説明

カメラのアクセサリーシューカバー

【目的】 凹穴内に内装された操作スイッチを正しい状態で操作することが可能な部品としての、カメラに付属されるアクセサリーシューカバーを得る。
【構成】 カメラボディ1に設けられたアクセサリーシュー5の接点部5aを被覆するアクセサリーシューカバー6の一部に突部6bを一体に設け、カメラボディ1の凹穴8内に内装配置されている操作スイッチ、ここではフィルム巻戻しスイッチ9を操作させる際に、凹穴8内にアクセサリーシューカバー6の突部6bを挿入させてスイッチを操作する。このため、カメラに付属されている部品を用いて、いつでも正しい状態でのスイッチ操作が可能とされる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はアクセサリーシューを有するカメラに関し、特にアクセサリーシューの接点部を被覆するために設けられるシューカバーの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動フィルム巻戻し機構や日付写し込み機構等を有するカメラでは、フィルムを強制的に巻き戻すためのフィルム巻戻しスイッチや日付を写し込むための日付設定スイッチが設けられる。この場合、これらのスイッチがカメラボディの表面に露出されていると、カメラの操作中に誤ってスイッチを操作してしまうことがあり、意に反して日付が変わってしまったり、フィルムが巻戻されてしまう。このため、近年ではカメラボディの表面に凹穴を設け、この凹穴内にこれら使用頻度の少ない操作スイッチを内装したものが提案されている。このように構成すれば、先の尖った物で凹穴内のスイッチを操作しない限り、不用意に操作をしてしまうこと恐れがなくなる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
このようなカメラでは、操作スイッチの操作時には先の尖った物が必要とされるため、このような物を持ち合わせていないときには日付を設定したりフィルムを巻戻すことが難しくなる。又、シャープペンシルの先端でスイッチを操作することが良く行われるが、芯を出したままスイッチを操作すると、折れた芯がスイッチ内に挟まり、スイッチの正常な動作を阻害することがある。
【0004】
更に、最近では操作スイッチにゴム接点を用いたものが提案されているが、このような場合にボールペンの様な先の尖った硬い物でスイッチを操作したときには、ゴム接点に穴を開けてしまい、接点の接触不良を生じることがあり、カメラの故障の原因となるおそれがある。
本考案の目的は、操作スイッチを正しい状態で操作することが可能な部品としての、カメラに付属されるアクセサリーシューカバーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は、カメラボディに設けられたアクセサリーシューの接点部を被覆するアクセサリーシューカバーの一部に、操作スイッチを内装させた凹穴内に挿入されてその操作スイッチを操作させる突部を設けている。
【0006】
【実施例】
次に、本考案について図面を参照して説明する。図1は本考案が適用されるカメラの概略斜視図であり、1はカメラボディ、2はレンズであり、ここでは本考案を一眼レフレッスクカメラに適用した例を示している。カメラボディ1にはシャッターボタン3、ディスプレイ4等が設けられるとともに、一方の肩部にはアクセサリーシュー5が設けられる。このアクセサリーシュー5は既に広く知られた構成であり、図外のフラッシュ装置等を嵌合支持させてカメラ側と電気的な接続を行うことができる。
【0007】
又、このアクセサリーシュー5にはカメラボディ1に対して着脱可能なアクセサリーシューカバー6を装着しており、その装着状態ではアクセサリーシューカバー6によってアクセサリーシュー5の接点部5aを被覆し、その露呈を防止させる。このアクサセリーシューカバー6は樹脂材等の絶縁材料で形成しており、カメラボディ1と同一又は類似の表面処理が施され、アクセサリーシュー5に装着したときに違和感を生じさせないようにすることが好ましい。又、このアクセサリーシューカバー6は、図2に拡大図示するように、アクセサリーシュー5の両側レール5bに嵌合される凹溝6aを両側部に有し、かつアクセサリーシュー5に装着する際の挿入側の端部には先端部を尖らせた突部6bを一体成形している。この突部6bは全体としてテーパ状に形成され、アクセサリーシューカバー6をアクセサリーシュー5に装着したときには、アクセサリーシュー5に臨む位置のカメラボディに設けた凹部1aに収納されるように構成している。
【0008】
一方、カメラボディ1の一側部には、裏蓋開放レバー7と共にテーパ状をした凹穴8が設けられ、この凹穴8内にはフィルム巻戻しスイッチ9が内装される。
このフィルム巻戻しスイッチ9は、図3に図1のA−A線拡大断面構造を示すように、カメラボディ1のボディ本体11の表面に沿って配設したフレキシブルプリント回路板12の表面に配設されたゴム接点13で構成されている。このゴム接点13は内側に向けて押圧されたときに弾性変形してフレキシブルプリント回路板12の接点に導電部13aが接触することで回路を導通させ、これにより回路をオンさせて図外の電動フィルム巻戻し機構を駆動させ、フィルムを強制的に巻戻させる。
【0009】
したがって、この構成によれば、フィルム巻戻しスイッチ9はカメラボディ1の表面よりも後退された位置に設けられていることから、カメラの通常の操作ではフィルム巻戻しスイッチ9に手や物が触れることはなく、意に反したフィルムの強制巻戻しは防止される。そして、フィルムを巻戻す必要が生じたときには、図1及び図2のように、アクセサリーシュー5に装着されているアクセサリーシューカバー6を取り外した上で、図4に示すように、アクセサリーシューカバー6に一体に設けた突部6bを凹穴8に挿入させ、その内部のゴム接点13を押圧する。これにより、ゴム接点13は内側に弾性変形され、導電部13aがフレキシブルプリント回路板12に接触してフィルム巻戻しスイッチ9を作動させ、フィルム巻戻し機構によりフィルムの巻戻しが実行される。
【0010】
このため、カメラに常時付属されているアクセサリーシューカバー6を用いることで、室外等での撮影時におけるフィルム巻戻しをいつでも行うことが可能になる。又、フィルムの巻戻しの際にシャープペンシルや他の硬い部品を使用する必要がなくなり、これらの部品を使用したスイッチ操作が原因とされるカメラの故障を未然に防止することもできる。
尚、前記実施例では操作スイッチとしてフィルム巻戻しスイッチで例示したが、日付写し込み機構の日付設定スイッチに適用することも可能である。
【0011】
【考案の効果】
以上説明したように本考案は、凹穴内に内装された操作スイッチを、アクセサリーシューカバーに設けた突部で操作することができるので、通常ではカメラに装着されているアクセサリーシューカバーを利用していつでも操作スイッチの操作を行うことができ、他の部品を使用した操作スイッチの操作時に生じる故障の原因を未然に回避することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のアクセサリーシューカバーを有するカメラの全体斜視図である。
【図2】図1の一部の拡大斜視図である。
【図3】図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図4】本考案のアクセサリーシューカバーを用いてフィルム巻戻しを行う状態を示す図3と同様の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 カメラボディ
5 アクセサリーシュー
5a 接点部
6 アクセサリーシューカバー
6b 突部
8 凹穴
9 フィルム巻戻しスイッチ
12 フレキシブルプリント回路板
13 ゴム接点

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 アクセサリーシューを有し、かつ操作スイッチをカメラボディの凹穴内に配設したカメラにおいて、前記アクセサリーシューの接点部を被覆するアクセサリーシューカバーの一部に、前記凹穴内に挿入されて前記操作スイッチを操作させる突部を設けたことを特徴とするカメラのアクセサリーシューカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】実開平5−66640
【公開日】平成5年(1993)9月3日
【考案の名称】カメラのアクセサリーシューカバー
【国際特許分類】
【出願番号】実願平4−13319
【出願日】平成4年(1992)2月12日
【出願人】(000000527)旭光学工業株式会社 (1,878)