エレクトログラフィによる光学素子の印刷
電子写真技術による特別なプロファイルを有する1つ以上の光学素子の電子写真プリント。当該電子写真プリントは、電子写真技術によって、所定サイズのマーキング粒子を利用する受像体上に所望のプリント像を生成する工程を有し、必要な場合には、所定サイズ又はサイズ分布のマーキング粒子を利用する最終的な光学素子を1つ以上生成する工程を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してエレクトログラフィックプリントに関し、より詳細には、1つ以上の光学素子を生成するための、エレクトログラフィによる隆起したトナーのプリントに関する。
【背景技術】
【0002】
受像体上に像をプリントするための一の普及した方法はエレクトログラフィと呼ばれる。この方法では、誘電部材を均一に帯電させ、その後その均一な電荷の選ばれた領域を放電して、像のような静電荷パターンを得ることによって、静電像がその誘電部材上に生成される。係る放電は典型的には、均一に帯電した誘電部材を、LEDアレイ又はレーザーデバイス中の特定の光源を選択的に起動することによって供される化学線に曝露することによって実現される。像のような電荷パターンが生成された後、そのパターンを可視像に現像するため、有色(場合によっては非有色)マーキング粒子には誘電部材上の電荷パターンとは実質的に反対の電荷が与えられ、かつそのマーキング粒子は前記像のような電荷パターンへ引き付けられるように前記誘電部材付近へ運ばれる。
【0003】
その後適切な受像体(たとえば平坦な上質紙のカットシート)は、誘電部材上でマーキング粒子によって現像された像のような電荷パターンに近づけられる。適切な電場が印加されることで、像のようなパターンに従ってマーキング粒子が受像体へ転写されて、その受像体上で所望のプリント像が生成される。続いてその受像体は、その誘電部材から切り離され、マーキング粒子のプリント像が、典型的には熱及び/又は圧力を用いることによって、その受像体上に永続的に固定される。複数の層又はマーキング材料が一の受像体上で重ね合わせられて良い。たとえば各異なる色の粒子からなる複数の層が一の受像体上で重ね合わせられることで、固定後に受像体上に多色プリント像が生成されて良い。
【0004】
初期の電子写真プリントでは、マーキング粒子は相対的に大きかった(たとえば10-15μmのオーダー)。その結果プリント像は、起伏(ばらついた隆起表面)を有する表面を表す傾向にあった。ほとんどの場合では、起伏はプリント像中の好ましくないアーティファクトと考えられてきた。長年にわたって画質の向上及び明らかな起伏の減少を目的として、小さなマーキング粒子(たとえば8μm未満のオーダー)が提案され、今日広く用いられている。起伏は必ずしも望ましくないわけではないが、現時点の印刷物では、電子写真技術を用いて1つ以上の光学素子を形成することについては記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4833060号明細書
【特許文献2】米国特許第4965131号明細書
【特許文献3】米国特許第6421522号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0133870号明細書
【特許文献5】米国特許第5543964号明細書
【特許文献6】米国特許第7139521号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】デューボイス(DuBois)、ジョーン(John)編、「プラスチック」(Plastics)第5版、pp.522、1974年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記観点から、本発明はエレクトログラフィに関する。そのエレクトログラフィでは、トナーが1つ以上の光学素子を形成し、該光学素子はエレクトログラフィによってプリント可能な特別のプロファイルを有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当該エレクトログラフィックプリントは、エレクトログラフィによって、所定サイズのマーキング粒子を利用する受像体上に所望のプリント像を生成する工程を有する。所望の光学素子は、たとえば所定サイズ又はサイズ分布のマーキング粒子のような所定の粒子特性を有するトナー粒子を利用することによって生成される。
【0009】
本発明並びにその目的及び利点は、以降の詳細な説明で明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明での使用に適する典型的なエレクトログラフィック復元装置の概略的な側方断面図である。
【図2】拡大したスケールで表された図1のエレクトログラフィック復元装置の復元像生成部分の概略的な側方断面図である。
【図3】拡大したスケールで表された図1のエレクトログラフィック復元装置の一のプリントモジュールの概略的な側方断面図である。
【図4】受像体上での光学素子のプリント方法の実施例である。
【図5】上に形成された所定の光学素子を有する、図4の方法によって作成された、プリントの概略的な側方断面図である。
【図6】最終的な所定の光学素子を形成するのに十分な程度に層内に形成された所定の多次元形状を有する、図4の方法によって作成された、他のプリントの概略的な側方断面図である。
【図7】最終的な所定の光学素子を形成するための所定の多次元パラボラ形状を有する、図4の方法によって作成された、プリントの概略的な側方断面図である。
【図8】受像体上に多次元形状をプリントする方法の実施例である。
【図9】上に形成されていて、かつ図示された光学素子を形成するために調節される光学素子を有するプリントの概略的な側方断面図である。
【図10】上に形成されていて、かつ図示された光学素子を形成するために調節される光学素子を有するプリントの概略的な側方断面図である。
【図11】参照パターンに対して、上に形成された最終的な光学素子を有するプリントである。
【図12】参照パターンに対して、上に形成された最終的な光学素子を有するプリントである。
【図13】参照パターンに対して、上に形成された最終的な光学素子を有するプリントである。
【図14】参照パターンに対して、上に形成された最終的な光学素子を有するプリントである。
【図15】参照パターンに対して、上に形成された最終的な光学素子を有するプリントである。
【図16】受像体上に光学素子をプリントする方法の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以降の本発明の好適実施例の詳細な説明では、添付図面が参照される。
【0012】
ここで添付の図面を参照すると、図1及び図2は、5色の像のプリントに適した典型的なエレクトログラフィックプリントエンジン又はプリンタ装置の一部を表す概略的側面図である。たとえ本発明の一実施例が、直列に配置された5組の単色像生成若しくはプリントステーション又はモジュールを有するエレクトロフォトグラフィックエンジンを用いたプリントを含むとしても、本発明では、5つ以外の個数のステーションが組み合わせられることで単一の受像体上にトナーを堆積すること、又は5つ以外の個数のステーションが他の一般的なエレクトログラフィックライター又はプリンタ装置を有することも考えられる。
【0013】
エレクトログラフィックプリンタ装置100は、多数の直列に配置された静電像生成プリントモジュールM1、M2、M3、M4、及びM5を有する。追加のモジュールが供されても良い。各プリントモジュールは、順次モジュールを進む受像体へ転写する単色トナー像を生成する。各受像体は、5つのモジュールを1回通過する間に、最大5色のトナー像が適当な位置になるように、各モジュールへ搬送されることで、5色の像を生成することができる。本明細書で用いられているように、5色の像という語は、受像体上に生成されている像中において、5色のうちの一部の色の組合せによって受像体上の様々な位置で他の色が生成されること、及び、前記一部の色の組合せのうちで、5色すべてが関与してプロセスカラーを生成することを意味する。5色の各々が受像体上の特定の位置で1色以上の他の色と結合することで、その位置で結合した特定の色のトナー以外の色が生成される。
【0014】
特別な実施例では、プリントモジュールM1は黒(K)のトナーカラー分離像を生成し、M2は黄色(Y)のトナーカラー分離像を生成し、M3はマゼンタ色(M)のトナーカラー分離像を生成し、かつM4はシアン色(C)のトナーカラー分離像を生成する。プリントモジュールM5は赤色、青色、緑色、又は他の第5色の分離像を生成して良い。4つの基本色であるシアン、マゼンタ、黄色、及び黒が、その一部が様々な組合せを作ることによって、代表的な色のスペクトルを生成すること、並びに、その4つの基本色が、用いられる材料及び色の生成に用いられるプロセスに依存して各対応する範囲すなわち領域を有することは周知である。しかしエレクトログラフィックプリンタ装置では、色域を改善するために第5色が追加されて良い。色域の追加に加えて、第5色が、特別な-たとえば独自仕様のロゴの作成するための-カラートナー像、又は像を保護するための透明トナーとして用いられても良い。
【0015】
受像体(図2に図示されているRn-R(n-6))が給紙ユニット(図示されていない)から供給され、かつプリントモジュールM1-M5を図2に表されている方向Rに進む。受像体は、ローラー102、103の周りで列をなして駆動するエンドレス搬送ウエブ101に(好適には結合コロナタックダウン帯電体(tack-down charger)124、125を介して)接合する。プリントモジュールM1-M5の各々は同様に、光伝導性イメージングローラー、中間搬送部ローラー、及び搬送バックアップローラーを有する。よってプリントモジュールM1では、黒色トナー分離像が光伝導性イメージングローラーPC1(111)上に生成され、中間搬送部ローラーITM1(112)へ搬送され、かつ搬送ステーションを進む受像体へ再度転写されて良い。前記搬送ステーションは、搬送バックアップローラーTR1と共に圧力ニップを形成するITM1を有する。同様にプリントモジュールM2、M3、M4、及びM5はそれぞれ、PC2、ITM2、TR2(121,122,123)、PC3、ITM3、TR3(131,132,133)、PC4、ITM4、TR4(141,142,143)、及びPC5、ITM5、TR5(151,152,153)を有する。給紙部から到達して、続いて第1プリントモジュールM1の搬送ステーションへ入り込むためにローラー102を通り越す受像体Rnが図示されている。同様に、プリントモジュールM2、M3、M4、及びM5の搬送ステーションをそれぞれ進む受像体R(n-2)、R(n-3)、R(n-4)、及びR(n-5)が図示されている。受像体R(n-6)上に生成されるフュージングしていない像が、図示されているように周知の構成のフューザー-たとえばフューザー集合体60(図1に図示されている)-へ向かって進む。
【0016】
電源ユニット105は、個々の搬送用電流を搬送バックアップローラーTR1、TR2、TR3、TR4、及びTR5へ供する。論理制御ユニット230(図1)は、1つ以上のコンピュータを有し、かつエレクトロフォトグラフィックプリンタ装置100に関連する様々なセンサからの信号に応答して、タイミング及び制御信号を各構成要素へ供することで、周知の方法に従った、様々な構成要素及びプロセス制御パラメータの制御を供する。搬送ウエブ101用の洗浄ステーション101aもまた典型的には、連続的な再利用ができるように供される。
【0017】
代表的なプリントモジュール(たとえばM1-M5のうちのM1)が図示されている図3を参照すると、エレクトログラフィックプリンタ装置100の各プリントモジュールは、1つ以上の多層イメージ又は形状を生成するエレクトログラフィックイメージングサブシステムを複数有する。各プリントモジュールには、光伝導性イメージング部(イメージングシリンダ205として図示されている)の表面206を均一に静電的に帯電する1次帯電サブシステム210が含まれる。光伝導性イメージング部を曝露して均一な静電荷を像のように変調することによって、潜在する各対応する層の静電多層(分離)像を生成する曝露サブシステム220が供されている。現像ステーションサブシステム225は、像のような曝露された光伝導性イメージング部を現像する役割を果たす。搬送ニップ201を介して各対応する層の(分離)像を中間搬送部215へ搬送し、かつ中間搬送部215から受像体(搬送ニップへ入り込む前の受像体236、及び多層の(分離)像の搬送後の受像体237が図示されている)へ搬送する中間搬送部215が供される。その受像体は各対応する(分離)像238を重ねて受け取ることで、上に複合像を生成する。
【0018】
位置合わせされて重ね合わせられる各対応する(分離)多層像-各々はプリントモジュールM1-M5の各々から1つ得られる-の搬送に続いて、受像体は、空間109全体にわたってフュージング集合体へ進んで、任意で多層トナー像を受像体へ融合させる。その結果、プリントとも呼ばれる受像体製造物となる。空間109では、センサ104及びエネルギー源110を有して良い。これは、位置合わせ用参照印だけではなく、トナーの各層の堆積中に用いられる他の参照印と併用されて良い。これは、1つ以上の位置合わせ用参照印-たとえば位置合わせパターン-に重ねられる。
【0019】
本発明の装置は、1つ以上のステーション内で透明な-色を有していない-トナーを使用する。透明なトナーは上述の有色トナーとは異なる。本発明の装置によって生成される多層(分離)像は、印である必要はなく、1層以上の層を有する透明なトナーで全体が構成されたものが図示される。あるいはその代わりに、像238は有色トナーであって良く、かつ他の層-以降で詳述するように透明又は有色トナーを含む-に続く印であって良い。透明なトナーの層はそれぞれ同一の屈折率を有しても良いし、又は異なる屈折率を有しても良い。他の実施例は、透明なトナーの全部又は一部を、フィルタとして機能するように着色又はコーティングする。
【0020】
主プリンタ装置の論理制御ユニット(LCU)230はプリントモジュール200に関連する。LCU230は、プリンタ装置に関連する様々なセンサから入力信号を受け取って、制御信号を、プリントモジュールM1-M5の帯電装置210、曝露サブシステム220(たとえばLEDライター)、及び現像ステーション225へ送る。各プリントモジュールはまた、プリンタ装置の主LCU230と結合する各対応する制御装置を有して良い。
【0021】
各受像体に多層トナー(分離)像を重ね合わせるように搬送した後、その受像体は、搬送ウエブ101から引き離され、かつフュージング集合体60の方向へ送られることで、乾燥したトナー像がその受像体へ融合すなわち固定される。このことは図2に図示された5つのモジュールによって表されている。しかしモジュールは1つしか含まれていなくても良く、2〜所望の結果-所望の最終的な光学素子が含まれる-を得るのに必要な程度の数であることが好ましい。搬送ウエブは続いて、表面124,125(図2参照)を清浄にして電荷を供することで搬送ウエブ101の対向する表面の電荷を中性化することによって、再利用のための条件が再設定される。
【0022】
静電像は、各対応する現像ステーション225によって、マーキング粒子(トナー)を潜在する像を有する光伝導性ドラムへ塗布することによって現像される。各対応するプリントモジュールM1-M5の現像ステーションの各々は、各対応する潜像を現像する適切な電圧によって電気的なバイアスが加えられる。その電圧は1つの電源によって供給されても良いし、又は複数の独立した電源(図示されていない)によって供給されても良い。各対応する現像装置は、トナーマーキング粒子及びキャリア粒子-磁性を有して良い-を含む2成分現像装置であることが好ましい。各現像ステーションは、トナーマーキング粒子の特別な層を有する。よって5つのモジュールの各々は、各対応する光伝導性ドラム上に各異なる層の像を生成する。以降で詳述するように、有色トナーを堆積する他のプリントモジュールの現像ステーションと同様な動作をするように、1つ以上の非着色(つまり透明)現像ステーションが、着色された(つまり有色)トナーの現像ステーションに置き換えられて良い。透明なトナープリントモジュールの現像ステーションは各対応するトナー粒子を有する。そのトナー粒子は現像ステーションのカラーマーキング粒子と似ているが、トナー結合剤内部には有色材料が含まれない。
【0023】
さらに図1を参照すると、搬送ベルト101が、トナー像を有する受像体を、任意のフュージング又は固定集合体60へ搬送する。任意のフュージング又は固定集合体60は、熱及び圧力を加えることによって、トナー粒子を各対応する受像体に固定する。より詳細には、フュージング集合体60は、加熱されたフュージングローラー62及び対向する圧力ローラー64を有する。加熱されたフュージングローラー62及び対向する圧力ローラー64は、両者の間にフュージングニップを形成する。フュージング集合体60はまた、全体として参照番号68が付された放出流体塗布サブステーションをも有する。放出流体塗布サブステーション68は、放出流体-たとえばシリコーン油-をフュージングローラー62へ塗布する。受像体又は融合した像を有するプリントは順次、フュージング集合体60から1本の経路に沿っていずれかの出力トレイへ搬送されるか、又はその受像体の背面に像を生成する(両面印刷の)ために像生成装置へ戻される。
【0024】
プリント提供者及び顧客も同様に、多次元形状を有する電子写真技術により作製されたプリントの利用を拡大する方法を模索してきた。多次元形状とは、具体的にはプリント表面全体に光を照射する効果を及ぼす(複数の)形状である。これは、多層像をプリントするため、後述するプリントされた像に近接して位置合わせした状態で用いられて良い。多想像は、観測者が、多重スポットに立って観察するときに、所望の効果を生じさせるのに用いられる。多層形状は光学素子-たとえば導光又は他の目的のための小型レンズ形状-であって良い。一の小型レンズはレンティキュラーレンズ形状である。レンティキュラーレンズでは、小型レンズのアレイは、そのアレイと同じようにして分割される可視像に重ね合わせられる。典型的には像は、ストライプの小型レンズに対応したストライプに分割される。複数の組のストライプがわずかに異なっていることで、見かけ上運動しているように見せたり、又は深さを視認できるようにする。レンティキュラーレンズの欠点は、小型レンズシートと像プリントとを合わせることが困難なことである。位置合わせは位置合わせ参照印を用いて行われる。
【0025】
位置合わせ参照印は参照用パターン150である。参照用パターン150は、単一の印若しくはパターン、又は所定の配置をとる印の集合であって良い。以降では参照用パターンと呼ぶ。特別な実施例では、参照用パターンはレンティキュラーレンズ又は他のプリントされた2次元像である。参照用パターンは、プリント像と1つ以上の位置合わせ印とを結合させることができる。位置合わせパターンに加えて、又はそれに一致させるようにして、プリント像も供されて良い。本明細書で論じられる実施例では、位置合わせパターンは完成した製品すなわちプリントの一部である。代替手法として、位置合わせパターンは完成した製品から離れて設けられている。
【0026】
参照用パターンは任意の簡便な手段-たとえば別なプリンタ-によってプリントされて良い。ただし前記任意の簡便な手段は、本発明の方法と相性が良くなければならない。トナーの第1層が他のトナー層と同様に重ね合わせられるので、位置合わせパターンが供されても良い。位置合わせパターンは印、図形、図若しくは印中の記号、又は隆起したプリントのパターンであっても良い。位置合わせパターンはまた裸眼で見えないものであっても良い。そのような位置合わせパターンとはたとえば、赤外によって、紫外によって、化学的に検出可能な印又は透かしである。位置合わせパターンはたとえば、受像体の2隅のような物理的な部位であっても良い。後述するようにトナーの透明層が有色層と併用される場合、隆起した透明プリントもまた、色の属性を考慮して位置合わせされて良い。
【0027】
図3及び図4に図示されているように一の実施例では、最終的な所定の多次元形状Sを有する光学素子を作製するため、全ての層は、同一又は異なる屈折率の透明トナーを有する。光学素子は、受像体上にトナー像を生成する静電グラフィックプリント装置100を用いることによって準備される。当該装置は、イメージング部205、所定の粒子特性を有する所定サイズのマーキング粒子を用いることによって2層以上のトナー層を堆積する現像ステーション225を有する。本明細書において所定の粒子特性とは、透明トナーについて述べるならば、図4に示された方法によって所定の多次元形状252を形成するのに用いられる「レンズ形状決定因子」250のことを意味する。透明トナー又は透明トナーと有色トナーからなる多層は、多数のステーションの重ね合わせ、多数のステーションを含む多数の方法によって得ることが可能である。かつ前記多層は、それらのステーションを、互いに位置合わせされた状態及び/又は1つ以上の有色ステーションの後に透明なステーションを通るように、通り抜ける。そのような通り抜けはたとえばKステーションを補う際に行われる。プリント方法は可変-たとえばシート間で、1枚のシート内で、及び領域に依存して-であって良い。たとえば頁又は受像体の特定領域にのみレンズの焦点を合わせること、3D像を生成する能力を与える能力だけでなく、後述するように同一シート上に同時に2D像を生成する能力がある。
【0028】
特定の実施例では、受像体上への隆起した多次元トナー形状のエレクトログラフィックプリント方法254は、第1工程256として、LCUからの情報に関して、「レンズ形状決定因子」を用いた所定サイズのマーキング粒子を用いることによって第1層のトナーを位置合わせ用の参照印に対して堆積することで、所定の多次元形状の光学素子を形成する工程を有する。この場合、第1部分又は層は所定の多次元形状である。続く工程258では、第2層のトナーが、「レンズ形状決定因子」を用いた所定サイズのマーキング粒子を用いることによって位置合わせ用の参照印に対して堆積することで、所定の多次元形状からなる第2部分又は層が形成される。第3工程260では、前記第1層の多次元形状が、前記第2層の多次元形状に対して位置合わせされることによって、最終的な多次元形状を生成して最終的な光学素子が形成される。工程1-4は、所定の多次元形状252を形成するのに必要なだけ264で繰り返されて良い。
【0029】
任意で、前記の最終的な所定の多次元形状は262において、フュージング中に、熱、圧力、又は化学物質によって処理することで、光学素子が修正されて、かつ所望の所定多次元形状又は形状特性が与えられる。図4に図示されているように260において、第1層の多次元形状は第2層の多次元形状に対して位置合わせされる。このことは、最終的な多次元形状252を生成するのに必要である。論理制御ユニット-制御装置とも呼ばれる-230は、最終的な光学素子を与えるための処理を行うため、各層の堆積を制御することで、処理装置-たとえばフューザー集合体60-に従って、多次元形状Sを備えた光学素子を形成する。
【0030】
図3に図示された論理制御ユニット(LCU)230は、適当な参照テーブルと制御ソフトウエアを内蔵するマイクロプロセッサを有する。前記制御ソフトウエアはLCU230によって実行可能である。制御ソフトウエアはLCU230に付随するメモリ内に記憶されていることが好ましい。フュージング集合体に付随するセンサは適切な信号をLCU230に供する。そのセンサに応答して、LCU230は命令と制御信号を生成する。その命令と制御信号は、フュージングニップ66内部で熱及び/又は圧力を調節し、さもなければ基板に像を生成するためのフュージング集合体60の動作パラメータを満足行くように及び/又は最適化する。
【0031】
プリンタ装置100による書き込みのための像データはラスタイメージプロセッサ(RIP)によって処理されて良い。RIPは、(複数の)層又は色分離スクリーン生成装置を有して良い。透明な層の像及び有色層の像の場合のいずれについても、RIPの出力は、分離プリントデータを各対応するLEDライター-たとえばK、Y、M、C及びL(それぞれ黒、黄色、マゼンタ、シアン、及び透明を表す。あるいはその代わりに複数の透明な層L1、L2、L3、L4、及びL5)-へ伝送するフレーム又はラインバッファ内に保存されて良い。RIP及び/又は分離スクリーン生成装置は、プリンタ装置の一部であって良いし、又はプリンタ装置から離れていても良い。RIPによって処理される像データは、多層ドキュメントスキャナ-たとえばカラースキャナ-若しくはデジタルカメラから得られて良いし、又はコンピュータによって生成されて良いし、又は、一般的にはプリンタによって適切に表現されるためにハーフトーンイメージデータに再処理される必要のある連続像を表す像データを有するメモリ若しくはネットワークから得られて良い。RIPは、最終的なプリント上に所望の最終形状を得るため、層の補正等を含む画像処理プロセスを実行することが可能である。像データは、各層に分離され-同様に色も分離する-かつRIPによって、所望のスクリーン角度とスクリーン罫線を含む行列を用いることによって、各色でのハーフトーンドットイメージデータに変換される。RIPは、適切にプログラムされたコンピュータ及び/又は論理デバイスであって良く、かつ保存又は生成された行列及びテンプレートを用いて、分離したイメージデータを、プリントに適したハーフトーン情報の形態をとるレンダリングされたイメージデータに処理するように備えられている。
【0032】
本発明によると、特定のプロファイル又は形状Sを有する所望の光学素子が、電子写真技術によって所定のサイズ特性を有するマーキング粒子を利用する受像体R上に所望の最終的な所定の隆起した多次元形状を生成する工程を有する電子写真技術によってプリントされて良い。サイズ特性には、特定のサイズt1、サイズ分布、及び/又は充填率や多孔性といった他の特性が含まれて良い。特定の実施例では、粒子サイズは、市販されているカラートナーに現在用いられている粒子サイズの範囲よりも実質的に大きなサイズである。選ばれたマーキング粒子は、図5に図示された所定の多次元形状を形成するのに用いられる。これは、電子写真技術による再現装置-たとえば上述の装置100-で、受像体Rn上のトナー粒子tの積層高さTを制御することによって実現可能である(図6-7を参照のこと)。
【0033】
隆起した多次元トナー形状を有する光学素子であって、異なるサイズの粒子が含まれている異なるサイズからなるトナー粒子の組を有し、その結果粒子の充填率を大きくすることができる、光学素子を1つのエレクトログラフィックモジュール内でプリントするときには、1つ以上のエレクトログラフィックプロセスの設定点又は動作アルゴリズムを変更することによって、最終的なプリントの性能、信頼性、及び/又は画質を最適化することが有利となりうる。これらの設定点には、現像能力及び他の搬送プロセスに係る設定点が含まれて良い。前記現像能力及び他の搬送プロセスに係る設定点は、最終的な光学素子の高さ、形状、及び他の特徴を制御するのに用いられて良い。異なるサイズのトナー粒子の一例は、2つ以上の離散的で、互いに独立し、かつ相対的に大きなピークを有する連続的なサイズ分布を有するトナーである。適切なサイズ-つまり適切な範囲の粒子サイズ-の粒子を有する2つ以上のトナーを混合することで、係る組を生成することができる。このサイズ変数には、多重ピークを有する分布によって表される粒子サイズの多重分布として、粒子サイズ、粒子の分布、及び多重サイズが含まれる。これは標準的な充填率を有する。充填率は所望の効果を増大させるように変化して良い。最適な充填率は必要に応じて決定されて良い。隆起した多次元トナー形状をプリントするときに、所定の値を変更するようにエレクトログラフィックプリンタ内で制御することが可能なエレクトログラフィックプロセスに係る設定(動作アルゴリズムの)値の例にはたとえば、融合温度、フュージングニップの幅、フュージングニップの圧力、光伝導性部材上でのイメージング電圧、トナー粒子の現像電圧、転写電圧、及び転写電流が含まれる。光学素子を含む隆起した多次元トナー形状の像を有するプリントを作成するエレクトログラフィック装置では、特殊な動作モードが供されて良い。その特殊な動作モードでは、光学素子をプリントするときに、(制御パラメータ又はアルゴリズムとして実装されている)所定の設定点が用いられる。つまり、エレクトログラフィックプリント装置が隆起していない多次元トナー形状像をプリントするときには、第1組の設定点/制御パラメータが利用される。続いてエレクトログラフィックプリント装置が、隆起した多次元トナー形状像をプリントするモードに変更するときには、第2組の設定点/制御パラメータが利用される。(複数の)特別なトナーと併用される設定点は過去の知見に基づいて決定されて良い。
【0034】
光学素子の最終的な多次元形状は、固有の高さ及びプロファイル-曲率を含む-、並びに屈折率を有する。それにより形状はある範囲の光学素子-様々なレンズ形状を含む-にプリントすることが可能となる。様々なサイズの粒子を含むことで粒子の充填率を高くすることが可能な様々なサイズのトナー粒子の組は、それらの形状が得られるように制御される。
【0035】
「レンズ形状決定因子」の一部には、マーキング粒子のサイズ分布が含まれる。さらなる「レンズ形状決定因子」には、持続性、クラリティ、色、形状、表面粗さ、滑らかさ、カラークラリティ、及び屈折率が含まれる。さらに別な所定の粒子特性は、トナー粘性、色、密度、表面張力、融点、及び仕上げ方法-溶融及び圧力ローラーの使用を含む-のうちの1つ以上を含む「レンズ形状決定因子」であって良い。
【0036】
最終的な光学素子を形成するのに用いられるトナーは、ポリエステルトナー結合剤と共にトナーに用いられるスチレン(スチレンブチルアクリラート)型であって良い。その使用においては、トナー樹脂として用いられるポリマーの屈折率は典型的には1.53〜約1.60である。これらは、スチレン(スチレンブチルアクリラート)トナーだけではなく、ポリエステルトナー結合剤の典型的な屈折率の測定値でもある。典型的には、ポリエステルは約1.54で、スチレン樹脂は1.59である。(当業者によって)屈折率が測定された条件は室温でかつ約590nmである。当業者は、他の同様な材料も利用可能であることを理解する。これらには、特に投影集合体のような高温での用途では、PVCやポリカーボネートだけではなく、ポリエステル型やスチレンアクリラートのような熱可塑性プラスチックが含まれて良い。一例としては、イーストマンケミカルのポリエステルベースの樹脂シートであるレンスター(Lenstar)(商標)がある。レンスターは特にレンティキュラー市場向けに設計されたものである。また熱硬化性プラスチックが用いられても良い。熱硬化性プラスチックとはたとえば、イスラエル工科大学の市販不飽和ポリエステル樹脂から得られるPVA1安定化懸濁物重合系内で調製された熱硬化性ポリエステルビーズである。
【0037】
最終的な所定の形状を形成するのに用いられるトナーは、サイズ分布による影響を受ける。よって厳密に制御されたサイズ及び形状が望ましい。これは、トナー粒子を研磨及び処理することで様々なサイズを生成することによって実現可能である。これは小さな粒子サイズ及び密なサイズ分布では難しい。その理由は、広がってしまう微粒子が多数生成されるからである。この結果、分布は不十分なものとなり、かつ/又は非常に高価で制御の不十分なプロセスとなってしまう。代替手法は、安定化粒子-たとえばシリコン-を介してサイズを制御することできる、集合律速方法(coalescence limited techniques)及び/又は揮発律速集合方法(evaporative limited coalescence techniques)を用いることである。これらの粒子は以降で、化学的に調製された乾式インク(CDI)と呼ばれる。これらの制限された集合方法の一部は、静電トナー粒子の調製に係る特許に記載されている。なぜなら係る方法は典型的には、実質的に均一なサイズ及び均一なサイズ分布を有するトナー粒子を生成するからである。トナーの調製において用いられる代表的な制限集合は特許文献1及び特許文献2に記載されている。
【0038】
記載された制限集合方法では、賢明なトナー添加物-たとえば電荷制御剤及び色素-の選択により、水性有機界面相が存在する利点を利用したトナー粒子の表面粗さの制御が可能となる。高い表面活性で天然では親水性である、この目的に用いられるトナー添加剤は、トナー粒子の表面にも存在できることを考慮することは重要である。満足行く結果を得るために重要な特定の環境因子には、トナー粒子の電荷/質量比(低すぎてはならない)、表面粗さ、不十分な熱伝達、不十分な静電輸送、色素被覆率の減少、並びに、温度、湿度、化学物質、及び放射線のような環境効果、トナー又は紙に影響を及ぼす他の因子が含まれる。これらの効果がサイズ分布に影響を及ぼすため、これらの因子は通常の動作範囲に制御及び維持されることで、環境の感度を制御しなくてはならない。
【0039】
このトナーはまた、350-600(通常は345)(103psi)の引っ張りモジュラス、M70-M72の硬度(ロックウエル硬さ)、68-70*10-6/℃の熱膨張率、1.2の比重、及び露光下で緩やかでわずかに黄色になる傾向を有する。
【0040】
非特許文献1によると、このトナーはまた、150-500(通常は345)(103psi)の引っ張りモジュラス、300-500(通常は340)(103psi)の曲げ弾性率、M70-M72の硬度(ロックウエル硬さ)、68-70*10-6/℃の熱膨張率、1.2の比重、及び露光下で緩やかでわずかに黄色になる傾向を有する。
【0041】
この特別な実施例では、様々な属性のために、このトナーは良好に使用できるものとなる。接触溶融では、フュージング速度、滞在時間、及び関連する印加圧力もまた、特定の最終的な所望光学素子を実現するのに重要である。迅速に改善する必要がある場合には接触溶融も必要となるだろう。様々な仕上げ方法には、接触及び非接触-IRやUVだけではなく、熱、圧力、化学物質-の両方が含まれる。
【0042】
記載されたトナーは通常、50-300℃の範囲の融点を有する。表面張力、粗さ、及び粘性は、良好な転写のため、円形ではなく球形となるようにしなければならない。表面プロファイル及び粗さは、フェデラル(Federal)社の5000”Surf Analyzer”を用いて測定されて良く、かつ通常の単位-たとえばミクロン-で測定される。上述したトナー粒子サイズもまた重要である。なぜなら粒子が大きくなることで所望の高さ及び形状となるだけではなく、通常大きい粒子では大気中の不純物が入りにくくなるために清浄な光学素子となるからである。色密度は、グレタグ-マクベス(Gretag-Machbeth)社の色度計による標準的なCIE試験下で測定され、かつ周知であるL*a*b単位で表される。トナー粘性は粘性を測定するムーニー粘度計で測定される。粘性が高くなることで、光学素子の形状はより良好に保たれ、かつ高さを増大させることが可能となる。トナーのより粘性が高くなることで、長期間にわたって形状が維持される。
【0043】
融点は通常、上述したガラス転移温度(Tg)ほど重要ではない。この範囲は、約50-100℃-通常は60℃-である。UV及び/又はIR露光下での色及び/又は透明度の持続性は、長時間にわたる透明度の損失として決定されて良い。この損失が小さければ小さいほど結果は良好である。透明度(すなわちかすみが少ないこと)は、透明度が指標であり、かつかすみは透過光の割合の高さの指標である透過性又は反射性の光学素子にとって重要である。
【0044】
これらのレンズ形状決定因子は、本明細書で述べたように実験室において実験的に決定されても良いし、又は長時間使用して明らかにされても良い。さらに、操作する者が上述のように最終的な光学素子をプリントしたいときにはいつも、係るレンズ形状決定因子のライブラリが、長時間使用のために構築されて良い。
【0045】
特別な実施例では、「平坦な」像の上部に光学素子を生成するための基本的な前提は、最終的な光学素子が少なくとも20μmのトナー粒子積層体高さTを有することである。積層体高さTは、9μm未満である標準的な一般的平均体積で重み付けされた直径のトナー粒子t1からなる層上に選択的に層を構築することによって生成されて良い。各層は、S3及びS1形状(図6参照)として図示された1つ以上の形状について約0.4〜0.5mg/cm2の重ね合わせ被覆率を有する。トナー粒子を参照すると、トナーサイズすなわち直径は、たとえばコールター(Coulter)社から市販されているコールターマルチサイザー(Coulter Multisizer)のような従来の直径測定装置によって測定された平均体積で重み付けされた直径として定義される。平均体積で重み付けされた直径は、質量と密度が等しい球形粒子の直径と各トナー粒子の質量を乗じたものの合計を全粒子質量で割った値である。
【0046】
あるいはその代わりに、標準的なサイズのトナー粒子t1からなる複数の層は、所望の隆起した多次元トナー形状内における所望の位置で、一般的な平均体積で重み付けされた直径が12-30μmの大きなトナー粒子t2からなる層で選択的に覆われて良い(図7)。大きなトナー粒子は好適には、完全に透明な色素で、かつ少なくとも2mg/cm2の重ね合わせ被覆率を有する。これらはS4及びS1形状(図7参照)として図示されている。上述のように、最終的な所定の隆起した多次元形状S-S1及びS2形状として図示されている-は、様々な用途を有して良い。様々な用途とはたとえば、最前面すなわち1次レンズを供することで文書にセキュリティ機能を付与すること、又は様々な角度及び様々な光から見たときに多次元像を供することである。側面から、図7は概してパラボラである形状を明らかに示している。このパラボラ形状は、像全体にわたって設けられるとき、様々な角度から順次みたときに多次元形状が動いて見えるようにできる。
【0047】
様々な層の高さは、所望の隆起した多次元トナー形状の形成に係る因子である。各層が重ね合わせられた後、高さが読み取られて良い。層が重ね合わせられた際に他の層について高さの補正がされた場合、又は別な層が別の仕上げ方法-たとえば熱を減少させて固定する工程-によって堆積されなければならない場合、他の高さがレンズ形状決定因子に基づいて再計算される。あるいはその代わりに、多重経路システムにおいて各通過後に高さチェックが行われることで、所望の隆起した多次元トナー形状の実現を助けることも可能である。これらの決定は、位置合わせパターンに対して最も容易に行うことができるが、適切な場合には無作為に行われても良い。
【0048】
イーストマンコダックに譲渡された特許文献3は、多数の露光装置を有する多色機械での位置合わせの設定方法及び装置について記載している。前記方法及び装置により、本願において必要に応じて正確な位置合わせパターンつまりはトナー位置が実現される。この特許は、位置合わせに対するトナープロファイルの効果を具体的に解決している。制御用に供される追加の必要な部品が、各対応するプリントモジュール(たとえば均一な静電荷を測定するメータ211、表面206上の非画像領域内でときどき生成されるパッチ潜像のパッチ領域内での露光後表面電位を測定するメータ212等)の様々な処理装置について組み合わせられて良い。エレクトログラフィックプリンタ装置100に関する更なる詳細は特許文献4に与えられている。
【0049】
他の実施例では、多重経路を有する3D構造を構築するため、他の自己位置合わせ法が用いられる。この方法は以下の工程を有する。
(a) 4色のイメージング後、第5ステーションが、高ガラス転移温度(Tg)の透明トナー-たとえば化学的に調製された乾式インク-を用いて、レンティキュラー材料が後続の経路で次(自己位置合わせ)に進むことのできる対抗するチャネルを形成する。たとえば高さ20-40μmの1Dリッジには約6画素分(〜258μm)の間隔が設けられて良い。そのリッジはある程度の幅(約2画素分の幅-86μm〜100μm)を有する。一の特別な実施例では、20-40μmの化学的に調製された乾式インク(CDI)が、非接触溶融(放射/閃光等)と併用されることで、リッジを形成して良い。CPDは、イーストマンコダックに譲渡された特許文献1及び特許文献2に記載されている。
(b) 逐次多重経路では、Tgが十分低いCDI材料を重ね合わせることが可能である(たとえば100-150μmで、グレイレベルイメージングでレンズ材料を形成しても良い)。低い溶融温度を用いたフュージングのときには、リッジ材料は溶融しない。そのためたとえ低Tg材料が下の有色像と位置合わせされない場合でも、溝の線が存在し、溶融した低Tg CDIが濡れることで、低Tg材料は濡れることと重力によって溝へ流れ込み、かつ下の溝に対して位置合わせされた3Dドーム形状のレンズを形成することでレンティキュラーレンズを形成する。一の特別な実施例では、5つのステーション全てがリッジ材料よりも低いTgのCDIを用いる。
【0050】
一の実施例では、図8に図示されているように、受像体上に隆起した多次元光学素子を電子写真技術によりプリントする方法300は、LCUからの情報に関して、所定の粒子特性を有する所定のサイズのマーキング粒子を用いることによって第1層のトナーを位置合わせ用の参照印に対して堆積することで、所定の多次元形状を形成する工程、所定の粒子特性を有する所定のサイズのマーキング粒子を用いることによって第2層のトナーを位置合わせ用の参照印に対して堆積することで、所定の多次元形状を形成する工程、及び、前記第2層の多次元形状に対して前記第1層の多次元形状を位置合わせすることによって、最終的な多次元形状を生成して、任意で処理340が施された最終的な光学素子を形成する工程を有する。最終的な所定の多次元形状は、最終的な光学素子を与えるために処理及び調整-たとえば熱によるフュージング及び/又はフュージング中での圧力によって-されて良い。
【0051】
「レンズ形状決定因子」350とも呼ばれる所定の粒子特性には、マーキング粒子の特定のサイズ分布が含まれる。他の「レンズ形状決定因子」には、持続性、透明度、色、形状、表面粗さ、滑らかさ、色の清澄性、及び屈折率が含まれる。マーキング粒子についての一の特別なサイズ分布は、第1層については6-12μmの平均直径の体積、並びに第2層及びそれ以降の層については12-30μmの平均直径の体積を有する。上述のように測定された好適な14及び19μmの調整前の平均粒子サイズは、透明トナーからなる単一層を用いることによって、それぞれおおよその平均高さが14及び19μmである最終的に調整された3次元形状のレンズを生成する。位置合わせされた複数の層は、レンズ高さを最大100μmまで増大させるのに用いられて良い。像全体にわたって、カンチレバー形状及び12-100μmの高さを有する最終的な光学素子は、像を様々な角度から見たときに、その像が動く3次元形状に見えるようにする。そのカンチレバー形状は大雑把には、図7に図示されたS4のようなパラボラ形状である。
【0052】
一の実施例では、所望の光学素子はレンズを生成し、そのレンズはパワーを有する光学素子である。パワーは、そのレンズを通過する光に対して何らかの影響を及ぼす。つまりその光線は、レンズを通過する際、平行のままではなくなる。レンズの光パワーは1/fで定義される。そのため、メニスカスレンズのパワーはゼロであり、他のレンズは、像を拡大又は縮小する場合には、正又は負のパワーを有する。レンズパワーは、メートルの逆数(m-1)に等しい単位であるディオプトリで測定される。
【0053】
例には、凸レンズ、両凸面レンズ、平凸レンズ、凹凸レンズ、凹レンズ、平凹レンズ、両凹面レンズ、メニスカスレンズ、フレネルレンズ、様々な種類のプリズム、及び他の周知のレンズ形状、並びにこれらの任意の均等物が含まれる。これらのレンズ形状は、様々な技術用語で定義される。そのような技術用語には、曲率半径(“R”)、焦点距離(f)、レンズを構成する材料の屈折率(n)、厚さ(d)、及び高さが含まれる。これらは透明トナーと有色トナーのいずれをも含んで良い。
【0054】
レンズの大気中での焦点距離は次式で表されるレンズの公式を用いて計算することができる。
【0055】
1/f=(n-1)[1/R1-1/R2+(n-1)d/nR1R2]
ここでR1=光源に近いレンズ表面の曲率半径、及びR2=光源から遠いレンズ表面の曲率半径、である。
【0056】
あるいはその代わりに所望の隆起した多次元トナー形状がパワーを有していない場合、その形状は、特定の状況では所望の効果を与え、かつ有用となりうる。それはたとえば、当業者にとって周知なようにして有用となるフレネルレンズである。
【0057】
パワーを有する光学素子は追加的な特性を有する。その追加的な特性は、上述したパワーレンズに対する印の有無に関係なく、受像体に堆積されるときに有用なものである。
【0058】
パワーを有していない光学素子もまた非常に有用となりうる。その理由は、パワーを有していない光学素子が用いられる結果、ある種の表面特性を表す視覚的又は触覚的に有用な結果を多数生じさせることができるからである。例には水槽中の魚の像が含まれる。その像では、魚及び/又は水槽の一部が隆起していることで、擬似的に「水中」効果を表している。他の用途にはセキュリティ効果が含まれる。そのセキュリティ効果は所定の多次元形状を加える。その所定の多次元形状には、パワーを有している光学素子もパワーを有していない光学素子も含まれている。他の有用な用途は、文字が多用されているか否かに関わらず、点字である印をプリントすることである。眼の見える人も目の見えない人も同じ単語を同時に読むことができるようにするため、及び2種類の言語のうちの1つを学習することを助けるために、文字に対して厳密に位置合わせして点字をプリントすることは有用である。2種類以上の言語にわたって光学素子を用いることもまた他の言語を学ぶことの支援にとって有用である。なぜならいずれの言語も同時に見ることができるからである。小さな子供への教え方さえも、2重若しくは多重に認識可能な文字、音楽又は画像及び文字だけでなく学習目的に関連するものによって改善されうる。所定の多次元形状は、下地の受像体底部から所定の多次元形状の除去を可能にする表面上にプリントされて良い。
【0059】
これらの光学素子は、写真、ポスター、LCDディスプレイ、プロジェクタ、光パイプ、及び光導波路中の像と共に生成されて良い。これらの光学素子は、視野角及び他の興味深い効果-たとえば輝き、色のシフト、及び3D像-に関して光学的に可変な像を生成するのに用いられて良い。
【0060】
図9はある実施例を図示している。その実施例では、マーキング粒子の特定のサイズ分布は第1層352及び第2層356を有する。第1層352はトナー354から形成される。トナー354はそのプリンタ上で得ることのできる最小サイズである第1体積平均直径”d1”を有する。第1層352は任意のイメージ層353として図示されている。第2層356は、最終的な光学素子の形状L1を与えるため、第1体積平均直径”d1”よりも大きな体積平均直径”d2”(”d2”≧”d1”)を有する透明トナー358から形成される。一の好適実施例では、所定の多次元形状355を有する最終的な光学素子は、少なくとも20μmの高さである全マーキング粒子の積層体から形成される。たとえば光学素子がカンチレバーである場合において屈折率が約1.6のレンズが1.0よりも大きな倍率を得るようにして、そのレンズが図9に図示されているようにP1にて像の直上に設けられているときには、観察者Oが見た像が拡大されるように、イメージ層353に対して光学素子を設置するため、最終的な所定の多次元形状355は、第1位置合わせパターン又は印(P1)に対して段階的に位置合わせされる。
【0061】
図9に図示されている光学部品L1をも指称する光学素子は透明なトナー358から作られる。光学部品L1は中心を持たなくても良いし、又は光軸P1上で中心をとっても良い。中心を持たない光学部品の例には、パワーを有していない透明板及びフィルタが含まれる。中心を有する光学部品L1は、印又は光軸P1を画定する他の特徴部位についてパワーを有し、かつ1つ以上の観察面P4に対する光軸の位置合わせを必要とする。光軸P1は、観察面P4から観察者によって観察される際に印に対して中心をとるか、又は所定の方法で中心を外して設置されても良い。特別な実施例では、要求される結果を実現するため、部品は、プリント上において位置合わせパターン及び/又は印に対して、厳密に位置設定されなければならない。中心を持たない部品は、大きなサイズであって良く、かつ印に対して中心を有する部品の厳密かつ正確な位置合わせを必要としない。あるいはその代わりに、中心を持たない部品は、ある特定のレンズ-たとえばフレネルレンズ-に対して設置される場合には、厳密かつ正確な位置設定を必要とすると考えられる。他の視点も、所望の結果に応じて光パワーを欠いても良い。視点が光パワーを必要としない場合には、光パワーは最終的な所定の形状にとって必須ではない。
【0062】
図10は様々な焦点距離を有する他の実施例を図示している。その実施例では、マーキング粒子の特定のサイズ分布は、上述したプリンタ上で得ることのできる最小サイズである第1体積平均直径”d1”を有するトナー354から形成される第1層352を有する。あるいはその代わりにこの層は透明な層であっても良い。第2層360は多数の粒子及び特定のサイズ分布をとる粒子の組を含んで良い。その特定のサイズ分布は第1体積平均直径”d1”よりも大きな体積平均直径”d2”(”d2”≧”d1”)を有する透明トナー358から形成される。第2層360は、簡明を期すためにとがった状態で表されているが実際には自然な状態でカンチレバーである上述の最終的な光学素子の形状L1よりも急峻で高い最終的な光学素子の形状L2を与えるため、2つ以上の用途を有するか、又は1つのモジュールを通過する。最終的な光学素子は、レンズアレイとして最終的な光学素子を繰り返す周期パターンであって良く、かつ所定の屈折率を有する楕円形状又は円形のうちのいずれかを有して良い。たとえばその形状が1.0よりも大きな倍率を有するようにイメージ層353に対してその形状を設置するため、最終的な光学素子の所定の多次元形状355は、1つ以上の位置合わせパターン(P2及びP3)に対して段階的に位置合わせされる。最終的な光学素子L2は、視野角が変化する場合には2つ以上の像を見ることが可能な多重角観察に適している。
【0063】
図9に図示された実施例では、レンズ素子L1は投影に用いられるレンズである。図10に図示された実施例では、レンズL2は多重視点観察に用いられる。L1及びL2はそれぞれ異なる光パワーを有することで、究極的な目的に必要とされる各異なる焦点距離が供される。図9及び図10に図示されている2つのレンズL1及びL2のうちの少なくとも1つに加えて、又はL1及びL2のうちの少なくとも1つに代わって、他の光学素子が供されても良い。イーストマンコダックに譲渡された特許文献5は作製可能な様々なレンズ形状及び用途の一部について論じている。特許文献5は、図10で図示されているように、様々な観察位置に投影される様々な深さの像の状態によって深さを有する像を生成する装置及び方法について記載している。様々な位置の各々では、様々な視座が観察者に供されて良い。様々な位置で様々な状態すなわち視野を供するため、各異なる焦点距離の各異なる光学素子-たとえばL1-が像の部分全体にわたってプリントされる。
【0064】
基板上の像全体にわたる様々な光学素子355のプリントは、様々な像の内容物全体にわたって所定の多次元形状355の層をプリントファイルへ書き込むことによって実現される。本発明は、単一経路又は多重経路において、同一の機械で像とレンズの両方をプリントすることができるという利点を有する。
【0065】
所定の多次元形状355を有する最終的な光学素子は、レンズアレイとして光学素子を繰り返す周期パターンで配置されて良く、かつ所定の屈折率を有する楕円又は円形の特性のいずれか1つを有して良い。最終的な光学素子L1は、形成される特定の最終的な光学素子L1に依存して、L1を通過する光を集光又は発散させることのできる導光レンズに適している。使用されるトナーが透明で、かつ約1.6の屈折率を有する場合、最終的な所定の形状355は、投影拡大系に用いることができる。受像体は、望む効果に応じて、透明、フィルタ、又は半透明である。
【0066】
図11及び図12はそれぞれ、1つ以上の像の印全体にわたって位置合わせパターン(P1)並びに(P2及びP3)に対して受像体上に生成されるプリントを図示している。ここでは、1種類の文字が図示されているが、様々な記号及び多数の同一記号も含まれて良い。位置合わせパターンはまた、後述する図13-15の部位を含んでも良い。
【0067】
受像体上に生成されるいくつかのプリントが図13、図14、及び図15に図示されている。これらの図は、様々な最終的な光学素子を示している。そのような様々な最終的な光学素子には、最終的な光学素子が堆積される領域に所望のプリント像及びマーキング粒子の被覆370を供する前記受像体上のマーキング粒子の被覆が含まれる。図13は実効的な単焦点レンズ372の形状となる円形の最終的な光学素子を図示している。図14は実効的な楕円レンズ374となる楕円形状の最終的な光学素子を図示している。図15は、実際には「円柱」形状で、かつ実効的にはプリズムレンズ378である一連の平行ライン376の形状をとる最終的な光学素子を図示している。最終的な光学素子はこれらのプリントの最前面に現れ、かつプリント像の少なくとも一部を表す。しかしプリントは前面でも背面でも良い。あるいはその代わりに、透明なトナーしか用いられない場合には、プリント像は全く必要ないと考えられる。
【0068】
他の実施例では、受像体上に隆起した多次元トナーのエレクトログラフィックプリント方法400が、透明なトナーと有色トナーの両方を用い、かつ同一又は関連する経路中、像全体にわたって最終的な光学素子のプリントを可能にする。同一又は関連する経路での有色トナーから得られる像に対して、レンズアレイ上での最終的な光学素子と集積されたレンティキュラーレンズを位置合わせして設置することは、本発明に基づいて利用可能な厳密な位置合わせが可能になるという利点をもたらす。具体的には、1枚のシート上に2種類以上の言語をプリントするのに用いられて良い。それにより各言語はある視点から読むことができる。これは、ビジネスや行政、警告ラベル等で用いるための多言語を供するため、又はそのパッケージにおいて有用である。
【0069】
当該方法は、LCUからの情報に関して、第1層の有色トナーを位置合わせ用の参照印に対して堆積する第1工程412を有する。次の工程414及び追加の同様な工程415では、所定の多次元形状を形成するのに必要な、選ばれた「レンズ形状決定因子」を有する所定サイズのマーキング粒子を用いることによって、第2層すなわち後続のトナーが位置合わせ用の参照印に対して堆積される。任意で、フュージング中に、熱、圧力、又は化学物質によって前記の最終的な所定の多次元形状が処理されることで、光学素子の所望の所定多次元形状の追加的特性又は形状特性が与えられる。工程1-4は、所定の多次元形状252を形成するのに必要なだけ繰り返される。
【0070】
「レンズ形状決定因子」350とも指称される所定の粒子特性は、透明なトナーのみを指称するときには、マーキング粒子の特別なサイズ分布を含む。他の「レンズ形状決定因子」には、持続性、透明度、色、形状、表面粗さ、滑らかさ、色清澄性、及び屈折率が含まれる。マーキング粒子に係る一の特別なサイズ分布は、第1層については6-12μmの平均直径の体積、並びに第2層及びそれ以降の層については12-30μmの平均直径の体積を有する。上述のように測定された好適な14及び19μmの調整前の平均粒子サイズは、透明トナーからなる単一層を用いることによって、それぞれおおよその平均高さが14及び19μmである最終的に調整された3次元形状のレンズを生成する。位置合わせされた複数の層は、レンズ高さを最大100μmまで増大させるのに用いられて良い。像全体にわたって、カンチレバー形状及び12-100μmの高さを有する最終的な光学素子は、像を様々な角度から見たときに、その像が動く3次元形状に見えるようにする。そのカンチレバー形状は大雑把には、図7に図示されたS4のようなパラボラ形状である。
【0071】
追加モジュール-たとえば第4又は第5像データモジュール-が、最終的な所望の光学素子を作製するのに用いることが可能な複数の方法が存在する。第5のモジュール像データは、特許文献6の逆マスクを用いたオリジナルのCMYKカラーデータから、デジタルフロントエンド(DFE)によって生成されて良い。この場合、カラートナーは用いられなくて良い。隆起した多次元トナー形状用の逆マスクは、マーキング値がゼロであるレンダリングされたCMYKカラー画素値が十分な強度(100%)の生成された第5モジュールの画素値を有するように生成される。続いて第5モジュール像データは、特殊形状をレンダリングするハーフトーンスクリーンによって処理される。従って所望の最終的な光学素子は、背面ではなく、CMYKトナーが存在する像上(前面)にプリントされて良い。
【0072】
一の代替実施例では、DFEはオブジェクト型の情報-たとえばテキスト、ライン/グラフィックス、及び画像の種類であって、ラスタイメージ処理(RIPping)中にレンダリングされたCMYKカラー画素に適用可能なもの-を保存するのに利用されて良い。第5モジュールはトナー層を堆積する。続いてイメージデータが、特定型のオブジェクトに対する操作する者の要求に従って生成される。たとえばテキストオブジェクト型のみが要求されるときには、DFEはテキストオブジェクト上に第5画像データのみを生成する一方で、他のオブジェクト型はゼロの値を有する。よってこの第5画像画素は、所望の特殊テクスチャを生成するハーフトーンスクリーンによって表されて良い。ここで最終的な多次元トナー形状がテキストオブジェクト上に現れる一方で、他のオブジェクトは、外見上は通常通り(テキスト化されない)である。
【0073】
他の代替実施例では、特殊なテクスチャ外見を有する操作する者が選んだ第5イメージスポットが、CMYK/RGB画像オブジェクト上部に生成される。DFEは、従って第5チャネルの画像データをレンダリングし、かつそのデータをプリント用の媒体へ送る。その媒体での特殊なハーフトーンスクリーン(たとえば多段階階調スクリーン)は、第5画像データを表すように備えられている。その結果、特殊テクスチャが隆起した状態でプリントされる。その隆起した状態は操作する者の選択と一致する。
【0074】
これらの手法の全てでは、透明なトナーがカラー画像又は透明トナー上部に堆積されることで、最終的な所望の光学素子が作製されて良い。透明なトナー像平面に対応するテクスチャ情報は2進数である必要がないことに留意して欲しい。換言すれば、透明トナー-画素ベースであれば画素-に必要とされる品質は、被覆率を100%又は0%だけに限る必要はない。中間の「グレイレベル」品質もまた同様に必要とされるだろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は概してエレクトログラフィックプリントに関し、より詳細には、1つ以上の光学素子を生成するための、エレクトログラフィによる隆起したトナーのプリントに関する。
【背景技術】
【0002】
受像体上に像をプリントするための一の普及した方法はエレクトログラフィと呼ばれる。この方法では、誘電部材を均一に帯電させ、その後その均一な電荷の選ばれた領域を放電して、像のような静電荷パターンを得ることによって、静電像がその誘電部材上に生成される。係る放電は典型的には、均一に帯電した誘電部材を、LEDアレイ又はレーザーデバイス中の特定の光源を選択的に起動することによって供される化学線に曝露することによって実現される。像のような電荷パターンが生成された後、そのパターンを可視像に現像するため、有色(場合によっては非有色)マーキング粒子には誘電部材上の電荷パターンとは実質的に反対の電荷が与えられ、かつそのマーキング粒子は前記像のような電荷パターンへ引き付けられるように前記誘電部材付近へ運ばれる。
【0003】
その後適切な受像体(たとえば平坦な上質紙のカットシート)は、誘電部材上でマーキング粒子によって現像された像のような電荷パターンに近づけられる。適切な電場が印加されることで、像のようなパターンに従ってマーキング粒子が受像体へ転写されて、その受像体上で所望のプリント像が生成される。続いてその受像体は、その誘電部材から切り離され、マーキング粒子のプリント像が、典型的には熱及び/又は圧力を用いることによって、その受像体上に永続的に固定される。複数の層又はマーキング材料が一の受像体上で重ね合わせられて良い。たとえば各異なる色の粒子からなる複数の層が一の受像体上で重ね合わせられることで、固定後に受像体上に多色プリント像が生成されて良い。
【0004】
初期の電子写真プリントでは、マーキング粒子は相対的に大きかった(たとえば10-15μmのオーダー)。その結果プリント像は、起伏(ばらついた隆起表面)を有する表面を表す傾向にあった。ほとんどの場合では、起伏はプリント像中の好ましくないアーティファクトと考えられてきた。長年にわたって画質の向上及び明らかな起伏の減少を目的として、小さなマーキング粒子(たとえば8μm未満のオーダー)が提案され、今日広く用いられている。起伏は必ずしも望ましくないわけではないが、現時点の印刷物では、電子写真技術を用いて1つ以上の光学素子を形成することについては記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4833060号明細書
【特許文献2】米国特許第4965131号明細書
【特許文献3】米国特許第6421522号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0133870号明細書
【特許文献5】米国特許第5543964号明細書
【特許文献6】米国特許第7139521号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】デューボイス(DuBois)、ジョーン(John)編、「プラスチック」(Plastics)第5版、pp.522、1974年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記観点から、本発明はエレクトログラフィに関する。そのエレクトログラフィでは、トナーが1つ以上の光学素子を形成し、該光学素子はエレクトログラフィによってプリント可能な特別のプロファイルを有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当該エレクトログラフィックプリントは、エレクトログラフィによって、所定サイズのマーキング粒子を利用する受像体上に所望のプリント像を生成する工程を有する。所望の光学素子は、たとえば所定サイズ又はサイズ分布のマーキング粒子のような所定の粒子特性を有するトナー粒子を利用することによって生成される。
【0009】
本発明並びにその目的及び利点は、以降の詳細な説明で明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明での使用に適する典型的なエレクトログラフィック復元装置の概略的な側方断面図である。
【図2】拡大したスケールで表された図1のエレクトログラフィック復元装置の復元像生成部分の概略的な側方断面図である。
【図3】拡大したスケールで表された図1のエレクトログラフィック復元装置の一のプリントモジュールの概略的な側方断面図である。
【図4】受像体上での光学素子のプリント方法の実施例である。
【図5】上に形成された所定の光学素子を有する、図4の方法によって作成された、プリントの概略的な側方断面図である。
【図6】最終的な所定の光学素子を形成するのに十分な程度に層内に形成された所定の多次元形状を有する、図4の方法によって作成された、他のプリントの概略的な側方断面図である。
【図7】最終的な所定の光学素子を形成するための所定の多次元パラボラ形状を有する、図4の方法によって作成された、プリントの概略的な側方断面図である。
【図8】受像体上に多次元形状をプリントする方法の実施例である。
【図9】上に形成されていて、かつ図示された光学素子を形成するために調節される光学素子を有するプリントの概略的な側方断面図である。
【図10】上に形成されていて、かつ図示された光学素子を形成するために調節される光学素子を有するプリントの概略的な側方断面図である。
【図11】参照パターンに対して、上に形成された最終的な光学素子を有するプリントである。
【図12】参照パターンに対して、上に形成された最終的な光学素子を有するプリントである。
【図13】参照パターンに対して、上に形成された最終的な光学素子を有するプリントである。
【図14】参照パターンに対して、上に形成された最終的な光学素子を有するプリントである。
【図15】参照パターンに対して、上に形成された最終的な光学素子を有するプリントである。
【図16】受像体上に光学素子をプリントする方法の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以降の本発明の好適実施例の詳細な説明では、添付図面が参照される。
【0012】
ここで添付の図面を参照すると、図1及び図2は、5色の像のプリントに適した典型的なエレクトログラフィックプリントエンジン又はプリンタ装置の一部を表す概略的側面図である。たとえ本発明の一実施例が、直列に配置された5組の単色像生成若しくはプリントステーション又はモジュールを有するエレクトロフォトグラフィックエンジンを用いたプリントを含むとしても、本発明では、5つ以外の個数のステーションが組み合わせられることで単一の受像体上にトナーを堆積すること、又は5つ以外の個数のステーションが他の一般的なエレクトログラフィックライター又はプリンタ装置を有することも考えられる。
【0013】
エレクトログラフィックプリンタ装置100は、多数の直列に配置された静電像生成プリントモジュールM1、M2、M3、M4、及びM5を有する。追加のモジュールが供されても良い。各プリントモジュールは、順次モジュールを進む受像体へ転写する単色トナー像を生成する。各受像体は、5つのモジュールを1回通過する間に、最大5色のトナー像が適当な位置になるように、各モジュールへ搬送されることで、5色の像を生成することができる。本明細書で用いられているように、5色の像という語は、受像体上に生成されている像中において、5色のうちの一部の色の組合せによって受像体上の様々な位置で他の色が生成されること、及び、前記一部の色の組合せのうちで、5色すべてが関与してプロセスカラーを生成することを意味する。5色の各々が受像体上の特定の位置で1色以上の他の色と結合することで、その位置で結合した特定の色のトナー以外の色が生成される。
【0014】
特別な実施例では、プリントモジュールM1は黒(K)のトナーカラー分離像を生成し、M2は黄色(Y)のトナーカラー分離像を生成し、M3はマゼンタ色(M)のトナーカラー分離像を生成し、かつM4はシアン色(C)のトナーカラー分離像を生成する。プリントモジュールM5は赤色、青色、緑色、又は他の第5色の分離像を生成して良い。4つの基本色であるシアン、マゼンタ、黄色、及び黒が、その一部が様々な組合せを作ることによって、代表的な色のスペクトルを生成すること、並びに、その4つの基本色が、用いられる材料及び色の生成に用いられるプロセスに依存して各対応する範囲すなわち領域を有することは周知である。しかしエレクトログラフィックプリンタ装置では、色域を改善するために第5色が追加されて良い。色域の追加に加えて、第5色が、特別な-たとえば独自仕様のロゴの作成するための-カラートナー像、又は像を保護するための透明トナーとして用いられても良い。
【0015】
受像体(図2に図示されているRn-R(n-6))が給紙ユニット(図示されていない)から供給され、かつプリントモジュールM1-M5を図2に表されている方向Rに進む。受像体は、ローラー102、103の周りで列をなして駆動するエンドレス搬送ウエブ101に(好適には結合コロナタックダウン帯電体(tack-down charger)124、125を介して)接合する。プリントモジュールM1-M5の各々は同様に、光伝導性イメージングローラー、中間搬送部ローラー、及び搬送バックアップローラーを有する。よってプリントモジュールM1では、黒色トナー分離像が光伝導性イメージングローラーPC1(111)上に生成され、中間搬送部ローラーITM1(112)へ搬送され、かつ搬送ステーションを進む受像体へ再度転写されて良い。前記搬送ステーションは、搬送バックアップローラーTR1と共に圧力ニップを形成するITM1を有する。同様にプリントモジュールM2、M3、M4、及びM5はそれぞれ、PC2、ITM2、TR2(121,122,123)、PC3、ITM3、TR3(131,132,133)、PC4、ITM4、TR4(141,142,143)、及びPC5、ITM5、TR5(151,152,153)を有する。給紙部から到達して、続いて第1プリントモジュールM1の搬送ステーションへ入り込むためにローラー102を通り越す受像体Rnが図示されている。同様に、プリントモジュールM2、M3、M4、及びM5の搬送ステーションをそれぞれ進む受像体R(n-2)、R(n-3)、R(n-4)、及びR(n-5)が図示されている。受像体R(n-6)上に生成されるフュージングしていない像が、図示されているように周知の構成のフューザー-たとえばフューザー集合体60(図1に図示されている)-へ向かって進む。
【0016】
電源ユニット105は、個々の搬送用電流を搬送バックアップローラーTR1、TR2、TR3、TR4、及びTR5へ供する。論理制御ユニット230(図1)は、1つ以上のコンピュータを有し、かつエレクトロフォトグラフィックプリンタ装置100に関連する様々なセンサからの信号に応答して、タイミング及び制御信号を各構成要素へ供することで、周知の方法に従った、様々な構成要素及びプロセス制御パラメータの制御を供する。搬送ウエブ101用の洗浄ステーション101aもまた典型的には、連続的な再利用ができるように供される。
【0017】
代表的なプリントモジュール(たとえばM1-M5のうちのM1)が図示されている図3を参照すると、エレクトログラフィックプリンタ装置100の各プリントモジュールは、1つ以上の多層イメージ又は形状を生成するエレクトログラフィックイメージングサブシステムを複数有する。各プリントモジュールには、光伝導性イメージング部(イメージングシリンダ205として図示されている)の表面206を均一に静電的に帯電する1次帯電サブシステム210が含まれる。光伝導性イメージング部を曝露して均一な静電荷を像のように変調することによって、潜在する各対応する層の静電多層(分離)像を生成する曝露サブシステム220が供されている。現像ステーションサブシステム225は、像のような曝露された光伝導性イメージング部を現像する役割を果たす。搬送ニップ201を介して各対応する層の(分離)像を中間搬送部215へ搬送し、かつ中間搬送部215から受像体(搬送ニップへ入り込む前の受像体236、及び多層の(分離)像の搬送後の受像体237が図示されている)へ搬送する中間搬送部215が供される。その受像体は各対応する(分離)像238を重ねて受け取ることで、上に複合像を生成する。
【0018】
位置合わせされて重ね合わせられる各対応する(分離)多層像-各々はプリントモジュールM1-M5の各々から1つ得られる-の搬送に続いて、受像体は、空間109全体にわたってフュージング集合体へ進んで、任意で多層トナー像を受像体へ融合させる。その結果、プリントとも呼ばれる受像体製造物となる。空間109では、センサ104及びエネルギー源110を有して良い。これは、位置合わせ用参照印だけではなく、トナーの各層の堆積中に用いられる他の参照印と併用されて良い。これは、1つ以上の位置合わせ用参照印-たとえば位置合わせパターン-に重ねられる。
【0019】
本発明の装置は、1つ以上のステーション内で透明な-色を有していない-トナーを使用する。透明なトナーは上述の有色トナーとは異なる。本発明の装置によって生成される多層(分離)像は、印である必要はなく、1層以上の層を有する透明なトナーで全体が構成されたものが図示される。あるいはその代わりに、像238は有色トナーであって良く、かつ他の層-以降で詳述するように透明又は有色トナーを含む-に続く印であって良い。透明なトナーの層はそれぞれ同一の屈折率を有しても良いし、又は異なる屈折率を有しても良い。他の実施例は、透明なトナーの全部又は一部を、フィルタとして機能するように着色又はコーティングする。
【0020】
主プリンタ装置の論理制御ユニット(LCU)230はプリントモジュール200に関連する。LCU230は、プリンタ装置に関連する様々なセンサから入力信号を受け取って、制御信号を、プリントモジュールM1-M5の帯電装置210、曝露サブシステム220(たとえばLEDライター)、及び現像ステーション225へ送る。各プリントモジュールはまた、プリンタ装置の主LCU230と結合する各対応する制御装置を有して良い。
【0021】
各受像体に多層トナー(分離)像を重ね合わせるように搬送した後、その受像体は、搬送ウエブ101から引き離され、かつフュージング集合体60の方向へ送られることで、乾燥したトナー像がその受像体へ融合すなわち固定される。このことは図2に図示された5つのモジュールによって表されている。しかしモジュールは1つしか含まれていなくても良く、2〜所望の結果-所望の最終的な光学素子が含まれる-を得るのに必要な程度の数であることが好ましい。搬送ウエブは続いて、表面124,125(図2参照)を清浄にして電荷を供することで搬送ウエブ101の対向する表面の電荷を中性化することによって、再利用のための条件が再設定される。
【0022】
静電像は、各対応する現像ステーション225によって、マーキング粒子(トナー)を潜在する像を有する光伝導性ドラムへ塗布することによって現像される。各対応するプリントモジュールM1-M5の現像ステーションの各々は、各対応する潜像を現像する適切な電圧によって電気的なバイアスが加えられる。その電圧は1つの電源によって供給されても良いし、又は複数の独立した電源(図示されていない)によって供給されても良い。各対応する現像装置は、トナーマーキング粒子及びキャリア粒子-磁性を有して良い-を含む2成分現像装置であることが好ましい。各現像ステーションは、トナーマーキング粒子の特別な層を有する。よって5つのモジュールの各々は、各対応する光伝導性ドラム上に各異なる層の像を生成する。以降で詳述するように、有色トナーを堆積する他のプリントモジュールの現像ステーションと同様な動作をするように、1つ以上の非着色(つまり透明)現像ステーションが、着色された(つまり有色)トナーの現像ステーションに置き換えられて良い。透明なトナープリントモジュールの現像ステーションは各対応するトナー粒子を有する。そのトナー粒子は現像ステーションのカラーマーキング粒子と似ているが、トナー結合剤内部には有色材料が含まれない。
【0023】
さらに図1を参照すると、搬送ベルト101が、トナー像を有する受像体を、任意のフュージング又は固定集合体60へ搬送する。任意のフュージング又は固定集合体60は、熱及び圧力を加えることによって、トナー粒子を各対応する受像体に固定する。より詳細には、フュージング集合体60は、加熱されたフュージングローラー62及び対向する圧力ローラー64を有する。加熱されたフュージングローラー62及び対向する圧力ローラー64は、両者の間にフュージングニップを形成する。フュージング集合体60はまた、全体として参照番号68が付された放出流体塗布サブステーションをも有する。放出流体塗布サブステーション68は、放出流体-たとえばシリコーン油-をフュージングローラー62へ塗布する。受像体又は融合した像を有するプリントは順次、フュージング集合体60から1本の経路に沿っていずれかの出力トレイへ搬送されるか、又はその受像体の背面に像を生成する(両面印刷の)ために像生成装置へ戻される。
【0024】
プリント提供者及び顧客も同様に、多次元形状を有する電子写真技術により作製されたプリントの利用を拡大する方法を模索してきた。多次元形状とは、具体的にはプリント表面全体に光を照射する効果を及ぼす(複数の)形状である。これは、多層像をプリントするため、後述するプリントされた像に近接して位置合わせした状態で用いられて良い。多想像は、観測者が、多重スポットに立って観察するときに、所望の効果を生じさせるのに用いられる。多層形状は光学素子-たとえば導光又は他の目的のための小型レンズ形状-であって良い。一の小型レンズはレンティキュラーレンズ形状である。レンティキュラーレンズでは、小型レンズのアレイは、そのアレイと同じようにして分割される可視像に重ね合わせられる。典型的には像は、ストライプの小型レンズに対応したストライプに分割される。複数の組のストライプがわずかに異なっていることで、見かけ上運動しているように見せたり、又は深さを視認できるようにする。レンティキュラーレンズの欠点は、小型レンズシートと像プリントとを合わせることが困難なことである。位置合わせは位置合わせ参照印を用いて行われる。
【0025】
位置合わせ参照印は参照用パターン150である。参照用パターン150は、単一の印若しくはパターン、又は所定の配置をとる印の集合であって良い。以降では参照用パターンと呼ぶ。特別な実施例では、参照用パターンはレンティキュラーレンズ又は他のプリントされた2次元像である。参照用パターンは、プリント像と1つ以上の位置合わせ印とを結合させることができる。位置合わせパターンに加えて、又はそれに一致させるようにして、プリント像も供されて良い。本明細書で論じられる実施例では、位置合わせパターンは完成した製品すなわちプリントの一部である。代替手法として、位置合わせパターンは完成した製品から離れて設けられている。
【0026】
参照用パターンは任意の簡便な手段-たとえば別なプリンタ-によってプリントされて良い。ただし前記任意の簡便な手段は、本発明の方法と相性が良くなければならない。トナーの第1層が他のトナー層と同様に重ね合わせられるので、位置合わせパターンが供されても良い。位置合わせパターンは印、図形、図若しくは印中の記号、又は隆起したプリントのパターンであっても良い。位置合わせパターンはまた裸眼で見えないものであっても良い。そのような位置合わせパターンとはたとえば、赤外によって、紫外によって、化学的に検出可能な印又は透かしである。位置合わせパターンはたとえば、受像体の2隅のような物理的な部位であっても良い。後述するようにトナーの透明層が有色層と併用される場合、隆起した透明プリントもまた、色の属性を考慮して位置合わせされて良い。
【0027】
図3及び図4に図示されているように一の実施例では、最終的な所定の多次元形状Sを有する光学素子を作製するため、全ての層は、同一又は異なる屈折率の透明トナーを有する。光学素子は、受像体上にトナー像を生成する静電グラフィックプリント装置100を用いることによって準備される。当該装置は、イメージング部205、所定の粒子特性を有する所定サイズのマーキング粒子を用いることによって2層以上のトナー層を堆積する現像ステーション225を有する。本明細書において所定の粒子特性とは、透明トナーについて述べるならば、図4に示された方法によって所定の多次元形状252を形成するのに用いられる「レンズ形状決定因子」250のことを意味する。透明トナー又は透明トナーと有色トナーからなる多層は、多数のステーションの重ね合わせ、多数のステーションを含む多数の方法によって得ることが可能である。かつ前記多層は、それらのステーションを、互いに位置合わせされた状態及び/又は1つ以上の有色ステーションの後に透明なステーションを通るように、通り抜ける。そのような通り抜けはたとえばKステーションを補う際に行われる。プリント方法は可変-たとえばシート間で、1枚のシート内で、及び領域に依存して-であって良い。たとえば頁又は受像体の特定領域にのみレンズの焦点を合わせること、3D像を生成する能力を与える能力だけでなく、後述するように同一シート上に同時に2D像を生成する能力がある。
【0028】
特定の実施例では、受像体上への隆起した多次元トナー形状のエレクトログラフィックプリント方法254は、第1工程256として、LCUからの情報に関して、「レンズ形状決定因子」を用いた所定サイズのマーキング粒子を用いることによって第1層のトナーを位置合わせ用の参照印に対して堆積することで、所定の多次元形状の光学素子を形成する工程を有する。この場合、第1部分又は層は所定の多次元形状である。続く工程258では、第2層のトナーが、「レンズ形状決定因子」を用いた所定サイズのマーキング粒子を用いることによって位置合わせ用の参照印に対して堆積することで、所定の多次元形状からなる第2部分又は層が形成される。第3工程260では、前記第1層の多次元形状が、前記第2層の多次元形状に対して位置合わせされることによって、最終的な多次元形状を生成して最終的な光学素子が形成される。工程1-4は、所定の多次元形状252を形成するのに必要なだけ264で繰り返されて良い。
【0029】
任意で、前記の最終的な所定の多次元形状は262において、フュージング中に、熱、圧力、又は化学物質によって処理することで、光学素子が修正されて、かつ所望の所定多次元形状又は形状特性が与えられる。図4に図示されているように260において、第1層の多次元形状は第2層の多次元形状に対して位置合わせされる。このことは、最終的な多次元形状252を生成するのに必要である。論理制御ユニット-制御装置とも呼ばれる-230は、最終的な光学素子を与えるための処理を行うため、各層の堆積を制御することで、処理装置-たとえばフューザー集合体60-に従って、多次元形状Sを備えた光学素子を形成する。
【0030】
図3に図示された論理制御ユニット(LCU)230は、適当な参照テーブルと制御ソフトウエアを内蔵するマイクロプロセッサを有する。前記制御ソフトウエアはLCU230によって実行可能である。制御ソフトウエアはLCU230に付随するメモリ内に記憶されていることが好ましい。フュージング集合体に付随するセンサは適切な信号をLCU230に供する。そのセンサに応答して、LCU230は命令と制御信号を生成する。その命令と制御信号は、フュージングニップ66内部で熱及び/又は圧力を調節し、さもなければ基板に像を生成するためのフュージング集合体60の動作パラメータを満足行くように及び/又は最適化する。
【0031】
プリンタ装置100による書き込みのための像データはラスタイメージプロセッサ(RIP)によって処理されて良い。RIPは、(複数の)層又は色分離スクリーン生成装置を有して良い。透明な層の像及び有色層の像の場合のいずれについても、RIPの出力は、分離プリントデータを各対応するLEDライター-たとえばK、Y、M、C及びL(それぞれ黒、黄色、マゼンタ、シアン、及び透明を表す。あるいはその代わりに複数の透明な層L1、L2、L3、L4、及びL5)-へ伝送するフレーム又はラインバッファ内に保存されて良い。RIP及び/又は分離スクリーン生成装置は、プリンタ装置の一部であって良いし、又はプリンタ装置から離れていても良い。RIPによって処理される像データは、多層ドキュメントスキャナ-たとえばカラースキャナ-若しくはデジタルカメラから得られて良いし、又はコンピュータによって生成されて良いし、又は、一般的にはプリンタによって適切に表現されるためにハーフトーンイメージデータに再処理される必要のある連続像を表す像データを有するメモリ若しくはネットワークから得られて良い。RIPは、最終的なプリント上に所望の最終形状を得るため、層の補正等を含む画像処理プロセスを実行することが可能である。像データは、各層に分離され-同様に色も分離する-かつRIPによって、所望のスクリーン角度とスクリーン罫線を含む行列を用いることによって、各色でのハーフトーンドットイメージデータに変換される。RIPは、適切にプログラムされたコンピュータ及び/又は論理デバイスであって良く、かつ保存又は生成された行列及びテンプレートを用いて、分離したイメージデータを、プリントに適したハーフトーン情報の形態をとるレンダリングされたイメージデータに処理するように備えられている。
【0032】
本発明によると、特定のプロファイル又は形状Sを有する所望の光学素子が、電子写真技術によって所定のサイズ特性を有するマーキング粒子を利用する受像体R上に所望の最終的な所定の隆起した多次元形状を生成する工程を有する電子写真技術によってプリントされて良い。サイズ特性には、特定のサイズt1、サイズ分布、及び/又は充填率や多孔性といった他の特性が含まれて良い。特定の実施例では、粒子サイズは、市販されているカラートナーに現在用いられている粒子サイズの範囲よりも実質的に大きなサイズである。選ばれたマーキング粒子は、図5に図示された所定の多次元形状を形成するのに用いられる。これは、電子写真技術による再現装置-たとえば上述の装置100-で、受像体Rn上のトナー粒子tの積層高さTを制御することによって実現可能である(図6-7を参照のこと)。
【0033】
隆起した多次元トナー形状を有する光学素子であって、異なるサイズの粒子が含まれている異なるサイズからなるトナー粒子の組を有し、その結果粒子の充填率を大きくすることができる、光学素子を1つのエレクトログラフィックモジュール内でプリントするときには、1つ以上のエレクトログラフィックプロセスの設定点又は動作アルゴリズムを変更することによって、最終的なプリントの性能、信頼性、及び/又は画質を最適化することが有利となりうる。これらの設定点には、現像能力及び他の搬送プロセスに係る設定点が含まれて良い。前記現像能力及び他の搬送プロセスに係る設定点は、最終的な光学素子の高さ、形状、及び他の特徴を制御するのに用いられて良い。異なるサイズのトナー粒子の一例は、2つ以上の離散的で、互いに独立し、かつ相対的に大きなピークを有する連続的なサイズ分布を有するトナーである。適切なサイズ-つまり適切な範囲の粒子サイズ-の粒子を有する2つ以上のトナーを混合することで、係る組を生成することができる。このサイズ変数には、多重ピークを有する分布によって表される粒子サイズの多重分布として、粒子サイズ、粒子の分布、及び多重サイズが含まれる。これは標準的な充填率を有する。充填率は所望の効果を増大させるように変化して良い。最適な充填率は必要に応じて決定されて良い。隆起した多次元トナー形状をプリントするときに、所定の値を変更するようにエレクトログラフィックプリンタ内で制御することが可能なエレクトログラフィックプロセスに係る設定(動作アルゴリズムの)値の例にはたとえば、融合温度、フュージングニップの幅、フュージングニップの圧力、光伝導性部材上でのイメージング電圧、トナー粒子の現像電圧、転写電圧、及び転写電流が含まれる。光学素子を含む隆起した多次元トナー形状の像を有するプリントを作成するエレクトログラフィック装置では、特殊な動作モードが供されて良い。その特殊な動作モードでは、光学素子をプリントするときに、(制御パラメータ又はアルゴリズムとして実装されている)所定の設定点が用いられる。つまり、エレクトログラフィックプリント装置が隆起していない多次元トナー形状像をプリントするときには、第1組の設定点/制御パラメータが利用される。続いてエレクトログラフィックプリント装置が、隆起した多次元トナー形状像をプリントするモードに変更するときには、第2組の設定点/制御パラメータが利用される。(複数の)特別なトナーと併用される設定点は過去の知見に基づいて決定されて良い。
【0034】
光学素子の最終的な多次元形状は、固有の高さ及びプロファイル-曲率を含む-、並びに屈折率を有する。それにより形状はある範囲の光学素子-様々なレンズ形状を含む-にプリントすることが可能となる。様々なサイズの粒子を含むことで粒子の充填率を高くすることが可能な様々なサイズのトナー粒子の組は、それらの形状が得られるように制御される。
【0035】
「レンズ形状決定因子」の一部には、マーキング粒子のサイズ分布が含まれる。さらなる「レンズ形状決定因子」には、持続性、クラリティ、色、形状、表面粗さ、滑らかさ、カラークラリティ、及び屈折率が含まれる。さらに別な所定の粒子特性は、トナー粘性、色、密度、表面張力、融点、及び仕上げ方法-溶融及び圧力ローラーの使用を含む-のうちの1つ以上を含む「レンズ形状決定因子」であって良い。
【0036】
最終的な光学素子を形成するのに用いられるトナーは、ポリエステルトナー結合剤と共にトナーに用いられるスチレン(スチレンブチルアクリラート)型であって良い。その使用においては、トナー樹脂として用いられるポリマーの屈折率は典型的には1.53〜約1.60である。これらは、スチレン(スチレンブチルアクリラート)トナーだけではなく、ポリエステルトナー結合剤の典型的な屈折率の測定値でもある。典型的には、ポリエステルは約1.54で、スチレン樹脂は1.59である。(当業者によって)屈折率が測定された条件は室温でかつ約590nmである。当業者は、他の同様な材料も利用可能であることを理解する。これらには、特に投影集合体のような高温での用途では、PVCやポリカーボネートだけではなく、ポリエステル型やスチレンアクリラートのような熱可塑性プラスチックが含まれて良い。一例としては、イーストマンケミカルのポリエステルベースの樹脂シートであるレンスター(Lenstar)(商標)がある。レンスターは特にレンティキュラー市場向けに設計されたものである。また熱硬化性プラスチックが用いられても良い。熱硬化性プラスチックとはたとえば、イスラエル工科大学の市販不飽和ポリエステル樹脂から得られるPVA1安定化懸濁物重合系内で調製された熱硬化性ポリエステルビーズである。
【0037】
最終的な所定の形状を形成するのに用いられるトナーは、サイズ分布による影響を受ける。よって厳密に制御されたサイズ及び形状が望ましい。これは、トナー粒子を研磨及び処理することで様々なサイズを生成することによって実現可能である。これは小さな粒子サイズ及び密なサイズ分布では難しい。その理由は、広がってしまう微粒子が多数生成されるからである。この結果、分布は不十分なものとなり、かつ/又は非常に高価で制御の不十分なプロセスとなってしまう。代替手法は、安定化粒子-たとえばシリコン-を介してサイズを制御することできる、集合律速方法(coalescence limited techniques)及び/又は揮発律速集合方法(evaporative limited coalescence techniques)を用いることである。これらの粒子は以降で、化学的に調製された乾式インク(CDI)と呼ばれる。これらの制限された集合方法の一部は、静電トナー粒子の調製に係る特許に記載されている。なぜなら係る方法は典型的には、実質的に均一なサイズ及び均一なサイズ分布を有するトナー粒子を生成するからである。トナーの調製において用いられる代表的な制限集合は特許文献1及び特許文献2に記載されている。
【0038】
記載された制限集合方法では、賢明なトナー添加物-たとえば電荷制御剤及び色素-の選択により、水性有機界面相が存在する利点を利用したトナー粒子の表面粗さの制御が可能となる。高い表面活性で天然では親水性である、この目的に用いられるトナー添加剤は、トナー粒子の表面にも存在できることを考慮することは重要である。満足行く結果を得るために重要な特定の環境因子には、トナー粒子の電荷/質量比(低すぎてはならない)、表面粗さ、不十分な熱伝達、不十分な静電輸送、色素被覆率の減少、並びに、温度、湿度、化学物質、及び放射線のような環境効果、トナー又は紙に影響を及ぼす他の因子が含まれる。これらの効果がサイズ分布に影響を及ぼすため、これらの因子は通常の動作範囲に制御及び維持されることで、環境の感度を制御しなくてはならない。
【0039】
このトナーはまた、350-600(通常は345)(103psi)の引っ張りモジュラス、M70-M72の硬度(ロックウエル硬さ)、68-70*10-6/℃の熱膨張率、1.2の比重、及び露光下で緩やかでわずかに黄色になる傾向を有する。
【0040】
非特許文献1によると、このトナーはまた、150-500(通常は345)(103psi)の引っ張りモジュラス、300-500(通常は340)(103psi)の曲げ弾性率、M70-M72の硬度(ロックウエル硬さ)、68-70*10-6/℃の熱膨張率、1.2の比重、及び露光下で緩やかでわずかに黄色になる傾向を有する。
【0041】
この特別な実施例では、様々な属性のために、このトナーは良好に使用できるものとなる。接触溶融では、フュージング速度、滞在時間、及び関連する印加圧力もまた、特定の最終的な所望光学素子を実現するのに重要である。迅速に改善する必要がある場合には接触溶融も必要となるだろう。様々な仕上げ方法には、接触及び非接触-IRやUVだけではなく、熱、圧力、化学物質-の両方が含まれる。
【0042】
記載されたトナーは通常、50-300℃の範囲の融点を有する。表面張力、粗さ、及び粘性は、良好な転写のため、円形ではなく球形となるようにしなければならない。表面プロファイル及び粗さは、フェデラル(Federal)社の5000”Surf Analyzer”を用いて測定されて良く、かつ通常の単位-たとえばミクロン-で測定される。上述したトナー粒子サイズもまた重要である。なぜなら粒子が大きくなることで所望の高さ及び形状となるだけではなく、通常大きい粒子では大気中の不純物が入りにくくなるために清浄な光学素子となるからである。色密度は、グレタグ-マクベス(Gretag-Machbeth)社の色度計による標準的なCIE試験下で測定され、かつ周知であるL*a*b単位で表される。トナー粘性は粘性を測定するムーニー粘度計で測定される。粘性が高くなることで、光学素子の形状はより良好に保たれ、かつ高さを増大させることが可能となる。トナーのより粘性が高くなることで、長期間にわたって形状が維持される。
【0043】
融点は通常、上述したガラス転移温度(Tg)ほど重要ではない。この範囲は、約50-100℃-通常は60℃-である。UV及び/又はIR露光下での色及び/又は透明度の持続性は、長時間にわたる透明度の損失として決定されて良い。この損失が小さければ小さいほど結果は良好である。透明度(すなわちかすみが少ないこと)は、透明度が指標であり、かつかすみは透過光の割合の高さの指標である透過性又は反射性の光学素子にとって重要である。
【0044】
これらのレンズ形状決定因子は、本明細書で述べたように実験室において実験的に決定されても良いし、又は長時間使用して明らかにされても良い。さらに、操作する者が上述のように最終的な光学素子をプリントしたいときにはいつも、係るレンズ形状決定因子のライブラリが、長時間使用のために構築されて良い。
【0045】
特別な実施例では、「平坦な」像の上部に光学素子を生成するための基本的な前提は、最終的な光学素子が少なくとも20μmのトナー粒子積層体高さTを有することである。積層体高さTは、9μm未満である標準的な一般的平均体積で重み付けされた直径のトナー粒子t1からなる層上に選択的に層を構築することによって生成されて良い。各層は、S3及びS1形状(図6参照)として図示された1つ以上の形状について約0.4〜0.5mg/cm2の重ね合わせ被覆率を有する。トナー粒子を参照すると、トナーサイズすなわち直径は、たとえばコールター(Coulter)社から市販されているコールターマルチサイザー(Coulter Multisizer)のような従来の直径測定装置によって測定された平均体積で重み付けされた直径として定義される。平均体積で重み付けされた直径は、質量と密度が等しい球形粒子の直径と各トナー粒子の質量を乗じたものの合計を全粒子質量で割った値である。
【0046】
あるいはその代わりに、標準的なサイズのトナー粒子t1からなる複数の層は、所望の隆起した多次元トナー形状内における所望の位置で、一般的な平均体積で重み付けされた直径が12-30μmの大きなトナー粒子t2からなる層で選択的に覆われて良い(図7)。大きなトナー粒子は好適には、完全に透明な色素で、かつ少なくとも2mg/cm2の重ね合わせ被覆率を有する。これらはS4及びS1形状(図7参照)として図示されている。上述のように、最終的な所定の隆起した多次元形状S-S1及びS2形状として図示されている-は、様々な用途を有して良い。様々な用途とはたとえば、最前面すなわち1次レンズを供することで文書にセキュリティ機能を付与すること、又は様々な角度及び様々な光から見たときに多次元像を供することである。側面から、図7は概してパラボラである形状を明らかに示している。このパラボラ形状は、像全体にわたって設けられるとき、様々な角度から順次みたときに多次元形状が動いて見えるようにできる。
【0047】
様々な層の高さは、所望の隆起した多次元トナー形状の形成に係る因子である。各層が重ね合わせられた後、高さが読み取られて良い。層が重ね合わせられた際に他の層について高さの補正がされた場合、又は別な層が別の仕上げ方法-たとえば熱を減少させて固定する工程-によって堆積されなければならない場合、他の高さがレンズ形状決定因子に基づいて再計算される。あるいはその代わりに、多重経路システムにおいて各通過後に高さチェックが行われることで、所望の隆起した多次元トナー形状の実現を助けることも可能である。これらの決定は、位置合わせパターンに対して最も容易に行うことができるが、適切な場合には無作為に行われても良い。
【0048】
イーストマンコダックに譲渡された特許文献3は、多数の露光装置を有する多色機械での位置合わせの設定方法及び装置について記載している。前記方法及び装置により、本願において必要に応じて正確な位置合わせパターンつまりはトナー位置が実現される。この特許は、位置合わせに対するトナープロファイルの効果を具体的に解決している。制御用に供される追加の必要な部品が、各対応するプリントモジュール(たとえば均一な静電荷を測定するメータ211、表面206上の非画像領域内でときどき生成されるパッチ潜像のパッチ領域内での露光後表面電位を測定するメータ212等)の様々な処理装置について組み合わせられて良い。エレクトログラフィックプリンタ装置100に関する更なる詳細は特許文献4に与えられている。
【0049】
他の実施例では、多重経路を有する3D構造を構築するため、他の自己位置合わせ法が用いられる。この方法は以下の工程を有する。
(a) 4色のイメージング後、第5ステーションが、高ガラス転移温度(Tg)の透明トナー-たとえば化学的に調製された乾式インク-を用いて、レンティキュラー材料が後続の経路で次(自己位置合わせ)に進むことのできる対抗するチャネルを形成する。たとえば高さ20-40μmの1Dリッジには約6画素分(〜258μm)の間隔が設けられて良い。そのリッジはある程度の幅(約2画素分の幅-86μm〜100μm)を有する。一の特別な実施例では、20-40μmの化学的に調製された乾式インク(CDI)が、非接触溶融(放射/閃光等)と併用されることで、リッジを形成して良い。CPDは、イーストマンコダックに譲渡された特許文献1及び特許文献2に記載されている。
(b) 逐次多重経路では、Tgが十分低いCDI材料を重ね合わせることが可能である(たとえば100-150μmで、グレイレベルイメージングでレンズ材料を形成しても良い)。低い溶融温度を用いたフュージングのときには、リッジ材料は溶融しない。そのためたとえ低Tg材料が下の有色像と位置合わせされない場合でも、溝の線が存在し、溶融した低Tg CDIが濡れることで、低Tg材料は濡れることと重力によって溝へ流れ込み、かつ下の溝に対して位置合わせされた3Dドーム形状のレンズを形成することでレンティキュラーレンズを形成する。一の特別な実施例では、5つのステーション全てがリッジ材料よりも低いTgのCDIを用いる。
【0050】
一の実施例では、図8に図示されているように、受像体上に隆起した多次元光学素子を電子写真技術によりプリントする方法300は、LCUからの情報に関して、所定の粒子特性を有する所定のサイズのマーキング粒子を用いることによって第1層のトナーを位置合わせ用の参照印に対して堆積することで、所定の多次元形状を形成する工程、所定の粒子特性を有する所定のサイズのマーキング粒子を用いることによって第2層のトナーを位置合わせ用の参照印に対して堆積することで、所定の多次元形状を形成する工程、及び、前記第2層の多次元形状に対して前記第1層の多次元形状を位置合わせすることによって、最終的な多次元形状を生成して、任意で処理340が施された最終的な光学素子を形成する工程を有する。最終的な所定の多次元形状は、最終的な光学素子を与えるために処理及び調整-たとえば熱によるフュージング及び/又はフュージング中での圧力によって-されて良い。
【0051】
「レンズ形状決定因子」350とも呼ばれる所定の粒子特性には、マーキング粒子の特定のサイズ分布が含まれる。他の「レンズ形状決定因子」には、持続性、透明度、色、形状、表面粗さ、滑らかさ、色の清澄性、及び屈折率が含まれる。マーキング粒子についての一の特別なサイズ分布は、第1層については6-12μmの平均直径の体積、並びに第2層及びそれ以降の層については12-30μmの平均直径の体積を有する。上述のように測定された好適な14及び19μmの調整前の平均粒子サイズは、透明トナーからなる単一層を用いることによって、それぞれおおよその平均高さが14及び19μmである最終的に調整された3次元形状のレンズを生成する。位置合わせされた複数の層は、レンズ高さを最大100μmまで増大させるのに用いられて良い。像全体にわたって、カンチレバー形状及び12-100μmの高さを有する最終的な光学素子は、像を様々な角度から見たときに、その像が動く3次元形状に見えるようにする。そのカンチレバー形状は大雑把には、図7に図示されたS4のようなパラボラ形状である。
【0052】
一の実施例では、所望の光学素子はレンズを生成し、そのレンズはパワーを有する光学素子である。パワーは、そのレンズを通過する光に対して何らかの影響を及ぼす。つまりその光線は、レンズを通過する際、平行のままではなくなる。レンズの光パワーは1/fで定義される。そのため、メニスカスレンズのパワーはゼロであり、他のレンズは、像を拡大又は縮小する場合には、正又は負のパワーを有する。レンズパワーは、メートルの逆数(m-1)に等しい単位であるディオプトリで測定される。
【0053】
例には、凸レンズ、両凸面レンズ、平凸レンズ、凹凸レンズ、凹レンズ、平凹レンズ、両凹面レンズ、メニスカスレンズ、フレネルレンズ、様々な種類のプリズム、及び他の周知のレンズ形状、並びにこれらの任意の均等物が含まれる。これらのレンズ形状は、様々な技術用語で定義される。そのような技術用語には、曲率半径(“R”)、焦点距離(f)、レンズを構成する材料の屈折率(n)、厚さ(d)、及び高さが含まれる。これらは透明トナーと有色トナーのいずれをも含んで良い。
【0054】
レンズの大気中での焦点距離は次式で表されるレンズの公式を用いて計算することができる。
【0055】
1/f=(n-1)[1/R1-1/R2+(n-1)d/nR1R2]
ここでR1=光源に近いレンズ表面の曲率半径、及びR2=光源から遠いレンズ表面の曲率半径、である。
【0056】
あるいはその代わりに所望の隆起した多次元トナー形状がパワーを有していない場合、その形状は、特定の状況では所望の効果を与え、かつ有用となりうる。それはたとえば、当業者にとって周知なようにして有用となるフレネルレンズである。
【0057】
パワーを有する光学素子は追加的な特性を有する。その追加的な特性は、上述したパワーレンズに対する印の有無に関係なく、受像体に堆積されるときに有用なものである。
【0058】
パワーを有していない光学素子もまた非常に有用となりうる。その理由は、パワーを有していない光学素子が用いられる結果、ある種の表面特性を表す視覚的又は触覚的に有用な結果を多数生じさせることができるからである。例には水槽中の魚の像が含まれる。その像では、魚及び/又は水槽の一部が隆起していることで、擬似的に「水中」効果を表している。他の用途にはセキュリティ効果が含まれる。そのセキュリティ効果は所定の多次元形状を加える。その所定の多次元形状には、パワーを有している光学素子もパワーを有していない光学素子も含まれている。他の有用な用途は、文字が多用されているか否かに関わらず、点字である印をプリントすることである。眼の見える人も目の見えない人も同じ単語を同時に読むことができるようにするため、及び2種類の言語のうちの1つを学習することを助けるために、文字に対して厳密に位置合わせして点字をプリントすることは有用である。2種類以上の言語にわたって光学素子を用いることもまた他の言語を学ぶことの支援にとって有用である。なぜならいずれの言語も同時に見ることができるからである。小さな子供への教え方さえも、2重若しくは多重に認識可能な文字、音楽又は画像及び文字だけでなく学習目的に関連するものによって改善されうる。所定の多次元形状は、下地の受像体底部から所定の多次元形状の除去を可能にする表面上にプリントされて良い。
【0059】
これらの光学素子は、写真、ポスター、LCDディスプレイ、プロジェクタ、光パイプ、及び光導波路中の像と共に生成されて良い。これらの光学素子は、視野角及び他の興味深い効果-たとえば輝き、色のシフト、及び3D像-に関して光学的に可変な像を生成するのに用いられて良い。
【0060】
図9はある実施例を図示している。その実施例では、マーキング粒子の特定のサイズ分布は第1層352及び第2層356を有する。第1層352はトナー354から形成される。トナー354はそのプリンタ上で得ることのできる最小サイズである第1体積平均直径”d1”を有する。第1層352は任意のイメージ層353として図示されている。第2層356は、最終的な光学素子の形状L1を与えるため、第1体積平均直径”d1”よりも大きな体積平均直径”d2”(”d2”≧”d1”)を有する透明トナー358から形成される。一の好適実施例では、所定の多次元形状355を有する最終的な光学素子は、少なくとも20μmの高さである全マーキング粒子の積層体から形成される。たとえば光学素子がカンチレバーである場合において屈折率が約1.6のレンズが1.0よりも大きな倍率を得るようにして、そのレンズが図9に図示されているようにP1にて像の直上に設けられているときには、観察者Oが見た像が拡大されるように、イメージ層353に対して光学素子を設置するため、最終的な所定の多次元形状355は、第1位置合わせパターン又は印(P1)に対して段階的に位置合わせされる。
【0061】
図9に図示されている光学部品L1をも指称する光学素子は透明なトナー358から作られる。光学部品L1は中心を持たなくても良いし、又は光軸P1上で中心をとっても良い。中心を持たない光学部品の例には、パワーを有していない透明板及びフィルタが含まれる。中心を有する光学部品L1は、印又は光軸P1を画定する他の特徴部位についてパワーを有し、かつ1つ以上の観察面P4に対する光軸の位置合わせを必要とする。光軸P1は、観察面P4から観察者によって観察される際に印に対して中心をとるか、又は所定の方法で中心を外して設置されても良い。特別な実施例では、要求される結果を実現するため、部品は、プリント上において位置合わせパターン及び/又は印に対して、厳密に位置設定されなければならない。中心を持たない部品は、大きなサイズであって良く、かつ印に対して中心を有する部品の厳密かつ正確な位置合わせを必要としない。あるいはその代わりに、中心を持たない部品は、ある特定のレンズ-たとえばフレネルレンズ-に対して設置される場合には、厳密かつ正確な位置設定を必要とすると考えられる。他の視点も、所望の結果に応じて光パワーを欠いても良い。視点が光パワーを必要としない場合には、光パワーは最終的な所定の形状にとって必須ではない。
【0062】
図10は様々な焦点距離を有する他の実施例を図示している。その実施例では、マーキング粒子の特定のサイズ分布は、上述したプリンタ上で得ることのできる最小サイズである第1体積平均直径”d1”を有するトナー354から形成される第1層352を有する。あるいはその代わりにこの層は透明な層であっても良い。第2層360は多数の粒子及び特定のサイズ分布をとる粒子の組を含んで良い。その特定のサイズ分布は第1体積平均直径”d1”よりも大きな体積平均直径”d2”(”d2”≧”d1”)を有する透明トナー358から形成される。第2層360は、簡明を期すためにとがった状態で表されているが実際には自然な状態でカンチレバーである上述の最終的な光学素子の形状L1よりも急峻で高い最終的な光学素子の形状L2を与えるため、2つ以上の用途を有するか、又は1つのモジュールを通過する。最終的な光学素子は、レンズアレイとして最終的な光学素子を繰り返す周期パターンであって良く、かつ所定の屈折率を有する楕円形状又は円形のうちのいずれかを有して良い。たとえばその形状が1.0よりも大きな倍率を有するようにイメージ層353に対してその形状を設置するため、最終的な光学素子の所定の多次元形状355は、1つ以上の位置合わせパターン(P2及びP3)に対して段階的に位置合わせされる。最終的な光学素子L2は、視野角が変化する場合には2つ以上の像を見ることが可能な多重角観察に適している。
【0063】
図9に図示された実施例では、レンズ素子L1は投影に用いられるレンズである。図10に図示された実施例では、レンズL2は多重視点観察に用いられる。L1及びL2はそれぞれ異なる光パワーを有することで、究極的な目的に必要とされる各異なる焦点距離が供される。図9及び図10に図示されている2つのレンズL1及びL2のうちの少なくとも1つに加えて、又はL1及びL2のうちの少なくとも1つに代わって、他の光学素子が供されても良い。イーストマンコダックに譲渡された特許文献5は作製可能な様々なレンズ形状及び用途の一部について論じている。特許文献5は、図10で図示されているように、様々な観察位置に投影される様々な深さの像の状態によって深さを有する像を生成する装置及び方法について記載している。様々な位置の各々では、様々な視座が観察者に供されて良い。様々な位置で様々な状態すなわち視野を供するため、各異なる焦点距離の各異なる光学素子-たとえばL1-が像の部分全体にわたってプリントされる。
【0064】
基板上の像全体にわたる様々な光学素子355のプリントは、様々な像の内容物全体にわたって所定の多次元形状355の層をプリントファイルへ書き込むことによって実現される。本発明は、単一経路又は多重経路において、同一の機械で像とレンズの両方をプリントすることができるという利点を有する。
【0065】
所定の多次元形状355を有する最終的な光学素子は、レンズアレイとして光学素子を繰り返す周期パターンで配置されて良く、かつ所定の屈折率を有する楕円又は円形の特性のいずれか1つを有して良い。最終的な光学素子L1は、形成される特定の最終的な光学素子L1に依存して、L1を通過する光を集光又は発散させることのできる導光レンズに適している。使用されるトナーが透明で、かつ約1.6の屈折率を有する場合、最終的な所定の形状355は、投影拡大系に用いることができる。受像体は、望む効果に応じて、透明、フィルタ、又は半透明である。
【0066】
図11及び図12はそれぞれ、1つ以上の像の印全体にわたって位置合わせパターン(P1)並びに(P2及びP3)に対して受像体上に生成されるプリントを図示している。ここでは、1種類の文字が図示されているが、様々な記号及び多数の同一記号も含まれて良い。位置合わせパターンはまた、後述する図13-15の部位を含んでも良い。
【0067】
受像体上に生成されるいくつかのプリントが図13、図14、及び図15に図示されている。これらの図は、様々な最終的な光学素子を示している。そのような様々な最終的な光学素子には、最終的な光学素子が堆積される領域に所望のプリント像及びマーキング粒子の被覆370を供する前記受像体上のマーキング粒子の被覆が含まれる。図13は実効的な単焦点レンズ372の形状となる円形の最終的な光学素子を図示している。図14は実効的な楕円レンズ374となる楕円形状の最終的な光学素子を図示している。図15は、実際には「円柱」形状で、かつ実効的にはプリズムレンズ378である一連の平行ライン376の形状をとる最終的な光学素子を図示している。最終的な光学素子はこれらのプリントの最前面に現れ、かつプリント像の少なくとも一部を表す。しかしプリントは前面でも背面でも良い。あるいはその代わりに、透明なトナーしか用いられない場合には、プリント像は全く必要ないと考えられる。
【0068】
他の実施例では、受像体上に隆起した多次元トナーのエレクトログラフィックプリント方法400が、透明なトナーと有色トナーの両方を用い、かつ同一又は関連する経路中、像全体にわたって最終的な光学素子のプリントを可能にする。同一又は関連する経路での有色トナーから得られる像に対して、レンズアレイ上での最終的な光学素子と集積されたレンティキュラーレンズを位置合わせして設置することは、本発明に基づいて利用可能な厳密な位置合わせが可能になるという利点をもたらす。具体的には、1枚のシート上に2種類以上の言語をプリントするのに用いられて良い。それにより各言語はある視点から読むことができる。これは、ビジネスや行政、警告ラベル等で用いるための多言語を供するため、又はそのパッケージにおいて有用である。
【0069】
当該方法は、LCUからの情報に関して、第1層の有色トナーを位置合わせ用の参照印に対して堆積する第1工程412を有する。次の工程414及び追加の同様な工程415では、所定の多次元形状を形成するのに必要な、選ばれた「レンズ形状決定因子」を有する所定サイズのマーキング粒子を用いることによって、第2層すなわち後続のトナーが位置合わせ用の参照印に対して堆積される。任意で、フュージング中に、熱、圧力、又は化学物質によって前記の最終的な所定の多次元形状が処理されることで、光学素子の所望の所定多次元形状の追加的特性又は形状特性が与えられる。工程1-4は、所定の多次元形状252を形成するのに必要なだけ繰り返される。
【0070】
「レンズ形状決定因子」350とも指称される所定の粒子特性は、透明なトナーのみを指称するときには、マーキング粒子の特別なサイズ分布を含む。他の「レンズ形状決定因子」には、持続性、透明度、色、形状、表面粗さ、滑らかさ、色清澄性、及び屈折率が含まれる。マーキング粒子に係る一の特別なサイズ分布は、第1層については6-12μmの平均直径の体積、並びに第2層及びそれ以降の層については12-30μmの平均直径の体積を有する。上述のように測定された好適な14及び19μmの調整前の平均粒子サイズは、透明トナーからなる単一層を用いることによって、それぞれおおよその平均高さが14及び19μmである最終的に調整された3次元形状のレンズを生成する。位置合わせされた複数の層は、レンズ高さを最大100μmまで増大させるのに用いられて良い。像全体にわたって、カンチレバー形状及び12-100μmの高さを有する最終的な光学素子は、像を様々な角度から見たときに、その像が動く3次元形状に見えるようにする。そのカンチレバー形状は大雑把には、図7に図示されたS4のようなパラボラ形状である。
【0071】
追加モジュール-たとえば第4又は第5像データモジュール-が、最終的な所望の光学素子を作製するのに用いることが可能な複数の方法が存在する。第5のモジュール像データは、特許文献6の逆マスクを用いたオリジナルのCMYKカラーデータから、デジタルフロントエンド(DFE)によって生成されて良い。この場合、カラートナーは用いられなくて良い。隆起した多次元トナー形状用の逆マスクは、マーキング値がゼロであるレンダリングされたCMYKカラー画素値が十分な強度(100%)の生成された第5モジュールの画素値を有するように生成される。続いて第5モジュール像データは、特殊形状をレンダリングするハーフトーンスクリーンによって処理される。従って所望の最終的な光学素子は、背面ではなく、CMYKトナーが存在する像上(前面)にプリントされて良い。
【0072】
一の代替実施例では、DFEはオブジェクト型の情報-たとえばテキスト、ライン/グラフィックス、及び画像の種類であって、ラスタイメージ処理(RIPping)中にレンダリングされたCMYKカラー画素に適用可能なもの-を保存するのに利用されて良い。第5モジュールはトナー層を堆積する。続いてイメージデータが、特定型のオブジェクトに対する操作する者の要求に従って生成される。たとえばテキストオブジェクト型のみが要求されるときには、DFEはテキストオブジェクト上に第5画像データのみを生成する一方で、他のオブジェクト型はゼロの値を有する。よってこの第5画像画素は、所望の特殊テクスチャを生成するハーフトーンスクリーンによって表されて良い。ここで最終的な多次元トナー形状がテキストオブジェクト上に現れる一方で、他のオブジェクトは、外見上は通常通り(テキスト化されない)である。
【0073】
他の代替実施例では、特殊なテクスチャ外見を有する操作する者が選んだ第5イメージスポットが、CMYK/RGB画像オブジェクト上部に生成される。DFEは、従って第5チャネルの画像データをレンダリングし、かつそのデータをプリント用の媒体へ送る。その媒体での特殊なハーフトーンスクリーン(たとえば多段階階調スクリーン)は、第5画像データを表すように備えられている。その結果、特殊テクスチャが隆起した状態でプリントされる。その隆起した状態は操作する者の選択と一致する。
【0074】
これらの手法の全てでは、透明なトナーがカラー画像又は透明トナー上部に堆積されることで、最終的な所望の光学素子が作製されて良い。透明なトナー像平面に対応するテクスチャ情報は2進数である必要がないことに留意して欲しい。換言すれば、透明トナー-画素ベースであれば画素-に必要とされる品質は、被覆率を100%又は0%だけに限る必要はない。中間の「グレイレベル」品質もまた同様に必要とされるだろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受像体上に1つ以上の光学素子をエレクトログラフィックプリント方法であって:
a 所定サイズのマーキング粒子を有する第1層のトナーを堆積する工程;
b 前記第1層に対して所定サイズのマーキング粒子を有する第2層のトナーを堆積する工程;及び
c 必要に応じて前記工程aとbを繰り返して最終的な光学素子を形成する工程;
を有するエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項2】
前記(複数の)第2層に対して前記1層の多次元形状を位置合わせすることによって、位置合わせパターンに対して光学素子を形成する工程をさらに有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項3】
所定の粒子特性がマーキング粒子の特別なサイズ分布を有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項4】
前記マーキング粒子の特別なサイズ分布が5μmよりも大きな平均直径の体積を有する、請求項3に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項5】
前記粒子特性が、持続性、クラリティ、色、形状、表面粗さ、滑らかさ、カラークラリティ、及び屈折率のうちの1つ以上を有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項6】
前記マーキング粒子の特別なサイズ分布が、前記第1層については6-12μmの体積平均直径、並びに第2層及び該第2層以降の層については12-30μmの体積平均直径を有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項7】
前記マーキング粒子の特別なサイズ分布が、前記最終的な光学素子を与えるため、前記第1層についてはプリンタ上で得ることのできる最小の第1体積平均直径、及び、前記第2層の形状については前記第1体積平均直径よりも大きな体積平均直径を有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項8】
前記所定サイズのマーキング粒子が12-30μmの体積平均直径を有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項9】
前記最終的な光学素子が、全体として少なくとも20μmのマーキング粒子積層体の高さを有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項10】
前記第1トナー層と前記第2トナー層との間に中間層をさらに有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項11】
前記最終的な光学素子が周期パターンを有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項12】
前記最終的な光学素子が、所定の屈折率を有する楕円形又は円形の特性のうちの1つを有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項13】
前記最終的な光学素子を処理して前記最終的な光学素子に追加的な特性を与える工程をさらに有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項14】
受像体上にトナー像を生成する静電グラフィックプリント装置であって:
イメージング部材;
所定サイズのマーキング粒子を用いて2層以上のトナー層を堆積することで光学素子を形成する現像ステーション;
第1層の多次元形状を第2層の多次元形状に対して位置合わせすることで最終的な光学素子を形成する位置合わせ装置;
各層の堆積を制御して前記最終的な光学素子を形成する制御装置;及び
前記最終的な光学素子を処理して前記最終的な光学素子に追加的な特性を与える処理装置;
を有する装置。
【請求項15】
前記所定サイズのマーキング粒子がマーキング粒子の特別なサイズ分布を有する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記最終的な光学素子が、固有の高さ、曲率半径を含む固有のプロファイル、固有の屈折率を有する、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
所定の粒子特性が、トナーの粘性、色、密度、表面張力、ガラス転移温度(Tg)、又は融点を有する、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
最終的な光学素子を表す受像体上のプリントであって:
所望のプリント像を供する前記受像体上のマーキング粒子の被覆;及び
触感があり、少なくとも20μmの積層体高さの隆起した情報が望ましい前記前記受像体上の領域でのマーキング粒子の被覆;
を有するプリント。
【請求項19】
前記最終的な光学素子が当該プリントの前面に位置し、かつ前記プリント像の少なくとも一部を表す、請求項18に記載のプリント。
【請求項20】
前記最終的な光学素子が当該プリントの背面に位置し、かつ前記受像体の表面特性を表す、請求項18に記載のプリント。
【請求項21】
前記最終的な光学素子が当該プリントの前面及び背面に位置する、請求項18に記載のプリント。
【請求項22】
受像体上でのエレクトログラフィックプリント方法であって:
a 5μmよりも大きなサイズを有する所定サイズのマーキング粒子を用いることによって、位置合わせパターンの参照印に対して第1層のトナーを堆積する工程;
b 所定の粒子特性を有する所定サイズのマーキング粒子を用いることによって、前記位置合わせパターンの参照印に対して第2層のトナーを堆積する工程;
c 前記第2層の多次元形状に対して前記第1層の多次元形状を位置合わせすることによって前記位置合わせパターンに対して最終的な多次元形状を生成する工程;及び
d 必要に応じてa、b、及びcを繰り返す工程;
を有するエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項1】
受像体上に1つ以上の光学素子をエレクトログラフィックプリント方法であって:
a 所定サイズのマーキング粒子を有する第1層のトナーを堆積する工程;
b 前記第1層に対して所定サイズのマーキング粒子を有する第2層のトナーを堆積する工程;及び
c 必要に応じて前記工程aとbを繰り返して最終的な光学素子を形成する工程;
を有するエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項2】
前記(複数の)第2層に対して前記1層の多次元形状を位置合わせすることによって、位置合わせパターンに対して光学素子を形成する工程をさらに有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項3】
所定の粒子特性がマーキング粒子の特別なサイズ分布を有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項4】
前記マーキング粒子の特別なサイズ分布が5μmよりも大きな平均直径の体積を有する、請求項3に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項5】
前記粒子特性が、持続性、クラリティ、色、形状、表面粗さ、滑らかさ、カラークラリティ、及び屈折率のうちの1つ以上を有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項6】
前記マーキング粒子の特別なサイズ分布が、前記第1層については6-12μmの体積平均直径、並びに第2層及び該第2層以降の層については12-30μmの体積平均直径を有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項7】
前記マーキング粒子の特別なサイズ分布が、前記最終的な光学素子を与えるため、前記第1層についてはプリンタ上で得ることのできる最小の第1体積平均直径、及び、前記第2層の形状については前記第1体積平均直径よりも大きな体積平均直径を有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項8】
前記所定サイズのマーキング粒子が12-30μmの体積平均直径を有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項9】
前記最終的な光学素子が、全体として少なくとも20μmのマーキング粒子積層体の高さを有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項10】
前記第1トナー層と前記第2トナー層との間に中間層をさらに有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項11】
前記最終的な光学素子が周期パターンを有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項12】
前記最終的な光学素子が、所定の屈折率を有する楕円形又は円形の特性のうちの1つを有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項13】
前記最終的な光学素子を処理して前記最終的な光学素子に追加的な特性を与える工程をさらに有する、請求項1に記載のエレクトログラフィックプリント方法。
【請求項14】
受像体上にトナー像を生成する静電グラフィックプリント装置であって:
イメージング部材;
所定サイズのマーキング粒子を用いて2層以上のトナー層を堆積することで光学素子を形成する現像ステーション;
第1層の多次元形状を第2層の多次元形状に対して位置合わせすることで最終的な光学素子を形成する位置合わせ装置;
各層の堆積を制御して前記最終的な光学素子を形成する制御装置;及び
前記最終的な光学素子を処理して前記最終的な光学素子に追加的な特性を与える処理装置;
を有する装置。
【請求項15】
前記所定サイズのマーキング粒子がマーキング粒子の特別なサイズ分布を有する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記最終的な光学素子が、固有の高さ、曲率半径を含む固有のプロファイル、固有の屈折率を有する、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
所定の粒子特性が、トナーの粘性、色、密度、表面張力、ガラス転移温度(Tg)、又は融点を有する、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
最終的な光学素子を表す受像体上のプリントであって:
所望のプリント像を供する前記受像体上のマーキング粒子の被覆;及び
触感があり、少なくとも20μmの積層体高さの隆起した情報が望ましい前記前記受像体上の領域でのマーキング粒子の被覆;
を有するプリント。
【請求項19】
前記最終的な光学素子が当該プリントの前面に位置し、かつ前記プリント像の少なくとも一部を表す、請求項18に記載のプリント。
【請求項20】
前記最終的な光学素子が当該プリントの背面に位置し、かつ前記受像体の表面特性を表す、請求項18に記載のプリント。
【請求項21】
前記最終的な光学素子が当該プリントの前面及び背面に位置する、請求項18に記載のプリント。
【請求項22】
受像体上でのエレクトログラフィックプリント方法であって:
a 5μmよりも大きなサイズを有する所定サイズのマーキング粒子を用いることによって、位置合わせパターンの参照印に対して第1層のトナーを堆積する工程;
b 所定の粒子特性を有する所定サイズのマーキング粒子を用いることによって、前記位置合わせパターンの参照印に対して第2層のトナーを堆積する工程;
c 前記第2層の多次元形状に対して前記第1層の多次元形状を位置合わせすることによって前記位置合わせパターンに対して最終的な多次元形状を生成する工程;及び
d 必要に応じてa、b、及びcを繰り返す工程;
を有するエレクトログラフィックプリント方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2010−533314(P2010−533314A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516040(P2010−516040)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/008374
【国際公開番号】WO2009/011773
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/008374
【国際公開番号】WO2009/011773
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】
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