説明

カール除去装置

【課題】簡易な構成かつ低コストで、カールを除去、補正または矯正するカール除去装置を提供する。
【解決手段】画像が形成されたシート状の用紙に発生したカールを、回転する発熱部を含む加熱ローラと、予め定められた押圧力で加熱ローラに押圧されて接触している弾性ローラとの接触部であるニップ部に用紙を挟圧しつつ通過させ、該用紙の該加熱ローラに接触している面を熱膨張させることでカール状態を矯正する際、加熱ローラの表面における熱分布状態を異ならせたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置から排出された記録用紙のカールを除去するカール除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機,プリンタ,ファクシミリ,およびこれらの機能を有する複合機等の画像形成装置では形成したトナーを用紙へ定着させるために、用紙は定着ローラによって加熱,加圧される。この加熱,加圧,および定着されたトナーによって用紙にはカールが生じることがある。この用紙に生じたカールによって、排紙された用紙の不揃いが生ずる、先に排紙された用紙のカール部分に後から排紙された用紙の先端が突き当り用紙を排紙トレイから落としてしまう、といった問題が発生する。
【0003】
そこで、こうしたカールを除去するため、種々のカール補正装置が考案されている(特許文献1,2参照)。また、こうしたカールを除去する方法として、用紙に対して引っ張り力を与えながらしごき処理を行うことが考案されている(特許文献3参照)。また、用紙に生じたカール量は、用紙の紙種、紙厚、紙サイズや、トナー量による画像の濃度、及び画像形成装置が使用される環境の温湿度によっても影響されるため、これらの情報に基づいてカール補正量を導いて、カール除去を行う方法が考案されている(特許文献4,5参照)。また、カール除去手段によって補正された用紙をCCDカメラ等の検出手段によってカール除去結果をフィードバックする方法も考案されている。(特許文献6参照)
【0004】
また、検知されたカール量およびカール方向に基づいて、複数のカール矯正手段のうち、カールを減少させるカール矯正手段を選択して、用紙のカールを矯正するるカール補正装置が考案されている(特許文献7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06−144678号公報
【特許文献2】特開平06−156852号公報
【特許文献3】特開平03−284573号公報
【特許文献4】特開平08−217313号公報
【特許文献5】特開平06−258906号公報
【特許文献6】特開2006−016157号公報
【特許文献7】特開2007−320668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜6の発明は、用紙の搬送方向に直交する側端縁に形成されるカールを除去、補正または矯正するものであって、用紙の搬送方向に平行する側端縁に形成されるサイドカールを除去、補正または矯正するものではない。
【0007】
また、特許文献6の構成では、1枚目のカール除去結果を用いており、1枚目はカール除去ができていない場合がある。さらに、カール検出手段としてCCDカメラを用いているが、CCDカメラを用いた場合は、CCDカメラによって撮影された画像の一時保存のためのメモリ、および撮影された画像からカール量を検出するための画像認識機能が必要となるため、メモリおよび画像認識機能を追加するで、装置のコストが上昇するという問題も生ずる。
【0008】
特許文献7の構成では、カール検知手段は、用紙搬送路を挟んで左右対称に対向配置された一対の支持板と、支持板に回転自在に支持された少なくとも左右一対の拍車ローラと、拍車ローラの回転を検知するセンサ等を含んでおり、カール検知手段の構成が複雑になるという問題がある。また、カール除去手段は、カールの向きに応じて複数設けられており、装置の大型化,製造コストの上昇の一因となっている。
【0009】
上記問題点を背景として、本発明の課題は、簡易な構成かつ低コストで、カールを除去、補正または矯正するカール除去装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためのカール除去装置は、
画像が形成されたシート状の用紙に発生したカールのカール量およびカール方向を含むカール状態を検出するカール状態検出手段と、カール状態に基づいて、該カール状態を矯正するカール矯正手段と、を備えたカール除去装置であって、
カール矯正手段は、その内側に発熱部を含んで回転可能な加熱ローラと、予め定められた押圧力で加熱ローラに押圧されて接触し、該加熱ローラの回転駆動に従動して回転する、または自ら回転駆動して加熱ローラを従動させる弾性ローラと、発熱部の発熱量を制御する発熱量制御手段と、を含み、回転する加熱ローラと弾性ローラとの接触部であるニップ部に用紙を挟圧しつつ通過させ、該用紙の該加熱ローラに接触している面を熱膨張させることでカール状態を矯正するものであり、
加熱ローラの表面における熱分布状態を異ならせたことを特徴とする。
【0011】
上記構成によって、簡易な構成かつ低コストでカールを除去、補正または矯正することができる。また、特許文献3のような、用紙に対して引っ張り力を与えながらしごき処理を行ってカールを除去する方法とは異なり、用紙に無理な力を加えることなくカール除去状態を保つことができる。
【0012】
また、本発明のカール除去装置における加熱ローラには、搬送される用紙の搬送方向に対する中心に対向する表面に、用紙に対する加熱量のより低い領域が形成され、その中心から外側に向かって、表面に用紙への加熱量がより高くなる領域が順次形成される。
【0013】
上記構成によって、用紙の搬送方向に平行する側端縁に形成されるサイドカールを除去、補正または矯正することができる。
【0014】
また、本発明のカール除去装置における加熱ローラには、搬送される用紙の搬送方向に対する中心に対向する表面に、用紙に対する加熱量のより高い領域が形成されるとともに、その中心から外側に向かって、表面に用紙への加熱量がより低くなる領域が順次形成される。
【0015】
上記構成によっても、サイドカールを除去、補正または矯正することができる。
【0016】
また、本発明のカール除去装置における発熱部は、複数の発熱体を含んで構成され、発熱量制御手段は、複数の発熱体の発熱量を個別に制御する。
【0017】
上記構成によって、複数個の発熱体の発熱量をそれぞれ独立して制御可能としたことにより、加熱ローラの表面を任意の発熱温度分布状態にすることができるので、使用環境、画像の濃度の違いによって生じるカール量の違いに影響なくカールを補正、除去することができる。また、用紙のカールが発生していない領域に対向する発熱体の発熱量を抑えることで、用紙に対する熱の影響を低減することもできる。
【0018】
また、本発明のカール除去装置における複数の発熱体は、加熱ローラの回転軸と平行に配置される。
【0019】
上記構成によって、回転軸上に沿って加熱ローラの表面を任意の発熱温度分布状態にすることができるので、使用環境、画像の濃度の違いによって生じるカール量の違いに影響なくカールを補正、除去することができる。
【0020】
また、本発明のカール除去装置における加熱ローラの少なくとも表面には、発熱部が発生した熱を用紙に伝導する熱伝導率が異なる複数の領域が形成される。
【0021】
上記構成によっても、サイドカールを除去、補正または矯正することができる。また、従来技術のような、弾性ローラの発熱ローラに対する押圧力(弾性ローラの発熱ローラへの食い込み量)を変更することでカール除去量を変化させる必要がなく、弾性ローラの食い込み量の変化機構に比べて簡単な(つまり低コストな)構成で、カール除去量の変更ができる。
【0022】
また、本発明のカール除去装置における加熱ローラの表面には、熱伝導率が異なる複数の領域を形成するために、対応した熱伝導率を有する複数のシート状の熱伝導部材が貼り付けられる。
【0023】
上記構成によって、発熱部を1つの発熱体で構成することができるため、発熱量制御手段を簡易なものとすることができる。
【0024】
また、本発明のカール除去装置は、加熱ローラの表面の全体を覆うように、シート状で単一の熱伝導率を有するカバー部材が貼り付けられる。
【0025】
上記構成によって、発熱部が複数の発熱体を含んで構成される場合には、隣接する発熱体間のギャップにより発生する発熱量の落ち込みあるいは上昇による用紙への影響を低減することができる。また、複数のシート状の熱伝導部材が貼り付ける場合には、これら隣接する熱伝導部材の繋ぎ目部分によって用紙に発生する皺を無くすことができる。また、繋ぎ目部分を均一に構成する必要がなく、カール除去装置の製造コストを低減することができる。
【0026】
また、本発明のカール除去装置における発熱量制御手段は、カール状態に応じて発熱部の発熱量を制御する。
【0027】
上記構成によって、従来技術のような、弾性ローラの発熱ローラに対する押圧力(弾性ローラの発熱ローラへの食い込み量)を変更することでカール除去量を変化させる必要がなく、弾性ローラの食い込み量の変化機構に比べて簡単な構成で、カール除去量の変更ができる。よって、この変化機構を必要とせず、カール矯正手段が簡単な機構となるため、低コスト化・小型化が可能となる。
【0028】
また、本発明のカール除去装置におけるカール矯正手段は、カール状態に応じて加熱ローラ、または弾性ローラの回転速度を制御する回転速度制御手段を含む。
【0029】
上記構成によっても、従来技術のような、弾性ローラの発熱ローラに対する押圧力(弾性ローラの発熱ローラへの食い込み量)を変更することでカール除去量を変化させる必要がなく、弾性ローラの食い込み量の変化機構に比べて簡単な構成で、カール除去量の変更ができる。よって、カール矯正手段が簡単な機構となるため、低コスト化・小型化が可能となる。また、発熱部の温度を制御する必要がないので、発熱部の構成や発熱量を制御するための処理を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】カール除去装置が画像形成装置に装着された例を示す図。
【図2】カール除去装置の構成の詳細を示す図。
【図3】カール除去装置の制御部の構成を示す図。
【図4】カール状態検出処理を説明するフロー図。
【図5】カール状態検出時のカール状態検出部の状態を示す側面図。
【図6】図5に続く、搬送ローラユニットが分離された状態を示す図。
【図7】図6をA方向から見た上面図。
【図8】図6をB方向から見た正面図。
【図9】カール矯正処理を説明するフロー図。
【図10】上カール矯正時のカール矯正部の作動状態を示す図。
【図11】下カール矯正時のカール矯正部の作動状態を示す図。
【図12】従来の加熱ローラの構成を示す図。
【図13】本発明の加熱ローラの構成を示す図。
【図14】本発明の加熱ローラの構成の別例を示す図。
【図15】本発明の加熱ローラの構成の別例を示す図。
【図16】図15の加熱ローラを用いた場合のカール矯正部の作動状態を示す図。
【図17】本発明の加熱ローラの構成の別例を示す図。
【図18】本発明の加熱ローラの構成の別例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係るカール除去装置の実施形態を、カール除去装置が画像形成装置に接続された例を用いて、図面を参照しつつ説明する。図1に、本発明のカール除去装置107が、画像形成装置の1つであるプリンタ100と、プリンタ100から出力された用紙をソート等の後処理を行う周知のフィニッシャー108との間に装着された構成を示す。
【0032】
プリンタ100は、画像が形成されるシート状の用紙が入っている用紙トレイ101、用紙トレイ101から用紙206(図5等参照)を給紙する給紙コロ102、給紙コロ102で給紙された用紙206を感光ドラム105y,105m,105c,105kへ搬送する搬送ベルト104、搬送ベルト104を駆動する駆動ローラ103、用紙206に転写される画像を形成する感光ドラム105y,105m,105c,105k、形成された画像を用紙206に定着させる定着ローラ106等を含んで構成される。
【0033】
給紙コロ102,搬送ベルト104により感光ドラム105y,105m,105c,105kへ搬送された用紙206は、それぞれの感光ドラムのイエロー(y),マゼンタ(m),シアン(c),ブラック(k)の各色のトナーにて印刷データに基づいて形成された画像が転写される。このとき、用紙206に転写された各色のトナーは用紙206に定着していないので、定着ローラ106で加熱・加圧されることで、トナーを溶融させて用紙206に定着させ、画像の形成が完了する。
【0034】
通常の構成では、本発明のカール除去装置107が接続されていないため、定着ローラ106から搬送された用紙206はフィニッシャー108へ送られ、フィニッシャー108の有する例えばソート機能によって印刷部数単位で排紙トレイ(図示せず)に分けて排紙される。
【0035】
しかし、プリンタ100等のトナーを用いた画像形成装置では、上述したように、形成したトナーを用紙へ定着させるために、定着ローラ106によって加熱・加圧される、この加熱、加圧、および定着されたトナーによって用紙はカールが生じてしまうことがある。
【0036】
図2に、カール除去装置107の構成の詳細を示す。カール除去装置107は、カール状態検出部200,カール矯正部300,およびカール状態検出部200とカール矯正部300の動作を制御する制御部400とを含んで構成される。なお、カール状態検出部200が本発明のカール状態検出手段に相当する。また、カール矯正部300が本発明のカール矯正手段に相当する。
【0037】
カール状態検出部200は、画像形成装置100(定着ローラ106)より画像形成されて排出された用紙206を搬送する受入ローラ201(2個で1組)、用紙206をカール状態検出位置へ搬送する下側搬送ローラユニット202,上側搬送ローラユニット203、カール状態の検出が完了した用紙206をカール矯正部300へ搬送する排出ローラ204(2個で1組)、カール状態の検出を行う超音波センサ205を含んで構成される。
【0038】
下側搬送ローラユニット202は上流側駆動ローラ202a,下流側駆動ローラ202bを含み、上側搬送ローラユニット203は、上流側従動ローラ203aと,下流側従動ローラ203bを含み、これら上下の搬送ローラユニットは、上流側駆動ローラ202aと上流側従動ローラ203aとが組をなし、また、下流側駆動ローラ202bと下流側従動ローラ203bとが組をなす、2組のローラとして用紙206を搬送する。
【0039】
カール矯正部300は、ヒータ301a(図3等参照)を備えて発熱可能な加熱ローラ301、加熱ローラ301と接触している上カール除去ローラ302aおよび下カール除去ローラ302b、用紙206をカール除去ローラ302aを含む搬送路および下カール除去ローラ302bを含む搬送路のいずれの搬送路を通過させるかを切り替える分岐爪303を含んで構成される(詳細は後述)。
【0040】
上カール除去ローラ302aおよび下カール除去ローラ302bは弾性ローラであり、加熱ローラ301に予め定められた押圧力で押し当てるように構成されており、これらカール除去ローラ302a,302bのいずれかを加熱ローラ301に押し当てることで、加熱ローラ301との接触部(すなわちニップ部)にニップ力を生じさせている。カール除去ローラ302a,302bは、加熱ローラ301の回転に従動して回転するものであるが、モータによりこれらカール除去ローラを駆動する構成としてもよい。
【0041】
図3に、制御部400の構成を示す。制御部400は、モータドライバ401、ヒータドライバ402、超音波センサI/F(インターフェース)403、RAM404、CPU405、ROM406、通信I/F407、センサI/F408を含んで構成される。
【0042】
モータドライバ401は、CPU405からの回転制御指令に基づいて、カール状態検出部200に含まれる、受入ローラ201を駆動するための受入ローラ用モータ201m、下側搬送ローラユニット202の各駆動ローラ202a,202bを駆動するための搬送ローラユニット用モータ202m、下側搬送ローラユニット202と上側搬送ローラユニット203とを分離するための搬送ローラユニット分離用モータ203m、排出ローラ204を駆動するための排出ローラ用モータ204m、超音波センサ205を移動するための超音波センサモータ205m、さらに、カール矯正部300に含まれる、加熱ローラ301を駆動するための加熱ローラ用モータ301m、分岐爪303を駆動するための分岐爪駆動用モータ303mのそれぞれについて回転制御を行うためのドライバIC等を含む回路で構成される。なお、モータドライバ401が本発明の回転速度制御手段に相当する。
【0043】
上記各モータにより、搬送ローラ201、下側搬送ローラユニット202の各駆動ローラ(202a,202b)、排出ローラ204は回転駆動されるが、2個のローラをモータにより個別に回転駆動してもよいし、1個のローラのみをモータにより回転駆動し、他方のローラを従動させるようにしてもよい。
【0044】
ヒータドライバ402は、CPU405からの発熱制御指令に基づいて、加熱ローラ301に備えられたヒータ301aの発熱を行うためのドライバ回路等を含む。なお、ヒータドライバ402が本発明の発熱量制御手段に相当する。また、ヒータ301aが本発明の発熱部に相当する。
【0045】
超音波センサI/F403は、CPU405からの制御指令に基づいて、超音波センサ205の動作制御(超音波センサ205の移動,超音波の発射/停止など)および超音波センサ205が検出したデータの取得を行う。
【0046】
通信I/F407は、例えばプリンタ100とのデータ通信を行うための通信インターフェース回路である。
【0047】
センサI/F408、後述する各センサ(201a,204a,304)が検出したデータの取得を行う。
【0048】
制御部400では、CPU405がROM406に記憶された制御プログラムおよびデータ(図示せず)を実行することで、本発明のカール除去装置としての機能を実現する。また、RAM404は、必要に応じてデータが保存されるワークエリアとして用いられる。
【0049】
図4および図5〜8を用いて、カール状態検出部200におけるカール状態検出処理について説明する。なお、本処理はROM406に記憶された制御プログラムに含まれ、CPU405により制御プログラムの他の処理とともに繰り返し実行される。
【0050】
まず、下記のうちの少なくともいずれかの方法を用いて、カール状態検出部200の起動条件が成立したか否かを検出する(S110)。
・通信I/F407を介して、プリンタ100から、定着ローラ106を駆動するための制御指令信号である定着開始信号を取得したときに、起動条件が成立したと判定する。
・搬送用ローラ201の上流側(すなわちプリンタ100側)に、プリンタ100から搬送される用紙206を検出するための、例えば周知の光センサを含んで構成されるセンサ201a(図2等参照)を取り付ける。このセンサ201aが用紙を検出したときに、起動条件が成立したと判定する。
【0051】
カール状態検出部200の起動条件が成立した場合(S110:Yes)、CPU405からモータドライバ401に、受入ローラ用モータ201m,搬送ローラユニット用モータ202mを駆動するように回転制御指令を送る(S120)。
【0052】
用紙206が搬送ローラ201から搬送され、上下の各搬送ローラユニット202,203の所定位置に到達した場合(S130:Yes)、CPU405からモータドライバ401に、受入ローラ用モータ201m,搬送ローラユニット用モータ202mを停止するように回転制御指令を送る(S140)。所定位置とは、超音波センサ205により用紙206のカール状態(サイドカール)を検出できる位置であり、例えば、図5のように、用紙206が上下の各搬送ローラユニット(202,203)の上流側駆動ローラ202a,上流側従動ローラ203aおよび下流側駆動ローラ202b,下流側従動ローラ203bのそれぞれに挟まれ、かつ受入ローラ201および排出ローラ204には挟まれていない位置にある状態とする。
【0053】
次に、下側搬送ローラユニット202と上側搬送ローラユニット203とを分離して、用紙206のカール状態を検出できるようにするために、CPU405からモータドライバ401に、搬送ローラユニット分離用モータ203mを駆動するように回転制御指令を送る(S150)。すなわち、図6のように、上側搬送ローラユニット203を上方に移動する。この状態では用紙206には各従動ローラ(203a,203b)による押圧力が加わっていないため、画像形成装置100の画像形成によって生じたサイドカールによって湾曲した状態となっている。
【0054】
図6、および図6をB方向(すなわち、搬送方向上流側)から見た状態である図8のように、上側搬送ローラユニット203の、上流側従動ローラ203aおよび下流側従動ローラ203bを回転可能に支持する架台203dは、その架台203dの上流端近傍および下流端近傍において、架台203dを昇降可能とする2組4本の支柱203cに取り付けられている。支柱203cの下端は、図示しないカール状態検出部200の筐体底部に取り付けられている。
【0055】
また、架台203dには、搬送ローラユニット分離用モータ203mが取り付けられている。搬送ローラユニット分離用モータ203mは、その回転軸に取り付けられたピニオンギア(図示せず)が支柱203cの上下方向に沿って取り付けられたラックギア(図示せず)と噛合するように取り付けられる。そして、搬送ローラユニット分離用モータ203mの回転にともなって回転するピニオンギアがラックギア上を移動することで、架台203dの昇降を行うことができる。ラックギアを全ての支柱203cに取り付けて、個々のラックギアに対応するように搬送ローラユニット分離用モータ203mを(図6の例では4個)取り付けてもよい。
【0056】
次に、超音波センサ205によって、用紙206のカール状態(カール量およびカール方向)を検出する(S160)。図7に、図6をA方向(すなわち、用紙206の上方向)から見た状態を示す。但し、超音波センサ205の構成に関連のないものは、図示を省略してある。図7のように、超音波センサ205は、架台205aに取り付けられ、図8のように、架台205aは2本の支柱205bにより支持され、支柱205bの下端は、図示しないカール状態検出部200の筐体底部に取り付けられている。また、超音波センサ用モータ205mは、超音波センサ205と一体的に取り付けられ、例えば、超音波センサ用モータ205mの回転軸に取り付けられたピニオンギア(図示せず)が架台205aの長手方向(すなわち,図7の両矢印Pで示される、用紙206の搬送方向に直交する方向)に沿って取り付けられたラックギア(図示せず)上を移動することで、用紙260に発生したカール状態を検出できる。なお、架台205aには、超音波センサ205および超音波センサ用モータ205mの落下を防止するとともに、超音波センサ205の移動を容易とするためのガイドレール(図示せず)も設けられている。また、架台205aの構造を、超音波センサ205を用紙206の搬送方向に平行な方向にも移動可能としてもよい。
【0057】
ここで、CPU405から、超音波センサ205より超音波207(図8参照)を発射させるために超音波センサI/F403に指令を送り、続いて、超音波センサ205を架台205aの一端から他の一端へ(すなわち、少なくとも用紙206の搬送方向に平行する一方の側端縁の略上方から他の側端縁の略上方を含む範囲)移動させるために、超音波センサ用モータ205mを駆動するようモータドライバ401に回転制御指令を送る。なお、超音波センサ205の移動距離は用紙206のサイズによって異なるが、用紙サイズに関する情報は、例えば、通信I/F407を介して、プリンタ100から取得する。
【0058】
そして、用紙206に反射した反射波が超音波センサ205に戻ってくるまでの時間を計測してカール量およびカール方向を検出する。図6〜図8の例では、用紙206は側端縁が下側に湾曲したカール状態(下カール)になっている。すなわち、用紙206の搬送方向に平行する中心近傍での超音波センサ205と用紙206との距離L1が、用紙206の搬送方向に平行する側端縁近傍での超音波センサ205と用紙206との距離L2よりも大きい場合には上カールと判定し、距離L1が距離L2よりも小さい場合には下カールと判定する。また、カール量は、L2とL1との差の絶対値で表すことができ、その絶対値が例えばROM406に記憶される予め定められた閾値を上回るときに、カールが発生していると判定する。
【0059】
上述の構成では、超音波センサは1つのみを図示しているが、画像形成される用紙のサイズは様々であるので、用紙サイズの搬送方向の長さに合った数の超音波センサを配置してもよい。ただし、本実施例では、超音波センサ205は用紙206の搬送方向に直交する方向に移動できる機構としているため、用紙サイズに合わせて超音波センサ位置を動作させることができ、複数個の超音波センサを用いる必要がなく、カール状態検出部200の製造コストを低減することができる。
【0060】
カール状態の検出の結果、カールが発生していると判定した場合(S170:Yes)、検出されたカール方向およびカール量に基づいてカール矯正量を算出し、算出したカール矯正量に基づいて加熱ローラ301に含まれる発熱体301aの発熱量と加熱ローラ301の回転速度を算出する(S180)。
【0061】
例えば、まず、加熱ローラ301の回転速度は予め定められたデフォルト値とし、発熱量を変化させてカールを除去可能な発熱量を算出する。ヒータ301aの最大発熱量あるいは用紙206に加えることが可能な熱量の上限を超える場合には、加熱ローラ301の回転速度を変化させて再度カールを除去可能な発熱量を算出する。例えば、カール量が大きければ加熱ローラ301の回転速度を遅くし、カール量が小さければ加熱ローラ301の回転速度を速くする。なお、用紙206に加えることが可能な熱量は用紙の質(上質紙,再生紙等)毎に異なり、用紙の質に関する情報は、例えば、通信I/F407を介して、プリンタ100から取得する。
【0062】
一方、カールが発生していないと判定した場合(S170:No)、カール矯正量をゼロとし、カール矯正量がゼロのときに対応する発熱量(例えばゼロあるいはROM406に記憶される予め定められたデフォルト値)および加熱ローラ301の回転速度(例えば例えばROM406に記憶される予め定められたデフォルト値)を設定する(S230)。
【0063】
次に、上述のステップS150で分離した上側搬送ローラユニット203と下側搬送ローラユニット202とを結合する(分離前の状態に戻す)ために、CPU405からモータドライバ401に、搬送ローラユニット分離用モータ203mを駆動するように回転制御指令を送る(S190)。
【0064】
次に、用紙206をカール矯正部300側へ搬送するために、搬送ローラユニット用モータ202m,排出ローラ用モータ204mを駆動するようにCPU405からモータドライバ401に回転制御指令を送る(S200)。そして、例えば周知の光センサを含んで構成される用紙排出検知センサ204a(図5,図6参照)で用紙206の排紙が完了したか否かを検出する。すなわち、用紙排出検知センサ204aにおいて、用紙206を検知した状態から検知しなくなった状態に遷移したとき、用紙206の排紙が完了したとする。
【0065】
用紙206の排紙が完了したことを検出した場合(S210:Yes)、CPU405からモータドライバ401に、搬送ローラユニット用モータ202m,排出ローラ用モータ204mを停止するように回転制御指令を送る(S220)。
【0066】
図9を用いて、カール矯正部300におけるカール矯正処理について説明する。なお、本処理はROM406に記憶された制御プログラムに含まれ、CPU405により制御プログラムの他の処理とともに繰り返し実行される。
【0067】
まず、分岐爪303を切り替える条件が成立したか否かを判定する。例えば、用紙206をカール矯正部300側へ搬送するために、搬送ローラ202,排出ローラ204を駆動したとき(すなわち、図4のステップS200を実行したとき)、切り替え条件が成立したと判定する。また、用紙排出検知センサ204aが用紙206の排出を検知したとき、切り替え条件が成立したと判定してもよい。分岐爪303を切り替えるタイミングであると判定された場合(S310:Yes)、分岐爪303を切り替える(S320)。
【0068】
分岐爪303の切り替えは、カールの状態に基づいて行う。図4のカール状態を検出するステップ(S160)において、図6あるいは図8のように搬送ユニット上で下向きにカールしている場合は「下カール」と判定される。一方、搬送ユニット上で上向きにカールしている場合は「上カール」と判定される。
【0069】
上カールと判定された場合には、図10のように、用紙206を上カール除去ローラ302a側(上カール搬送路U)へ搬送するために、分岐爪303を下側に切り替えるべく分岐爪用モータ303mを駆動するように、モータドライバ401に回転制御指令を送る。一方、下カールと判定された場合には、図11のように、用紙206を下カール除去ローラ302b側(下カール搬送路L)へ搬送するために、分岐爪303を上側に切り替えるべく分岐爪用モータ303mを駆動するように、モータドライバ401に回転制御指令を送る。図10,図11のいずれにおいても、用紙206は矢印のように搬送される。
【0070】
カールなしと判定された場合には、図10のように、分岐爪303を下側に切り替えて用紙206を上カール除去ローラ302a側へ搬送する。あるいは、分岐爪303の切り替えは行わず、その時点で形成されている搬送路を使って用紙206搬送する。この場合、分岐爪303の切り替え時にモータドライバ401および分岐爪用モータ303mで消費される電力を節約できる。
【0071】
次に、用紙206にカールありと判定されている場合(S330:Yes)、図4のステップS180で算出されたヒータ301aの発熱量となるようにヒータ301aに通電するべく、CPU405からヒータドライバ402に制御指令を送る(S340)。用紙206にカールがない場合(S330:No)でも、予め定められた発熱量となるようにヒータ301aに通電してもよい。
【0072】
続いて、同じく図4のステップS180で算出された回転速度で加熱ローラ用モータ301mを回転させるように、CPU405からモータドライバ401に回転制御指令を送る(S350)。
【0073】
図10の上カールの例では加熱ローラ301は反時計回りに回転し、上カール除去ローラ302aは時計回りに従動回転する。また、図11の下カールの例では加熱ローラ301は時計回りに回転し、下カール除去ローラ302bは反時計回りに従動回転する。
【0074】
続いて、用紙206のカール矯正が完了したか否かを調べる。例えば、上カール搬送路Uと下カール搬送路Lとの合流点からフィニッシャー108へ至る搬送路上に、図5の用紙排出検知センサ204aと同様の構成をとる用紙排出検知センサ304を取り付け、用紙排出検知センサ304において、用紙206を検知した状態から検知しなくなった状態に遷移したとき、用紙206のカール矯正が完了したと判定する。用紙206のカール矯正が完了したと判定した場合(S360:Yes)、ヒータ301aへの通電を停止するように、CPU405からヒータドライバ402に制御指令を送るとともに、加熱ローラ用モータ301mを停止するように、CPU405からモータドライバ401に回転制御指令を送る(S370)。
【0075】
また、通信I/F407を介して、用紙のサイズ(つまり、搬送方向の長さ)をプリンタ100から取得し、加熱ローラ用モータ301mの回転速度とに基づいて、用紙206を搬送するために要する加熱ローラ用モータ301mの回転時間Tを算出し、加熱ローラ用モータ301mの駆動開始からの時間tを測定して、その駆動時間tが前述の時間Tを超えた場合、用紙206のカール矯正が完了したと判定し、加熱ローラモータ301mを停止するようにしてもよい。
【0076】
以下、本発明における加熱ローラ301の構成について説明する。まず、図12に、従来の加熱ローラの構成の断面図および用紙206の搬送方向から見た正面図を示す。加熱ローラ301の回転軸方向に平行に、内壁の少なくとも一部に接するようにヒータ301aが取り付けられている。そして、ヒータ301aに通電すると、ヒータ301aが発熱し、その熱が伝導して加熱ローラ301が加熱される。しかし、この構成では、加熱ローラ301の用紙206の幅方向の両端部310(すなわち、用紙206の搬送方向に平行する側端縁)に発生するサイドカール以外の部分も加熱するので、用紙206のサイドカール以外の部分への熱による影響(皺の発生,変形)が懸念される。
【0077】
図13に、本発明の加熱ローラ301の構成を示す。加熱ローラ301の外周面には、複数のフィルム状の熱伝導シート301b1(本発明の熱伝導部材)で構成される熱伝導シート群301bが加熱ローラ301の回転方向(すなわち、用紙206の搬送方向)に平行となるように貼り付けられている。熱伝導シート301b1は、ポリマー基材(バインダーともいう)に熱伝導性の粉(フィラーともいう)が練り込まれたもので、ポリマー基材としてシリコーンポリマー,アクリル樹脂等が用いられ、フィラーとしてアルミナ(酸化アルミニウム)や窒化ホウ素といった高熱伝導率の無機粉や、アルミ二ウムや銀、銅などの金属粉が用いられる。
【0078】
図13の例では、熱伝導シート群301bは、加熱ローラ301の中央部から外側に向かうほど熱伝導率が高い(あるいは低い)ものが用いられている。これにより、サイドカールの矯正を確実に行うことができるとともに、用紙206のサイドカール以外の部分への熱による影響(皺の発生,変形)を防止することができる。
【0079】
図13の例では、個々の熱伝導シート301b1は、加熱ローラ301の回転方向に平行に、加熱ローラ301の周方向を1周するように貼り付けられているが、例えば、ヒータ301aと対向する面付近のみのような、加熱ローラ301の周方向の1周長よりも短い長さで貼り付けてもよい。
【0080】
また、図13の例において、個々の熱伝導シート301b1は、加熱ローラ301の回転方向に直交するように貼り付けてもよい(図17参照)。こうすることで、用紙206の、加熱ローラ301の回転方向に直交する側端縁に発生するカールを矯正、除去することもできる。図13の構成に図17の熱伝導シートを重ね貼りしてもよい。また、加熱ローラ301の回転方向に対して予め定められた角度を有するように貼り付けてもよい(図18参照)。また、連続した複数の熱伝導シート301b1を、加熱ローラ301に略螺旋状に貼り付けてもよい。
【0081】
図14に、本発明の加熱ローラ301の構成の別例を示す。本構成は、図13の構成の変形例である。図14の例では、熱伝導シート群301bの外側を覆うように、均一の熱伝導率を有するカバー部材301cが貼り付けられている(正面図ではカバー部材301cを一部のみ図示)。本構成によって、熱伝導シート群301bの隣り合う熱伝導シート301b1の繋ぎ目部分によって用紙に皺が発生することを防止できる。また、繋ぎ目部分を均一に構成する必要もなく、コストアップを抑制できる。
【0082】
図15に、本発明の加熱ローラ301の構成の別例を示す。本構成は、図12の従来技術の構成において、ヒータを単一の発熱体で構成したものではなく、複数個の発熱体301d1が加熱ローラ301の回転軸方向に平行に配置されたヒータ群301dにより構成したものである。これら発熱体301d1は、CPU405によって個別に発熱制御が可能となっている。よって、プリンタ100等の画像形成装置の使用環境、および画像の濃淡等の違いによって生じるカール状態の違いに対応して、カール矯正、除去を行うことができる。
【0083】
発熱体301d1の発熱状態を個別に制御することで、加熱ローラ301の熱分布の状態を例えば、用紙206の搬送方向に対して外側を中心側より熱くする、またはその逆に中心側を外側より熱くするという状態にすることが可能になり、図10,図11のようにカール方向によって搬送経路を切り替える必要がなくなり、図16のような弾性ローラを1個とする構成を実現できるため、部品点数を削減でき、カール矯正部300ひいてはカール除去装置107を小型化することが可能となる。
【0084】
図15の例において、図14のように、加熱ローラ301の表面にカバー部材301cを貼り付けてもよい。このようにすることで、加熱ローラ301上における熱分布状態の急激な変動を緩和することができる。
【0085】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0086】
100 プリンタ
107 カール除去装置
108 フィニッシャー
200 カール状態検出部(カール状態検出手段)
202 下側搬送ローラユニット
203 上側搬送ローラユニット
202m 搬送ローラユニット用モータ
203m 搬送ローラユニット分離用モータ
205 超音波センサ
206 用紙
300 カール矯正部(カール矯正手段)
301 加熱ローラ
301a ヒータ(発熱部)
301b 熱伝導シート群
301b1 熱伝導シート(熱伝導部材)
301c カバー部材
301d ヒータ群
301d1 発熱体
301m 加熱ローラ用モータ
302a 上カール除去ローラ
302b 下カール除去ローラ
303 分岐爪
400 制御部
401 モータドライバ(回転速度制御手段)
402 ヒータドライバ(発熱量制御手段)
405 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が形成されたシート状の用紙に発生したカールのカール量およびカール方向を含むカール状態を検出するカール状態検出手段と、
前記カール状態に基づいて、該カール状態を矯正するカール矯正手段と、
を備えたカール除去装置であって、
前記カール矯正手段は、
その内側に発熱部を含んで回転可能な加熱ローラと、
予め定められた押圧力で前記加熱ローラに押圧されて接触し、該加熱ローラの回転駆動に従動して回転する、または自ら回転駆動して前記加熱ローラを従動させる弾性ローラと、
前記発熱部の発熱量を制御する発熱量制御手段と、を含み、
回転する前記加熱ローラと前記弾性ローラとの接触部であるニップ部に前記用紙を挟圧しつつ通過させ、該用紙の該加熱ローラに接触している面を熱膨張させることで前記カール状態を矯正するものであり、
前記加熱ローラの表面における熱分布状態を異ならせたことを特徴とするカール除去装置。
【請求項2】
前記加熱ローラには、搬送される前記用紙の搬送方向に対する中心に対向する表面に、前記用紙に対する加熱量のより少ない領域が形成され、その中心から外側に向かって、表面に前記用紙への加熱量がより大きくなる領域が順次形成される請求項1に記載のカール除去装置。
【請求項3】
前記加熱ローラには、搬送される前記用紙の搬送方向に対する中心に対向する表面に、前記用紙に対する加熱量のより大きい領域が形成されるとともに、その中心から外側に向かって、表面に前記用紙への加熱量がより少なくなる領域が順次形成される請求項1に記載のカール除去装置。
【請求項4】
前記発熱部は、複数の発熱体を含んで構成され、
前記発熱量制御手段は、前記複数の発熱体の発熱量を個別に制御する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のカール除去装置。
【請求項5】
前記複数の発熱体は、前記加熱ローラの回転軸と平行に配置される請求項4に記載のカール除去装置。
【請求項6】
前記加熱ローラの少なくとも表面には、前記発熱部が発生した熱を前記用紙に伝導する熱伝導率が異なる複数の領域が形成される請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のカール除去装置。
【請求項7】
前記加熱ローラの表面には、前記熱伝導率が異なる複数の領域を形成するために、対応した熱伝導率を有する複数のシート状の熱伝導部材が貼り付けられる請求項6に記載のカール除去装置。
【請求項8】
前記加熱ローラの表面の全体を覆うように、シート状で単一の熱伝導率を有するカバー部材が貼り付けられる請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載のカール除去装置。
【請求項9】
前記発熱量制御手段は、前記カール状態に応じて前記発熱部の発熱量を制御する請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のカール除去装置。
【請求項10】
前記カール矯正手段は、前記カール状態に応じて前記加熱ローラ、または前記弾性ローラの回転速度を制御する回転速度制御手段を含む請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のカール除去装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2011−126656(P2011−126656A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286502(P2009−286502)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】