けて冷却ガスを噴出するインピンジ冷却機構であって、いずれかあるいは全ての上記インピンジ孔として、上記冷却ターゲットと上記対向部材との隙間におけるクロスフローの流れ方向における開口幅が、上記隙間におけるクロスフローの流れ方向と直交する方向における開口幅よりも大きく設定された扁平インピンジ孔を有するという構成を採用する。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記扁平インピンジ孔の最大開口幅方向が上記冷却ターゲットと上記対向部材との隙間におけるクロスフローの流れ方向と平行とされているという構成を採用する。
【0009】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記冷却ターゲットと上記対向部材との隙間におけるクロスフローに晒されて配置される乱流形成手段を備えるという構成を採用する。
【0010】
第4の発明は、上記第3の発明において、上記乱流形成手段が、上記扁平インピンジ孔に対向配置されて上記冷却ターゲットに固定される突起部または陥没部であるという構成を採用する。
【0011】
第5の発明は、タービン翼であって、上記第1〜第4いずれかの発明であるインピンジ冷却機構を有するという構成を採用する。
【0012】
第6の発明は、燃焼器であって、上記第1〜第4いずれかの発明であるインピンジ冷却機構を有するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、インピンジ孔として、冷却ターゲットと対向部材との隙間におけるクロスフローの流れ方向における開口幅が、隙間におけるクロスフローの流れ方向と直交する方向における開口幅よりも大きく設定された扁平インピンジ孔を有する。
このような扁平インピンジ孔においては、冷却ターゲットと対向部材との隙間におけるクロスフローの流れ方向における開口幅が大きいため、同一の流量の冷却ガスを噴出する円形のインピンジ孔よりも、当該クロスフローの流れ方向から見た場合の開口幅を小さくすることができる。この結果、冷却ターゲットと対向部材との隙間におけるクロスフローと扁平インピンジ孔から噴出された冷却ガス流れとの衝突領域を、円形のインピンジ孔の場合よりも狭くすることができ、冷却ガス流れに対するクロスフローの影響を小さくすることができる。
したがって、本発明によれば、扁平インピンジ孔から冷却ガスを噴出することにより、円形のインピンジ孔から冷却ガスを噴出する場合よりも多くの冷却ガスを冷却ターゲットに到達させることができる。
よって、本発明によれば、熱伝達効率を高め、冷却効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態におけるインピンジ冷却機構の概略構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるインピンジ冷却機構が備える扁平インピンジ孔の変形例を示す平面図である。
【図3】本発明の第2実施形態におけるインピンジ冷却機構の概略構成を示す模式図である。
【図4】本発明の第2実施形態におけるインピンジ冷却機構が備える乱流形成手段の変形例を示す模式図である。
【図5】本発明の第2実施形態におけるインピンジ冷却機構が備える乱流形成手段の変形例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態におけるインピンジ冷却機構が備える乱流形成手段の変形例を示す模式図である。
【図7】本発明の第1実施形態におけるインピンジ冷却機構の効果を検証するためのシミュレーションに用いた解析モデルの概念図である。
【図8】本発明の第1実施形態におけるインピンジ冷却機構の効果を検証するためのシミュレーションに用いた解析モデルのパターンを説明するための説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態におけるインピンジ冷却機構の効果を検証するためのシミュレーションに用いた解析モデルの概念図である。
【図10】本発明の第2実施形態におけるインピンジ冷却機構の効果を検証するためのシミュレーションに用いた解析モデルのパターンを説明するための説明図である。
【図11】本発明の第1実施形態におけるインピンジ冷却機構を備えるタービン翼及び燃焼器を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係るインピンジ冷却機構、タービン翼、燃焼器の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0016】
(インピンジ冷却機構の第1実施形態)
図1は、本実施形態のインピンジ冷却機構1の概略構成を示す模式図であり、(a)が側面断面図、(b)が対向壁の平面図であり、(c)が扁平インピンジ孔の拡大図である。
これらの図に示すように、インピンジ冷却機構1は、冷却ターゲット10に対向配置される対向壁20(対向部材)に形成される複数の扁平インピンジ孔2を有している。
そして、インピンジ冷却機構1は、扁平インピンジ孔2から冷却ターゲット10に冷却ガスを噴出することによって冷却ターゲット10を冷却する。
【0017】
扁平インピンジ孔2は、図1(b)に示すように、対向壁20に対して、均等間隔で複数設けられている。
各扁平インピンジ孔2は、図1(c)に示すように、開口形状が、平行な2つ辺とこれらの辺を繋げる円弧とによって形成されるレーストラック形状に設定されている。
【0018】
また、扁平インピンジ孔2は、図1(c)に示すように、長軸が冷却ターゲット10と対向壁20との隙間におけるクロスフローFの流れ方向と平行となるように姿勢設定されており、これによって最大開口幅方向がクロスフローFと平行とされている。
【0019】
そして、上述のように姿勢設定された扁平インピンジ孔2は、長軸がクロスフローFの流れ方向を向き、短軸がクロスフローFの流れ方向と直交する方向を向くことで、クロスフローFの流れ方向における開口幅D1が、クロスフローFの流れ方向と直交する方向における開口幅D2よりも大きく設定されている。
【0020】
このような扁平インピンジ孔2は、従来用いられていた円形のインピンジ孔100と開口面積が同一となるように大きさが設定されている。この結果、図1(c)に示すように、扁平インピンジ孔2の開口幅D2は、従来の円形のインピンジ孔100の直径Daよりも狭くなっている。
【0021】
なお、扁平インピンジ孔2の開口幅D1と開口幅D2との比率は、製造限界等によって設定される。
例えば、開口幅D1が広くなりすぎると、クロスフローFの流れ方向に隣合う扁平インピンジ孔2と干渉して、扁平インピンジ孔2の形状を保てなくなるため、開口幅D1は、クロスフローFの流れ方向に隣合う扁平インピンジ孔2と干渉しない範囲に設定する必要が生じる。そして、開口幅D1が決定すれば、従来用いられた円形のインピンジ孔100と同一の開口面積とするための開口幅D2が一義的に決定し、開口幅D1と開口幅D2との比率が決定する。
なお、クロスフローFの流れ方向における扁平インピンジ孔2の配置ピッチが狭く、開口幅D1を十分に広く確保できない場合には、扁平インピンジ孔2を千鳥配置とすることによって開口幅D1を広く確保することが可能となる。
【0022】
このような構成を有する本実施形態のインピンジ冷却機構1によれば、インピンジ孔として、冷却ターゲット10と対向壁20との隙間におけるクロスフローFの流れ方向における開口幅D1が、クロスフローFの流れ方向と直交する方向における開口幅D2よりも大きく設定された扁平インピンジ孔2を有する。
このような扁平インピンジ孔2においては、クロスフローFの流れ方向における開口幅D1が大きいため、同一の流量の冷却ガスを噴出する円形のインピンジ孔よりも、当該クロスフローFの流れ方向から見た場合の開口幅を小さくすることができる。この結果、クロスフローFと扁平インピンジ孔2から噴出された冷却ガス流れGとの衝突領域を、円形のインピンジ孔の場合よりも狭くすることができ、冷却ガス流れGに対するクロスフローFの影響を小さくすることができる。
したがって、本実施形態のインピンジ冷却機構1によれば、扁平インピンジ孔2から冷却ガスを噴出することにより、円形のインピンジ孔から冷却ガスを噴出する場合よりクロスフローFにより曲げられる影響を受けにくくなる。よって、熱伝達効率を高め、冷却効率を向上させることが可能となる。
【0023】
なお、本実施形態のインピンジ冷却機構1においては、全てのインピンジ孔が扁平インピンジ孔2である構成を採用した。
しかしながら、必ずしも全てのインピンジ孔を扁平インピンジ孔2とする必要はない。例えば、クロスフローFの冷却ガスへの影響は、当該クロスフローFの流量が増大する下流側において大きくなる。このため、クロスフローFの下流側のみを扁平インピンジ孔2としても良い。このような場合には、円形のインピンジ孔よりも加工コストが増大する扁平インピンジ孔2の数を減少させることができ、インピンジ冷却機構1の製造コストを低減させることができる。
【0024】
また、本実施形態のインピンジ冷却機構1においては、扁平インピンジ孔2の開口形状がレーストラック形状である構成について説明した。
しかしながら、クロスフローFの流れ方向における開口幅が、クロスフローFの流れ方向と直交する方向における開口幅よりも大きく設定されていれば、本発明における扁平インピンジ孔の開口形状は、必ずしもレーストラック形状である必要はない。
例えば、図2(a)に示すような、開口形状が楕円の扁平インピンジ孔2Aを採用することも可能である。また、図2(b)に示すような、開口形状が長方形の扁平インピンジ孔2Bを採用することもできる。また、図2(c)に示すような、先端がクロスフローFの下流側を向く二等辺三角形の扁平インピンジ孔2Cを採用することもできる。また、図2(d)に示すような、先端がクロスフローFの上流側を向く二等辺三角形の扁平インピンジ孔2Dを採用することもできる。また、図2(e)に示すような、ひし形の扁平インピンジ孔2Eを採用することもできる。
【0025】
(インピンジ冷却機構の第2実施形態)
次に、本発明のインピンジ冷却機構の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、上述のインピンジ冷却機構の第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0026】
図3は、本実施形態のインピンジ冷却機構1Aの概略構成を示す模式図であり、(a)が側面断面図、(b)が冷却ターゲットの平面図である。
これらの図に示すように、インピンジ冷却機構1Aは、クロスフローFに晒されて配置される突起部3(乱流形成手段)を複数備えている。
この突起部3は、扁平インピンジ孔2に対向配置されて冷却ターゲット10に固定されており、冷却ターゲット10と対向壁20との間の隙間に乱流を形成するものである。
【0027】
このような構成を有する本実施形態のインピンジ冷却機構1によれば、突起部3によって冷却ターゲット10と対向壁20との間の隙間に乱流が形成され、熱伝達効率を高め、冷却効率を向上させることができる。
【0028】
なお、本実施形態のインピンジ冷却機構1Aにおいては、本発明の乱流形成手段が、扁平インピンジ孔2ごとに設けられた突起部3である構成を採用した。
しかしながら、本発明の乱流形成手段は、冷却ターゲット10と対向壁20との間の隙間に乱流を形成できるものであれば良い。
例えば、図4(a),(b)に示すように、扁平インピンジ孔2ごとに設けられたディンプル3Aを本発明の乱流形成手段として用いることも可能である。また、図5(a),(b)に示すように、クロスフローFの流れ方向と直交する方向に延在する溝部3Bを本発明の乱流形成手段として用いることも可能である。また、図6(a),(b)に示すように、クロスフローFの流れ方向と直交する方向に延在する突起部3Cを本発明の乱流形成手段として用いることも可能である。
【0029】
(インピンジ冷却機構のシミュレーション結果)
上述の第1実施形態のインピンジ冷却機構1の効果を検証するためのシミュレーションを行った。
本シミュレーションにおいては、図7に示すように、インピンジ孔の配列方向下流側に排出孔を設け、さらに排出孔の外側領域にて主流ガスの流路を有する解析モデルを用いた。
さらに、本シミュレーションでは、図8に示すように、インピンジ孔を、開口形状が円形の従来のインピンジ孔としたもの(A−1)と、開口形状がレーストラック形状でかつ長軸がクロスフローと平行とされた扁平インピンジ孔(上記第1実施形態の扁平インピンジ孔2に相当)としたもの(A−2)と、開口形状がレーストラック形状でかつ長軸がクロスフローと直交とされた扁平インピンジ孔としたもの(A−3)と、開口形状がレーストラック形状でかつ長軸がクロスフローに対して45°で交差する扁平インピンジ孔としたもの(A−4)とについて解析を行った。
【0030】
この結果、表1に示すように、平均熱伝達率については、A−2が最も優位であることが確認された。つまり、上記第1実施形態の扁平インピンジ孔を用いることによって従来の円形のインピンジ孔よりも熱伝達率を向上できることが確認された。
さらに、A−2が最も優位であることから、最大開口幅方向がクロスフローの流れ方向と平行とされていることが平均熱伝達率の向上に大きく寄与することが分かる。したがって、扁平インピンジ孔は、長軸がクロスフローの流れ方向と平行となるように姿勢設定することが平均熱伝達率の観点から好ましい。
【0031】
【表1】
【0032】
次に、上述の第2実施形態のインピンジ冷却機構1Aの効果を検証するためのシミュレーションを行った。
本シミュレーションでは、図9に示すように、図7に示す解析モデルに対して突起部を付加した解析モデルを用いて解析を行った。
また、本シミュレーションでは、インピンジ孔を全て開口形状がレーストラック形状でかつ長軸がクロスフローと平衡とされた扁平インピンジ孔とし、図10に示すように、冷却ガスの噴射方向から見てインピンジ孔を突起部の間に配置したもの(B−1)と、B−1の配置位置からさらに突起部の配列方向から外したもの(B−2)と、冷却ガスの噴射方向から見てインピンジ孔を突起部に重ねて配置されたもの(B−3)とについて解析を行った。
【0033】
この結果、表2に示すように、平均熱伝達率については、B−3が最も優位であることが確認された。つまり、冷却ガスの噴射方向から見て扁平インピンジ孔を突起部に重ねて配置されたもの、すなわち突起部が扁平インピンジ孔に対向配置された構成が平均熱伝達率の観点から好ましい。
【0034】
【表2】
【0035】
(タービン翼及び燃焼器)
図11は、上述の第1実施形態のインピンジ冷却機構1を備えるタービン翼30及び燃焼器40を示す模式図であり、(a)がタービン翼断面図、(b)が燃焼器断面図である。
【0036】
タービン翼30は、図11(a)に示すように、外壁31と内壁32とを備える二重殻構造を有している。そして、外壁31が上述の冷却ターゲット10に相当し、内壁32が上述の対向壁20に相当し、内壁32に設けられた扁平インピンジ孔を有するインピンジ冷却機構1を備えている。
上記第1実施形態のインピンジ冷却機構1によれば、熱伝達率を高めて冷却効率を向上させることができるため、このようなインピンジ冷却機構1を備えるタービン翼30は優れた耐熱性を有するものとなる。
【0037】
燃焼器40は、図11(b)に示すように、インナライナ41とアウタライナ42とを備える二重殻構造を有している。そして、インナライナ41が上述の冷却ターゲット10に相当し、アウタライナ42が上述の対向壁20に相当し、アウタライナ42に設けられた扁平インピンジ孔を有するインピンジ冷却機構1を備えている。
上記第1実施形態のインピンジ冷却機構1によれば、熱伝達率を高めて冷却効率を向上させることができるため、このようなインピンジ冷却機構1を備える燃焼器40は優れた耐熱性を有するものとなる。
【0038】
なお、タービン翼30及び燃焼器40が、上記第1実施形態のインピンジ冷却機構1に換えて上記第2実施形態のインピンジ冷却機構1Aを備える構成を採用することも可能である。
【0039】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0040】
1,1A……インピンジ冷却機構、2,2A,2B,2C,2D,2E……扁平インピンジ孔、3……突起部(乱流形成手段)、3A……ディンプル(乱流形成手段)、3B……溝部(乱流形成手段)、3C……突起部(乱流形成手段)、10……冷却ターゲット、20……対向壁(対向部材)、D1……クロスフロー方向における開口幅、D2……クロスフロー方向と直交する方向における開口幅、F……クロスフロー、30……タービン翼、31……外壁、32……内壁、40……燃焼器、41……インナライナ、42……アウタライナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、インピンジ冷却機構、タービン翼及び燃焼器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タービン翼や燃焼器は、高温雰囲気に晒されるため、熱伝達率を高めて冷却効率を向上させるためにインピンジ冷却機構を備えることがある。
例えば、特許文献1には、冷却ターゲットに対向配置される対向配置される対向部材に形成される複数の円形のインピンジ孔を有するインピンジ冷却機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5100293号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、冷却ターゲットとインピンジ孔が形成される対向部材との隙間を流れるクロスフローは、インピンジ孔から当該隙間に供給される冷却ガスが加わることによって、下流に向かうに連れて流量が増大する。
このため、冷却ターゲットと対向部材との隙間を流れるクロスフローの下流側においては、インピンジ孔から噴出された冷却ガスが冷却ターゲットに到達する前に当該クロスフローに流されてしまい、熱伝達率を高めることが難しい。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、インピンジ冷却機構による冷却効率をより向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
第1の発明は、冷却ターゲットに対向配置される対向部材に形成される複数のインピンジ孔から上記冷却ターゲットに向けて冷却ガスを噴出するインピンジ冷却機構であって、いずれかあるいは全ての上記インピンジ孔として、上記冷却ターゲットと上記対向部材との隙間におけるクロスフローの流れ方向における開口幅が、上記隙間におけるクロスフローの流れ方向と直交する方向における開口幅よりも大きく設定された扁平インピンジ孔を有するという構成を採用する。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記扁平インピンジ孔の最大開口幅方向が上記冷却ターゲットと上記対向部材との隙間におけるクロスフローの流れ方向と平行とされているという構成を採用する。
【0009】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記冷却ターゲットと上記対向部材との隙間におけるクロスフローに晒されて配置される乱流形成手段を備えるという構成を採用する。
【0010】
第4の発明は、上記第3の発明において、上記乱流形成手段が、上記扁平インピンジ孔に対向配置されて上記冷却ターゲットに固定される突起部または陥没部であるという構成を採用する。
【0011】
第5の発明は、タービン翼であって、上記第1〜第4いずれかの発明であるインピンジ冷却機構を有するという構成を採用する。
【0012】
第6の発明は、燃焼器であって、上記第1〜第4いずれかの発明であるインピンジ冷却機構を有するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、インピンジ孔として、冷却ターゲットと対向部材との隙間におけるクロスフローの流れ方向における開口幅が、隙間におけるクロスフローの流れ方向と直交する方向における開口幅よりも大きく設定された扁平インピンジ孔を有する。
このような扁平インピンジ孔においては、冷却ターゲットと対向部材との隙間におけるクロスフローの流れ方向における開口幅が大きいため、同一の流量の冷却ガスを噴出する円形のインピンジ孔よりも、当該クロスフローの流れ方向から見た場合の開口幅を小さくすることができる。この結果、冷却ターゲットと対向部材との隙間におけるクロスフローと扁平インピンジ孔から噴出された冷却ガス流れとの衝突領域を、円形のインピンジ孔の場合よりも狭くすることができ、冷却ガス流れに対するクロスフローの影響を小さくすることができる。
したがって、本発明によれば、扁平インピンジ孔から冷却ガスを噴出することにより、円形のインピンジ孔から冷却ガスを噴出する場合よりも多くの冷却ガスを冷却ターゲットに到達させることができる。
よって、本発明によれば、熱伝達効率を高め、冷却効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態におけるインピンジ冷却機構の概略構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるインピンジ冷却機構が備える扁平インピンジ孔の変形例を示す平面図である。
【図3】本発明の第2実施形態におけるインピンジ冷却機構の概略構成を示す模式図である。
【図4】本発明の第2実施形態におけるインピンジ冷却機構が備える乱流形成手段の変形例を示す模式図である。
【図5】本発明の第2実施形態におけるインピンジ冷却機構が備える乱流形成手段の変形例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態におけるインピンジ冷却機構が備える乱流形成手段の変形例を示す模式図である。
【図7】本発明の第1実施形態におけるインピンジ冷却機構の効果を検証するためのシミュレーションに用いた解析モデルの概念図である。
【図8】本発明の第1実施形態におけるインピンジ冷却機構の効果を検証するためのシミュレーションに用いた解析モデルのパターンを説明するための説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態におけるインピンジ冷却機構の効果を検証するためのシミュレーションに用いた解析モデルの概念図である。
【図10】本発明の第2実施形態におけるインピンジ冷却機構の効果を検証するためのシミュレーションに用いた解析モデルのパターンを説明するための説明図である。
【図11】本発明の第1実施形態におけるインピンジ冷却機構を備えるタービン翼及び燃焼器を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係るインピンジ冷却機構、タービン翼、燃焼器の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0016】
(インピンジ冷却機構の第1実施形態)
図1は、本実施形態のインピンジ冷却機構1の概略構成を示す模式図であり、(a)が側面断面図、(b)が対向壁の平面図であり、(c)が扁平インピンジ孔の拡大図である。
これらの図に示すように、インピンジ冷却機構1は、冷却ターゲット10に対向配置される対向壁20(対向部材)に形成される複数の扁平インピンジ孔2を有している。
そして、インピンジ冷却機構1は、扁平インピンジ孔2から冷却ターゲット10に冷却ガスを噴出することによって冷却ターゲット10を冷却する。
【0017】
扁平インピンジ孔2は、図1(b)に示すように、対向壁20に対して、均等間隔で複数設けられている。
各扁平インピンジ孔2は、図1(c)に示すように、開口形状が、平行な2つ辺とこれらの辺を繋げる円弧とによって形成されるレーストラック形状に設定されている。
【0018】
また、扁平インピンジ孔2は、図1(c)に示すように、長軸が冷却ターゲット10と対向壁20との隙間におけるクロスフローFの流れ方向と平行となるように姿勢設定されており、これによって最大開口幅方向がクロスフローFと平行とされている。
【0019】
そして、上述のように姿勢設定された扁平インピンジ孔2は、長軸がクロスフローFの流れ方向を向き、短軸がクロスフローFの流れ方向と直交する方向を向くことで、クロスフローFの流れ方向における開口幅D1が、クロスフローFの流れ方向と直交する方向における開口幅D2よりも大きく設定されている。
【0020】
このような扁平インピンジ孔2は、従来用いられていた円形のインピンジ孔100と開口面積が同一となるように大きさが設定されている。この結果、図1(c)に示すように、扁平インピンジ孔2の開口幅D2は、従来の円形のインピンジ孔100の直径Daよりも狭くなっている。
【0021】
なお、扁平インピンジ孔2の開口幅D1と開口幅D2との比率は、製造限界等によって設定される。
例えば、開口幅D1が広くなりすぎると、クロスフローFの流れ方向に隣合う扁平インピンジ孔2と干渉して、扁平インピンジ孔2の形状を保てなくなるため、開口幅D1は、クロスフローFの流れ方向に隣合う扁平インピンジ孔2と干渉しない範囲に設定する必要が生じる。そして、開口幅D1が決定すれば、従来用いられた円形のインピンジ孔100と同一の開口面積とするための開口幅D2が一義的に決定し、開口幅D1と開口幅D2との比率が決定する。
なお、クロスフローFの流れ方向における扁平インピンジ孔2の配置ピッチが狭く、開口幅D1を十分に広く確保できない場合には、扁平インピンジ孔2を千鳥配置とすることによって開口幅D1を広く確保することが可能となる。
【0022】
このような構成を有する本実施形態のインピンジ冷却機構1によれば、インピンジ孔として、冷却ターゲット10と対向壁20との隙間におけるクロスフローFの流れ方向における開口幅D1が、クロスフローFの流れ方向と直交する方向における開口幅D2よりも大きく設定された扁平インピンジ孔2を有する。
このような扁平インピンジ孔2においては、クロスフローFの流れ方向における開口幅D1が大きいため、同一の流量の冷却ガスを噴出する円形のインピンジ孔よりも、当該クロスフローFの流れ方向から見た場合の開口幅を小さくすることができる。この結果、クロスフローFと扁平インピンジ孔2から噴出された冷却ガス流れGとの衝突領域を、円形のインピンジ孔の場合よりも狭くすることができ、冷却ガス流れGに対するクロスフローFの影響を小さくすることができる。
したがって、本実施形態のインピンジ冷却機構1によれば、扁平インピンジ孔2から冷却ガスを噴出することにより、円形のインピンジ孔から冷却ガスを噴出する場合よりクロスフローFにより曲げられる影響を受けにくくなる。よって、熱伝達効率を高め、冷却効率を向上させることが可能となる。
【0023】
なお、本実施形態のインピンジ冷却機構1においては、全てのインピンジ孔が扁平インピンジ孔2である構成を採用した。
しかしながら、必ずしも全てのインピンジ孔を扁平インピンジ孔2とする必要はない。例えば、クロスフローFの冷却ガスへの影響は、当該クロスフローFの流量が増大する下流側において大きくなる。このため、クロスフローFの下流側のみを扁平インピンジ孔2としても良い。このような場合には、円形のインピンジ孔よりも加工コストが増大する扁平インピンジ孔2の数を減少させることができ、インピンジ冷却機構1の製造コストを低減させることができる。
【0024】
また、本実施形態のインピンジ冷却機構1においては、扁平インピンジ孔2の開口形状がレーストラック形状である構成について説明した。
しかしながら、クロスフローFの流れ方向における開口幅が、クロスフローFの流れ方向と直交する方向における開口幅よりも大きく設定されていれば、本発明における扁平インピンジ孔の開口形状は、必ずしもレーストラック形状である必要はない。
例えば、図2(a)に示すような、開口形状が楕円の扁平インピンジ孔2Aを採用することも可能である。また、図2(b)に示すような、開口形状が長方形の扁平インピンジ孔2Bを採用することもできる。また、図2(c)に示すような、先端がクロスフローFの下流側を向く二等辺三角形の扁平インピンジ孔2Cを採用することもできる。また、図2(d)に示すような、先端がクロスフローFの上流側を向く二等辺三角形の扁平インピンジ孔2Dを採用することもできる。また、図2(e)に示すような、ひし形の扁平インピンジ孔2Eを採用することもできる。
【0025】
(インピンジ冷却機構の第2実施形態)
次に、本発明のインピンジ冷却機構の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、上述のインピンジ冷却機構の第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0026】
図3は、本実施形態のインピンジ冷却機構1Aの概略構成を示す模式図であり、(a)が側面断面図、(b)が冷却ターゲットの平面図である。
これらの図に示すように、インピンジ冷却機構1Aは、クロスフローFに晒されて配置される突起部3(乱流形成手段)を複数備えている。
この突起部3は、扁平インピンジ孔2に対向配置されて冷却ターゲット10に固定されており、冷却ターゲット10と対向壁20との間の隙間に乱流を形成するものである。
【0027】
このような構成を有する本実施形態のインピンジ冷却機構1によれば、突起部3によって冷却ターゲット10と対向壁20との間の隙間に乱流が形成され、熱伝達効率を高め、冷却効率を向上させることができる。
【0028】
なお、本実施形態のインピンジ冷却機構1Aにおいては、本発明の乱流形成手段が、扁平インピンジ孔2ごとに設けられた突起部3である構成を採用した。
しかしながら、本発明の乱流形成手段は、冷却ターゲット10と対向壁20との間の隙間に乱流を形成できるものであれば良い。
例えば、図4(a),(b)に示すように、扁平インピンジ孔2ごとに設けられたディンプル3Aを本発明の乱流形成手段として用いることも可能である。また、図5(a),(b)に示すように、クロスフローFの流れ方向と直交する方向に延在する溝部3Bを本発明の乱流形成手段として用いることも可能である。また、図6(a),(b)に示すように、クロスフローFの流れ方向と直交する方向に延在する突起部3Cを本発明の乱流形成手段として用いることも可能である。
【0029】
(インピンジ冷却機構のシミュレーション結果)
上述の第1実施形態のインピンジ冷却機構1の効果を検証するためのシミュレーションを行った。
本シミュレーションにおいては、図7に示すように、インピンジ孔の配列方向下流側に排出孔を設け、さらに排出孔の外側領域にて主流ガスの流路を有する解析モデルを用いた。
さらに、本シミュレーションでは、図8に示すように、インピンジ孔を、開口形状が円形の従来のインピンジ孔としたもの(A−1)と、開口形状がレーストラック形状でかつ長軸がクロスフローと平行とされた扁平インピンジ孔(上記第1実施形態の扁平インピンジ孔2に相当)としたもの(A−2)と、開口形状がレーストラック形状でかつ長軸がクロスフローと直交とされた扁平インピンジ孔としたもの(A−3)と、開口形状がレーストラック形状でかつ長軸がクロスフローに対して45°で交差する扁平インピンジ孔としたもの(A−4)とについて解析を行った。
【0030】
この結果、表1に示すように、平均熱伝達率については、A−2が最も優位であることが確認された。つまり、上記第1実施形態の扁平インピンジ孔を用いることによって従来の円形のインピンジ孔よりも熱伝達率を向上できることが確認された。
さらに、A−2が最も優位であることから、最大開口幅方向がクロスフローの流れ方向と平行とされていることが平均熱伝達率の向上に大きく寄与することが分かる。したがって、扁平インピンジ孔は、長軸がクロスフローの流れ方向と平行となるように姿勢設定することが平均熱伝達率の観点から好ましい。
【0031】
【表1】
【0032】
次に、上述の第2実施形態のインピンジ冷却機構1Aの効果を検証するためのシミュレーションを行った。
本シミュレーションでは、図9に示すように、図7に示す解析モデルに対して突起部を付加した解析モデルを用いて解析を行った。
また、本シミュレーションでは、インピンジ孔を全て開口形状がレーストラック形状でかつ長軸がクロスフローと平衡とされた扁平インピンジ孔とし、図10に示すように、冷却ガスの噴射方向から見てインピンジ孔を突起部の間に配置したもの(B−1)と、B−1の配置位置からさらに突起部の配列方向から外したもの(B−2)と、冷却ガスの噴射方向から見てインピンジ孔を突起部に重ねて配置されたもの(B−3)とについて解析を行った。
【0033】
この結果、表2に示すように、平均熱伝達率については、B−3が最も優位であることが確認された。つまり、冷却ガスの噴射方向から見て扁平インピンジ孔を突起部に重ねて配置されたもの、すなわち突起部が扁平インピンジ孔に対向配置された構成が平均熱伝達率の観点から好ましい。
【0034】
【表2】
【0035】
(タービン翼及び燃焼器)
図11は、上述の第1実施形態のインピンジ冷却機構1を備えるタービン翼30及び燃焼器40を示す模式図であり、(a)がタービン翼断面図、(b)が燃焼器断面図である。
【0036】
タービン翼30は、図11(a)に示すように、外壁31と内壁32とを備える二重殻構造を有している。そして、外壁31が上述の冷却ターゲット10に相当し、内壁32が上述の対向壁20に相当し、内壁32に設けられた扁平インピンジ孔を有するインピンジ冷却機構1を備えている。
上記第1実施形態のインピンジ冷却機構1によれば、熱伝達率を高めて冷却効率を向上させることができるため、このようなインピンジ冷却機構1を備えるタービン翼30は優れた耐熱性を有するものとなる。
【0037】
燃焼器40は、図11(b)に示すように、インナライナ41とアウタライナ42とを備える二重殻構造を有している。そして、インナライナ41が上述の冷却ターゲット10に相当し、アウタライナ42が上述の対向壁20に相当し、アウタライナ42に設けられた扁平インピンジ孔を有するインピンジ冷却機構1を備えている。
上記第1実施形態のインピンジ冷却機構1によれば、熱伝達率を高めて冷却効率を向上させることができるため、このようなインピンジ冷却機構1を備える燃焼器40は優れた耐熱性を有するものとなる。
【0038】
なお、タービン翼30及び燃焼器40が、上記第1実施形態のインピンジ冷却機構1に換えて上記第2実施形態のインピンジ冷却機構1Aを備える構成を採用することも可能である。
【0039】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0040】
1,1A……インピンジ冷却機構、2,2A,2B,2C,2D,2E……扁平インピンジ孔、3……突起部(乱流形成手段)、3A……ディンプル(乱流形成手段)、3B……溝部(乱流形成手段)、3C……突起部(乱流形成手段)、10……冷却ターゲット、20……対向壁(対向部材)、D1……クロスフロー方向における開口幅、D2……クロスフロー方向と直交する方向における開口幅、F……クロスフロー、30……タービン翼、31……外壁、32……内壁、40……燃焼器、41……インナライナ、42……アウタライナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却ターゲットに対向配置される対向部材に形成される複数のインピンジ孔から前記冷却ターゲットに向けて冷却ガスを噴出するインピンジ冷却機構であって、
いずれかあるいは全ての前記インピンジ孔として、前記冷却ターゲットと前記対向部材との隙間におけるクロスフローの流れ方向における開口幅が、前記隙間におけるクロスフローの流れ方向と直交する方向における開口幅よりも大きく設定された扁平インピンジ孔を有することを特徴とするインピンジ冷却機構。
【請求項2】
前記扁平インピンジ孔の最大開口幅方向が前記冷却ターゲットと前記対向部材との隙間におけるクロスフローの流れ方向と平行とされていることを特徴とする請求項1記載のインピンジ冷却機構。
【請求項3】
前記冷却ターゲットと前記対向部材との隙間におけるクロスフローに晒されて配置される乱流形成手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載のインピンジ冷却機構。
【請求項4】
前記乱流形成手段は、前記扁平インピンジ孔に対向配置されて前記冷却ターゲットに固定される突起部または陥没部であることを特徴とする請求項3記載のインピンジ冷却機構。
【請求項5】
請求項1〜4いずれかに記載のインピンジ冷却機構を有することを特徴とするタービン翼。
【請求項6】
請求項1〜4いずれかに記載のインピンジ冷却機構を有することを特徴とする燃焼器。
【請求項1】
冷却ターゲットに対向配置される対向部材に形成される複数のインピンジ孔から前記冷却ターゲットに向けて冷却ガスを噴出するインピンジ冷却機構であって、
いずれかあるいは全ての前記インピンジ孔として、前記冷却ターゲットと前記対向部材との隙間におけるクロスフローの流れ方向における開口幅が、前記隙間におけるクロスフローの流れ方向と直交する方向における開口幅よりも大きく設定された扁平インピンジ孔を有することを特徴とするインピンジ冷却機構。
【請求項2】
前記扁平インピンジ孔の最大開口幅方向が前記冷却ターゲットと前記対向部材との隙間におけるクロスフローの流れ方向と平行とされていることを特徴とする請求項1記載のインピンジ冷却機構。
【請求項3】
前記冷却ターゲットと前記対向部材との隙間におけるクロスフローに晒されて配置される乱流形成手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載のインピンジ冷却機構。
【請求項4】
前記乱流形成手段は、前記扁平インピンジ孔に対向配置されて前記冷却ターゲットに固定される突起部または陥没部であることを特徴とする請求項3記載のインピンジ冷却機構。
【請求項5】
請求項1〜4いずれかに記載のインピンジ冷却機構を有することを特徴とするタービン翼。
【請求項6】
請求項1〜4いずれかに記載のインピンジ冷却機構を有することを特徴とする燃焼器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−100765(P2013−100765A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244727(P2011−244727)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(503361400)独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 (453)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(503361400)独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 (453)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]