説明

カード読取り装置およびテーブルゲームシステム

【課題】 参加型のテーブルゲームでのカード読取り装置の移動を容易にすることのできるカード読取り装置を提供する。
【解決手段】 カード読取り装置2は、カードCが収納されるカードシュー部8と、引き出されるカードの情報を読み取るカード読取り部9と、読み取ったカードの情報に基づいてゲームの勝敗を判定する制御部10と、判定されたゲームの勝敗を表示する表示部11、12を備える。テーブルゲームシステム1では、カード読取部9で読み取られたカードの情報及び制御部10で判定された勝敗結果の情報が、カード読取り装置2から主コンピュータ装置3へ無線通信で送信される。カード読取り装置2は、制御部10と表示部11、12と無線出力部13に電力を供給するバッテリー15を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、参加型のテーブルゲームで用いられるカード読取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トランプカード(単に「カード」ともいう)を用いるバカラ等のテーブルゲームは、ゲームの勝敗を決定するルールが複雑である。そのため、ディーラー(ゲームテーブルでカードを配る者)がゲームの勝敗を判定すると、判定を誤る可能性がある。また、このようなテーブルゲームでは、ゲーム参加者(テーブルゲームに参加する者)が不正行為(例えば、配られてきたカードをすり替えるなどの行為)をする可能性もあった。
【0003】
そこで、従来、ゲームテーブル上に設定して使用され、カードに印刷されたコードを読み取る機能を有するカード読取り装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。カードの表面(おもて面。スートやランクが印刷されている面)には、通常の使用状態において人間の視覚により見ることができないコードであって所定の識別装置によって識別可能なコードが印刷されており、カード読取り装置は、このコードを読み取る機能を備えている。
【0004】
従来のカード読取り装置では、装置自体にゲームの勝敗を決定するルールを記憶させておき、ゲームの勝敗を判定させることができる。そのため、ディーラーが勝敗の判定を誤った場合に、これを検出することが可能となる。また、従来のカード読取り装置では、カードが繰り出される際に、カードの情報(カードのスートとランク)が読み取られる。そのため、ゲーム参加者等がカードを差し替えた場合には、カード読取り装置で読み取られたカードの情報と、差し替えられたカードの情報とが一致しなくなる。したがって、容易にカードのすり替えを検出することができ、ゲーム参加者等の不正行為を防止することができる。
【0005】
このような従来のカード読取り装置には、ゲームの勝敗結果をスクリーン等に表示するために、外部装置(表示装置やコンピュータシステムなど)と接続するための通信ケーブルが接続されており、また、カード読取り装置に電力を供給するために、電源ケーブルも接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−296634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、バカラ等のテーブルゲームでは、ディーラーの手によってカードシューター装置からカードが繰り出すのが原則であるが、テーブルゲームをより興味深くするために、賭けに参加しているゲーム参加者が希望する場合には、ゲーム参加者の手によってカードシューター装置からカードを繰り出すことを許可するという「参加型」のゲームも考えられる。
【0008】
このような参加型のテーブルゲーム(ゲーム参加者がカードを引くゲーム)では、ゲームテーブル上で、カード読取り装置をディーラーの前の位置からゲーム参加者の前に移動させる必要がある。そして、参加型のテーブルゲームでは、このカード読取り装置を移動させる動作が頻繁に行われる。
【0009】
しかしながら、従来のカード読取り装置には、通信ケーブルや電源ケーブルが接続されているので、参加型のテーブルゲームでカード読取り装置を移動させるときには、通信ケーブルや電源ケーブルが邪魔になり、カード読取り装置の移動が困難となる。そのため、参加型のテーブルゲームを実現するのに、従来のような通信ケーブルや電源ケーブルが障害となっていた。また、これらの通信ケーブルや電源ケーブルは、ゲームテーブルへのカード読取り装置の設置作業やメンテナンス作業などの支障となる。また、これらの通信ケーブルが電源ケーブルが故障の原因となることもあった。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、参加型のテーブルゲームでのカード読取り装置の移動を容易にすることのできるカード読取り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のカード読取り装置は、複数枚のカードを収納するカード収納部と、前記カード収納部の上部に配置される着脱可能なカバーと、前記カード収納部からカードを1枚毎に取り出すことができる開口と、を有するカードシュー部と、前記カード収納部からゲームテーブル上に引き出されるカードに付されたカードの情報を、一枚毎に前記カードから読み取るカード読取部と、前記カード読取部において読み取られた前記カードの情報に基づいて、カードゲームの勝敗を判断する制御部と、前記制御部により判断された勝敗結果を出力する表示部と、前記カード読取部において順次読み取られた前記カードの情報及び前記制御部により判断された前記勝敗結果の情報を、自己の装置を特定するIDと共に、外部の装置に無線通信で送信する無線出力部と、前記制御部、前記表示部および前記無線出力部に電力を供給するバッテリーと、を含むカード読取り装置であって、前記カードシュー部、前記カード読取部、前記制御部、前記表示部および前記無線出力部は、一体化して前記ゲームテーブル上に置くことができ、前記バッテリーは、前記カード読取り装置に対して着脱可能に設けられている。
【0012】
これにより、カード読取部で読み取ったカードの情報や、制御部で判断された勝敗結果の情報が、無線出力部から外部の装置(主コンピュータ装置など)に無線通信で送信されるので、従来のような通信ケーブルが不要になる。また、制御部や表示部や無線出力部には、バッテリーから電力が供給されるので、従来のような電源ケーブルが不要になる。このように、本発明によれば、従来のような通信ケーブルや電源ケーブルをなくすことができるので、いわゆる参加型のテーブルゲームにおいて、カード読取り装置をディーラーの前からゲーム参加者の前に移動させる動作が容易になる。その上、カード読取り装置のゲームテーブルへの設置作業やメンテナンス作業が容易になり、さらに、従来の通信ケーブルや電源ケーブルに起因する故障が発生するのを防ぐことが可能になる。
【0013】
また、本発明のカード読取り装置は、前記無線出力部における送信のタイミングを決定する送信設定部をさらに含んでもよい。
【0014】
これにより、カードの情報や勝敗結果の情報を、適切なタイミングで送信することが可能になる。
【0015】
また、本発明のカード読取り装置では、前記送信設定部は、前記カード読取部において所定枚のカードが読み取られた後に、これらカードから読み取った前記カードの情報を送信するように、前記送信のタイミングを決定してもよい。
【0016】
これにより、カード読取部で所定枚のカードが読み取られた後に、適切なタイミングで、それらのカードの情報や勝敗結果の情報を送信することが可能になる。
【0017】
また、本発明のカード読取り装置では、前記送信設定部は、所定のプログラムにより前記送信のタイミングを決定してもよい。
【0018】
これにより、プログラムにより決定された適切なタイミングで、カードの情報や勝敗結果の情報を送信することが可能になる。
【0019】
また、本発明のカード読取り装置では、前記バッテリーは、前記カバーに取り付けられてもよい。
【0020】
これにより、バッテリーがカバーに取り付けられているので、一連のゲームの終了時にカード収納部のカードを新しい複数デッキのカードに交換する際に、カバーを取外すタイミングで充電済みのバッテリーが取り付けられたカバーと交換することができる。これにより一連のゲームの途中で(カットカードが出現する前に)バッテリーの残量が少なくなりゲームが中断される最悪の事態が生じるのを防止できる。
【0021】
また、本発明のカード読取り装置は、前記バッテリーが前記カード読取り装置から取り外された場合、または、前記バッテリーの容量が所定の閾値以下になった場合に、前記制御部及び前記無線出力部に電力を供給する補助バッテリーを更に備えてもよい。
【0022】
これにより、バッテリーが取り外されてしまった場合や、バッテリーの残りの容量が少なくなってしまった場合には、バッテリーの代わりに、補助バッテリーから電力を供給することができる。
【0023】
また、本発明のカード読取り装置は、前記制御部及び前記無線出力部への電力を、前記バッテリーと前記補助バッテリーのいずれか一方または両方から供給するように制御するバッテリースイッチング部を更に備えてもよい。
【0024】
これにより、バッテリーと補助バッテリーの一方または両方から、適切に電力を供給することが可能になる。
【0025】
また、本発明のカード読取り装置は、前記カバーが開けられたことを検知して、前記カバーが開けられた旨の通知を前記無線出力部を介して外部の装置に送信する検知通知部をさらに備えてもよい。
【0026】
これにより、カバーが開けられたことを適切に検知することができる。
【0027】
本発明のテーブルゲームシステムは、カード読取り装置と主コンピュータ装置で構成されるテーブルゲームシステムであって、前記カード読取り装置は、複数枚のカードを収納するカード収納部と、前記カード収納部の上部に配置される着脱可能なカバーと、前記カード収納部からカードを1枚毎に取り出すことができる開口と、を有するカードシュー部と、前記カード収納部からゲームテーブル上に引き出されるカードに付されたカードの情報を、一枚毎に前記カードから読み取るカード読取部と、前記カード読取部において読み取られた前記カードの情報に基づいて、カードゲームの勝敗を判断する制御部と、前記制御部により判断された勝敗結果を出力する表示部と、前記カード読取部において順次読み取られた前記カードの情報及び前記制御部により判断された前記勝敗結果の情報を、自己の装置を特定するIDと共に、前記主コンピュータ装置に無線通信で送信する無線出力部と、前記制御部、前記表示部および前記無線出力部に電力を供給するバッテリーと、を含み、前記カードシュー部、前記カード読取部、前記制御部、前記表示部および前記無線出力部は、一体化して前記ゲームテーブル上に置くことができ、前記バッテリーは、前記カード読取り装置に対して着脱可能に設けられており、前記主コンピュータ装置は、前記カード読取り装置の前記無線通信部から送信された情報を受信し、前記受信したIDが予め設定されたIDと一致した場合に、前記カード読取り装置から送信された前記勝敗結果の情報を受け入れる受入判定部を備えている。
【0028】
このテーブルゲームシステムによっても、上記のように、従来のような通信ケーブルや電源ケーブルをなくすことができるので、いわゆる参加型のテーブルゲームにおいて、カード読取り装置をディーラーの前からゲーム参加者の前に移動させる動作が容易になる。その上、カード読取り装置のゲームテーブルへの設置作業やメンテナンス作業が容易になり、さらに、従来の通信ケーブルや電源ケーブルに起因する故障が発生するのを防ぐことが可能になる。
【0029】
また、本発明のテーブルゲームシステムは、複数台の前記カード読取り装置と、前記複数台のカード読取り装置に対して共通の1台の前記主コンピュータ装置を備え、前記複数台のカード読取り装置は、それぞれ自己の装置を特定する互いに異なるIDを有し、前記主コンピュータ装置は、前記複数台のカード読取り装置の互いに異なるIDを判別する判別部を備えてもよい。
【0030】
これにより、複数台のカード読取り装置を、1台の主コンピュータ装置で適切に管理することができる。
【0031】
本発明のテーブルゲームシステムは、複数枚のカードと、カード読取り装置と、主コンピュータ装置で構成されるテーブルゲームシステムであって、前記複数枚のカードには、各カードの一つの面に紫外線に反応するインクでカードの情報を表すコードが付されており、前記カード読取り装置は、前記複数枚のカードを収納するカード収納部と、前記カード収納部の上部に配置される着脱可能なカバーと、前記カード収納部からカードを1枚毎に取り出すことができる開口とを有するカードシュー部と、前記カード収納部からゲームテーブル上に引き出されるカードに付された前記カードの情報を、一枚毎に前記カードから読み取るカード読取部と、前記カード読取部において読み取られた前記カードの情報に基づいて、カードゲームの勝敗を判断する制御部と、前記制御部により判断された勝敗結果を出力する表示部と、前記カード読取部において順次読み取られた前記カードの情報及び前記制御部により判断された前記勝敗結果の情報を、自己の装置を特定するIDと共に、前記主コンピュータ装置に無線通信で送信する無線通信部と、前記制御部、前記表示部および前記無線出力部に電力を供給するバッテリーと、を含み、前記カードシュー部、前記カード読取部、前記制御部、前記表示部および前記無線通信部は、一体化されて前記ゲームテーブル上に置くことができ、前記バッテリーは、前記カード読取り装置に対して着脱可能に設けられており、前記主コンピュータ装置は、前記カード読取り装置の前記無線通信部から送信された情報を受信し、前記受信したIDが予め設定されたIDと一致した場合に、前記カード読取り装置から送信された前記勝敗結果の情報を受け入れる受入判定部を備えている。
【0032】
このテーブルゲームシステムによっても、上記のように、従来のような通信ケーブルや電源ケーブルをなくすことができるので、いわゆる参加型のテーブルゲームにおいて、カード読取り装置をディーラーの前からゲーム参加者の前に移動させる動作が容易になる。その上、カード読取り装置のゲームテーブルへの設置作業やメンテナンス作業が容易になり、さらに、従来の通信ケーブルや電源ケーブルに起因する故障が発生するのを防ぐことが可能になる。
【0033】
また、本発明のテーブルゲームシステムでは、前記カードの情報を表すコードは、前記カードの対向する2辺に、前記カードが引出される方向に沿って印刷されてもよい。
【0034】
これにより、カードに印刷されたコードを適切に読み取ることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、参加型のテーブルゲームでのカード読取り装置の移動を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態におけるテーブルゲームシステムの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるカード読取り装置の構成を示す説明図である。
【図3】カード読取り装置のカード読取り部の構成を示す平面図である。
【図4】センサーカバーを取り外した状態のカード読取り部の平面図である。
【図5】カード読取り装置の制御部の構成を示すブロックズである。
【図6】(a)コードが付されたカードの説明図である。 (b)カットカードの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態のテーブルゲームシステムのカード読取り装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、カジノなどで行われる参加型のバカラゲーム等に用いられるテーブルゲームシステムのカード読取り装置の場合を例示する。
【0038】
図1は、本実施の形態のテーブルゲームシステムの構成を示す説明図である。図1に示すように、テーブルゲームシステム1は、複数台のカード読取り装置2と1台の主コンピュータ装置3で構成されている。各カード読取り装置2は、各ゲームテーブルTに設置され、各ゲームテーブルTで行われるテーブルゲームに用いられる。主コンピュータ装置3は、ゲーム監視ピットや中央監視室(図示せず)に設置される。
【0039】
ここでは、まず、図1を参照しながら、主コンピュータ装置3の構成について説明する。図1に示すように、主コンピュータ装置3は、複数台のカード読取り装置2の各々との無線通信を行うための無線通信インターフェース4と、複数台のカード読取り装置2のID(互いに異なるID)を判別する判別部5を備えている。また、この主コンピュータ装置3は、カード読取り装置2から受信したIDが予め設定したIDと一致した場合に、そのカード読取り装置2からの勝敗結果の情報(後述する)を受け入れる受入判定部6を備えている。
【0040】
つぎに、カード読取り装置2の構成について説明する。図2は、カード読取り装置2の構成を示す説明図である。図2に示すように、カード読取り装置2は、ハウジング7を備えている。ハウジング7には、カードシュー部8とカード読取部9が備えられている。また、図1に示すように、カード読取り装置2は、制御部10と第1表示部11と第2表示部12を備えている。さらに、このカード読取り装置2は、無線出力部13と送信許可ボタン14を備えている。第1表示部11は、例えばモニタであり、第2表示部12は、例えば3つのランプ(勝ち/負け/引き分けランプ)である。無線出力部13は、例えば、ブルートゥース(登録商標)などで無線通信を行う機能を備えている。
【0041】
なお、このカード読取り装置2は、カードシュー部8とカード読取部9と制御部10と第1表示部11と第2表示部12を一体化したものであり、これらを一体化してゲームテーブル上に置くことができるともいえる。また、カード読取り装置2は、全体としては黒色で、樹脂製である。
【0042】
また、カード読取り装置2は、各部(制御部10、第1表示部11、第2表示部12、無線出力部13)に電力を供給するバッテリー15と補助バッテリー16を備えており、さらに、各部への電力をバッテリー15と補助バッテリー16にいずれか一方または両方から供給するように切り替えるバッテリースイッチング回路17を備えている。
【0043】
つぎに、カード読取り装置2の各部の構成について、詳しく説明する。まず、図2を参照して、カードシュー部8の構成について説明する。図2に示すように、カードシュー部8は、複数枚のカードCを収納するカード収納部18と、カード収納部18からカードCをスライドさせて取り出すことが可能な開口19とを備えている。カード収容部の床20および前壁21は、図2に示すように傾斜している。カード収容部内では、カードCの束が、ローラー付きのカード押し部材22によって前方に押され、前壁21に押しつけられている。前壁21は、下方にU字型の開口19を有する。ディーラーは、カードCをスライドさせて、開口19からカードCをカード読取り部を通してゲームテーブルTに取り出す。なお、図示されないが、前壁21には、開口19からカードCが見えないように覆う黒い布が掛けられてもよい。
【0044】
また、カード収容部の上部には着脱可能なカバー23が取り付けられている。このカバー23の裏側に、バッテリー15が取り付けられている。このバッテリー15は、カバー23とともに着脱可能になっている。カバー23の受け部24には、バッテリー15が接続される端子25が設けれている。端子25は、制御部10に接続されており、バッテリー15の電力は、制御部10を介して、第1表示部11、第2表示部12、無線出力部13などに供給される。なお、バッテリー15の交換時やカバー23の着脱時には、補助バッテリー16から電力が供給される。
【0045】
なお、カバー23の着脱時にはカバー23に取り付けられたバッテリー15も取り外されるので、補助バッテリー16から電力が供給される。カバー23に取り付けられたバッテリー15は、充電器(図示せず)により充電され、充電済みの代わりのバッテリー15を取り付けたカバー23を用意しておくことで、テーブルゲームの円滑な運用が可能となる。
【0046】
つぎに、図3および図4もあわせて参照して、カード読取部9の構成について説明する。図3および図4は、カード読取り部の説明図である。図2〜図4に示すように、カード読取部9は、開口19から1枚ずつ取り出されるカードCがゲームテーブルTの上に案内され取出される間に、カードの情報(スートやランク)をカードから読み取るカード読取りセンサ部26を備えている。カード読取部9は、カードシュー部8の開口19の下方に設けられ、カードシュー部8と一体化されてハウジング7に内蔵されている。
【0047】
カード読取部9は、傾斜面であるカードガイド面27を有する。カードガイド面27は、開口19に続いている。カードガイド面27は、開口19から前方かつ下方に延び、下端がゲームテーブルTに続いている。カードガイド面27はカード読取りの計測面となる。
【0048】
カードガイド面27の両側の縁部には、カードガイドレール28が取り付けられている。ここでは図示しないが、カードガイドレール28とカードガイド面27との間には、カード通路隙間が形成されている。カード通路隙間の大きさは、カードCの厚さより少し大きく設定されている。カードCは、カードシュー部8から引き出された後、カードガイド面27を通る。このとき、カードCの両端部がカード通路隙間を通過する。
【0049】
また、図3および図4に示すように、2本のカードガイドレール28の各々に、センサカバー29がねじで取り付けられている。センサカバー29を取り外すと、カード読取りセンサ部26の4つのセンサが露出する。4つのセンサとは、2つのブラックライト型センサ30(UVセンサともいう)と、対象物検出センサ31と、計測有効判定センサ32である。これら4つのセンサは、カードガイド面27に設けられている。
【0050】
図3および図4に示すように、UVセンサ30は、カードガイド面27上で、カードCの流れ方向の比較的上流側に位置している。また、UVセンサ30は、ハウジング7の内部空間に配置され、天井面(カードガイド面27の裏側の面)に固定されており、カードガイド面27から露出している。
【0051】
UVセンサ30は、紫外線を発するLED(紫外LED)と検知器を備えている。紫外線(ブラックライト)がカードCに照射され、カード上のコードが検知器で検知される。後述するように、カードCには、紫外線が当たると発色する紫外線発光インクでもって、カードCのランク(A、1〜10、J、Q、K)のコードが印刷されている。UVセンサ30は、制御部10に接続されている。制御部10では、UVセンサ30の検知器の出力信号から、カードCの数が判定される。
【0052】
つぎに、図5を参照して、制御部10の構成について説明する。図5は、制御部10の構成を示すブロック図である。図5に示すように、制御部10は、カウンタ33と、メモリ34と、数特定部35と、正常通過判定部36を備えている。カウンタ33は、ゲームテーブルTに配られるカードCの枚数をカウントする。また、制御部10は、カード読取部9からのカードの情報に基づいてカードゲームの勝敗を判定する勝敗判定部37と、第1表示部11や第2表示部12の表示を制御する表示制御部38と、無線出力部13の制御を行う通信制御部39と、無線出力部13における送信のタイミングを決定する送信設定部40を備えている。メモリ34には、カード読取りセンサ部26によってカードCから読み取られ制御部10によって処理された読取データ、および、後に説明するゲームの勝敗判定結果が一時保持される。
【0053】
また、制御部10は、カバー23が開けられたときにこれを検知してその旨の通知を無線出力部13を介して外部装置(主コンピュータ装置3など)に送信する検知通知部41と、バッテリー15と補助バッテリー16のスイッチングを制御する電源制御部42とを備えている。この電源制御部42は、例えば、バッテリー15が取り外されてしまった場合や、バッテリー15の残りの容量が少なくなってしまった場合に、バッテリー15の代わりに、補助バッテリー16から電力を供給するように制御を行う。また、この電源制御部42はバッテリースイッチング回路17を介して、バッテリー15及び補助バッテリー16の両方の接続関係を直列もしくは並列に選択的に接続ように制御して両バッテリーの効率よい使用を可能にしている。さらに、バッテリー15が充電された高容量のバッテリー15に交換されたときは、バッテリー15から補助バッテリー16に充電を行うよう機能する。なお、本実施の形態のカード読取り装置2には、バッテリ−15の残り容量を表示する残量表示ランプ43と、補助バッテリーの残り容量を表示する残量表示ランプ44が設けられている。ここでは、電源制御部42とバッテリースイッチング回路17が、本発明のバッテリースイッチング部に相当する。
【0054】
この制御部10は、コンピュータであり、UVセンサ30や対象物検出センサ31や計測有効判定センサ32に接続されている。また、制御部10は、第1表示部11のモニタと第2表示部12の3つのランプに接続され、これらの表示を制御する。
【0055】
制御部10のコンピュータは、ゲームの勝敗を自動的に判定する処理機能(勝敗判定部37)を有している。この機能は、勝敗判定用のプログラムをコンピュータに組み込むことにより実現されており、このプログラムがコンピュータのプロセッサで実行される。
【0056】
判定処理としては、コンピュータは、UVセンサ30を使って、カードシュー部8からゲームテーブルTに順次取り出されるカードのランクを取得する。取得されたカードのランクは、順次、メモリ34に記憶される。このとき、各カードCがどのプレーヤーに配られたかの情報も記憶される。すなわち、カードのランクが、配布先のプレーヤーと関連づけて記憶される。
【0057】
本実施の形態のカードシュータ装置はバカラゲームで使用される。バカラでは、プレーヤーとバンカーとの2者が存在する(ここでは、両者をプレーヤーという)。そして、次のカードCがどちらのプレーヤーに配られるかが、それまでに配られたカードCの枚数と各カードのランクから一義的に決定される。制御部10のコンピュータは、メモリ34に記憶されているカードのランクを参照して、UVセンサ30が読み取ったカードCがどちらのプレーヤーに配られるかを判定する。そして、各プレーヤーに関連づけて、配られたカードのランクがメモリ34に記憶される。
【0058】
さらに、コンピュータにより、メモリ34から、両プレーヤーに配られたカードのランク(数)が読み出され、バカラゲームのルールに基づいて予め記憶されているプログラムにより両者の手(ハンド)が比較されて、勝敗が判定される。カードの数が合計され、両者の合計が比較され、どちらが勝ちかが判定される。引き分けも判定される。
【0059】
このように、バカラに関しては、カードシュータ装置から順次取り出されるカードのランク(数)だけから、勝敗を自動的に判定できる。カードCがどちらのプレーヤーに配られたかが、他のセンサ(例えばテーブルTに別途埋め込まれるセンサ)を用いて検出されなくてもよい。そして、この判定結果がメモリ34に記憶される。
【0060】
制御部10は、勝敗結果を第1表示部11および第2表示部12に出力させる。第1表示部11には、読み取られた数、勝敗結果等が表示される。また、第2表示部12では、バンカー勝利ランプ、引分けランプおよびプレーヤー勝利ランプのいずれかが、勝敗結果に応じて点灯される。
【0061】
カード読取り装置2は、カード読取りセンサ部26によってカードCから読み取られたカードの情報(読取りデータ)および制御部10によって判定された勝敗結果を、自己の装置を個別に特定するIDとともに、外部装置(主コンピュータ装置3など)に送信する。制御部10の送信設定部40は、この送信のタイミングを決定する機能を備えている。この送信は、カードの読取り処理動作完了後や勝敗判定の結果をすぐに行われず、制御部10のメモリ34に一時保持しておく。そして、送信許可ボタン14がディーラーなど(操作者)によって操作されると、このメモリ34に一時保持された読取データおよび勝敗結果が、通信制御部39の制御に従って無線出力部13から外部装置(主コンピュータ装置3など)に送信される。
【0062】
なお、送信のタイミングは、送信許可ボタン14の操作によらず、送信設定部40のプログラムによりバンカーとプレーヤとに2枚ずつのカードCが配られ(計4枚)、5枚目のカードCが引かれるタイミングで自動的に外部装置(主コンピュータ装置3)に送信する構成としてもよく、あるいは、勝敗判定の結果が得られた段階で送信設定部40のプログラムにより自動的に外部装置(主コンピュータ装置3)に送信する構成としてもよい。
【0063】
また、送信設定部40は、カード読取部9によって所定枚のカード(例えば1ゲーム分の枚数のカード)が読取られた後に、これら読取ったカードの情報を送信する機能を備えてもよい。この場合も、送信設定部40は、所定のプログラムによって、カード読取部9で順次読取ったカードの情報及び制御部10により判定された勝敗結果を外部装置に送信する送信のタイミングを決定してもよい。
【0064】
ここで、カードのランクの判定について、図6を参照して説明する。本実施の形態では、図6(a)に示すように、カードの情報を表すコードXは、対向するカードの端2辺においてカードが引出される方向に沿って点対象にカードCに印刷されている。カードのランクを特定するコードとして、例えば、カードCの縁に複数の四角形のマークが配列されている。マークはカードのランクのコードを構成し、コードによりカードのランクが表される。UVセンサ30は、マークを検知すると、オン信号を出力する。したがって、両縁のUVセンサ30が、マークのランクのオン信号を出力する。制御部10では、2つのUVセンサ30から入力されるオン信号をカウントする。これにより、2つのUVセンサ30で検知された2つのマークのコードが読み取られる。そして、制御部10は、マークからなるコードに基づいて、カードのランクを特定する。
【0065】
なお、マークのコードとカードのランクは一対一に対応すればよい。制御部10では、検出されたマークのコードが、予め登録されたマークのコードと比較され、これによりカードの数が特定されてもよい。
【0066】
また、バカラゲームでは、「J」、「Q」、「K」は、「10」と同じに扱われる(バカラゲームでは、「0」として扱われる)。そこで、「J」、「Q」、「K」に「10」と同じコードが付けられてもよい。また、カードのランクに加えて、スート(スペード、ハート、ダイヤ、ブラック)を表すコードがカードCに付けられ、これが読み取られてもよい。このように、本発明の範囲内で、ゲームに必要なカードのランクが表されれば、コードの形態は限定されない。
【0067】
本実施の形態では、カード読取り装置2が、カードCからマークを検出して信号を出力するUVセンサ30を備えており、このUVセンサ30が、マークが通過中にオン信号を出力する。カードCには所定数のマークのコードが設けられており、マークは縁部に設けられ、これにより、UVセンサ30を通過するようにカード引出方向に配列されている。そして、マークのコードはカードの数と関連づけられており、制御部10は、UVセンサ30の検出信号からカードCを特定する。
【0068】
また、本実施の形態のカード読取り装置2では、2つのUVセンサ30が設けられている。そこで、図6(a)に示されるように、通常のカードC(すなわち「A」、「2」、・・・「K」のカード)の両縁には、両側のUVセンサ30に対応してマークが配列されており、これらマークが両側のUVセンサ30により読み取られる。マークは絵柄の無い領域に好適に設けられている。ただし、実際のマークは通常時は見えない。
【0069】
本実施の形態では、カードCの各縁に所定数のマークが好適に配列される。なお、マークは、1列でもよく、2列でもよく、さらに3列以上でもよい。なお、カードCの両縁に各2本ずつのマークの列が好適に設けられる場合には。UVセンサ30の配置もこれらの列に対応して個数と配置が適当に調整される。また、マークは、2列もしくは3列とし同じものをカードCの中心に関して点対称に2か所設けることで、カードガイド面27の両側の縁部に設けたUVセンサ30の一方を省略することが可能となる。
【0070】
つぎに、カットカードCCについて、図6(b)を用いて説明する。カットカードCCとは、カジノなどで使用されるカードである。通常、カード収納部18には、複数デッキ(例えば4デッキ、6デッキ、8デッキ等)のカードCがランダムな配列(シャッフルトランプ)で収納される。カットカードCCは、このカードCの束の中に挿入される。このカットカードCCは、テーブルにおける各複数デッキ(例えば、4デッキ、6デッキ、8デッキ等)の使用の終了のタイミングを示すものである。各一連のゲームの終了タイミングを示すカットカードが出現すると、後のカードはゲームに使われない。
【0071】
カットカードCCが出現すると、カード収納部18のカードCは新しい複数デッキのカードの束と交換される必要がある。したがって、ゲーム監視ピットや中央監視室には、カットカードが出現したこと(以下「カットカード出現情報」という。)を知らせる必要がある。このため、カード読取部9においてカットカードCCを読み取ることができるように、カットカードCCの両縁部にはカットカードCCを示すコードが、マークの形態(図6(b)では5つマーク)で印刷されている。なお、マークの数や位置は適宜変更可能で、他のカードと区別可能であればよい。
【0072】
カード読取部9においてカットカードCCの読み取りが行われると、通信制御部39はカード読取部9からカットカード出現情報を得る。通信制御部39は、このカットカード出現情報を得ると、カットカード出現情報を送信可能になるようにプログラムされている。
【0073】
本実施の形態では、カットカード出現情報は、他の通常のカードCの情報や、各ゲームの勝敗の判定結果と同様に、一時記憶手段としてのメモリ34に一時保持される。そして、送信許可ボタン14の押下により送信可能とされると、メモリ34にて一時保持されたカットカード出現情報が主コンピュータ装置3へ送信される。なお、通常のカードCの読み取り情報や各ゲームの勝敗の判定結果と異なり、カットカード出現情報は、不正行為防止との関連で必要に応じて、メモリ34に一時保持されることなく、送信許可ボタン14の操作を待たずに送信されるように、制御部10の送信設定部40においてプログラム等により設定されていてもよい。
【0074】
このような本発明の実施の形態のカード読取り装置2によれば、従来のような通信ケーブルや電源ケーブルをなくすことができるので、いわゆる参加型のテーブルゲームでのカード読取り装置2の移動を容易にすることができる。
【0075】
すなわち、本実施の形態では、カード読取部9で読み取ったカードの情報や、制御部10で判断された勝敗結果の情報が、無線出力部13から外部の装置(主コンピュータ装置3など)に無線通信で送信されるので、従来のような通信ケーブルが不要になる。また、制御部10、第1表示部11、第2表示部12、無線出力部13には、バッテリー15から電力が供給されるので、従来のような電源ケーブルが不要になる。このように、本発明によれば、従来のような通信ケーブルや電源ケーブルをなくすことができるので、いわゆる参加型のテーブルゲームにおいて、カード読取り装置2をディーラーの前からゲーム参加者の前に移動させる動作が容易になる。その上、カード読取り装置2のゲームテーブルへの設置作業やメンテナンス作業が容易になり、さらに、従来の通信ケーブルや電源ケーブルに起因する故障が発生するのを防ぐことが可能になる。
【0076】
また、本実施の形態のカード読取り装置2は、無線出力部13における送信のタイミングを決定する送信設定部40を備えているので、カードの情報や勝敗結果の情報を、適切なタイミングで送信することが可能になる。例えば、カード読取部9で所定枚のカードが読み取られた後に、適切なタイミングで、それらのカードの情報や勝敗結果の情報を送信することが可能になる。または、プログラムにより決定された適切なタイミングで、カードの情報や勝敗結果の情報を送信することが可能になる。
【0077】
また、本実施の形態のカード読取り装置2では、バッテリー15がカバー23に取り付けられているので、一連のゲームの終了時にカード収納部のカードCを新しい複数デッキのカードに交換するためにカバー23を取外すタイミングで充電済みのバッテリー15を取り付けた別のカバー23と交換するようにすることができる。これによりバッテリ15の充電を怠ることや、充電済みのバッテリー15との交換を怠ることが防げる。この場合、一連のゲームの途中で(カットカードが出現する前に)バッテリー15及び補助バッテリー16の両方の残量が少なくなりゲームが中断されるという最悪の事態が生じるのを防止できる。
【0078】
また、本実施の形態では、カード読取り装置2の検知通知部41によって、カバー23が開けられたことを適切に検知することができる。カバー23が開けられたことを適切に検知することはカード収納部のカードCへの不正なアクセスを防止する上で重要である。なお、制御部10により、通信制御部39は、前述のようにカバー23が開けられたことが検知されると、これを無線出力部13より送信するよう設定されているが、さらにバッテリー15あるいは補助バッテリー16の容量を送信したり、各バッテリーの容量が所定値以下の場合にその旨を送信する機能を備えている。
【0079】
また、本実施の形態のカード読取り装置2は、補助バッテリー16を備えているので、バッテリー15が取り外されてしまった場合や、バッテリー15の残りの容量が少なくなってしまった場合には、バッテリー15の代わりに、補助バッテリー16から電力を供給することができる。また、本実施の形態のカード読取り装置2には、バッテリースイッチング回路17が設けられているので、バッテリー15と補助バッテリー16の一方または両方から、適切に電力を供給することが可能である。
【0080】
また、本実施の形態のテーブルゲームシステム1では、複数台のカード読取り装置2を、1台の主コンピュータ装置3で適切に管理することができる。また、本実施の形態では、カードの情報を表すコードが、カードの対向する2辺に、カードが引出される方向に沿って印刷されているので、カードに印刷されたコードを適切に読み取ることができる。
【0081】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように、本発明にかかるカード読取り装置は、参加型のテーブルゲームでのカード読取り装置の移動を容易にすることができるという効果を有し、カジノなどで行われる参加型のバカラゲーム等に用いられるテーブルゲームシステム等に用いられ、有用である。
【符号の説明】
【0083】
1 テーブルゲームシステム
2 カード読取り装置
3 主コンピュータ装置
4 無線通信インターフェース
5 判別部
6 受入判定部
7 ハウジング
8 カードシュー部
9 カード読取部
10 制御部
11 第1表示部
12 第2表示部
13 無線出力部
14 送信許可ボタン
15 バッテリー
16 補助バッテリー
17 バッテリースイッチング回路
18 カード収納部
19 開口
20 床
21 前壁
22 カード押し部材
23 カバー
24 受け部
25 端子
26 カード読取りセンサ部
27 カードガイド面
28 カードガイドレール
29 センサカバー
30 ブラックライト型センサ(UVセンサ)
31 対象物検出センサ
32 計測有効判定センサ
33 カウンタ
34 メモリ
35 数特定部
36 正常通過判定部
37 勝敗判定部
38 表示制御部
39 通信制御部
40 送信設定部
41 検知通知部
42 電源制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のカードを収納するカード収納部と、前記カード収納部の上部に配置される着脱可能なカバーと、前記カード収納部からカードを1枚毎に取り出すことができる開口と、を有するカードシュー部と、
前記カード収納部からゲームテーブル上に引き出されるカードに付されたカードの情報を、一枚毎に前記カードから読み取るカード読取部と、
前記カード読取部において読み取られた前記カードの情報に基づいて、カードゲームの勝敗を判断する制御部と、
前記制御部により判断された勝敗結果を出力する表示部と、
前記カード読取部において順次読み取られた前記カードの情報及び前記制御部により判断された前記勝敗結果の情報を、自己の装置を特定するIDと共に、外部の装置に無線通信で送信する無線出力部と、
前記制御部、前記表示部および前記無線出力部に電力を供給するバッテリーと、
を含むカード読取り装置であって、
前記カードシュー部、前記カード読取部、前記制御部、前記表示部および前記無線出力部は、一体化して前記ゲームテーブル上に置くことができ、前記バッテリーは、前記カード読取り装置に対して着脱可能に設けられていることを特徴とするカード読取り装置。
【請求項2】
前記無線出力部における送信のタイミングを決定する送信設定部をさらに含む、請求項1に記載のカード読取り装置。
【請求項3】
前記送信設定部は、前記カード読取部において所定枚のカードが読み取られた後に、これらカードから読み取った前記カードの情報を送信するように、前記送信のタイミングを決定する、請求項2に記載のカード読取り装置。
【請求項4】
前記送信設定部は、所定のプログラムにより前記送信のタイミングを決定する、請求項2または3に記載のカード読取り装置。
【請求項5】
前記バッテリーは、前記カバーに取り付けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカード読取り装置。
【請求項6】
前記バッテリーが前記カード読取り装置から取り外された場合、または、前記バッテリーの容量が所定の閾値以下になった場合に、前記制御部及び前記無線出力部に電力を供給する補助バッテリーを更に備えた、請求項1〜5のいずれか一項に記載のカード読取り装置。
【請求項7】
前記制御部及び前記無線出力部への電力を、前記バッテリーと前記補助バッテリーのいずれか一方または両方から供給するように制御するバッテリースイッチング部を更に備えた、請求項6に記載のカード読取り装置。
【請求項8】
前記カバーが開けられたことを検知して、前記カバーが開けられた旨の通知を前記無線出力部を介して外部の装置に送信する検知通知部をさらに備えた、請求項1〜7のいずれか一項に記載のカード読取り装置。
【請求項9】
カード読取り装置と主コンピュータ装置で構成されるテーブルゲームシステムであって、
前記カード読取り装置は、
複数枚のカードを収納するカード収納部と、前記カード収納部の上部に配置される着脱可能なカバーと、前記カード収納部からカードを1枚毎に取り出すことができる開口と、を有するカードシュー部と、
前記カード収納部からゲームテーブル上に引き出されるカードに付されたカードの情報を、一枚毎に前記カードから読み取るカード読取部と、
前記カード読取部において読み取られた前記カードの情報に基づいて、カードゲームの勝敗を判断する制御部と、
前記制御部により判断された勝敗結果を出力する表示部と、
前記カード読取部において順次読み取られた前記カードの情報及び前記制御部により判断された前記勝敗結果の情報を、自己の装置を特定するIDと共に、前記主コンピュータ装置に無線通信で送信する無線出力部と、
前記制御部、前記表示部および前記無線出力部に電力を供給するバッテリーと、
を含み、
前記カードシュー部、前記カード読取部、前記制御部、前記表示部および前記無線出力部は、一体化して前記ゲームテーブル上に置くことができ、前記バッテリーは、前記カード読取り装置に対して着脱可能に設けられており、
前記主コンピュータ装置は、
前記カード読取り装置の前記無線通信部から送信された情報を受信し、前記受信したIDが予め設定されたIDと一致した場合に、前記カード読取り装置から送信された前記勝敗結果の情報を受け入れる受入判定部を備えたことを特徴とするテーブルゲームシステム。
【請求項10】
前記テーブルゲームシステムは、複数台の前記カード読取り装置と、前記複数台のカード読取り装置に対して共通の1台の前記主コンピュータ装置を備え、
前記複数台のカード読取り装置は、それぞれ自己の装置を特定する互いに異なるIDを有し、
前記主コンピュータ装置は、前記複数台のカード読取り装置の互いに異なるIDを判別する判別部を備える、請求項9に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項11】
前記カード読取り装置は、前記無線通信部における送信のタイミングを決定する送信設定部をさらに含む、請求項9または10に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項12】
前記送信設定部は、前記カード読取部において所定枚のカードが読み取られた後に、これらのカードから読み取った前記カードの情報を送信するように、前記送信のタイミングを決定する、請求項11に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項13】
前記送信設定部は、所定のプログラムにより前記送信のタイミングを決定する、請求項11または12に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項14】
前記バッテリーは、前記カバーに取り付けられている、請求項9〜13のいずれか一項に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項15】
前記カード読取り装置は、前記バッテリーが前記カード読取り装置から取り外された場合、または、前記バッテリーの容量が所定の閾値以下になった場合に、前記制御部及び前記無線通信部に電力を供給する補助バッテリーを備えた、請求項9〜14のいずれか一項に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項16】
前記カード読取り装置は、前記制御部及び前記無線出力部への電力を、前記バッテリーと前記補助バッテリーのいずれか一方または両方から供給するように制御するバッテリースイッチング部を更に備えた、請求項15に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項17】
複数枚のカードと、カード読取り装置と、主コンピュータ装置で構成されるテーブルゲームシステムであって、
前記複数枚のカードには、各カードの一つの面に紫外線に反応するインクでカードの情報を表すコードが付されており、
前記カード読取り装置は、
前記複数枚のカードを収納するカード収納部と、前記カード収納部の上部に配置される着脱可能なカバーと、前記カード収納部からカードを1枚毎に取り出すことができる開口とを有するカードシュー部と、
前記カード収納部からゲームテーブル上に引き出されるカードに付された前記カードの情報を、一枚毎に前記カードから読み取るカード読取部と、
前記カード読取部において読み取られた前記カードの情報に基づいて、カードゲームの勝敗を判断する制御部と、
前記制御部により判断された勝敗結果を出力する表示部と、
前記カード読取部において順次読み取られた前記カードの情報及び前記制御部により判断された前記勝敗結果の情報を、自己の装置を特定するIDと共に、前記主コンピュータ装置に無線通信で送信する無線通信部と、
前記制御部、前記表示部および前記無線出力部に電力を供給するバッテリーと、
を含み、
前記カードシュー部、前記カード読取部、前記制御部、前記表示部および前記無線通信部は、一体化されて前記ゲームテーブル上に置くことができ、前記バッテリーは、前記カード読取り装置に対して着脱可能に設けられており、
前記主コンピュータ装置は、
前記カード読取り装置の前記無線通信部から送信された情報を受信し、前記受信したIDが予め設定されたIDと一致した場合に、前記カード読取り装置から送信された前記勝敗結果の情報を受け入れる受入判定部を備えたことを特徴とするテーブルゲームシステム。
【請求項18】
前記カードの情報を表すコードは、前記カードの対向する2辺に、前記カードが引出される方向に沿って印刷されている、請求項17に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項19】
前記テーブルゲームシステムは、複数台の前記カード読取り装置と、前記複数台のカード読取り装置に対して共通の1台の前記主コンピュータ装置を備え、
前記複数台のカード読取り装置は、それぞれ自己の装置を特定する互いに異なるIDを有し、
前記主コンピュータ装置は、前記複数台のカード読取り装置の互いに異なるIDを判別する判別部を備える、請求項17または18に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項20】
前記カード読取り装置は、前記無線通信部における送信のタイミングを決定する送信設定部をさらに含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項21】
前記送信設定部は、前記カード読取部において所定枚のカードが読み取られた後に、これらのカードから読み取った前記カードの情報を送信するように、前記送信のタイミングを決定する、請求項20に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項22】
前記送信設定部は、所定のプログラムにより前記送信のタイミングを決定する、請求項20または21に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項23】
前記バッテリーは、前記カバーに取り付けられている、請求項17〜22のいずれか一項に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項24】
前記カード読取り装置は、前記バッテリーが前記カード読取り装置から取り外された場合、または、前記バッテリーの容量が所定の閾値以下になった場合に、前記制御部及び前記無線通信部に電力を供給する補助バッテリーを備えた、請求項17〜23のいずれか一項に記載のテーブルゲームシステム。
【請求項25】
前記カード読取り装置は、前記制御部及び前記無線出力部への電力を、前記バッテリーと前記補助バッテリーのいずれか一方または両方から供給するように制御するバッテリースイッチング部を更に備えた、請求項24に記載のテーブルゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−61023(P2012−61023A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205280(P2010−205280)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000103301)エンゼルプレイングカード株式会社 (13)
【Fターム(参考)】