説明

カードスロット及びこれを備えた電子機器

【課題】耐衝撃性を向上させることができるカードスロット及びこれを用いた電子機器を提供する。
【解決手段】ヒートシンク本体31が上昇している初期状態では、ヒートシンク本体31を、押えばね53及び63によって、比較的に強い力によって、下方に押し下げる。一方、ヒートシンク本体31を、第1スプリング32によって、下降しないように支持する。すなわち、ヒートシンク本体31の中央部分は、第1スプリング32によって引き上げられており、ヒートシンク本体31の周辺部分は、押えばね53及び63によって押し下げられている。この状態において、落下等によってカードスロットに衝撃が加わっても、ヒートシンク本体31の位置ずれを防ぐことができる。したがって、この発明によれば、落下衝撃に強いタイプのカードスロットを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードスロット及びこれを備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICカード(例えばPCMCIAカード)を電子機器(例えばラップトップコンピュータや薄型テレビジョン)に取り付けるためのカードスロットが従来から用いられている。ICカードをカードスロットに差し込むことにより、ICカードと電子機器とを接続することができる。
【0003】
ところで、近年のICカードは、高機能化(例えば無線機能を持つなど)や回路の高集積化のために、内部発熱が大きくなっている。このため、内部発熱をカード外部に放散する必要が生じている。
【0004】
ICカードの内部発熱を放散するための技術として、例えば、特開平10-198462号公報(特許文献1)の図2に記載されたものがある。この技術では、スロットの内部に放熱体をあらかじめ配置しておく。スロット内部にICカードを挿入すると、放熱体とICカードとが接触し、ICカードの熱が放熱体を介して放散される。
【0005】
しかしながら、この技術では、ICカードを挿入するときに、放熱体とICカードとが擦れ合うために、ICカードの挿入に力を要してしまうという不都合がある。
【0006】
これに対して、特開2005-222537号公報(特許文献2)に記載の技術では、ICカードの挿入前には、ヒートシンクを上方に待避させておく。ICカードが挿入されると、カム機構によってヒートシンクが徐々に下降する。ヒートシンクとICカードとは、ICカードの挿入ストロークの途中において、互いに接触する。この技術によれば、ICカードの挿入当初においては、挿入に対するヒートシンクの抵抗がないために、挿入が円滑になる。
【0007】
しかしながら、この技術でも、ICカードの挿入の途中において、ヒートシンクの下面とICカードの上面とが擦れ合うために、その時点以降の挿入抵抗が急激に増加する。すると、使用者によっては、ICカードを電子機器に接続する前に、十分に差し込んだと勘違いして、挿入をやめてしまうことも考えられる。
【0008】
一方、特開2005-285522号公報(特許文献3)に記載の技術も、特許文献2に記載のものと同様に、カム機構を用いて、ヒートシンクを下降させている。ただし、この技術では、ICカードをスロットに完全に差し込んだ後に、ヒートシンクを自動的に下降させる構造を採用している。これによれば、ICカードの挿入途中では、ヒートシンクとICカードとが干渉しないので、挿入抵抗が少なくなる。しかし、この技術では、ICカードの挿入後にヒートシンクを独立して下降させるための機構が必要となり、構造の複雑化や部品点数の増加を招くという不都合がある。これらは、故障や高コストの原因となりやすい。
【特許文献1】特開平10-198462号公報
【特許文献2】特開2005-222537号公報
【特許文献3】特開2005-285522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明者らにより、ICカードを容易かつ確実に取り付けることが可能なカードスロットが提案されている。この技術は、概略、以下のような構成になっている。
・ICカードの挿入につれてカム面を移動させる。
・このカム面の形状に沿ってピンを下降させ、さらには、ピンに取り付けられている板ばねを下降させる。
・この板ばねの下降により、板ばねで支持されているヒートシンクを下降させる。
・すると、ヒートシンクの下面がICカードに接触する。これにより、ヒートシンクによる放熱が可能になる。
【0010】
ここで、ヒートシンクを支持している板ばねは、板ばねの中央部分において、ヒートシンクの上面中央にねじで取り付けられている。
【0011】
ところで、このようなカードスロットを基板に組み付けた状態で、基板を搬送する場合がある。例えば、カードスロット付きテレビジョンの組み立て工場などでは、カードスロットを基板に取り付ける場所と、基板を筐体に取り付ける場所とが離れていることがある。この場合には、基板を搬送する必要が生じる。
【0012】
ここで、もし、基板の搬送中に、基板を落としたり、何かにぶつけると、基板には衝撃が加わってしまう。このとき、前記の技術では、ヒートシンクを板ばねで支持しているために、ヒートシンクの位置が、所定位置からずれる可能性がある。このような位置ずれを生じると、基板を筐体に組み付けることが困難になる等の不都合を生じる。
【0013】
このような問題を避けるため、ヒートシンクを支持するばねの強度を上げたり、ガイド部材を設置するという手段も考えられる。しかしながら、この場合には、カードスロットが大型化したり重量が増加する等の別の不都合が生じやすい。特に、ヒートシンクは、熱容量を増したり、外気との接触面積を増やすために、ある程度の大きさや重量を持つことが多い。このため、前記のような不都合を生じやすい。
【0014】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、耐衝撃性を向上させることができるカードスロット及びこれを用いた電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るカードスロットは、スロット本体と、ヒートシンクと、第1サポートと、第2サポートとを備えている。前記スロット本体は、その内部にICカードを収納する構成となっている。前記ヒートシンクは、ヒートシンク本体と第1スプリングとを備えている。前記第1スプリングは、前記ヒートシンク本体の上面のほぼ中央に取り付けられて、前記ヒートシンク本体を支持している。かつ、前記第1スプリングは、前記スロットの内部に前記ICカードが挿入されるにつれて下降して、前記ヒートシンク本体を押し下げる構成となっている。前記第1サポートは、二つの第1脚部と、第1連結部と、第1押さえばねとを備えている。前記二つの第1脚部は、前記スロット本体の一端側近傍において、前記ヒートシンク本体を挟む位置に対向して配置されている。前記第1連結部は、前記二つの第1脚部の上端近傍どうしを連結している。前記第1押さえばねは、前記第1脚部又は前記第1連結部のいずれかから、前記ヒートシンク本体の上面に向けて延出されて、前記ヒートシンク本体の上面を下方に押圧している。前記第2サポートは、二つの第2脚部と、第2連結部と、第2押さえばねとを備えている。前記二つの第2脚部は、前記スロット本体の他端側近傍において、前記ヒートシンク本体を挟む位置に対向して配置されている。前記第2連結部は、前記二つの第2脚部の上端近傍どうしを連結している。前記第2押さえばねは、前記第2脚部又は前記第2連結部のいずれかから、前記ヒートシンク本体の上面に向けて延出されて、前記ヒートシンク本体の上面を下方に押圧している。
【0016】
この発明によれば、第1押えばねと第2押えばねとにより、ヒートシンク本体の上面を下方に押圧することができる。一方、第1スプリングにより、ヒートシンク本体の上面ほぼ中央を、上方に吊り上げた状態で支持することができる。すると、ヒートシンク本体は、第1及び第2押えばねの押し下げ力と第1スプリングとの引き上げ力とがつりあった位置に保持される。
【0017】
前記ヒートシンク本体の上面形状は、例えばほぼ四角形状である。前記第1押さえばね及び前記第2押さえばねは、いずれも二つとすることができる。もちろん三つ以上であってもよい。前記第1押さえばね及び前記第2押さえばねを、前記ヒートシンク本体の上面における四隅の近傍に当接させることができる。もちろん、四隅以外の部分に当接させることは可能であるが、これらのばねで押圧した状態において、ヒートシンク本体の下面を、ICカードの上面と平行に保つことが望ましい。
【0018】
前記第1スプリングを、板ばねによって構成することができる。前記第1スプリングの一端を、前記ICカードが前記スロット本体に挿入されるにつれて下降する構成とすることができる。前記第1スプリングの他端を、前記スロット本体に取り付けることができる。
【0019】
本発明のカードスロットは、さらにカード排出レバーを備えてもよい。前記カード排出レバーはカム面を備えることができる。前記カム面は、前記スロット本体に前記ICカードが挿入されるにつれて、このICカードの押し込み力によって移動する構成とされる。前記ヒートシンクは、さらに第1ガイドピンを備えることができる。前記第1ガイドピンは、前記第1スプリングの他端に取り付けることができる。さらに、前記第1ガイドピンは、前記カム面の移動によって下降する構成とすることができる。
【0020】
前記第1サポートの前記第1脚部又は前記第2サポートの前記第2脚部に、前記ヒートシンク本体の方向に延長され、かつ、前記スロット本体の上面に当接する当接面を形成することができる。第1脚部又は第2脚部に、前記ヒートシンクの方向への力が加わると、当接面でこれらの脚部を支持することができる。これにより、これらの脚部の強度が向上する。
【0021】
前記第1脚部又は前記第2脚部は、それぞれ、脚部本体と延出部とを備えることができる。前記脚部本体を板状に形成することができる。前記脚部本体の下端部を前記スロット本体に嵌め込むことができる。前記延出部は、前記下端部よりも上の位置から、前記脚部本体の表面に交差する方向に延長されていてもよい。前記延出部の下面を、前記した本発明における当接面とすることができる。
【0022】
また、本発明に係る電子機器は、前記したいずれかの構成を有するカードスロットを備えたものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るカードスロット及びこれを備えた電子機器によれば、第1サポートと、第2サポートとを備えたことにより、カードスロットへの耐衝撃性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係るカードスロットを、添付の図面を参照しながら説明する。
【0025】
(実施形態の装置の構成)
本実施形態のカードスロット1は、スロット本体10と、カード排出レバー20と、ヒートシンク30と、付勢機構40と、第1サポート50と、第2サポート60とを備えている(図1〜図10参照)。
【0026】
スロット本体10は、ハウジング11と、ガイド部12及び13と、カード排出機構14と、上部カバー15と、スライダ16とを備えており、その内部にICカード3(図2参照)を収納する構成となっている。
【0027】
ハウジング11は、ICカード3を接続するための多数のピン111を備えている。ハウジング11は、上部カバー15の下面に接するように配置され、かつ、ガイド部12及び13の間に取り付けられる。
【0028】
ガイド部12及び13は、ICカード3の挿入方向に沿って延長されている。ガイド部12とガイド部13との対向面には、それぞれ、ICカード3を保持しながら案内する溝121及び131が形成されている。これにより、スロット本体10は、ガイド部12とガイド部13との間にICカード3を収納できるようになっている。
【0029】
カード排出機構14は、板状のリンク部材141を備えている。リンク部材141は、その中央部分141aにおいて、上部カバー15の下面中央に、正逆方向への回転が可能なように取り付けられている。
【0030】
リンク部材141の一端(図1において右端)には、フック141bが形成されている。フック141bは、カード排出レバー20の端部近傍に形成された凹部221(後述)に取り付けられている。リンク部材141の他端(図1において左端)は、スロット本体10の内部にICカード3が押し込まれたときに、ICカード3の先端が接触して押し込まれるようになっている。すると、リンク部材141の一端に形成されたフック141bは、リンクの作用により、ICカード3の挿入方向とは逆向きに移動する。これにより、本実施形態では、スロット本体10にICカード3を挿入する押し込み力によって、ICカード3の挿入方向とは逆の方向に、カード排出レバー20を移動させることができるようになっている。
【0031】
上部カバー15は、ガイド部12とガイド部13との間を連結している。
【0032】
スライダ16は、ガイド部13の外側の側面に取り付けられている(図1参照)。スライダ16は、カード排出レバー20における二つのスリット213及び223に挿通されている。これにより、スライダ16は、カード排出レバー20が、ガイド部13の延長方向に沿って移動するよう、案内することができる。
【0033】
スロット本体10における各部の構造は基本的に従来と同様でよいので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0034】
カード排出レバー20は、内側部材21と外側部材22とを備えている。内側部材21は、第1カム面211と第2カム面212とを備えている。
【0035】
第1カム面211は、内側部材21に形成された透孔210の内周面によって構成されている。第1カム面211は、平坦部211aと、緩斜面部211bと、急斜面部211c(第1急斜面部に相当)とを備えている(図4参照)。第1カム面211は、ヒートシンク30に備えられた第1ガイドピン33(後述)を、その形状に沿って案内するようになっている。第1カム面211は、後述するように、カード排出レバー20の移動に伴って、ヒートシンク30を下降させて、ICカード3の上面に接触させる形状となっている。
【0036】
第2カム面212は、平坦部212aと、急斜面部212b(第2急斜面部に相当)とを備えている(図4参照)。第2カム面212は、付勢機構40に備えられた第2ガイドピン44(後述)を、その上面で支持しており、かつ、その形状に沿って案内するようになっている。第2カム面212の急斜面部212bは、後述するように、カード排出レバー20の移動に伴って、付勢機構40により、ICカード挿入時の移動方向(図4中左方)における前方に付勢される構成となっている。
【0037】
外側部材22は、凹部221と、突起部222(図3参照)と、スリット223とを備えている。凹部221には、前記したとおり、リンク部材141のフック141bが取り付けられている。突起部222は、内側部材21に向けて突出されたもので、内側部材21の先端(図1において右端)に当接するようになっている。スリット223には、前記したように、スライダ16が挿入されている。
【0038】
ヒートシンク30は、ヒートシンク本体31と、第1スプリング32と、第1ガイドピン33と、止めねじ35とを備えている。ヒートシンク本体31は、例えばアルミ合金などの、放熱性の良い材質で構成されている。ヒートシンク本体31の下面は平坦面とされている。ヒートシンク本体31の上面には多数の放熱フィン311が形成されている。ヒートシンク本体31の上面形状は、本実施形態では、ほぼ四角形状とされている(図1〜図3参照)。
【0039】
第1スプリング32は、板ばねにより構成されている。第1スプリング32の中央近傍には、厚さ方向に貫通した孔321が形成されている。また、第1スプリング32の一端32aには、第1ガイドピン33が取り付けられている。これにより、第1スプリング32の一端32aは、ICカード3がスロット本体10に挿入されるにつれて下降するようになっている(後述)。第1スプリング32の他端32bは、スロット本体10のガイド部13の側面に、回動可能なように取り付けられている(図5参照)。これにより、第1スプリング32の他端32bは、スロット本体10に取り付けられたものとなっている。
【0040】
止めねじ35は、第1スプリング32に形成された孔321に挿入された状態で、ヒートシンク本体31にねじ込まれている。これにより、第1スプリング32は、止めねじ35を中心として若干の範囲で揺動できるようになっている。また、これにより、第1スプリング32は、ヒートシンク本体31の上面のほぼ中央に取り付けられて、ヒートシンク本体31を、いわば宙づりの状態で支持している。
【0041】
第1ガイドピン33は、第1スプリング32の一端32aを介して、ヒートシンク本体31に取り付けられたものとなっている。また、第1ガイドピン33は、第1カム面211を形成する透孔210の内部に、脱落しないように挿通されており、第1カム面211の形状に沿って移動できるようになっている。
【0042】
第1ガイドピン33は、後述するように、ICカード3の挿入に伴って第1カム面211が移動すると、第1カム面211の形状に沿って、第1スプリング32を押し下げ、これによって、第1スプリング32を介してヒートシンク本体31を下降させる構成となっている。すなわち、第1スプリング33は、スロットの内部にICカード3が挿入されるにつれて下降して、ヒートシンク本体31を押し下げる構成となっている。
【0043】
より具体的には、第1ガイドピン33は、ICカード3の挿入に伴って、第1カム面211の緩斜面部211bの後に、第1急斜面部211cに沿って移動する構成となっている(図4参照)。さらに、第1ガイドピン33は、第1急斜面部211cの途中又は終端の位置に達したときに、ヒートシンク本体31の下面をICカード3の上面に接触させる構成となっている。
【0044】
付勢機構40は、ガイドポスト41と、スライダ42と、第2ガイドピン43と、2本の第2スプリング44とを備えている(図1〜図3参照)。
【0045】
ガイドポスト41は、スロット本体10のガイド部13の上面によって支持されている。また、ガイドポスト41は、図1において上下方向に沿って延長されている。
【0046】
スライダ42は、ガイドポスト41から脱落しないように、遊びを持ちながら嵌め合わされている。また、スライダ42は、ガイドポスト41の延長方向に沿って、上下に移動できるようになっている。
【0047】
第2ガイドピン43は、スライダ42に、脱落しないように取り付けられている。さらに、第2ガイドピン43は、スライダ42に対して軸周りに自由に自転できるように取り付けられている。
【0048】
第2ガイドピン43は、第2カム面212の上面に載置されており、この第2カム面212で支持されている(図4参照)。第2ガイドピン43は、ICカード3の挿入に伴って、第2カム面212の平坦部212aの後に、第2急斜面部212bの上面に沿って移動する構成となっている。
【0049】
2本の第2スプリング44は、この実施形態では、引っ張り力を与えるコイルばねにより構成されている。第2スプリング44は、ガイドポスト41の下面とスライダ42の上面との間に掛け渡されており、スライダ42を下方に引き下げるように作用する。これにより、第2スプリング44は、第2ガイドピン43を、第2カム面212に押し付ける方向に付勢する。この構成によって、第2ガイドピン43は、第2急斜面部212bの上面を移動するときに、第2急斜面部212bを、第2カム面212の移動方向における前方へ付勢する構成となっている。つまり、第2スプリング44の付勢力により、第2カム面212は、その移動方向における前方に付勢される構成となっている。
【0050】
第1サポート50は、二つの第1脚部51と、第1連結部52と、二つの第1押さえばね53とを備えている(図1及び図6〜図10参照)。
【0051】
二つの第1脚部51は、スロット本体10の一端側(図2において右端側)近傍において、ヒートシンク本体31を挟む位置に対向して配置されている。それぞれの第1脚部51は、その中間部分における横断面が略L字状に形成されている(図1及び図9参照)。具体的には、第1脚部51は、それぞれ、脚部本体511と延出部512とを備えている(図9参照)。
【0052】
脚部本体511は薄肉の板状に形成されている(図1及び図6参照)。脚部本体511の下端部分は、スロット本体10に嵌め込まれている。より具体的には、図5及び図8に示すように、脚部本体511の下端部511aは、スロット本体10に形成されたスリット17(図1参照)に差し込まれ、さらに、抜け止めのために、内側方向(ヒートシンク本体31の方向)に曲げられている。図7に、下端部511aを折り曲げた状態の第1サポート50を示す。
【0053】
延出部512は、脚部本体511の表面に交差する方向に延長されている。より具体的には、延出部512は、脚部本体511の長さ方向における中間位置(下端部511aよりもわずかに上の位置)からヒートシンク本体31に向かう方向に延長されている。
【0054】
延出部512の下面は、スロット本体10の上面に当接する当接面513となっている。これにより、第1サポート50の下端近傍には、ヒートシンク本体31の方向に延長され、かつ、スロット本体10の上面に当接する当接面が形成されたものとなっている。スロット本体10の上面の位置を、図7中二点鎖線で示す。
【0055】
第1連結部52は、第1脚部51の上端近傍どうしを連結している。具体的には、第1連結部52は、細幅長尺の板状とされている。さらに詳しくは、第1連結部52は、断面L字状の、いわゆるアングル形状となっている。さらに、連結部52は、二つの第1脚部51と一体のものとして構成されている。
【0056】
二つの第1押さえばね53は、二つの第1脚部51におけるそれぞれの上端から、ヒートシンク本体31の上面に向けて延出されて、ヒートシンク本体31の上面を下方に押圧している。具体的には、二つの第1押さえばね53は、第1脚部51と第1連結部52との接合部分近傍から延出されている。第1押さえばね53は、第1連結部52から延出されていても良い。
【0057】
第2サポート60は、この実施形態では、第1サポート50とほぼ同様に構成されている。すなわち、第2サポート60は、二つの第2脚部61と、第2連結部62と、二つの第2押さえばね63とを備えている(図1及び図6〜図10参照)。なお、図6〜図10では、第2サポート60における符号をカッコ付きで記載した。
【0058】
二つの第2脚部61は、スロット本体10の他端側(図2において左端側)近傍において、ヒートシンク本体31を挟む位置に対向して配置されている。それぞれの第2脚部61は、第1脚部51と同様に、横断面が略L字状に形成されている(図1及び図9参照)。具体的には、第2脚部61は、それぞれ脚部本体611と延出部612とを備えている。
【0059】
脚部本体611は薄肉の板状に形成されており、その下端部分611aは、スロット本体10に形成されたスリット18(図1参照)に差し込まれている。さらに、下端部分611aは、内側方向(ヒートシンク本体31の方向)に曲げられている。
【0060】
延出部612は、脚部本体611の表面に交差する方向に延長されている。延出部612の下面は、スロット本体10の上面に当接する当接面613となっている。これにより、第2サポート60の下端近傍には、ヒートシンク本体31の方向に延長され、かつ、スロット本体10の上面に当接する当接面が形成されたものとなっている。第2脚部61における他の構成は、第1脚部51と同様なので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0061】
第2連結部62は、第2脚部61の上端近傍どうしを連結している。第2連結部62は第1連結部52と同様の構成である。
【0062】
第2押さえばね63は、それぞれの第2脚部61からヒートシンク本体31の上面に向けて延出されて、ヒートシンク本体31の上面を下方に押圧している。第1押さえばね53と同様に、第2押さえばね63も、第2連結部62から延出されることができる。
【0063】
以上の構成により、本実施形態では、第1押さえばね53及び第2押さえばね63は、ヒートシンク本体31の上面における四隅の近傍に当接させられたものとなっている(図3参照)。
【0064】
前記のように構成されたカードスロット1は、従来のカードスロットと同様に、電子機器2に組み込まれて使用される(図11参照)。図示の例では、電子機器2として薄型テレビジョンが用いられている。
【0065】
(実施形態の装置の動作)
つぎに、前記のように構成された本実施形態に係るカードスロットの動作を、主に図12を参照しながら説明する。
【0066】
(初期状態)
初期状態では、図12(a)に示されるように、ヒートシンク30のヒートシンク本体31が上昇している。この状態での、各部材の配置状態は以下の通りである。
・カード排出レバー20:押し込まれた状態(図12において図中右側に移動した状態)
・第1ガイドピン33:第1カム面211の平坦部211又は緩斜面部211b(設計としてはどちらも可能)に位置
・第2ガイドピン43:第2カム面212の平坦部212aに位置。
【0067】
この状態では、ヒートシンク本体31が、図12(a)に示す寸法L1だけ上昇しているので、ICカード3とヒートシンク本体31との干渉がなく、ICカード3を、少ない押し込み力でカードスロット1に挿入することができる。
【0068】
(押し込み時の動作)
ついで、ICカード3(図2参照)を、図12中の左側から、カードスロット1に挿入する。その後、挿入されたICカード3の先端は、カード排出機構14のリンク部材141(図1参照)の他端側に接触する。さらにICカード3を押し込むと、リンク部材141の他端がさらに押し込まれて、押し込み方向に移動する。すると、リンク部材141の一端側に形成されたフック141bは、リンクの作用により、押し込み方向とは逆方向に移動する。すると、カード排出レバー20の外側部材22は、フック141bに取り付けられているために、押し込み方向とは逆方向に移動する。このとき、外側部材22の突起部222は、内側部材21の端部を押すので、内側部材21も、押し込み方向と逆方向に移動する(図12(b)参照)。
【0069】
内側部材21には、第1カム面211と第2カム面212とが形成されているので、内側部材21が移動すると、これと同じ方向に、これらのカム面を共に移動させることができる。本例では、これらのカム面が、図12中において左方向に移動する。
【0070】
(各カム面の作用)
第1カム面211は、その移動に伴い、第1ガイドピン33を下方に押し下げる。これにより、第1スプリング32を介して、ヒートシンク本体31を下降させることができる。ただし、第1カム面211の緩斜面部211bを通過している間は、ヒートシンク本体31はゆっくり下降する。この間は、ヒートシンク本体31とICカード3とは接触しない設定としている。このため、ICカード3を、小さい挿入抵抗で、カードスロット1に挿入することができる。
【0071】
このとき、第2ガイドピン43は、第2カム面212の平坦部212aを通過している。第2ガイドピン43は、平坦部212aを転がりながら通過するので、両者の間の摩擦抵抗はほとんどない。このため、第2ガイドピン43を設けていても、ICカード3の挿入抵抗を小さく抑えることができる。
【0072】
ついで、ICカード3をさらに押し込む。すると、その押し込み力によって、カード排出機構14を介して、各カム面が、カード3の挿入方向とは逆の方向にさらに移動する。おおよそ、ICカード3の先端がハウジング11のピン111に嵌り合う位置の近傍に達すると、第1ガイドピン33は、第1カム面211の急斜面部211cに達する。これとほぼ同時に、第2ガイドピン43も、第2カム面212の急斜面部212bに達する。
【0073】
第1カム面211の急斜面部211cは、その移動に伴い、第1ガイドピン33を急速に下方に押し下げる。すると、急斜面部211cの途中において、ヒートシンク本体31の下面がICカード3の上面に接触する。このとき、ヒートシンク本体31の下面とICカード3の上面との間の摩擦抵抗が発生する。ただし、ヒートシンク本体31は、第1スプリング32を介して弾性的に(すなわち柔軟に)、ICカード3の上面に押し付けられるので、ヒートシンク本体31とICカード3との接触の初期においては、両者間での摩擦抵抗を小さく抑えることが可能である。
【0074】
さらに、急斜面部211cに沿って第1ガイドピン33が下降すると、第1スプリング32がさらに押し下げられる。すると、第1スプリング32を介して、ヒートシンク本体31の下面は、ICカード3の上面により強く押し付けられる。したがって、第1カム面211は、第1スプリング32からの反発力を受ける。これによっても、ICカード3の挿入抵抗は増加する。
【0075】
ここで、本実施形態においては、急斜面部211cに沿って、第1ガイドピン33が急角度で下降する。このため、第1ガイドピン33の下降のために要する力は大きい。この力は、ICカード3と逆方向に移動する内側部材21に対する抵抗力として機能する。すると、この力は、結果として、ICカード3の挿入抵抗をさらに増加させる方向に作用する。
【0076】
しかしながら、本実施形態では、第2カム面212の急斜面部212bにおいて、第2スプリング44の付勢力のために、第2ガイドピン43がこの急斜面部212bを下方に押す。すると、急斜面部212bにおいて生じる分力により、急斜面部212bは、ICカード3の挿入方向とは逆の方向に押される。すると、第2カム面212が形成されている内側部材21も同じ方向への付勢力を受ける。
【0077】
このため、内側部材21においては、急斜面部211cを通過する第1ガイドピン33によってもたらされる移動抵抗を、第2スプリング44の付勢力によって低減させることができる。これにより、本実施形態によれば、ICカード3の挿入抵抗の増加を抑止することができるという利点がある。
【0078】
仮に、ICカード3の挿入に要する押し込み力が、押し込みストロークの途中で急激に増大すると、使用者は、ICカード3とカードスロット1との接続が不完全な状態にも拘わらず、挿入をやめてしまう可能性がある。
【0079】
これに対して、本実施形態のカードスロット1によれば、ICカード3の挿入抵抗が増大する時期とほぼ同じ時期に、第2スプリング44の付勢力によって、この挿入抵抗を軽減することが可能となる。これにより、ICカード3の挿入抵抗を平準化し、ICカード3の接続作業を容易とすると共に、接続が一層確実になるという利点がある。
【0080】
ICカード3の押し込みに伴う、カード排出レバー20の移動ストロークを、図12において符号L2で示す。
【0081】
本実施形態では、ICカード3の押し込みを利用して第2カム面212を動作させることができるので、比較的に簡単な構成で、ICカード3の押し込みに要する力を軽減することができる。
【0082】
しかも、本実施形態では、急斜面部211cに沿って第1ガイドピン33を急降下させているため、ヒートシンク本体31とICカード3との間の摩擦抵抗が増加する時点を、ICカード3の押し込みに要するストロークの終端近傍(すなわち、ハウジング11のピン111がICカード3にほぼ完全に差し込まれ、両者の電気的接続が実質的に完了している時点)に設定することができる。すると、ICカード3の挿入途中に、ヒートシンク本体31とICカード3との摩擦抵抗によって、ICカード3の挿入抵抗が大きくなっても、その時点では、既に、確実な電気的接続を完了させることができる。本実施形態では、この点からも、ICカード3と電子機器2との接続を確実に完了することが可能になるという利点がある。
【0083】
また、本実施形態によれば、ICカード3をカードスロット1に完全に差し込んだ状態において、ICカード3の上面にヒートシンク30を接触させることができる。これにより、ICカード3から発する熱を外部に効率的に放散することができる。
【0084】
(ICカード取り出し時の動作)
つぎに、ICカード3を取り出すときの動作を説明する。この場合は、従来と同様に、カード排出レバー20を押し込む。すると、カード排出機構14が、前記とは逆に回転し、ICカード3の先端に対して、押し出す方向への力を加える。
【0085】
カード排出レバー20が押し込まれると、第1ガイドピン33は、第1カム面211上(この場合は第1カム面211における下側の面を利用する)を、前記とは逆の向きに移動する。これにより、ヒートシンク本体31を上昇させ、ヒートシンク本体31とICカード3との摩擦抵抗を解消することができる。また、このとき、第2ガイドピン43は、前記とは逆に、第2カム面212の急斜面部212bに沿って上昇し、平坦部212aに移動する。
【0086】
ここで、第2ガイドピン43の移動の際は、第2スプリング44の引っ張り力による抵抗を受けることになる。しかしながら、ICカードを取り出す時には、使用者は、通常、ICカードが出てくるまでカード排出レバー20を押し込む。したがって、排出レバー20の押し込み力が多少増大しても、誤操作のおそれはほとんどない。
【0087】
(第1サポート及び第2サポートの作用)
つぎに、第1サポート50及び第2サポート60の作用について説明する。なお、図12では、これらのサポートの図示を省略している。
【0088】
図12(a)に示されるように、ヒートシンク本体31が上昇している初期状態では、ヒートシンク本体31の上面は、第1サポート50の連結部52及び第2サポート60の連結部62に接近している。この状態では、ヒートシンク本体31の上面に当接している押えばね53及び63の変形量が大きくなっている。すなわち、初期状態では、ヒートシンク本体31は、押えばね53及び63によって、比較的に強い力によって、下方に押し下げられている。
【0089】
一方、ヒートシンク本体31は、第1スプリング32によって、下降しないように支持されている。すなわち、ヒートシンク本体31の中央部分は、第1スプリング32によって引き上げられており、ヒートシンク本体31の両端近傍は、押えばね53及び63によって押し下げられている。
【0090】
これらの引き上げ力と押し下げ力とが同時にヒートシンク本体31に作用するために、ヒートシンク本体31は、これらの力がつりあった位置において安定する。この状態では、例えば基板の搬送時に、この基板を落下させる等によってカードスロットに強い衝撃力が加わっても、ヒートシンク本体31の位置ずれの可能性を低減することができる。すなわち、本実施形態のカードスロットによれば、耐衝撃性を向上させることができる。
【0091】
また、本実施形態のカードスロットでは、ヒートシンク本体1の四隅近傍を、押えばね53及び63によって押圧しているので、ヒートシンク本体1を、挿入されるICカード3の上面に対して平行な状態に保持しやすいという利点もある。このため、本実施形態によれば、ヒートシンク本体1とICカード3の上面とを互いに平行な状態で接触させることができ、したがって、ICカード3からの放熱を確実にかつ効率よく行うことができるという利点がある。
【0092】
また、本実施形態のカードスロットでは、第1サポート50及び第2サポート60に、第1連結部52及び第2連結部62を設けているので、第1脚部51及び第2脚部61の変形量を少なく抑えることができる。すなわち、カードスロット1に衝撃力が加わると、比較的に重量のあるヒートシンク本体31から、第1押えばね53及び第2押えばね63を介して、第1脚部51及び第2脚部61に力が加わる。しかしながら、本実施形態では、第1連結部52及び第2連結部62によって、ヒートシンク本体31からの力を分散して受け止めることができる。したがって、一つの脚部に加わる力を小さくすることができ、これにより、脚部の変形量を少なく抑えることができる。
【0093】
さらに、本実施形態のカードスロットでは、第1サポート50及び第2サポート60に、当接面513及び当接面613を設けているので、第1脚部51及び第2脚部61の変形量をさらに少なく抑えることができる。すなわち、カードスロット1に衝撃力が加わり、ヒートシンク本体31からの力が第1脚部51及び第2脚部61に加わると、第1脚部51及び第2脚部61のいずれかに対して、ヒートシンク本体31の方向に倒れようとする力が加わることがある。このとき、当接面513及び当接面613により、第1脚部51及び第2脚部61を支持することができる。したがって、脚部の変形量を少なく抑えることができる。
【0094】
また、本実施形態では、前記のように、当接面513及び当接面613を設けたので、第1脚部51及び第2脚部61を薄肉にすることができる。これらの脚部を厚肉にすると、カードスロット1が大型化してしまい、基板への搭載に支障を生じる。本実施形態では、第1脚部51及び第2脚部61を薄肉にできるために、カードスロット1を小型化することができるという利点もある。
【0095】
さらに、本実施形態では、第1脚部51の下端部511a及び第2脚部61の下端部611aをスロット本体10に差込み、これらの下端部を折り曲げることで第1脚部51及び第2脚部61をスロット本体10に取り付けている。このため、第1脚部51及び第2脚部61の取り付けのために接着剤を使用する必要がなくなり、製造工程を簡略化することができる。
【0096】
なお、本発明のカードスロット及びこれを備えた電子機器は、前記した実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の一実施形態に係るカードスロットの要部についての分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るカードスロットの斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るカードスロットの平面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るカードスロットの正面図(図3中のA方向矢視図)である。
【図5】図4のカードスロットの左側面図である。
【図6】第1サポート及び第2サポートの正面図である。
【図7】第1サポート及び第2サポートの下端部を折り曲げた状態における正面図である。
【図8】図5中B部の拡大図である。
【図9】第1サポート及び第2サポートの平面図である。
【図10】第1サポート及び第2サポートの側面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るカードスロットを薄型テレビジョンに取り付けた状態を示す説明図である。
【図12】カードスロットの動作を説明するための説明図であって、図(a)は初期状態、図(b)はICカードを挿入した状態を示している。
【符号の説明】
【0098】
L1 ヒートシンクの上下動ストローク
L2 カード排出レバーの移動ストローク
1 カードスロット
2 電子機器(薄型テレビジョン)
3 ICカード(PCMCIAカード)
10 スロット本体
11 ハウジング
111 ピン
12・13 ガイド部
121・131 ガイド部の溝
14 カード排出機構(リンク機構)
141 リンク部材
141a リンク部材の中央部分
141b フック
15 上部カバー
16 スライダ
17・18 スリット
20 カード排出レバー
21 内側部材
210 透孔
211 第1カム面
211a 第1カム面の平坦部
211b 第1カム面の緩斜面部
211c 第1カム面の急斜面部(第1急斜面部)
212 第2カム面
212a 第2カム面の平坦部
212b 第2カム面の急斜面部(第2急斜面部)
213 スリット
22 外側部材
221 凹部
222 突起部
223 スリット
30 ヒートシンク
31 ヒートシンク本体
311 放熱ファン
32 第1スプリング
321 孔
32a 第1スプリングの一端
32b 第1スプリングの他端
33 第1ガイドピン
35 止めねじ
40 付勢機構
41 ガイドポスト
42 スライダ
43 第2ガイドピン
44 第2スプリング
50 第1サポート
51 第1脚部
511 脚部本体
511a 脚部本体の下端部
512 延出部
513 当接面
52 第1連結部
53 第1押えばね
60 第2サポート
61 第2脚部
611 脚部本体
611a 脚部本体の下端部
612 延出部
613 当接面
62 第2連結部
63 第2押えばね


【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロット本体と、ヒートシンクと、第1サポートと、第2サポートとを備えており、
前記スロット本体は、その内部にICカードを収納する構成となっており、
前記ヒートシンクは、ヒートシンク本体と第1スプリングとを備えており、
前記第1スプリングは、前記ヒートシンク本体の上面のほぼ中央に取り付けられて、前記ヒートシンク本体を支持しており、
かつ、前記第1スプリングは、前記スロットの内部に前記ICカードが挿入されるにつれて下降して、前記ヒートシンク本体を押し下げる構成となっており、
前記第1サポートは、二つの第1脚部と、第1連結部と、第1押さえばねとを備えており、
前記二つの第1脚部は、前記スロット本体の一端側近傍において、前記ヒートシンク本体を挟む位置に対向して配置されており、
前記第1連結部は、前記二つの第1脚部の上端近傍どうしを連結しており、
前記第1押さえばねは、前記第1脚部又は前記第1連結部のいずれかから、前記ヒートシンク本体の上面に向けて延出されて、前記ヒートシンク本体の上面を下方に押圧しており、
前記第2サポートは、二つの第2脚部と、第2連結部と、第2押さえばねとを備えており、
前記二つの第2脚部は、前記スロット本体の他端側近傍において、前記ヒートシンク本体を挟む位置に対向して配置されており、
前記第2連結部は、前記二つの第2脚部の上端近傍どうしを連結しており、
前記第2押さえばねは、前記第2脚部又は前記第2連結部のいずれかから、前記ヒートシンク本体の上面に向けて延出されて、前記ヒートシンク本体の上面を下方に押圧している
ことを特徴とするカードスロット。
【請求項2】
前記ヒートシンク本体の上面形状は、ほぼ四角形状とされており、
前記第1押さえばね及び前記第2押さえばねは、いずれも二つとされており、
かつ、前記第1押さえばね及び前記第2押さえばねは、前記ヒートシンク本体の上面における四隅の近傍に当接させられている
請求項1に記載のカードスロット。
【請求項3】
前記第1スプリングは、板ばねによって構成されており、
前記第1スプリングの一端は、前記ICカードが前記スロット本体に挿入されるにつれて下降する構成となっており、
前記第1スプリングの他端は、前記スロット本体に取り付けられている
請求項1又は2に記載のカードスロット。
【請求項4】
さらにカード排出レバーを備えており、
前記カード排出レバーはカム面を備えており、
前記カム面は、前記スロット本体に前記ICカードが挿入されるにつれて、このICカードの押し込み力によって移動する構成となっており、
前記ヒートシンクは、さらに第1ガイドピンを備えており、
前記第1ガイドピンは、前記第1スプリングの他端に取り付けられており、
さらに、前記第1ガイドピンは、前記カム面の移動によって下降させられる構成となっている
請求項3に記載のカードスロット。
【請求項5】
前記第1サポートの前記第1脚部又は前記第2サポートの前記第2脚部には、前記ヒートシンク本体の方向に延長され、かつ、前記スロット本体の上面に当接する当接面が形成されている
請求項1〜4のいずれか1項に記載のカードスロット。
【請求項6】
前記第1脚部又は前記第2脚部は、それぞれ、脚部本体と延出部とを備えており、
前記脚部本体は板状に形成されており、
前記脚部本体の下端部は前記スロット本体に嵌め込まれており、
前記延出部は、前記下端部よりも上の位置から、前記脚部本体の表面に交差する方向に延長されており、
前記延出部の下面は、前記当接面となっている
請求項5に記載のカードスロット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のカードスロットを備えた電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−152418(P2008−152418A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−338010(P2006−338010)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(000103493)オータックス株式会社 (14)