説明

カーテン巻取装置

【課題】カーテンの巻取り量を調整することができ、耐久性と操作性に優れるカーテン巻取装置を提供する。
【解決手段】カーテンを巻取るための巻取り軸16と連係手段24、32によって同期回転する螺杆28を鉛直下方向に配設し、調整軸30、31を螺杆28と平行に配設し、調整軸30、31の下端が調整ボックス26の下面から延出し、その下端を回転させてることで上下に摺動するリミットスイッチ38、39を設け、巻取り軸16と同期して螺杆28が回転することにより、螺杆28に螺合されたドグ34が摺動して調整軸30、31のリミットスイッチ38、39の作動片38a、39aと当接することで、巻取り軸16を駆動する駆動手段12を停止させてカーテンの巻取り量を調整することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンの開閉を行なうためのカーテン巻取装置に関し、詳しくは、カーテンの巻取り量を調整することで、カーテンの開口度を変更することのできるカーテン巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば農業用のビニールハウス等には、ハウス内の温度調節をするための開閉可能なカーテンが設けられており、その開閉には、カーテン巻取装置による巻取りあるいは巻戻しすることで行なわれている。このようなカーテン巻取装置では、季節やビニールハウス内の栽培作物の種類等に応じたビニールハウス内の温度調節を行なうために、カーテンの巻取り量を調整可能に設け、カーテンの開口度を変更しうるようにすることが望ましい。
【0003】
そこで、従来、例えば特許文献1には、カーテンの巻取り量を変更することができるカーテン巻取装置が開示されている。該巻取装置は、カーテンを巻取るための巻取り軸とこれに連係手段を介して同期回転可能に設けた調整軸とを有し、該調整軸の一端は巻取装置の筐体側面から外部へ延び、その一端部にはつまみが固嵌され、他端部には径方向へ作動子が突設されており、つまみを回転させて調整軸を回転させることで、作動子がリミットスイッチの作動片に当接するまでの回転角を調整して、カーテンの巻取り量を調整するものがある。
【0004】
しかしながら、上記のカーテン巻取装置がビニールハウス等のために屋外で用いられる場合、調整軸が該巻取装置の筐体側面から外部へ出っ張っているため、調整軸を伝って雨水が筐体内部へ入り込み該巻取装置の耐久性が著しく低下することに加え、出っ張った調整軸は外力に対し弱いため壊れやすい問題があった。また、このようなカーテン巻取装置は頭上に設置されることが多く、カーテンの巻取り量を調整するつまみが該装置の筐体側面に配されていると、操作しづらいという問題があった。
【特許文献1】特開平6−225648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上の問題に鑑みてなされたものであり、カーテンの巻取り量を調整することができ、耐久性と操作性に優れるカーテン巻取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカーテン巻取装置は、カーテンを巻取るための巻取り軸と、前記巻取り軸を駆動するモータと、これらを収納する筐体とを有し、カーテンの巻取り量を調整することで、カーテンの開口度を変更することのできるカーテン巻取装置において、前記筐体内部に前記巻取り軸と連係手段によって同期回転する螺杆を鉛直下方向に配設し、前記筐体内部に前記螺杆と平行に第1の調整軸を配設し、前記第1の調整軸の下端は前記筐体下面から延出し、前記第1の調整軸は雄ネジ部を有し、この雄ネジ部に第1の摺動体が螺合され、この第1の摺動体に第1のリミットスイッチが付設され、前記モータによって回転する前記巻取り軸と同期して前記螺杆が回転することにより、前記螺杆に螺合されたドグが上下に摺動して前記第1のリミットスイッチの作動片と当接することで前記モータを停止させ、また、前記第1の調整軸の下端を回転させることにより前記第1のリミットスイッチが上下に摺動することを特徴とする。
【0007】
また、上記本発明において、前記筐体内部に前記螺杆と平行に第2の調整軸を配設し、前記第2の調整軸の下端は前記筐体下面から延出し、前記第2の調整軸は雄ネジ部を有し、この雄ネジ部に第2の摺動体が螺合されると共に、前記第2の摺動体は前記ドグを中心にして前記第1の摺動体の反対側へ配され、この第2の摺動体に第2のリミットスイッチが付設され、前記モータによって回転する前記巻取り軸と同期して前記螺杆が回転することにより、前記ドグが上下に摺動して前記第1のリミットスイッチまたは前記第2のリミットスイッチの作動片と当接することで前記モータを停止させ、また、前記第2の調整軸の下端を回転させることにより前記第2のリミットスイッチが上下に摺動するように設けてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カーテンの巻取り量を調整するための第1の調整軸を鉛直下方向に配設することにより、第1の調整軸の下端をカーテン巻取装置の筐体の底面から突出させることができるため、雨水が第1の調整軸を伝って筐体内部へ入り込むことがなく、しかも第1の調整軸の出っ張りを抑えることができるため耐久性に優れ、また、カーテン巻取装置を頭上に配置する場合であっても操作しやすい。また第2の調整軸についても鉛直下方向に配設することにより、同様の作用効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は本実施形態に係るカーテン巻取装置10の斜視図、図2は該巻取装置10の断面図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、カーテン巻取装置10は、カーテンを巻取る巻取り軸16へモータ12の駆動力を伝えるためのユニットである駆動部2と、モータ12を制御してカーテンの巻取り量あるいは巻戻し量を調整するためのユニットである調整部4から構成される。
【0012】
駆動部2は、駆動手段であるモータ12と、その駆動軸14と同期回転する巻取り軸16を収納する筐体であるギアボックス18とからなる。
【0013】
詳細には、ギアボックス18の上部に設けられたモータ12の駆動軸14は、垂下して下端がギアボックス18に軸支され、ウォーム20が固嵌されている。
【0014】
巻取り軸16は、水平方向に配され、その略中間部にウォーム20と噛合するウォームホイル22が固嵌され、ギアボックス18の対向する側面に貫設されており、その一端は、直接あるいは他のギアやフレキシブルバーなどの部材を介してビニールハウスのカーテンを巻取るための部位としてギアボックス18から延出し、他端は、傘歯車24が固嵌されて、ギアボックス18の側面に付設された調整ボックス26に収納されている。
【0015】
調整部4は、鉛直下方向に配された螺杆28と調整軸30、31とを軸支して収納する筐体である調整ボックス26からなる。
【0016】
詳細には、調整軸30、31は、その下端が、調整ボックス26から延出して、つまみ40、41が固嵌されるとともに、調整ボックス26に収納されている部位に雄ネジ部を設け、摺動体36、37に穿設した雌ネジ部と螺合され、つまみ40、41を回転させることにより、摺動体36、37に付設されたリミットスイッチ38、39が上下に摺動するようになっている。リミットスイッチ39はドグ34を中心にしてリミットスイッチ38の反対側、すなわちリミットスイッチ38はドグ34の下方に、リミットスイッチ39はドグ34の上方に配される。
【0017】
螺杆28は、巻取り軸16との連係手段、すなわち傘歯車24と噛合する傘歯車32が固嵌されることで巻取り軸16と同期回転可能に設けられており、この回転により、ネジ孔を穿設して螺杆28に螺合されたナット状のドグ34が、上下に摺動して、リミットスイッチ38、39の作動片38a、39aに当接してリミットスイッチ38、39を作動させるようになっている。
【0018】
この一方のリミットスイッチ38は、モータ12の正転による巻取り軸16の巻取り方向への回転を停止させる巻終わり検知スイッチであり、ドグ34が作動片38aに当接してリミットスイッチ38が作動することで、モータ12の正転を停止させる。他方のリミットスイッチ39は、モータ12の逆転による巻取り軸16の巻戻し方向への回転を停止させる巻戻し検知スイッチであり、ドグ34が作動片39aに当接してリミットスイッチ39が作動することで、モータ12の逆転を停止させる。
【0019】
上記のようなカーテン巻取装置10を用いてカーテンを巻取るには、まず不図示の作動スイッチを作動させてモータ12の駆動軸14を正転させることにより、巻取り軸16が巻取り方向へ回転させられカーテンが巻取られるとともに、傘歯車24、32の連係手段を介して螺杆30が回転させられて、ドグ34が螺杆30に沿って下方向へ摺動する。
【0020】
そして、ドグ34が巻終わり検知スイッチであるリミットスイッチ38の作動片38aに当接すると、モータ12の正転が停止させられて、巻取り軸16によるカーテンの巻取りが終了する。
【0021】
カーテンの巻取り量の調整は、ドグ34と作動子38aとが当接する位置を調整することにより行なう。すなわち、つまみ40を正回転させてリミットスイッチ38を下方向へ摺動させることで、ドグ34が作動子38aと当接までのストロークが長くなり巻取り量を増加させることができる。また、巻取り量を減少させる場合は、つまみ40を逆回転させてリミットスイッチ38を上方向へ摺動させる。
【0022】
一方、カーテン巻取装置10を用いてカーテンを巻戻す場合は、モータ12の駆動軸14を逆転させることによりカーテンが巻戻されるとともに、ドグ34が上方向へ摺動して巻戻し検知スイッチであるリミットスイッチ39の作動片39aに当接すると、モータ12の逆転が停止させられて、巻取り軸16によるカーテンの巻戻しが終了する。
【0023】
また、カーテンを巻戻し量の調整は、つまみ41を正回転させてリミットスイッチ39を上方向へ摺動させることで巻戻し量を増加させ、つまみ41を逆回転させてリミットスイッチ39を下方向へ摺動させることで巻戻し量を減少させることができる。
【0024】
上記のように、本実施形態のカーテン巻取装置10では、巻取り量あるいは巻戻し量を調整するための調整軸30、31を鉛直下方向に設けることにより、屋外で用いる場合であっても、雨水が調整軸30、31を伝って調整ボックス26内部へ入り込むことがなく、かつ調整軸30、31を収納する調整ボックス26がギアボックス18から出っ張るのを抑えることができるため、カーテン巻取装置10の耐久性を著しく向上することができるとともに、頭上に設置される場合であっても、カーテンの巻取り量あるいは巻戻し量の調整が容易となる。
【0025】
なお、本実施形態では、巻取り量および巻戻し量のいずれも調整可能に設けたが、本発明はこれに限定されず、巻取り量または巻戻し量のいずれか一方のみを調整可能としてもよい。すなわち、巻終わり検知スイッチ28または巻戻し検知スイッチ39のいずれか一方のみを調整軸30あるいは調整軸31の回転によって摺動可能に設け、他方の検知スイッチを調整ボックス26など適宜の固定体に取り付けてもよい。
【0026】
また、本実施形態では、巻取り軸16と螺杆28との連係手段として各々に固嵌された傘歯車24、32を用いたが、これに代えてウォームとウォームホイルとからなるウォームギアにより巻取り軸16と螺杆28との連係してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のカーテン巻取装置は、ビニールハウスのカーテン巻取装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態に係るカーテン巻取装置の斜視図である。
【図2】本実施形態に係るカーテン巻取装置の縦断面図である。
【符号の説明】
【0029】
2……駆動部
4……調整部
10……カーテン巻取装置
12……モータ
14……駆動軸
16……巻取り軸
18……ギアボックス
20……ウォーム
22……ウォームホイル
24、32……傘歯車(連係手段)
26……調整ボックス
28……螺杆
30、31……調整軸
34……ドグ
36、37……摺動体
38……リミットスイッチ(巻終わり検知スイッチ)
39……リミットスイッチ(巻戻し検知スイッチ)
38a、39a……作動片
40、41……つまみ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンを巻取るための巻取り軸と、前記巻取り軸を駆動するモータと、これらを収納する筐体とを有し、カーテンの巻取り量を調整することで、カーテンの開口度を変更することのできるカーテン巻取装置において、
前記筐体内部に前記巻取り軸と連係手段によって同期回転する螺杆を鉛直下方向に配設し、
前記筐体内部に前記螺杆と平行に第1の調整軸を配設し、前記第1の調整軸の下端は前記筐体下面から延出し、前記第1の調整軸は雄ネジ部を有し、この雄ネジ部に第1の摺動体が螺合され、この第1の摺動体に第1のリミットスイッチが付設され、
前記モータによって回転する前記巻取り軸と同期して前記螺杆が回転することにより、前記螺杆に螺合されたドグが上下に摺動して前記第1のリミットスイッチの作動片と当接することで前記モータを停止させ、また、前記第1の調整軸の下端を回転させることにより前記第1のリミットスイッチが上下に摺動することを特徴とするカーテン巻取装置。
【請求項2】
前記筐体内部に前記螺杆と平行に第2の調整軸を配設し、前記第2の調整軸の下端は前記筐体下面から延出し、前記第2の調整軸は雄ネジ部を有し、この雄ネジ部に第2の摺動体が螺合されると共に、この第2の摺動体は前記ドグを中心にして前記第1の摺動体の反対側へ配され、この第2の摺動体に第2のリミットスイッチが付設され、
前記モータによって回転する前記巻取り軸と同期して前記螺杆が回転することにより、前記ドグが上下に摺動して前記第1のリミットスイッチまたは前記第2のリミットスイッチの作動片と当接することで前記モータを停止させ、また、前記第2の調整軸の下端を回転させることにより前記第2のリミットスイッチが上下に摺動することを特徴とする請求項1記載のカーテン巻取装置。
【請求項3】
前記連係手段は、傘歯車、ウォームギアのいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載のカーテン巻取装置。
【請求項4】
前記カーテンはビニールハウスを覆うビニールカーテンであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のカーテン巻取装置。

【図1】
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【図2】
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