説明

カーペット等の下敷きシート

【課題】従来のカーペット又はホットカーペットを板張り床や平滑な床面構造の室内などで使用する場合には、使用中によく移動して幼児の転倒事故やカーペット端縁の波打ちによる電熱線への悪影響などが発生する上、ホットカーペットの場合、下方への熱の散逸が多かった。
【解決手段】カーペット又はホットカーペット主体の広さに見合う大きさで、厚さ3〜5ミリメートルの不織布からなるシートの一面に、適宜な接着剤を塗布、乾燥させて粘着処理面としたものである。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、主として板張り床(フローリング)上で用いられる通常のカーペット又は電熱線入りのホットカーペットの滑り止め並びに断熱機能として適用される下敷きシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から一般家庭等の室内では、その床面にカーペット又はホットカーペットを使用することが、広く行われていた。又、ホットカーペットの場合、その熱が床下方向に散逸するのを防止するために、下面に断熱処理を施してなるものも知られていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
このような従来のカーペット又はホットカーペットは、室内の床一面に他の敷物等が敷き詰められている場合は、上記敷物と該カ−ペット底面の接触抵抗によって目立った移動などは起こらないが、板張り床や平滑な床面構造の室内などで使用する場合には、滑りを止める機能が付されていない従来のカーペットは、使用中によく移動するものであった。
【0004】
従って、例えば幼児などが該カーペットの端縁近くに足を掛けたはずみにカーペットが滑動して、屡々転倒するなどの事故が発生したり、又は比較的狭い室内では、カーペットの多少の移動によっても、その端縁が家具や内壁に突き当たって波打ち状態になり、外見的に無様である上、ホットカーペットにあっては内部の熱線が屈折して不測の故障や災害の原因ともなるなど、多くの問題点が指摘されていたものである。
【0005】
又、従来のホットカーペットにおいて、その下面に断熱処理などを施して断熱機能を付加したものであっても、尚、下方への熱の散逸量は30〜50%と大きく、熱量の損失が多かった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した実情に鑑み、本考案はカーペット主体の下面に、これと略同じ大きさの滑り止め用のシートを敷設することにより、従来の課題を確実に解消、除去したものである。即ち、上記カーペット主体の広さに見合う大きさで、厚さ3〜5mmの不織布からなるシートの一面に、適宜な接着剤を塗布、乾燥させて可粘着面を構成するという手段を採用したものである。
【0007】
叙上の構成を有する本案下敷きシートは、上記粘着処理面を床面に当てて敷き、その上にカーペット主体を重合することで、該カーペットの重量で粘着処理面は各部均等に床面に押付けられて床面との間の滑り止め機能を果たすと同時に、特にホットカーペットの場合には、上記粘着処理面自体が断熱機能を帯有し、これが不織布特有の断熱性に付加されて一層高い断熱効果を発揮するものである。
従って、カーペットの下面から床面に向けて散逸する熱の損失量を30%以下に抑制して効率的な採暖が得られるのである。
【0008】
【考案の実施の形態】
以下、本考案に係る下敷きシートを、図面に示すホットカーペットに適用した場合の実施形態に基づいて更に説明する。図において、1は板張り等の床面、2は下敷きシート、3はホットカーペット主体であり、又4はカーペットカバーである。 尚、図中5は上記下敷きシート2の粘着処理面、又6はホットカーペットの電源コード並びにスイッチを示す。
【0009】
而して上記下敷きシート2は、綿、ウール又は化学繊維等の内の1又は2以上の繊維を混合してなる厚さ3〜5ミリメートルの不織布であって、カーペット主体3と同じ大きさか、又はそれよりも僅かに小さく形成し、その下面全域若しくは部分的に例えばエマルジョンタイプの接着剤を塗布した上、該面を120℃前後で高温乾燥して発泡状とした粘着処理面5を構成することによって、高い断熱性と滑り止め機能を併有せしめたものである。
【0010】
【考案の効果】
以上詳述した本考案に係るカーペット等の下敷きシートによれば、該シートの下面に施された可粘着処理による床面との滑り止め効果と、シート上面とカーペット下面の繊維同士の摩擦抵抗によって、板張り床その他の平滑な床面における通常のカーペット及びホットカーペット主体の移動などが確実に防止されるから、それに伴って幼児の転倒事故やカーペット端縁の波打ちによる電熱線への悪影響などが全て解消できたのである。
【0011】
又、シート下面の上記粘着処理面によって不織布本来の断熱効果がより一層高められ、特にホットカーペットにあっては、効率の高い採暖が得られるなど、実用上多くの優れた利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本案下敷きシートを用いたホットカーペットの斜視図。
【図2】X−X線の縦断面図。
【符号の説明】
1 床面
2 下敷きシート
3 カーペット主体
4 カバー
5 粘着処理面

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】カーペット又はホットカーペット主体の広さに見合う大きさで、厚さ3〜5ミリメートルの不織布からなるシートの一面に、適宜な接着剤を塗布、乾燥させて粘着処理面としたことを特徴とするカーペット等の下敷きシート。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【登録番号】第3032041号
【登録日】平成8年(1996)9月25日
【発行日】平成8年(1996)12月13日
【考案の名称】カーペット等の下敷きシート
【国際特許分類】
【評価書の請求】有
【出願番号】実願平8−5998
【出願日】平成8年(1996)6月4日
【出願人】(391063905)三京株式会社 (2)