エンドトキセミアの治療及び防止に有用な置換されたリポ糖類

【課題】感染症(sepsis)、敗血症(septicemia)及び種々の敗血症性ショックの形を含むエンドトキセミアの予防的及び積極的治療に有用な新規な置換されたリポ糖類及びこれらの剤を用いる方法を提供する。
【解決手段】下記化合物1に表わされる化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセプシス、敗血症、エンドトキセミア(内毒素症)及び種々の形の敗血症性ショックを含むエンドトキシン露出の予防的及び積極的(affirmative)治療等において有用である化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はエンドトキセミア(endotoxemia)の抑制剤として有用なリピドA(Lipid A)の同族体に関する。
【0003】
米国におけるグラム陰性菌血症の発生は致死率30−60%で年間約100,000乃至300,000であると推定されている。抗生物質がこの疾病に対する主化学療法として用いられる。しかしながら、それらの殺菌作用は細菌の分裂と付随するエンドトキシン、即ち細菌の外膜のリポ多糖類(LPS)成分の放出を結果として生じ得る。この自由にされたLPSは哺乳動物に多数の病理生理学的事象(ひとまとめにして、グラム陰性エンドトキセミア又は敗血症症候群と言及される)を誘起する。これらは熱、全身性炎症、伝染された脈管内凝固(DIC)、低血圧症、急性腎不全、急性呼吸困難症候群(ARDS)、肝細胞破壊及び心機能不全を含む。
【0004】
エンドトキシンは敗血症ショックを開始するけれども、組織上には僅かしか影響しないか又は直接の毒性の影響はない。その代わりにそれは免疫生物学的反応(レスポンス)を誘発し、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン−1、インターロイキン−6及びインターロイキン−8の如きサイトカイン、及び酸化窒素の如き他の生物学的媒介物(mediators)並びに一列の二次的媒介物(例えば、プロスタグランジン、ロイコトリエン、インターフェロン、血小板活性化因子、エンドルフィン及びコロニー刺激因子)の放出のカスケードへと導く。これらのサイトカイン及び炎症性媒介物の病理生理学的濃度の発生は、血管運動の調子(tone)、微細血管透過性及び白血球及び血小板の凝集に影響し、全身性炎症反応症候群(又はSIRS)及び敗血症ショックと称される症候群を惹起する。
【0005】
細菌性リポ多糖分子は三つの主たる区域を有する。即ち、長鎖多糖(O抗原)、コア区域及びリピドA区域である。全体のリポ多糖分子並びにその個々の構成成分は上述の毒性効果を所有する。これらの毒性効果の大半は、しかしながら、リピドA部分に起因すると信ぜられる。構造的に、リピドAは長鎖脂肪酸によりアシル化された2リン酸化された2糖類から構成される。
【0006】
エンドトキシン関連の疾病に対する療法は一般に炎症性反応を制御することに向けられてきた。かかる療法はコルチコステロイド治療を含み、エンドトキシン媒介細胞膜損傷を改善し、ある種の生物学的媒介物の生産を減少することが示唆されている。又、細菌性LPSを中和するために設計された抗生物質の投与;低血圧症を抑圧するための剤又は敗血症症候群と組み合う低血圧効果を明らかに閉塞するナロキソンによる治療;及びシクロオキシゲナーゼを遮断し、それによりプロスタグランジン及びトロンボキサン(thromboxane)の如きある種の2次的媒介物(mediators)の生産を減少することを目的とする非ステロイド抗炎症薬による治療を含む。
【0007】
しかしながら、これらの今日までの治療法はどれも敗血症及び敗血症症候群から結果する罹患率及び死亡率における顕著な減少を生じなかった。かくしてこの疾患を積極的に治療するための剤に対する長く望まれた要求が存在する。
【0008】
Christ等の「抗エンドトキシン化合物」U.S.S.N. 07/935,050, 1992年8月25日出願は、その内容が引用によってここに包含されるが、以下に示すB531の如きある種の2糖類化合物をエンドトキセミアの治療に有用なものとして開示している。
【0009】
【化48】

【0010】
ある種のリポ2糖類を開示する他の参照文献はMacher等英国特許2,179,945,Meyers等英国特許2,220,211,Shiba等ヨーロッパ特許172,581,Anderson等米国特許4,495,346及びShiba等米国特許5,066,794を包含する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は新規なリポ糖類同族体を用いる敗血症、敗血症ショック、エンドトキセミア及び関連する疾患の治療に対し向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の化合物は増大された薬理学的選択性、有効性、及び特に増大せる作用の持続性の如き医薬的使用に対する利点を有している。本発明の代表的化合物である化合物1は以下に示される:
【0013】
【化49】

【0014】
更に本発明は任意のLPS媒介疾患の予防的及び積極的治療に向けられる。これらの疾患はセプシス、敗血症(エンドトキセミアを含むが、これに限定されない)、グラム陰性菌から結果するエンドトキセミア(その随伴する発熱、全身性炎症、伝染された脈管内凝固、低血圧症、急性腎不全、急性呼吸困難症候群、成人呼吸困難症候群(ARDS)、肝細胞破壊及び/又は心機能不全の症状と共に)及び種々の形の敗血症性ショック(エンドトキシンショックを含むが、これに限定されない)を含むが、これらに限定されない。又本発明の化合物はグラム陰性菌を含む種々のタイプの微生物による感染に対する局部的又は全身性の炎症反応及び予防的又は積極的治療及び消化管からのグラム陰性菌又はエンドトキシンのトランスロケーションに関連する疾患において有用であろう。
【0015】
これらの疾患は一緒に全身性炎症反応症候群又はSIRSと名付けられる(これらの用語の議論に対しては、Bone等、Chest 1992; 101:1644-55参照)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明によれば、又ここに用いられる如く、次の用語が、明白に別に述べられないならば、次の意味をもっと定義される。「アルキル」の語は分枝されても又直鎖でもよい脂肪族有機基を意味し、所望によりアルキル鎖に沿う任意の位置で一又はより多くのハロゲン原子で置換され得る。アルキル基は1個の占有されない原子価を有する基、例えば-CH2-CH3及び2個の占有されない原子価を有するアルキレン基、例えば-CH2-CH2-の両方の基を含む。当業者に明白である様に、1個又は2個の占有されない原子価は化学的に安定な化合物を述べるのに適当なものとして用いられるであろう。
【0017】
ここに用いられる「プロドラッグ」の語は、薬(ドラッグ)よりもより少ない内因性活性を有するが、生物学的システムに対し投与される時、自発的化学反応の結果としてか、又は酵素を触媒とする又は代謝の反応によるか何れかにより「ドラッグ」物質を発生する任意の化合物を指す。アシルエステル類、炭酸塩類、リン酸塩類及びウレタン類の如き種々のプロドラッグが言及されるが、これらはここで例として包含される。説明された基は例示であり、凡てを網羅せず、当業者は他の公知の種類のプロドラッグを調製し得る。式1の化合物のかかるプロドラッグは本発明の範囲内に入る。
【0018】
「医薬的に許容可能な塩」は本発明の化合物と有機又は無機の酸又は塩基との結合から誘導される式1の化合物の塩を包含する。式1の化合物は非イオン化形及び塩形の両者において有用である。実際において塩の形の使用は塩基の形の使用に相当する;両方の形が本発明の範囲内である。
【0019】
「幾何異性体」の語は一般に当業者により理解される如く、「トランス」又は「シス」(又は"entgengen"又は"zusammen")異性体を指す。凡ての幾何異性体は本発明の範囲内である。
【0020】
更に、本発明の化合物は非対称的炭素原子を含んでよく、このため立体異性体、即ち、エナンチオマー及びジアステレオマーの両者として存在し得る。凡ての立体異性体及びそれらの混合物は本発明の範囲内に入ると考えられる。ここに引用される合成例は最も好ましい異性体を提供する。糖部分(moiety)に加えて追加の非対称性炭素が式1の化合物内に存在でき、例えば側鎖中に存在し得る。この場合において結果として生ずるジアステレオマーの凡ては本発明の範囲内に入ると考えられる。
【0021】
一つの観点において本発明は一般式1の化合物からなる置換されたリポ糖類の新規な使用に関する。
【0022】
【化50】

【0023】
ここでR1は次のものからなる群から選択される。
【0024】
【化51】

【0025】
ここで各J,K及びQは独立に直鎖又は分岐のC1乃至C15アルキル;LはO,NH又はCH2;MはO又はNH;そしてGはNH,O,S,SO又はSO2であり;R2は直鎖又は分岐のC5乃至C15アルキル;
3は次のものからなる群から選択される。
【0026】
直鎖又は分岐のC5乃至C15アルキル,
【0027】
【化52】

【0028】
ここでEはNH,O,S,SO又はSO2であり;各A,B及びDは独立に直鎖又は分岐のC1乃至C15アルキル;
4は直鎖又は分岐のC4乃至C20アルキル、及び
【0029】
【化53】

【0030】
から選ばれ、
ここで各U及びVは独立に、直鎖又は分岐のC2乃至C15アルキルであり、又Wは水素又は直鎖又は分岐のC1乃至C5アルキルであり;
AはR5又はR5−O−CH2−であり、R5は水素、J',−J'−OH,−J'−O−K',−J'−O−K'−OH及び−J'−O−PO(OH)2からなる群から選ばれ、ここで各J'及びK'は独立に直鎖又は分岐のC1乃至C5アルキルであり;
6はヒドロキシ、ハロゲン、C1乃至C5アルコキシ及びC1乃至C5アシロキシからなる群から選ばれ;
1及びA2は独立に次のものからなる群から選択される
【0031】
【化54】

【0032】
ここでZは直鎖又は分岐のC1乃至C10アルキル;
及びそれらの医薬的に許容され得る塩である。
【0033】
上式の実施態様は以下のもの又は以下のものの組み合わせを含む。
【0034】
2はC8乃至C15の直鎖又は分岐アルキル;
2はC9乃至C12の直鎖又は分岐アルキル;
2はC10直鎖又は分岐アルキル;
1及びA2は、独立に、OH又は−O−PO(OH)2
6はヒドロキシ;
5はC1乃至C5の直鎖又は分岐アルキル;
1は次のものからなる群から選択される
【0035】
【化55】

【0036】
ここで各J,K及びQは独立に直鎖又は分岐のC1乃至C15アルキル;R3は次のものからなる群から選択される。
【0037】
【化56】

【0038】
ここで各A,B及びDは独立に直鎖又は分岐C1乃至C15アルキル;
3の二重結合はシス又はツーザンメン;
3の二重結合はトランス又はエントゲーゲン;
4は直鎖又は分岐のC4乃至C20アルキル及び
【0039】
【化57】

【0040】
からなる群から選択され、
ここでUは直鎖又は分岐のC2乃至C5アルキル、Vは直鎖又は分岐のC5乃至C12アルキル、又Wは水素又は直鎖又は分岐のC1乃至C5アルキル;RAはR5;及びRAはR5−O−CH2−である。
【0041】
他の実施態様においては、各A1及びA2は独立にOH及び−O−PO(OH)2からなる群から選択され;
1は次のものからなる群から選択される
【0042】
【化58】

【0043】
ここで各J,K及びQは独立に直鎖又は分岐のC1乃至C15アルキルであり;
2は直鎖又は分岐のC8乃至C15アルキルであり;
3は次のものからなる群から選択される
【0044】
【化59】

【0045】
ここで各A,B及びDは独立に直鎖又は分岐C1乃至C15アルキルであり;
4
【0046】
【化60】

【0047】
である。
【0048】
ここでUは直鎖又は分岐のC2乃至C5アルキルであり、Vは直鎖又は分岐のC5乃至C12アルキルであり、又Wは水素又は直鎖又は分岐のC1乃至C5アルキルであり;
又R5は直鎖又は分岐のC1乃至C5アルキルであり;そして
6はヒドロキシである。
【0049】
他の実施態様において、A1及びA2は−O−PO(OH)2であり;
1は次のものから成る群から選択される
【0050】
【化61】

【0051】
ここで各J及びQは独立に直鎖又は分岐のC1乃至C5アルキルであり、又Kは直鎖又は分岐のC8乃至C15アルキルであり;
2は直鎖又は分岐のC8乃至C15アルキルであり;
3
【0052】
【化62】

【0053】
であり、ここでAは直鎖又は分岐のC5乃至C12アルキルであり、又Bは直鎖又は分岐のC6乃至C12アルキルであり、
4
【0054】
【化63】

【0055】
であり、ここでUは直鎖又は分岐のC2乃至C5アルキルであり、Vは直鎖又は分岐のC5乃至C12アルキルであり、又Wは水素又は直鎖又は分岐のC1乃至C5アルキルであり;そして
5は直鎖又は分岐のC1乃至C5アルキルであり、そして
6はヒドロキシである。
【0056】
他の実施態様において、A1及びA2は−O−PO(OH)2であり;
1は次のものから成る群から選択され
【0057】
【化64】

【0058】
ここで各J及びQは独立に直鎖又は分岐のC1乃至C3アルキルであり、又Kは直鎖又は分岐のC10乃至C12アルキルであり;
2は直鎖又は分岐のC9乃至C12アルキルであり;
3
【0059】
【化65】

【0060】
であり、ここでAは直鎖又は分岐のC8乃至C12アルキルであり、Bは直鎖又は分岐のC6乃至C10アルキルであり、
4
【0061】
【化66】

【0062】
であり、ここでUは直鎖又は分岐のC2乃至C4アルキルであり、Vは直鎖又は分岐のC5乃至C10アルキルであり、又Wは水素又は直鎖又は分岐のC1乃至C3アルキルであり;そして
5は直鎖又は分岐のC1乃至C3アルキルであり、そして
6はヒドロキシである。
【0063】
他の実施態様において、A1及びA2は−O−PO(OH)2であり;
1
【0064】
【化67】

【0065】
2は(CH2)9CH3であり;
3
【0066】
【化68】

【0067】
4
【0068】
【化69】

【0069】
5は−CH3であり;
6はヒドロキシである。
【0070】
又本発明の範囲内にはR1及びR3がスルホニルである化合物、即ちこれらの側鎖上のカルボニルがSO2で置換される化合物がある。これらの化合物は適当に置換されたアルコール性糖を適当なアルキルスルホニルクロリドで処理することにより調製され得る。かくしてR1及びR3は上に定義される如きA,B,D,E,J,K,L,Q及びMをもつ次のものから選択され得る:
【0071】
【化70】

【0072】
更に本発明の範囲内にはR3側鎖内の不飽和点が二重又は三重の炭素−炭素結合ではなくて、所望に応じ置換された芳香族基である化合物、即ちR3が次の構造を有し得る化合物がある:
【0073】
【化71】

【0074】
ここでEはNH,O,S,SO又はSO2であり;各Aは直鎖又は分岐のC1乃至C15アルキレンであり;Dは直鎖又は分岐のC1乃至C15アルキルであり;FはH,−OT,NT12,−CO2T又はフェニルであり、ここでT,T1及びT2の各々は独立に水素又はC1乃至C5アルキルから選択され;Bは直鎖又は分岐のC1乃至C15アルキルであり;
一般に好ましいものは次の化合物であり、ここで:
1
【0075】
【化72】

【0076】
からなる群から選択され:
ここで各J,K及びQは独立に直鎖又は分岐のC1乃至C15アルキルであり;
2は直鎖又は分岐のC8乃至C12アルキルであり;
3
【0077】
【化73】

【0078】
からなる群から選択され:
ここで各A,B及びDは独立に直鎖又は分岐のC1乃至C15アルキルであり;
4
【0079】
【化74】

【0080】
であり、ここでUは直鎖又は分岐のC2乃至C5アルキルであり、Vは直鎖又は分岐のC4乃至C10アルキルであり、又Wは水素又は直鎖又は分岐のC1乃至C5アルキルであり;
5は水素、−J'及び−J'OHからなる群から選択され、ここでJ'はC1乃至C5の直鎖又は分岐のアルキルであり、
6はヒドロキシ、ハロゲン及びC1乃至C5アシロキシからなる群から選択され;
各A1及びA2は独立にOH及び
【0081】
【化75】

【0082】
からなる群から選択され、
及びそれらの医薬的に受容可能な塩である。
【0083】
最も好ましいものは式1の化合物において次のものである:
1
【0084】
【化76】

【0085】
からなる群から選択され:
ここでJは直鎖又は分岐のC1乃至C5アルキルであり、又Kは直鎖又は分岐のC9乃至C14アルキルであり;
2は直鎖又は分岐のC8乃至C12アルキルであり;
3
【0086】
【化77】

【0087】
であり、ここでAは直鎖又は分岐のC6乃至C12アルキルであり、又Bは直鎖又は分岐のC4乃至C8アルキルであり;
4
【0088】
【化78】

【0089】
であり、ここでUは直鎖又は分岐のC2乃至C4アルキルであり、Vは直鎖又は分岐のC5乃至C9アルキルであり、又Wは水素又は直鎖又は分岐のC1乃至C3アルキルであり;
5はC1乃至C3直鎖又は分岐のアルキルであり;
6はヒドロキシであり;
1及びA2
【0090】
【化79】

【0091】
であり、
及びそれらの医薬的に受容可能な塩である。
一般的合成方法
本発明は又式1の化合物を調製するための方法にも向けられている。ここに開示されるのは本発明のさまざまに置換された化合物を調製するための一般的合成ルートである。本発明の化合物、化合物1に対する合成が下記に示される。
【0092】
試薬及び出発物質の大半は当業者によく知られている。この調製のためのある種の試薬及び出発物質は詳細にChrist他の米国出願07/935,050中に述べられており、これは米国特許第5,530,113として発行されるであろうが、この開示がここに引用により包含される。
【0093】
本発明の化合物の一つの合成は下記に略述される。この例は化合物1の調製を述べるけれども、代わりの出発物質の使用は本発明の他の同族体を生成させるであろう。かくして合成は実際その性質が一般的である。
【0094】
例えば合成ステップ22における代わりのアルキル化剤の使用はR1において構造的に異なる置換基をもつ同族体を提供するであろう。
【0095】
R2における置換パターンはステップ15における適当なアルキル化剤の使用により制御される。
【0096】
更に合成中のステップ25における適当な代わりの化合物の置換はR3に関して異なる同族体を製造するであろう。
【0097】
Aに酸素化された側鎖のない同族体は当業者によく知られる様に下記に示す合成スキームにおける僅かな変動を用いることにより調製され得る。RAがメチルである化合物に対しては、例えば、合成ステップ8における生成物、トシレートはフィンクルスタイン(Finklestein)反応において沃素により置換されたこの残存基を有し得る。沃素化合物はRAにおいてメチル基を与えるため亜鉛金属による処理により脱ハロゲン化され得る。
【0098】
R4側鎖の代表的合成は下記に略述される。この側鎖の変形の調製は出発物質を他の適当な出発物質で置き換えることにより達成され得る。例えばこの側鎖の長さ又は分枝は適当な出発物質で出発することにより調製され得る。かくしてステップ6における代わりのトシレートの使用はR4における変形を製造するであろう。
【0099】
【化80】

【0100】
かくして下記に簡単に略述される合成は本発明の化合物への融通のきく通路を提供する。(合成に関する詳細に対しては、以下の実験例参照)。
【0101】
【化81】

【0102】
出願人は上記ルート、ルート1がより安い出発物質の使用、高い収量及びより少ない毒性の化学剤の使用の如き種々の因子により本発明の化合物を調製する優れた方法であると信ずるが、下記に示すルート、ルート2は本発明の化合物を調製するために使用され得る。
【0103】
試薬及び出発物質の大半は当業者によく知られている。この調製のためのある種の試薬及び出発物質は詳細にChrist等により米国出願07/935,050中に述べられており、その開示はここに引用によって包含される。この例は化合物1の調製を述べるけれども、代わりの出発物質の使用は本発明の他の同族体を生ずるであろう。かくして合成は実にその性質において一般的である。
【0104】
例えば中間体Uの調製における代わりのアルキル化剤の使用は、R1において構造的に異なる置換基をもつ同族体を提供するであろう。
【0105】
R2における置換パターンは中間体Oの調製における適当なアルキル化剤の使用により制御される。
【0106】
更に中間体Gの調製における中間体Eに対する適当な代わりの化合物の置換はR3に関して異なる同族体を製造するであろう。
【0107】
R4側鎖の代表的合成が下記に略述される。この側鎖の変形の調製は出発物質を他の適当な出発物質で置換することにより達成され得る。例えば、この側鎖の長さ又は分枝は適当な出発物質で出発することにより調製され得る。(合成に関する詳細に対しては下記の実験例参照)。
【0108】
【化82】

【0109】
「左の」部分の代表的調製は下記に略述される。
【0110】
【化83】

【0111】
【化84】

【0112】
化合物1の「右」部分の代表的合成は下記に示される。
【0113】
【化85】

【0114】
分子のこれら二つの「半部」は次で下記に略述される如く連結され、そして更に化合物1を与える様仕上げられる。
【0115】
【化86】

【0116】
【化87】

【0117】
製剤(FORMULATIONS)
リピドA同族体は標的細胞のLPS活性化の適当な阻害を提供する投薬量で投与される;一般にこれらの投薬量は、好ましくは、 0.01−50mgの間/患者、より好ましくは0.05−25mgの間/患者であり、最も好ましくは1−12mgの間/患者である。最も好ましくは、投薬量は連続注入(infusion)として3日に亘り投与される。
【0118】
ここに用いられる非経口の語は種々の注入テクニックをもつ皮下、静脈内、筋肉内及び動脈内注射を含む。ここに用いられる動脈内及び静脈内注射はカテーテルを通しての投与を含む。ある適応症に対して好ましいのは、治療される組織又は器官に対する急速な接近を許容する投与方法であり、エンドトキセミアの治療のための静脈注射の如きである。
【0119】
活性成分を含む医薬組成物は意図する投与方法に対して適当な任意の形状であり得る。
【0120】
発明の水性懸濁液は水性懸濁液の生産に対し適当な賦形剤と混合した活性物質を含む。かかる賦形剤はカルボキシメチルセルロースナトリウム塩、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガム及びアカシアゴムの如き懸濁剤及び天然産のホスファチド(例えばレシチン)、アルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物(例えばポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドの長鎖脂肪アルコールとの縮合生成物(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドの脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)の如き分散又は湿潤剤を含む。水性懸濁液は又n−プロピルp−ヒドロキシベンゾエートのエチルの如き一又はより多くの保存剤を含み得る。
【0121】
発明の医薬組成物は好ましくは無菌の注射可能な水性又は油性の懸濁液の如き無菌の注射可能な製剤の形である。この懸濁液は上記に述べられたそれらの適当な分散又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて公知のやり方で製剤化され得る。無菌の注射可能な製剤は又無毒な非経口的に受容可能な希釈剤又は溶剤、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液又は親油化粉末として調製された無菌の注射可能な溶液又は懸濁液であり得る。使用され得る受容可能なビヒクル及び溶剤の中には水、リンガー(Ringer's)溶液及び等張性(isotonic)の塩化ナトリウム溶液がある。加うるに、無菌の固定オイルが溶剤又は懸濁媒体として適宜に使用され得る。この目的に対しては任意の無菌性固定オイルが使用され得て、合成モノ又はジグリセリドを含む。加うるに、オレイン酸の如き脂肪酸が同様に注射可能物の調製に使用され得る。
【0122】
非経口投与に対して適当な製剤は水性及び非水性の等張性無菌注射溶液を包含し、これは抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬及び構成体を意図された受容体の血液と等張性にする溶質を含み得る;そして水性及び非水性無菌懸濁液を包含し、これは懸濁剤及び濃化剤を含み得る。製剤は単位投与量又は多投与量をシールした容器、例えばアンプル及びバイアルの形で提出され得、又凍結乾燥(親油化)された状態で貯蔵され得て、これは使用の直前に無菌の液体担体、例えば注射用水の添加のみを必要とする。即時調合注射溶液及び懸濁液は既述の種類の無菌の粉末から調製され得る。
【0123】
併しながら任意の特定の患者に対する特定の投与量レベルは使用される特定の化合物の活性;治療される個人の年令、体重、一般的健康及び性;投与の時間及びルート;排泄の割合;以前に投与された他の薬;及び治療を受けている特定の疾病の厳しさを含む種々の因子に依存するであろうことが理解されるであろう。
【0124】

発明の方法の使用の例は以下のものを包含する。本発明の化合物及びそれらの調製は更にこれらの化合物が調製され又は使用されるプロセスのあるものを示す例により理解され得る。これらの例は発明を特に限定するものとして解釈さるべきでなく、今知られ又は後に発展される発明の変形は以下に請求される本発明の範囲内に入るものと考慮される。
【0125】
本発明の化合物は下記の表による化合物番号により言及される。
【0126】
【化88】

【0127】
【表1】

【0128】
【化89】

【0129】
【表2】

【0130】
化学的例
別にことわらなければ、凡ての反応は不活性雰囲気下で実施された。中間体及び最終生成物はそれらの提案された構造と調和するスペクトル分析(例えば、核磁気共鳴スペクトロスコピー及び/又は質量スペクトロスコピー)を与えた。反応はシリカゲル薄層クロマトグラフィーによりモニターされた。別にことわらなければ、調製(preparative)クロマトグラフィーはシリカゲル上で実行された。
【0131】
ルート1による化合物1の調製
凡ての敏感な反応は別にことわらない限り、窒素下に且つ乾いた機器内で、無水硫酸ナトリウムを乾燥剤として用いて行われた。凡ての生成物は満足な核磁気共鳴スペクトルを与えた。
【0132】
【化90】

【0133】
物質(5kg)がシリカ上でクロマトグラフされ、ヘキサン及びEtOAcのグラジェント(100%対33%ヘキサン)で溶出された。純粋なフラクションが結合され且つ蒸留された(0.15mmHgにおいて97−100℃)。精製された物質の収量4.513g。
【0134】
【化91】

【0135】
THF 12.6L中のエステル(4500g、22.2モル)の氷冷溶液に対し、水の10.8L中の水酸化ナトリウム(27モル)が添加された。混合物は短く撹拌され、濃塩酸2.5Lが添加された。層が分離され、水性層がEtOAcで再抽出された。結合された有機層が塩水で洗滌され、硫酸ナトリウム上で乾燥され且つ濃縮された。生成物はゆっくり結晶化し、白色粉末2983gを与えた。
【0136】
【化92】

【0137】
アセトニトリル33L中の酸(15.8モル)の溶液に対し、ジシクロヘキシルアミン(16.7モル)が添加された。溶液は60℃に加熱され、一晩放置冷却された。結晶が集められ、溶剤で2度洗滌され、アセトニトリルから再結晶された。先にメタノールで洗滌されたアンバーライトIRー120PLUS(12kg)のEtOAc(24L)及び水(24L)中の懸濁液に対し、上記塩が添加された。混合物は数時間撹拌され、有機層が分離した。水性層はEtOAc(12L)で再抽出され、結合された有機層は乾燥され(硫酸ナトリウム)且つ濃縮されて白色固体の2.997gを与えた。
【0138】
【化93】

【0139】
水素化リチウムアルミニウムのTHF中の熱(〜67℃)1M溶液(8L)に対し、ゆっくりと酸(1kg)のTHF 4L中の溶液が添加された。溶液は一晩放置冷却された。溶液はゆっくり1M HCl水溶液(5L)に対し添加された。混合物はトルエン(12L)で抽出された。有機層は重炭酸ナトリウム溶液で洗滌され、乾燥され(硫酸ナトリウム)、溶剤は真空下で除去されてシロップを与え、これは103℃で蒸留されて淡黄色の油914gを与えた。
【0140】
【化94】

【0141】
ピリジン(3L)中のジオール(913.8g)の0℃溶液に対し、トリエチルアミン3Lが添加され、次いでピリジン(1.5L)中の塩化トシル(1kg)の溶液及びトリエチルアミン(1.5L)が添加された。混合物は一晩放置暖められ、6M HCl水溶液(16L)及び塩化メチレン(8L)の冷溶液上に注がれた。有機層が分離され、水性層は追加の塩化メチレンで抽出された。結合された有機層は乾燥(硫酸ナトリウム)され、溶液は減圧下で除去された。残渣は二度シリカ上でクロマトグラフされ、ヘキサン:EtOAc(9:1乃至1:6)のグラジェントで溶出されてトシレート642gを与えた。
【0142】
【化95】

【0143】
DMF 1.15L及びTHF 1.1L中の60%水素化ナトリウム油分散(8.68モル)の懸濁液に対し、ゆっくりとDMF 1.15L及びTHF1.1L中のトシレート(1.139kg)及び沃化メチル(7.7kg)が添加された。混合物は一晩撹拌され、次いでDMF(3L)で希釈され、そしてゆっくりと塩化アンモニウムの飽和水溶液に対し添加された。混合物はヘキサン(8L)で抽出され、それは乾燥され(硫酸ナトリウム)そして溶剤が除去されてオレンジ/ブラウンの油を与えた。油はシリカ上でクロマトグラフされ、そしてグラジェント(ヘキサン:EtOAc 100:0乃至6:1)で溶出されて、淡黄色油940gを与えた。
【0144】
【化96】

【0145】
メタノール5L中のアミノ糖(1019g)の懸濁液に対しMeOH中のNaOMeの25%溶液(1080mL,5モル)が添加され、次いでエチルトリフルオロアセテート610mLが続いた。混合物は一晩撹拌され、溶剤は減圧下に除去され、残渣はイソプロパノールでTITURATEされた。混合物は一晩撹拌され、残渣は追加のイソプロパノールで洗滌され、生成物1369gを与えた。
【0146】
【化97】

【0147】
ヒドロキシ糖(1300g)のピリジン(4L)中の懸濁液に対し、ジメチルアンモニウムピリジン(79g)、続いて無水酢酸(2713mL)が添加された。混合物は一晩撹拌された。溶剤は減圧下に除去された。トルエン(5×500mL)が添加され、又減圧下に除去されて固体を与え、これはシリカ上でクロマトグラフされた。ヘキサン:EtOAc(1:1)での溶出は白色固体1479gを与えた。
【0148】
【化98】

【0149】
アセチル化糖(1479g)の塩化メチレン8L中の溶液に対してアリル(allyl)アルコール(764mL)が添加され、次いで4塩化錫(976mL)がゆっくり添加された。混合物は一晩撹拌され、氷冷水(7.5L)上にゆっくり注がれた。有機層が分離され、水性層は追加の塩化メチレンで洗滌された。一緒にされた有機層は重炭酸ナトリウム水溶液で洗滌され、乾燥され、減圧下で乾燥された。残渣はシリガ(7.5kg)上でクロマトグラフされ、ヘキサン:EtOAcグラジェント(4:1乃至1:1)で溶出されて、薄黄色の油1327gを与えた。
【0150】
【化99】

【0151】
保護された糖(1322g)のメタノール8.5L中の氷冷溶液に対しメタノール(437mL)中のNaOAcの25%溶液が1時間添加された。これに対しアンバーライトIR-120 Plus樹脂の先に洗滌された1740gが添加された。混合物は濾過され、濃縮され、且つ残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。メタノールでの溶出は生成物907gを与えた。
【0152】
【化100】

【0153】
トリオールがアセトン(7.5L)中に懸濁され、樟脳スルホン酸(85g)が添加され、次いで2,2−ジメトキシプロパン(965mL)がゆっくり添加された。混合物が一晩撹拌され、続いてトリエチルアミン(51mL)が添加された。溶剤が減圧下に除去されて褐色固体を与え、これはシリカ上でクロマトグラフされた。ヘキサン:EtOAcグラジェント(3:1乃至2:1)での溶出はセミ白色のガム842gを与えた。
【0154】
【化101】

【0155】
THF 2.2L及びDMF 580mL中の60%水素化ナトリウム分散(82g)の懸濁液に対し、トシレート(351g)及びTHF 1360mL及びDMF 360mLの混合物中の遊離(free)アルコール(400g)の溶液が添加された。混合物は一晩撹拌された。混合物は氷中で冷却され、メタノールが添加され、次いで水(2L)が添加された。混合物はEtOAcで3回抽出された。一緒にされた有機層は乾燥され、濃縮された。得られた混合物はシリカ上でクロマトグラフされた。ヘキサン:EtOAc(19:1乃至1:1)によるグラジェント溶出は711gを与えた。
【0156】
【化102】

【0157】
テフロンボトル中のアセトニトリル1500mL中の48%弗化水素酸水溶液の混合物に対し、出発物質(613g)のアセトニトリル750mL及び塩化メチレン750mL中の溶液が添加された。混合物は1時間撹拌され、水8L上に注がれた。混合物は塩化メチレン(4×2L)で抽出された。一緒にされた有機層は上記重炭酸ナトリウム水溶液で洗滌され、乾燥され、そして減圧下で濃縮された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。塩化メチレン:メタノール(39:1乃至9:1)でのグラジェント溶出は生成物519gを与えた。
【0158】
【化103】

【0159】
ジオール(577g)のピリジン(5L)中の溶液に対し塩化トシル(339g)及びN,N−ジメチルアミノピリジン(14.5g)が添加された。混合物は室温で2日撹拌され、次いで冷1M塩酸水溶液14L上に注がれた。混合物は塩化メチレンで抽出された(2×5L)。一緒にされた有機層は乾燥、濃縮された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされ、グラジェント溶出(ヘキサン:EtOAc,6:1乃至1:1)は黄色シロップ632gを与え、これは放置するとゆっくり結晶化した。
【0160】
【化104】

【0161】
メタノール(1825mL)中DMF(1365mL)中の25%ナトリウムメトキシドの85℃溶液に対しDMF(1365mL)中のトシレート(714g)が1.25時間に亘り添加された。混合物は30分撹拌され、4℃に冷却され、1M塩酸水溶液及び氷4.6kgの混合物上に注がれた。混合物は30分間撹拌され、濾過された。濾液は水2Lで洗滌され、一緒にされた水性層はEtOAc 2×4Lで抽出された。一緒にされた有機層は乾燥され、濃縮された。残渣はシリカ上のクロマトグラフにより精製された。グラジェント溶出(ヘキサン:酢酸エチル 3:1乃至1:1)は薄黄乃至白色固体549gを与えた。
【0162】
【化105】

【0163】
この反応はアルゴン下で行われた。DMSO 440mL中のカリウムt−ブトキシド(139g)の溶液に対し、糖(247g)の無水DMSO中の溶液が添加された。混合物は85℃に1.5時間で加熱され、次いで水250mLが添加され、混合物は85℃において一晩加熱され、氷冷中で冷却された。混合物は塩水(ブライン)3.5L上に注がれ、混合物は塩化メチレン3×750mLで抽出された。一緒にされた有機層は乾燥され、濃縮されて褐色の油560gを生じた。
【0164】
【化106】

【0165】
遊離アミン(199g)、THF 780mL及び重炭酸ナトリウム飽和水溶液390mLの混合物に対しTroc-Cl(157g)が添加された。1/2時間後、混合物はゆっくり40%メチルアミン水溶液500mL及び水3Lの溶液上に注がれた。混合物は塩化メチレン2×1750mLで抽出された。一緒にされた有機層は乾燥され濃縮された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。ヘキサン:EtOAc(5:1乃至1:1)によるグラジェント溶出は黄乃至灰白色固体287gの定量的収量を与えた。
【0166】
【化107】

【0167】
ヒドロキシ糖の塩化メチレン2L中の溶液に対しテトラゾール(155.6g)が添加され、続いてジアリルジイソプロピルホスホールアミダイト(diallyldiisopropylphosphoramidite)(182mL)が添加された。1/2時間後、混合物はOxone≡(カリウムパーオキシモノサルフェート)(455.6g)、水(1.25L)及びTHF(2.5L)の氷冷混合物上に注がれた。15分後、この混合物は冷10%チオ硫酸ナトリウム水溶液上に注がれた。15分後、混合物は塩化メチレン2Lで抽出された。有機層が分離され、水溶液層は塩化メチレンで再抽出され、一緒にされた有機層は乾燥され、溶剤は真空下で除去された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。ヘキサン/酢酸エチル(6:1乃至2:1)でのグラジェント溶出は薄黄色シロップの205.7gを与えた。
【0168】
【化108】

【0169】
テフロン容器内の48%弗化水素酸水溶液400mLのアセトニトリル 1.2L中の溶液に対し、糖138.8gの塩化メチレン500mL中の溶液が添加された。混合物は一晩撹拌され、水3Lで希釈され、そして塩化メチレン2.4Lで抽出された。有機層は重炭酸ナトリウム水溶液で洗滌され、乾燥され、そして溶剤は減圧下で除去された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。グラジェント溶出(ヘキサン:酢酸エチル2:1乃至1:1)に続いて塩化メチレン:メタノール(19:1乃至9:1)のグラジェントでの溶出は、ワックス状ガムとして129.2gを与えた。
【0170】
【化109】

【0171】
1−デカノール450gのトリエチルアミン685mL及び塩化メチレン1125mL中の氷冷溶液に対し、塩化メシル(mesyl)330mLが添加された。氷浴は1/2時間後に除去され、溶剤は減圧下で除去された。残渣に対し1M塩酸水溶液2.5Lが添加された。有機層が一緒にされ、乾燥され、そして溶剤は減圧下に除去された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。1:1ヘキサン:酢酸エチルによる溶出は生成物651gを与えた。
【0172】
【化110】

【0173】
60%水素化ナトリウム鉱物油分散のTHF 1L及びDMF 470mL中の懸濁液に対しアルコールのDMF 280mL及びTHF 1L中の溶液が1時間にわたり添加された。メシレート(mesylate)470gが次いで15分にわたり添加された。2日後メタノール400mLが添加され、続いて氷4kg及び水4Lが添加された。この混合物は酢酸エチル2×4Lで抽出された。一緒にされた有機層は乾燥され、そして溶剤は減圧下に除去された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。ヘキサン:EtOAcによるグラジェント溶出(39:1乃至2:1)は618gを与えた。
【0174】
【化111】

【0175】
糖520gの氷酢酸5.2L及び水1.3L中の溶液が一晩撹拌された。それは水7.5L上に注がれ、濾過された。濾液はトルエン(3×500mL)との減圧下の共沸蒸留により乾燥され、458gを与えた。
【0176】
【化112】

【0177】
この反応はアルゴン下で行われた。カリウムt−ブトキシド295gのDMSO 1L中の懸濁液に対し、糖340gのDMSO 1.5L中の溶液が添加された。混合物は85℃へ1 1/4時間で加熱され、3M水酸化カリウム水溶液1.4Lが添加され、混合物は一晩85℃で撹拌された。混合物は室温へ冷却され、塩水3.5L及び水3.5Lの混合物上に注がれた。混合物は3回塩化メチレンで抽出され、溶剤は減圧下で除去された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされ、塩化メチレン:メタノール(19:1乃至4:1)でのグラジェント溶出は生成物740gを与えた。
【0178】
【化113】

【0179】
アミノ糖740gのベンゾフェノンイミン338g中の溶液が45℃で一晩加熱された。混合物はシリカ上でクロマトグラフされ、ヘキサン/酢酸エチル(39:1乃至1/1)のグラジェントで溶出され、薄黄色固体371gを与えた。
【0180】
【化114】

【0181】
ジオール糖366gのDMF 1.3L中の溶液に対しイミダゾール118gが添加され、続いてt−ブチルジメチルシリルクロライド117gが添加された。5分後、混合物は飽和重炭酸ナトリウム水溶液1.4L上に注がれた。混合物は酢酸エチルで3回抽出された。有機層は一緒にされ、溶剤は減圧下に除去され、残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。ヘキサン/酢酸エチル(49:1乃至4:1)のグラジェント溶出はシロップ446gを与えた。
【0182】
【化115】

【0183】
アルコール437gのトルエン3L中の溶液に対し、ピリジン225mLが添加され、溶液は氷浴中で冷却された。ホスゲンのトルエン中 1.9M溶液531mLが添加され、溶液は10分間撹拌された。アリルアルコール469mLが添加された。40分後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液 2.3Lが添加され、混合物は酢酸エチルで抽出された。有機層は分離され、乾燥され、そして溶剤は減圧下で除去された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。ヘキサン/酢酸エチル(49:1乃至4:1)でのグラジェント溶出は黄色シロップ441gを与えた。
【0184】
【化116】

【0185】
糖431gのTHF 200mL中の溶液に対し、氷酢酸330mL及び水 110mLが添加された。混合物は3時間撹拌され、氷中で冷却され、1M水酸化ナトリウム水溶液6.6Lが添加された。混合物は塩化メチレン2×2Lで抽出された。一緒にされた有機層は乾燥され、溶剤は減圧下で除去された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。塩化メチレン/メタノール(19:1乃至4:1)はアミン309gをシロップとして与えた。
【0186】
【化117】

【0187】
アミノ糖309gの塩化メチレン3L中の氷冷溶液に対し、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカーボジイミド塩酸塩(EDC)435gが添加され、続いて10分でカルボン酸275gが添加された。10分後混合物は飽和重炭酸ナトリウム水溶液で抽出された。有機層は分離され、水性層は塩化メチレンで再抽出され、一緒にされた有機層は乾燥され、溶剤は減圧下で除去された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。グラジェント溶出(ヘキサン/酢酸エチル 19:1乃至3:1)は薄黄色シロップ338gを与えた。
【0188】
【化118】

【0189】
48%弗化水素酸11mLのアセトニトリル293mL中の溶液に対し、シリカゲル4.6gが添加され、続いて糖146.7gの塩化メチレン147mL中の溶液が添加された。1時間半後混合物は水975mLで稀釈され、塩化メチレンで抽出された。有機層は分離され、水性層は塩化メチレンで再抽出された。一緒にされた有機層は重炭酸ナトリウム水溶液で洗滌され、乾燥され、そして溶剤は減圧下に除去された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。グラジェント溶出(ヘキサン:酢酸エチル 5:1乃至0:1)は灰白色ワックス状固体の110.4gを与えた。
【0190】
【化119】

【0191】
糖129gのトリクロロアセトニトリル500g中の溶液に対し炭酸カリウム240gが添加された。混合物は1時間半撹拌され、珪藻土を通して濾過された。濾過ケーキは塩化メチレンで洗滌され、濾液は一緒にされ、溶剤は減圧下で除去された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。グラジェント溶出(ヘキサン:酢酸エチル 1:1乃至0:1)は黄色ガム145.7gを与えた。
【0192】
【化120】

【0193】
左方の糖145.7g及び右方の糖109.2gがトルエン(3×200mL)を蒸発することにより共沸的に乾燥された。2つの糖の塩化メチレン750mL中の溶液が銀トリフレート(triflate)62.7gの塩化メチレン 130mL中の氷冷溶液に対し添加された。混合物は室温まで暖められ、一晩撹拌された。混合物は飽和重炭酸ナトリウム及びチオ硫酸ナトリウム水溶液上に注がれた。有機層は分離され、水性層は塩化メチレンで洗滌された。一緒にされた有機層は乾燥され、溶剤は減圧下に除去された。残渣はシリカ上で2回クロマトグラフされた。ヘキサン:酢酸エチル(5:1乃至1:1)でのグラジェント溶出は粘着性フォームの189.56gを与えた。
【0194】
【化121】

【0195】
二糖188.7gのTHF 590mL中の溶液に対し亜鉛末457.6gが添加され、続いて氷酢酸395mLが添加された。1時間半後、混合物は珪藻土を通して濾過され、濾過ケーキはTHFで洗滌された。有機層は一緒にされ、溶剤は減圧下に除去された。残渣は残渣から蒸留されたベンゼン(4×250mL)により共沸的に乾燥され、ピンクのガム 223.1gを与えた。
【0196】
【化122】

【0197】
糖223.1gのTHF 1.3L中の溶液に対し、重炭酸ナトリウム37.5gの水250mL中の溶液が添加された。シス−11−オクタデセノイルクロライド67.4gが添加された。10分後混合物は酢酸エチルで二度抽出された。一緒にされた有機層は乾燥され、溶剤は減圧下に除去された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。ヘキサン:酢酸エチル(2:1乃至0:1)でのグラジェント溶出は薄黄色のワックス160.2gを与えた。
【0198】
【化123】

【0199】
テフロンボトル中の糖161.3gの塩化メチレン215mL中の溶液が48%弗化水素酸150mLのアセトニトリル474mL中の溶液に対し添加された。4時間後、混合物は水500mL上に注がれた。混合物は塩化メチレンで2度抽出された。一緒にされた有機層は飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗滌、乾燥され、溶剤は減圧下に除去された。残渣はシリカ上でクロマトグラフされた。グラジェント溶出(塩化メチレン:酢酸エチル:メタノール 500:500:20乃至500:500:160)は黄色ワックス状ガムを与えた。
【0200】
【化124】

【0201】
糖719mgが塩化メチレンに溶解され、硫酸ナトリウム(1.4g)が添加された。ジアリルジイソプロピルホスフォールアミダイト(189μL)及びテトラゾール(162mg)が添加され、混合物は10分間撹拌され、次いで−78℃へ冷却された。m−クロロ過安息香酸(192mg)の塩化メチレン(4mL)中の溶液が滴下された。混合物はチオ硫酸ナトリウム水溶液及び重炭酸ナトリウム水溶液で洗滌され、乾燥され(硫酸ナトリウム)、溶剤は減圧下で除去された。残渣はクロマトグラフされ660mgを与えた。
【0202】
【化125】

【0203】
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(166mg)のテトラヒドロフラン:酢酸(10:1)混合物2mL中の溶液に対し中間体Z(660mg)の同じ溶剤混合物3mL中の溶液が添加された。 30分後追加のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が添加された。追加の1 1/2時間後、トルエンが添加され、溶剤は減圧下に除去された。混合物はジエチルアミノエチルセルロース上のクロマトグラフィーにより精製された。精製された混合物は0.1N水酸化ナトリウム水溶液中に溶解され、0.45μの無菌フィルターを通して濾過され、YMC-Pack ODS-APコラム上のHPLCにより精製されて、化合物1の130mgを与えた。
【0204】
上述の方法によりなされた化合物1に対する分析データが下記に与えられる:
化合物1:1H NMR(CD3OD)δ:5.3(1H,m), 4.6(1,m), 4.0(m,m),
3.9(1H,d), 3.7(1H,t), 3.6(1H,t), 3.4(3H,s), 3.3(3H,t), 2.6 (2H,t), 2.3(2H,m), 2.0(2H,m), 1.7-1.2(m,m), 0.9(6H,t)
31P NMR(CD3OD)δ:4.71, 3.98
ルート2による化合物1の調製
化合物1の調製
例1:中間体B
Christ等のヨーロッパ特許出願92309057.5の方法により調製された中間体A(15g)のCH2Cl2(150ml)及び48%HBF4(29.2g)中の懸濁液が、氷浴により冷却され、これにTMSCHN2(ヘキサン中2M溶液として165mL)が添加された。混合物はTLCにより反応が殆ど完了するまで撹拌され、次いでメタノール(20mL)が添加され、続いて酢酸(10mL)が添加された。重炭酸ナトリウム水溶液が添加され、混合物は塩化メチレンで抽出された。混合物は乾燥され(硫酸ナトリウム)、溶剤は塩化メチレンで除去された。残渣のクロマトグラフィーはB,14.9gを与えた。
例2:中間体C
B(14.9g)の塩化メチレン(100mL)中の冷(0℃)溶液に対しゆっくりとジイソブチルアルミニウムクロライド(ヘキサン中1M溶液として140mL)が反応の完了がTLCで決定されるまでゆっくり添加された。反応は1N塩酸(100mL)水溶液の添加によりクエンチされ、続いて濃塩酸(50mL)が添加された。層が放置分離され、水性層はCH2Cl2で再抽出された。一緒にされた有機層は次いで塩水で洗滌され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、減圧下に濃縮された。シリカクロマトグラフィーによる精製後、中間体Cの12.06gが得られた。
例3:中間体D
C(10.64g)の塩化メチレン(40mL)中の溶液に対してトリエチルアミン(15.75mL)、p−トルエンスルホニルクロライド(11.86g)及びジメチルアミノピリジン(690mg)が添加された。得られた懸濁液は反応完了がTLCにより決定されるまで撹拌され、次いで水によりクエンチされ、塩化メチレン抽出が行われた。シリカクロマトグラフィーによる精製後、Dの18.7gが得られた。
例4:中間体E
D(18.7g)のアセトン200mL中の溶液に対し沃化ナトリウム(24.6g)が添加された。混合物は1 1/2時間還流加熱され、溶剤が減圧下で除去され、残渣は水及びヘキサン間で分別された。有機層が分離され、乾燥され(硫酸ナトリウム)、溶剤が除去された。クロマトグラフィー(シリカ)はE 15.5gを無色液体として与えた。
例5:中間体F
この化合物はChrist等、ヨーロッパ特許出願92309057.5の方法により調製された。
例6:中間体G
中間体F 18.6g及び中間体E 15.4gのヘキサン中の溶液に対し酸化銀23.9gが添加され、混合物は一晩還流された。混合物は冷却され、珪藻土を通して濾過され、溶剤は除去され、残渣はクロマトグラフ(シリカ)されて、中間体G(21g)を無色シロップとして与えた。
例7:中間体H
中間体G(21g)の塩化メチレン中の冷(0℃)溶液に対し48%4弗化硼素酸3.5mlが滴下された。5分後、混合物が重炭酸ナトリウム水溶液で、又塩水で洗滌された。混合物は減圧下で濃縮され、且つクロマトグラフ(シリカ)されて中間体H,18.7gを無色シロップとして与えた。
例8:中間体I
中間体H(17.6g)の生の沃化メチル(105mL)中の溶液に対し酸化銀(83g)が添加された。混合物は一夜撹拌され、次いでヘキサンで稀釈され、珪藻土を通して濾過された。混合物は減圧下に濃縮され、残渣は塩化メチレン(40mL)中に溶解された。混合物は0℃に冷却され、それに対しイミダゾール(2.44g)及びt−ブチルジメチルシリルクロライド(4.7mL)が添加された。それは一晩撹拌され、重炭酸ナトリウム溶液150mlが添加された。有機層が乾燥(硫酸ナトリウム)され、クロマトグラフ(シリカ)され、中間体I,10.5gを無色のシロップとして与えた。
例9:中間体J
中間体Iが塩化メチレン100mL中に溶解され、それに対してジアリルジイソプロピルホスホールアミダイト(7.4mL)が添加され、続いてテトラゾール(6.37g)が添加された。混合物は冷却され、20分間撹拌された。メタクロロ過安息香酸(24.2mmol)の塩化メチレン 50mL中の懸濁液が15分に亘り添加され、一方、反応の温度は−60℃以下に保持された。重炭酸ナトリウム溶液が添加され、有機層が分離され、乾燥(硫酸ナトリウム)され、溶剤は減圧下に除去された。クロマトグラフィー(シリカ)は中間体Jの無色シロップ14gを与えた。
例10:中間体K
(Christ等、ヨーロッパ特許出願92309057.5の方法により調製された)ジ(チオフェニル)錫39.5gの塩化メチレン235mL中の懸濁液に対しチオフェノール(12mL)が添加された。この混合物に対しトリエチルアミンが15分に亘って滴下された。この「錫試薬」混合物の一部(150mL)が15分に亘って中間体J(12.9g)の塩化メチレン 25mL中の溶液に対し滴下された。「錫試薬」の残りは30分に亘って反応を完了へと進めるため添加された。混合物は酢酸エチルで稀釈され、1N水酸化ナトリウム水溶液で、そして塩水で洗滌された。有機層は乾燥(硫酸ナトリウム)され、溶剤は除去され、残渣はクロマトグラフされて黄色シロップの中間体K 11.1gを与えた。
例11:中間体L
中間体K(11.1g)及びピリジン(7.1mL)の塩化メチレン80mL中の冷溶液に対しトリクロロエチルクロロフォーメイト(2.9mL)が添加され、混合物は一晩撹拌された。重炭酸ナトリウム水溶液が添加され、有機層が分離され、乾燥(硫酸ナトリウム)され、溶剤が減圧下で除去された。クロマトグラフィーは中間体L,12.96gを淡黄固体として与えた。
例12:中間体M
中間体L,12.96gが塩化メチレン中に溶解された。この混合物に対し弗化水素のアセトン中の6M溶液が添加され、混合物は4時間撹拌された。重炭酸ナトリウム水溶液が分離された有機層に対して添加され、乾燥(硫酸ナトリウム)され、溶剤は減圧下に除去された。クロマトグラフィーはこはく色のシロップ、中間体M 10.9gを与えた。
例13:中間体N
中間体M(9.5g)のトリクロロアセトニトリル50mL中の溶液に対し炭酸カリウム(15g)が添加され、混合物は10分間撹拌された。混合物は珪藻土を通して濾過され、溶剤は減圧下に除去された。クロマトグラフィーは中間体N 14.5gを与え、これは直ちに例19において用いられた。
例14:中間体O
中間体F(160g)のヘキサン(475mL)及びヨードデカン(474mL)中の溶液に対し酸化銀(723g)が添加された。混合物が70℃で暗中で2時間加熱され、珪藻土を通して濾過された。溶液は減圧下に濃縮され、残渣はクロマトグラフされて、中間体O 221gを無色の油として与えた。
例15:中間体P
中間体O(30g)の塩化メチレン(90mL)及びアセトニトリル(90mL)中の溶液に対し、48%弗化水素水溶液(9mL)のアセトニトリル(81mL)中の溶液が添加された。混合物は30分間撹拌され、重炭酸ナトリウム水溶液350mLが添加された。混合物は塩化メチレンで抽出された。有機層は乾燥(硫酸ナトリウム)され、溶剤は減圧下に除去され、残渣はクロマトグラフされて、中間体P 30gを黄色の油として生じた。
例16:中間体Q
中間体P(30g)及びイミダゾール(10.2g)の塩化メチレン中の冷(0℃)溶液に対し、t−ブチルジメチルシリルクロライド(10.85g)が添加された。混合物は1 1/2時間撹拌され、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液400mL上に注がれた。有機層は分離され、乾燥(硫酸ナトリウム)され、溶剤は減圧下に除去され、残渣はクロマトグラフされて、中間体Q 34.5gを無色のシロップとして与えた。
例17:中間体R
中間体Q(32.2g)及びピリジン(184mL)のトルエン(213mL)中の冷(0℃)溶液に対し、ホスゲンのトルエン中の1.94M溶液が添加された。20分後、アリルアルコール(31mL)が添加され、混合物は30分間撹拌された。重炭酸ナトリウム水溶液が添加され、有機層が分離され、乾燥(硫酸ナトリウム)され、溶剤が減圧下に除去された。クロマトグラフィーは中間体R 36.9gを無色シロップとして与えた。
例18:中間体S
48%弗化水素水溶液2.4mLのアセトニトリル48mL中の溶液に対し、中間体R(20g)の塩化メチレン(24mL)中の溶液が添加され、混合物は一晩撹拌された。重炭酸ナトリウム水溶液が添加され、有機層が分離され、乾燥(硫酸ナトリウム)され、溶剤が減圧下に除去された。クロマトグラフィーは中間体S 11gを無色シロップとして与えた。
例19:中間体T
中間体S(8.97g)及び中間体N(14.5g)がトルエン(20mL)中に溶解され、混合物は溶剤の共沸的除去により乾燥された。この工程が三度繰り返された。乾燥された混合物は塩化メチレン50mL中に溶解され、これは銀トリフレート(triflate)(5.8g)の塩化メチレン50mL中の溶液に対しゆっくり添加された。混合物は10分間撹拌され、重炭酸ナトリウム水溶液250mL及び10%チオ硫酸ナトリウム水溶液250mLが添加された。有機層が分離され、乾燥(硫酸ナトリウム)され、溶剤が減圧下に除去された。クロマトグラフィーは中間体Tを薄黄色シロップとして与えた。
例20:中間体U
中間体Tの塩化メチレン(10mL)中の溶液に対し、錫(II)トリス−ベンゼンチオレートトリエチルアミンコンプレックス(塩化メチレン中0.5M溶液の12mL)がゆっくり添加された。10分後、追加の錫試薬の等量が添加された。追加の15分後、追加の等量が添加された。15分後、酢酸エチル(250mL)が添加され、混合物は1N水酸化ナトリウム水溶液(250mL)で抽出された。混合物は乾燥(硫酸ナトリウム)され、減圧下で濃縮された。トルエンが添加され、溶剤が減圧下で除去されて、更なる精製なしに次の変換に使用された。
例21:中間体V
中間体U(2mmol)の塩化メチレン(5mL)中の冷却された(0℃)溶液に対し、Christ等ヨーロッパ特許出願92309057.5の方法により調製された3−ケトテトラデカン酸(997mg)が添加され、続いて1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.5g)が添加され、混合物は約30分間撹拌された。混合物は塩化メチレン(150mL)で稀釈され、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗滌され、乾燥(硫酸ナトリウム)され、溶剤が減圧下に除去された。シリカ上のクロマトグラフィーに続く塩基性アルミナ上のクロマトグラフィーは中間体Vの1.64gを与えた。
例22:中間体W
中間体V(1.45g)の氷酢酸(5mL)中の溶液が、よく撹拌された亜鉛銅カップル(14g)の酢酸(10mL)中の懸濁液に添加された。混合物は15分間加熱され、追加の亜鉛/銅カップル(10g)が添加された。追加の15分後、混合物は珪藻土を通して濾過され、それは次いで酢酸エチルで洗滌された。一緒にされた洗滌物はトルエンで稀釈され、溶剤は減圧下に除去された。残渣は塩基性アルミナとシリカの2層の混合物上でクロマトグラフされ、中間体Wを与え、こらは更なる精製なしに使用された。
例23:中間体X
中間体W(1.02mmol)及びシス−バクセン酸(575mg)の溶液がトルエン中に3度溶解され、溶剤は減圧下に除去された。乾燥された残渣は塩化メチレン(3mL)中に溶解され、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボイミド塩酸塩(780mg)が添加され、混合物は3時間撹拌された。混合物は塩化メチレンで稀釈され直接クロマトグラフされて中間体X 734mgを与えた。不純フラクションの更なるクロマトグラフィーは物質の追加58mgを与えた。
例24:中間体Y
中間体X(785mg)の塩化メチレン(10mL)中の溶液に対し48%弗化水素水溶液のアセトニトリル(15mL)中の溶液が添加された。混合物は90分間撹拌され、塩化メチレン(50mL)で稀釈され、水で洗滌され、又重炭酸ナトリウム水溶液で洗滌された。混合物は乾燥(硫酸ナトリウム)され、クロマトグラフされて、中間体Y,719mgを与えた。
例25:中間体Z
中間体Y(719mg)は塩化メチレン中に溶解され、硫酸ナトリウム(1.4g)が添加された。ジアリルジイソプロピルホスフォールアミダイト(189μL)及びテトラゾール(162mg)が添加され、混合物は10分間撹拌され、次いで−78℃に冷却された。m−クロロ過安息香酸(192mg)の塩化メチレン(4mL)中の溶液が滴下された。混合物はチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗滌され、又重炭酸ナトリウムで洗滌され、乾燥(硫酸ナトリウム)され、溶剤は減圧下に除去された。残渣はクロマトグラフされて中間体Z 660mgを与えた。
例26:化合物1
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(166mg)のテトラヒドロフラン:酢酸(10:1)混合物中の溶液に対し、中間体Z(660mg)の同じ溶剤混合物中の溶液が添加された。30分後、追加のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が添加された。追加の1 1/2時間後、トルエンが添加され、溶剤は減圧下に除去された。混合物は0.1N水酸化ナトリウム水溶液中に溶解され、0.45μ無菌フィルターを通して濾過され、YMC-Pack ODS-APカラム上のHPLCにより精製されて、化合物1の130mgを与えた。
【0205】
上述の方法によりつくられた化合物及び中間体のあるものに対する分析データが下記に与えられる:
化合物1:1H NMR(CD3OD)δ:5.3(1H,m), 4.6(1,m), 4.0(m,m),
3.9(1H,d), 3.7(1H,t), 3.6(1H,t), 3.4(3H,s), 3.3(3H,t), 2.6 (2H,t), 2.3(2H,m), 2.0(2H,m), 1.7-1.2(m,m), 0.9(6H,t)
31P NMR(CD3OD)δ:4.71, 3.98
化合物1:(M+Na)+=1333
化合物2:(M+3Na)+=1363
化合物3:(M+3Na)+=1365
化合物5:(M+Na)+=1303
化合物6:(M+Na)+=1359
化合物7:(M+Na)+=1305
化合物8:(M+3Na)+=1393
化合物10:(M+Na)+=1425
中間体G:1H NMR(CDCl3)δ:d,(1H), 3.9-3.7(m,multiple), 3.65(t,1H), 3.37(s,3H), 3.2(m,2H), 1.75(q,2H), 1.52(s.3H), 1.4 (s,3H), 1.3(broad m,multiple), 0.95(s,9H), 0.9(t,3H), and 0.2(d,6H)
中間体H:1H NMR(CDCl3)δ:4.58(d,1H), 4.09(m,2H), 3.9(dd,1H),3.75(dd,1H), 3.7(m,1H), 3.5(t,1H), 3.37(s,3H), 3.23(t,1H), 3.05(t,1H), 1.8(m,2H), 1.68(m,1H), 1.5(m,1H), 1.3(broad m, multiple), 0.95(s,9H), 0.9(t,3H), 0.2(d,6H)
中間体I:1H NMR(CDCl3)δ:4.52(d,1H), 4.05(m,2H), 3.75(m,1H),3.67(t,1H), 3.5(t,1H), 3.45(s,3H), 3.35(s,3H), 3.25(t,1H), 3.05(t,1H), 1.8(m,2H), 1.65(m,1H), 1.5(m,1H), 1.3(broad s,m),0.95(s.9H), 0.9(t,3H), 0.2(s.6H)
中間体J:1H NMR(CDCl3)δ:5.95(m,2H), 5.35(d,1H), 5.22(d,1H),4.6(q,2H), 4.5(d,1H), 4.32(q,1H), 3.9-3.75(m,3H), 3.7(dd,1H),3.65(dd,1H), 3.45(m,1H), 3.38(s,3H), 3.33(s,3H), 3.27(t,1H),3.2(t,1H), 1.9-1.75(m,3H), 1.5(m,1H), 1.3(broad m,multiple),0.95(s,9H), 0.9(t,3H), 0.2(s,6H)
中間体L:1H NMR(CDCl3)δ:5.95(d,1H), 5.4(d,2H), 5.25 Z(d, 2H), 4.95(d,1H), 4.7(q,2H), 4.55(q,2H), 4.32(q,1H), 3.9-3.75(m,3H), 3.7(dd,1H), 3.65(dd,1H), 3.55(m,1H), 3.4(m,1H), 3.4(s,3H), 3.3(s,3H), 3.25(m,1H), 1.75(m,multiple), 1.5-1.4(m, 2H), 1.3(broad s,multiple), 0.95-0.9(broad s,12H), 0.2(d,6H)
中間体M:1H NMR(CDCl3)δ:5.95(m,2H), 5.75(d,1H), 5.4(d,1H),5.25(d,2H), 4.75-4.65(dd,2H), 4.6(q,1H), 4.3(q,1H), 4.1(m,2H),3.9(m,2H), 3.65(m,1H), 3.4(s,3H), 3.25(s,3H), 1,75(broad m, 2H), 1.55-1.4(m,2H), 1.3(broad s,multiple), 0.9(t,3H)
中間体O:1H NMR(CDCl3)δ:4.5(d,1H), 3.8(dd,1H), 3.78(m,2H),3.6(m,multiple), 3.2(m,2H), 1.5(s,3H), 1.4(s,3H), 1.3(broad s,multiple), 0.95(s,9H), 0.9(t,3H), 0.18(d,6H)
中間体P:1H NMR(CDCl3)δ:4.5(d,1H), 3.75(dd,2H), 3.6(q,2H),3.5(t,1H), 3.3(m,1H), 3.2(t,1H), 3.0(t,1H), 1.6(m,2H), 1.25(broad s,multiple), 0.95(s,9H), 0.9(t,3H), 0.18(d,6H)
中間体Q:1H NMR(CDCl3)δ:4.5(d,1H), 3.82(m,2H), 3.6(t,1H),3.3(m,1H), 3.2(t,1H), 3.05(q,2H), 1.6(m,2H), 1.3(broad s, multiple), 0.95(s,9H), 0.88(s,9H), 0.85(t,3H), 0.2(d,6H), 0.1(d,6H)
中間体R:1H NMR(CDCl3)δ:5.9(m,1H), 5.4-5.25(dd,2H), 4.75(t,1H), 4.6(d,2H), 4.45(d,1H), 3.75(q,1H), 3.7(d,2H), 3.53(q,1H), 3.38(m,1H), 3.25(t,1H), 3.15(t,1H), 1.5(t,2H), 1.25(s, multiple), 0.95(s,9H), 0.85(m,12H), 0.2(s,6H), 0.07(s,6H)
中間体S:1H NMR(CDCl3)δ:5.9(m,1H), 5.4-5.25(dd,2H), 4.75(t,1H), 4.6(d,2H), 4.52(d,1H), 3.7(m,multiple), 3.65-3,6(dd,2H), 3.55(q,1H), 3.4(m,1H), 3.28(t,1H), 3.2(t,1H), 1.5(t,2H),1.3(s,multiple), 0.9(s,9H), 0.85(t,3H), 0.2(s,6H)
中間体T:1H NMR(CDCl3)δ:5.9(m,3H), 5,6(d,1H), 5.4-5.2(m, 6H), 4.8(d,1H), 4.7-4.6(m,2H), 4,55(q,1H), 4,5(d,1H), 4.3(q,1H), 3.8-3.7(m,multiple), 3.6(dd,1H),3.5(m,multiple), 3.35(s,3H), 3.2(s,3H), 3.15(t,1H), 1.7(m,2H), 1.5(m,2H), 1.3(s, multiple), 0.95(t,6H), 0.2(t,6H)
中間体V:1H NMR(CDCl3)δ:7.3(d,1H), 5,95(m,3H), 5.6(d,1H),5.4-5.2(m,6H), 4.95(d,1H), 4.8(d,1H), 4.7-4.5(m,multiple), 4.3(q,1H), 3.9-3.65(m,multiple), 3.6(m,multipe), 3.45(t,1H),3.4(t,3H), 3.35(s,2H), 3.28(3H), 2.5(t,2H), 1.8(m,2H), 1.6(m,2H), 1.45(m,2H), 1.3(broad s,multiple), 0.95-0.8(m,18H), 0.15(d,6H)
中間体X:1H NMR(CDCl3)δ:7.3(d,1H), 5.95(m,4H), 5.4-5.2(m,8H), 4.95(d,1H), 4.8(d,1H), 4.7(t,1H), 4.6(d,1H), 4.55(q,1H),4.3(q,1H), 4.1(t,1H), 3.9(q,1H), 3.8(t,1H), 3.7-3.5(m,
multiple), 3.45(t,1H), 3.35(s,3H), 3.3(s,2H), 3.28(s,3H), 2.5(t,2H), 2.2(t,1H),2(d,1H), 1.7(q,2H), 1.6(m,2H), 1.3(s, multiple), 0.95-0.8(m, 21), 0.15(d,6H)
中間体Y:1H NMR(CDCl3)δ:6.65(d,1H), 6.55(d,1H), 5.905(m, 5H), 5.7(m,1H), 5.4-5.2(m,12H), 4.8(m,2H), 4.6(d,1H), 4.5(m,10H), 4.3(q,1H), 4.1(m,1H), 3.85-3.45(m,multiple), 3.4(s,3H),3.35(s,3H), 3.25(s,3H), 3.2(t,1H), 2.5(dd,2H), 2.2(t,2H), 2(m,mutiple), 1.7-1.2(m,mutiple), 0.9(t,12H)
生物学的例
細菌性LPS及び細菌性リピドAの両者は腫瘍壊死因子(TNF),IL-1β,IL-6及びIL-8並びにヒトの全血及びヒトのマクロファージ細胞株における他の細胞分裂質(cytokines)及び細胞媒介物(mediators)を惹起する。これらの細胞分裂物の病態生理学的量は全身性炎症反応症候群及び敗血症性ショックの開始に重要な役割を演ずることが見いだされた。ここに述べたリポ糖類同族体は以下の実験により示される如く、かかるLPS−及び/又はリピドA−媒介のシトカインの誘発を阻害する。
例A:細胞分裂物のLPS誘発生産の生体外阻害
ヒト全血が(Rose等(1995)Infection and Immunity, 63 833-839に)述べられる如く調製され、テストされた。HL-60細胞が10%牛胎児血清及び抗生物質で補足されたRPMI培地で培養され、そして0.1μM 1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール(ビタミンD3;Bimol Research Laboratories, Plymouth Meeting, PA)による処理によりマクロファージ中へ分化誘導され、IL-8のLPS媒介発生のためテストされた。簡潔には、10ng/mLにおける細胞性LPS(即ち、E.coli 0111:B4;Sigma Chemicals, St.Louis, MOから)又はリピドA(Daiichi Chemicals,東京,日本)がCa++,Mg++フリーのHank's balanced salt solution(CMF-HBSS;Gibco)中の10倍濃縮された溶液として添加された。本発明の同族体を含む実験において、同族体は直ちにCMF-HBSS中のLPS又はリピドAの添加前(例えば10倍濃縮された割分(aliquot)として0及び100μMの間)添加された。3時間のインキュベーションに続いて血漿が全血から調製され、又は培養上澄みが除かれ、Genzyme(Cambridge, MA)からのELISA分析キットを用いて、製造者のインストラクションに従って指示された細胞分裂質の存在が分析されたが、しかし任意の他の標準的ELISAキットも利用され得る。実験は三重に少なくとも2回実行された。
【0206】
リピドA同族体はヒト全血中のTNFのLPS誘発生産を濃度依存態様において阻害した。テストされた同族体の中、化合物1は最も有効な化合物の一つであることが見いだされた。このテストの結果は第1図に示される如くである。化合物1はTNFのLPS誘発生産を、約1.5nMのIC50を示して阻害する。LPS誘発のTNF生産を阻害することが見いだされた他の同族体は化合物2,化合物3,化合物4,化合物5,化合物6,化合物7,化合物8,化合物9及び化合物10を包含した。これらの化合物は1.5nM及び159nMの間のIC50を示した。
【0207】
化合物1は又HL-60(ヒトマクロファージ様)細胞内のIL-8のLPS媒介誘発を阻害した。IL-8発生の阻害は、1nM及びより多くの化合物1の濃度において、LPS又はリピドAがアゴニストとして用いられる時、完全であった。
【0208】
本発明の化合物は同様にヒト全血中の他の細胞分裂質(cytokines)のLPS誘発生産を、例えこれらの細胞分裂質のあるものはLPSの添加の数時間後に発生されたとしても、阻害した。例えば、IL-1β及びIL-6は最大レベルが到達されるために4又はより多くの時間を必要とするが、一方、IL-8はLPS添加後10又はより多くの時間で最大レベルに到達する。上述の方法を用いて、本発明の化合物は0及び10μMの間の濃度において添加され、LPSは10ng/mLにおいて添加された。TNF,IL-1β,IL-6及びIL-8の生産の阻害はLPS添加後の時間の函数として測定された。この細胞分裂質発生の阻害は又濃度依存性であることが見いだされたが、しかし凡てのケースにおいて、凡ての細胞分裂質の抑圧は10nM及びより多くの化合物1の濃度においてLPSの添加後24時間までに対し>90%であった。
例B:ヒト全血中の化合物の持続性
本発明の化合物のあるものは急速に循環から除去されないけれども、それらの活性は1〜3時間の半減期で減少する。拮抗抑制の効果を保持するため、この急速な不活性化は連続的投与を必要とする。この不活性化の研究はヒト全血中の薬の生体外不活性化を測定するための分析の発達へと導いた。これは種々の時間の期間血液でリピドA拮抗物質を予備培養し、続いて上述の如くLPS“チャレンジ”の添加、3時間の培養、そして放出された細胞分裂質に対する分析によりなされる。この分析に対する図式は第2図に示される。
【0209】
この分析を用いて、Christ等の米国出願07/935,050に述べられた如く、B531は“不活性化”(予備培養の時間の増加と共に活性を失う)する。第3図に示した如く、化合物1も又不活性化するが、その優れた活性及び減少された不活性化速度は、B531がその添加直後にあったものと同程度に6時間後それを活性にする。これらのデータは三重に行われた7つの別々の実験の平均である。
例C:生体内動物モデルシステムにおけるTNF又はIL-6生産の阻害
LPS誘発TNF又はIL-6生産は本発明の化合物によりモルモット、ラット及びマウスから分離された全血又はマクロファージ内で阻害された。Hartley-Whiteモルモット(Elm Hill Breeders, Chelmsford, MA)及びC57BL/6マウス(Jackson Labs, Bar Harbor, ME)マクロファージが感作された動物の腹部から分離された。初回感作(プライミング)はBacillus calmette guerin(BCG;RIBI Immunochemical Research, Inc., Hamilton, MT)の2mgの腹腔内注射を、マウスに対しては生理学的塩水中の10mg/mLの濃度において、又、BCGの2mgをモルモットに対してはミネラルオイル中2mg/7mLの濃度で行うことにより達成された。注射後3日で、腹腔内マクロファージが動物の腹部から標準の技術により分離された。細胞は培養プレートに対し2乃至3時間付着放置され、次いで10%牛胎児血清を含むRPMI 1640培地で培養され、LPS(10mg/ mLの最終濃度)が上述の如く添加された。阻害をテストするため、本発明の化合物(0及び100μMの間の濃度において)が培地に対しLPS添加以前に添加された。3時間のインキュベーション期間に続いて、モルモット、マウス及びラットのTNFレベル及び/又はIL-6レベルがELISAにより、又はLymphokines 2;235, 1981に述べられた細胞溶解性生物検定により、モルモットマクロファージから放出されたTNFに対し分析された。マウス腹腔内マクロファージにおいては、化合物1は有効な阻害を提供した(それぞれIL-6に対しIC50=16nM及びTNFに対し20nM);モルモットマクロファージにおいてはTNF放出に対するIC50は0.3nMであり、又ラット腹腔内マクロファージにおいてはTNF放出に対するIC50は11nMであった。
例D:生体内分析(assay)
BCG感作マウス(Vogel, S他,J. Immunology 1980, 124, 2004-2009)が、下記の如く(1)LPS誘発TNF生産及び(2)LPS誘発致死率に対するリピドA同族体の阻害効果をモニターするための生体内分析システムとして利用された。
【0210】
5週令の雄のC57BL/6マウス(上記)がBCG 2mgによる静脈内尾部静脈注射により感作された。注射後10日目に、パイロジェンフリーの5%グルコース溶液(Otsuka Pharmaceuticals Inc., Tokyo, Japan)中のE.coli LPS(上記)が、BCG感作マウスの尾部静脈を通して静脈内に投与された。LPSがTNF生産と死亡率研究の両方のために1−3μg/マウスで投与された。テスト化合物は注射されたLPS溶液の一成分として3及び300μg/マウスの濃度で投与された。プラズマがLPS注射後1時間で得られ、TNFが上述のELISA分析により定量された。敗血症ショックから生ずる死亡率がLPS注射後36時間に対し記録された。
【0211】
本発明の化合物はLPSの投与に続くTNFの生産を有効に抑圧した。化合物10及び化合物1はマウス中の生体内TNF生産を有効に阻害した(それぞれED50=5及び(0.6μg/マウス)。化合物2,化合物3,化合物4,化合物5,化合物6,化合物7,化合物8及び化合物9も又10及び200μg/マウスの間のED50でTNF生産を阻害し、化合物5,6及び7はED50値>100を与えた。
【0212】
モルモットにおいて行われた平行実験において、これらの同族体は又生体内のLPS誘発TNF生産の有効な阻害剤であった(化合物1,化合物7及び化合物10に対し2.3及び6.1μg/モルモットの間のED50)。
【0213】
治 療
ここに述べたリピドA同族体はLPS媒介の炎症又は疾患の治療又は防止に対する有用な治療剤を提供する。かかる疾患は制限なしに次のものを含む:グラム陰性菌から生ずるエンドトキセミア(又は敗血症症候群)(それに随伴する発熱、全身性炎症、血管内凝固症候群、低血圧症、急性腎不全、急性呼吸困難症候群、肝細胞破壊及び/又は心不全の徴候と共に);及びLPS媒介の潜在性又は活性のウイルス感染の増悪(例えばHIV-1、サイトメガロウイルス、単純ヘルペス及びインフルエンザウイルス)。
【0214】
リピドA同族体は典型的には医薬的に受容可能な剤形で、例えば生理学的塩水(それは5%グルコースを含み得る)中に溶解されて投与される。リピドA同族体がウイルス感染の治療に対し提供される時、それは適当な殺ウイルス剤と一緒に投与され得る。リピドA同族体は凍結乾燥された剤形として貯蔵され得る。
【0215】
リピドA同族体は標的細胞のLPS活性化の適当な阻害を提供する供与量において投与される;一般にこれらの投与量は好ましくは0.01−50mg/患者/日の間であり、より好ましくは0.05−25mg/患者/日の間であり、且つ最も好ましくは1及び12mg/患者/日の間である。
【0216】
薬はSIRSがAPACHEスコアー(Knaus他 1991 Chest 100:1619-36及びKnaus他 1993 JAMA:1233-41)の如き臨床的予測(pre-
dictor)又は他の臨床的予測数を用いて診断され得る時できるだけ早く注射又は注入さるべきである。加うるに、特にもしより迅速又は容易な全身性グラム陰性菌感染の診断的予測が利用し得るならば、注射又は注入はエンドトキシンへの露出又は全身的グラム陰性菌感染の診断後できるだけ早く開始すべきである。
【0217】
これらの薬の使用に対する予防的指示はエンドトキシンへの露出が予期され得る時のそれらの使用を含む。これは次の時起こり得る:
1)全身性又は局所的グラム陰性菌感染から全身性(血液から生じた)エンドトキシンの上昇の増加した蓋然性がある(手術の間の如き);
2)エンドトキシンの血液レベルが増加し得る増大した蓋然性がある。正常の生理学的状態において、エンドトキシンは腸内皮を横切って内臓循環へ移行することは最小にすぎない。この移行したエンドトキシンは次いで肝臓によって(そして恐らく他の細胞及び器官により)浄化される。血液エンドトキシンレベルにおける増加は肝臓(又は他のエンドトキシン隔離細胞又は器官)によるエンドトキシン浄化速度が減小する時起こり得る。腸移行の増大は腸虚血、低酸素症、外傷、又は他の腸内層の一体性に対する損傷の後(又は薬又はアルコール毒性により)起こり得る。エンドトキシンの血液レベルは肝臓の機能が疾病(肝硬変)、損傷(手術又は外傷)又は一時的除去(肝移植の間の如き)により危うくされる時増大する;
3)外部から引き出されたエンドトキシンへの急性又は慢性の露出があると、炎症反応を生ずる;この露出はエンドトキシンの吸入又は他の取り込み手段により惹起され得る。SIRS誘発エンドトキシンの取り込みの一例はとうもろこしダスト熱(corndust fever, Schwartz他,1994 Am J Physiol. 267; L609-17)であり、それは例えばアメリカ中西部における穀物産業における労働者に影響する。かかる労働者は予防的に、例えば毎日、例えば農場又は穀物エレベータにおいて作業を開始する前に薬のエアロゾル化した剤を吸入することにより治療され得る。
【0218】
殆どの予防的及び治療的応用に対し、IV注入又は大丸薬注射が使用されるであろう。注射は最も好ましいが、注入(infusion)があるケースでは薬物動力学的要求により正当とされ得る。
【0219】
治療はSIRSの診断後できるだけ早く開始さるべきであり、又少なくとも3日間又は致死の危険の評価が減少され、受容可能なレベルである時継続さるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【図1】化合物1によるTNF−α−放出の阻害を描き、本発明の化合物による人間全血中の腫瘍壊死因子(TNF)のLPS媒介による誘発の阻害を例証する
【図2】種々の時間に対する全血中の培養後の薬の拮抗的有効性を分析するために用いられる一般的スキームを示す
【図3】時間対TNF−αを阻害する試験化合物の能力との間の関係を描き、化合物1がB531よりもLPS拮抗薬として作用の優れた持続期間を有することを示す。これらのデータは三重の各ランで7個の別々の実験の平均である

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式の化合物:
【化1】

ここでR1は次のものからなる群から選ばれる
【化2】

ここで各J、K及びQは独立に直鎖又は分岐のC1乃至C15アルキル;LはO、NH又はCH2;MはO又はNH;そしてGはNH、O、S、SO又はSO2
2は直鎖又は分岐のC5乃至C15アルキル;
3は次のものからなる群から選ばれる
直鎖又は分岐のC5乃至C15アルキル、又はCO(CH216CH3
【化3】

ここでEはNH、O、S、SO又はSO2;各A,B及びDは独立に直鎖又は分岐のC1乃至C15アルキル;
4は次のものからなる群から選ばれる
直鎖又は分岐のC4乃至C20アルキル、及び
【化4】

ここで各U及びVは独立に、直鎖又は分岐のC2乃至C15アルキル、及びWは水素又は直鎖又は分岐のC1乃至C5アルキル;
AはR5又はR5−O−CH2−、R5は水素、J'、−J'−OH、−J'−O−K'、−J'−O−K'−OH 及び −J'−O−PO(OH)2からなる群から選ばれ、ここで各J'及びK'は独立に直鎖又は分岐のC1乃至C5アルキル;
6はヒドロキシ、ハロゲン、C1乃至C5アルコキシ及びC1乃至C5アシロキシからなる群から選ばれる;
1及びA2は独立に次のものからなる群から選ばれる
【化5】

ここでZは直鎖又は分岐のC1乃至C10アルキル;
又はその医薬的に受容可能な塩。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−269812(P2007−269812A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154127(P2007−154127)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【分割の表示】特願平9−501868の分割
【原出願日】平成8年6月5日(1996.6.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000000217)エーザイ株式会社 (102)
【Fターム(参考)】