エアロゲル複合材料
エアロゲル複合材料及び接着エアロゲル複合材料について記述される。エアロゲル複合材料には、基材層と基材層に接着される構造化層との間の空洞内に、モノリシックエアロゲル材料が含まれる。追加層を基材層及び/又は構造化層に接着し、接着エアロゲル複合材料を形成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2007年7月23日に出願された米国特許出願第11/781,635号の優先権を主張し、かかる出願の開示はその全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、エアロゲルの入った空洞を有する接着ウェブを含むエアロゲル複合材料を含めた、エアロゲル複合材料に関するものである。エアロゲル複合材料の生成方法及びエアロゲル複合材料の使用方法についても開示される。
【背景技術】
【0003】
エネルギーコストの増大と都市化の拡大により、パイプライン、自動車、航空宇宙、軍事、アパレル、窓、及び住宅、並びに他の装置及び機器において、より効率的な断熱材及び遮音材を得るための開発努力がますます高まっている。エアロゲルは低密度、高気孔率の材質であり、例えば断熱材及び/又は遮音材等の数多くの用途に有用となっている。エアロゲルはまた、濾過材及び触媒支持材等他の用途にも有用であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
端的には、1つの態様において、本開示は、基材層及び構造化層が含まれる接着ウェブを含む、エアロゲル複合材料を提供する。この構造化層は、複数本の溝を含み、この溝の少なくとも一部が基材層に接着されて、構造化層と基材層との間に空洞を画定する。エアロゲル複合材料は更に、空洞の少なくとも一部の中にあるモノリシック(monolithic)エアロゲル材料を含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、基材層及び/又は構造化層は透過性であり得、熱可塑性材料を含み得、及び/又は繊維層(例えば不織布繊維層)を含み得る。いくつかの実施形態において、層は発泡体を含み得る。いくつかの実施形態において、層は複数の層を含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態において、構造化層の少なくとも一部の溝が、基材層に融解接着されている。いくつかの実施形態において、エアロゲル複合材料は更に、構造化層の少なくとも一部の溝を基材層に接着する接着剤結合を含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、隣接する溝の間の構造化層の範囲は、弓状である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの空洞はチャネルである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの空洞はポケットである。
【0008】
いくつかの実施形態において、モノリシックエアロゲル材料は、実質的にすべての空洞内に含まれる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの空洞内にあるモノリシックエアロゲル材料は、繊維強化エアロゲルモノリスを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は無機エアロゲルを含む。いくつかの実施形態において、無機エアロゲルはシリカを含む。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は有機エアロゲルを含む。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は無機−有機ハイブリッドエアロゲルを含む。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は架橋エアロゲルを含む。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は疎水性である。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は疎油性である。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は親水性である。
【0010】
いくつかの実施形態において、エアロゲル複合材料には更に、構造化層内に埋め込まれたエアロゲル材料、基材層内に埋め込まれたエアロゲル材料、構造化層の露出面上にあるエアロゲル材料、及び/又は基材層の露出面上にあるエアロゲル材料が含まれる。
【0011】
いくつかの実施形態において、エアロゲル複合材料は更に、基材層及び/又は構造化層に接着された追加層を含む。いくつかの実施形態において、追加層は熱可塑性材料を含む。いくつかの実施形態において、追加層は、基材層及び/又は構造化層に融解接着されている。
【0012】
別の態様において、本開示は、2つ以上の個別エアロゲル複合材料を含むエアロゲル複合材料の積層体を提供する。いくつかの実施形態において、各個別エアロゲル複合材料は、接着ウェブ(基材層、及び複数本の溝を含む構造化層を含み、この溝の少なくとも一部が基材層に接着されて構造化層と基材層との間に空洞を画定する)と、少なくとも一部の空洞内にあるモノリシックエアロゲル材料とを含む。
【0013】
本開示の上記の概要は、本発明の各々の実施形態を記載することを目的としない。また、本発明の1つ以上の実施形態の詳細を以下の説明に示す。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1a】1つの層。
【図1b】構造化層としての図1aの層。
【図2】本開示のいくつかの実施形態による代表的な接着ウェブの断面図。
【図3】本開示の別の実施形態による代表的な接着ウェブの断面図。
【図4】本開示のいくつかの実施形態による代表的なエアロゲル複合材料の断面図。
【図5a】本開示のいくつかの実施形態による、モノリシックエアロゲル材料を含む空洞の断面図。
【図5b】本開示のいくつかの実施形態による、繊維強化モノリシックエアロゲル材料を含む空洞の断面図。
【図6】本開示のいくつかの実施形態による、チャネルを含む代表的なエアロゲル複合材料の断面図。
【図7】本開示のいくつかの実施形態による、ポケットを含む代表的なエアロゲル複合材料の断面図。
【図8】本開示のいくつかの実施形態による、エアロゲル複合材料の断面図である。ここでエアロゲル材料は構造化層に埋め込まれ、構造化層の表面にあり、更に構造化層の空洞内。
【図9】本開示のいくつかの実施形態による、積層エアロゲル複合材料物品を示す。
【図10】本開示のいくつかの実施形態による、基材層に接着された追加層を含む、エアロゲル複合材料。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において用いられる「エアロゲル」という用語は、ゲルに似た、ただしゲルの液体分散培体を空気等の気体に置き換えた、固体状の物質を意味する。いくつかの文献において、エアロゲルという用語は、ゲル内の液体を臨界点を超えた温度及び圧力で除去することによって形成されたエアロゲルの固体状物質の特定のサブセットを示すのに用いられることもある。混乱を避けるため、そのようなエアロゲルは本明細書において「臨界超過エアロゲル」と称される。他のプロセスで形成される特定のサブセットを記述するのには、亜臨界条件で形成されるエアロゲルを通常意味する「キセロゲル」、及び「クリオゲル」等、他の用語も用いられる。まとめると、別に特記のない限り、「エアロゲル」という用語は、製品を生成するのに用いられるプロセスとは独立に、その最終製品を意味する。
【0016】
「エアロゲルモノリス」とは、連続エアロゲルを含む一体型構造である。エアロゲルモノリスは一般に、望ましい断熱・遮音性を提供するが、非常に脆くなる傾向があり、多くの用途に必要な可撓性に欠けている。エアロゲルモノリスからは、エアロゲル材料が剥がれ落ちることもあり、取扱い上の問題を引き起こすことがある。
【0017】
エアロゲル「粒子」は、流動可能な粉末状のエアロゲル材料であり、単独で、又は樹脂等の他の材料との混合物として使用することができる。いくつかの用途においては、エアロゲル粒子の使用により、エアロゲルモノリスよりも大きな可撓性を有する対象物が提供され得る。しかしながら、エアロゲル粒子を含む断熱・遮音層は、圧密状態にされていても、同様量のエアロゲルモノリスよりしばしば劣る断熱・遮音性能がもたらされる。更に、遊離エアロゲル粒子は、取扱い及び適用が困難であることがある。
【0018】
エアロゲル複合材料は、エアロゲルモノリス及びエアロゲル粒子にまつわる取扱い及び可撓性の問題のいくつかに対処する試みにおいて、これまでに用いられている。一般に「エアロゲル複合材料」は、エアロゲルと、繊維等の強化材料との両方を含む。繊維性マトリックスには、単繊維、並びに織布及び不織布繊維ウェブ(例えば、かさ高の繊維詰め綿)が挙げられる。このようなエアロゲル複合材料の1つが、繊維強化エアロゲルモノリスであり、これはエアロゲルモノリス内に埋め込まれた繊維性マトリックスが含まれる。本明細書において用いられる「モノリシックエアロゲル」という用語には、エアロゲルモノリスと繊維強化エアロゲルモノリスの両方が含まれる。
【0019】
エアロゲル複合材料には更に、繊維性マトリックス、及び所望により樹脂を、組み込んだエアロゲル粒子が含まれる。このような粒子系複合材料は、圧密し、例えばエアロゲル粉末−繊維成型体等に形成することができる。
【0020】
このようなエアロゲル複合材料は、エアロゲルモノリス及び遊離エアロゲル粒子に比べ、可撓性と取扱い性能が向上する可能性があるが、このようなエアロゲル複合材料の使用においては取扱い上の問題が生じる可能性もある。このエアロゲル複合材料の露出面には、両方の構造を有するエアロゲル材料が存在し得る。また、取扱い中又は使用中にエアロゲルにひび割れや破損が生じた場合、遊離エアロゲル材料が形成され得る。露出したエアロゲル材料及び遊離エアロゲル材料は両方とも、このエアロゲル複合材料の取扱い及び適用中に剥がれ落ちる可能性がある。更に、このエアロゲル複合材料を適用した製品の使用中にも、剥落が起こる可能性がある。
【0021】
加えて、これらのエアロゲル複合材料は一般に、特にエアロゲルモノリスと比較した場合、断熱・遮音性能が低くなる。例えば、これらのエアロゲル複合材料が屈曲又は湾曲した場合、エアロゲルが繊維から分離し、ほとんど制御されない状態で空隙又は小孔が形成される。これらの小孔は、エアロゲル複合材料内に望ましくない対流性経路を生じさせることがある。更に、繊維自体の存在が、エアロゲル材料内に望ましくない伝導性経路を提供する可能性がある。
【0022】
エアロゲル及びエアロゲル複合材料のこれらの限界及びその他の限界を識別することに加え、本発明者らは、これらに代わるエアロゲル複合材料を開発した。一般に、本開示のエアロゲル複合材料は、接着ウェブ及びエアロゲルを含む。接着ウェブは、間欠的に基材層に接着された構造化層を含み、その構造化層と基材層との間に空洞が形成される。一部のエアロゲルは、構造化層と基材層のいずれか一方又は両方の中に存在し得るが、少なくとも一部のエアロゲルが、これらの空洞の中に含まれている。
【0023】
いくつかの実施形態において、この構造化層は、例えば液体透過性層等を含む、多孔質層であり得る。いくつかの実施形態において、この構造化層は繊維層を含み得る。代表的な繊維層には、織布及び不織布材料、編物、スクリム、網、メッシュ、織物、詰め綿、マット、及び同様のものが挙げられる。いくつかの実施形態において、この繊維層には、例えばヤーン又はストランドの個別の繊維が含まれ得る。いくつかの実施形態において、この構造化層には、例えば有孔高分子フィルム等の有孔層が含まれ得る。いくつかの実施形態において、この構造化層には、例えば連続気泡型泡体又は独立気泡型発泡体等の発泡体が含まれ得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、この接着ウェブは、面ファスナーシステムに典型的に用いられているようなループ状材料であり得る。ループ状材料は一般に、基材層と、その基材層に接着されている長手方向に向いている高分子繊維で形成された多数のループを含む。ループ状材料は、従来の織物技法又は編物技法を含む数多くの方法によって作製することができる。基材層にループが縫い込まれているループ状材料シートについては、米国特許第4,609,581号及び同第4,770,917に記載されている。
【0025】
いくつかの実施形態において、このループ状材料は、全体的に均一のモルホロジーを有する熱可塑性樹脂を含む母材を含み得る。このループ状材料は更に、間隔をおいた接着箇所で基材層に接着又は融合した、一般に非変形の固定部、及び、接着箇所の間に基材層の前側表面から突出している弓状のスパン部を有する、長手方向に向けられている繊維のシートを含む。このようなループ状材料及びその作製方法は、例えば米国特許第5,256,231号、同第5,888,607、及び同第5,904,703に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
いくつかの実施形態において、この構造化層は、稜と溝を交互に含む波状層であり得る。一般に、少なくともいくつかの溝が基材層に接着され、その間欠的に接着された波状層と基材層との間に空洞が形成される。
【0027】
図1aにおいて、層5は第一長寸法11及び第二長寸法12を有し、第二長寸法は第一長寸法に対し垂直である。第一長寸法及び第二長寸法は、層5の平面30を画定し、その層の長手方向寸法(L)及び横断方向寸法(T)に対応して選択され得る。ただし、他の方向も可能である。短寸法13は第一長寸法11及び第二長寸法12の両方に対して垂直であり、よって平面30に対して垂直である。短寸法13は層の厚さに関連する。
【0028】
図1bにおいて、層5は平面的状態から改変されて構造化層10を形成し、これは長手方向に一連の波形20を含み、このそれぞれの波が稜21及び溝22を有する。図1bに示す実施形態において、この波形は周波数が均一であり、すなわち隣接する溝の間の距離がほぼ一定である。いかなる製品製造においてもある程度の変動が見込まれるため、本明細書では、任意の隣接する溝間の距離が、隣接溝間の平均距離のプラスマイナス10%以内であれば、その波形は周波数が均一であるとする。
【0029】
波形20はまた、均一な振幅を有する。すなわち、面30に対する稜21の高さ、及び面30に対する溝22の深さは、第一長寸法11(例えば構造化層10の長手方向寸法L)及び第二寸法12(例えば構造化層10の横断方向寸法T)において一定である。ここでも、通常の変動のため、特定の寸法において稜の高さ又は溝の深さが、その寸法方向における平均の高さ又は深さのプラスマイナス10%以内であれば、一定又は均一である。
【0030】
いくつかの実施形態において、この構造化層は周波数が変動する波形を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、隣接する溝の間の距離を変え、例えば望ましい溝パターンにすることができる。いくつかの実施形態において、隣接する溝の間の距離は、ランダム又は確率論的に変えることができる。
【0031】
同様に、いくつかの実施形態において、波形には可変の振幅波形が含まれ得る。いくつかの実施形態において、稜の高さ及び/又は溝の深さは、望ましい空洞形状を達成するよう変えることができる。いくつかの実施形態において、稜の高さ及び/又は溝の深さは、ランダム又は確率論的に変えることができる。
【0032】
図2には、本開示のいくつかの実施形態による接着ウェブの断面図を示す。接着ウェブ100は、構造化層110及び基材層150を含む。図に示されている構造化層は繊維層であるが、好適な任意の構造化層を使用することができる。
【0033】
構造化層110は、一連の波形120を含み、それぞれに稜121及び溝122を有する。この構造化層の少なくともいくつかの溝が、基材層に接着されている。いくつかの実施形態において、実質的にすべて(すなわち90%以上、いくつかの実施形態においては95%以上、及び更には99%以上)の溝が基材層に接着される。いくつかの実施形態において、溝はその長さの90%以上にわたって基材層に接着される。いくつかの実施形態において、溝の長さの95%以上、及びいくつかの実施形態においては99%以上が、基材層に接着される。
【0034】
図2の実施形態に示すように、溝122は基材層150に直接接着される。本明細書において、構造化層を含む材料が基材層を含む材料に直接接触している場合は、溝がその基材層に「直接接着」されているとする。いくつかの実施形態において、構造化層の溝が基材層の表面に接着されている場合に、直接接着が生じる。いくつかの実施形態において、溝の一部分が基材層に埋め込まれている場合に、直接接着が生じる。直接接着の代表的な形態には、融解接着及び音波溶接が挙げられる。
【0035】
いくつかの実施形態において、溝は基材層に間接的に接着され得る。本明細書では、構造化層と基材層との間に1つ以上の材料が挟まれている場合、溝が基材に「間接的に接着」されているとする。例えば、溝は接着層を介して基材層に間接的に接着され得る。
【0036】
溝122dとして図に示されるように、一部の溝は基材層に接着されていないことがある。図には示されていないが、このような溝は基材層に接触していることがある。接着されていない溝は、意図的に生じる場合があり、また、製造プロセスにおける変動によって生じる場合もある。
【0037】
空洞160は、基材層150と、隣接して接着された溝の間に延びる構造化層110の各範囲170とで囲まれた容積として画定される。いくつかの実施形態において、隣接する接着溝とは、空洞160aとして図示されるように隣接する溝、及び溝122a及び122bであり得る。いくつかの実施形態において、隣接する接着溝(例えば溝122c及び122e)の間には、非接着溝(例えば非接着溝122d)が1つ以上(one more)挟まれていることがある。
【0038】
空洞160aは、基材層150と、構造化層110の範囲170aとに囲まれている。範囲170aは、隣接する接着溝122a及び122bの間に稜121を経て延びる単純曲線である。空洞160bは基材層150と、構造化層110の範囲170bとに囲まれている。範囲170bは、隣接する接着溝122c及び122eの間に2つの稜121及び非接着溝122dを経て延びる、複合曲線である。
【0039】
この範囲及びその結果として生じる空洞については、他の幾何学的又は不規則な形状が可能である。例えば図3において、構造化層114の範囲174は逆さになった「V」字状である。隣接する溝124が基材層154に接着されているとき、結果として生じる空洞164はおおむね三角形の断面を有する。
【0040】
図4において、エアロゲル複合材料290は、接着ウェブ200及びエアロゲル280を含む。接着ウェブ200は、基材層250に溝222で接着されている構造化層210を含む。空洞260は基材層250及び範囲270によって画定される。各範囲は、隣接する接着溝の間に1つ以上の稜221を経て延びる。エアロゲル280は少なくともいくつかの空洞260の中にある。
【0041】
例えば材料選択及びプロセス手順によって、空洞内のエアロゲルはさまざまな形態をとることができる。図5a及び5bには、本開示のいくつかの実施形態によるさまざまなエアロゲル複合材料の断面図が示されている。これらの図のそれぞれにおいて、空洞が基材層350と構造化層310との間に形成される。
【0042】
図5aを参照し、いくつかの実施形態において、空洞361内のエアロゲルは、エアロゲルモノリス381である。図5bを参照し、いくつかの実施形態において、例えば空洞362内のエアロゲルは、繊維強化されたエアロゲルモノリス382であり、すなわちエアロゲル380と埋め込まれた強化材料(繊維等)372の両方を含むモノリスである。
【0043】
いくつかの実施形態において、エアロゲル材料(例えばエアロゲルモノリス381又は繊維強化エアロゲルモノリス382)は、空洞断面の25%以上を充填し、いくつかの実施形態においては50%以上を充填し、また更には75%以上を充填する。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は、空洞断面を実質的にすべて充填する(すなわち90%以上、いくつかの実施形態においては95以上、及び更には99%以上)。
【0044】
いくつかの実施形態において、この空洞はチャネルである。本明細書において「チャネル」とは、基材層と構造化層の範囲とに囲まれ、交差しない2本の隣接接着線の間に延びる空洞である。「接着線」とは、接着溝と基材層との間の接着領域として定義される。接着線は直線状でも非直線状でもよい。例えばいくつかの実施形態において、隣接する接着線は平行線であり得る。いくつかの実施形態において、隣接する接着線は隣接する波形線(例えば正弦波形状)であり得る。いくつかの実施形態において、隣接する接着線は同心円であり得る。
【0045】
図6において、エアロゲル複合材料490は、構造化層410及び基材層450を含み、接着ウェブ400を形成する。構造化層410は、稜421及び溝422を有する波形420を含み、この稜と溝はエアロゲル複合材料490の長手方向寸法Lにおいて交互になっている。少なくとも一部の溝が基材層に接着されている。範囲470は隣接する接着溝の間に長手方向に延び、構造化層410と基材層450との間に空洞460を形成する。空洞460は、エアロゲル複合材料490の横断方向寸法Tに沿い、隣接する接着溝の間に延びるチャネルである。
【0046】
エアロゲル材料、例えばエアロゲルモノリス480、又は繊維強化エアロゲルモノリスが、このチャネル内に包含されている。いくつかの実施形態において、単独のエアロゲルモノリス又は繊維強化エアロゲルモノリスは、チャネル空洞の横断方向長さの25%以上を占め、いくつかの実施形態においては50%以上を占め、及び、いくつかの実施形態においては75%以上を占める。いくつかの実施形態において、単独のエアロゲルモノリス又は繊維強化エアロゲルモノリスは、チャネル空洞の横断方向長さの実質的にすべて、すなわち90%以上を占め、いくつかの実施形態においては95%以上を占め、及び更には99%以上を占める。いくつかの実施形態において、2種以上の異なるエアロゲルモノリス又は繊維強化エアロゲルモノリスが、単一空洞内に存在し得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、この空洞はポケットである。本明細書において「ポケット」とは、3本以上の交差する接着線に囲まれた領域に広がる、基材層及び構造化層によって囲まれた空洞である。
【0048】
図7において、エアロゲル複合材料590は、構造化層510及び基材層550を含み、接着ウェブ500を形成する。構造化層510は、長手方向の波形520aと横断方向の波形520bの両方を有する。長手方向の波形520aは長手方向の稜521a及び長手方向の溝522aを含み、この稜と溝はエアロゲル複合材料590の長手方向寸法Lにおいて交互になっている。横断方向の波形520bは横断方向の稜521b及び横断方向の溝522bを含み、この稜と溝はエアロゲル複合材料590の横断方向寸法Tにおいて交互になっている。
【0049】
長手方向の溝と横断方向の溝の両方において、少なくとも一部の溝が基材層に接着されている。二次元領域570は、隣接する長手方向接着溝の間に長手方向に広がり、かつ隣接する横断方向接着溝の間に横断方向に広がり、構造化層510と基材層550との間に空洞560を形成する。空洞560はこれらの交差する隣接接着溝の間に広がるポケットである。いくつかの実施形態において、隣接する接着溝は隣接する溝でなくともよく、すなわち、隣接する一組の接着溝の間に、1本以上の非接着溝が存在し得る。
【0050】
図7において、長手方向溝522a及び横断方向溝522bは直線状であり、互いに垂直である。これらの交差する接着溝の間に得られる領域は560を画定し、実質的にほぼ矩形の、枕状のポケットとなっている。いくつかの実施形態において、1本又は両方の溝が非直線状であり得る。いくつかの実施形態において、接着溝は90度以外の角度で交差し得る。いくつかの実施形態において、望ましいポケットのサイズ及び形状を供給できるように構造化層と基材層との間の接着溝パターンを選択することができる。このサイズ及び形状は、均一であっても不均一であってもよい。いくつかの実施形態において、ポケットを画定する交差した接着溝の間の領域は、幾何学的形状(例えば多角形(例えば正方形、長方形、又は三角形)、円形(楕円形その他を含む))又は不規則形状であり得る。
【0051】
一般に、少なくとも一部のポケットにエアロゲル材料(例えばエアロゲルモノリス580、又は繊維強化エアロゲルモノリス)が含まれる。いくつかの実施形態において、ポケットのうち実質的にすべて(すなわち90%以上、いくつかの実施形態においては95%以上、及びいくつかの実施形態においては99%以上)にエアロゲル材料が含まれる。いくつかの実施形態において、ポケットには単独のエアロゲルモノリス又は繊維強化エアロゲルモノリスが含まれる。いくつかの実施形態において、ポケットには2種以上の異なるエアロゲルモノリス又は繊維強化エアロゲルモノリスが含まれ得る。
【0052】
図6及び図7の実施形態に示すように、エアロゲル材料は空洞内に限定された。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は、エアロゲル複合材料の1つ以上の部分に存在することができる。
【0053】
例えば、図8において、エアロゲル複合材料690は、構造全体にわたってエアロゲルを含む。具体的には、エアロゲル複合材料690は、基材層650に接着された構造化層610を含み、接着ウェブ600を形成する。空洞660は、基材層650と、構造化層610の領域670によって囲まれ、この領域は、隣接する接着溝622の間に1つ以上の稜621を経て広がる。エアロゲル材料680は空洞660内に存在し、これはエアロゲルモノリスと繊維強化エアロゲルモノリスのいずれであってもよい。追加のエアロゲル材料680が更に、構造化層610内に埋め込まれている。
【0054】
図8に示すように、いくつかの実施形態において、エアロゲル材料680は更に、構造化層610の露出面の少なくとも一部の上に存在し得る。図には示されていないが、いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は基材層内に埋め込まれ、及び/又は基材層の露出面上に配置され得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、本開示による2種以上の個別のエアロゲル複合材料を組み合わせることができる。例えば、図9を参照し、いくつかの実施形態において、第一エアロゲル複合材料790aと第二エアロゲル複合材料790bとを組み合わせ、積層エアロゲル複合材料791を形成することができる。図9に示すように、隣接するエアロゲル複合材料は、それぞれの構造化層が互いに向かい合うように重ねることができる。いくつかの実施形態において、隣接するエアロゲル複合材料は、一方の複合材料の構造化層が他方の複合材料の基材層に向くように重ねることができる。いくつかの実施形態において、隣接するエアロゲル材料は、それぞれの基材層が互いに向かい合うように重ねることができる。3つ以上の個別のエアロゲル複合材料を含む積層体において、さまざまな隣接エアロゲル複合材料の相対的向きを独立に選択することができる。
【0056】
各エアロゲル複合材料790a及び790bは、基材層(750a及び750b)に接着された構造化層(710a及び710b)を含む。エアロゲル複合材料790aの空洞760aは、隣接する接着溝722aの間に広がり、エアロゲル複合材料790bの空洞760bは、隣接する接着溝722bの間に広がる。図9に示すように、エアロゲル複合材料790bは逆さまになり、エアロゲル複合材料790aに対してずらすことにより、構造化層710bの稜721bが、構造化層710aの溝722aに全般的に揃うようになっている。同様に、構造化層710aの稜721aが、構造化層710bの溝722bに全般的に揃っている。
【0057】
エアロゲル材料780は、空洞内の少なくとも一部、及びいくつかの実施形態においては実質的にすべての空洞内に存在する。空洞内に存在するエアロゲル材料に加え、いくつかの実施形態においては、エアロゲル材料はエアロゲル複合材料の1つ以上の領域に存在し得る。例えば、いくつかの実施形態において、エアロゲル材料781はまた、構造化層710a及び710bの一方又は両方の中にも埋め込まれている。いくつかの実施形態においては、追加として、あるいは別の方法として、構造化層710a及び710bの間にエアロゲル材料782が存在し得る。図には示されていないが、追加として、あるいは別の方法として、基材層750a及び750bの一方又は両方の中にエアロゲル材料を埋め込み、及び/又はその露出面上に配置することができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、積層エアロゲル複合材料は、個別のエアロゲル複合材料を組み合わせることにより形成することができる。いくつかの実施形態において、積層エアロゲル複合材料は、接着ウェブを重ね合わせ、エアロゲル前駆体をその積層体に注入することにより形成することができる。その後にこのエアロゲル前駆体を処理することにより、最終的に積層エアロゲル複合材料を形成することができる。上述のように、いくつかの実施形態において、隣接する接着ウェブは、一方の接着ウェブの構造化層が他方の接着ウェブの基材層に向くように重ねることができる。いくつかの実施形態において、隣接する接着ウェブは、それぞれの基材層が互いに向かい合うように重ねることができる。3つ以上の個別の接着ウェブを含む積層体において、さまざまな隣接接着ウェブの相対的向きを独立に選択することができる。
【0059】
積層エアロゲル複合材料の形成方法にかかわらず、隣接する層の稜と溝の空間的向きは、特別には制限されない。いくつかの実施形態において、ある層の稜は、1つ以上の隣接する層の稜に揃えることができる。いくつかの実施形態において、ある層の稜は、1つ以上の隣接する層の稜からずらすことができる。例えば、いくつかの実施形態において、ある層の稜は、隣接する層の溝に揃えることができる。
【0060】
一般に、基材層は任意の既知の材料を含み得る。代表的な材質には、ポリマー、紙等のセルロース系材料、無機材料(例えば金属酸化物)、及び金属(例えば金属箔及びスクリム)が挙げられる。代表的なポリマー材料には、ポリオレフィン類(例えばポリプロピレン及びポリエチレン)、ポリエステル類、ポリイミド類、及びポリカーボネート類が挙げられる。いくつかの実施形態において、基材層は押出成形可能な材質を含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、基材層は熱可塑性材料を含む。熱可塑性樹脂材料は、一般的に、ガラス転移温度を十分に上回って加熱されると流動し、冷却されると固体になる材料である。代表的な熱可塑性樹脂には、ポリオレフィン類(アイソタクチックポリプロピレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリブチレン等)、非エラストマーポリオレフィンのコポリマー類又はターポリマー類(エチレン/プロピレンコポリマー等)及びそれらの混合物、エチレン酢酸ビニルコポリマー類(例えば商品名エルバックス(ELVAX)としてデラウェア州ウィルミントンのE.I.デュポン・ド・ヌムール社(E.I. DuPont de Nemours, Inc.)から発売されているもの)、エチレンアクリル酸コポリマー類、エチレンメタクリル酸コポリマー類(例えば商品名サーリン(SURLYN)1702としてE.I.デュポン・ド・ヌムール社(E.I. DuPont de Nemours, Inc.)から発売されているもの)、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリエステル類(アモルファスポリエステルを含む)、ポリアミド類、フッ素化熱可塑性樹脂(ポリフッ化ビニリデン、エチレン/プロピレンコポリマーフッ素化物等)、ハロゲン化熱可塑性樹脂(塩素化ポリエチレン等)、ポリエーテルブロックアミド(商品名ペバックス(PEBAX)5533としてペンシルバニア州フィラデルフィアのエルフ・アトケム・ノースアメリカ社(Elf-Atochem North America, Inc.)から発売されているもの等)が挙げられる。
【0062】
いくつかの実施形態において、基材層は、例えば連続気泡型発泡体及び独立気泡型発泡体等の発泡体を含む。代表的な発泡体には、ポリオレフィン類、ポリアクリル類、ポリイソシアネート類、ポリウレタン類、ポリスチレン類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリルイミド類、フェノール樹脂、ポリイミド類、エポキシ樹脂、ビニル樹脂等、及びこれらの組み合わせを含むものが挙げられる。いくつかの実施形態において、シンタクチックフォームが使用され得る。いくつかの実施形態において、この発泡体には粒子及び/又は繊維等の添加剤を含めることができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、基材層には繊維層が含まれる。この繊維層は織布でも不織布でもよい。不織布基材は、従来の任意の不織布形成プロセスを用いて形成され得る。好適な不織布繊維性基材としては、スパンボンドウェブ類、スパンレースウェブ類、メルトブローンウェブ類、カードウェブ類、ニードルパンチ織布類、水流絡合織布類、一方向繊維層(単層及び多層)類、メッシュ類、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、不織布基材はポリプロピレン不織布ウェブを含む。いくつかの実施形態において、繊維は接着されていない(すなわち、繊維層内の繊維は互いに接着されていない)。いくつかの実施形態において、繊維層は接着された繊維層である。
【0064】
一般に、この繊維層は天然繊維、合成繊維、又はこれらの組み合わせを含み得る。代表的な天然繊維には、綿繊維類、ビスコース繊維類、木材パルプ繊維類、セルロース含有繊維類、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。代表的な合成繊維類は、任意の繊維形成材質により形成することができ、ポリオレフィン類(ポリプロピレン及びポリエチレン等)、ポリエステル類(ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6及びナイロン−6,6)、ポリウレタン類、ポリブテン、ポリ乳酸類、ポリビニルアルコール、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、液晶ポリマー類、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリロニトリル、環状ポリオレフィン類、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。1つの代表的な実施形態では、この合成繊維類は、ポリプロピレン繊維類を含む。別の代表的な実施形態では、この合成繊維類は、ポリエステル繊維類を含む。
【0065】
この繊維性基材は、上記のポリマー類又はコポリマー類のいずれか1つを含む単成分繊維類を含み得る。単成分繊維類は、以下に記載される添加物を含んでもよいが、上述のポリマー材料類から選択される、単一の繊維形成材料を含む。いくつかの実施形態において、単成分繊維類は、上述のポリマー材料のうちいずれか1つを75重量%以上含み、1種以上の添加物を最高25重量%まで含む。いくつかの実施形態において、この単成分繊維類は、繊維の総重量に対し、上述のポリマー材料のうちいずれか1つを、80重量%以上、又は85重量%以上、又は90重量%以上、又は95重量%以上を含み、いくつかの実施形態においては最高100重量%まで含む。
【0066】
繊維性基材はまた、2つ以上の上述のポリマー材料、及び所望により以下に記載の1つ以上の添加物から形成される多成分繊維類も含み得る。本明細書で使用される用語「多成分繊維」は、2つ以上の高分子材料類から形成される繊維を指すために用いられる。好適な多成分繊維の構成には、芯鞘(sheath-core)構造、並列(side-by-side)構造、及び「海島」(island-in-the-sea)構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
多成分繊維から形成される不織布基材について、いくつかの実施形態において、その多成分繊維は、繊維の総重量に対して、上述のポリマーのうち2つ以上を約75〜約99重量%、及び、1種以上の追加の繊維形成用材料を約25〜約1重量%含む。
【0068】
この繊維性基材は、物品の具体的な最終用途に応じて異なる坪量を有し得る。いくつかの実施形態において、この繊維性基材は1平方メートル当たり1000グラム(gsm)未満の坪量を有する。いくつかの実施形態において、この基材は坪量が1gsm以上であり、及びいくつかの実施形態においては約10gsm以上である。いくつかの実施形態において、この坪量は500gsm以下であり、及びいくつかの実施形態においては150gsm以下である。
【0069】
坪量と同様に、繊維性基材は、物品の特定の最終用途に応じて異なる厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、この基材の有する厚さは150ミリメートル(mm)以下、又は100mm以下、又は更には50mm以下である。いくつかの実施形態において、この基材の有する厚さは0.5mm以上、又は1mm以上である。
【0070】
ほとんどの実施形態において、この基材の内部の繊維は、不織布基材の内部において、実質的に均一に分布している。しかしながら、基材の内部において、不均一な繊維の分布を有することが望ましい、いくつかの実施形態が存在し得る。
【0071】
一般に、この繊維層は織布でも不織布でもよい。一般に、この繊維層の繊維は接着されていてもよいし、接着されていなくてもよい。いくつかの実施形態において、基材層は複数の層を含む。
【0072】
一般に構造化層は、基材層に関して本明細書に記載されている任意の材質(これらの組み合わせを含む)を含み得る。例えば、構造化層は、1つ以上の熱可塑性材料を含む1つ以上の層、及び繊維層(例えば織布及び不織布ウェブ、及び接着又は非接着繊維等)を含み得る。いくつかの実施形態において、この構造化層は透過性である。
【0073】
例えば、構造化層及び基材層の材料選択に応じて、いくつかの実施形態では構造化層の1本以上の溝が基材層に融解接着されている。いくつかの実施形態において、例えば構造化層及び基材層が熱可塑性樹脂層を含む場合は、音波溶接又は熱及び圧力を適用する他の手段を用いて、所望の接着箇所において構造化層と基材層とを融合させ、接着を達成することができる。
【0074】
いくつかの実施形態において、構造化層の1本以上の溝が、基材層に間接的に接着されている。例えば、いくつかの実施形態において、溝は接着層を介して基材層に接着され得る。例えば感圧接着剤、ホットメルト接着剤、及び硬化接着剤を含む、任意の既知の接着剤が使用できる。いくつかの実施形態において、接着は熱可塑性接着層を用いて達成することができる。この層は、音波エネルギー又はその他の熱及び圧力を適用する手段によって軟化され、所望の接着箇所で構造化層を基材層に接着することができる。
【0075】
一般に、既知の任意のエアロゲルを使用することができ、これには無機エアロゲル類(例えばシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、イットリア、バナジア等)、有機エアロゲル類(例えばポリアクリレート類、ポリスチレン類、ポリアクリロニトリル類、ポリウレタン類、ポリイミド類、エポキシ樹脂等)、無機−有機ハイブリッドエアロゲル類、架橋エアロゲル類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0076】
エアロゲル作製方法はよく知られており、一般に、エアロゲル前駆体の形成、その前駆体からのゲルの生成、及び液体の除去(乾燥又は臨界超過抽出等による)が含まれる。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料の処理により、疎水性、疎油性、又は親水性のエアロゲルを供給することができる。いくつかの実施形態において、例えば放射線低減のため、ドーパント等の任意添加物を含めることができる。
【0077】
いくつかの実施形態において、基材層及び構造化層のうち少なくとも1つが透過性である。例えば、いくつかの実施形態において、層の少なくとも1つが、エアロゲル前駆体を層の中に通過して流れることができ、少なくとも部分的に空洞を満たすのに十分な気孔率を有する。この前駆体を次にゲル化し、液体を除去して、空洞内にエアロゲル材料を得ることができる。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は層の一方又は両方に存在することができ、及び/又は層の一方又は両方の表面にも存在することができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、例えばエアロゲルに対する損傷を最小限に抑え、及び/又は剥落を防ぐために、エアロゲル複合材料に対して被覆フィルムを作製することが望ましい場合がある。例えば、いくつかの実施形態において、1枚のフィルムを、エアロゲル複合材料の保護被覆として提供することができる。一般に、無機エアロゲルマトリックス又はエアロゲルコーティングされた繊維に対して材料を接着するのは難しい。しかしながら、本開示のいくつかの実施形態において、基材層及び/又は構造化層は、1つ以上の追加層に接着することができる。例えば、基材層及び/又は構造化層は、さまざまな材料と、接着剤による接着、融解接着、又は音波溶接を行うことができる。また、層(例えば基材層及び/又は構造化層)が熱可塑性樹脂材料を含む場合、追加の熱可塑性樹脂層(例えばフィルム)は、熱の適用により基材層に融解接着することができる。
【0079】
図10には、接着エアロゲル複合材料890の例が示されている。接着エアロゲル複合材料890には、接着ウェブ800、エアロゲル材料880、及び追加層855が含まれる。接着ウェブ800には繊維性構造化層810があり、これには基材層850に接着された溝822がある。エアロゲル材料880は空洞860の中にあり、また繊維性構造化層と繊維性基材層850の両方の中に埋め込まれ、及びそれらの上にも配置されており、エアロゲル複合材料を形成している。追加層855は基材層850に接着され、接着エアロゲル複合材料890を形成している。いくつかの実施形態において、追加層855は、例えばエアロゲル材料の剥落を抑えるため、取扱中にエアロゲル材料を包含するのに役立つ。
【0080】
いくつかの実施例において、積層エアロゲル複合材料は、本開示による個別の接着エアロゲル複合材料を2つ以上含み得る。いくつかの実施形態において、積層エアロゲル複合材料は、1つ以上の接着エアロゲル複合材料と、1つ以上の非接着エアロゲル複合材料(すなわち、基材層又は構造化層に接着された追加層が含まれていないエアロゲル複合材料)とを組み合わせることによって形成することができる。層の数、順序、配向には制限はなく、例えば可撓性及び取扱い性等のさまざまな設計上の考慮事項により選択することができる。本開示の接着エアロゲル複合材料及び非接着エアロゲル複合材料は、他のエアロゲル複合材料を含む、他のエアロゲル材料と組み合わせることができる。
【実施例】
【0081】
実施例1:エアロゲル複合材料
エアロゲルの可撓性構造化担体として、接着繊維ウェブが使用された。接着ウェブは、米国特許第6,537,935号及び同第5,888,607号の記述に従って作製された。3デニール(3d)ポリエステル(PET)繊維(ノースカロライナ州シャーロットのウェルマン社(Wellman Inc.))と6dPET繊維(ノースカロライナ州ソールズベリーのコーサ社(KoSa))との75−25配合物(1平方メートル当たり30グラム(gsm))を、毛羽立て、波形化し、30gsmのポリプロピレン(PP)7C05Nストランド(ミシガン州ミッドランドのダウケミカル社(Dow Chemical Co.))に接着した。結果として得られた波形パターンは、1センチメートル当たり接着溝が約4本(1インチ当たり接着溝が10本)であった。
【0082】
エアロゲル前駆体を作製するため、20.8グラム(g)のテトラエトキシシラン(TEOS)を、13.8gの100%エタノール(200プルーフ)及び1.8gの脱イオン水と混合し、モル比を1:3:1とした。室温で、60分間かけ、14ミリリットル(mL)の0.005N HClをこの溶液に加えた。次に5.6mLの0.05N NH4OHをこの溶液に加えた。
【0083】
このエアロゲル前駆体を、接着繊維ウェブにコーティングした。コーティングされたウェブは、エタノール蒸気充満環境に一晩おき、ゲル化させた。このアルコールゲルを摂氏50度のエタノール中で2日間ねかせた後、室温まで冷ました。このサンプルを100%エタノール(200プルーフ)中に浸すことを3回行い、残った水を除去した。
【0084】
次に、コーティングされたウェブを臨界超過状態で乾燥させ、エアロゲル複合材料を形成した。最初にこのサンプルの重量を測定し、内径(ID)2.2センチメートル(cm)(0.87インチ)のステンレススチール製バスケットに入れた。このバスケットを、内径2.5cm(1インチ)、高さ20cm(8インチ)のステンレス製チャンバ内に入れた。チャンバの上下は金属フリット及びOリングをはめ込んだ。このチャンバを高圧取扱い用の容器(すなわち41.4MPa(1平方メートル当たり41,000キロニュートン(kN/m2)(1平方インチ当たり6000ポンド(psi)))に入れた。この容器の外側を、ジャケットにより加熱した。
【0085】
二酸化炭素を摂氏−20度未満まで冷却し、ピストンポンプによりこの装置の底から毎分1リットルの流量で送り込んだ。10分後、圧力10.3MPa(10,300kN/m2(1500psi))で、装置の温度を摂氏40度に上げた。最低24時間、乾燥プロセスを実施した。乾燥時間終了後、二酸化炭素流を止め、圧力を毎時約2.1MPa(2000kN/m2(300psi))の速度で開放した。圧力が0.38MPa(377kN/m2(55psi))以下になったときに、最終的なエアロゲル複合材料に乾燥したそのサンプルを取り出し、重量を測定した。
【0086】
結果として得られたエアロゲル複合材料は屈曲され、エアロゲル材料にはひびが入った。しかしながら、構造化層の弓状部分と基材層との間の空洞内に閉じ込められたモノリシックエアロゲル材料は保護されたままであった。いくつかの実施形態においては、エアロゲル材料と、構造化層又は基材層との間の界面近くに、ひび割れが主に生じる。いくつかの実施形態においては、構造化層と基材層との間の接着線近くに、ひび割れが主に生じる。いくつかの実施例においては、モノリスの中身部分にもある程度のひび割れが生じる。
【0087】
平均摂氏12.5度の温度で、レーザーコンプ・フォックス200ヒートフロー装置(LASERCOMP Fox 200 HEAT FLOW INS(登録商標)TRUMENT)を使用し、エアロゲル複合材料の熱伝導率を測定した。測定された熱伝導率は、1メートル1ケルビン当たり20〜23ミリワット(mW/mK)の範囲であった。
【0088】
実施例2:積層エアロゲル複合材料
実施例1の接着繊維ウェブをコーティングし、別の接着繊維ウェブ層で間に挟み、このとき各層の弓状の部分が互いに向き合うようにした。積層体サンプルを、実施例1の記述に従い、臨界超過状態で乾燥した。この積層エアロゲル複合材料の熱伝導率は、1メートル1ケルビン当たり23〜26ミリワット(mW/mK)であった。
【0089】
実施例3:接着エアロゲル複合材料
実施例1のエアロゲル複合材料を次の方法でキャストポリプロピレンフィルムに接着した。手持ち式の実験用ヒートガン(マスターアプライアンス(Master Appliance)モデル:HG−751B)を、最高温設定で10秒間、サンプルのポリプロピレンストランド側の上約5cm(約2インチ)の場所に保持した。次に、キャストポリプロピレンフィルムをこのストランドの上に置き、そっと押さえた。結果として得られたラミネートを冷ました。ポリプロピレンストランドとキャストポリプロピレンフィルムとの間には強い接着が得られた。
【0090】
本開示のエアロゲル複合材料は、断熱及び/又は遮音を必要とする用途を含め、幅広い多様な用途に使用することができる。例えば、いくつかの実施形態において、本開示のエアロゲル複合材料は物品の表面に適用し、断熱層として用いることができる。いくつかの実施形態において、本開示のエアロゲル複合材料は、配管、壁、容器等の断熱層として用いることができる。
【0091】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱することのなく、本発明の様々な改良及び変更が、当業者には明らかとなる。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2007年7月23日に出願された米国特許出願第11/781,635号の優先権を主張し、かかる出願の開示はその全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、エアロゲルの入った空洞を有する接着ウェブを含むエアロゲル複合材料を含めた、エアロゲル複合材料に関するものである。エアロゲル複合材料の生成方法及びエアロゲル複合材料の使用方法についても開示される。
【背景技術】
【0003】
エネルギーコストの増大と都市化の拡大により、パイプライン、自動車、航空宇宙、軍事、アパレル、窓、及び住宅、並びに他の装置及び機器において、より効率的な断熱材及び遮音材を得るための開発努力がますます高まっている。エアロゲルは低密度、高気孔率の材質であり、例えば断熱材及び/又は遮音材等の数多くの用途に有用となっている。エアロゲルはまた、濾過材及び触媒支持材等他の用途にも有用であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
端的には、1つの態様において、本開示は、基材層及び構造化層が含まれる接着ウェブを含む、エアロゲル複合材料を提供する。この構造化層は、複数本の溝を含み、この溝の少なくとも一部が基材層に接着されて、構造化層と基材層との間に空洞を画定する。エアロゲル複合材料は更に、空洞の少なくとも一部の中にあるモノリシック(monolithic)エアロゲル材料を含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、基材層及び/又は構造化層は透過性であり得、熱可塑性材料を含み得、及び/又は繊維層(例えば不織布繊維層)を含み得る。いくつかの実施形態において、層は発泡体を含み得る。いくつかの実施形態において、層は複数の層を含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態において、構造化層の少なくとも一部の溝が、基材層に融解接着されている。いくつかの実施形態において、エアロゲル複合材料は更に、構造化層の少なくとも一部の溝を基材層に接着する接着剤結合を含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、隣接する溝の間の構造化層の範囲は、弓状である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの空洞はチャネルである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの空洞はポケットである。
【0008】
いくつかの実施形態において、モノリシックエアロゲル材料は、実質的にすべての空洞内に含まれる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの空洞内にあるモノリシックエアロゲル材料は、繊維強化エアロゲルモノリスを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は無機エアロゲルを含む。いくつかの実施形態において、無機エアロゲルはシリカを含む。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は有機エアロゲルを含む。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は無機−有機ハイブリッドエアロゲルを含む。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は架橋エアロゲルを含む。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は疎水性である。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は疎油性である。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は親水性である。
【0010】
いくつかの実施形態において、エアロゲル複合材料には更に、構造化層内に埋め込まれたエアロゲル材料、基材層内に埋め込まれたエアロゲル材料、構造化層の露出面上にあるエアロゲル材料、及び/又は基材層の露出面上にあるエアロゲル材料が含まれる。
【0011】
いくつかの実施形態において、エアロゲル複合材料は更に、基材層及び/又は構造化層に接着された追加層を含む。いくつかの実施形態において、追加層は熱可塑性材料を含む。いくつかの実施形態において、追加層は、基材層及び/又は構造化層に融解接着されている。
【0012】
別の態様において、本開示は、2つ以上の個別エアロゲル複合材料を含むエアロゲル複合材料の積層体を提供する。いくつかの実施形態において、各個別エアロゲル複合材料は、接着ウェブ(基材層、及び複数本の溝を含む構造化層を含み、この溝の少なくとも一部が基材層に接着されて構造化層と基材層との間に空洞を画定する)と、少なくとも一部の空洞内にあるモノリシックエアロゲル材料とを含む。
【0013】
本開示の上記の概要は、本発明の各々の実施形態を記載することを目的としない。また、本発明の1つ以上の実施形態の詳細を以下の説明に示す。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1a】1つの層。
【図1b】構造化層としての図1aの層。
【図2】本開示のいくつかの実施形態による代表的な接着ウェブの断面図。
【図3】本開示の別の実施形態による代表的な接着ウェブの断面図。
【図4】本開示のいくつかの実施形態による代表的なエアロゲル複合材料の断面図。
【図5a】本開示のいくつかの実施形態による、モノリシックエアロゲル材料を含む空洞の断面図。
【図5b】本開示のいくつかの実施形態による、繊維強化モノリシックエアロゲル材料を含む空洞の断面図。
【図6】本開示のいくつかの実施形態による、チャネルを含む代表的なエアロゲル複合材料の断面図。
【図7】本開示のいくつかの実施形態による、ポケットを含む代表的なエアロゲル複合材料の断面図。
【図8】本開示のいくつかの実施形態による、エアロゲル複合材料の断面図である。ここでエアロゲル材料は構造化層に埋め込まれ、構造化層の表面にあり、更に構造化層の空洞内。
【図9】本開示のいくつかの実施形態による、積層エアロゲル複合材料物品を示す。
【図10】本開示のいくつかの実施形態による、基材層に接着された追加層を含む、エアロゲル複合材料。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において用いられる「エアロゲル」という用語は、ゲルに似た、ただしゲルの液体分散培体を空気等の気体に置き換えた、固体状の物質を意味する。いくつかの文献において、エアロゲルという用語は、ゲル内の液体を臨界点を超えた温度及び圧力で除去することによって形成されたエアロゲルの固体状物質の特定のサブセットを示すのに用いられることもある。混乱を避けるため、そのようなエアロゲルは本明細書において「臨界超過エアロゲル」と称される。他のプロセスで形成される特定のサブセットを記述するのには、亜臨界条件で形成されるエアロゲルを通常意味する「キセロゲル」、及び「クリオゲル」等、他の用語も用いられる。まとめると、別に特記のない限り、「エアロゲル」という用語は、製品を生成するのに用いられるプロセスとは独立に、その最終製品を意味する。
【0016】
「エアロゲルモノリス」とは、連続エアロゲルを含む一体型構造である。エアロゲルモノリスは一般に、望ましい断熱・遮音性を提供するが、非常に脆くなる傾向があり、多くの用途に必要な可撓性に欠けている。エアロゲルモノリスからは、エアロゲル材料が剥がれ落ちることもあり、取扱い上の問題を引き起こすことがある。
【0017】
エアロゲル「粒子」は、流動可能な粉末状のエアロゲル材料であり、単独で、又は樹脂等の他の材料との混合物として使用することができる。いくつかの用途においては、エアロゲル粒子の使用により、エアロゲルモノリスよりも大きな可撓性を有する対象物が提供され得る。しかしながら、エアロゲル粒子を含む断熱・遮音層は、圧密状態にされていても、同様量のエアロゲルモノリスよりしばしば劣る断熱・遮音性能がもたらされる。更に、遊離エアロゲル粒子は、取扱い及び適用が困難であることがある。
【0018】
エアロゲル複合材料は、エアロゲルモノリス及びエアロゲル粒子にまつわる取扱い及び可撓性の問題のいくつかに対処する試みにおいて、これまでに用いられている。一般に「エアロゲル複合材料」は、エアロゲルと、繊維等の強化材料との両方を含む。繊維性マトリックスには、単繊維、並びに織布及び不織布繊維ウェブ(例えば、かさ高の繊維詰め綿)が挙げられる。このようなエアロゲル複合材料の1つが、繊維強化エアロゲルモノリスであり、これはエアロゲルモノリス内に埋め込まれた繊維性マトリックスが含まれる。本明細書において用いられる「モノリシックエアロゲル」という用語には、エアロゲルモノリスと繊維強化エアロゲルモノリスの両方が含まれる。
【0019】
エアロゲル複合材料には更に、繊維性マトリックス、及び所望により樹脂を、組み込んだエアロゲル粒子が含まれる。このような粒子系複合材料は、圧密し、例えばエアロゲル粉末−繊維成型体等に形成することができる。
【0020】
このようなエアロゲル複合材料は、エアロゲルモノリス及び遊離エアロゲル粒子に比べ、可撓性と取扱い性能が向上する可能性があるが、このようなエアロゲル複合材料の使用においては取扱い上の問題が生じる可能性もある。このエアロゲル複合材料の露出面には、両方の構造を有するエアロゲル材料が存在し得る。また、取扱い中又は使用中にエアロゲルにひび割れや破損が生じた場合、遊離エアロゲル材料が形成され得る。露出したエアロゲル材料及び遊離エアロゲル材料は両方とも、このエアロゲル複合材料の取扱い及び適用中に剥がれ落ちる可能性がある。更に、このエアロゲル複合材料を適用した製品の使用中にも、剥落が起こる可能性がある。
【0021】
加えて、これらのエアロゲル複合材料は一般に、特にエアロゲルモノリスと比較した場合、断熱・遮音性能が低くなる。例えば、これらのエアロゲル複合材料が屈曲又は湾曲した場合、エアロゲルが繊維から分離し、ほとんど制御されない状態で空隙又は小孔が形成される。これらの小孔は、エアロゲル複合材料内に望ましくない対流性経路を生じさせることがある。更に、繊維自体の存在が、エアロゲル材料内に望ましくない伝導性経路を提供する可能性がある。
【0022】
エアロゲル及びエアロゲル複合材料のこれらの限界及びその他の限界を識別することに加え、本発明者らは、これらに代わるエアロゲル複合材料を開発した。一般に、本開示のエアロゲル複合材料は、接着ウェブ及びエアロゲルを含む。接着ウェブは、間欠的に基材層に接着された構造化層を含み、その構造化層と基材層との間に空洞が形成される。一部のエアロゲルは、構造化層と基材層のいずれか一方又は両方の中に存在し得るが、少なくとも一部のエアロゲルが、これらの空洞の中に含まれている。
【0023】
いくつかの実施形態において、この構造化層は、例えば液体透過性層等を含む、多孔質層であり得る。いくつかの実施形態において、この構造化層は繊維層を含み得る。代表的な繊維層には、織布及び不織布材料、編物、スクリム、網、メッシュ、織物、詰め綿、マット、及び同様のものが挙げられる。いくつかの実施形態において、この繊維層には、例えばヤーン又はストランドの個別の繊維が含まれ得る。いくつかの実施形態において、この構造化層には、例えば有孔高分子フィルム等の有孔層が含まれ得る。いくつかの実施形態において、この構造化層には、例えば連続気泡型泡体又は独立気泡型発泡体等の発泡体が含まれ得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、この接着ウェブは、面ファスナーシステムに典型的に用いられているようなループ状材料であり得る。ループ状材料は一般に、基材層と、その基材層に接着されている長手方向に向いている高分子繊維で形成された多数のループを含む。ループ状材料は、従来の織物技法又は編物技法を含む数多くの方法によって作製することができる。基材層にループが縫い込まれているループ状材料シートについては、米国特許第4,609,581号及び同第4,770,917に記載されている。
【0025】
いくつかの実施形態において、このループ状材料は、全体的に均一のモルホロジーを有する熱可塑性樹脂を含む母材を含み得る。このループ状材料は更に、間隔をおいた接着箇所で基材層に接着又は融合した、一般に非変形の固定部、及び、接着箇所の間に基材層の前側表面から突出している弓状のスパン部を有する、長手方向に向けられている繊維のシートを含む。このようなループ状材料及びその作製方法は、例えば米国特許第5,256,231号、同第5,888,607、及び同第5,904,703に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
いくつかの実施形態において、この構造化層は、稜と溝を交互に含む波状層であり得る。一般に、少なくともいくつかの溝が基材層に接着され、その間欠的に接着された波状層と基材層との間に空洞が形成される。
【0027】
図1aにおいて、層5は第一長寸法11及び第二長寸法12を有し、第二長寸法は第一長寸法に対し垂直である。第一長寸法及び第二長寸法は、層5の平面30を画定し、その層の長手方向寸法(L)及び横断方向寸法(T)に対応して選択され得る。ただし、他の方向も可能である。短寸法13は第一長寸法11及び第二長寸法12の両方に対して垂直であり、よって平面30に対して垂直である。短寸法13は層の厚さに関連する。
【0028】
図1bにおいて、層5は平面的状態から改変されて構造化層10を形成し、これは長手方向に一連の波形20を含み、このそれぞれの波が稜21及び溝22を有する。図1bに示す実施形態において、この波形は周波数が均一であり、すなわち隣接する溝の間の距離がほぼ一定である。いかなる製品製造においてもある程度の変動が見込まれるため、本明細書では、任意の隣接する溝間の距離が、隣接溝間の平均距離のプラスマイナス10%以内であれば、その波形は周波数が均一であるとする。
【0029】
波形20はまた、均一な振幅を有する。すなわち、面30に対する稜21の高さ、及び面30に対する溝22の深さは、第一長寸法11(例えば構造化層10の長手方向寸法L)及び第二寸法12(例えば構造化層10の横断方向寸法T)において一定である。ここでも、通常の変動のため、特定の寸法において稜の高さ又は溝の深さが、その寸法方向における平均の高さ又は深さのプラスマイナス10%以内であれば、一定又は均一である。
【0030】
いくつかの実施形態において、この構造化層は周波数が変動する波形を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、隣接する溝の間の距離を変え、例えば望ましい溝パターンにすることができる。いくつかの実施形態において、隣接する溝の間の距離は、ランダム又は確率論的に変えることができる。
【0031】
同様に、いくつかの実施形態において、波形には可変の振幅波形が含まれ得る。いくつかの実施形態において、稜の高さ及び/又は溝の深さは、望ましい空洞形状を達成するよう変えることができる。いくつかの実施形態において、稜の高さ及び/又は溝の深さは、ランダム又は確率論的に変えることができる。
【0032】
図2には、本開示のいくつかの実施形態による接着ウェブの断面図を示す。接着ウェブ100は、構造化層110及び基材層150を含む。図に示されている構造化層は繊維層であるが、好適な任意の構造化層を使用することができる。
【0033】
構造化層110は、一連の波形120を含み、それぞれに稜121及び溝122を有する。この構造化層の少なくともいくつかの溝が、基材層に接着されている。いくつかの実施形態において、実質的にすべて(すなわち90%以上、いくつかの実施形態においては95%以上、及び更には99%以上)の溝が基材層に接着される。いくつかの実施形態において、溝はその長さの90%以上にわたって基材層に接着される。いくつかの実施形態において、溝の長さの95%以上、及びいくつかの実施形態においては99%以上が、基材層に接着される。
【0034】
図2の実施形態に示すように、溝122は基材層150に直接接着される。本明細書において、構造化層を含む材料が基材層を含む材料に直接接触している場合は、溝がその基材層に「直接接着」されているとする。いくつかの実施形態において、構造化層の溝が基材層の表面に接着されている場合に、直接接着が生じる。いくつかの実施形態において、溝の一部分が基材層に埋め込まれている場合に、直接接着が生じる。直接接着の代表的な形態には、融解接着及び音波溶接が挙げられる。
【0035】
いくつかの実施形態において、溝は基材層に間接的に接着され得る。本明細書では、構造化層と基材層との間に1つ以上の材料が挟まれている場合、溝が基材に「間接的に接着」されているとする。例えば、溝は接着層を介して基材層に間接的に接着され得る。
【0036】
溝122dとして図に示されるように、一部の溝は基材層に接着されていないことがある。図には示されていないが、このような溝は基材層に接触していることがある。接着されていない溝は、意図的に生じる場合があり、また、製造プロセスにおける変動によって生じる場合もある。
【0037】
空洞160は、基材層150と、隣接して接着された溝の間に延びる構造化層110の各範囲170とで囲まれた容積として画定される。いくつかの実施形態において、隣接する接着溝とは、空洞160aとして図示されるように隣接する溝、及び溝122a及び122bであり得る。いくつかの実施形態において、隣接する接着溝(例えば溝122c及び122e)の間には、非接着溝(例えば非接着溝122d)が1つ以上(one more)挟まれていることがある。
【0038】
空洞160aは、基材層150と、構造化層110の範囲170aとに囲まれている。範囲170aは、隣接する接着溝122a及び122bの間に稜121を経て延びる単純曲線である。空洞160bは基材層150と、構造化層110の範囲170bとに囲まれている。範囲170bは、隣接する接着溝122c及び122eの間に2つの稜121及び非接着溝122dを経て延びる、複合曲線である。
【0039】
この範囲及びその結果として生じる空洞については、他の幾何学的又は不規則な形状が可能である。例えば図3において、構造化層114の範囲174は逆さになった「V」字状である。隣接する溝124が基材層154に接着されているとき、結果として生じる空洞164はおおむね三角形の断面を有する。
【0040】
図4において、エアロゲル複合材料290は、接着ウェブ200及びエアロゲル280を含む。接着ウェブ200は、基材層250に溝222で接着されている構造化層210を含む。空洞260は基材層250及び範囲270によって画定される。各範囲は、隣接する接着溝の間に1つ以上の稜221を経て延びる。エアロゲル280は少なくともいくつかの空洞260の中にある。
【0041】
例えば材料選択及びプロセス手順によって、空洞内のエアロゲルはさまざまな形態をとることができる。図5a及び5bには、本開示のいくつかの実施形態によるさまざまなエアロゲル複合材料の断面図が示されている。これらの図のそれぞれにおいて、空洞が基材層350と構造化層310との間に形成される。
【0042】
図5aを参照し、いくつかの実施形態において、空洞361内のエアロゲルは、エアロゲルモノリス381である。図5bを参照し、いくつかの実施形態において、例えば空洞362内のエアロゲルは、繊維強化されたエアロゲルモノリス382であり、すなわちエアロゲル380と埋め込まれた強化材料(繊維等)372の両方を含むモノリスである。
【0043】
いくつかの実施形態において、エアロゲル材料(例えばエアロゲルモノリス381又は繊維強化エアロゲルモノリス382)は、空洞断面の25%以上を充填し、いくつかの実施形態においては50%以上を充填し、また更には75%以上を充填する。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は、空洞断面を実質的にすべて充填する(すなわち90%以上、いくつかの実施形態においては95以上、及び更には99%以上)。
【0044】
いくつかの実施形態において、この空洞はチャネルである。本明細書において「チャネル」とは、基材層と構造化層の範囲とに囲まれ、交差しない2本の隣接接着線の間に延びる空洞である。「接着線」とは、接着溝と基材層との間の接着領域として定義される。接着線は直線状でも非直線状でもよい。例えばいくつかの実施形態において、隣接する接着線は平行線であり得る。いくつかの実施形態において、隣接する接着線は隣接する波形線(例えば正弦波形状)であり得る。いくつかの実施形態において、隣接する接着線は同心円であり得る。
【0045】
図6において、エアロゲル複合材料490は、構造化層410及び基材層450を含み、接着ウェブ400を形成する。構造化層410は、稜421及び溝422を有する波形420を含み、この稜と溝はエアロゲル複合材料490の長手方向寸法Lにおいて交互になっている。少なくとも一部の溝が基材層に接着されている。範囲470は隣接する接着溝の間に長手方向に延び、構造化層410と基材層450との間に空洞460を形成する。空洞460は、エアロゲル複合材料490の横断方向寸法Tに沿い、隣接する接着溝の間に延びるチャネルである。
【0046】
エアロゲル材料、例えばエアロゲルモノリス480、又は繊維強化エアロゲルモノリスが、このチャネル内に包含されている。いくつかの実施形態において、単独のエアロゲルモノリス又は繊維強化エアロゲルモノリスは、チャネル空洞の横断方向長さの25%以上を占め、いくつかの実施形態においては50%以上を占め、及び、いくつかの実施形態においては75%以上を占める。いくつかの実施形態において、単独のエアロゲルモノリス又は繊維強化エアロゲルモノリスは、チャネル空洞の横断方向長さの実質的にすべて、すなわち90%以上を占め、いくつかの実施形態においては95%以上を占め、及び更には99%以上を占める。いくつかの実施形態において、2種以上の異なるエアロゲルモノリス又は繊維強化エアロゲルモノリスが、単一空洞内に存在し得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、この空洞はポケットである。本明細書において「ポケット」とは、3本以上の交差する接着線に囲まれた領域に広がる、基材層及び構造化層によって囲まれた空洞である。
【0048】
図7において、エアロゲル複合材料590は、構造化層510及び基材層550を含み、接着ウェブ500を形成する。構造化層510は、長手方向の波形520aと横断方向の波形520bの両方を有する。長手方向の波形520aは長手方向の稜521a及び長手方向の溝522aを含み、この稜と溝はエアロゲル複合材料590の長手方向寸法Lにおいて交互になっている。横断方向の波形520bは横断方向の稜521b及び横断方向の溝522bを含み、この稜と溝はエアロゲル複合材料590の横断方向寸法Tにおいて交互になっている。
【0049】
長手方向の溝と横断方向の溝の両方において、少なくとも一部の溝が基材層に接着されている。二次元領域570は、隣接する長手方向接着溝の間に長手方向に広がり、かつ隣接する横断方向接着溝の間に横断方向に広がり、構造化層510と基材層550との間に空洞560を形成する。空洞560はこれらの交差する隣接接着溝の間に広がるポケットである。いくつかの実施形態において、隣接する接着溝は隣接する溝でなくともよく、すなわち、隣接する一組の接着溝の間に、1本以上の非接着溝が存在し得る。
【0050】
図7において、長手方向溝522a及び横断方向溝522bは直線状であり、互いに垂直である。これらの交差する接着溝の間に得られる領域は560を画定し、実質的にほぼ矩形の、枕状のポケットとなっている。いくつかの実施形態において、1本又は両方の溝が非直線状であり得る。いくつかの実施形態において、接着溝は90度以外の角度で交差し得る。いくつかの実施形態において、望ましいポケットのサイズ及び形状を供給できるように構造化層と基材層との間の接着溝パターンを選択することができる。このサイズ及び形状は、均一であっても不均一であってもよい。いくつかの実施形態において、ポケットを画定する交差した接着溝の間の領域は、幾何学的形状(例えば多角形(例えば正方形、長方形、又は三角形)、円形(楕円形その他を含む))又は不規則形状であり得る。
【0051】
一般に、少なくとも一部のポケットにエアロゲル材料(例えばエアロゲルモノリス580、又は繊維強化エアロゲルモノリス)が含まれる。いくつかの実施形態において、ポケットのうち実質的にすべて(すなわち90%以上、いくつかの実施形態においては95%以上、及びいくつかの実施形態においては99%以上)にエアロゲル材料が含まれる。いくつかの実施形態において、ポケットには単独のエアロゲルモノリス又は繊維強化エアロゲルモノリスが含まれる。いくつかの実施形態において、ポケットには2種以上の異なるエアロゲルモノリス又は繊維強化エアロゲルモノリスが含まれ得る。
【0052】
図6及び図7の実施形態に示すように、エアロゲル材料は空洞内に限定された。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は、エアロゲル複合材料の1つ以上の部分に存在することができる。
【0053】
例えば、図8において、エアロゲル複合材料690は、構造全体にわたってエアロゲルを含む。具体的には、エアロゲル複合材料690は、基材層650に接着された構造化層610を含み、接着ウェブ600を形成する。空洞660は、基材層650と、構造化層610の領域670によって囲まれ、この領域は、隣接する接着溝622の間に1つ以上の稜621を経て広がる。エアロゲル材料680は空洞660内に存在し、これはエアロゲルモノリスと繊維強化エアロゲルモノリスのいずれであってもよい。追加のエアロゲル材料680が更に、構造化層610内に埋め込まれている。
【0054】
図8に示すように、いくつかの実施形態において、エアロゲル材料680は更に、構造化層610の露出面の少なくとも一部の上に存在し得る。図には示されていないが、いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は基材層内に埋め込まれ、及び/又は基材層の露出面上に配置され得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、本開示による2種以上の個別のエアロゲル複合材料を組み合わせることができる。例えば、図9を参照し、いくつかの実施形態において、第一エアロゲル複合材料790aと第二エアロゲル複合材料790bとを組み合わせ、積層エアロゲル複合材料791を形成することができる。図9に示すように、隣接するエアロゲル複合材料は、それぞれの構造化層が互いに向かい合うように重ねることができる。いくつかの実施形態において、隣接するエアロゲル複合材料は、一方の複合材料の構造化層が他方の複合材料の基材層に向くように重ねることができる。いくつかの実施形態において、隣接するエアロゲル材料は、それぞれの基材層が互いに向かい合うように重ねることができる。3つ以上の個別のエアロゲル複合材料を含む積層体において、さまざまな隣接エアロゲル複合材料の相対的向きを独立に選択することができる。
【0056】
各エアロゲル複合材料790a及び790bは、基材層(750a及び750b)に接着された構造化層(710a及び710b)を含む。エアロゲル複合材料790aの空洞760aは、隣接する接着溝722aの間に広がり、エアロゲル複合材料790bの空洞760bは、隣接する接着溝722bの間に広がる。図9に示すように、エアロゲル複合材料790bは逆さまになり、エアロゲル複合材料790aに対してずらすことにより、構造化層710bの稜721bが、構造化層710aの溝722aに全般的に揃うようになっている。同様に、構造化層710aの稜721aが、構造化層710bの溝722bに全般的に揃っている。
【0057】
エアロゲル材料780は、空洞内の少なくとも一部、及びいくつかの実施形態においては実質的にすべての空洞内に存在する。空洞内に存在するエアロゲル材料に加え、いくつかの実施形態においては、エアロゲル材料はエアロゲル複合材料の1つ以上の領域に存在し得る。例えば、いくつかの実施形態において、エアロゲル材料781はまた、構造化層710a及び710bの一方又は両方の中にも埋め込まれている。いくつかの実施形態においては、追加として、あるいは別の方法として、構造化層710a及び710bの間にエアロゲル材料782が存在し得る。図には示されていないが、追加として、あるいは別の方法として、基材層750a及び750bの一方又は両方の中にエアロゲル材料を埋め込み、及び/又はその露出面上に配置することができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、積層エアロゲル複合材料は、個別のエアロゲル複合材料を組み合わせることにより形成することができる。いくつかの実施形態において、積層エアロゲル複合材料は、接着ウェブを重ね合わせ、エアロゲル前駆体をその積層体に注入することにより形成することができる。その後にこのエアロゲル前駆体を処理することにより、最終的に積層エアロゲル複合材料を形成することができる。上述のように、いくつかの実施形態において、隣接する接着ウェブは、一方の接着ウェブの構造化層が他方の接着ウェブの基材層に向くように重ねることができる。いくつかの実施形態において、隣接する接着ウェブは、それぞれの基材層が互いに向かい合うように重ねることができる。3つ以上の個別の接着ウェブを含む積層体において、さまざまな隣接接着ウェブの相対的向きを独立に選択することができる。
【0059】
積層エアロゲル複合材料の形成方法にかかわらず、隣接する層の稜と溝の空間的向きは、特別には制限されない。いくつかの実施形態において、ある層の稜は、1つ以上の隣接する層の稜に揃えることができる。いくつかの実施形態において、ある層の稜は、1つ以上の隣接する層の稜からずらすことができる。例えば、いくつかの実施形態において、ある層の稜は、隣接する層の溝に揃えることができる。
【0060】
一般に、基材層は任意の既知の材料を含み得る。代表的な材質には、ポリマー、紙等のセルロース系材料、無機材料(例えば金属酸化物)、及び金属(例えば金属箔及びスクリム)が挙げられる。代表的なポリマー材料には、ポリオレフィン類(例えばポリプロピレン及びポリエチレン)、ポリエステル類、ポリイミド類、及びポリカーボネート類が挙げられる。いくつかの実施形態において、基材層は押出成形可能な材質を含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、基材層は熱可塑性材料を含む。熱可塑性樹脂材料は、一般的に、ガラス転移温度を十分に上回って加熱されると流動し、冷却されると固体になる材料である。代表的な熱可塑性樹脂には、ポリオレフィン類(アイソタクチックポリプロピレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリブチレン等)、非エラストマーポリオレフィンのコポリマー類又はターポリマー類(エチレン/プロピレンコポリマー等)及びそれらの混合物、エチレン酢酸ビニルコポリマー類(例えば商品名エルバックス(ELVAX)としてデラウェア州ウィルミントンのE.I.デュポン・ド・ヌムール社(E.I. DuPont de Nemours, Inc.)から発売されているもの)、エチレンアクリル酸コポリマー類、エチレンメタクリル酸コポリマー類(例えば商品名サーリン(SURLYN)1702としてE.I.デュポン・ド・ヌムール社(E.I. DuPont de Nemours, Inc.)から発売されているもの)、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリエステル類(アモルファスポリエステルを含む)、ポリアミド類、フッ素化熱可塑性樹脂(ポリフッ化ビニリデン、エチレン/プロピレンコポリマーフッ素化物等)、ハロゲン化熱可塑性樹脂(塩素化ポリエチレン等)、ポリエーテルブロックアミド(商品名ペバックス(PEBAX)5533としてペンシルバニア州フィラデルフィアのエルフ・アトケム・ノースアメリカ社(Elf-Atochem North America, Inc.)から発売されているもの等)が挙げられる。
【0062】
いくつかの実施形態において、基材層は、例えば連続気泡型発泡体及び独立気泡型発泡体等の発泡体を含む。代表的な発泡体には、ポリオレフィン類、ポリアクリル類、ポリイソシアネート類、ポリウレタン類、ポリスチレン類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリルイミド類、フェノール樹脂、ポリイミド類、エポキシ樹脂、ビニル樹脂等、及びこれらの組み合わせを含むものが挙げられる。いくつかの実施形態において、シンタクチックフォームが使用され得る。いくつかの実施形態において、この発泡体には粒子及び/又は繊維等の添加剤を含めることができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、基材層には繊維層が含まれる。この繊維層は織布でも不織布でもよい。不織布基材は、従来の任意の不織布形成プロセスを用いて形成され得る。好適な不織布繊維性基材としては、スパンボンドウェブ類、スパンレースウェブ類、メルトブローンウェブ類、カードウェブ類、ニードルパンチ織布類、水流絡合織布類、一方向繊維層(単層及び多層)類、メッシュ類、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、不織布基材はポリプロピレン不織布ウェブを含む。いくつかの実施形態において、繊維は接着されていない(すなわち、繊維層内の繊維は互いに接着されていない)。いくつかの実施形態において、繊維層は接着された繊維層である。
【0064】
一般に、この繊維層は天然繊維、合成繊維、又はこれらの組み合わせを含み得る。代表的な天然繊維には、綿繊維類、ビスコース繊維類、木材パルプ繊維類、セルロース含有繊維類、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。代表的な合成繊維類は、任意の繊維形成材質により形成することができ、ポリオレフィン類(ポリプロピレン及びポリエチレン等)、ポリエステル類(ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6及びナイロン−6,6)、ポリウレタン類、ポリブテン、ポリ乳酸類、ポリビニルアルコール、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、液晶ポリマー類、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリロニトリル、環状ポリオレフィン類、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。1つの代表的な実施形態では、この合成繊維類は、ポリプロピレン繊維類を含む。別の代表的な実施形態では、この合成繊維類は、ポリエステル繊維類を含む。
【0065】
この繊維性基材は、上記のポリマー類又はコポリマー類のいずれか1つを含む単成分繊維類を含み得る。単成分繊維類は、以下に記載される添加物を含んでもよいが、上述のポリマー材料類から選択される、単一の繊維形成材料を含む。いくつかの実施形態において、単成分繊維類は、上述のポリマー材料のうちいずれか1つを75重量%以上含み、1種以上の添加物を最高25重量%まで含む。いくつかの実施形態において、この単成分繊維類は、繊維の総重量に対し、上述のポリマー材料のうちいずれか1つを、80重量%以上、又は85重量%以上、又は90重量%以上、又は95重量%以上を含み、いくつかの実施形態においては最高100重量%まで含む。
【0066】
繊維性基材はまた、2つ以上の上述のポリマー材料、及び所望により以下に記載の1つ以上の添加物から形成される多成分繊維類も含み得る。本明細書で使用される用語「多成分繊維」は、2つ以上の高分子材料類から形成される繊維を指すために用いられる。好適な多成分繊維の構成には、芯鞘(sheath-core)構造、並列(side-by-side)構造、及び「海島」(island-in-the-sea)構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
多成分繊維から形成される不織布基材について、いくつかの実施形態において、その多成分繊維は、繊維の総重量に対して、上述のポリマーのうち2つ以上を約75〜約99重量%、及び、1種以上の追加の繊維形成用材料を約25〜約1重量%含む。
【0068】
この繊維性基材は、物品の具体的な最終用途に応じて異なる坪量を有し得る。いくつかの実施形態において、この繊維性基材は1平方メートル当たり1000グラム(gsm)未満の坪量を有する。いくつかの実施形態において、この基材は坪量が1gsm以上であり、及びいくつかの実施形態においては約10gsm以上である。いくつかの実施形態において、この坪量は500gsm以下であり、及びいくつかの実施形態においては150gsm以下である。
【0069】
坪量と同様に、繊維性基材は、物品の特定の最終用途に応じて異なる厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、この基材の有する厚さは150ミリメートル(mm)以下、又は100mm以下、又は更には50mm以下である。いくつかの実施形態において、この基材の有する厚さは0.5mm以上、又は1mm以上である。
【0070】
ほとんどの実施形態において、この基材の内部の繊維は、不織布基材の内部において、実質的に均一に分布している。しかしながら、基材の内部において、不均一な繊維の分布を有することが望ましい、いくつかの実施形態が存在し得る。
【0071】
一般に、この繊維層は織布でも不織布でもよい。一般に、この繊維層の繊維は接着されていてもよいし、接着されていなくてもよい。いくつかの実施形態において、基材層は複数の層を含む。
【0072】
一般に構造化層は、基材層に関して本明細書に記載されている任意の材質(これらの組み合わせを含む)を含み得る。例えば、構造化層は、1つ以上の熱可塑性材料を含む1つ以上の層、及び繊維層(例えば織布及び不織布ウェブ、及び接着又は非接着繊維等)を含み得る。いくつかの実施形態において、この構造化層は透過性である。
【0073】
例えば、構造化層及び基材層の材料選択に応じて、いくつかの実施形態では構造化層の1本以上の溝が基材層に融解接着されている。いくつかの実施形態において、例えば構造化層及び基材層が熱可塑性樹脂層を含む場合は、音波溶接又は熱及び圧力を適用する他の手段を用いて、所望の接着箇所において構造化層と基材層とを融合させ、接着を達成することができる。
【0074】
いくつかの実施形態において、構造化層の1本以上の溝が、基材層に間接的に接着されている。例えば、いくつかの実施形態において、溝は接着層を介して基材層に接着され得る。例えば感圧接着剤、ホットメルト接着剤、及び硬化接着剤を含む、任意の既知の接着剤が使用できる。いくつかの実施形態において、接着は熱可塑性接着層を用いて達成することができる。この層は、音波エネルギー又はその他の熱及び圧力を適用する手段によって軟化され、所望の接着箇所で構造化層を基材層に接着することができる。
【0075】
一般に、既知の任意のエアロゲルを使用することができ、これには無機エアロゲル類(例えばシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、イットリア、バナジア等)、有機エアロゲル類(例えばポリアクリレート類、ポリスチレン類、ポリアクリロニトリル類、ポリウレタン類、ポリイミド類、エポキシ樹脂等)、無機−有機ハイブリッドエアロゲル類、架橋エアロゲル類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0076】
エアロゲル作製方法はよく知られており、一般に、エアロゲル前駆体の形成、その前駆体からのゲルの生成、及び液体の除去(乾燥又は臨界超過抽出等による)が含まれる。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料の処理により、疎水性、疎油性、又は親水性のエアロゲルを供給することができる。いくつかの実施形態において、例えば放射線低減のため、ドーパント等の任意添加物を含めることができる。
【0077】
いくつかの実施形態において、基材層及び構造化層のうち少なくとも1つが透過性である。例えば、いくつかの実施形態において、層の少なくとも1つが、エアロゲル前駆体を層の中に通過して流れることができ、少なくとも部分的に空洞を満たすのに十分な気孔率を有する。この前駆体を次にゲル化し、液体を除去して、空洞内にエアロゲル材料を得ることができる。いくつかの実施形態において、エアロゲル材料は層の一方又は両方に存在することができ、及び/又は層の一方又は両方の表面にも存在することができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、例えばエアロゲルに対する損傷を最小限に抑え、及び/又は剥落を防ぐために、エアロゲル複合材料に対して被覆フィルムを作製することが望ましい場合がある。例えば、いくつかの実施形態において、1枚のフィルムを、エアロゲル複合材料の保護被覆として提供することができる。一般に、無機エアロゲルマトリックス又はエアロゲルコーティングされた繊維に対して材料を接着するのは難しい。しかしながら、本開示のいくつかの実施形態において、基材層及び/又は構造化層は、1つ以上の追加層に接着することができる。例えば、基材層及び/又は構造化層は、さまざまな材料と、接着剤による接着、融解接着、又は音波溶接を行うことができる。また、層(例えば基材層及び/又は構造化層)が熱可塑性樹脂材料を含む場合、追加の熱可塑性樹脂層(例えばフィルム)は、熱の適用により基材層に融解接着することができる。
【0079】
図10には、接着エアロゲル複合材料890の例が示されている。接着エアロゲル複合材料890には、接着ウェブ800、エアロゲル材料880、及び追加層855が含まれる。接着ウェブ800には繊維性構造化層810があり、これには基材層850に接着された溝822がある。エアロゲル材料880は空洞860の中にあり、また繊維性構造化層と繊維性基材層850の両方の中に埋め込まれ、及びそれらの上にも配置されており、エアロゲル複合材料を形成している。追加層855は基材層850に接着され、接着エアロゲル複合材料890を形成している。いくつかの実施形態において、追加層855は、例えばエアロゲル材料の剥落を抑えるため、取扱中にエアロゲル材料を包含するのに役立つ。
【0080】
いくつかの実施例において、積層エアロゲル複合材料は、本開示による個別の接着エアロゲル複合材料を2つ以上含み得る。いくつかの実施形態において、積層エアロゲル複合材料は、1つ以上の接着エアロゲル複合材料と、1つ以上の非接着エアロゲル複合材料(すなわち、基材層又は構造化層に接着された追加層が含まれていないエアロゲル複合材料)とを組み合わせることによって形成することができる。層の数、順序、配向には制限はなく、例えば可撓性及び取扱い性等のさまざまな設計上の考慮事項により選択することができる。本開示の接着エアロゲル複合材料及び非接着エアロゲル複合材料は、他のエアロゲル複合材料を含む、他のエアロゲル材料と組み合わせることができる。
【実施例】
【0081】
実施例1:エアロゲル複合材料
エアロゲルの可撓性構造化担体として、接着繊維ウェブが使用された。接着ウェブは、米国特許第6,537,935号及び同第5,888,607号の記述に従って作製された。3デニール(3d)ポリエステル(PET)繊維(ノースカロライナ州シャーロットのウェルマン社(Wellman Inc.))と6dPET繊維(ノースカロライナ州ソールズベリーのコーサ社(KoSa))との75−25配合物(1平方メートル当たり30グラム(gsm))を、毛羽立て、波形化し、30gsmのポリプロピレン(PP)7C05Nストランド(ミシガン州ミッドランドのダウケミカル社(Dow Chemical Co.))に接着した。結果として得られた波形パターンは、1センチメートル当たり接着溝が約4本(1インチ当たり接着溝が10本)であった。
【0082】
エアロゲル前駆体を作製するため、20.8グラム(g)のテトラエトキシシラン(TEOS)を、13.8gの100%エタノール(200プルーフ)及び1.8gの脱イオン水と混合し、モル比を1:3:1とした。室温で、60分間かけ、14ミリリットル(mL)の0.005N HClをこの溶液に加えた。次に5.6mLの0.05N NH4OHをこの溶液に加えた。
【0083】
このエアロゲル前駆体を、接着繊維ウェブにコーティングした。コーティングされたウェブは、エタノール蒸気充満環境に一晩おき、ゲル化させた。このアルコールゲルを摂氏50度のエタノール中で2日間ねかせた後、室温まで冷ました。このサンプルを100%エタノール(200プルーフ)中に浸すことを3回行い、残った水を除去した。
【0084】
次に、コーティングされたウェブを臨界超過状態で乾燥させ、エアロゲル複合材料を形成した。最初にこのサンプルの重量を測定し、内径(ID)2.2センチメートル(cm)(0.87インチ)のステンレススチール製バスケットに入れた。このバスケットを、内径2.5cm(1インチ)、高さ20cm(8インチ)のステンレス製チャンバ内に入れた。チャンバの上下は金属フリット及びOリングをはめ込んだ。このチャンバを高圧取扱い用の容器(すなわち41.4MPa(1平方メートル当たり41,000キロニュートン(kN/m2)(1平方インチ当たり6000ポンド(psi)))に入れた。この容器の外側を、ジャケットにより加熱した。
【0085】
二酸化炭素を摂氏−20度未満まで冷却し、ピストンポンプによりこの装置の底から毎分1リットルの流量で送り込んだ。10分後、圧力10.3MPa(10,300kN/m2(1500psi))で、装置の温度を摂氏40度に上げた。最低24時間、乾燥プロセスを実施した。乾燥時間終了後、二酸化炭素流を止め、圧力を毎時約2.1MPa(2000kN/m2(300psi))の速度で開放した。圧力が0.38MPa(377kN/m2(55psi))以下になったときに、最終的なエアロゲル複合材料に乾燥したそのサンプルを取り出し、重量を測定した。
【0086】
結果として得られたエアロゲル複合材料は屈曲され、エアロゲル材料にはひびが入った。しかしながら、構造化層の弓状部分と基材層との間の空洞内に閉じ込められたモノリシックエアロゲル材料は保護されたままであった。いくつかの実施形態においては、エアロゲル材料と、構造化層又は基材層との間の界面近くに、ひび割れが主に生じる。いくつかの実施形態においては、構造化層と基材層との間の接着線近くに、ひび割れが主に生じる。いくつかの実施例においては、モノリスの中身部分にもある程度のひび割れが生じる。
【0087】
平均摂氏12.5度の温度で、レーザーコンプ・フォックス200ヒートフロー装置(LASERCOMP Fox 200 HEAT FLOW INS(登録商標)TRUMENT)を使用し、エアロゲル複合材料の熱伝導率を測定した。測定された熱伝導率は、1メートル1ケルビン当たり20〜23ミリワット(mW/mK)の範囲であった。
【0088】
実施例2:積層エアロゲル複合材料
実施例1の接着繊維ウェブをコーティングし、別の接着繊維ウェブ層で間に挟み、このとき各層の弓状の部分が互いに向き合うようにした。積層体サンプルを、実施例1の記述に従い、臨界超過状態で乾燥した。この積層エアロゲル複合材料の熱伝導率は、1メートル1ケルビン当たり23〜26ミリワット(mW/mK)であった。
【0089】
実施例3:接着エアロゲル複合材料
実施例1のエアロゲル複合材料を次の方法でキャストポリプロピレンフィルムに接着した。手持ち式の実験用ヒートガン(マスターアプライアンス(Master Appliance)モデル:HG−751B)を、最高温設定で10秒間、サンプルのポリプロピレンストランド側の上約5cm(約2インチ)の場所に保持した。次に、キャストポリプロピレンフィルムをこのストランドの上に置き、そっと押さえた。結果として得られたラミネートを冷ました。ポリプロピレンストランドとキャストポリプロピレンフィルムとの間には強い接着が得られた。
【0090】
本開示のエアロゲル複合材料は、断熱及び/又は遮音を必要とする用途を含め、幅広い多様な用途に使用することができる。例えば、いくつかの実施形態において、本開示のエアロゲル複合材料は物品の表面に適用し、断熱層として用いることができる。いくつかの実施形態において、本開示のエアロゲル複合材料は、配管、壁、容器等の断熱層として用いることができる。
【0091】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱することのなく、本発明の様々な改良及び変更が、当業者には明らかとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層、及び複数本の溝を有する構造化層を含む接着ウェブであって、該溝の少なくとも一部が該基材層と接着して該構造化層と該基材層との間に空洞を画定している、接着ウェブと、
該空洞の少なくとも一部の中に入っているモノリシックエアロゲル材料と、を含む、エアロゲル複合材料。
【請求項2】
前記基材層が透過性である、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項3】
前記基材層が熱可塑性材料を含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項4】
前記基材層が発泡体を含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項5】
前記基材層が繊維層を含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項6】
前記基材層が複数の層を含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項7】
前記構造化層が透過性である、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項8】
前記構造化層が熱可塑性材料を含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項9】
前記構造化層が繊維層を含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項10】
前記構造化層の繊維層が不織布である、請求項9に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項11】
前記構造化層の溝の少なくとも一部が前記基材層に融解接着している、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項12】
接着剤が前記構造化層の少なくとも一部を前記基材層に接着していることを更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項13】
前記構造化層の隣接する溝の間の範囲が弓状である、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項14】
少なくとも1つの空洞がチャネルである、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項15】
少なくとも1つの空洞がポケットである、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項16】
前記空洞の90%以上の中にモノリシックエアロゲル材料が含まれている、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項17】
少なくとも1つの空洞内にある前記モノリシックエアロゲル材料が、繊維強化エアロゲルモノリスを含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項18】
前記エアロゲル材料が無機エアロゲルを含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項19】
前記無機エアロゲルがシリカを含む、請求項18に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項20】
前記エアロゲル材料が有機エアロゲルを含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項21】
前記エアロゲル材料が無機−有機ハイブリッドエアロゲルを含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項22】
前記エアロゲル材料が疎水性である、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項23】
前記エアロゲル材料が親水性である、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項24】
前記構造化層内に埋め込まれたエアロゲル材料を更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項25】
前記基材層内に埋め込まれたエアロゲル材料を更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項26】
前記構造化層の露出面上にあるエアロゲル材料を更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項27】
前記基材層の露出面上にあるエアロゲル材料を更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項28】
前記基材層に接着された追加層を更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項29】
前記追加層が熱可塑性材料を含む、請求項28に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項30】
前記追加層が前記基材層に融解接着されている、請求項29に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項31】
前記構造化層に接着した追加層を更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項32】
前記追加層が熱可塑性材料を含む、請求項31に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項33】
前記追加層が前記構造化層に融解接着されている、請求項32に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項34】
熱可塑性樹脂基材層、及び複数本の溝を有する繊維性構造化層を含む接着ウェブであって、該溝の少なくとも一部が該基材層に接着して該構造化層と該基材層との間に空洞を画定している、接着ウェブと、
空洞の少なくとも一部の中に入っているモノリシックエアロゲル材料と、を含む、エアロゲル複合材料。
【請求項35】
前記空洞の少なくとも90%の中にモノリシックエアロゲル材料が入っている、請求項34に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項36】
前記モノリシックエアロゲル材料がシリカを含む、請求項34に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項37】
前記構造化層内に埋め込まれたエアロゲル材料、前記基材層内に埋め込まれたエアロゲル材料、該構造化層の露出面上にあるエアロゲル材料、該基材層の露出面上にあるエアロゲル材料、又はこれらの組み合わせを更に含む、請求項34に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項38】
前記基材層と、前記構造化層と、又はその両方と接着した、追加層を更に含む、請求項34に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項39】
2つ以上の個別エアロゲル複合材料を含むエアロゲル複合材料の積層体であって、個別エアロゲル複合材料がそれぞれ、
基材層、及び複数本の溝を含む構造化層を含み、該溝の少なくとも一部が、該基材層と接着して該構造化層と該基材層との間に空洞を画定している、接着ウェブと、
該空洞の少なくとも一部の中に入っているモノリシックエアロゲル材料と、を含む、エアロゲル複合材料の積層体。
【請求項40】
前記エアロゲル複合材料の積層体であって、各個別エアロゲル複合材料に対して、前記基材層が熱可塑性材料を含み、前記構造化層が繊維層を含み、前記空洞の少なくとも90%の中にモノリシックエアロゲル材料が入っている、請求項39に記載のエアロゲル複合材料の積層体。
【請求項41】
前記モノリシックエアロゲル材料がシリカを含む、請求項40に記載のエアロゲル複合材料の積層体。
【請求項42】
少なくとも1つの個別エアロゲル複合材料が接着エアロゲル複合材料である、請求項40に記載のエアロゲル複合材料の積層体。
【請求項43】
前記個別エアロゲル複合材料のそれぞれが、接着エアロゲル複合材料である、請求項42に記載のエアロゲル複合材料の積層体。
【請求項1】
基材層、及び複数本の溝を有する構造化層を含む接着ウェブであって、該溝の少なくとも一部が該基材層と接着して該構造化層と該基材層との間に空洞を画定している、接着ウェブと、
該空洞の少なくとも一部の中に入っているモノリシックエアロゲル材料と、を含む、エアロゲル複合材料。
【請求項2】
前記基材層が透過性である、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項3】
前記基材層が熱可塑性材料を含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項4】
前記基材層が発泡体を含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項5】
前記基材層が繊維層を含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項6】
前記基材層が複数の層を含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項7】
前記構造化層が透過性である、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項8】
前記構造化層が熱可塑性材料を含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項9】
前記構造化層が繊維層を含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項10】
前記構造化層の繊維層が不織布である、請求項9に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項11】
前記構造化層の溝の少なくとも一部が前記基材層に融解接着している、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項12】
接着剤が前記構造化層の少なくとも一部を前記基材層に接着していることを更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項13】
前記構造化層の隣接する溝の間の範囲が弓状である、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項14】
少なくとも1つの空洞がチャネルである、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項15】
少なくとも1つの空洞がポケットである、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項16】
前記空洞の90%以上の中にモノリシックエアロゲル材料が含まれている、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項17】
少なくとも1つの空洞内にある前記モノリシックエアロゲル材料が、繊維強化エアロゲルモノリスを含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項18】
前記エアロゲル材料が無機エアロゲルを含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項19】
前記無機エアロゲルがシリカを含む、請求項18に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項20】
前記エアロゲル材料が有機エアロゲルを含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項21】
前記エアロゲル材料が無機−有機ハイブリッドエアロゲルを含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項22】
前記エアロゲル材料が疎水性である、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項23】
前記エアロゲル材料が親水性である、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項24】
前記構造化層内に埋め込まれたエアロゲル材料を更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項25】
前記基材層内に埋め込まれたエアロゲル材料を更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項26】
前記構造化層の露出面上にあるエアロゲル材料を更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項27】
前記基材層の露出面上にあるエアロゲル材料を更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項28】
前記基材層に接着された追加層を更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項29】
前記追加層が熱可塑性材料を含む、請求項28に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項30】
前記追加層が前記基材層に融解接着されている、請求項29に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項31】
前記構造化層に接着した追加層を更に含む、請求項1に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項32】
前記追加層が熱可塑性材料を含む、請求項31に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項33】
前記追加層が前記構造化層に融解接着されている、請求項32に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項34】
熱可塑性樹脂基材層、及び複数本の溝を有する繊維性構造化層を含む接着ウェブであって、該溝の少なくとも一部が該基材層に接着して該構造化層と該基材層との間に空洞を画定している、接着ウェブと、
空洞の少なくとも一部の中に入っているモノリシックエアロゲル材料と、を含む、エアロゲル複合材料。
【請求項35】
前記空洞の少なくとも90%の中にモノリシックエアロゲル材料が入っている、請求項34に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項36】
前記モノリシックエアロゲル材料がシリカを含む、請求項34に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項37】
前記構造化層内に埋め込まれたエアロゲル材料、前記基材層内に埋め込まれたエアロゲル材料、該構造化層の露出面上にあるエアロゲル材料、該基材層の露出面上にあるエアロゲル材料、又はこれらの組み合わせを更に含む、請求項34に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項38】
前記基材層と、前記構造化層と、又はその両方と接着した、追加層を更に含む、請求項34に記載のエアロゲル複合材料。
【請求項39】
2つ以上の個別エアロゲル複合材料を含むエアロゲル複合材料の積層体であって、個別エアロゲル複合材料がそれぞれ、
基材層、及び複数本の溝を含む構造化層を含み、該溝の少なくとも一部が、該基材層と接着して該構造化層と該基材層との間に空洞を画定している、接着ウェブと、
該空洞の少なくとも一部の中に入っているモノリシックエアロゲル材料と、を含む、エアロゲル複合材料の積層体。
【請求項40】
前記エアロゲル複合材料の積層体であって、各個別エアロゲル複合材料に対して、前記基材層が熱可塑性材料を含み、前記構造化層が繊維層を含み、前記空洞の少なくとも90%の中にモノリシックエアロゲル材料が入っている、請求項39に記載のエアロゲル複合材料の積層体。
【請求項41】
前記モノリシックエアロゲル材料がシリカを含む、請求項40に記載のエアロゲル複合材料の積層体。
【請求項42】
少なくとも1つの個別エアロゲル複合材料が接着エアロゲル複合材料である、請求項40に記載のエアロゲル複合材料の積層体。
【請求項43】
前記個別エアロゲル複合材料のそれぞれが、接着エアロゲル複合材料である、請求項42に記載のエアロゲル複合材料の積層体。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2010−534188(P2010−534188A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518279(P2010−518279)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/069765
【国際公開番号】WO2009/014913
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/069765
【国際公開番号】WO2009/014913
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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