説明

エネルギー蓄積及び戻し用の靴底構成

【課題】少なくとも人間の足の一部を支持しエネルギーを蓄積及び取得する靴底構成の提供。
【解決手段】靴底構成は、伸縮自在の材料よりなる水平な層、層の第1側に隣接配置される少なくとも1つのチャンバ、対応チャンバに垂直に整列される層の第2側に隣接配置される少なくとも1つのアクチュエータを含む。各アクチュエータは、対応チャンバよりも小さいフットプリントの大きさを有し、人間の各足骨にそれぞれ支持を与えるようその大きさが決定され、配置される。支持構造は、圧縮されるとアクチュエータを層に押圧し、またその層を少なくとも一部対応チャンバ内に移動させる。一の例は、対応チャンバ内で上下方向両方に移動する複数のアクチュエータを使用することにより、動作エネルギーの蓄積及び戻しを行う。他の例は、足の自然回転移動を調節する、凸状テ−パ付きアクチュエータを使用することで、水平安定性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に履物品に関する。より詳細には、本発明は、人が生成する運動エネルギーを蓄積するため、運動用履物に内蔵され、又は既存の履物へのインサート等の靴底構成に関する。靴底構成は、構造的特徴を組合せたものであり、これら特徴により、余暇、スポーツ活動参加者の能力を補助し、高める着用者の筋肉エネルギーに関し、その蓄積、回復、誘導の向上が可能となる。
【背景技術】
【0002】
人間が、足に覆いを着用し始めた当初より、常にそのような覆いをより便利に、また履き心地よくしたいという願望があった。よって、着用者が参加する予定の特定活動において、その特定ニーズに答えるため、多くの様々な種類の履物が開発されてきた。同様に、一般的、及び専用の履物両方の履き心地程度を向上させるため、多くの開発も行われてきた。
【0003】
人間の足は、動物界ではユニークなものである。他動物をはるかに超える固有の質、能力を有している。最も荒い地形でも、そこを横切って二足歩行可能である。片方の足でもバランスがとれ、靴内のどのような小さな砂でも感知することができる。実際、手以上に足には神経終末が存在する。
【0004】
我々は、足骨構造を横切って、文字通り前方、後方、水平、内側に回転する。ここで、キーワードは、「回転」である。足と足首系筋肉により、足の骨構造を横切って、水平から内側、又はその逆に力の促進が制御される。
【0005】
生態力学用語では、この運動は、回内、回外と称される。足は、地面に対して平らに位置付けられることはほとんどないが、靴デザイナ達は、その状態を予想し続けている。
運動競技での努力が益々普及し、それに伴い様々なスポーツの参加者のニーズに答えるべく、靴のデザインも益々多くなっている。靴デザインの増大は、特に歩行、走り、ジャンプ等の過酷な移動を含む運動競技参加者の間で起きてきた。
【0006】
一般的歩行、走りでは、片方の足が、「スタンスモード」で支持面(地面等)に接触し、一方他方の足が、「スイングモード」で空気中を移動していることはよく知られている。更に、スタンスモードでは、「地面上」の各足が、3つの連続する基本態、つまりかかと打ち、中スタンス、つま先離れ、を通して進む。より速い走り歩調では、人はつま先で立つ傾向があるため、かかと打ち態は通常省略される。
【0007】
一般的靴のデザインでは、上述の連続する各段階中、参加者の足と足首系のニーズに十分対処しているとはいえない。一般的靴のデザインでは、衝撃、負荷筋肉及び腱系を吸収し、走者の体の前進移動を補助する能力を含むその機能的能力に関し、その多くの割合、ある推定では少なくとも30%が損失されている。これは、現在の歩行、走行用靴デザインによる靴底が、参加者の足の筋肉、腱を個別に取り扱っていないからである。
【0008】
これら足構成要素を個別に処理していないため、足及び足首系の柔軟性が抑制され、足及び足首系に最適に負荷を掛けるタイミングが阻害され、また「地面上」歩行の3つの基本的連続相中に、足のかかとからつま先への円滑、且つ連続したエネルギー移行が阻害されてしまう。
更に、活発な運動活動において、競技者は、走り、ジャンプ等の運動から運動エネルギーを生成する。従来の靴デザインは、単にこれら活動からの衝撃を抑制し、それによりエネルギーを浪費するだけであった。競技者生成の運動エネルギーを失うことより、そのエネルギーを保持し、回復したりして、運動能力を向上することが有益である。しかし、従来の靴デザインは、このニーズに対処してこなかった。
【0009】
歴史的に、近代ランニングシューズ製造業者は、着用者の足にクッションを持たせるため泡を加えてきた。そして、製造業者は、徐々に泡ベースの履物に代わるものを開発してきた。これは、泡が、繰り返し使用されると永久的に圧縮されたままとなり、クッションの役割を果たさなくなるからである。最大のランニングシューズ製造業者の1つである、ナイキ(オレゴン州ビーバートン)では、着用者の足にクッションを持たせるための手段として、圧縮ガス袋を利用してきた。ドイツの製造業者プーマAGは、ポリウレタンエラストマがクッション材である泡なしシューズを提案してきた。もう1つのランニングシューズ製造業者であるリーボック国際(マサチューセッツ州ストートン)は、最近、2層の空気クッションを有するランニングシューズを紹介している。
【0010】
従来、ランニングシューズのデザイナは、着用者の足を保護するのに十分なクッションを与えることと、着用者の足がよろけたり、ひざの動きに非同調となってしまうほどのクッションは与えないこととの間で妥協を図ってきた。リーボックのシューズでは、所定時間に靴底の活発な部分に移動する空気が使用される。例えば、走者のかかと外側が地面に接触すると、空気クッションに着くことになる。走者の体重がかかると、その空気はかかと内側に押され、こえにより別の空気充満層が空気を足先に押しやる一方、足が過度に内側に回転することが防がれる。走者の体重が足先にかけられると、空気はかかとに戻る。
【0011】
ここ数年、ある程度の反発を提供し、それにより競技者にエネルギーを戻すような運動靴を構成する努力がなされてきた。様々な空気ブラダ装置が採用され、使用中に「はね返り」が提供されてきた。また、多くの開発もなされ、より「弾力性」を高めるよう、靴底及び靴を構成するのに使用される材が出てきた。
【0012】
更に、歴史的に、靴底中央部及び靴底圧縮も非常に不安定となることがある。これは、靴底及び靴底中央部のピッチング、チッピング、水平せん断により、制御及びエネルギー移転に要される反対方向にエネルギーが自然にはね返されるからである。靴デザイナにとりもう1つ厄介な問題は、足及び足首系が水平から内側に回転する際、いかにエネルギーを保持するかであった。これらの回転力は、その吸収、制御が困難であった。
【0013】
過去、上述の特定のものも含め、能力を高める方法で、歩行や走行活動中に参加者の足及び足首系の前記ニーズに十分対処してきた靴のデザインは1つもない。従来の方法は、地面での着用者の足の衝撃を和らげることに主に関心があった。よって、歩行、走行、ジャンプ等の活動中、着用者の能力を補助し、高めるように、着用者の筋肉エネルギー保持、回復、誘導を向上させる靴底の特徴を提供するニーズに対処するどころか、その認識にも欠けていた。
【0014】
米国特許第5,595,003号(スノウ氏)には、力応答靴底を有する運動靴が開示されている。しかし、スノウ氏による実施例の問題として、なかでも高いクリート、弾力性のある膜、深い開口、「ガイド板」を備える非常に厚い靴底が提示されていることが問題となっている。これら構成要素の組合せは、非常に重い靴となってしまうため望ましくない。更に、スノウ氏の靴では、製造業者にはコスト的に見合わない多くの小さな部分がある。これら多くの小さなクリートは、弾力性膜と介し十分なゴム分子に影響を与えることができず、膜厚を実行不可能な点にまで増加することなしには、競合的効果は提供されない。
【0015】
スノウ氏によるより重く、より丈長の靴底中央部及び靴底では、足を地面から更に上げる必要があり、安定性ばかりか神経筋入力も減少してしまう。また、スノウ氏のクリートの「循環」、つまり貫通とばね返りには、より長い時間がかかる。スノウ氏のクリートには、また垂直誘導、つまりスノウ氏によれば必要なガイド板等による反チッピングが必要となる。また、足の特定骨構造に適当なてこ作用点、足及び足首系固有の回転上の制御、生態力学的誘導、調整可能垂直ベクトルの生成と、かかと、足中央、足先、つま先、又はその反対からのエネルギーの前後移転能力等が提供されていない。
【0016】
本発明者は、先の米国特許第5,647、145号において、いくつかの方法で靴性能を向上させる運動靴靴底構成を開示している。まず、本特許(‘145号)記載の構成では、足のかかと、つま先、足根骨、中足骨領域が個々に処理され、靴底の様々な部分が足の各部と協力して作用するよう、より柔軟性が与えられる。加えて、エネルギー保持を助けるため、様々な位置に形成される空洞と協力して作用する弾力性層が、靴底に設置される。
【0017】
上述の靴構成における進歩は、‘145号特許も含め、競技者に大きな恩恵を与えてきたが、それでも未だ引き続き運動靴の性能を高める必要性がある。運動能力を高めるため、運動エネルギー量を増大、保持し、そのエネルギーを競技者に戻すことができる運動靴靴構成が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第5595003号明細書
【特許文献2】米国特許第5647145号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、履物に内蔵、又は既存の履物内へのインサートして使用される新しい、有益な靴底構成を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、履物に圧縮重量がかけられる際に運動エネルギーを保持し、その重量が解除される際にエネルギーを開放する、履物で使用される構造を提供することである。
【0021】
本発明の更なる目的は、履物、特にその履物を着用する人の能力を向上させる履物用靴底構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明では、上述のニーズを満足するようデザインされた運動靴靴底構成が提供される。本発明の一態様によれば、運動靴靴底において、着用者の足のかかと、足中央、足先領域下に構造特徴の組合せを提供する。これら特徴により、スポーツ及び余暇活動での着用者の能力を補助し、高める方法で、筋肉エネルギーの保持、回復、誘導が向上する。本発明の靴底構成では、歩行、走行、ジャンプ用運動靴が、足筋肉の自然な曲げ行為を補助、増加、誘導することによりその性能を改善し、向上できるようになる。本発明の靴底構成に内蔵される構造特徴の組合せにより、着用者の足が、かかと打ち、中央打ち、つま先離れの3連続相を介して進む際、足エネルギーに対してユニークな制御、及び誘導が提供される。
【0023】
従って、本発明の一態様によれば、上部と、かかと、足中央、中足骨、つま先領域を有する靴底とを備える運動靴が提供される。この場合、靴底は、上部に取り付けられ、複数の伸張チャンバを画成する剛性材基礎層と、基礎層に取り付けられ、基礎層伸張チャンバ下に弾性伸縮自在材部を有する伸張層と、伸張層に取り付けられ、基礎層伸張チャンバ下に位置し、整合する剛性材部を有するスラスタ層とを備え、伸張層部分が、スラスタ層と基礎層間に配置される。このような構成により、靴底のかかと、足中央領域、中足骨、つま先領域が、支持面と接触後、そこに加えられる圧縮力に応答して、基礎層、伸張層、スラスタ層間で相互作用が起こる。
【0024】
その結果、着用者の足により靴底のかかと、足中央領域、中足骨、つま先領域に加えられるエネルギーが変換、一次保持され、伸張層部分を基礎層伸張チャンバ内に機械的に伸ばすことになる。その後、保持エネルギーは、伸張層の伸ばされた部分、スラスタ層の部分の反発という形で回復される。靴底のかかと、足中央領域構成要素により、着用者の足のかかと、足中央下にある中央及び周辺部において、エネルギーの一次的保持、回復が提供される一方、靴底の中足骨、つま先領域の構成要素により、着用者の足の個々中足骨、足指下にある独立部において、エネルギーの一次的保持、回復が提供される。
【0025】
本発明の別の態様によれば、人が支持面を進む間に、その人の足に着用される履物品で使用される靴底が提供される。この靴底は、支持面に人の重量がかけられた際生成される圧縮力から生じるエネルギーを保持、開放するよう作用する。従って、この靴底は、標準の履物甲革で内蔵可能な改良品である。或いは、本発明は、既存の靴、又は他の履物品に挿入可能なインサート靴底として構成できる。
【0026】
一実施例において、靴底は、対向する第1、第2面を有する伸縮自在弾力性材よりなる第1層を備える。第1プロフィールは、剛性材よりなり、弾力性層の第1側に位置決定される。この第1プロフィールには、そのなかに形成される第1プロフィールチャンバが含まれる。第1プロフィースチャンバは、弾力性層の第1面に向かって開口する内部領域を有する。第1プロフィール及び弾力性層は、弾力性層が第1内部領域を横断して広がるよう、お互い相対的に位置決定される。
【0027】
また、第2プロフィールも剛性材よりなり、第1プロフィールに対向する弾力性層第2側に位置決定される。この第2プロフィールには、弾力性層第2面に対抗し、静止状態を定める第1アクチュエータ要素が含まれる。第1、第2プロフィールは、第1アクチュエータ要素が、第1プロフィールチャンバに対して配向され、お互い相対的に位置決定される。それにより、足と支持面間の圧縮力が、第1、第2プロフィールをお互いに向け移動させるようになる。このような移動が起きると、第1アクチュエータ要素は、第1プロフィールチャンバ内に進み、それにより弾力性層が内部領域に延び、活動状態を定める。
【0028】
活動状態では、弾力性層によりエネルギーが保持され、弾力性層は、このエネルギーを開放して、圧縮力解除後、第1、第2プロフィールを分離させる。
【0029】
2プロフィールは、その中に第2プロフィールチャンバが形成されることが好ましい。この第2プロフィールチャンバは、弾力性層の第2面に向け第2内部領域開口を有する。それにより、弾力性層は、この第2領域も横断して広がることになる。そして、プランジャ要素が設置され、第1内部領域に配置される。このプランジャ要素は、第1、第2プロフィールが、静止状態、活動状態間を移動する際、第2内部領域に入退出する。
【0030】
また、ここで、複数のプランジャ要素を、第1内部領域に配置するようにしてもよい。この場合、これらプランジャ要素は、第1、第2プロフィールが、静止状態と活動状態間を移動する際に、第2内部領域に入退出するよう作動する。プランジャ要素は、弾力性材第1層と一体に形成するようにしてよい。
【0031】
また、中に第3プロフィールチャンバが形成される第2プロフィールも設置してよい。この第3プロフィールチャンバは、第3内部領域を有する。ここで、伸縮自在弾力性材の第2層が、第3領域を横断し広がる。
【0032】
そして、第1プロフィールには、第2アクチュエータ要素が含まれ、この要素は、圧縮力に応答して、第3内部領域内に移動し、弾力性材第2層を第3プロフィールチャンバに伸ばすよう位置決定される。第1プロフィールには、複数の第2アクチュエータを含むようにしてもよく、これらアクチュエータは、その周辺の周りで延び、第1プロフィールチャンバを画成するようにしてもよい。そして、第3プロフィールは、それぞれそこを横断する弾力性材第2層を含む複数の第3チャンバを有する。
【0033】
各第3プロフィールチャンバは、各第2アクチュエータを受けるよう位置決定される。第2アクチュエータ内の第1プロフィールも、一体、一片構成で形成してよい。第3プロフィール及びプランジャ要素も、一体、一片構成で形成されてよい。
【0034】
本発明の靴底は、かかと部、中足骨部、つま先部の群から選ばれる部をすることができる。靴底には、足全体の下にあるが、足の主要3部のそれぞれに独立のエネルギー保持支持を与えるよう、これら部それぞれが含まれることが好ましい。或いは、本発明は、足の1部、又は2部との関連で使用するようにしてよい。いずれにしても、本発明では、第2、又は第2プロフィールのどちらか一方が、支持面と接触して作動することが可能となる。
【0035】
また、本発明では、上述のように、履物甲革との組合せで靴底を内蔵する履物品も考えられている。加えて、本発明では、履物品内挿入用のインサート靴底も考えられている。
本発明の別の態様によれば、支持構造により、エネルギーの保持、少なくとも人間の足の一部へのエネルギーの戻りが提供される。この支持構造は、伸縮自在材の一般に水平な層と、該層の第1側に隣接配置される少なくとも1つのチャンバと、対応するチャンバと垂直に整合する該層第2側に隣接配置される少なくとも1つのアクチュエータとを備える。支持構造は、圧縮されると、該層にアクチュエータを押圧し、対応チャンバ内に少なくともその一部を移動させる。
【0036】
各アクチュエータは、つま先、中足骨、足中央部、かかと部の群より選ばれる人間の足の一部に対して、個々の支持を与えるよう位置決定される。
【0037】
別の実施例では、履物等のエネルギー保持、戻りシステムが提供される。このシステムは、少なくとも2つの伸縮自在層部を備え、各部は、上下側を有する。複数のアクチュエータ要素が設置される。この場合、アクチュエータ要素の少なくとも1つは、伸縮自在層部上方に配置され、アクチュエータ要素の少なくとも1つは、伸縮自在層部下方に配置される。複数の受けチャンバも設置される。
【0038】
各受けチャンバは、アクチュエータ要素の1つに対応し、アクチュエータ要素が受けチャンバに向け圧縮される際、その中に対応するアクチュエータ要素の少なくとも一部を受けるよう、大きさが設定され配置される。各受けチャンバは、伸縮自在層部を横切り、対応するアクチュエータ要素に対向して配置されるのが好ましい。
【0039】
本発明の別の態様によれば、履物等のエネルギー戻りシステムが提供される。本システムは、第1、第2側を有する伸縮自在材の少なくとも1つの層を備える。複数のチャンバが、該層の第1、又は第2側のどちらか一方に配置される。対応するチャンバと垂直の整合する複数のアクチュエータは、それぞれ伸縮自在材の少なくとも1層を横切りチャンバに対向して配置され、各アクチュエータは、チャンバより小さいフットプリントの大きさを有する。履物が一般に垂直の圧縮力を受けると、アクチュエータは、該層を押圧し、チャンバ内に少なくとも一部移動する。アクチュエータは、人間の足の構造に従ってパターン化される。
【0040】
本発明の別の態様によれば、人間の足の少なくとも一部下側に位置する靴底構成が提供される。この靴底構成は、第1、第2側を有する伸縮自在材の一般に水平の層を備える。その中にチャンバを有するチャンバ層が、伸縮自在材層の第1側に配置される。このチャンバ層は、伸縮自在材層の第1側に対向する少なくとも1つの開口を有する。アクチュエータが、伸縮自在材層の第2側に配置される。このアクチュエータは、チャンバの開口より小さいフットプリントの大きさを有する。そのため、靴底構成が圧縮されると、アクチュエータは、伸縮自在材層の第2側を押圧し、チャンバ層のチャンバ内に少なくとも一部移動する。
【0041】
このアクチュエータは、少なくとも一部テ−パを付けられている。このテ−パは、ここでは垂直、又は水平方向のどちらかにおいて、アクチュエータの大きさに関しその寸法を減少させることである。例えば、アクチュエータのテ−パ付けは、アクチュエータ厚の垂直減少とすることができる。これは、アクチュエータをドーム形、又は傾斜面にしたり、アクチュエータの高さ、又は他寸法を水平に減少したり、足前面に向けアクチュエータの上面、又は下面にテ−パを付けたり、傾斜させたり等により可能である。
【0042】
本発明の別のアスペクトによれば、少なくとも人間の足の一部を支持する靴底構成が提供される。この靴底構成は、第1、第2側を有する伸縮自在材の一般に水平の層を備える。中に第1チャンバを有するプロフィール片が、伸縮自在材層の第1側に配置される。第1チャンバは、伸縮自在材層の第1側に対向する少なくとも1つの開口を有する。第1アクチュエータが、伸縮自在材層の第2側に配置される。この第1アクチュエータは、第1チャンバの開口より小さいフットプリントの大きさを有する。
【0043】
よって、靴底構成が圧縮されると、第1アクチュエータが、伸縮自在材層の第2側を押圧し、第1層の第1チャンバ内に少なくとも一部移動することになる。第2チャンバが、第1アクチュエータ内に配置される。この第2チャンバは、伸縮自在材層の第2側に対向する少なくとも1つの開口を有する。第2アクチュエータが、伸縮自在材層の第1側に配置される。この第2アクチュエータは、第2チャンバの開口より小さいフットプリントの大きさを有する。よって、靴底構成が圧縮されると、第2アクチュエータが、伸縮自在材層の第1側を押圧し、第2チャンバ内に少なくとも一部移動する。
【0044】
本発明の別の態様によれば、靴底構成のかかと部が提供される。このかかと部は、主スラスタ、主スラスタ上方に配置される伸縮自在材の第1層、伸縮自在材第層上方に配置されるサテライトスラスタ層を備える。サテライトスラスタは、上下面を有する。サテライトスラスタの上面は、そこから上方に延びる複数のサテライトスラスタを有することが好ましい。サテライトスラスタは、その中に中央開口も有する。かかと部は、サテライトスラスタ層上方配置の伸縮自在材第2層と、伸縮自在材第2層上方配置の基礎層とを更に備える。
【0045】
基礎層は、上下面、サテライトスラスタを受けるよう配置される複数のサテライト開口を有するのが好ましい。かかと部は、圧縮されると、主スラスタを伸縮自在材第1層を通って伸ばし、サテライトスラスタ層の中央開口内に少なくとも一部移動させ、またサテライトスラスタを、伸縮自在材第2層を通って伸ばし、サテライト開口内に少なくとも一部移動させる。
【0046】
本発明の別の態様によれば、伸縮自在材の一般に水平の層と、該層の第1側に隣接配置される複数のチャンバと、該層の第2側に隣接配置される複数の相互接続アクチュエータ要素とを備える靴底構成が提供される。各アクチュエータ要素が、対応するチャンバと垂直に整合し、その対応チャンバより小さいフットプリントの大きさを有する。支持構造は、圧縮されると、アクチュエータ要素を該層に押圧し、該層を対応チャンバ内に少なくとも一部移動させる。
【0047】
本発明の上述及び他の特徴、利点は、当業者であれば、図面、実施例を参照し、次の詳細な説明を読めば明白である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1実施例による運動靴靴底構成の側面図。
【図2】図1の靴底構成の正面図。
【図3】靴底構成のかかと、足中央領域の分解平面斜視図。
【図4】靴底構成のかかと、足中央領域の分解底面斜視図。
【図5】緩んだ状態の靴底構成かかと領域の後方端図。
【図6】図5の靴底構成の垂直横断面図。
【図7】負荷状態の靴底構成かかと領域の後方端図。
【図8】図7の靴底構成の垂直横断面図。
【図9】本発明靴底構成の中足骨、つま先領域の分解平面斜視図。
【図10】緩んだ状態の靴底構成中足骨領域の垂直横断面図。
【図11】負荷状態の靴底構成中足骨領域の垂直横断面図。
【図12】本発明の第2実施例による靴底かかと部を内蔵した履物品の側面図。
【図13】図12に示す履物品かかと部の分解斜視図。
【図14A】静止状態の図12、13に示すかかと部の側断面図。
【図14B】活動状態のかかと部以外、図14Aと同様の側断面図。
【図15】本発明の第3実施例による靴底構成を有する履物品の側面図。
【図16】図15に示す履物品の端面図。
【図17】図15に示す履物かかと部の分解斜視図。
【図18】図17のかかと部構成を示す、部分断面分解側面図。
【図19A】図15の履物品靴底のかかと部を静止状態で示す後方端断面図。
【図19B】図19Aと同様であるが、かかと部を静止状態で示す断面図。
【図20A】図15の靴底つま先部で使用される第1プロフィールの平面図。
【図20B】図15の靴底つま先部で使用される弾力性層の平面図。
【図20C】図15の靴底つま先部で使用される第2プロフィールの平面図。
【図20D】図15の靴底つま先部用弾力性層の別の構成を示す斜視図。
【図21A】図20の靴底つま先部を静止状態で示す断面図。
【図21B】図21Aと同様であるが、つま先部を活動状態で示す断面図。
【図22A】図15の靴底中足骨部を形成するのに使用される第1プロフィールの平面図。
【図22B】図15の靴底中足骨部を形成するのに使用される弾力性層の平面図。
【図22C】図15の靴底中足骨部を形成するのに使用される第2プロフィールの平面図。
【図23】本発明の第4実施例による靴底インサートを示す側面図。
【図24】図23の線24−24に沿った断面図。
【図25A】図23の靴底インサートのつま先部を形成するのに使用される第1プロフィールの斜視図。
【図25B】図23の靴底インサートのつま先部を形成するのに使用される第2プロフィールの斜視図。
【図26A】図23の靴底インサートの中足骨部を形成するのに使用される第1プロフィールの斜視図。
【図26B】図23の靴底インサートの中足骨部を形成するのに使用される第2プロフィールの斜視図。
【図27A】図23の靴底インサートのかかと部を形成するのに使用される第1プロフィールの斜視図。
【図27B】図23の靴底インサートのかかと部を形成するのに使用される第2プロフィールの斜視図。
【図28】第5実施例による履物品かかと部の分解斜視図。
【図29】図28のかかと部構成を示す側面部分断面分解図。
【図30】図28の靴底の底面図。
【図31A】図30の靴底の追加中足骨支持部で使用される第1プロフィールの平面図。
【図31B】図30の靴底の追加中足骨支持部を形成するのに使用される弾力性層の平面図。
【図31C】図30の靴底の追加中足骨支持部を形成するのに使用される第2プロフィールの平面図。
【図32】第6実施例による履物品かかと部の分解斜視図。
【図33】図32のかかと部構成を示す側面部分断面分解図。
【図34】本発明の第7実施例による靴底構成の分解斜視図。
【図35】図34の靴底構成の主スラスタの斜視図。
【図36】図34の靴底構成の主スラスタの底面図。
【図37】図36の線37−37に沿った主スラスタの断面図。
【図38】図36の線38−38に沿った主スラスタの断面図。
【図39】図34の第1弾力性層の斜視図。
【図40】図34の第1弾力性層の底面図。
【図41】図40の線41−41に沿った第1弾力性層の断面図。
【図42】図34のサテライトスラスタ層の斜視図。
【図43】図34のサテライトスラスタ層の底面図。
【図44】図43の線44−44に沿ったサテライトスラスタ層の断面図。
【図45】図34の第2弾力性層の斜視図。
【図46】図34の第2弾力成性層の底面図。
【図47】図46の線47−47に沿った第2弾力性層の断面図。
【図48】図34の第2スラスタ層の斜視図。
【図49】図34の第2スラスタ層の底面図。
【図50】図49の線50−50に沿った第2スラスタ層の断面図。
【図51】図49の線51−51に沿った第2スラスタ層の断面図。
【図52】図34のつま先アクチュエータ層の斜視図。
【図53】図34のつま先アクチュエータ層の底面図。
【図54】図53の線54−54に沿ったつま先アクチュエータ層の断面図。
【図55】図53の線55−55に沿ったつま先アクチュエータ層の断面図。
【図56】図34のつま先チャンバ層の斜視図。
【図57】図34のつま先チャンバ層の底面図。
【図58】図57の線58−58に沿ったつま先チャンバ層の断面図。
【図59】図57の線59−59に沿ったつま先チャンバ層の断面図。
【図60】図34の足先アクチュエータ層の斜視図。
【図61】図34の足先アクチュエータ層の底面図。
【図62】図61の線62−62に沿った足先アクチュエータ層の断面図。
【図63】図61の線63−63に沿った足先アクチュエータ層の断面図。
【図64】図61の線64−64に沿った足先アクチュエータ層の断面図。
【図65】図34の足先チャンバ層の斜視図。
【図66】図34の足先チャンバ層の底面図。
【図67】図65の線67−67に沿った足先チャンバ層の断面図。
【図68】図65の線68−68に沿った足先チャンバ層の断面図。
【図69】つま先牽引層の斜視図。
【図70】図69のつま先牽引層の底面図。
【図71】図69のつま先牽引層の側面図。
【図72】図69のつま先牽引層の側面図。
【図73】足先牽引層の斜視図。
【図74】図73の足先牽引層の底面図。
【図75】図73の足先牽引層の側面図。
【図76】図73の足先牽引層の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
次に、本発明の7つの実施例による靴底構成を説明する。各実施例は、端に例示的なものである。従って、本発明の範囲を超えることなく、1つ以上の実施例を他実施例に加えたり、削除したりしてよい。更に、一実施例記載のエネルギー保持、はね返り特性も、同様の機構が含まれる場合、他の実施例に適用してよい。また、本明細書において、用語「スラスタ」、「プランジャ」、「ラグ」、「アクチュエータ」は、ほぼ相互交換可能であり、一般にエネルギー保持及びはね返りで使用されるアクチュエータのことである。
【0050】
一般に、以下記載する実施例によれば、足構造に従ってパターン化されたチャンバ付きアクチュエータが提供される。これら実施例において、パターン化された剛性により、足を横断しての円滑なエネルギー移行(エネルギー「波」)が保証される。チャンバでは、エネルギーが流入する穴が提供される。エネルギーは、常に最も抵抗の小さい経路を通る。能動支持アクチュエータとエネルギー交換チャンバがふらつくことで、中足骨、つま先、かかと固有の回転行動が調和され、支持される。
【0051】
ここで記載するようなエネルギー保持、はね返りは、足を強制的に望ましくない移動を行わせるものではない。むしろ、すぐれた位置、力、速度情報を提供し、それにより筋肉系を制御する回外、回内が、エネルギー「波」過程からエネルギーを保持、開放が可能となる。これにより、効率がよくなり、中立平面を通る足回転が「引き締まる」。その結果安定性が継続し、足を横断してのエネルギー移行、保持要求が管理されることになり、測定可能な効率向上に要するエネルギーの予測可能特定ベクトル反発、又は推進が可能となる。
【0052】
多数の固有の限定要因が組み合わさり、人間の神経筋系が作用し、自然環境と反応する速度が制御される。限定要因には、収縮たんぱく質アクチン及びミオシン、神経筋入力・フィードバック系の速度、関連筋肉系の自然ダッシュポットの影響、遺伝的構成、つまり単収縮筋繊維、個々の訓練環境等などが含まれる。
【0053】
上述に鑑み、筋肉が、環境から最大のエネルギー及び力、位置、感知される抵抗、速度情報を受ける最適速度がある。チャンバ付きアクチュエータにより、神経筋骨格系に供給されるエネルギー及び環境情報の調節可能環境が提供される。耐性が高まり、落下が短くなると、スプリント速度効率が向上するが、一方耐性がなく、落下が大きくなると、走行速度効率も低下する。
【0054】
また、チャンバ付きアクチュエータにより、膜の外部、より重要には内部伸長が制御されチッピングがなくなり、延びが調和され、水平から内側への支持効果が生じる。以下記載するように、チャンバ付きアクチュエータでは、ゴムラグの最適圧縮、又は剛性、例、プアスチック内部パターンラグのすぐれた垂直誘導を提供する、剛性、又はゴム内部パターンラグのどちらか一方が利用できる。
【0055】
弾性層上の隆起ネスティングパターンにより、重量増大を制限する一方、特定厚さが付加設定される。チャンバ付きアクチュエータでは、衝撃、又は体重負荷で作用する表面積、「ストレッチゾーン」の量に対して、非常に小さいフットプリントが生成される。これにより、パワーが高まり、重量が低下し、必要なアクチュエータ貫通が低下し、循環時間が早くなる。
【0056】
以上、一般的概念を記載したが、この概念を基に以下本発明の実施例を説明する。
【0057】
第1実施例
図1、2は、第1実施例による歩行、ランニング及び・又はジャンプ用運動履物品10を示す図である。この履物10には、上部12と、かかとと足中央領域14A,14B、中足骨及びつま先領域14C,14Dを有する靴底14が含まれる。これら靴底14の各部は、本発明を構成する特徴である。本発明構成よりなる靴底14により、履物10着用者の歩行、ランニング、ジャンプ能力が向上する。これは、筋肉の自然な曲げ行為を拒否するのではなく、それを補助、増大させる構造的特徴を組合せ、より効率的に着用者の筋肉エネルギーを利用することにより達成される。
【0058】
図1〜3、及び図8に示すように、靴底14のかかとと足中央領域14A,14Bには、基本的に、フットベッド層16、上部ストレッチ層18、上部スラスタ層20、下部ストレッチ層22、低部スラスタ層24の積層組合せが含まれる。靴底14のフットベッド層16は、かかとと足中央領域14A,14Bの積層組合せ残り部用の基礎層としての役割を果たす。このフットベッド層16には、ガラス繊維等、半剛性、半柔軟性薄硬材よりなる、ほぼ平らな基礎板26が含まれる。その基礎板の厚さは、そこに加えられる負荷に応じて受けられる屈曲(曲げ)程度を前もって定めるよう選ばれる。
【0059】
基礎板26は、かかと部26Aと足中央部26Bを有する。また、基礎板26は、連続の内部リップ26Cを有し、このリップは、かかと部26Aに一般に環状の形を与える基礎板26内形成の中央開口28を取り囲んでいる。平らな基礎板26は、対応する複数の伸長スロット30を取り囲む複数の連続した内部縁26Dも含む。複数の伸長スロット30は、基礎板26の前端26Eに隣接したところから始め、そこから中央開口28中心に後方に延びるスロット30のU字形状を提供するため、端部間間隔を置いて配置される基礎板26内に形成される。スロット30は、少し曲げ形状とし、基礎板26の周辺26Fにそって走ることが好ましいが、その周辺26Fから内側に、そしてその中央開口28から外側に間隔を置いて配置される。
【0060】
基礎板26の周辺26Fと中央開口28にそれぞれ隣接して、しっかりした狭い境界を残すためである。スロット30は、単独、又は靴甲革低部における対応形状、位置の凹部32と共に、基礎板26内の複数の対応周辺ストレッチチャンバを画成する。
【0061】
上部ストレッチ層18は、ゴム等の適当な弾性材からなり、柔軟な、ほぼ平らな伸縮自在ボディ36と、その周辺36Bにおいて、平らな伸縮自在ボディ36の底面36Aに形成され、そこから下方に突出する複数の圧縮可能ラグ38が含まれる。上部ストレッチ層18の平らな伸縮自在ボディ36の周辺プロフィールは、一般に、フットベッド16の平らな基礎板26のプロフィールに一致する。
【0062】
図1、図3、及び図5〜8に示す実施例では、圧縮可能なラグ38が、複数対設置され、例えば6対設置され、平らな伸縮自在ボディ36の対向水平側にそって間隔を置いて配置される。靴底14に安定性を加えるものであれば、圧縮可能なラグ38は他の配置も可能である。製造を容易とするため、圧縮可能なラグ38は、平らな伸縮自在ボディ36に一体的に取り付けられることが好ましい。
【0063】
上部ストレッチ層18下に配置され、それと整合される上部スラスタ層20には、ほぼ平らな支持板40が含まれる。この支持板40は、ガラス繊維等、比較的非圧縮性、半剛性、半柔軟性の薄い硬材からなり、フットベッド16の平らな基礎板26と同様の構成を有することが好ましい。
【0064】
平らな支持板40は、かかと部40Aと足中央部40Bを有するようにしてもよい。また、支持板40は、連続する内部リム40Cも有する。この内部リム40Cは、かかと部40Aに一般に環状形状を与える支持板40を通して形成される中央穴42を囲んでいる。中央穴42により、上部ストレッチ層18の平らな伸縮自在ボディ36と、その下に間隔を置いて配置される平らな支持板40間の間隔への入口が提供される。この間隔は、靴底14の主中央ストレッチチャンバを構成するものである。
【0065】
上部スラスタ層20の周辺プロフィールは、一般に、フットベッド層16と上部ストレッチ層18の周辺プロフィールに一致する。これにより、これら構成要素がお互い積層され作動する際に、靴底14に共通のプロフィールが提供される。
【0066】
上部スラスタ層20には、複数のストレッチ生成スラスタラグ46も含まれる。このラグ46は、プラスチック等の比較的柔軟な材よりなり、平らな支持板40の上部面に搭載され、そこから外側に突出し、それにより上部ストレッチ層18の平らな伸縮自在ボディ36下に間隔を置いて平らな支持板40が配置されることになる。
【0067】
スラスタラグ46は、基礎板26内のスロット30に対応する端部間に間隔を置いて配置される。それにより、平らな支持板40の前端40Eに隣接した所から始まり、そこから中央開口42を中心に後方に延びるスラスタラグ46のU字形状が提供される。スラスタラグ46は、支持板40の周辺40Fに沿って設置されるが、そこから内側に、また支持板40の中央開口42から外側に間隔を置いて配置される。よって、支持板40の周辺40Fと中央開口42にそれぞれ隣接してしっかりした狭い境界が残されることになる。
【0068】
従って、周辺配置のスラスタラグ46は、周辺配置のストレッチチャンバ34を定めるフットベッド層16の基礎板26内にある周辺配置スロット30に、形状、位置が対応する。製造を容易にするため、スラスタラグ46は、平らな支持板40の上部面40Dに固着される共通の薄板に取り付けられる。
【0069】
上部スラスタ層20の平らな支持板40は、スロット30、よって靴10の基礎板26及び甲革12の周辺ストレッチチャンバ34と共にスラスタラグ46を支持する。一方、上部ストレッチ層18の平らな伸縮自在ボディ36は、ストレッチ生成すラスタラグ46と平らな基礎板26間に配置される。従って、フットベッド層16、上部ストレッチ層18、上部スラスタ層20が、靴底14のかかとと足中央領域14A,14Bにおいて、お互い積層され動作し、上部ストレッチ層18の平らな伸縮自在ボディ36の間隔配置部36Cが、ストレッチ生成スラスタラグ46の上端46A上に配置され、周辺ストレッチチャンバ34下に配置される。
【0070】
靴10の靴底14のかかと及び足中央領域14A,14Bが支持面で衝撃を受けると、図5、6に示す緩んだ状態から図7、8に示す負荷状態に、フットベッド層16と上部スラスタ層20がお互いに向け圧縮するが、この圧縮が起こると、平らな伸縮自在ボディ36の間隔配置部36Aは、スラスタラグ46の上端46Aが上方に移動し、スロット30を囲む基礎板26の内部縁26Dを過ぎ、ストレッチチャンバ34内に移動することにより強制的に伸ばされる。
【0071】
このような強制伸長は、次のことから可能である。つまり、スラスタラグ46は、スロット30より十分小さいフットプリントの大きさを有し、それによりその上端46Aが、スラスタラグ46の上端46Aを超えて延びる平らな伸縮自在ボディ36部分36Aと共に、図7、8に示すように、スロット30を通って上方に移動、貫通可能となり、周辺ストレッチチャンバ34内に至ることができる。
【0072】
上部ストレッチ層18の圧縮可能ラグ38は、スラスタラグ46外側の基礎板26周辺26Fに沿って延びるしっかりした境界と整合して配置される。圧縮可能ラグ38は、支持ベース40に向け下方に突出する。
【0073】
フットベッド層16の基礎板26、上部スラスタ層20の指示板42に加わる圧縮力は、履物10の通常使用中に生成され、圧縮可能ラグ38を圧縮する。圧縮可能ラグ38は、この圧縮により、図5、6に示す靴底14の緩んだ状態にあると仮定される通常のテ−パ形状から、図7、8に示す靴底14の負荷状態で取られる膨出形状に変化する。安定性付加に加え、圧縮可能ラグ38の機能は、ラグ38の圧縮に必要であったエネルギーを保持し、それにより靴底14の抵抗と反発特性を速め調和することである。
【0074】
図1、3に最もよく示すように、ストレッチ生成スラスタラグ46は、一般に、支持板40のかかと部40Aにおいて、その足中央部40Bより高さがある。これにより、後方から前方に、靴底14のかかと、足中央領域14A,14Bを通してくさび形状となる。このくさび形状は、ユーザの足が、かかと打ちから足の中姿勢相まで「地面上」を移動するとき、その足に対して前方及び上方の推進を効果的に生成し、誘導する。
【0075】
図2、3、8が示すように、低部ストレッチ層22は、ゴム等の弾力弾性材よりなる柔軟な薄いほぼ平らな伸縮自在板48の形態であり、伸縮自在板48は、上部スラスタ層20の平らな支持板40、底面40Gに適当な方法、例えば接着剤等により取り付けられる。低部ストレッチ層22の伸縮自在板48下配置の低部スラスタ層24には、スラスタ板50、スラスタキャップ52、止め輪54が含まれる。スラスタ板50は、グラス繊維等、適当な半剛性、半柔軟性の薄い硬材よりなることが好ましい。スラスタ板50は、上部スラスタ層20支持板40内の中央穴42と整合して、伸縮自在板48中央部48Aの底面に接合される。
【0076】
低部スラスタ層24のストレッチ生成スラスタ板50と、上部スラスタ層20の支持板40間において、低部ストレッチ層22の伸縮自在板48は積層関係で動作し、この関係において、伸縮自在板48の中央部48A周辺48Bは、ストレッチ生成スラスタ板50周辺縁50Aの上に配置され、支持板40リム40Cの下に配置される。
【0077】
通常の活動中、支持面で靴10靴底14のかかと及び足中央領域14A,14Bの衝撃で、低部スラスタ層24は、図5、6に示す緩んだ状態から、図7、8に示す負荷状態に、上部スラスタ層20に向け圧縮される。このような圧縮が起こると、伸縮自在板48の周辺48Bは、スラスタ板50の周辺縁50Aにより強制的に伸長され、中央穴42を囲むリム40Cを介し上方に進み、主中央ストレッチチャンバ44内に移動する。
【0078】
この移動は、次のことにより可能となる。つまり、スラスタ板50は、支持板40内の中央穴42より十分そのフットプリントの大きさが小さく、そのためスラスタ板50は、図7、8に示すように、そこを超えて延びる伸縮自在板48の中央部48A周辺48Bと共に、中央穴42を上方に移動、貫通し、主中央配置ストレッチチャンバ44内に移動が可能となる。
【0079】
低部スラスタ層24のスラスタ板50が剛性を有することで、スラスタ板50の安定した均一移動、貫通が促進され、その結果、圧縮力の付加に応じて、伸縮自在板48中央部48Aの周辺48Bが延び、主中央ストレッチチャンバ44内に移動することになる。スラスタキャップ52は、スラスタ板50の底面50Aに接合され、柔軟性プラスチック、または硬化ゴムよりなることが好ましい。その厚さにより、スラスタ板50の貫通深度、駆動、又ははね返り長が部分的に決定される。スラスタキャップ52の地面噛合面52Aは、一般にドーム形状であり、スラスタ板50より小さいフットプリントが提供される。止め輪54は、スラスタ板50と同じ材でなることが好ましく、スラスタ板50とスラスタキャップ52を囲んで配置される。止め輪54は、支持板40内の中央穴42に整合し、伸縮自在板48底面に接合され、スラスタ板50を囲む。
【0080】
それにより、伸縮自在板48の中央部48Aのストレッチ抵抗が高まり、水平面において低部スラスタ層24が安定する。その結果、スラスタ板50が、上部スラスタ層20の平らな支持板40内中央穴42を通して、伸縮自在板48の中央部48A、周辺48Bを伸ばすとき、スラスタ板50のジャミング、バインディングの可能性が減少する。
【0081】
かかと及び足中央領域14A,14Bにおける上部スラスタ層20支持板40、低部ストレッチ層22の平らな伸縮自在板、低部スラスタ24の平らなスラスタ板間で、靴底14のかかと及び足中央領域4A,14Bにおける上述の中央配置相互作用は、フットベッド層16、上部ストレッチ層18の平らな伸縮自在ボディ36、上部スラスタ層20のスラスタラグ46間の周辺配置相互作用と同じ、且つ相互に関連して起こる。これら相互に関連する中央、周辺相互作用により、着用者の足が靴底14のかかと及び足中央領域14A,14Bに加えるエネルギーが、機械的ストレッチに変換される。
【0082】
従って、付加エネルギーは、各中央、周辺配置ストレッチチャンバ44、34の場所において、低部ストレッチ層22の低部伸縮自在板48中央部48A,及び上部ストレッチ層18の上部伸縮自在ボディ36間隔配置部36Cでの同時機械的伸長の形態で一次保持される。その後、保持された付加エネルギーは、上部伸縮自在ボディ36の伸長部36Cと、それといっしょのスラスタラグ46、及び低部伸縮自在板48の伸長部48A、それといっしょのスラスタ板40の同時反発の形態で回復される。
【0083】
これら伸長と反発相互作用の抵抗、速度は、止め輪54と支持板49中央穴42回りのリム40C間、及びスラスタラグ46の上端46Aと基礎板26スロット30を囲む連続内部縁260間における大きさ関係により決定され、制御される。低部ストレッチ層22の低部伸縮自在板48、上部ストレッチ層18の上部伸縮自在ボディ36に対して前もって選択された厚さ、弾性特性により、上述の相互作用の抵抗、速度が影響され、調節される。
【0084】
また、低部伸縮自在板48の伸長、反発で、支持板40のトルキングも起こる。このトルキングは、支持板40の厚さ、また止め輪54の大きさ、厚さで調整可能である。
図3に示すように、本発明の靴底14足中央領域14Bには、曲げ足中央片56と、曲げ足中央片56に補助的な圧縮足中央片58も含まれる。基礎板26の足中央部26Bは、一般にV形状構成を有する前端26Eで終了する。曲げ足中央片56は、黒鉛よりなることが好ましく、基礎板26とは別の構成要素として提供される。曲げ足中央片56は、基礎板26の前端26Eを補助し、嵌合する構成を有する。
【0085】
基礎板26の前端26Eは、曲げ足中央片56が、靴底14のかかと、足先部14A、14Bを結合する一方で、足先の第5中足骨を支える。これにより、足先の骨が独立に装着される。上部ストレッチ層18、圧縮足中央片58の周辺プロフィールは、一般に、基礎板26、曲げ足中央片58の周辺プロフィールと同じである。
【0086】
図1,2、及び図9において、靴底14の中足骨及びつま先領域14C,14Dには、基本的に中足骨及びつま先関節板60A,60B、中足骨及びつま先基礎板62A,62B,共通中足骨及びつま先ストレッチ層64、中足骨及びつま先スラスタ層65A,65Bの積層組合せが含まれる。中足骨及びつま先スラスタ層65A,65Bには、中足骨及びつま先板66A,66B,中足骨及びつま先スラスタキャップ68A,68B、中足骨及びつま先止め輪70A,70Bが含まれる。靴底14の中足骨、つま先領域14C,14D両方で使用される共通ストレッチ層64を別として、着用者の足の5本の中足骨下に配置され、靴底14の中足骨領域14C内構成要素の積層組合せが1つ、また別に着用者足の5本の足指下に配置され、靴底14のつま先領域14D内構成要素の積層組合わせが1つ存在する。
【0087】
上部関節板60A,60Bを別にして、上述靴底14の中足骨及びつま先領域14C,14Dの構成要素の積層組合せは、一般に、靴底14のかかと及び足中央領域14A,14Bの構成要素の積層組合せの上述相互作用(伸長と反発)と同様に相互作用(伸長と反発)を起こす。しかし、かかと及び足中央領域14A,14B構成要素の積層組合せでは、付加エネルギーの一次保持及び回復用に、相互関連主、周辺場所が提供される。だが、中足骨及びつま先領域14C,14D構成要素の積層組合せでは、着用者足の個々中足骨及び足指において、付加エネルギーの一次保持及び回復用に、複数の比較的独立した場所が提供される。
【0088】
中足骨及びつま先領域14C,14Dの追加の構成要素、つまり関節板60A,60Bは、それぞれそのおなかに形成される複数の水平に間隔配置されたスリット72A,72Bを有する。これらスリットは、前端74A,74Bから後方に、関節板60A,60Bの前端74A,74Bと後端76A、76B間のおよそ中ほどまで延びる。これら複数の間隔配置スリット7A,72Bにより、中足骨及びつま先関節板60A,60B上の独立曲げ可能、又は関節曲げ可能付属物78A、78Bが定められる。
【0089】
ここで、中足骨及びつま先関節板60A、60Bは、着用者足の個々中足骨と足指に対応し、上に配置され、着用者足の個々中足骨及び足指において、付加エネルギーの一次保持と回復用各場所に関し、その独立的特徴を向上させるものである。
【0090】
より詳細には、中足骨及びつま先関節板60A,60Bは、ほぼ平らであり、黒鉛等、適当な半剛性、半柔軟性の薄い硬材よりなる。一方、中足骨及びつま先関節板60A,60B下配置の中足骨及びつま先基礎板62A,62Bもほぼ平らであり、プラスチック等、非圧縮性柔軟材よりなる。各中足骨、つま先基礎板62A,62Bは、着用者足の中足骨、足指に一致する複数の相互接続内部スロット80A,80Bを画成する連続内部縁80A,80Bを有する。
【0091】
連続内部縁80A,80Bは、中足骨及びつま先基礎板62A,62Bの周辺84A,84Bから内側に間隔を置いて配置される。これにより、それぞれ周辺84A,84Bに隣接して、連続するしっかりした狭い境界86A,86Bが残されることになる。着用者足の別個の中足骨及び足指、また関節板60A,60B上付属物78A,78Bの位置を囲み、又はその輪郭となる境界86A,86Bの中足骨及びつま先部も、狭いスリット88A,88Bにより分離される。複数の相互接続内部スロット82A,82Bにより、各中足骨及びつま先基礎板62A,62Bにおいて、対応する複数の中足骨及びつま先ストレッチチャンバ890A,90Bが画成される。
【0092】
共通する中足骨及びつま先ストレッチ層64は、ゴム等、適当な弾性伸縮自在材からなり、中足骨及びつま先基礎板62A,62B下に配置される。共通ストレッチ層64の周辺プロフィールは、一般に、関節板60A,60B、基礎板62A,62Bの周辺プロフィールと一致する。よって、靴底14には、これら構成要素が、相互に積層されて作動するとき、共通のプロフィールが提供される。共通ストレッチ層64は、その上面64Aが、各連続内部縁80A,80Bと周辺84A,84B間にある基礎板62A,62Bの各連続境界86A,86Bに取り付けられる。
【0093】
中足骨及びつま先スラスタ板66A,66Bは、中足骨及びつま先ストレッチチャンバ90A,90Bを形成する基礎板62A,6B内の共通ストレッチ層64、複数の相互接続内部スロット82A,82Bの下に、それと整合して配置される。中足骨、つま先スラスタ板66A,66Bは、ガラス繊維等、半剛性、半柔軟性の薄い硬材よりなる。中足骨、つま先スラスタ板66A,66Bは、基礎板62A,62Bの中足骨、つま先ストレッチチャンバ90A,90Bを形成する、複数の相互接続内部スロット82A,82Bに整合して、共通ストレッチ層64の下面64Bに接合される。
【0094】
ストレッチを生成する中足骨及びつま先スラスタ板66A,66Bと、各中足骨及びつま先基礎板62A,62B間における共通ストレッチ層64の積層関係動作において、共通ストレッチ層64の部分92A,92Bは、中足骨及びつま先スラスタ板66A,66Bの周辺縁94A,94B上に配置され、また中足骨及び基礎板62A,62Bの連続内部縁80A,80B下に配置される。
【0095】
通常運動中、支持面で、靴10靴底14の中足骨、つま先領域14C,14Dに衝撃が加えられ、それにより図10に示す緩んだ状態から、図11に示す負荷状態に、低部中足骨及びつま先スラスタ板66A,66Bが、上部中足骨及びつま先基礎板62A,62Bに向け圧縮される。このような圧縮が起こると、共通ストレッチ層64の部分92A,92Bは、中足骨、つま先スラスタ板66A,66B周辺94A、94Bにより強制的に上方に伸ばされ、中足骨及びつま先基礎板62A,62Bの連続内部縁80A,80Bを過ぎて、中足骨、つま先ストレッチチャンバ90A,90B内に至る。
【0096】
この移動は、各中足骨及びつま先スラスタ板66A,66Bが、中足骨、つま先基礎板62A,62B内のスロット82A,82Bの大きさより十分に小さいフットプリントの大きさを有することから可能となる。このようなサイズ設定の結果、中足骨、つま先スラスタ板66A,66Bは、各スラスタ板66A,66B上に延びた共通ストレッチ層64の部分92A,92Bと共に、図11に示すように、スロット82A,82Bを通り上方に移動、貫通し、中足骨、つま先ストレッチチャンバ90A,90B内に移動する。
【0097】
中足骨、つま先スラスタ板66A,66Bが剛性を有することから、スラスタ板66A,66Bの安定した均一移動、貫通が促進され、その結果、圧縮力付加に応じて、共通ストレッチ層64の部分92A,92Bが、中足骨、つま先ストレッチチャンバ90A,90B内に伸長することになる。中足骨、つま先スラスタキャップ68A,68Bは、それぞれ中足骨及びつま先スラスタ板66A,66Bの底面96A,96Bに接合され、柔軟性ゴム、又は硬化ゴムよりなることが好ましい。
【0098】
その各厚さにより、中足骨、つま先スラスタ板66A,66Bの貫通深度、駆動、反発長が部分的に決定される。中足骨、つま先止め輪70A,70Bは、中足骨、つま先スラスタ板66A,66Bと同じ材でなることが好ましく、各スラスタ板66A,66B,スラスタキャップ68A,68Bを囲んで配置される。中足骨、つま先止め輪70A,70Bは、内部スロット82A,82Bと整合し、共通ストレッチ層64の下面64Bに接合され、スラスタ板66A,66Bを囲んで配置される。
【0099】
これにより、共通ストレッチ層64部分92A,92Bのストレッチ抵抗が高まり、水平面において、中足骨、つま先スラスタ板66A,66Bが安定化される。その結果、共通ストレッチ層64部分92A,92Bの周辺を、中足骨、つま先基礎板62A、62Bの中足骨及びつま先ストレッチチャンバ90A,90B内に伸ばし、スラスタ板66A,66Bのジャミング、またはボンディングの可能性が減少する。
【0100】
中足骨、つま先領域14C,14Dの中足骨及びつま先基礎板62A,62B、共通ストレッチ層64、中足骨及びつま先スラスタ板66A,66Bは、積層され、その積層関係において、上述のように複数の伸長相互作用がその間で起こる。
【0101】
それにより、着用者足により加えられる中足骨、足指へのエネルギーが、機械的ストレッチに変換される。付加エネルギーは、各中足骨、つま先ストレッチチャンバ90A,90Bの場所において、共通ストレッチ層64の中足骨、つま先部92A,92Bの機械的伸長の形で保持される。付加エネルギーは、共通ストレッチ層64の伸長部分92A,92B、それといっしょのスラスタ板66A,66Bの反発という形で回復される。
【0102】
これら伸長相互作用の抵抗、速度は、中足骨及びつま先基礎板62A,62B内の止め輪70A,70Bと連続内部縁80A,80B間の大きさ関係により決定され、調整される。共通ストレッチ層64に対して前もって選んだ厚さ、弾性特性により、これら相互作用の抵抗、速度が影響を受け、調節される。中足骨、つま先スラスタ板66A,66Bの周辺プロフィールは、一般に同じである。また、上述の足中央片56、58により、靴底14かかと、足中央領域14A,14Bの構成要素と、靴底14中足骨及びつま先領域14C,14D構成要素間のブリッジも提供される。
【0103】
第1好適実施例の中足骨、つま先領域14C,14Dは、単一のトーションアーマチュア付き中足骨、つま先スラスタ層を採用することにより、スノウ氏発明のチッピングの問題が大幅に改善される。図9に示すように、スラスタ板6A,66B,スラスタキャップ68A,68Bには、それぞれ足水平側間に延びるアーマチュア69が含まれることが好ましい。この単一のトーションアーマチュアによって、板66A,66B,キャップ68A,68Bが相互に接続され、板、キャップは、つま先、又は中足骨領域に対応して、個々のアクチュエータ要素を横断して、足先とつま先を水平から内側に横切るよう、エネルギーを操作する能力が与えられる。
【0104】
その結果、アクチュエータ要素間ですぐれた誘導、共同作用が提供され、また足の骨構造に対して特定のてこ作用点を与える機会も提供される。
水平から内側移動上の更なる制御は、板66A,66B,キャップ68A,68Bの水平、内側境界の高さを高めることにより達成可能である。外側端を上げることで、足の自然な水平から内側移動が誘導される。
【0105】
本発明構成の靴底14を有する原型履物10と、従来の最高品質の履物を同じ経験豊富な走者に着用させ、足踏み車を使用し、予備的比較試験を行った。その結果、走者の酸素吸入要件において、原型履物を着用した際、走者の能力が大幅に向上することが分かった。
【0106】
従来の履物と比較して、原型履物10は、同じ足踏み車速度で走った場合、走者が使用する酸素が10〜20%減少可能であった。このような必要酸素吸入量の劇的減少は、本発明のかかと構成を有する履物10を着用する間走者が経験したエネルギー効率に関し、その同じく劇的な向上によってのみ可能である。従って、エネルギー効率のこのような劇的向上は、ランニング競技での時間経過に反映される等、走者能力の劇的な向上につながると容易に予想できる。
【0107】
第2実施例
本発明の第2実施例では、活発な使用中、エネルギーの吸収、保持、開放を行うよう構成された靴底の完全な一部、又はインサートとして内蔵する履物品が提供される。従って、本発明による靴底は、既存の履物品に単独、又はインサートとして用いられ、或いは履物品内への改良として内蔵される。いずれにせよ、この靴底は、支持面に沿って進む間、人の足に着用され、人と支持面間の圧縮力から生じるエネルギーを保持しあり、開放したりするよう作動する。
【0108】
図12〜14に、本発明第2実施例の最も簡単な構成が示されている。図1同様、運動靴110形態の履物品は、甲革112と靴底114を有する。靴底114には、本発明第2実施例に従い構成されるかかと部116が含まれる。
【0109】
かかと部116構造は、図13、14A,14Bに最もよく示されている。これら図において、かかと部116には、ゴム、ポリマー、他同様の材等、比較的硬い材からなるかかと片118形態の第1プロフィールが含まれる。かかと片118には、その中に中央配置される代1プロフィールチャンバ120が含まれる。この第1プロフィールチャンバは、卵形であり、軸「A」を中心に配置されている。第2プロフィール122は、平らなパネル124として構成され、第1プロフールチャンバ120と同様な形状であるが、少し寸法が小さい第1アクチュエータ126が備えられる。
【0110】
第2プロフィール片122も、ゴム、ポリマー、他同様の材等、硬材よりなる。アクチュエータ126は、平らなパネル124と一体に、又は便利であればどのような方法でも、その中央上に固着することができる。
【0111】
伸縮自在弾力性材の第1層128が、第1プロフィールチャンバ120を横切り広がるよう、かかと片118と第2プロフィール片122間に配置される。そのためには、かかと片118を、第1弾力性層128の第1側に位置決定し,一方第2プロフィール片122を、アクチュエータ126をその第2側に対向さている第1弾力性層128の第2側に位置決定する。更に、第1プロフィールチャンバ120は、アクチュエータ126を受けるようサイズ決定される第1内部領域134を有する。
【0112】
図14A,14Bにおいて、かかと片118、第2プロフィール片122は、ベクトル「F」方向における第1プロフィールと支持面136間の圧縮力により、かかと片118と第1プロフィール片122がお互いに移動するよう位置決定される。この移動中、第1アクチュエータ要素126が、第1プロフィールチャンバ120内に進む。これが起こると、弾力性層128が第1内部領域134内に伸ばされ、図14Bに示す活動状態を定める。活動状態では、エネルギーが、弾力性層128の伸長により保持される。
【0113】
しかし、圧縮力が除かれると、弾力性層128は、エネルギーを開放するよう作動する。それにより、かかと片118と第2プロフィール片122は、お互い離れ、図14Aに示す静止状態に戻される。市費たがって、作動中、ユーザが、歩行、ランニング、又はジャンプすることでかかと部116に体重をかけると、衝撃力が、弾力性層128の伸長により緩和され、吸収される。ユーザがかかと部116から体重を解除すると、エネルギーが開放され、それによりユーザの活動が支援される。
【0114】
第3実施例
図12〜14に示す簡単な構造は、拡大して、図15〜22に示す第3実施例のような活動性の高い靴底とすることができる。図15において、運動靴150形態の履物品は、甲革152と、本発明第3実施例に従って構成される靴底154を有する。靴底154には、以下より詳細に説明するが、かかと部156、中足骨部158、つま先部160が含まれる。従って、「靴底」と言うとき、これら部分の1つ、そのグループ、或いは足全体、又はその一部下にある1片を指す。
【0115】
まず、かかと部156を説明すると、その構造は、図17〜19に最もよく示されている。これら図において、かかと部156には、環状下かと板164により形成される第1プロフィール162が含まれる。この環状かかと板164は、周辺回りに配置される複数の間隔配置補助アクチュエータ要素166を有する。アクチュエータ要素166は、硬い、非常に剛性の高い材からなり、環状かかと板164内に形成される開口170を有する第1プロフィールチャンバ168を画成する。弾力性伸縮自在材層172は、かかと板164と弾力性層172が、接着剤、他適当な手段等によりお互い固着され、開口170を横切るよう構成される。
【0116】
従って、第1プロフィール片162が、弾力性層172の1側に位置決定され、また第2プロフィール片174が、弾力性層172の第2側に位置決定され、便利であればどのような方法ででもそこに固着される。第2プロフィール片174は、かかと片形状に形成されるが、チャンバ170と相互作用するための第1アクチュエータ要素を画成する。よって、このように使用される場合、「第1アクチュエータ要素を含む第2プロフィール」という表現は、第2プロフィールに独立のアクチュエータ要素が設置されるか、又はプロフィール自体がそのようなアクチュエータ要素を形成するかのどちらかを意味するものである。
【0117】
いずれにせよ、第2プロフィール片174は、その中央に形成される、伸長6突出開口形状の第2プロフィールチャンバ176を有する。そして、かかと部156には、第3プロフィール片1178が含まれる。この第3プロフィール片178には、第2プロフィールチャンバ176と幾何形状が同じであるが、寸法が少し小さいプランジャ要素180が設置される。第3プロフィール片178には、上述の第2アクチュエータ要素166を受けるようサイズ決定され、配向される複数の開口182も含まれる。
【0118】
その達成のため、かかと部156には、その中央に配置される卵形開口186を有する第2弾力性層184も含まれる。開口182は、それぞれ第3内部領域を有する第3プロフィールチャンバを画成する。
【0119】
図18、19Aにおいて、ネスト化されると、かかと部156を構成する様々な片が、エネルギー保持用の非常に活動性の高いシステムが形成する。ここで、ネスト化されると、プランジャ180表面188が、弾力性層172の第2側190に接触するよう、プランジャ180はその高さが選ばれる。同時に、第2アクチュエータ166上面b192が、第2弾力性層184表面194に接触する。各第2アクチュエータ要素166は、アクチュエータ166構成と同じ形状であるが、寸法が少し大きい各開口と整合する。そして、第2プロフィール片174は、第1プロフィールチャンバ168の内部領域に移動する際、第2プロフィールチャンバ176が、プランジャ180を受けるため位置決定されるよう整合される。
【0120】
図19Aに示す静止状態からのこのような移動は、その活動状態が図19Bに示されている。ここで、弾力性層172は、第1プロフィール片162、第2プロフィール片174、プランジャ180が、二重ピストン状に反作用する二重伸長を強制的に受ける。よって、弾力性層172は、第1プロフィールチャンバ168(第2プロフィール片174により)、第2プロフィールチャンバ176内部領域(プランジャ180により)の両方に伸長される。
【0121】
同時に、第2弾力性層184が、開口182形成の各第3プロフィールチャンバ内に単一で曲がる。第3プロフィールチャンバの垂直寸法を小さくすることにより、甲革152の下面153ではリミットストップが提供される。これにより、プランジャ180と、弾力性層172上の第2プロフィール片174の共同動作により、一次エネルギー保持が起こる一方、第2アクチュエータ要素166により周辺支持が達成される。水平安定性を更に補助するため、第3プロフィール片178と第2弾力性層184間で下方に延びる任意のソフトラグ198に沿って、補助位置決定ブロック196が採用される。更に、所望であれば、任意の中足骨支持板200も採用してよい。
【0122】
図15において、靴底154は、静止状態で、かかと部156が、つま先部160に対して上げられるとき、支持面「s」に対して少し鋭角「a」で配向されるよう構成される。角度「a」は、約2〜6°の範囲が好ましい。このような小さな角度を設定することにより、活動状態からのエネルギー開放は、中姿勢からつま先離れ中、単に垂直方向にあるわけではない。むしろ、スロット154が部分160を中心に軸回転するため、回復力が、この移動中、少し前方に角度付けられる。その結果、回復力成分が、ユーザを前方に推進するよう移転される。
【0123】
次に図20、21において、つま先部160の構成がより詳細に示されている。ここで、部分160は、第1プロフィール片208により形成される。この第1プロフィール片208には、その周辺縁の回りに延びる直立周辺壁212による第1プロフィールが含まれる。図20Aに示すように、周辺壁212は、チャンバ210が、各人間の足指に対応する5領域216〜220を有する。第1弾性力層222は、図20Bに示され、第1プロフィール片108に幾何形状が一致する周辺縁を有する。
【0124】
組み立てられと、第1弾力性層222は、第1プロフィールチャンバ210を横断する。つま先部160の構造は、図20Aに示す代2プロフィール片224を加えることで完成する。第2プロフィール片224は、第1プロフィールチャンバ210内に密着嵌合し、一体化されるよう、周辺壁212の内部側壁213と同様の幾何形状を有する。第2プロフィール片224には、足指領域216〜219に対応する第2プロフィールチャンバを画成する開口226〜229が設置される。再び図20Aを参照すると、各足指領域には、それぞれ開口226〜229に係合するようサイズ決定される直立プランジャ236〜239が設置されることが分かる。
【0125】
従って、図21A,21Bに示すように、つま先部160により、二重作動エネルギー保持システムが提供される。第1プロフィール片208、第2プロフィール片224が、図21Aに示す静止状態から、図21Bに示す活動状態に移動すると、弾力性層222が二重方向に曲げられる。第1アクチュエータを画成する第2プロフィール片224が、第1プロフィールチャンバ210内に移動し、それにより弾力性層222がその内部領域に伸ばされる。同時に、各プランジャ236〜239が、第2プロフィール片224の対応する開口226〜229内に移動し、それにより弾力性層222が、開口226〜229の内部領域内に伸ばされる。
【0126】
製造を容易にするため、弾力性層222の一部としてプランジャ236〜239を設置することが可能である。従って、図20Dに示されるこの代替構造では、弾力性層222‘が、それと一体形成のプランナ要素236‘〜239’を有することになる。図20Dにおいて、弾力性層222‘の反対側が、図20Bに示すものから示されている。
【0127】
中足骨部158の構造は、つま先部160構造と同じである。図22A〜22Cにおいて、中足骨部158は、その中に形成される第1プロフィールチャンバ250を含む第1プロフィール片218により形成される。よって、第1プロフィールチャンバ250は、第1プロフィール片208の周辺縁の回りに延びる直立周辺壁252により固定される。図20Aに示すように、周辺壁252は、チャンバ250が、各中足骨に対応する5領域255〜259を有するよう構成される。第1弾力性層262は図22Bに示され、第1プロフィール片248と幾何形状が一致する周辺縁を有する。組み立てられると、第1弾力性層262が、第1プロフィールチャンバ250を横断する。中足骨部158構造は、図22Cに示す第2プロフィール片264を加えることで完成する。
【0128】
第2プロフィール片264は、第1プロフィールチャンバ250に密着嵌合し、一体化されるよう、周辺壁252の内部側壁253と幾何形状が同じに形成される。第2プロフィール片264には、第2プロフィールチャンバを画成する開口265〜270が形成される。図22Aに示すように、第1プロフィールチャンバ250には、それぞれ開口265〜270内に一体挿入されるようサイズ決定される直立プランジャ275〜280が設置される。プランジャ275〜280は、人間の足の中足骨間に延びるよう配向される。
【0129】
ここでも、第1プロフィール片248、第2プロフィール片264が、静止状態から活動状態に移動すると、弾力性層262が二重に曲げられる。第1アクチュエータを画成する第2プロフィール片264が、第1プロフィールチャンバ250内に移動し、それにより弾力性層262がその内部領域内に伸ばされる。同時に、書くプランジャ275〜2800が、第2プロフィール片264の対応チャンバ265〜270内に移動し、それにより弾力性層262が、開口265〜270の内部領域内に伸ばされる。従って、この動作は、図21A,21Bを参照し上述したものと同一である。
【0130】
つま先プロフィール片224、足先プロフィール片264のエネルギー焦点は、それぞれチャンバ226〜229、265〜270が中心となる。これらのチャンバは、前後のトーションアーマチュアにより更に安定化する。これらトーションアーマチュアは、アクチュエータ224、264のアクチュエータ部を相互に接続し、足先、つま先領域を横断し、水平から内側にエネルギーを流すものである。図20Cに示すように、前方トーションアーマチュアは、プロフィール片224の前部をバウンドさせ、後方トーションアーマチュアは、プロフィール片224の後部をバウンドさせる。
【0131】
同様に、図22Cに示すように、前方トーションアーマチュア272は、プロフィール片264の前部をバウンドさせ、後方トーションアーマチュア274は、プロフィール片274の後部をバウンドさせる。
【0132】
第4実施例
本発明第4実施例は、図23〜27に示されている。これらの図において、靴底インサート310に、甲革312と靴底314が含まれる。靴底314には、かかと部316、中足骨部318、つま先部320が含まれる。かかと部316は、図24、27A,27Bに最もよく示されている。かかと部316には、第1プロフィール片322が含まれる。この第1プロフィール片322は、その中に形成される複数の第1プロフィールチャンバ324を有する一般に平板323として構成される。
【0133】
チャンバ324は、板323内の空洞として形成される。或いは、チャンバ324は、板323を完全に貫通する開口により形成してもよい。第2プロフィール片326には、各チャンバ324の内部領域内への係合のためサイズ決定される複数のアクチュエータ要素328が含まれる。第1プロフィール片324、第2プロフィール片326間には、弾力性層330が保持され、それにより圧縮力が加わると、アクチュエータ要素328が、第1プロフィールチャンバ324内に進められる。
【0134】
つま先部320は、第1プロフィール片344、アクチュエータを画成する第2プロフィール片346により形成される。プロフィール片344、346の構造は、それぞれ上述のプロフィール片208、224と同一であり、その説明を省略する。同様に、中足骨部318も、第1プロフィール片354、第2プロフィール片356により形成され、プロフィール片354、356の構造は、プロフィール片348、364と同一である。しかし、靴底インサート310の構造で1つ異なる点は、弾力性層330が、インサート310の全靴底に沿って延びる共通弾力性層であることである。その結果、弾力性層330により、各かかと部316、中足骨部318、つま先部320でエネルギーを保持するための弾力性層が提供される。
【0135】
第5実施例
図28〜30に、本発明の第5実施例による靴底がしめされている。本実施例は、かかと部456が、図17に示す上述の任意ソフトラグ198を有さない点を除いて、上述第3実施例と同様である。図30の底面図に示すつま先部460、中足骨部458は、それぞれ図20A〜20C,22A〜22Cに示すものとほぼ同じであり、200番台ではなく400番台を使用するが同様の符号がつけられている。
【0136】
図28、29は、かかと部456のそれぞれ分解斜視図、分解部分断面図である。かかと部456には、環状かかと板464より形成される第1プロフィール462が含まれる。この環状かかと板464は、U字状に周辺の回りに配置され、間隔を置いて配置される複数のアクチュエータ要素466を有する。アクチュエータ要素466は、硬い、非常に剛性の高い材よりなり、環状かかと板464に形成される開口470を有する第1プロフィールチャンバ468を画成する。アクチュエータ要素466は、図29に示すように、靴底前面に向けテ−パをつけられることが好ましく、それにより足後方に追加支持が提供される。
【0137】
弾力性伸縮自在材層472は、かかと板464、弾力性層472が、接着剤、他適当な手段により互いに固着され、開口470を横断するよう構成される。従って、第1プロフィール片462は、弾力性層472の1側に位置決定され、第2プロフィール片474は、弾力性層472の第2側に位置決定され、便利であればどのような方法ででもそこに固着される。第2プロフィール片474は、かかと片の形状であるが、チャンバ470との相互作用のための第1アクチュエータを画成する。
【0138】
更に、第2プロフィール片474は、その中に形成され、伸長6突出開口である第2プロフィールチャンバ476を有する。そしてかかと部456には、第2プロフィールチャンバ476と幾何形状が同じであるが、寸法が少し小さいプランジャ要素480付き第3プロフィール片478が含まれる。また、第3プロフィール片478には、上述の第2アクチュエータ要素466を受けようサイズ決定され、配向される複数の開口482も含まれる。その達成のため、かかと部456には、その中央に配置される伸長卵形開口486を有する第2弾力性層484が含まれる。開口482により、第3内部領域を有する第3プロフィールチャンバが画成される。
【0139】
水平安定性を支援するため、第2弾力性層484と第1プロフィール片464間に補助位置決定ブロック496が設置される。一対の前方第2アクチュエータ要素466のほぼ下に位置する第1プロフィール片の下に、追加の支持ブロック、又は運動制御ポスト502が設置される。支持ブロック502、第2プロフィール片474の三脚構成により、安定性が向上する。本ユニットは、回転力から生じるエネルギーを保持することが可能であり、最適な垂直ベクトルが生成される。追加の安定性を要する靴は、運動制御ポストを更に分離させる能力を利用できる。
【0140】
偏平足を有する、又は足中央領域の完全な支持が必要な個人用に、任意の活動足ブリッジも考慮される。
【0141】
ネスト化された場合、かかと部456を構成する様々な片が、エネルギー保持用に非常に活動性の高いシステムが形成される。特に、かかと部456は、図19A,19Bに示したかかと部156とほぼ同じように動く。
【0142】
図30の靴底部底面図において、靴底例を構成するかかと部456、中足骨部458、つま先部460の構成が示されている。図30では、また図31A〜31Cにより詳細に示される追加の中足骨支持部500も示されている。図31Aに示すように、中足骨支持部500は、第1プロフィールチャンバ510を含む第1プロフィール片504により形成される。
【0143】
第1プロフィールチャンバ510は、第1プロフィール片504周辺縁の回りに延びる直立周辺壁512により画成される。弾力性層506が図31Bに示され、第1プロフィール片504と幾何形状が一致する周辺縁を有する。組み立てられると、弾力性層506が、プロフィールチャンバ510を横断する。中足骨支持部500の構造は、図31Cに示す第2プロフィール片508を加えることにより完成する。第2プロフィール片508は、プロフィールチャンバ510内に密着嵌合し、係合してネスト化できるよう、第1プロフィール片504の内部側壁と同様の幾何形状に形成される。より詳細には、第2プロフィール片508、チャンバ510は、第1及び第2中足骨を支えるよう位置決定される。
【0144】
第6実施例
図32、33に、本発明別の実施例による、靴底かかと部556が示されている。かかと部556は、主スラスタ574、第1弾力性層572、その上にアクチュエータ要素、又はサテライトスラスタ566が搭載された第1プロフィール層562、第2弾力性層584上の連動ゴムラグ598、弾力性層584上に位置する第2プロフィール層578を備える。また、プロフィール層562下の弾力性層572に近接して、補助支持ブロック602が配置される。
【0145】
図32に示す実施例は、次の2相違点を別にして、図17に示すかかと部と同様である。つまり、プロフィール片578に代わり、弾力性層584下にゴムラグ598が設置され、図32の実施例では、図17の要素180と同じプランジャはない。図32、33において、かかと部556には、環状かかと板564により形成される第1プロフィール562が含まれる。環状かかと板564は、U形状に周辺回りに配置される複数の間隔配置補助、又はサテライトアクチュエータ要素566を有する。アクチュエータ要素566は、硬い、非常に剛性の高い材よりなり、環状かかと板564内形成の開口570を有する第1プロフィールチャンバ568を画成する。
【0146】
弾力伸縮自在材層572は、かかと板564と弾力性層572が、接着剤、他適当な手段でお互い固着され、開口570を横断するよう構成される。従って、第1プロフィール片562は、弾力性層572の1側に位置決定され、第2プロフィール片574は、弾力性層572の第2側に位置決定され、便利であればどのような方法ででもそこに固着される。第2プロフィール片574は、かかと片形状であるが、チャンバ570との相互作用のための第1アクチュエータ要素、又は主スラスタを画成する。
【0147】
図33に示すように、第2プロフィール片574は、下方に寸法が減少するが、テ−パ状とすることが好ましく、より好適には、傾斜面を有するほぼ下部ドーム形状を有することが望ましい。このような形状により、あしの基本3運動相、つまりかかと打ち、中姿勢、つま先離れを通して、かかとへの水平支持が向上する。
【0148】
かかと部556には、複数の開口582を含む第3プロフィール片、又は基礎層578が含まれる。
【0149】
開口582は、上述のアクチュエータ要素566を受けるよう、そのサイズが決定され、配向される。その達成のため、かかと部556には、第2弾力性層584が含まれる。開口582により、それぞれ第2内部領域を有する第2プロフィールチャンバが画成される。アクチュエータ566上面が、第2弾力性層584の下面にちょうど接触する。各第2アクチュエータ要素566は、アクチュエータ566と形状が同じであるが、寸法が少し大きい各開口582と整合する。
【0150】
一対の支持ブロック、又は運動制御ポスト602が、一対の前方アクチュエータ566下に設置される。第2プロフィール片574同様、これらのポスト602は、下方凸形状が好ましく、より好適には、前方傾斜のドーム形状とすることが望ましい。それにより、靴底への水平支持が向上する。
【0151】
ゴムラグ598は、アクチュエータ566とほぼ係合し、連動するよう、弾力性層584下に設置される。ゴムラグ598、アクチュエータ566は、両方とも、圧縮中の水平移動をより制御することを考慮し、前方にテ−パを付けられるのが好ましい。ラグ598、566の側壁は、約3〜6°傾斜することが好ましい。
【0152】
各ラグは、お互いを映し出すことにより、弾性支持相互作用が提供される。ゴムラグ598とスラスタ566間の間隔は、粒子を0.020より大きく保つため、約0.020インチより低くすることが好ましい。過度のシール密着では、真空が生成され、反発プロセスが遅くなる。連動により、特に反発中、過度のシール密着で真空が生成され、反発プロセスが遅くなっても、十分空気が流れることが可能となる。予想では、このデザインにおいて、運動制御ポスト602間に大きな間隔が残され、それにより空気、水等の排出が可能となると考えられる。
【0153】
アクチュエータ566が、ゴムラグ598ともっとよく連動するよう、隆起ネスティングパターンを有することが好ましい。ネスティング効果により、より順応化能な環境が形成され、回転力から垂直力保持、回復へのエネルギー変換が向上する。特にアクチュエータ566近くの板564の厚さを増加することにより、重量も減少する。ネスティングパターンは、また、アクチュエータ用の再配置器、安定器として作用し、垂直ベクトルへのエネルギー波変換を促進する。ネスティングパターンにより、主スラスタ574の感度が向上し、反発スラスタの推進、又は駆動長が最大になる。また、推進サイクル終了時に追加の力が抵抗され、アクチュエータの所定地保持が支援される。
【0154】
アクチュエータ剛性を変化させると、エネルギー「波」の制御量、それに対する神経筋系の感度が増加する。ユーザの足が自然と回外する場合、足先、中足骨5番の外側境界に、過度の運動制御要求が付加される傾向がある。この過度の望ましくない運動は、上述第6実施例のアクチュエータ574等、チャンバ付きアクチュエータにより継続して捕獲され、保持され、十分速く開放される。それにより、負の運動自体がエネルギーとなり、足を水平から内側に送ることになり、中立平面機能が向上する。より剛性のあるチャンバ付きアクチュエータでは、外側水平、又は内側境界へのチッピング、ダイビングが拒絶され、それにより連動エネルギー保持プロセスが安定化する。次の第7実施例において、アクチュエータ剛性変化をより詳細に説明する。
【0155】
第7実施例
図34〜68は、本発明第7実施例による靴底構成を示す図である。本明細書において、用語「靴底構成」は、人間の足を支える靴底全体、又はその一部を指す語である。更に、第7実施例に記載する構成要素は、上述実施例の構成要素の多くと同様であり、よって上述実施例で使用した用語は、ここで使用する語と相互交換可能である。
【0156】
図34は、各構成要素が上下逆転した状態で示される、好適靴底構成の分解斜視図である。より詳細には、靴底構成には、3領域、つまりかかと部700、つま先部800、中足骨、又は足先部900が含まれる。かかと部700には、主スラスタ702、弾力性伸縮自在材第1層704、サテライトスラスタ層706、弾力性伸縮自在材第2層708、基礎、又は第2スラスタ層710が含まれる。つま先部800には、アクチュエータ層802、チャンバ層804が含まれる。
【0157】
足先、又は中足骨部900には、アクチュエータ層902、チャンバ層904が含まれる。足各部を構成する各構成要素は、当業者であれば分かるように、成形中化学接合により取り付けられるのが好ましい。ここで記載するように、図34〜68に示す靴底構成の「上部」は、第2スラスタ層710に向け指定され、靴底構成の「底部」は、主スラスタ702に向け指定される。対応して、かかと部700は、靴底構成の背面、又は後面を表し、つま先部800は、靴底構成の正面を表す。
【0158】
図35〜38に示すように、主スラスタ702は、下方にテ−パを付けられ、前方により傾斜するほぼドーム形状の底面712(図35上方に示す)を有することが好ましい。それにより、それがほぼ真下に位置する人間の足のかかと部に対して、水平安定性を与え、回転移動を可能とする。主スラスタ702は、図36に示すように、横から横よりも前から後に長く、ほぼ卵形に形成される。図37、38に示すように、主スラスタ702には、底面から離れ上方に延び、主スラスタ内にチャンバ716を画成する直立壁714が含まれる。
【0159】
このチャンバ716は、上述第5実施例(図30)のスラスタ474同様6突出形状を有するが、底面712で囲まれることが好ましい。壁714は、面712から離れて延びるにつれ、外側に少し傾斜することが好ましい。主スラスタ712は、足前に向け少しテ−パを付けられるよう設計されることが好ましい。それにより、スラスタ後端部718における壁714の高さが、スラスタ前端720での壁より大きくなる。このようなデザインとすることで、かかとの回転運動に配慮する一方、かかと後部に追加支持を提供する。
【0160】
特に、曲がった底面712により、靴底構成が圧縮される際、エネルギーが水平に広がることが可能となる、また靴底構成が地面を横断する際に、より効率的移動が可能となる。
【0161】
図示の実施例において、スラスタ702は、壁714前において約0.252インチの高さに減少する、約0.324インチの後壁高さを有する。本実施例では、壁714は、約1.5°傾斜することが好ましい。壁を接続し、チャンバ716底部を画成する底面712は、約0.1215インチの厚さを有することが好ましい。壁714上部から面712の最も底の点までの、全主スラスタ702の高さは、約0.536インチである。
【0162】
図36に示すように、線37−37に沿って測定されるスラスタ702の長さは、約2.101インチ、線38−38に沿って測定されるスラスタ702の幅は、約1.561インチである。これらの寸法は、一実施例の単なる例であり、靴底構成寸法に関しては、多くの様々な変更が可能である。スラスタ702の好適材料は、ディユポン社のHYTREL等のプラスチックであるが、剛性が多少下がる・上げる他の材も使用してよい。より大きな剛性が所望である場合、グラス繊維が使用できる。
【0163】
図39〜41には、図34に示した靴底構成の主スラスタ702上に配置される弾力性伸縮自在材704第1層が示されている。この層は、ゴム製が好ましく、主スラスタ702同様ほぼ卵形の形状であるが、フットプリントの大きさがより大きい。層704には、層704前部から延びるトング722も含まれ、層704前部に角724、726を有する。
【0164】
図40、41に示すように、層704の上面728は、平面が好ましい。層704の底面730は、ほぼ卵形状に層704周辺の回りに延びる境界領域を有することが好ましい。この境界領域732内には、同様に卵形の中間領域734が設置される。この中間領域は、境界領域より厚さが大きい。境界領域732と中間領域734間の厚さ増加は、段階的であることが好ましく、それにより図41で示すような傾斜面736が提供される。中間領域734内には、中央ストレッチ領域738が形成される。
【0165】
この領域は、中間領域734に対して少し窪んでおり、境界リング740により中間領域から分離される。この中間ストレッチ領域738は、上述主スラスタ702とほぼ同じ形状を有するようサイズが決定される。それにより、歩行、又はランニング活動中、靴底構成が圧縮されると、スラスタ702が、中央領域738と押圧し、伸長させる。
【0166】
図示実施例において、弾力性層704は、境界領域での厚さが約0.06インチであり、中間領域734で約0.135インチに増加し、中央領域738で約0.125インチに減少している。層704の長さは、トング722の前端から層704の後部まで測定すると、約3.793インチである。
【0167】
最も広い部での層704の幅は、約2.742インチである。層704の長さは、角724、726から層704後部まで測定すると、約3.286インチである。層後部から中間領域734の最先端縁まで測定すると、この長さは、役3.098インチである。層の卵形回りに延びる境界領域の幅は、層後部での役0.298インチから、層水平側の約0.28インチまでバラツキがある。表面736の傾斜は、約45°が好ましい。ここでも、上述寸法は全て、一特定実施例の単なる例である。
【0168】
図42〜44に、図34の靴底構成のサテライトスラスタ層706が示されている。図42、43に示すように、層706は、開口744を含む環状かかと板742を備える。この開口744は、組み立てられた靴底構成が圧縮されると、主スラスタ702、弾力性層704がそこを通って延びるチャンバとしての役割を果たす。従って、開口、又はチャンバ744は、主スラスタ702を収容するのに十分大きいほぼ卵形の形状を有する。
【0169】
かかと板742の形状は、ほぼ環状が好ましく、更に足前部に向かう2つの延長部746、748を備える。図34に示すように、延長部746、748の形状は、靴底構成が、右足用か左足用かに依存する。図34に示すデザインは、左足用である。従って、左延長部748が、外側凹状の正面752を有し、一方右延長部746が、外側凸状の正面750を有することが好ましい。簡単に言えば、どちらの足であれ、内側延長部正面は、外側凸状であり、外側延長部正面が、外側凹状とすることが好ましい。
【0170】
層706上部には、層回りにほぼU字状に配置される複数のサテライトスラスタ754が設置されることが好ましい。図44に示すように、これらスラスタ754の上面は、角度α分、層前部に向けテ−パを付けられることが好ましい。
【0171】
更に、各サテライトスラスタ754は、そこを部分的に通って延長する複数の穴756を有することが好ましい。穴756は、サテライトスラスタの重量を減少させる役割を果たす。好適実施例において、サテライトスラスタのうち2つは、延長部746、74上に設置され、一方4つのスラスタは、開口744の回りに配分される。
【0172】
層706前部において、及び延長部746、748下部から延長して、支持ブロック758、760があり、これらブロックは、層706と一体形成されることが好ましい。図42に示すように、これら支持ブロックは、内側支持ブロック746正面が、外側凸状であり、一方外側支持ブロック748が外側凹状である点において、延長部746、748とほぼ同じ形状を有することが好ましい。
【0173】
図44に示すように、これら支持ブロックは、角度β分、層706前部に向けテ−パを付けられ、好適には傾斜した前後壁を有することが好ましい。
【0174】
図43、44に示すように、延長部746の正面750から板742後部までの層706の長さは、約4.902インチである。その主軸に沿った卵形開口の長さは、約2.352インチである。層706の幅は、その最も広い部から水平に測定した場合、約2.753インチである。層幅は、その最も狭い部を横切って水平に測定した場合、約1.776インチである。サテライトスラスタ754は、図44に示すように、角度α分、約1.58°テ−パを付けられる。支持ブロック758、760は、角度β分、約3°テ−パを付けられ、約7°傾斜する前後壁を有することが好ましい。
【0175】
層706の高さは、板742下部から最も高いサテライトスラスタ上部まで測定した場合、図44の平面Bで示すように、約0.477インチである。板742自体、その最も薄い点で約0.1インチの厚さを有する。最も高いスラスタでは、穴756が、平面Bから測定した場合、約0.427インチの深さを有することが好ましい。層706の高さは、支持ブロック758底部から測定した場合、つまり図44の平面Cから平面Bまでの高さは、約0.726インチである。サテライトスラスタ754を含む層706は、層702と同様の材、一好適実施例ではデュポン社のHYTRELよりなることが好ましい。
【0176】
図45〜47に、弾力性材製の第2層708が示されている。この層は、ゴム製とし、サテライトスラスタ層706の形状にほぼ対応するよう形成されることが好ましい。より詳細には、層706同様、層708は、その中にほぼ卵形の開口766を有し、そこから前方に突出する2つの延長部768、770を有するほぼ環状形とすることが好ましい。外側延長部770正面は、外側凹状とし、内側延長部768正面は外側凸状とすることが好ましい。
【0177】
開口760の回り、また延長部768、770上には、層706のサテライトスラスタ754に対応するストレッチ領域772が配置される。これらストレッチ領域772は、層708と一体形成され、図47に示すように、隆起構成が得られるよう、層708の残りと比較して大きな厚さを有することが好ましい。ストレッチ領域772は、サテライトスラスタの形状と対応するよう、曲げ角を有するほぼ矩形の形状とすることが好ましい。各ストレッチ領域772は、サテライトスラスタ754より大きなフットプリントのサイズを有する。それにより、靴底構成が圧縮されると、サテライトスラスタが、ストレッチ領域を押圧して貫通可能となる。
【0178】
層708の回りには、複数の圧縮可能ゴムラグ774、776も設置され、好適には各ストレッチ領域772間に配置されるのが望ましい。好適実施例において、6つのサテライトスラスタ間に5つのラグ774が設置され、延長部768、770下の層708前部に2つラグ776が追加される。更に好適には、ラグ774、776が、ストレッチ領域772の形状に一致するよう、ほぼ矩形形状に形成される。より詳細には、各ストレッチ領域間にあるラグ774の壁が、図47に示すように、内側凹状とすることが好ましい。それにより、ストレッチ領域772の形状と一致することになる。
【0179】
図47に示すように、ラグは、層708から離れて下方に延び、傾斜壁を有することが好ましい。従って、これらのラグは、サテライトスラスタ層706のチャンバ764と係合するよう形成され、靴底構成が圧縮されると、エネルギーが保持、返却され、チャンバ764内でラグ774が圧縮される。層708前部にあるラグ776は、延長部768、770と対応するよう形成される。
【0180】
図46に示すように、図示実施例では、層708が、層708後部から延長部768正面までの長さ、約5.17インチを有する。最も広い部での層幅は、約3.102インチ、最も狭い部で約2.236インチである。層708環状部の幅は、層後部から開口766後部まで測定した場合、約1.02インチである。層708後部から開口766前部までの距離は、約3.138インチである。その主軸を横切る開口幅は、約1.302インチである。その外側端に沿った層708は、役0.05インチの厚さを有する。隆起ストレッチ領域772での厚さは、約0.120インチ、ラグ774、776での厚さは、約0.319インチである。ラグ774は、チャンバ764と一体となるよう、約7°傾斜することが好ましい。
【0181】
基礎、又は第2スラスタ層710は、図48〜51に示されている。スラスタ層710は、その中に複数の開口、又はチャンバ780を有する板778を備える。この板778は、正面から延びる2つの延長部782、784を有するかかとの形状に対応して、ほぼ卵形である点において、弾力性層708、サテライトスラスタ層706とほぼ同様に形成される。チャンバ780は、靴底構成が圧縮されると、弾力性層708を通ってチャンバ780に移動する、層706のサテライトスラスタ754と対応するよう配置される。従って、チャンバ780は、サテライトスラスタ754とほぼ同じフットプリント形を有するが、スラスタ754を収容するため少し大きくなっている。
【0182】
チャンバ780内のほぼ中央に位置し、そこから下方に延びる板778下部には、第2スラスタ786が設置される。この第2スラスタ786は、靴底構成が組み立てられると、スラスタ786が、弾力性層708の開口766、サテライトスラスタ層706の開口744を通って延びるよう位置決定される。より詳細には、スラスタ786は、主スラスタ702の6突出開口716に対応する6突出形状を有することが好ましい。
【0183】
従って、靴底構成が圧縮されると、第2スラスタ786が、弾力性層704のストレッチ部734を押圧し、開口716内に移動する。図49、51に示すように、第2スラスタ786の底面788は、曲げ、又はほぼドーム状の形状を有することが好ましく、またそこを一部貫通して延び、第2スラスタの重量を減少させる一対の穴790を有することが好ましい。
【0184】
図48〜51に示す実施例の層710は、板778後部から延長部前部まで測定した場合、約5.169インチの長さを有することが好ましい。層710の幅は、その最も広い部を横切った場合、約3.105インチ、最も狭い部を横切った場合、約2.239インチとすることが好ましい。延長部782、784の外側水平側間の幅は、約2.689インチが好ましい。各前部対のチャン場780は、約1.25インチの長さ、約0.63インチの幅を有することが好ましい。板710は、約0.06インチの厚さを有することが好ましく、第2スラスタが、板の上部から測定した場合、約0.71インチの高さを有することが好ましい。
【0185】
第2スラスタ内の各穴790は、約0.35インチの直径、約0.5インチの深さを有する。層710は、ディユポン社のHYTREL等の材製が好ましいが、他同様の材も使用してよい。例えば、より剛性が必要な場合、ガラス繊維、黒鉛等の材も使用してよい。
【0186】
図52〜55に、第7実施例による靴底構成のつま先アクチュエータ層802が示されている。この層802は、ゴム製とし、図52〜55を参照し説明される全要素が一体形成されることが好ましい。層802は、主弾力性部806を備えるのが好ましい。主部806下部には、各人間の足指に対応して、つま先アクチュエータ808、810、812、814、816が設置される。図54に示すように、つま先アクチュエータは、主部806下の隆起セグメントとすることが好ましい。第1から第4つま先アクチュエータ808〜814も、アクチュエータ内に、それぞれほぼ卵形のチャンバ818、820、822、824を含む。
【0187】
図54、55に示すように、つま先アクチュエータ層は、アーチ形状とすることが好ましい。つま先アクチュエータ層802の縁に沿って、以下記載するように、つま先チャンバ層804を収容するため、上方配向壁826が形成される。図示したつま先のアクチュエータ802は、望ましくは両側面から約4.165インチである。つま先のアクチュエータ層802は望ましくは最先端から最後端まで2.449インチである。層802の主要部806は望ましくは約0.12インチで、アクチュエータ808〜816は主用部806の下側から計って約0.12インチの高さがある。側壁826は、望ましくは主用部806の上側から0.16インチ突き出ており、約0.55インチの厚さがある。
【0188】
図56−59はチャンバ層804を示し、上記つま先アクチュエータに対応する。つま先チャンバ層804は望ましくはデュポン社のHYREL(商標)で作ることが望ましく、層804の周囲まで延長する立ち上がった周辺壁828を形成し、チャンバ830を画定する。
【0189】
つま先チャンバ層804はつま先アクチュエータ層に類似して形成され、また図58と59に示すようにアーチを形成する。図57を参照すると、周囲の壁828は、チャンバ830が5つのソーン832、634、836、840を構成するように形成され、人の足指先対応する。プランジャ842、844,846、848は望ましくは楕円形で最初の832、834、836、838のゾーンのそれぞれ設けられる。
【0190】
プランジャは層802の対応するチャンバよりも小さく形成される。同様に、層802のアクチュエータは、押圧されると主用部806を介して圧縮される。このように、つま先アクチュエータとつま先チャンバは共に2重のエネルギ蓄積システムを提供する。つま先部800のエネルギ貯蔵と戻し特性は、図20A−20Cについて述べたと同様である。
【0191】
図示したように、周辺壁828とプランジャ842−848は、望ましくは約0.16インチ高さである。層804はチャンバ830の最も薄い個所で0.03インチの厚みがある。層804の両辺間長さは望ましくは4.044インチで、最先端から最後端までの層巾は約2.326インチである。
【0192】
図60−64に示す中足又は前足のアクチュエータ層902は、つま先層802と同様に形成される。特に、層902は、望ましくはゴムで製作され、図60から64に示す各要素は望ましくは一体的に製作する。層902は、望ましくは主たる弾性部906からなる。主用部904の下側に中足のアクチュエータ908、910、912、916及び918が設けられている。図62に示すように、中足アクチュエータは、主用部904の下側で望ましくは中高の部分である。中足アクチュエータは、それぞれチャンバ920、922、924、926、928を備え、実質的に楕円形である。
【0193】
図62−64に示すように、中足アクチュエータ層は望ましくは、アーチ状である。中足アクチュエータ層904のエッジに沿って上向きの壁932が設けられ、中足チャンバ層904を収容する。
【0194】
図示した中足アクチュエータ層902は、望ましくは中足の両巾の距離で4.302インチである。この層は、望ましくは層の最先端と最後端で測定すると3.03インチである。
【0195】
層902の主用部906は、望ましくは厚さ0.12インチであり、アクチュエータ908−918は主用部906の下側から測定すると0.12インチである。壁932は、望ましくは主用部906の頭部から0.16インチ突き出しており、望ましくは0.55インチ厚さである。
【0196】
図65−68は中足チャンバ層904を示し、上記中足層902に対応する。中足チャンバ層904は望ましくはデュポンのHYTRELで製作され、立ち上がった周辺壁934を備え、層904のエッジを回って突き出し、チャンバ904をその中に形成する。中足チャンバ層は中足アクチュエータ層と類似して形成され、図67と68で示すように、望ましくはアーチを形成する。図66を参照すると、周辺壁934は、チャンバ936が6個の領域938、942、944、946、948を形成するように製作される。
【0197】
プランジャ950、952,954,956,958,960は、望ましくは楕円形で、チャンバ936内の938−948領域のそれぞれに形成され、靴が圧縮されと、層902の主用部906を貫通してチャンバ920−930へ押し込まれる。従って、プランジャ950−960は、層902の対応するチャンバ902−930よりも小さな寸法である。同様に、アクチュエータ908−918は、エネルギ保存と戻しのために圧縮されると、層902の主用部906を貫通して押圧する。
【0198】
これは、図22A−22Cについての記述と同様に、実質的に同様なエネルギ的特徴がある。図示した態様では、周辺壁934とプランジャ950−960は、望ましくは、約0.16インチ厚さである。層904は、チャンバ936内で最も薄い個所で約0.03インチ厚さである。層904の長さは、望ましくは約4.182インチ、最先端と最後端の間で測定した巾は、2.908インチである。
【0199】
上記態様における靴底は、望ましくは図示しない靴の前部下側に付着される。更に、上記靴底の態様は、望ましくは、地面と接する靴底の底部と化学的に接合された外部靴底又は牽引層接合している。図69−76は地面と接触するように設計されたつま先と前足の牽引層を図示する。図69−73に示すように、つま先の牽引層860は、つま先アクチュエータ層802の形状と寸法に適合している。同様に、前足牽引層960の形状と寸法は、前足のアクチュエータ層902の形状と寸法に実質的に適合している。
【0200】
各牽引層は望ましくはゴムで成形され、側面と中間の境界を備え、その中立面内において足と足首の回転を促進するように中心部で約2倍の高さがある。1の実施態様では牽引層は約0.025から0.05インチの厚さで、境界部の厚さは0.05インチ、中心部で0.025インチである。牽引層はかかと部、運動を制御する位置、及び他の靴底の下側にも設けられることが望ましい。更に、単一の牽引層を靴底全体の下側に設けることも考えられる。
【0201】
図示したように、靴底のアクチュエータはその剛性を変化させ、足の安定性を改善し、足の自然な回転が伴うようにすることができる。第7の態様で示すようにアクチュエータの剛性は、周辺スラスタ754と二次スラスタ786をより剛性のある材料、例えば80〜90のデュロメータのデュポンのHYTRELで製作し、主スラスタ702はより低い剛性の、例えば40〜50のデュロメータのデュポンHYTRELで製作することができる。
【0202】
同様に、ラグ774は、ゴムのようなより小さい剛性の材料で作ることが望ましい。このように、靴底構造は剛性を変化させることにより、アクチュエータによるエネルギの蓄積と戻しを細かく調節することが可能となる。アクチュエータの剛性は靴の目的とする用途に応じて変化させることができる。例えば、より適合性があるアクチュエータが、平坦でない道、特別な用途、例えばトラック走行、ゴルフ、ハイキング等に適したように望まれる。
【0203】
より剛性があるアクチュエータは、ランニング、スプリント走行、垂直飛び上がり、バスケット、バーレボールとテニスのようなより高い性能が必要な場合に求められる。従って、アクチュエータの剛性を変化させることにより多数の可能性があり、更にアクチュエータの寸法、形状、その位置を変化させ、希望した性能を求めることができる。
【0204】
更に、湾曲したチャンバを有する湾曲したアクチュエータは、靴底の機械的利点を提供する。特に、湾曲したアクチュエータの面は荷重をかけると平坦になり、足形状の寸法を拡大して伸縮層とすることになる。このアクチュエータの伸縮層の拡大量を増大し、エネルギの蓄積と戻しを増大させる。
【0205】
試験結果
本願発明の利点は、本発明の第7の態様(本願発明の靴)に記載された靴と通常の靴に関する結果とを比較して、具体的に示す。特に、断わらない限り、ミズノのウェーブランナテクノロジが基準の靴である。
【0206】
1.全身体の効率結果(VO2 吸収試験)
全身効率はガスの消費量と排出量を測定して行う。本願発明の靴を基準靴と比較し、等級化された及び定常的運動試験を行い、排出されたガス(VO2)と、走行器上を走る運動者を3又は12本のリード線の心電図測定を行った。特に、VO2は心臓鼓動による出力されたO2を測定する。
【0207】
試験対象の運動者2回試験された。最初は、各運動者が基準靴を着用し、走行器(トレッドミル)で特定の走行を行い、VO2が測定された。第2回目は、基準靴と本願発明の靴の比較は、75−90%VO2max級定常状態と絶対強度の実施要領に基づいて行った。使用された装置は、センサーメディクスVmax29の代謝カートで、2個の補正ガスタンク、ラップトップコンピュータ、プリンタ、VGAモニタ、12/3リードEKG装置である。さらに、流量計、チューブ、口マスク、頭部当て、及びEKG接触電極等を使用した。
【0208】
同一の走行試験で、本願発明の靴は、80−90%VO2maxと絶対強度においてO2消費量が減少した。この発見は,80−90%VO2maxと9.5、10、10.5、11マイル/時の速度で顕著である。この発見は、レースと強化したリクリエーション訓練で代表的なペースにおける、基準靴に対して本願発明の靴で走行する場合における全身の改善された効率と一致する。
【0209】
上記強度における全身の効率改善程度は13%であった。しかし、より高い強度における平均の改善度は15%であった。個人的変動があり、ある人は平均の改善度は、10、10.5及び11マイル/時の強度で21%と18%であった。
【0210】
この個人的変動は初期の生体力学的変動、身体力学、又は走行スタイルに起因する。興味あることは、長い距離では少ない改善がえられたが、短距離の運動において最大の効果が得られた。この発見は長距離走者は、短距離走者と比較して最初に改善された力学的及び生体力学的効果を示した事実と一致する。
【0211】
全体的発見としては、全ての対象者は本願発明の靴を使用し、全身の効率が改善された。その結果は、個人的生体力学等で変動する。結論として、本願発明の靴は、試験した全ての男性運動者の生理学的データにより、改善された走行効率をもたらす。選ばれた女性運動者について、基準靴と本願発明の靴による走行器における身体効率は、男性についての結果と一致していた。もっとも、効果の程度は少なかったが、測定されたVO2は全ての運動において一致して少なく、男性と女性の差異は異なる運動メカニズム(特に女性における前足走行)よるものであろう。
【0212】
走行器における早い走行では同じ走行力学が行われるので、全身効率は改善されている。本願発明の靴を着用した選ばれた女性運動者の全身効率は、男性と同様であろう。
【0213】
男性走者と同様、本願発明の靴を着用した女性走者は同一相対(80−90%)VO2maxと絶対強度で酸素消費量が減少していた。この発見は、80−90%VO2maxと8.5、9、9.5、10マイル/時において顕著である。この発見は基準靴に対して本願発明の靴を使用してレースまたは強化リクリエーションのペースで走った場合の全身の効率と一致していた。
【0214】
種々の強度測定した改善効果は男性で測定した効果よりも小さいが、その効果(約3%)は顕著であった。この差異に加えて、選ばれた女性運動者は主に前足部で着地していた。
【0215】
従って、靴の全体的効果は、靴底かかと部に主たる機能があるので、完全には測定できなかった。興味あることは、走行器における走行の等級を変化した際のVO2測定結果であった。前足走者が10.5マイル/時にこの程度の変更は運動者に対してかかとが飛び上がるかも知れない力を作用させるので、全身効率の向上を説明する。
【0216】
特に、荷重の増加を考慮すると全身効率は5−7%減少した。
【0217】
従って、等級に対応した全身効率の向上は大きく過少評価されていた。他方、一時的評価は、実験靴の力学に伴う全身効率を改善する可能性調査する分野への洞察をもたらした。
【0218】
全身の力学的試験
本出願人は、全身が本願発明の靴が、より適切な足首の角度、ひざ、腰、より少ない垂直方向の移動による全身の利点を示すために全身の力学的試験を実施した。
【0219】
走行足巾の分析は2人の対象者について、種々の靴に関して一時的及び力学的パラメタを決定することが行なわれた。試験された靴は以下の通りである。
【0220】
通常のランイングシューズ、2対のエネルギ戻しランニングシューズ(本願発明)である。本願発明の靴のアイディヤは、地面との衝撃エネルギを吸収し、後の走行においてエネルギを戻し、走行経済を改善することである。仮定として、走行力学、増加したスイング時間(宙に浮いている時間)と増加した足の後半スタンスと結合したより短いスタンス(足巾)等が観測できることを前提とした。対象男性(対象1)と女性(対象2)についてデータを収集した。18個の接着マーカが左右対象に以下の個所に配置した:第5中足頭部側面、くるぶしの側面、膝の回転軸側面、腰の回転軸の側面、腸骨の頭部、肩の回転軸側面、両肘、手首、前頭部、及び顎である。
【0221】
対象1は走行器で10.0マイル/時の走行中に1秒間30こまの速度で3個のビデオカメラで撮影した。試験順序は、通常の靴、エネルギ戻し靴、軽量のエネルギ戻し靴である。対象2は8.6と10マイル/時で走行中に撮影した。ビデオのデータはアリエル行動分析システム(APAS)で3回の試験の3次元イメージをとり、行なった。試験の情報を下記の表に示す。また、走行の歩幅の時間的測定値を表1に示す。
【0222】
【表1】

【0223】
【表2】

【0224】
足巾の前方への平面運動の変数、垂直の変動、R(左)足移動は表2に示す。歩幅は、上で決定した歩幅速度と一定と仮定した走行器の速度から決定した。垂直変動は前頭部のマーカの前方平面内の移動測定値である。左足の移動は1回の移動巾とスイングによる足の前方への移動距離測定値である(表2参照)。
【0225】
前方平面内におけるより低い運動量の最低値は左で測定された。これは、腰、膝、足首角度でも同じである。腰の角度は、腿と骨盤との角度で計算し、角度が増加することは腰が伸びることである。膝の角度は腿と脛の角度で計算し、角度が大きくなることは伸びることである。足首の角度は、脛と足との角度から計算し、角度の増大は足底のそりを意味する。腰の最大伸びはつま先が地面から離れる直前で、腰の最大の曲がりは踵を打ち付ける際である。
【0226】
膝の角度は、つま先が地面からはなれる際の伸び続く足の伸張の際における膝の屈曲の一場面である。スイングの最中に膝は、すばやく屈曲し、踵が地面を打つ際に伸張する。この曲げの場面と足の伸張場面の範囲は表4に示すが、最大の膝の屈曲はスイング中に観察される。
【0227】
足首の角度範囲は表5に示す。スタンスの初期の段階において足首は屈曲する。足首の背屈(反り返ること)はスタンスの中間から観察され、足首の屈曲はスタンスの後期からスイングの初期を通じて観察される。
【0228】
この研究は、対象者2人の異なるタイプの靴による2種の速度における力学的時間的変動を定量化するための試みであった。この研究からの一般的観察がなされた。
【0229】
【表3】

【0230】
【表4】

【0231】
【表5】

【0232】
【表6】

【0233】
歩幅の速度、スタンスとスイング時間の変化は少ない。対象者1は3回目においてはやや少ない歩幅速度を示し、意味のある結果が得られた。差異の欠如はこの試験の範囲によるものであろう。1秒間のおける30こまは正確な歩調とつま先上がりの運動を決定するには不適当である。この研究では、踵の地面への打撃を測定するために使用しなかった。
【0234】
対象者1は、試験1、2と比較して試験3におけては垂直方向の変位は少なかった。これは、走行で低いエネルギ消費を意味する。垂直方向の変位が少ないことは、身体の重心を上げるエネルギが少なく、物理的エネルギ消費が少ないことになる。試験1と2を3と比較すると、膝の運動指標に興味ある相違があった。より大きな膝の伸びに続いてスタンスの曲がり場面中において膝の大きい屈曲があった。このことは試験3におけるスタンスの曲がり場面でエネルギが蓄積され、足のけり場面でエネルギが低い四肢に戻されることを示す。
【0235】
このエネルギの移動は、足のけり中における大きな膝の伸張で観察される。足首の運動は同様なパターンであった。足首の運動範囲は他の試験より試験3でお起きかった。しかし、同一速度で対象者2にはこの相違は観測されなかった。
【0236】
興味深いことに、エネルギ戻し靴は、試験1の基準ランニング靴に対して相違は少なかった。この傾向は、試験3の靴が他の靴より大きな差異があるならば、より完全な研究で調査されるべきである。
【0237】
3.Fスキャン試験
本願発明の靴が、地面からの高い圧力面積部を広くすることを示すために2回のFスキャン試験を行なった。本願発明の靴は、現行の中間足底技術よりも22%高い衝撃吸収性があるというミズノウーブライダ工学に対して、試験した。
【0238】
本願発明の靴は、地面からの圧力面積を拡大する性能がある。足の矯正に影響するように綿密な比較が必要である。矯正学は、足の地面からの消極的運動を補正し、足の過度の回内と回外に代わって中立な位置に安定させる。
【0239】
前足、または母指球において、各中足頭部は受ける荷重をより平均的に分担する。生体力学は中足に大きな荷重をかけるので、この荷重は他の部分でも分担するであろう。Fスキャン試験は、中足の平等な荷重を示し、本願発明の靴を着用した場合の踵の著しく減少した圧力を示した。
【0240】
4.衝撃吸収試験
本願発明の靴と基準靴について衝撃吸収試験を行なった。この試験はARTECH社の踵衝撃試験機を使用し、一対の直線ボールベアリングで支持された1インチの鋼棒を特徴とする。この棒は8ポンドで、3ポンドの錘がクランプでき、合計11ポンドになる。試片の下側に置かれた500ポンドのロードセルが衝撃を測定する。力と変位が12ビットのデータ取得システムを使用したコンピュータで、256ミリセコンド間隔で記録した。
【0241】
ARTECHシステムは、試片の下側にあるロードセルを使用する。G値は最大荷重から落下シャフトの重量とスプリング力を差し引いて計算した。コンピュータソフトは最大荷重とG値を計算し、反発高さと完全な圧縮とを比較してエンルギの戻しを計算する。各種の靴に対して10回の落下の平均をデータとした。通常、低い荷重と衝撃(G値)は着用者により快適である。高いエネルギの戻しは快適さに重要でないが、ステップの際に飛びを与え、エネルギ消費を減少し、クッション材の圧縮に対して抵抗を意味する。
【0242】
試験結果を一般的に比較すると、十分快適な運動靴はG値が5.4で、ゴム底とEVA中間底と底ライナを有するものである。不快適な靴は、G値が8.7で、ローファ16.2フィーであった。これらの靴をテスト中に、試験法を若干変更した。提供された靴は、11ポンドと22ポンドで試験した。これらの靴は平坦な場所と30度角度の傾斜面で試験した。試験結果を表6に示す。
【0243】
【表7】

【0244】
5.物理試験
本願発明の靴は以下の一般的現象があった。
1.垂直方向のエネルギ戻し― 使用者が出発した場所から靴は垂直方向戻し と反発力がある。
2.誘導―靴は側方への動きがなく、垂直方向へ移動する。
3.衝撃時のクッション効果―靴は通常従来の靴よりも永く運動を続け、より ショックを吸収する。
【0245】
靴が走行中地面を打撃すると、使用者は減速し、エネルギを失う。エネルギは足を上げ、脚を重力に逆らってつぎの足の進行のために必要である。本願発明の靴は、足、踵、下肢部を上げるエネルギを戻すため、走行のため少ないエネルギを必要とし、少ない酸素要求される。このエネルギの戻しは個人の減量と定義できる。全ての靴の適用できる装置を利用して想定した。垂直に壁に衝撃を与え、壁からの反発距離を測定し、壁(12インチと18インチ)からの反発距離で、重量(117ポンド)あるエンルギ戻し量を与える装置を利用した。
【0246】
使用した靴はナイキ(Nike Air Tailwind, Nike Air Triax)、アシックス(Asics Gel Kayano,Asics Gel 2030)、ブルックス(Brooks Beast), ソコニ(Saucony Grid Hurricane)、及び本願発明の靴である。
【0247】
6.垂直飛び上がり試験及び測定
2種類の垂直飛び上がり試験を行い、本願発明と現状の運動靴の能力を比較した。
【0248】
最初の試験では、コロラドのブルダ大学では運動部のトレイニング室でVERTECKという飛び上がり測定装置を使用している。この装置は大学、短期大学で通常使用され、また高校の運動訓練センンタでも利用されている。VERTECKは自立して、移動可能で、種々の計測値を代表するカラーのプラスチックテープがある調節可能なポール状装置である。
【0249】
最初に、立った状態での垂直方向の高さが測定される。平坦に立って片手又は両手を垂直に上げて試験者はプラスチックのテープを移動させようとする。テープが移動した、又は高さは試験者の垂直方向の飛び上がり距離である。この高さは、また垂直方向の出発点でもある。試験者は、伸び運動、走行、バウンド、ジャンプ等で身体をウォームアップする。試験は少なくとも2人の試験者について、行なわれる。最初の試験者はVERTECK装置の下に立ち、かがみこみ垂直に飛び上がり、プラスチックテープを叩いて移動させる。立ったままのリーチ(又は0)とプラスチックテープの最高位置との差が垂直方向の飛び上がり距離である。
【0250】
試験は次のように行なわれる。
第1回;試験者1はFilaの靴を着用し、2回のジャンプを行い測定する。
試験者2は本願発明の靴を着用し、2回のジャンプを行い、測定する。第2回;試験者1が本願発明の靴を着用する。
試験者2がFilaの靴を着用する。
試験者は疲労するまで、上記ラウンドを連続する。
全てのラウンドについて記録し、比較する。
【0251】
比較試験は、本願発明の実用的製品をVERTECK装置を使用して行なってはいない。
VERTECK装置が利用できない場合には、第2の方法で行なえる。方法1では、垂直のリーチを試験者の中指にチョークをつけ、平坦に立ち、垂直壁に対して側面から又は45度の角度、又は壁に向かって立って実施する。垂直に飛び上がり、チョークマークの最高位置を測定して飛び上がり高さとする。各飛び上がり回にチョークを中指にして、垂直高さから中指のチョーク位置の距離を測定して、垂直飛び上がりを決定する。
【0252】
この試験のために、試験者の試験回数と飛び上がり高さを測定する。多数の試験で、Filaの靴に対して本願発明の靴は10%の改善があった。ここで述べた種々の態様における多数の要素は、本発明の趣旨から離れることなく相互の組み合わせることができる。ある種の変化と変更態様は、当業者に可能である。特に、記述した寸法は例示的なものであり、本願発明を限定するものではない。本願発明の範囲は図示したものに限定されず、クレームによるべきである。
【符号の説明】
【0253】
14 靴底
14A,14B 足中央領域
16 フットベッド層
18 上部ストレッチ層
20 上部スラスタ層
22 下部ストレッチ層
24 底部スラスタ層
26 基礎板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも足の一部を支持する構造において、
第1側及び前記第1側に対向する第2側を有する弾性部材と、
前記弾性部材の前記第1側に位置し、足の中足骨の領域の下側に配置される複数のプランジャと、
前記弾性部材の前記第2側に位置し、複数のチャンバを有する中足骨プロフィール部材とを備え、
前記複数のチャンバのうちの少なくとも1つのチャンバは前記複数のプランジャのうちの1つの少なくとも一部に対応し、前記構造に圧縮力が加えられたときに、前記複数のプランジャのうちの1つの少なくとも一部と前記少なくとも1つのチャンバとが互いに近づいて移動し、これにより前記複数のプランジャのうちの1つの一部をチャンバ内に少なくとも部分的に押し、前記弾性部材を伸ばすことを特徴とする構造。
【請求項2】
前記複数のプランジャのうちの少なくとも1つは、前記構造の前側から後側の方向に伸長することを特徴とする請求項1記載の構造。
【請求項3】
前記複数のプランジャと前記弾性部材とが一体的に形成されることを特徴とする請求項1記載の構造。
【請求項4】
前記複数のプランジャは、前記中足骨の領域の下側に配置されるようにサイジングされ成形され且つ位置決めされることを特徴とする請求項1記載の構造。
【請求項5】
前記弾性部材は、前記中足骨の領域の下側に配置されることを特徴とする請求項4記載の構造。
【請求項6】
前記弾性部材は、足の中足骨の領域の下側にのみ配置されるようにサイジングされ成形されることを特徴とする請求項5記載の構造。
【請求項7】
前記複数のプランジャのうちの少なくとも1つは、足の中足骨の1つを少なくとも部分的に支持するように位置決めされることを特徴とする請求項1記載の構造。
【請求項8】
前記複数のプランジャのうちの少なくとも1つは、前記プランジャの下側にのみ位置する地面と接する部分を有することを特徴とする請求項1記載の構造。
【請求項9】
前記複数のプランジャの各々が、前記プランジャの下側にのみ位置する地面と接する部分を有することを特徴とする請求項4記載の構造。
【請求項10】
前記地面と接する部分は、前記プランジャのサイズ及び形状に合わせてサイジングされ成形されることを特徴とする請求項8記載の構造。
【請求項11】
前記地面と接する部分は、前記プランジャに接合されている少なくとも1つの層を構成することを特徴とする請求項10記載の構造。
【請求項12】
前記地面と接する部分は、前記プランジャに化学的に接合されていることを特徴とする請求項8記載の構造。
【請求項13】
前記少なくとも1つのチャンバを覆う前記弾性部材の前記第2側に、硬材からなる少なくとも1つの層を更に備えることを特徴とする請求項1記載の構造。
【請求項14】
前記硬材からなる層は、前記複数のプランジャ及び前記少なくとも1つのチャンバの全体を覆うことを特徴とする請求項13記載の構造。
【請求項15】
前記硬材からなる層はグラファイトを含むことを特徴とする請求項14記載の構造。
【請求項16】
少なくとも1つの前記領域は、前記複数のプランジャの少なくとも2つによって規定され、前記プランジャの頂部から底部に延びることを特徴とする請求項1記載の構造。
【請求項17】
前記少なくとも1つのチャンバを少なくとも部分的に囲う側壁及び上壁を含む複数の壁を備えることを特徴とする請求項1記載の構造。
【請求項18】
少なくとも1つの直立部材が前記少なくとも1つのチャンバ内に位置決めされることを特徴とする請求項1記載の構造。
【請求項19】
少なくとも1つの直立部材が、前記構造の前側から後側の方向に前記少なくとも1つのチャンバの全長に満たない長さに沿って縦に延びることを特徴とする請求項1記載の構造。
【請求項20】
前記弾性部材は、中足骨の領域及びつま先の領域の下側に配置されることを特徴とする請求項1記載の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31A】
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【図31B】
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【図31C】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【公開番号】特開2013−39441(P2013−39441A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−257337(P2012−257337)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【分割の表示】特願2009−212324(P2009−212324)の分割
【原出願日】平成11年8月16日(1999.8.16)
【出願人】(510099844)ニュートン ランニング コンパニー インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Newton Running Company, Inc.
【住所又は居所原語表記】1300 Walnut Street, Suite 100, Boulder, CO 80302, United States of America
【Fターム(参考)】