説明

エンジンの冷却装置及びその冷却方法

【課題】EGRシステム等を有するエンジンの冷却装置及びその冷却方法に関し、サブラジエータにメインラジエータを補助する機能を持たせたことにより、メインラジエータの容量を軽減し、コスト削減、搭載スペースの有効活用を図ったエンジンの冷却装置及びその冷却方法を提供することを課題とする。
【解決手段】メイン回路の冷却水の温度を検知し、この冷却水の温度がエンジンの定常時における冷却水の温度の上限値を超えた場合、メインラジエータ16へ送る冷却水の一部を分流してサブ回路へ送るサブ制御弁22を設け、このサブ制御弁22によりサブ回路12へ送られた冷却水を、サブラジエータ28で冷却してクーラ機器に流入させるとともに、サブ回路12の冷却水を分流してメイン回路8の第一のポンプ18の上流側に戻す構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGRシステム等を有するエンジンの冷却装置及びその冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排気ガスによる大気汚染の対策として、ディーゼルエンジン搭載車両では、排気ガスをエンジンに還流させるEGRシステム(排気ガス再循環機構)が広く採用されている。
【0003】
上記ディーゼルエンジンでは、高温の排気ガスをそのままエンジンの吸気に還流させると、SOOT(すす)が発生し、また燃料消費量が増大する。これらの問題の解消手段として、EGRクーラ(熱交換器)を設け、排気ガスを冷却水によって冷却してからエンジンに還流させることが一般的であった。上記EGRクーラに用いられる冷却水は、多くはエンジンの冷却を兼ねた冷却水である。
【0004】
エンジンの冷却を行うメインの冷却水回路では、走行風によりラジエータで放熱した冷却水がエンジンに戻されるが、エンジンを冷却する前に一部を導出してEGRクーラに流入させる。この冷却水は、上記EGRクーラでEGRガス(排気ガス)を冷却した後、ラジエータからエンジンに流れ込む冷却水に合流し、さらに一部の冷却水が再度EGRクーラに流され、残りの冷却水がエンジンを冷却してラジエータへと循環する流路を形成する。
【0005】
車両の運転条件にもよるが、一般にエンジン稼動中において、ラジエータで放熱した後の冷却水の温度は概ね80℃を超えている。このため、上記冷却水によってEGRクーラで冷却される排気ガスは、この冷却水の水温以下になることはない。
【0006】
近年では、排気ガスに対する規制強化のため、EGRクーラの大容量化及びエンジンの燃焼温度の低下等による対策が求められている。このうち、EGRクーラの大容量化については、EGRクーラの大型化、或いはEGRクーラの使用台数を複数に増やすことで対応していた。また、エンジンの燃焼温度を低下させるためには、エンジンに還流する排気ガス(EGRガス)の温度を低下させる必要がある。
【0007】
従来技術として、例えば特許文献1には、図6に示すEGRガスの冷却装置の記載がある。これは、エンジン51の冷却水通路52に配設されたウォータポンプ53、この下流側冷却水水路から分岐した分岐循環通路56に配設されたEGRクーラ57、及びこの下流側に配設されたEGR用ラジエータ59等を備え、EGRガス温度のエンジン冷却水温度依存度を低減するものである。
【0008】
特許文献2には、エンジン冷却系から独立したEGR用ラジエータを設け、これとEGRクーラを熱的に結合し、EGRクーラの冷却能力を高くしたEGR装置の記載がある。
また特許文献3には、トラック等の自動車の内燃機関の暖機時間短縮を目的として、内燃機関及び熱交換機等が組み込まれる高温の第一の冷却ループと、冷却するユニット(インタークーラ)及び低温熱交換機等が組み込まれる低温の第二の冷却ループとを有する過給内燃機関の冷却方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−132469
【特許文献2】特開2003−278608
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0066697号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
さて、登坂走行など車速が低く高負荷運転ではエンジン冷却水は高温となる。これは、車速が遅くなると、ラジエータにあたる風速が落ちて冷却効率が落ちるためであり、また登坂走行によりエンジンの負荷は高くなり、エンジンの発生熱量が多くなるためでもある。
【0011】
このため、従来では上記最大負荷を想定して、ラジエータの放熱性能を設定していた。しかし、車両運転時間の大半を占める低・中負荷運転では、上記ラジエータの能力の一部しか使用していないというのが実情である。
【0012】
上記エンジンの高負荷運転に合わせてラジエータを設計した場合には、大きなサイズのラジエータを作らざるを得ないという問題があった。上記特許文献1〜3に係る従来技術においても同様である。なお、低・中負荷運転だけを考慮すれば良いのであれば、ラジエータを小さくする事が可能である。
【0013】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、サブラジエータにメインラジエータを補助する機能を持たせたことにより、メインラジエータの容量を軽減し、コスト削減、搭載スペースの有効活用を図ったエンジンの冷却装置及びその冷却方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以上の技術的課題を解決するため、本発明に係るエンジンの冷却装置は、図1等に示すように、エンジン4内を流通する冷却水を冷却するメインラジエータ16と、上記エンジンと上記メインラジエータとを循環する冷却水のメイン回路8と、上記メイン回路の上記エンジンの上流側に設けられ、上記冷却水を流通駆動する第一のポンプ18と、上記メイン回路から独立して車載の発熱体を冷却するクーラ機器10,38に用いる冷却水を冷却するサブラジエータ28と、上記クーラ機器と上記サブラジエータとを循環する冷却水のサブ回路12と、上記サブ回路12の途中に設けられ、このサブ回路の冷却水を流通駆動する第二のポンプ30と、上記メイン回路の冷却水の温度を検知し、この温度が上記エンジンの定常時における冷却水の温度の上限値を超えた場合、上記メインラジエータへ送る冷却水の一部を分流して上記サブ回路へ送るサブ制御弁22と、を有し、上記サブ制御弁22により上記サブ回路12へ送られた冷却水を、上記サブラジエータ28で冷却して上記クーラ機器に流入させるとともに、上記サブ回路12の冷却水を分流して上記メイン回路8の上記第一のポンプ18の上流側に戻す構成である。
【0015】
本発明に係るエンジンの冷却装置は、上記メイン回路8の冷却水の温度を検知し、この温度が上記エンジンの定常時における冷却水の温度の下限値に満たない場合には、上記エンジンを通過した冷却水をエンジンに戻してエンジンの暖機を行い、上記温度が上記下限値以上のときには、上記エンジンを通過した冷却水の一部又は全部を、メイン回路の上記メインラジエータ16に向けて送るメイン制御弁20を設けた構成である。
【0016】
本発明に係るエンジンの冷却装置は、上記エンジンの定常時における冷却水の温度の下限値を80℃、上限値を100℃とした構成である。
【0017】
本発明に係るエンジンの冷却装置は、上記エンジンの定常時における冷却水の温度の下限値を70℃〜90℃の範囲の何れかの値、上限値を90℃〜120℃の範囲の何れかの値とした構成である。
この場合、上記範囲内で、下限値を例えば70℃或いは85℃等に設定することができ、また上限値についても、例えば95℃或いは120℃等に設定することができる。
【0018】
また、本発明に係るエンジンの冷却装置は、上記サブ制御弁22により分流された冷却水を、上記第二のポンプ30の上流側又は下流側のサブ回路12へ送るバイパス回路31(32)を設けた構成である。
本発明に係るエンジンの冷却装置は、上記メイン回路から冷却水を分流した導出循環回路9に、EGRクーラ6を設けた構成である。
また、本発明に係るエンジンの冷却装置は、上記サブ回路の途中に、EGRクーラ6を設けた構成である。
【0019】
本発明に係るエンジンの冷却方法は、上記の何れかに記載のエンジンの冷却装置を用い、上記メイン回路8の冷却水の一部を上記サブ回路12に送り、この冷却水を上記サブラジエータ28で冷却し、再び上記メイン回路8のエンジン4の上流側に戻すことである。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るエンジンの冷却装置によれば、サブ制御弁によりサブ回路へ送られた冷却水を、サブラジエータで冷却してクーラ機器に流入させるとともに、サブ回路の冷却水を分流してメイン回路の第一のポンプの上流側に戻す構成を採用したから、メインラジエータを低・中負荷運転時に合わせた大きさに設定することができて、従来に比べ小型化されたメインラジエータを構成することが可能となり、メインラジエータの大型化が回避され、またコストの削減、及びラジエータの搭載スペースの有効利用にも寄与するという効果を奏する。
【0021】
本発明に係るエンジンの冷却方法によれば、エンジンの冷却装置を用い、メイン回路の冷却水の一部をサブ回路に送り、この冷却水をサブラジエータで冷却し、再びメイン回路のエンジンの上流側に戻すこととしたから、メインラジエータを低・中負荷運転時に合わせた大きさに設定することができてメインラジエータの大型化が回避され、またコストの削減、及びラジエータの搭載スペースの有効利用にも寄与するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第一の実施の形態に係り、エンジンの冷却装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係り、サブ回路(及びメイン回路の一部)における冷却水の流通形態を示すブロック図である。
【図3】他の実施の形態に係るエンジンの冷却装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第二の実施の形態に係り、エンジンの冷却装置の構成を示すブロック図である。
【図5】第三の実施の形態に係り、エンジンの冷却装置の構成を示すブロック図である。
【図6】従来例に係るEGRガスの冷却装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態では、エンジンの冷却装置2及びエンジンの冷却方法を、トラック等、排気ガス規制を大容量のEGR機構等で対応したエンジン4(ここではディーゼルエンジン)を搭載した車両に適用する。
図1は、第一の実施の形態に係るエンジンの冷却装置2の構成を示すブロック図である。
【0024】
このエンジンの冷却装置2は、メインラジエータ16を用いてエンジン4及び第一のEGRクーラ6の冷却を行う冷却水のメイン回路8、またサブラジエータ28を用いて低水温の冷却水により第二のEGRクーラ10の冷却を行うサブ回路12の2つの回路を有している。
また上記サブ回路12には分岐部14が設けられ、所定の条件によりサブ回路12を流通する冷却水がこの分岐部14からメイン回路8に流入し、エンジン4内を流通して再びメイン回路8からサブ回路12に戻される。
【0025】
上記メイン回路8には、エンジン4、メインラジエータ16、第一のポンプ18、メイン制御弁20、サブ制御弁22、及び第一のEGRクーラ6が設けられている。また上記サブ回路12には、サブラジエータ28、第二のEGRクーラ10、及び第二のポンプ30が設けられている。また、冷却装置2にはインタークーラ38が設けられている。
【0026】
上記メイン回路8には、メインラジエータ16からの冷却水を第一のポンプ18を介してエンジン4に流入させ、再びメインラジエータ16に戻す循環回路、及びエンジン4内から冷却水の一部を導出し、これを第一のEGRクーラ6に流入させ、再びエンジン4内に戻す導出循環回路9が形成されている。なお、この導出循環回路9として、エンジン4以外のメイン回路8から冷却水を導出し、これを第一のEGRクーラ6に流入させ、再度メイン回路8に戻す回路も可能である。
【0027】
またメイン回路8には、冷却水をメイン制御弁20から第一のポンプ18に流通させる第一のバイパス回路27が設けられている。さらにメイン回路8には、冷却水をサブ制御弁22から第二のポンプ30に流通させる第二のバイパス回路31が設けられている。
【0028】
上記サブ回路12には、サブラジエータ28からの冷却水を第二のEGRクーラ10に流入させ、第二のポンプ30を介して再びサブラジエータ28に戻す循環回路が形成されている。
上記第二のEGRクーラ10では、上記第一のEGRクーラ6で冷却した排気ガス(EGRガス)をさらに冷却して低温にするため、メインラジエータ16で冷却される冷却水よりさらに低い温度の冷却水が必要となる。
【0029】
上記メインラジエータ16は、主にエンジン4用の冷却水を冷却し、またサブラジエータ28は、主に第二のEGRクーラ10、インタークーラ38などのクーラ機器に用いる冷却水を冷却する。
また上記第一のEGRクーラ6、第二のEGRクーラ10は、ともに排気ガス(EGRガス)を冷却する。上記インタークーラ38は過給気を冷却する。
【0030】
上記各回路に設けられる第一のポンプ18及び第二のポンプ30は、何れもウォータポンプであり、冷却水を駆動して回路内を流通させる。これら第一のポンプ18及び第二のポンプ30としては、エンジン4の駆動力を用いる機械式ポンプ、または電動式ポンプを用いる。この場合、第一のポンプ18として機械式ポンプを使用し、第二のポンプ30として第一のポンプ18と同じ機械式ポンプを使用するか、または第二のポンプ30だけ電動式のポンプを用いることもできる。電動式ポンプは電気制御であり、ECU等から制御が容易に行える。
上記第一のポンプ18及び第二のポンプ30は、何れも冷却水の入口が1箇所(但し、第一のポンプ18は入口で二回路からの冷却水が合流)、出口が1箇所設けられたものである。
【0031】
上記第一のポンプ18は、メインラジエータ16とエンジン4との間のメイン回路8(エンジン4の上流側)に設けられ、メインラジエータ16から出力される冷却水をエンジン4に向けて駆動し、メイン回路8内の冷却水を循環させる。また第二ポンプ30は、第二のEGRクーラ10とサブラジエータ28との間のサブ回路12(第二のEGRクーラ10の下流側)に設けられ、サブ回路12の冷却水をサブラジエータ28の入力側に向けて駆動し、サブ回路12内の冷却水を循環させる。
【0032】
上記メイン制御弁20及びサブ制御弁22は、何れも三方弁(入口一つ出口二つ)であり、何れも冷却水の温度を検知して冷却水の水路の開閉(分流)を行う所謂サーモスタットである。
このメイン制御弁20は、冷却水の温度例えば85℃(エンジンの定常時における冷却水の温度の下限値)を基準に弁の開閉動作を行う。また、サブ制御弁22はメイン制御弁20より高い温度例えば95℃(エンジンの定常時における冷却水の温度の上限値)を基準に弁の開閉動作を行う。またメイン制御弁20は、全開及び全閉の動作(及び中間開)が可能であり、サブ制御弁22は全閉とはならない場合がある(メイン回路8への流通は確保される)。
【0033】
上記メイン制御弁20は、冷却水がエンジン4を通過した位置(エンジン4の下流側)のメイン回路8に設けられる。このメイン制御弁20は、メイン回路8の近傍の冷却水の温度を検知して弁の開閉を行ない、エンジン4内を通過した冷却水をメインラジエータ16に向けて流すか、または第一のバイパス回路27に流すか(再度エンジン4内を流通)を制御する。
【0034】
また、上記サブ制御弁22は、メイン制御弁20とメインラジエータ16との間のメイン回路8に設けられ、メイン回路8の近傍の冷却水の温度を検知して弁の開閉を行なう。このサブ制御弁22は、メイン制御弁20を通過した冷却水をメインラジエータ16へ流すか、第二のバイパス回路31へ流すか(サブ回路12に流入)を制御する。
【0035】
さらに上記メイン回路8には、第一のポンプ18の入口(上流側)近傍に合流部34が設けられている。この合流部34には、第一のEGRクーラ6から流出される冷却水の回路が合流する。
また、上記サブ回路12には、第二のEGRクーラ10と第二のポンプ30との間の回路に分岐部14が設けられ、この分岐部14から分岐したサブバイパス回路36が上記合流部34に合流する。このサブバイパス回路36は、サブ回路12とメイン回路8とを連通させ、サブ回路12の冷却水をメイン回路8に戻す。
【0036】
したがって上記合流部34では、メインラジエータ16からの回路、第一のEGRクーラ6からの回路、及びサブバイパス回路36の3回路からの冷却水が合流し、この合流した冷却水は第一のポンプ18に流れる。
また、サブ回路12の分岐部14と第二のバイパス回路31がサブ回路12に合流する箇所との間に、逆止弁37(一方向へのみ流通)を設けた。これは、第二のポンプ30と第一のポンプ18との競合によるサブ回路12の逆流を防止するためである。
【0037】
ここで、メイン回路8及びサブ回路12を流通する冷却水の流通形態を、エンジン4の運転状況に基づくメイン回路8を流通する冷却水の温度に応じて説明する。
このエンジン4に係り、定常時(通常稼動時)のメイン回路(メイン制御弁20、サブ制御弁22の近傍)の冷却水の温度はここでは85℃(下限値)〜95℃(上限値)としている。
【0038】
なお、上記エンジンの定常時の冷却水の温度としては、他に、下限値を80℃、上限値を100℃としてもよい。また、上記エンジンの定常時の冷却水の温度の下限値を70℃〜90℃の範囲の何れかの値とし、上限値を90℃〜120℃の範囲の何れかの値としてもよい。
上記エンジンの定常時にける冷却水の温度の下限値は、エンジンオイルの特性及び温度に基づくエンジンのフリクションにより変動する。エンジンオイルは、温まっていないと粘性が高くフリクションによるロスが発生し燃費が悪化する。また上記上限値は、水の沸騰とエンジン部品の耐久性等により変動する。例えば高地では、90℃未満でも沸騰する。冷却水は加圧することで沸騰点が高くなるが、エンジン部品に使われる部品の耐熱性、熱負荷に対する耐久性により上記上限値が制限される。これらの事情に鑑み、上記下限値、及び上限値に別の範囲また値の幅などをもたせた。
【0039】
まず、エンジン4が暖機中の場合について説明する。
この場合、メイン回路8の冷却水の水温は上記定常時の温度の下限値(85℃)に満たない範囲である。
このとき、メイン制御弁20は冷却水の水温を検知して閉じた状態となり、メイン制御弁20により全ての冷却水は分流して第一のバイパス回路27へ流れ、第一のポンプ18を経て冷却水はエンジン4内を再び循環する。
即ち、メイン回路8の冷却水は、第一のポンプ18に駆動されてエンジン4内部から第一のバイパス回路27を流通し、再び第一のポンプ18に戻されエンジン4に送られる流れとなり、エンジン4内部を循環する暖機状態となる。
【0040】
またメイン回路8を流通する冷却水の一部は、第一のEGRクーラ6の冷却に利用され、第一のEGRクーラ6を通過した冷却水はメイン回路8に戻される。ここでは、第一のEGRクーラ6用の冷却水は、エンジン4内から導出してこの第一のEGRクーラ6を流通させた後、上記合流部34に送ってメインラジエータ16からの冷却水等と合流させ、エンジン4に再び戻すようにしている。
なお、第一のEGRクーラ6に係る冷却水の流通形態は一定しており、エンジン4の運転状態によって変わらない。
【0041】
一方、サブ回路12は、エンジン4を冷却するメイン回路8とは異なる独立した冷却水の回路を形成する。このサブ回路12における冷却水は、第二のポンプ30に駆動されてサブラジエータ28を流通し、第二のEGRクーラ10を通過して再び第二のポンプ30に戻される流れとなる。
この場合、第二のポンプ30が電動ポンプであって、第二のEGRクーラ10による冷却の必要がない場合は、この第二のポンプ30は駆動させなくてもよい。
【0042】
次に、エンジンが定常時の場合について説明する。
この場合、メイン回路8の冷却水の水温は上記定常時の温度の下限値から上限値(85℃〜95℃)の範囲にある。
まず、メイン回路8について説明する。メイン回路8のメイン制御弁20は、冷却水の水温を検知して弁が開いた状態となり、冷却水はメイン回路8をメインラジエータ16に向けて流れる。
一方、サブ制御弁22も弁が開いた状態となり、冷却水はサブ制御弁22を通過してメイン回路8をメインラジエータ16に向けて流れ、サブ回路12に対しては弁が閉じた状態となり第二のバイパス回路31へは流れない。
【0043】
また、定常時の冷却水の温度帯では、水温変化によりメイン制御弁20は開閉を繰り返し(中間開状態)、これにより冷却水はメインラジエータ16へ向けて流れたり、又は第一のバイパス回路27へ向けて流れたりしながら、冷却水の温度が一定に保たれる。
【0044】
エンジン4が定常時の通常の冷却水の流通形態としては、第一のポンプ18に駆動された冷却水はエンジン4内部を流通し、メイン制御弁20(メイン回路に対して開)からメイン回路8を経由してサブ制御弁22へ流れ、このサブ制御弁22(メイン回路に対して開、サブ回路に対して全閉)からメインラジエータ16に送られ、再び第一のポンプ18に戻されメイン回路8を循環する。
【0045】
次に、サブ回路12について説明する。上記第二のポンプ30により、エンジン4を冷却するメイン回路8とは独立した、冷却水のサブ回路12に係る循環回路が形成される。
このサブ回路12は、冷却水の流入及び流出がなければ独立した回路として一定の冷却水の量が保たれる。仮に、サブ回路12からメイン回路8への分岐部14に負圧が生じ回路が減圧することがあっても、冷却水がサブ回路12からメイン回路8へ流出することはない。
【0046】
エンジン4が定常時、サブ回路12における冷却水の流通形態としては、第二のポンプ30に駆動されてサブラジエータ28を流通し、第二のEGRクーラ10を通過し、再び第二のポンプ30に戻されてサブ回路12を循環する。このサブ回路12は、メイン回路8に比べて冷却水が低水温の回路である。また、サブ回路12の冷却水量は例えば30L/minである。
【0047】
次に、エンジンが高負荷運転時の場合について説明する。
この場合、メイン回路8の冷却水の水温は上記定常時の温度の上限値(95℃)を超えている。この温度では、エンジンはオーバヒート直前の状態にある。
冷却水の水温が上記上限値を超えると、メイン回路8のメイン制御弁20は、冷却水の水温を検知して弁が開いた状態となる一方、メイン回路8のサブ制御弁22はこの冷却水の水温を検知して開状態から少し閉じた状態に絞られる。そして、メイン回路8の冷却水はサブ制御弁22により第二のバイパス回路31へ分流し、サブ回路12へ流れる。
但し、サブ制御弁22は、メイン回路8への流路が少し閉じる(全閉にはならない)程度であり、冷却水の一部はサブ回路12へ分流し、残りはメイン回路8を流通する。この場合、メイン回路8側の抵抗を増やすことでサブ回路12への流量を増やす構造とすることもできる。
【0048】
このとき、サブ制御弁22の開程度にもよるが、メイン回路8の冷却水の一部が分流し(例えば50L/min)、第二のポンプ30を経てサブ回路12を流通(合流)する。このときサブ回路12の冷却水の量は、本来の量(30L/min)に上記メイン回路から流入した量(50L/min)が加わる。
そしてサブ回路12の冷却水(30+50L/min)は、サブラジエータ28で冷却され、第二のEGRクーラ10を流通し第二のポンプ30に至る。このサブ回路12を流通する冷却水の内、メイン回路8から分流した水量(50L/min)は分岐部14から再びメイン回路8へ戻される。
【0049】
メイン回路8における冷却水の流通形態は、上記サブ制御弁22による分流を除いて上記定常時と同じであり、第一のポンプ18に駆動された冷却水は、エンジン4内部を流通し、メイン制御弁20(開)からサブ制御弁22に向けて流れ、このサブ制御弁22(開)からメインラジエータ16に送られ再び第一のポンプ18に戻される。
【0050】
図2は、サブ回路12(及びメイン回路8の一部)における冷却水の流通形態を示したものである。
サブ制御弁22からメイン回路8の冷却水の一部が分流(50L/min)し、第二のバイパス回路31を経由して第二のポンプ30の入口に流入する。他に、後述する第三のバイパス回路32を経由して第二のポンプの下流のサブ回路12に流入する回路もある。
さらに第二のポンプ30の入口には、分岐部14を通過してサブ回路12を経由した冷却水(30L/min)が流入する。
【0051】
そして、上記第二のポンプ30の入口には冷却水が合流し(30+50L/min)、さらに第二のポンプ30の出口を経てサブ回路12を経由し、サブラジエータ28を流通する。
このサブラジエータ28を経て第二のEGRクーラ10を通過した冷却水の内、サブ回路12の分岐部14で分流した冷却水(50L/min)は、サブバイパス回路36及び合流部34を経由し、さらに第一のポンプ18に駆動されてエンジン4内を流通し、メイン回路8を通過しメイン制御弁20を経て上記サブ制御弁22に至る。
また、上記サブ回路12の分岐部14から分流しなかった冷却水(30L/min)は、そのままサブ回路12を流通し上記第二のポンプ30に流入する。
【0052】
これにより、サブ回路12はメイン回路8に従属することになり、サブ回路12のサブラジエータ28により冷却された冷却水が、メイン回路8のエンジン4の冷却に寄与する。このように、エンジン4の高負荷運転時には、冷却水の流れの切り替え制御を行ない、冷却水を低水温に冷却するサブラジエータ28を、メインラジエータ16の放熱量低下を補うために使用する。
【0053】
図3は、他の形態に係るエンジンの冷却装置40の構成を示すブロック図である。
ここでは、このエンジンの冷却装置40の構成について、上記エンジンの冷却装置2と同様の構成要素は同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0054】
この冷却装置40は、上記エンジンの冷却装置2に係る第二のバイパス回路31に替えて第三のバイパス回路32を設け、サブ制御弁22により分流されたメイン回路8の冷却水を、サブ回路12に合流させるものである。
この第三のバイパス回路32は、サブ制御弁22と、第二のポンプ30の下流側(第二のポンプ30とサブラジエータ28との間)のサブ回路12とを連通する。この第三のバイパス回路32は、第二のポンプ30を迂回するものである。この第二のポンプ30を迂回することで、第一のポンプ18の水圧(第二のポンプ30より出力大)による第二のポンプ30への影響が回避できる。
【0055】
また上記サブ制御弁22により、第三のバイパス回路32を経由してメイン回路8からサブ回路12へ冷却水の一部が流入している場合、第二のポンプ30は駆動させなくてもよい。
この第二のポンプ30を駆動させない状態では、このポンプ内を冷却水が流通することは可能である。この場合、サブ制御弁22から第三のバイパス回路32を経由してサブ回路12に流入した冷却水が、サブ回路12を逆流し、第二のポンプ30を通過して圧力の低い第一のポンプ18へと流通することが予測される。
このため、サブ回路12の分岐部14と第二のポンプ30との間に逆止弁37を設け、上記サブ回路12の逆流を防止する。
【0056】
上記第三のバイパス回路32によれば、サブ回路12はメイン回路8に従属する形態となり、またメイン回路8の第一のポンプ18は第二のポンプ30より高出力であるため、第一のポンプ18によりメイン回路8とサブ回路12の双方の冷却水を循環させることができる。上記第一のポンプ18によれば、メイン回路8の駆動以外に、メイン回路8から第三のバイパス回路32を経由してサブ回路12に至り、このサブ回路からから再びメイン回路8に戻る回路の冷却水を流通駆動させる。このため、第二のポンプ30による駆動は不要となる。
【0057】
この冷却装置40は、上記第三のバイパス回路32及びこれに係る回路以外は、上記エンジンの冷却装置2の構成、回路と同様である。
この冷却装置40では、メイン回路8の冷却水の水温が上記定常時の温度の上限値(95℃)を超えると、メイン回路8のサブ制御弁22は、この冷却水の水温を検知して開状態から少し閉じた状態に絞られる。そして、冷却水はサブ制御弁22により第三のバイパス回路32へ分流し、この第三のバイパス回路32を経てサブ回路12へ流れる。
これにより、サブ回路12はメイン回路8に従属することになり、上述したようにサブ回路12のサブラジエータ28により冷却された冷却水が、メイン回路8のエンジン4の冷却に寄与する。
【0058】
従って、上記実施の形態によれば、燃費改善の為に設けた低水温用のサブラジエータの冷却能力を、一時的(高負荷運転時)にメインラジエータを補助するラジエータとして使い、これによりメインラジエータを低・中負荷運転時に合わせた大きさに設定することができて、従来に比べ小型化されたメインラジエータを構成することが可能となり、メインラジエータの大型化が回避され、またコストの削減及びラジエータの搭載スペースの有効利用にも寄与する。
【0059】
次に、第二の実施の形態に係るエンジンの冷却装置42について説明する。
図4は、このエンジンの冷却装置42の構成を示すブロック図である。
ここでは、このエンジンの冷却装置42の構成について、上記第一の実施の形態に係るエンジンの冷却装置2と同様の構成要素は同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
この冷却装置42は、冷却水がメインラジエータ16とエンジン4とを循環するメイン回路8、また低水温の冷却水がサブラジエータ28と第二のEGRクーラ10及びインタークーラ38間を循環するサブ回路12を有している。
このように、このサブ回路12にはインタークーラ38が設けられている。
【0060】
上記メイン回路8には、エンジン4、メインラジエータ16、第一のポンプ18、メイン制御弁20、サブ制御弁22、及び第一のEGRクーラ6が設けられている。また、メイン回路8には、第一のバイパス回路27及び第二のバイパス回路31が設けられている。
上記サブ回路12は、サブラジエータ28、第二のEGRクーラ10、第二のポンプ30及びインタークーラ38が設けられている。
【0061】
上記インタークーラ38は、第二のポンプ30からサブラジエータ28に至るサブ回路12から分岐し、分流した冷却水を流入させる状態で設けられ、このインタークーラ38から流出した冷却水は、第二のEGRクーラ10から下流のサブ回路12に合流する。
【0062】
この冷却装置42は、上記インタークーラ38及びこれに係る回路以外は、上記第一の実施の形態に係るエンジンの冷却装置2の構成、回路と同様である。
上記インタークーラ38は、サブラジエータ28との間を循環するサブ回路12を構成する例を示したものである。したがってこの冷却装置42は、サブラジエータ28と循環回路を構成するクーラ機器として、インタークーラ38と第二のEGRクーラ10とが設けられた構成である。
【0063】
この冷却装置42についても、エンジン4の運転状況に応じたメイン回路8及びサブ回路12を流通する冷却水の流通形態は(上記インタークーラ38に係る流通を除き)、上記エンジンの冷却装置2と同様である。
また、サブ回路12には分岐部14が設けられ、所定の条件によりサブ回路12を流通する冷却水が、この分岐部14からメイン回路8に流入し、エンジン4内を流通して再びメイン回路8からサブ回路12に戻される。これにより、サブ回路12はメイン回路8に従属することになり、サブ回路12のサブラジエータ28により冷却された冷却水が、メイン回路8のエンジン4の冷却に寄与する。
【0064】
従って、この第二の実施の形態によれば、上記第一の実施の形態と同様、メインラジエータを低・中負荷運転時に合わせた大きさに設定することができて、メインラジエータの大型化が回避され、またコストの削減及びラジエータの搭載スペースの有効利用にも寄与する。
【0065】
次に、第三の実施の形態に係るエンジンの冷却装置44について説明する。
図5は、このエンジンの冷却装置44の構成を示すブロック図である。
ここでは、このエンジンの冷却装置44の構成について、上記第一の実施の形態に係るエンジンの冷却装置2と同様の構成要素は同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0066】
このエンジンの冷却装置44は、エンジン4の冷却を行う冷却水のメイン回路8、また低水温の冷却水により第二のEGRクーラ10及び第一のEGRクーラ6の冷却を行うサブ回路12の2つの回路を有している。
【0067】
上記メイン回路8には、エンジン4、メインラジエータ16、第一のポンプ18、メイン制御弁20、及びサブ制御弁22が設けられている。また、メイン回路8には、第一のバイパス回路27及び第二のバイパス回路31が設けられている。
上記サブ回路12は、サブラジエータ28、第二のEGRクーラ10、第一のEGRクーラ6、及び第二のポンプ30が設けられている。
このサブ回路12は、サブラジエータ28からの冷却水を第二のEGRクーラ10を流通させ、さらに第一のEGRクーラ6を流通させ、再びサブラジエータ28に戻す循環回路を形成している。
【0068】
この冷却装置44は、上記第二のEGRクーラ10に係る回路以外は、上記第一の実施の形態のエンジンの冷却装置2の構成、回路と同様である。
この冷却装置44についても、エンジン4の運転状況に応じたメイン回路8及びサブ回路12を流通する冷却水の流通形態は(上記第二のEGRクーラ10に係る流通を除き)、上記エンジンの冷却装置2と同様である。
また、サブ回路12には分岐部14が設けられ、所定の条件によりサブ回路12を流通する冷却水が、この分岐部14からメイン回路8に流入し、エンジン4内を流通して再びメイン回路8からサブ回路12に戻される。これにより、サブ回路12はメイン回路8に従属することになり、サブ回路12のサブラジエータ28により冷却された冷却水が、メイン回路8のエンジン4の冷却に寄与する。
【0069】
従って、この第三の実施の形態によれば、上記第一の実施の形態と同様、メインラジエータを低・中負荷運転時に合わせた大きさに設定することができて、メインラジエータの大型化が回避され、またコストの削減及びラジエータの搭載スペースの有効利用にも寄与する。
【符号の説明】
【0070】
4 エンジン
6 EGRクーラ/(第一のEGRクーラ)
8 メイン回路
9 導出循環回路
10 クーラ機器(第二のEGRクーラ)
12 サブ回路
14 分岐部
16 メインラジエータ
18 第一のポンプ
20 メイン制御弁
22 サブ制御弁
28 サブラジエータ
30 第二のポンプ
31 バイパス回路(第二のバイパス回路)
32 バイパス回路(第三のバイパス回路)
38 クーラ機器(インタークーラ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン内を流通する冷却水を冷却するメインラジエータと、
上記エンジンと上記メインラジエータとを循環する冷却水のメイン回路と、
上記メイン回路の上記エンジンの上流側に設けられ、上記冷却水を流通駆動する第一のポンプと、
上記メイン回路から独立して車載の発熱体を冷却するクーラ機器に用いる冷却水を冷却するサブラジエータと、
上記クーラ機器と上記サブラジエータとを循環する冷却水のサブ回路と、
上記サブ回路の途中に設けられ、このサブ回路の冷却水を流通駆動する第二のポンプと、
上記メイン回路の冷却水の温度を検知し、この温度が上記エンジンの定常時における冷却水の温度の上限値を超えた場合、上記メインラジエータへ送る冷却水の一部を分流して上記サブ回路へ送るサブ制御弁と、を有し、
上記サブ制御弁により上記サブ回路へ送られた冷却水を、上記サブラジエータで冷却して上記クーラ機器に流入させるとともに、上記サブ回路の冷却水を分流して上記メイン回路の上記第一のポンプの上流側に戻すことを特徴とするエンジンの冷却装置。
【請求項2】
上記メイン回路の冷却水の温度を検知し、この温度が上記エンジンの定常時における冷却水の温度の下限値に満たない場合には、上記エンジンを通過した冷却水をエンジンに戻してエンジンの暖機を行い、上記温度が上記下限値以上のときには、上記エンジンを通過した冷却水の一部又は全部を、メイン回路の上記メインラジエータに向けて送るメイン制御弁を設けたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの冷却装置。
【請求項3】
上記エンジンの定常時における冷却水の温度の下限値を80℃、上限値を100℃としたことを特徴とする請求項1又は2記載のエンジンの冷却装置。
【請求項4】
上記エンジンの定常時における冷却水の温度の下限値を70℃〜90℃の範囲の何れかの値、上限値を90℃〜120℃の範囲の何れかの値としたことを特徴とする請求項1又は2記載のエンジンの冷却装置。
【請求項5】
上記サブ制御弁により分流された冷却水を、上記第二のポンプの上流側又は下流側のサブ回路へ送るバイパス回路を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のエンジンの冷却装置。
【請求項6】
上記メイン回路から冷却水を分流した導出循環回路に、EGRクーラを設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のエンジンの冷却装置。
【請求項7】
上記サブ回路の途中に、EGRクーラを設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のエンジンの冷却装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れかに記載のエンジンの冷却装置を用い、上記メイン回路の冷却水の一部を上記サブ回路に送り、この冷却水を上記サブラジエータで冷却し、再び上記メイン回路のエンジンの上流側に戻すことを特徴とするエンジンの冷却方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−113182(P2013−113182A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258712(P2011−258712)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【出願人】(000220217)東京ラヂエーター製造株式会社 (71)
【Fターム(参考)】