説明

カミソリ刃

【課題】 ガード部の表面にフッ素樹脂などの滑剤を施すことなく刃と皮膚との接触を滑らかにして、剃り心地のよいカミソリ刃を提供すること。
【解決手段】 刃体とガード部材を含み、ガード部材は複数のガード部を有し、刃体の刃先部の両表面を刃先面と定義し、2つの刃先面により構成される頂部を刃先縁と定義して、折り曲げられたガード部が刃先縁を両側から覆うことによって刃先縁が間隔を置いて部分的に露出しているカミソリ刃において、刃先縁に垂直な断面で見て、ガード部が刃先部に対して刃体の厚み方向の少なくとも一方の方向に弾性的に揺動可能となるように、刃先部とガード部との間に離間区域を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柄に対して横方向に刃が配設された安全カミソリ又は柄の長手方向に刃が配設されたカミソリに使用されるカミソリ刃に関する。
【背景技術】
【0002】
刃体をガード部で覆うことにより刃先縁を部分的に露出させたカミソリ刃は存在し、またガード部の表面にフッ素樹脂の被膜を施して刃と皮膚との接触を滑らかにし、剃り心地の良さを得ることを目的としたカミソリ刃は存在する(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【特許文献1】実開昭54−175987号公報
【特許文献2】特開2004−358138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はガード部の表面にフッ素樹脂などの滑剤を施すことなく刃と皮膚との接触を滑らかにして、剃り心地のよいカミソリ刃を提供することを課題とする。
【0004】
従来から刃をガード部で覆って刃先縁を部分的に露出させたカミソリ刃は存在している。ガード部を備えたカミソリ刃は刃先縁が全長に亘って露出していないので、一度に剃る毛の量が少なくなる分だけ皮膚の同じ場所を繰り返して剃る必要がある。しかし、一度に剃る毛の量が少ないので刃の毛から受ける抵抗が軽減され軽快に剃ることができて使用者の間で好評である。
【0005】
従来のガード部付きカミソリ刃は前述したように好評であるが、刃と皮膚との接触がさらに滑らかで剃り心地のよいカミソリを需要者は求めている。従来のガード部付きカミソリ刃は特許文献1,2に示されているようにガード部が刃先部に固定されている。したがって、毛を剃るときにガード部は皮膚に対して柔軟性がないから皮膚との接触の滑らかさは十分とはいえない。
【0006】
また、ガード部を備えたカミソリ刃でヒゲや腋毛などの毛を剃るときにガード部で覆われた刃先縁は毛を剃る作用をなさないから、皮膚の表面にはまだ剃っていない毛などの障害物が存在する。ガード部はそのような障害物を乗り越えて進むのであるが、ガード部の先端の曲率半径は大きいものでも約0.1mmでほとんどのものはそれよりも小さい曲率半径である。このようにガード部の先端の曲率半径が非常に小さいので、ガード部の先端が毛などの障害物に当たったときに抵抗を受けることになり、必ずしも刃と皮膚との接触が滑らかであるとは言えない。ガード部が障害物に当たったときにガード部の先端が皮膚から離れる方向に移動すれば楽に抵抗を弱めて毛を乗り越えることができる。しかし、特許文献1,2に示されているようにガード部は刃先部に対して固定されているから、ガード部のみが刃先部に対して移動することができない。したがって、ガード部の先端を皮膚から離れる方向に移動させるためには使用者が握ったかみそりを操作しなければならない。ところが、毛を剃る際にカミソリは使用者によって皮膚に押し付けられており、ガード部が障害物を楽に乗り越えるべく使用者がカミソリを操作することはほとんど不可能である。
【0007】
実際上、ガード部を備えたカミソリ刃を使用するときにガード部が毛などの障害物から受ける抵抗は無視できず、刃と皮膚との更なる滑らかさを有するガード部付きのカミソリが要望されていた。そこで、ガード部付きのカミソリ刃については、さらに軽快に剃ることを目的としてガード部の表面にフッ素樹脂などの滑剤を施したものが提案された(特許文献1)。しかし、ガード部の表面にフッ素樹脂などを施すと工程が増加し、フッ素樹脂の費用も加わって製造コストを上げることとなる。そこで本発明はフッ素樹脂などの滑剤を用いることなく、従来のガード部付きのカミソリ刃よりも刃と皮膚との接触を滑らかで剃り心地のよいカミソリ刃を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1は、刃体とガード部材を含み、ガード部材は複数のガード部を有し、刃体の刃先部の両表面を刃先面と定義し、2つの刃先面により構成される頂部を刃先縁と定義して、折り曲げられたガード部が刃先縁を両側から覆うことによって刃先縁が間隔を置いて部分的に露出しているカミソリ刃において、刃先縁に垂直な断面で見て、ガード部が刃先部に対して刃体の厚み方向の少なくとも一方の方向に弾性的に揺動可能となるように、刃先部とガード部との間に離間区域を有する構成である。
【0009】
請求項2は、少なくとも一方の刃先面とガード部とが離間し、ガード部はその少なくとも一方の刃先面と全面的に離間している要素が請求項1に付加された構成である。
【0010】
請求項3は、折り曲げる前のガード部が板状に形成されその中央部で最も幅が狭く、且つ所定の位置から中央部まで直線的に幅が狭くなるように形成されている要素が請求項1又は請求項2のいずれか1項に付加された構成である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1は、刃先縁に垂直な断面で見て、ガード部が刃先部に対して刃体の厚み方向の少なくとも一方の方向に弾性的に揺動可能となるように、刃先部とガード部との間に離間区域を有する。したがって、使用中にガード部はその弾性により柔軟性をもって皮膚に接触するので皮膚との接触を滑らかにすることができる。さらに、使用中にガード部の先端が毛などの障害物に当たったときに、ガード部は障害物を乗り越えるために自然に皮膚から離れる方向に弾性的に揺動する。これにより、障害物に当たったガード部が障害物に対してやや斜め上方を向くのであるから、障害物を乗り越える際にガード部が受ける抵抗は軽減され、刃と皮膚との接触が滑らかになるのである。安全カミソリは使用中に刃先部の一方の表面のみが皮膚と接するから、ガード部は一方の方向のみに揺動可能であればよい。
【0012】
請求項2は、少なくとも一方の刃先面とガード部とが離間し、ガード部はその少なくとも一方の刃先面と全面的に離間している。ガード部が刃先面と全面的に離間している構成であるときはガード部が揺動しやすくなるので、やや厚めのガード部としても障害物に対して的確に応答して刃と皮膚の接触を滑らかにすることができる。
【0013】
請求項3は、折り曲げる前のガード部が板状に形成されその中央部で最も幅が狭く、且つ所定の位置から中央部まで直線的に幅が狭くなるように形成されている構成である。例えば、ガード部材を一枚の金属板で製造するときはガード部材に刃先縁露出用の窓孔を複数個並べて設けるのであるが、その窓孔の形状は円形や楕円形やトラック状の形状であった。したがって、ガード部の中央部の側縁も直線状又は弧状であるから、このような窓孔を設けたガード部材を指などで折り曲げたり指と同じ作用をなす機械で折り曲げたりするときに、窓孔の中央で正確に曲げることが困難でありかなりの誤差が生じる。本発明は、ガード部が中央部まで直線的に幅が狭くなっているので、ガード部の中央部は三角形の頂部に形成されている。すなわち、ガード部の中央部まで滑らかに狭くなるのではなく直線的に狭くなる構成である。このような構成とすることによりガード部の一番弱い部分が一点に集中するから、ガード部材を指などで折り曲げたり指と同じ作用をなす機械で折り曲げたりするときに容易且つ正確に中央部で折り曲げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明の実施形態について説明する。実施形態は、図1に示すように両側の刃先面5,5及び刃先縁6がガード部9と離間している構成である。このような構成であるとガード部9は両側に弾性的に揺動可能であり、例えば柄の長手方向に刃が配設されたカミソリで刃の両側を使用することができ、向きを気にせず使い勝手が良い。カミソリ刃1は刃体2とガード部材3とから成る。刃体2の長さ方向に延びる一方の縁部には刃先部4が形成されている。刃先部4は縁部に沿って傾斜面状に研削された刃先面5,5で囲まれた部分を含む。両刃先面5,5のなす頂部に鋭利な刃先縁6が形成されている。刃体2はステンレス鋼の薄板で形成され長さは約50mmであり、上下方向の幅は約8mmであり、厚みは約0.15mmである。ただし、この材料及び数値に限定されるものでない。刃先部4の両刃先面5,5のなす刃先面角度は刃先縁6から基線7,7に至るまでの間で2回変化している。したがって、刃先面5,5は刃先面のなす角度が異なる第一刃先面22,22と第二刃先面23,23と第三刃先面24,24で構成されている。このように構成された刃先面を三段刃と言っている。その三段刃である刃先面5,5は、刃体2の断面の中心線18で計測して、刃先縁6から0.05mm離れた位置までの第一刃先面22,22のなす刃先面角度は約19°であり、その位置から0.25mm離れた位置までの第二刃先面23,23のなす刃先面角度は約14°であり、さらにその位置から0.4mm離れた位置までの第三刃先面24,24のなす刃先面角度は約12°である。刃付けをする際の各刃先面の加工の順序は、最初に第三刃先面24,24を研削して形成し、次に第二刃先面23,23を研削して形成し、最後に第一刃先面22,22を研削して形成する。本発明では、それらと数値の異なる三段刃としてもよく三段刃以外の複数段刃としてもよい。また、両刃先面5,5がその傾斜の始まる基線7,7から刃先縁6まで一直線に延びている一段刃であってもよい。刃先面5,5の一方の表面のみを斜面状にした片刃であってもよい。また、研削以外の方法で刃先面5,5を形成してもよい。
【0015】
ガード部材3は金属の薄板で形成されている。ステンレス鋼の薄板が好ましいが他の金属であっても差し支えない。また、金属に代えて合成樹脂など他の材料を用いてもよい。ガード部材3の長さは約49mmであり、折り曲げる前の幅は約15mmであり、厚みは約0.05mmであるがこの数値に限定されるものでない。図4に示すように、上下に細長い形状に形成された35個の窓孔8が中心線19上に設けられている。そして隣接する2つの窓孔8,8の間に残されたガード部材の部分がガード部9である。ガード部9は刃先縁6を覆う部分であり、窓孔8は刃先縁6を露出する部分である。ガード部9の表面にフッ素樹脂などの滑剤の被膜や着色層や抗菌剤塗布層を設けてもよい。さらに、図4に示すようにガード部材3には円形又は長円形の複数の通孔20が設けられている。そして、図3に示すようにそれらの通孔20に対応するように刃体2にも通孔21が設けられている。このようなカミソリ刃はすでに特開平9−38357号公報にも開示されており、この公報には刃体とその表面を覆うガード部材の同じ位置に通孔が設けられたカミソリ刃が示されている。なお、図3に示すように4つの通孔21の中に円形の通孔21が1つ存在し、その円形の通孔はカミソリ刃1の中心から偏倚して設けられている。したがって、カミソリ刃1が、柄の長手方向に刃が配設された種類のカミソリに用いられるときは、カミソリ刃1の両端部のどちらの端部がカミソリの先端側にあるのかを確認することができる。柄の長手方向にカミソリ刃が配設された種類のカミソリは、カミソリ刃1の一方の面のみが皮膚に接触するような使用の場合は刃先縁6が他方の面側にめくれて切れ味が落ちるので、そのようなときはカミソリ刃1をホルダーから取り出し、カミソリ刃1の前後の端部を逆にして再度ホルダーに装着することにより切れ味を回復できる。そして後日、カミソリ刃1の前後の端部を逆にしたか否かについては円形の通孔21の位置によって確認することができるのである。
【0016】
図5に示すように、ガード部9はその中央部10で幅が最も狭くなるように形成されている。ガード部9の両側縁11,11は中央部10から所定の距離だけ離れた位置から中央部10に至るまで直線をなしており、ガード部9の幅は直線的に狭くなっている。したがって、ガード部9の両側縁11,11は中央部において弧状でなく三角形の頂点25,25を形成する。これによりガード部9の最も強度の弱い部分が一点となり、折り曲げようとする力が加わったときにその最も強度の弱い中央部で折れ曲がる。中央部10の両側縁11,11を弧状にすると、ガード部9の中央部10における両側縁11,11の非常に短い部分で両側縁11,11は平行な直線とみなされるから、三角形の頂点25,25のように折り曲げ位置が確定しないのである。なお、前述した窓孔8の長い方向の長さは約2.5mmであり、最大幅は約1.1mmである。また、ガード部9の中央部10の幅は約0.18mmであり、その中央部10において直線状の両側縁11,11のなす角度aは約10°である。このように、ガード部9の幅は狭く形成されているので、図4に示すガード部材3をその中心線19で折り畳み重なり合った片持状のガード部9の先端部を細い棒でガード部9の厚み方向に押すとガード部9は弾性的に揺動する。ガード部9のピッチは約1.3mmである。
【0017】
図1はカミソリ刃1の刃先部4を刃先縁6に垂直な面で切った拡大断面図である。実際には、刃体2の厚みが0.15mmであり、ガード部材3の厚みが0.05mmであり、刃先縁6から両基線7,7を結ぶ線までの距離は0.7mmである。ガード部9はその先端12でU字形に曲がっており、先端12付近におけるガード部9の外面である第一弧状面13の曲率半径は約0.09mmである。この第一弧状面13は、図6に示すように刃体2の断面の中心線18で計測してガード部9の外面の先端12から約0.04mmまでの範囲bの部分である。また、第一弧状面13よりもやや後退した第二弧状面14の曲率半径は約0.35mmである。この第二弧状面14は、図6に示すように刃体2の断面の中心線18で計測して先端12から0.04mm〜0.16mmまでの範囲cの部分である。第二弧状面14よりもさらに後退した位置の第三弧状面15の曲率半径は約1.70mmである。この第三弧状面15は、図6に示すように刃体2の断面の中心線18で計測して先端12から0.16mm〜0.35mmまでの範囲dの部分である。このように、ガード部9の表面はその先端部付近で曲面が続いているので肌触りが良い。
【0018】
また、刃先縁6からガード部9の先端12の内面までの離間距離eは約0.05mmである。刃体2の厚みを0.15mmとしガード部材3の厚みを0.05mmとした場合に、好ましい離間距離eは0.01mm〜0.25mmである。この好ましい離間距離eはガード部材3の厚みの0.2倍以上で5倍以下の値である。特に好ましい離間距離eは0.01mm〜0.1mmであり、この数値であると毛が離間した隙間に入り込むことがない。また、刃先縁6などに対するガード部9の影響を防ぐことができる。離間距離eは刃先部4とガード部9との間の離間区域を構成する要素である。
【0019】
さらに、刃先面5から第三弧状面15の内面までの離間距離fも約0.05mmである。刃体2の厚みを0.15mmとしガード部材3の厚みを0.05mmとした場合に、好ましい離間距離fは0.025mm〜0.5mmである。この好ましい離間距離fはガード部材の厚みの0.5倍以上で10倍以下の値である。特に好ましい離間距離fは0.025mm〜0.1mmである。この数値であると毛が離間した隙間に入り込むことがない。離間距離fを例えば0.1mm以上にすると、ガード部9はカミソリ刃1に取り付けられたガード部材3の表面よりも膨出することになるが、本発明はそのような構成も含む。離間距離fは刃先部4とガード部9との間の離間区域を構成する要素である。
【0020】
図1では刃先面5,5の全面がガード部9の内面と離間している。本発明はこの構成に限定されるものでなく、例えば刃先縁6から0.5mmまでの間の部分で離間し、その位置から基線7に至るまでは離間せず接触していてもよい。なお、これまでに述べた数値は好ましい例示であって本発明がこれらの数値に限定されないことは勿論である。
【0021】
図2は、図面で見てガード部9の左側が皮膚に接触して毛を剃っている状態であり、ガード部9が刃先部4に対して右方向に揺動している。使用時におけるガード部9の揺動の度合いはガード部材3の厚みやガード部9の幅などによって決定される。毛を剃る際に剃り残した毛などの障害物がないときでもガード部9は弾性的にやや揺動するので皮膚との接触が滑らかになる。障害物に当たったときにガード部9はさらに揺動して障害物を楽に乗り越える。
【0022】
次に、図4に示すガード部材3を刃体2に取り付ける方法について説明する。まずガード部材3を中心線に沿って指で折り曲げる。前述したように、ガード部9の幅はその中央部10付近で直線的に狭くなっているので、ガード部9の両側縁11,11は中央部において弧状でなく三角形の頂点25,25を形成する。これによりガード部9の最も強度の弱い部分が一点となり、折り曲げようとする力が加わったときにその最も強度の弱い中央部で折れ曲がる。したがって、ガード部材3の長さ方向に延びる両縁部に左右の手の指先を宛がってガード部材3を折り曲げると、自然に中央部10を中心に折れ曲がる。この際、ガード部材3を過度に折り曲げず、折り曲げたガード部材3から手を離したときに半開きになる程度に折り曲げる。なお、この手作業で行う工程に代えて同じような作業を機械で行ってもよいことは勿論である。次に、プレスなどで半開きのガード部材3を潰す。厚み約0.05mmのガード部材3をプレスする際の固定台とプレスブロック間の隙間は0.10mm〜0.15mmの間の数値が好ましいがこれに限定されない。0.1mmは折り曲げられて重ねられたガード部9の2枚分の合計の厚みと等しい。ただし、隙間を前記数値未満の例えば0.05mmにするとガード部9が刃先面5に接触して離間されずガード部9の揺動する余地がなくなるので、プレス後にガード部9と刃先面5の大部分が離間しないような数値は含まない。なお、プレスによりガード部材3の外形や窓孔8や通孔20を成形したときは一方の面にバリが生じるので、そのバリが内側になるようにガード部材3を折り曲げる。
【0023】
次に、刃体2にガード部材3を取り付ける工程に移る。プレスされたガード部材3をやや開いた状態で取り付け位置にセットする。この際、ガード部材3を過度に開かない。次に、用意されていた刃体2をその刃先縁6から開いたガード部材3の間に挿入する。そして、その挿入した刃体2が所定のセット位置にあることを確認し、レーザー溶接を表裏同時に一点ずつ行うことによって刃体2にガード部材3を固着する。図3における小さな点16,17は溶接点である。溶接点16,17は図で見て上下2列存在している。溶接は刃先縁6に近い下側の溶接点16で先に溶接を行い、そのあとで上側の溶接点17で溶接を行う。刃先縁6に近い下側の溶接点16から溶接をした方が、刃先部4とガード部3の離間距離の正確さを維持しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】カミソリ刃の刃先付近の拡大断面図
【図2】図1におけるガード部が右方向に揺動した状態を示す断面図
【図3】カミソリ刃の正面図
【図4】折り曲げる前のガード部材の正面図
【図5】図4における窓孔及びガード部の拡大図
【図6】カミソリ刃の刃先縁付近のガード部も含めた拡大断面図
【符号の説明】
【0025】
1 カミソリ刃
2 刃体
3 ガード部材
4 刃先部
5 刃先面
6 刃先縁
7 基線
8 窓孔
9 ガード部
10 中央部
11 側縁
12 先端
13 第一弧状面
14 第二弧状面
15 第三弧状面
16 溶接点
17 溶接点
18 中心線
19 中心線
20 通孔
21 通孔
22 第一刃先面
23 第二刃先面
24 第三刃先面
25 頂点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃体とガード部材を含み、ガード部材は複数のガード部を有し、刃体の刃先部の両表面を刃先面と定義し、2つの刃先面により構成される頂部を刃先縁と定義して、折り曲げられたガード部が刃先縁を両側から覆うことによって刃先縁が間隔を置いて部分的に露出しているカミソリ刃において、刃先縁に垂直な断面で見て、ガード部が刃先部に対して刃体の厚み方向の少なくとも一方の方向に弾性的に揺動可能となるように、刃先部とガード部との間に離間区域を有することを特徴とするカミソリ刃。
【請求項2】
少なくとも一方の刃先面とガード部とが離間し、ガード部はその少なくとも一方の刃先面と全面的に離間している請求項1に記載のカミソリ刃。
【請求項3】
折り曲げる前のガード部は板状に形成されその中央部で最も幅が狭く、且つ所定の位置から中央部まで直線的に幅が狭くなるように形成されている請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のカミソリ刃。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−89939(P2009−89939A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264315(P2007−264315)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)