ガスコンロ
【課題】バーナを使用位置に位置させているときに、異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止し得るバーナ昇降式のガスコンロを提供する。
【解決手段】シール載置面34fと張り出し部33bとの間にシール材7を介在させた状態で、バーナユニットBが筒状バーナ載置台34の軸心方向に筒状バーナ載置台34に対して相対移動自在に筒状バーナ載置台34に載置支持され、昇降手段により筒状バーナ載置台34を昇降してバーナユニットBを昇降させて、バーナ4を使用位置と収納位置に昇降可能に構成され、バーナユニットBの上昇を阻止して、バーナ4を使用位置に位置させる上昇阻止部Hが設けられ、昇降手段により筒状バーナ載置台34を上昇させる上死点Ptが、シール材7の非拡径状態が維持される状態で、バーナユニットBを上昇阻止部Hに受け止められるまで上昇させる筒状バーナ載置台34の位置よりも上方に設定される。
【解決手段】シール載置面34fと張り出し部33bとの間にシール材7を介在させた状態で、バーナユニットBが筒状バーナ載置台34の軸心方向に筒状バーナ載置台34に対して相対移動自在に筒状バーナ載置台34に載置支持され、昇降手段により筒状バーナ載置台34を昇降してバーナユニットBを昇降させて、バーナ4を使用位置と収納位置に昇降可能に構成され、バーナユニットBの上昇を阻止して、バーナ4を使用位置に位置させる上昇阻止部Hが設けられ、昇降手段により筒状バーナ載置台34を上昇させる上死点Ptが、シール材7の非拡径状態が維持される状態で、バーナユニットBを上昇阻止部Hに受け止められるまで上昇させる筒状バーナ載置台34の位置よりも上方に設定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロ本体の上部に備えられた天板の開口部に配置されるバーナと、そのバーナを前記天板よりも上方に突出する使用位置と前記天板よりも下方に引っ込む収納位置とに前記開口部を通して昇降する昇降手段とを備えたガスコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるガスコンロは、昇降手段によりバーナを使用位置と収納位置とに昇降させるバーナ昇降式に構成されたものであり、使用時には、バーナを天板よりも上方に突出する使用位置に位置させ、非使用時には、バーナが天板よりも下方に引っ込んだ収納位置に位置させるようにして、非使用状態のときに、天板等の清掃が行い易いようにすると共に、美観性を向上したものである(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−247724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなガスコンロでは、バーナを使用位置に位置させて使用しているときに、鍋等の加熱用容器から吹き零れた煮汁等の異物が天板の開口部とバーナの外周部との間を通ってコンロ本体内に入り込む虞がある。
しかしながら、従来のガスコンロでは、バーナを使用位置に位置させているときに、異物が天板の開口部とバーナの外周部との間を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止するための手段が講じられていなかった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バーナを使用位置に位置させているときに、異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止し得るバーナ昇降式のガスコンロを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のガスコンロは、コンロ本体の上部に備えられた天板の開口部に配置されるバーナと、そのバーナを前記天板よりも上方に突出する使用位置と前記天板よりも下方に引っ込む収納位置とに前記開口部を通して昇降する昇降手段とを備えたものであって、
第1特徴構成は、前記開口部に進入可能な環状の張り出し部を有する筒状の筒状バーナ支持体に、前記バーナが前記張り出し部よりも上方に突出する状態で一体的に組み付けられて、バーナユニットが構成され、
筒状に構成されると共に、上端外周部に環状のシール材を載置支持可能な環状のシール載置面を有する筒状バーナ載置台が、前記昇降手段に連動連結された状態で設けられ、
前記筒状バーナ載置台の前記シール載置面と前記筒状バーナ支持体の前記張り出し部との間に前記シール材を介在させた状態で、前記バーナユニットが前記筒状バーナ載置台の軸心方向に前記筒状バーナ載置台に対して相対移動自在に前記筒状バーナ載置台に載置支持され、
前記昇降手段により前記筒状バーナ載置台を昇降して前記バーナユニットを昇降させて、前記バーナを前記使用位置と前記収納位置とに昇降可能に構成され、
前記バーナユニットの上昇を阻止して、前記バーナを前記使用位置に位置させる上昇阻止部が設けられ、
前記昇降手段により前記筒状バーナ載置台を上昇させる上死点が、前記シール材の非拡径状態が維持される状態で、前記バーナユニットを前記上昇阻止部に受け止められるまで上昇させる筒状バーナ載置台の位置よりも上方に設定されている点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、筒状バーナ載置台には、その筒状バーナ載置台のシール載置面と筒状バーナ支持体の張り出し部との間にシール材を介在させた状態で、バーナユニットが筒状バーナ載置台の軸心方向に筒状バーナ載置台に対して相対移動自在に載置されている。
そのようにバーナユニットが載置された筒状バーナ載置台が、昇降手段により昇降されて、バーナが使用位置と収納位置とに昇降される。
【0008】
そして、バーナユニットが載置された筒状バーナ載置台が昇降手段により上昇されるときには、昇降手段による筒状バーナ載置台の昇降範囲の上死点の手前で、バーナユニットが上昇阻止部により受け止められてバーナユニットの上昇が阻止され、そのようにバーナユニットの上昇が阻止された状態で、筒状バーナ載置台が上死点まで上昇される。
バーナユニットが上昇阻止部により受け止められるまでの間は、筒状バーナ載置台のシール載置面に載置支持されたシール材には、バーナユニットの荷重がかかっているだけであり、この状態では、シール材の径は拡がっておらずシール材は非拡径状態である。
上昇阻止部によりバーナユニットの上昇が阻止された状態で、昇降手段により筒状バーナ載置台が上死点まで上昇されると、シール材は、筒状バーナ支持体の張り出し部にて受け止められた状態で筒状バーナ載置台のシール載置面により上向きに、換言すれば厚さ方向に押圧されるので、シール材は、厚さが薄くなりながら拡径して拡径状態となり、天板の開口部の内周部と筒状バーナ支持体の外周面とに全周にわたって当接して、それら天板の開口部の内周部と筒状バーナ支持体の外周面との間が全周にわたってシールされる。
尚、シール材は、非拡径状態では外径が開口部よりも小さくて開口部に進入可能であり、厚さ方向に押圧されると、外径が開口部の内径よりも大きくなるように、即ち、開口部の内周部に当接するように拡径可能なように構成される。
従って、バーナを使用位置に位置させているときに、異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止し得るバーナ昇降式のガスコンロを提供することができる。
【0009】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記開口部が、前記天板に垂下状態で設けられた開口部形成筒にて構成され、
前記筒状バーナ載置台及びそれに載置支持された前記バーナユニットが、前記張り出し部の外周面が前記開口部形成筒の内周面に近接又は摺接する状態で、前記開口部形成筒内を通して昇降されるように構成されている点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、筒状バーナ支持体の張り出し部が開口部形成筒の内周面に近接又は摺接する状態で、筒状バーナ載置台及びそれに載置支持されたバーナユニットが開口部形成筒内を通して昇降されるので、バーナユニットが昇降する際に横揺れを抑制することができる。
従って、バーナを横揺れが抑制された状態で安定して昇降させることができる。
【0011】
第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記開口部形成筒の上端に、内径が下方側の部分よりも大径となる大径内周部が段状に備えられ、
前記上昇阻止部により前記バーナユニットの上昇が阻止されるのに伴って、前記シール材が前記張り出し部にて受け止められた状態で前記シール載置面により押圧されて拡径すると、前記シール材が前記大径内周部に嵌まり込むように構成されている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、上昇阻止部によりバーナユニットの上昇が阻止された状態で、昇降手段により筒状バーナ載置台が上死点まで上昇されると、シール材が拡径状態となって大径内周部に嵌まり込む。
そして、大径内周部は、開口部形成筒の上端部に段状に備えられているので、万が一、シール材と開口部形成筒の大径内周部との間や、シール材と筒状バーナ支持体の外周面との間に微細な隙間が生じていて、その隙間を通って吹き零れた煮汁等の異物が浸入してきたとしても、大径内周部の段部によりコンロ本体内への異物の浸入が阻止される。
従って、バーナを使用位置に位置させているときに、異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを確実に防止することができる。
【0013】
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記軸心方向での前記筒状バーナ支持体と前記筒状バーナ載置台との相対位置関係が、前記筒状バーナ支持体の前記張り出し部と前記筒状バーナ載置台の前記シール載置面との間隔が非拡径状態の前記シール材の厚さよりも大きくなる状態に対応する相対位置関係になったときに、互いに係合可能なように、凸状の係合部及び凹状の被係合部が前記筒状バーナ支持体と前記筒状バーナ載置台とに振り分けて設けられている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、昇降手段により、バーナユニットが載置された筒状バーナ載置台が上死点から下降されるときに、バーナユニットが使用位置に残されたままになって、軸心方向での筒状バーナ支持体と筒状バーナ載置台との相対位置関係が、筒状バーナ支持体の張り出し部と筒状バーナ載置台のシール載置面との間隔が非拡径状態のシール材の厚さよりも大きくなる状態に対応する相対位置関係になると、凸状の係合部と凹状の被係合部とが係合する。すると、昇降手段により下降される筒状バーナ載置台に引っ張られて、バーナユニットが強制的に下降される。
【0015】
つまり、バーナユニットが使用位置に位置されているときに、シール材が開口部の内周部に密着していると、バーナユニットが筒状バーナ載置台に載置支持される状態が解除されても、バーナユニットが使用位置に残されたままで下降しない場合がある。
このような場合でも、昇降手段により筒状バーナ載置台が下降されると、その筒状バーナ載置台に引っ張られて、バーナユニットが強制的に下降されるのである。
従って、使用位置と収納位置との間のバーナユニットの昇降を適切に行えながら、バーナを使用位置に位置させているときに異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止することができる。
【0016】
第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記バーナユニットが、五徳をその上部が前記バーナの上部よりも高くなる状態の前記バーナとの所定の相対位置関係にて着脱自在に装着可能なように構成され、
前記昇降手段が、前記使用位置では前記五徳の上部が前記天板よりも上方に突出し、前記収納位置では前記バーナユニットの全体が前記天板よりも下方に引っ込むように、前記筒状バーナ載置台に載置された前記バーナユニットを昇降すべく構成され、
前記バーナユニットが前記収納位置に位置するときに、前記天板の開口部を塞ぐことが可能な蓋体が備えられている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、バーナユニットに五徳を装着した状態で、バーナユニットを使用位置と収納位置とに昇降させることができる。
そして、バーナユニットを使用位置に上昇させると、バーナユニットには、五徳がバーナに対する所定の相対位置関係で装着されているので、その五徳に鍋等の加熱用容器を載置してバーナを使用することができ、使い勝手が良い。
又、バーナユニットを収納位置に下降させると、バーナユニット全体が天板よりも下方に引っ込んで、天板の開口部を蓋体にて塞ぐことができるので、清掃性及び美観性がより一層向上する。
従って、使い勝手を向上しながら、バーナを使用位置に位置させているときに異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ガスコンロの外観を示す斜視図
【図2】天板の開口部を塞ぐ蓋体を示すガスコンロ要部の斜視図
【図3】バーナセットの平面図
【図4】バーナが収納位置に位置する状態でのバーナセットの斜視図
【図5】バーナが使用位置に位置する状態でのバーナセットの斜視図
【図6】図3のVI−VI方向での断面図
【図7】開口部形成筒の配設状態を示すバーナセットの要部の斜視図
【図8】筒状バーナ載置台の配設状態を示すバーナセットの要部の斜視図
【図9】筒状バーナ支持体の配設状態を示すバーナセットの要部の斜視図
【図10】バーナが収納位置に位置する状態でのバーナセット要部の縦断右側面図
【図11】バーナが使用位置に位置する状態でのバーナセット要部の縦断右側面図
【図12】バーナの上昇に伴うシール材のシール作用を説明する図
【図13】図3のXIII−XIII方向での断面図
【図14】バーナの下降に伴う係合用ボルトと係合用孔の係合状態を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、この実施形態に係るガスコンロは、ビルトインタイプに適用されたものであり、矩形箱状のコンロ本体1の上部に備えられた天板2に、左右方向に並べて3つの開口部3が設けられると共に、各開口部3にバーナ4が配置され、各バーナ4に対応して、加熱用容器(鍋など)を載置する五徳5が備えられている。更に、コンロ本体1の内部にはグリル(図示省略)が設けられ、そのグリルからの排ガスを排出するグリル排気口6も、天板2の後部側の部分に設けられている。
又、図示を省略するが、このガスコンロの作動を制御するコントローラ、及び、点火指令、消火指令等の各バーナ4への指令をコントローラに指令する操作部も備えられている。
【0020】
詳細は後述するが、各バーナ4に対応して、バーナ4を天板2よりも上方に突出する使用位置と天板2よりも下方に引っ込む収納位置とに開口部3を通して昇降する昇降手段E(例えば、図4及び図5等参照)、及び、バーナ4が使用位置に位置するときに異物が天板2の開口部3を通ってコンロ本体1内に入り込むのを防止する環状で弾性を有するシール材7(例えば、図6、図10〜図12等参照)が備えられている。
図4及び図5、並びに、図10及び図11に示すように、操作は後述するが、バーナ4を備えると共に、五徳5をその上部がバーナ4の上部よりも高くなる状態のバーナ4との所定の相対位置関係にて着脱自在に装着可能なバーナユニットBが備えられている。
そして、詳細は後述するが、昇降手段Eが、使用位置(図5及び図11参照)では五徳5が天板2よりも上方に突出し、収納位置(図4及び図10参照)ではバーナユニットBの全体が天板2よりも下方に引っ込むように、バーナユニットBを昇降すべく構成されている。
【0021】
図2に示すように、天板2の各開口部3に対応して、バーナユニットBが収納位置に位置するときに、天板2の開口部3を塞ぐことが可能な蓋体8が備えられている。
図2(a)に示すように、開口部3に蓋体8が装着された状態では、蓋体8の表面が天板2の上面と略同一平面を形成するように構成されて、美観性及び天板2の清掃性の向上が図られている。
そして、バーナ4を使用するときには、図2(b)に示すように、蓋体8を開口部3から取り外して、図2(c)に示すように、昇降手段Eにより、バーナ4を使用位置に上昇させることになる。
【0022】
図3〜図5に示すように、バーナ4、昇降手段E、及び、その他のバーナ4に附帯する部材(詳細は後述する)が、台板9上に一体的に組み付けられてバーナセットSが構成され、3つのバーナセットSがコンロ本体1内に設けられている。
【0023】
図4、図5、図10及び図11に示すように、バーナ4は、外周部に多数の炎孔4aを備えたバーナ本体4bと、そのバーナ本体4bにガス燃料と燃焼用空気との混合気を供給するための混合管4cとを一体的に備えるように構成され、混合管4cの受入口4dにガス燃料を噴出供給するガスノズル10が、バーナユニットBと一体で昇降するように、ノズル台11を介してバーナユニットBに取り付けられている。
又、バーナ4には、五徳5に載置された加熱用容器の底部に当接して加熱用容器の温度を検出する鍋底温度センサ12、バーナ4に点火するイグナイタ(図示省略)、及び、バーナ4の燃焼を検知する火炎センサ(図示省略)が取り付けられている。
【0024】
図3〜図5に示すように、ガス管(図示省略)を介して都市ガス等のガス燃料が供給されるガス管接続部13とガスノズル10とが、固定供給路14とガスノズル10の昇降に追従して動く従動供給路15とにより接続されている。
固定供給路14には、ガスノズル10へのガス燃料の供給を断続する燃料供給断続弁16、及び、ガスノズル10へのガス燃料の供給量を調節する燃料供給量調節弁17が設けられている。
従動供給路15は、固定供給路14の下流端に接続された第1回転継手18、その第1回転継手18を介して上流端が固定供給路14の下流端に接続された第1接続管19、上流端が第2回転継手20を介して第1接続管19の下流端に接続され且つ下流端がノズル台11に取り付けられた第3回転継手21に接続された第2接続管22、及び、上流端が第3回転継手21に接続され且つ下流端がガスノズル10に接続された第3接続管23を備えて構成されている。
【0025】
第1接続管19の上流端は、第1回転継手18を介して、固定供給路14の下流端に水平方向の軸心周りに回転可能に接続される。又、第2接続管22の上流端は、第2回転継手20を介して、第1接続管19の下流端に水平方向の軸心周りに回転可能に接続され、第2接続管22の下流端は、第3回転継手21を介して、第3接続管23の上流端に水平方向の軸心周りに回転可能に接続される。
つまり、第1、第2及び第3の各回転継手18,20,21の作用により、第1接続管19の上流端の位置が固定された状態で、ガスノズル10がバーナユニットBと一体的に昇降可能となり、混合管4cの受入口4dとガスノズル10との相対位置関係が所定に維持された状態で、バーナユニットBの昇降が可能となる。
そして、固定供給路14と従動供給路15を通して供給されるガス燃料がガスノズル10により受入口4dに噴出されると共に、その噴出に伴う吸引作用により、燃焼用空気が受入口4dに吸引されて、ガス燃料と燃焼用空気との混合気が混合管4cを介してバーナ本体4bに供給される。
【0026】
バーナユニットB及び昇降手段Eと共に、ガス管接続部13、固定供給路14、従動供給路15、燃料供給断続弁16及び燃料供給量調節弁17等が附帯部材として台板9上に一体的に組み付けられて、バーナセットSが構成される。
【0027】
次に、昇降手段Eによりバーナ4を昇降させる構成について、説明を加える。
図4、図5、図7〜図11に基づいて、昇降手段Eについて説明する。
昇降手段Eは、アクチュエータとしての電動モータ24、及び、その電動モータ24の出力をバーナ4を昇降させるべく変換する形態で、電動モータ24をバーナ4に連結する連結機構Cを備えて構成されている。
そして、連結機構Cにおける電動モータ24に連結される入力側連結部Ciが、水平方向においてはバーナ4の横側方に位置し、且つ、鉛直方向においてはバーナ4の昇降範囲(図10及び図11において、Rにて示す範囲)内に位置する状態で、電動モータ24及び連結機構Cがコンロ本体1内に配設されている。
【0028】
この実施形態では、連結機構Cが、支点25Zにて90度以上の角度(この実施形態では105度程度)でV字状に屈曲すると共に、支点25Zから延びる2本の棒状部分の一方を入力側アーム部25Xとし、他方を出力側アーム部25Yとして、支点25Zにて水平方向の揺動軸心A1周りに揺動自在に支持される揺動リンク25を備えて構成されている。ちなみに、V字状とは、入力側アーム部25Xと出力側アーム部25Yとの間の角度が90度以上、180度より小さい形態のものであり、屈曲部分が丸みを帯びた形態のものを含む。
【0029】
説明を加えると、一対の揺動リンク25が、揺動軸心A1に平行な方向に間隔を隔てて対向配置された状態で、入力側アーム部25Xの中間部及び出力側アーム部25Yの中間部夫々で棒状接続体27,28にて接続されて、揺動リンク対Lが構成されている。更に、枢支軸体26が、その両端が、一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xtに、揺動軸心A1に平行な枢支軸心A2周りに回転自在に枢支された状態で設けられている。
【0030】
コンロ本体1の底部におけるバーナ4の横側部には、一対の柱状の軸支体29が、上端がバーナ4側とは反対側に向く傾斜姿勢で、揺動リンク25の揺動軸心A1に平行な方向に並べて立設されている。
そして、揺動リンク対Lが、揺動リンク25の支点25Zに対して、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytがバーナ4側に位置し且つ入力側アーム部25Xの遊端部25Xtがバーナ4側とは反対側に位置する姿勢で、各揺動リンク25の支点25Zにて一対の軸支体29の下端部分に軸支されている。つまり、一対の揺動リンク25が、コンロ本体1の底部に位置する支点25Zにて水平方向の揺動軸心A1周りに一体的に揺動自在に支持されている。
【0031】
入力側連結部Ciは、電動モータ24の出力軸(図示省略)に連設されたネジ軸31と、一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xt同士を連結する枢支軸体26に取り付けられたナット32とからなるボールネジ30にて構成されている。
電動モータ24が、出力軸に連設されたネジ軸31をバーナ4側に向けた姿勢で、一対の軸支体29の上端部に、揺動リンク25の揺動軸心A1と平行な水平方向の揺動軸心A3周りに揺動自在に軸支されている。
【0032】
電動モータ24にて正逆回転されるネジ軸31にナット32が螺合され、そのナット32が、一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xt同士を連結する枢支軸体26に固定されて、電動モータ24と一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xtとがボールネジ30にて連結される。
又、一対の揺動リンク25夫々における出力側アーム部25Yの遊端部25Ytが、バーナ4に連動連結される。
そして、電動モータ24にてネジ軸31が正逆回転されて、ネジ軸31に対するその軸心方向でのナット32の位置が変動すると、一対の揺動リンク25が支点25Zにて水平方向の揺動軸心A1周りに揺動して、一対の揺動リンク25夫々における出力側アーム部25Yの遊端部25Ytが上下方向に運動することになり、それら一対の出力側アーム部25Yの遊端部25Ytに連動連結されたバーナ4が昇降される。
このように一対の揺動リンク25が支点25Zにて水平方向の揺動軸心A1周りに揺動すると、一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xtの位置が上下方向に変動し、その変動に追従して、電動モータ24が水平方向の揺動軸心A3周りに揺動する。
【0033】
上述のように、電動モータ24と一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xtとをボールネジ30にて連結すると共に、一対の揺動リンク25夫々における出力側アーム部25Yの遊端部25Ytをバーナ4に連動連結して、電動モータ24により一対の揺動リンク25を支点25Zにて水平方向の揺動軸心A1周りで揺動させて、バーナ4を使用位置と収納位置とに昇降させるに当たっては、下記の条件を満足するように、コンロ本体1内におけるバーナ4、一対の揺動リンク25及び電動モータ24の相対配置関係、バーナ4の昇降範囲R、並びに、一対の揺動リンク25の形状等が設定されている。
即ち、一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xtが、鉛直方向においてはバーナ4の昇降範囲R内に位置する条件(図10及び図11参照)、及び、一対の揺動リンク25がバーナ4を収納位置に位置させるように揺動された状態では、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytが支点25Zと同高さに位置する条件(図10参照)である。
【0034】
つまり、揺動リンク25が、入力側アーム部25Xの遊端部25Xtが、水平方向においてはバーナ4の横側方に位置し、且つ、鉛直方向においてはバーナ4の昇降範囲R内に位置する状態で、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytがバーナ4側の側に向く姿勢で配設され、入力側アーム部25Xの遊端部25Xtが入力側連結部Ciを介して電動モータ24に連動連結され、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytがバーナ4に連動連結されていることになる。
又、入力側アーム部25Xの遊端部25Xtが支点25Zよりも上方に位置する姿勢で、バーナ4を収納位置に位置させるように揺動された状態では、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytが支点25xと同高さに位置するように、揺動リンク25が配設されていることになる。
【0035】
次に、図4〜図6、及び、図10〜図12に基づいて、シール材7によりバーナユニットBの外周部と天板2の開口部3の内周部との間をシールする構成について、説明を加える。
本発明では、バーナユニットBは、天板2の開口部3に進入可能な環状の張り出し部33bを有する円筒状の筒状バーナ支持体33に、バーナ4が張り出し部33bよりも上方に突出する状態で一体的に組み付けられて構成されている。
主に、図6、図10及び図11に示すように、筒状バーナ支持体33における張り出し部33bよりも下方側の部分を上端側から挿入可能な円筒状に構成されると共に、上端外周部に環状のシール材7を載置支持可能な環状のシール載置面34fを有する筒状バーナ載置台34が、昇降手段Eに連動連結された状態で設けられている。
筒状バーナ支持体33が筒状バーナ載置台34にその上端側から挿入されて、筒状バーナ載置台34のシール載置面34fと筒状バーナ支持体33の張り出し部33bとの間にシール材7を介在させた状態で、バーナユニットBが筒状バーナ載置台34の軸心方向に筒状バーナ載置台34に対して相対移動自在に筒状バーナ載置台34に載置支持されている。
そして、昇降手段Eにより筒状バーナ載置台34を昇降してバーナユニットBを昇降させて、バーナ4を使用位置と収納位置とに昇降可能に構成されている。
バーナユニットBを受け止めてそのバーナユニットBの上昇を阻止して、バーナ4を使用位置に位置させる上昇阻止部Hが設けられ、昇降手段Eにより筒状バーナ載置台34を上昇させる上死点Pt(図12(c)参照)が、シール材7の非拡径状態が維持される状態で、バーナユニットBを上昇阻止部Hに受け止められるまで上昇させる筒状バーナ載置台34の位置Ps(図12(b)参照、以下、上昇阻止対応位置と記載する場合がある。)よりも上方に設定されている。
【0036】
更に説明を加えると、図6、図10及び図11に加えて、図9にも示すように、筒状バーナ支持体33の上端は、筒内径よりも小径の孔を有する台板33pにて閉じられ、下端は全体にわたって開口され、張り出し部33bは、その上面が台板33pの上面と同一面となるように、筒状バーナ支持体33の上端に設けられている。
図10及び図11に示すように、バーナ4は、バーナ本体4bが台板33p上に載置され、混合管4cが台板33pの孔を通って台板33pの下方に突出する状態で、筒状バーナ支持体33に一体的に組み付けられて、バーナユニットBが構成されている。つまり、筒状バーナ支持体33の外周面がバーナユニットBの外周部に相当する。
五徳5は、その上部がバーナ4の上部よりも高くなる状態のバーナ4との相対位置関係にて位置する状態で、筒状バーナ支持体33の台板33p上に載置自在に構成されている。
【0037】
図6、図10及び図11に加えて、図9にも示すように、コンロ本体1の底部には、長手方向に沿ってスリット35sを有する4本の柱状の昇降案内体35が、夫々のスリット35sが鉛直方向に沿う姿勢で、筒状バーナ支持体33の内径よりも小径の円周上に沿って中心角で90度ずつ間隔を開けて並ぶ状態で立設されている。
筒状バーナ支持体33の内周面の下端部には、4個の案内ボルト36が、4本の昇降案内体35のスリット35sに各別に嵌まり込むように突設されている。
【0038】
そして、筒状バーナ支持体33の4個の案内ボルト36夫々が4本の昇降案内体35のスリット35s夫々に嵌まり込む状態で、バーナユニットBが配設され、4本の昇降案内体35により、バーナユニットBの鉛直方向に沿う移動が案内される。
又、図11及び図12(c)に示すように、4個の案内ボルト36夫々が4本の昇降案内体35夫々のスリット35sの上端に当接するまでバーナユニットBが上昇すると、筒状バーナ支持体33の台板33pの上面及び張り出し部33bの上面が天板2の上面と略同一面となって、バーナ4が使用位置に位置するように、4本の昇降案内体35夫々のスリット35sの上端が設定されている。
つまり、コンロ本体1の底部に立設された4本の昇降案内体35と、それら4本の昇降案内体35のスリット35sに嵌まり込むように筒状バーナ支持体33の内周面に突設された4個の案内ボルト36とにより、バーナ4の鉛直方向の移動を案内する案内手段G、及び、上述した上昇阻止部Hが構成される。
【0039】
図6、図10及び図11に加えて、図8にも示すように、筒状バーナ載置台34は、全体的には概略有底円筒状に構成されて、その上端は、全体にわたって開口されると共に、その上端に張り出し部34bが備えられて、その張り出し部34bの上面を含む筒状バーナ載置台34の上端面が、環状のシール載置面34fとされ、筒状バーナ載置台34の下端は底板34pにて閉じられている。
筒状バーナ載置台34の内径は、筒状バーナ支持体33の外径よりも僅かに大きくなるように設定されている。
尚、筒状バーナ載置台34は、概略環状の上部側部分34Uと、概略有底円筒状の下部側部分34Dとを組み合わせて構成され、シール載置面34fは上部側部分34Uに備えられ、底板34pは下部側部分34Dに備えられている。
筒状バーナ載置台34の下部側部分34Dには、バーナ4の混合管4cを挿通させるための切り欠き34cが周壁から底板34pにわたって設けられている。
【0040】
筒状バーナ載置台34の底板34pには、4本の昇降案内体35を各別に挿通自在なように、4個の案内体挿通孔34gが設けられている。
又、筒状バーナ載置台34の底板34pには、一対の揺動リンク25夫々における出力側アーム部25Yの遊端部25Yt同士の間隔よりも広い間隔を開けて、一対のスリット34sが形成され、筒状バーナ載置台34の底板34pの上面における各スリット34sの内側には、軸支用突起部34tが立設されている。
【0041】
そして、各揺動リンク25の出力側アーム部25Yの遊端部25Ytに、連結リンク37の一端部が、揺動リンク25の揺動軸心A1に平行な枢支軸心A4で枢支され、各連結リンク37の他端部が、筒状バーナ載置台34のスリット34sを貫通させて軸支用突起部34tに揺動リンク25の揺動軸心A1に平行な枢支軸心A5で枢支されている。
つまり、バーナ4が、案内手段Gにより鉛直方向に移動自在に支持された状態で設けられ、一端部が水平方向に沿う枢支軸心A4で出力側アーム部25Yの遊端部25Ytに枢支され、且つ、他端部が水平方向に沿う枢支軸心A5でバーナ4側に枢支された連結リンク37にて、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytとバーナ4とが連結されていることになる。
【0042】
図6、図10及び図11に加えて、図7にも示すように、開口部3は、天板2に垂下状態で設けられた円筒状の開口部形成筒38にて構成されている。
この開口部形成体38は、コンロ本体1の底部に立設された4本の柱状支持体39により、天板2に垂下された状態で固定されている。
開口部形成筒38の上端には、内径が下方側の部分よりも大径となる大径内周部38iが段状に備えられ、開口部形成筒38におけるこの大径内周部38iが、天板2の開口部3に対応する部分である。
筒状バーナ支持体33の張り出し部33bの外径、及び、筒状バーナ載置台34の張り出し部34bの外径は共に、開口部形成筒38の大径内周部38iよりも下方側部分の内径よりも僅かに小さくなるように設定されている。
【0043】
天板2に垂下状態で設けられた開口部形成筒38内に、一対の連結リンク37にて一対の揺動リンク25における出力側アーム部25Yの遊端部25Ytに連結された筒状バーナ載置台34が配置され、その筒状バーナ載置台34のシール載置面34fにシール材7を載置支持した状態で、筒状バーナ支持体33が筒状バーナ載置台34にその上端側から挿入される。
すると、筒状バーナ載置台34のシール載置面34fと筒状バーナ支持体33の張り出し部33bとの間に、シール材7が介在される。又、バーナユニットBが、筒状バーナ支持体33の外周面が筒状バーナ載置台34の内周面に近接又は摺接する状態で、筒状バーナ載置台34の軸心方向に筒状バーナ載置台34に対して相対移動自在に筒状バーナ載置台34に載置支持されることになる。そして、昇降手段Eにより、筒状バーナ載置台34及びそれに載置支持されたバーナユニットBが、筒状バーナ支持体33の張り出し部33bの外周面が開口部形成筒38の内周面に近接又は摺接する状態で、開口部形成筒38内を通して昇降されることになる。
【0044】
バーナユニットB(即ち、バーナ4、以下同様)、アクチュエータとしての電動モータ24、連結機構C、並びに、入力側連結部Ciを上述のような相対位置関係でコンロ本体1内に配設することにより、図10及び図11に示すように、コンロ本体1内において、収納位置にてバーナユニットBが占めるスペースの下方には、電動モータ24を設置するためのスペースは全く確保する必要がなく、連結機構Cを設置するスペースについても、全く確保する必要がないか、あるいは、連結機構Cのうち水平方向においてバーナユニットBと重なって位置する部分を設置するスペースを確保するだけで十分である。この実施形態では、連結機構Cを構成する揺動リンク25のうちで出力側アーム部25Yが水平方向においてバーナユニットBと重なって位置すると共に、バーナユニットBの下方に突出しているので、コンロ本体1内において、収納位置にてバーナユニットBが占めるスペースの下方には、移動リンク25のうちの出力側アーム部25Yを設置するスペースを確保するだけで十分である。
【0045】
更に、バーナユニットB(即ち、バーナ4、以下同様)に連動連結する揺動リンク25の出力側アーム部25Yは、細長のアーム状として、上下方向の寸法を極力小さくすることができる。しかも、揺動リンク25は、入力側アーム部25Xの遊端部25Xtが支点25Zよりも上方に位置する姿勢で、バーナユニットBを収納位置に位置させるように揺動された状態では、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytが支点25Zと同高さに位置する状態となるように配設されている。これらのことにより、コンロ本体1内において、収納位置にてバーナユニットBが占めるスペースの下方に必要とするスペースを、より一層小さくすることが可能となる。
従って、コンロ本体1の厚さを薄くすることができるので、バーナ昇降式のガスコンロの薄型化を図ることができる。
【0046】
図6及び図12に基づいて、シール材7について説明を加える。
尚、筒状バーナ支持体33の張り出し部33bと筒状バーナ載置台34のシール載置面34fとの間にシール材7を介在させた状態で、バーナユニットBが筒状バーナ載置台34に載置支持されている状態において、筒状バーナ載置台34が上昇阻止対応位置Psやその上昇阻止対応位置Psよりも下方に位置するときには(図6、図12(a)、図12(b))、シール材7は拡径していない非拡径状態にある。
【0047】
そして、図6、図12(a)、図12(b)に示すように、非拡径状態のシール材7の外径は、筒状バーナ載置台34の張り出し部34bの外径と同等又はその外径よりも僅かに小さくなるように、即ち、開口部形成筒38の内径よりも小さくなるように設定されている。
又、非拡径状態のシール材7の内径は、筒状バーナ支持体33の外径よりも僅かに大きくなるように設定されている。
更に、図12(c)に示すように、シール材7は、厚さ方向に押圧されると、外径が開口部形成筒38の大径内周部38iの内径よりも大きくなるように拡径可能なように構成されている。
つまり、シール材7は、非拡径状態では外径が開口部形成筒38の内径よりも小さくて大径内周部38i(即ち、開口部3)に進入可能で、厚さ方向に押圧されると、外径が開口部形成筒38の大径内周部38iよりも大きくなるように、即ち、開口部3の内周部に当接するように拡径可能なように構成されていることになる。
【0048】
図示を省略するが、電動モータ24には、その回転を検出するロータリエンコーダが設けられ、コントローラは、そのロータリエンコーダの検出信号に基づいて、電動モータ24の作動を制御するように構成されている。
予め、昇降手段Eにより筒状バーナ載置台34を昇降させる範囲の上死点Pt(図12(c)参照)に対応して、上死点用パルス数が、及び、下死点Pd(図12(a)参照)に対応して、下死点用パルス数が夫々設定されて、コントローラの記憶部に記憶されている。
ちなみに、昇降手段Eによる筒状バーナ載置台34の昇降範囲Rの上死点Ptは、上述したように、筒状バーナ載置台34の上昇阻止対応位置Ps(図12(b)参照)よりも上方に設定されている。
【0049】
図示を省略するが、操作部には、各バーナ4に対応させて、バーナ4の上昇を指令するバーナ上昇スイッチ、及び、バーナ4の下降を指令するバーナ下降スイッチが備えられている。
コントローラは、バーナ上昇スイッチによりバーナ4の上昇が指令されると、電動モータ24を作動させ、ロータリエンコーダの検出パルス数が上死点用パルス数になると、電動モータ24を停止させる。又、バーナ下降スイッチによりバーナ4の下降が指令されると、電動モータ24を作動させ、ロータリエンコーダの検出パルス数が下死点用パルス数になると、電動モータ24を停止させる。
【0050】
図12(a)に示すように、バーナ4が収納位置に位置する状態、即ち、筒状バーナ載置台34が下死点Pdに位置する状態から上昇されると、先ず、図12(b)に示すように、筒状バーナ支持体33の内周面に突設された4個の案内ボルト36夫々が4本の昇降案内体35夫々のスリット35sの上端に当接して、筒状バーナ支持体33の台板33pの上面及び張り出し部33bの上面が天板2の上面と略同一面となる使用位置で、バーナユニットBの上昇が阻止される。この状態では、筒状バーナ載置台34は上昇阻止対応位置Psに位置しており、シール材7は筒状バーナ載置台34のシール載置面34fにより押圧されないので、拡径しない。
【0051】
昇降手段Eによる筒状バーナ載置台34の昇降範囲Rの上死点Ptは、図12(b)に示される上昇阻止対応位置Psよりも上方に設定されているので、図12(c)に示すように、上昇阻止部HによりバーナユニットBの上昇が阻止される状態で筒状バーナ載置台34が上死点Ptにまで更に上昇される。すると、シール材7は、筒状バーナ支持体33の張り出し部33bに受け止められた状態で筒状バーナ載置台34のシール載置面34fにて厚さ方向に押圧されるので、シール材7は、厚さが薄くなりながら拡径して、開口部形成筒38の上端の大径内周部38i内に嵌まり込む。つまり、上昇阻止部HによりバーナユニットBの上昇が阻止されるのに伴って、シール材7が筒状バーナ支持体33の張り出し部33bにて受け止められた状態で筒状バーナ載置台34のシール載置面34fにより押圧されて拡径すると、シール材7が開口部形成筒38の大径内周部38iに嵌まり込むように構成されていることになる。
【0052】
そして、シール材7が拡径して開口部形成筒38の大径内周部38i内に嵌まり込むと、開口部形成筒38の大径内周部38iの内面と筒状バーナ支持体33の外周面(バーナユニットBの外周部に対応する)とに全周にわたって当接し、バーナユニットBの外周部と天板2の開口部3の内周部との間が確実にシールされる。
従って、バーナ4を使用位置に位置させているときに、加熱用容器から吹き零れた煮汁等の異物が天板2の開口部3を通ってコンロ本体1内に入り込むのを防止することができる。
【0053】
図8、図13及び図14に示すように、筒状バーナ載置台34の筒周壁部には、4個の係合孔34hが、中心角で90度ずつ間隔を開けて周方向に並ぶ状態で設けられている。
又、図9、図13及び図14に示すように、筒状バーナ支持体33の外周面には、4個の係合ボルト40が、筒状バーナ載置台34の4個の係合孔34hに各別に入り込み、且つ、筒状バーナ支持体33と筒状バーナ載置台34との相対位置関係が、筒状バーナ支持体33の張り出し部33bと筒状バーナ載置台34のシール載置面34fとの間隔が非拡径状態のシール材7の厚さよりも大きくなる状態に対応する相対位置関係になったときに、筒状バーナ載置台34の4個の係合孔34h夫々の上端が当接するように突設されている。
【0054】
図14(a)に示すように、バーナユニットBが使用位置に位置されているときに、シール材7が開口部形成筒38の内周面に密着していると、バーナユニットBが筒状バーナ載置台34に載置支持される状態が解除されても、図14(b)に示すように、バーナユニットBが使用位置に残されたままで下降しない場合がある。このような場合でも、筒状バーナ載置台34がそのシール載置面34fがシール材7から離間するまで下降して、筒状バーナ支持体33と筒状バーナ載置台34との相対位置関係が、筒状バーナ支持体33の張り出し部33bと筒状バーナ載置台34のシール載置面34fとの間隔が非拡径状態のシール材7の厚さよりも大きくなる状態に対応する相対位置関係になると、筒状バーナ載置台34の4個の係合用孔34h夫々の上端が4個の係合ボルト40夫々に当接するので、バーナユニットBが強制的に下降される。
【0055】
つまり、軸心方向での筒状バーナ支持体33と筒状バーナ載置台34との相対位置関係が、筒状バーナ支持体33の張り出し部33bと筒状バーナ載置台34のシール載置面34fとの間隔が非拡径状態のシール材7の厚さよりも大きくなる状態に対応する相対位置関係になったときに、互いに係合可能なように、凸状の係合部として4個の係合ボルト40が筒状バーナ支持体33に、凹状の被係合部として4個の係合孔34hが筒状バーナ載置台34に夫々設けられていることになる。
【0056】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の実施形態では、天板2の開口部3を、天板2に垂下状態で設けられた開口部形成筒38にて構成したが、開口部3を天板2に形成して、上記の実施形態にて設けた開口部形成筒38を省略しても良い。
【0057】
(ロ) 上記の実施形態では、バーナユニットBに五徳5を着脱自在に装着可能に構成して、五徳5を装着したバーナユニットBを昇降手段Eにて昇降するように構成したが、バーナユニットBのみを昇降手段Eにて昇降するように構成して、使用位置に位置させた状態のバーナ4に対して、所定の相対位置関係で五徳5を配設可能なように構成しても良い。
【0058】
(ハ) 概略有底筒状の筒状バーナ載置台34は、上記の実施形態では、概略環状の上部側部分34Uと概略有底円筒状の下部側部分34Dとの二部材を組み合わせて構成したが、一部材にて構成しても良い。
【0059】
(ニ) 昇降手段Eを構成するアクチュエータ及び連結機構C夫々の具体構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、連結機構Cを上記の実施形態と同様に構成する場合でも、アクチュエータとしては、電動シリンダ等のシリンダを用いることができる。
又、連結機構Cをラックアンドピニオン機構にて構成しても良い。つまり、ラックをその長手方向を鉛直方向に沿わせた姿勢でバーナ4に取り付け、アクチュエータとして電動モータの出力軸に固定したピニオンをラックに螺合させることになる。
又、アクチュエータを省略して、連結機構Cを手動で操作するように構成しても良い。
【0060】
(ホ) 凸状の係合部及び凹状の被係合部を筒状バーナ支持体33と筒状バーナ載置台34とに振り分けて設けるに当たって、上記の実施形態では、凸状の係合部(具体的には4個の係合ボルト40)を筒状バーナ支持体33に設け、凹状の被係合部(具体的には4個の係合孔34h)を筒状バーナ載置台34に設けたが、逆に、凸状の係合部を筒状バーナ載置台34に設け、凹状の被係合部を筒状バーナ支持体33に設けても良い。
【0061】
(ヘ) 上昇阻止部Hの具体構成は、上記の実施形態において例示した構成、即ち、コンロ本体1の底部に立設された4本の昇降案内体35と、筒状バーナ支持体33の内周面に突設された4個の案内ボルト36とから成る構成に限定されるものではない。例えば、筒状バーナ支持体33に鉛直方向に沿うスリットを形成し、そのスリットに嵌まり込むと共に、バーナ4が使用位置に位置するようにバーナユニットBが上昇するとそのスリットの下端に当接するように、突起部をコンロ本体1に設けて、それら筒状バーナ支持体33に形成したスリットとコンロ本体1に設けた突起部とにより、上昇阻止部Hを構成しても良い。
【0062】
(ト) 本発明を適用可能なガスコンロは、上記の実施形態において例示したビルトインタイプに限定されるものではなく、据え置きタイプ、一口タイプ等、種々のガスコンロに適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上説明したように、バーナを使用位置に位置させているときに、異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止し得るバーナ昇降式のガスコンロを提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 コンロ本体
2 天板
3 開口部
4 バーナ
5 五徳
8 蓋体
7 シール材
33 筒状バーナ支持体
33b 張り出し部
34 筒状バーナ載置台
34f シール載置面
34h 係合孔(凹状の被係合部)
38 開口部形成筒
38i 大径内周部
40 係合ボルト(凸状の係合部)
B バーナユニット
E 昇降手段
H 上昇阻止部
Pt 上死点
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロ本体の上部に備えられた天板の開口部に配置されるバーナと、そのバーナを前記天板よりも上方に突出する使用位置と前記天板よりも下方に引っ込む収納位置とに前記開口部を通して昇降する昇降手段とを備えたガスコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるガスコンロは、昇降手段によりバーナを使用位置と収納位置とに昇降させるバーナ昇降式に構成されたものであり、使用時には、バーナを天板よりも上方に突出する使用位置に位置させ、非使用時には、バーナが天板よりも下方に引っ込んだ収納位置に位置させるようにして、非使用状態のときに、天板等の清掃が行い易いようにすると共に、美観性を向上したものである(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−247724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなガスコンロでは、バーナを使用位置に位置させて使用しているときに、鍋等の加熱用容器から吹き零れた煮汁等の異物が天板の開口部とバーナの外周部との間を通ってコンロ本体内に入り込む虞がある。
しかしながら、従来のガスコンロでは、バーナを使用位置に位置させているときに、異物が天板の開口部とバーナの外周部との間を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止するための手段が講じられていなかった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バーナを使用位置に位置させているときに、異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止し得るバーナ昇降式のガスコンロを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のガスコンロは、コンロ本体の上部に備えられた天板の開口部に配置されるバーナと、そのバーナを前記天板よりも上方に突出する使用位置と前記天板よりも下方に引っ込む収納位置とに前記開口部を通して昇降する昇降手段とを備えたものであって、
第1特徴構成は、前記開口部に進入可能な環状の張り出し部を有する筒状の筒状バーナ支持体に、前記バーナが前記張り出し部よりも上方に突出する状態で一体的に組み付けられて、バーナユニットが構成され、
筒状に構成されると共に、上端外周部に環状のシール材を載置支持可能な環状のシール載置面を有する筒状バーナ載置台が、前記昇降手段に連動連結された状態で設けられ、
前記筒状バーナ載置台の前記シール載置面と前記筒状バーナ支持体の前記張り出し部との間に前記シール材を介在させた状態で、前記バーナユニットが前記筒状バーナ載置台の軸心方向に前記筒状バーナ載置台に対して相対移動自在に前記筒状バーナ載置台に載置支持され、
前記昇降手段により前記筒状バーナ載置台を昇降して前記バーナユニットを昇降させて、前記バーナを前記使用位置と前記収納位置とに昇降可能に構成され、
前記バーナユニットの上昇を阻止して、前記バーナを前記使用位置に位置させる上昇阻止部が設けられ、
前記昇降手段により前記筒状バーナ載置台を上昇させる上死点が、前記シール材の非拡径状態が維持される状態で、前記バーナユニットを前記上昇阻止部に受け止められるまで上昇させる筒状バーナ載置台の位置よりも上方に設定されている点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、筒状バーナ載置台には、その筒状バーナ載置台のシール載置面と筒状バーナ支持体の張り出し部との間にシール材を介在させた状態で、バーナユニットが筒状バーナ載置台の軸心方向に筒状バーナ載置台に対して相対移動自在に載置されている。
そのようにバーナユニットが載置された筒状バーナ載置台が、昇降手段により昇降されて、バーナが使用位置と収納位置とに昇降される。
【0008】
そして、バーナユニットが載置された筒状バーナ載置台が昇降手段により上昇されるときには、昇降手段による筒状バーナ載置台の昇降範囲の上死点の手前で、バーナユニットが上昇阻止部により受け止められてバーナユニットの上昇が阻止され、そのようにバーナユニットの上昇が阻止された状態で、筒状バーナ載置台が上死点まで上昇される。
バーナユニットが上昇阻止部により受け止められるまでの間は、筒状バーナ載置台のシール載置面に載置支持されたシール材には、バーナユニットの荷重がかかっているだけであり、この状態では、シール材の径は拡がっておらずシール材は非拡径状態である。
上昇阻止部によりバーナユニットの上昇が阻止された状態で、昇降手段により筒状バーナ載置台が上死点まで上昇されると、シール材は、筒状バーナ支持体の張り出し部にて受け止められた状態で筒状バーナ載置台のシール載置面により上向きに、換言すれば厚さ方向に押圧されるので、シール材は、厚さが薄くなりながら拡径して拡径状態となり、天板の開口部の内周部と筒状バーナ支持体の外周面とに全周にわたって当接して、それら天板の開口部の内周部と筒状バーナ支持体の外周面との間が全周にわたってシールされる。
尚、シール材は、非拡径状態では外径が開口部よりも小さくて開口部に進入可能であり、厚さ方向に押圧されると、外径が開口部の内径よりも大きくなるように、即ち、開口部の内周部に当接するように拡径可能なように構成される。
従って、バーナを使用位置に位置させているときに、異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止し得るバーナ昇降式のガスコンロを提供することができる。
【0009】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記開口部が、前記天板に垂下状態で設けられた開口部形成筒にて構成され、
前記筒状バーナ載置台及びそれに載置支持された前記バーナユニットが、前記張り出し部の外周面が前記開口部形成筒の内周面に近接又は摺接する状態で、前記開口部形成筒内を通して昇降されるように構成されている点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、筒状バーナ支持体の張り出し部が開口部形成筒の内周面に近接又は摺接する状態で、筒状バーナ載置台及びそれに載置支持されたバーナユニットが開口部形成筒内を通して昇降されるので、バーナユニットが昇降する際に横揺れを抑制することができる。
従って、バーナを横揺れが抑制された状態で安定して昇降させることができる。
【0011】
第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記開口部形成筒の上端に、内径が下方側の部分よりも大径となる大径内周部が段状に備えられ、
前記上昇阻止部により前記バーナユニットの上昇が阻止されるのに伴って、前記シール材が前記張り出し部にて受け止められた状態で前記シール載置面により押圧されて拡径すると、前記シール材が前記大径内周部に嵌まり込むように構成されている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、上昇阻止部によりバーナユニットの上昇が阻止された状態で、昇降手段により筒状バーナ載置台が上死点まで上昇されると、シール材が拡径状態となって大径内周部に嵌まり込む。
そして、大径内周部は、開口部形成筒の上端部に段状に備えられているので、万が一、シール材と開口部形成筒の大径内周部との間や、シール材と筒状バーナ支持体の外周面との間に微細な隙間が生じていて、その隙間を通って吹き零れた煮汁等の異物が浸入してきたとしても、大径内周部の段部によりコンロ本体内への異物の浸入が阻止される。
従って、バーナを使用位置に位置させているときに、異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを確実に防止することができる。
【0013】
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記軸心方向での前記筒状バーナ支持体と前記筒状バーナ載置台との相対位置関係が、前記筒状バーナ支持体の前記張り出し部と前記筒状バーナ載置台の前記シール載置面との間隔が非拡径状態の前記シール材の厚さよりも大きくなる状態に対応する相対位置関係になったときに、互いに係合可能なように、凸状の係合部及び凹状の被係合部が前記筒状バーナ支持体と前記筒状バーナ載置台とに振り分けて設けられている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、昇降手段により、バーナユニットが載置された筒状バーナ載置台が上死点から下降されるときに、バーナユニットが使用位置に残されたままになって、軸心方向での筒状バーナ支持体と筒状バーナ載置台との相対位置関係が、筒状バーナ支持体の張り出し部と筒状バーナ載置台のシール載置面との間隔が非拡径状態のシール材の厚さよりも大きくなる状態に対応する相対位置関係になると、凸状の係合部と凹状の被係合部とが係合する。すると、昇降手段により下降される筒状バーナ載置台に引っ張られて、バーナユニットが強制的に下降される。
【0015】
つまり、バーナユニットが使用位置に位置されているときに、シール材が開口部の内周部に密着していると、バーナユニットが筒状バーナ載置台に載置支持される状態が解除されても、バーナユニットが使用位置に残されたままで下降しない場合がある。
このような場合でも、昇降手段により筒状バーナ載置台が下降されると、その筒状バーナ載置台に引っ張られて、バーナユニットが強制的に下降されるのである。
従って、使用位置と収納位置との間のバーナユニットの昇降を適切に行えながら、バーナを使用位置に位置させているときに異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止することができる。
【0016】
第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記バーナユニットが、五徳をその上部が前記バーナの上部よりも高くなる状態の前記バーナとの所定の相対位置関係にて着脱自在に装着可能なように構成され、
前記昇降手段が、前記使用位置では前記五徳の上部が前記天板よりも上方に突出し、前記収納位置では前記バーナユニットの全体が前記天板よりも下方に引っ込むように、前記筒状バーナ載置台に載置された前記バーナユニットを昇降すべく構成され、
前記バーナユニットが前記収納位置に位置するときに、前記天板の開口部を塞ぐことが可能な蓋体が備えられている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、バーナユニットに五徳を装着した状態で、バーナユニットを使用位置と収納位置とに昇降させることができる。
そして、バーナユニットを使用位置に上昇させると、バーナユニットには、五徳がバーナに対する所定の相対位置関係で装着されているので、その五徳に鍋等の加熱用容器を載置してバーナを使用することができ、使い勝手が良い。
又、バーナユニットを収納位置に下降させると、バーナユニット全体が天板よりも下方に引っ込んで、天板の開口部を蓋体にて塞ぐことができるので、清掃性及び美観性がより一層向上する。
従って、使い勝手を向上しながら、バーナを使用位置に位置させているときに異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ガスコンロの外観を示す斜視図
【図2】天板の開口部を塞ぐ蓋体を示すガスコンロ要部の斜視図
【図3】バーナセットの平面図
【図4】バーナが収納位置に位置する状態でのバーナセットの斜視図
【図5】バーナが使用位置に位置する状態でのバーナセットの斜視図
【図6】図3のVI−VI方向での断面図
【図7】開口部形成筒の配設状態を示すバーナセットの要部の斜視図
【図8】筒状バーナ載置台の配設状態を示すバーナセットの要部の斜視図
【図9】筒状バーナ支持体の配設状態を示すバーナセットの要部の斜視図
【図10】バーナが収納位置に位置する状態でのバーナセット要部の縦断右側面図
【図11】バーナが使用位置に位置する状態でのバーナセット要部の縦断右側面図
【図12】バーナの上昇に伴うシール材のシール作用を説明する図
【図13】図3のXIII−XIII方向での断面図
【図14】バーナの下降に伴う係合用ボルトと係合用孔の係合状態を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、この実施形態に係るガスコンロは、ビルトインタイプに適用されたものであり、矩形箱状のコンロ本体1の上部に備えられた天板2に、左右方向に並べて3つの開口部3が設けられると共に、各開口部3にバーナ4が配置され、各バーナ4に対応して、加熱用容器(鍋など)を載置する五徳5が備えられている。更に、コンロ本体1の内部にはグリル(図示省略)が設けられ、そのグリルからの排ガスを排出するグリル排気口6も、天板2の後部側の部分に設けられている。
又、図示を省略するが、このガスコンロの作動を制御するコントローラ、及び、点火指令、消火指令等の各バーナ4への指令をコントローラに指令する操作部も備えられている。
【0020】
詳細は後述するが、各バーナ4に対応して、バーナ4を天板2よりも上方に突出する使用位置と天板2よりも下方に引っ込む収納位置とに開口部3を通して昇降する昇降手段E(例えば、図4及び図5等参照)、及び、バーナ4が使用位置に位置するときに異物が天板2の開口部3を通ってコンロ本体1内に入り込むのを防止する環状で弾性を有するシール材7(例えば、図6、図10〜図12等参照)が備えられている。
図4及び図5、並びに、図10及び図11に示すように、操作は後述するが、バーナ4を備えると共に、五徳5をその上部がバーナ4の上部よりも高くなる状態のバーナ4との所定の相対位置関係にて着脱自在に装着可能なバーナユニットBが備えられている。
そして、詳細は後述するが、昇降手段Eが、使用位置(図5及び図11参照)では五徳5が天板2よりも上方に突出し、収納位置(図4及び図10参照)ではバーナユニットBの全体が天板2よりも下方に引っ込むように、バーナユニットBを昇降すべく構成されている。
【0021】
図2に示すように、天板2の各開口部3に対応して、バーナユニットBが収納位置に位置するときに、天板2の開口部3を塞ぐことが可能な蓋体8が備えられている。
図2(a)に示すように、開口部3に蓋体8が装着された状態では、蓋体8の表面が天板2の上面と略同一平面を形成するように構成されて、美観性及び天板2の清掃性の向上が図られている。
そして、バーナ4を使用するときには、図2(b)に示すように、蓋体8を開口部3から取り外して、図2(c)に示すように、昇降手段Eにより、バーナ4を使用位置に上昇させることになる。
【0022】
図3〜図5に示すように、バーナ4、昇降手段E、及び、その他のバーナ4に附帯する部材(詳細は後述する)が、台板9上に一体的に組み付けられてバーナセットSが構成され、3つのバーナセットSがコンロ本体1内に設けられている。
【0023】
図4、図5、図10及び図11に示すように、バーナ4は、外周部に多数の炎孔4aを備えたバーナ本体4bと、そのバーナ本体4bにガス燃料と燃焼用空気との混合気を供給するための混合管4cとを一体的に備えるように構成され、混合管4cの受入口4dにガス燃料を噴出供給するガスノズル10が、バーナユニットBと一体で昇降するように、ノズル台11を介してバーナユニットBに取り付けられている。
又、バーナ4には、五徳5に載置された加熱用容器の底部に当接して加熱用容器の温度を検出する鍋底温度センサ12、バーナ4に点火するイグナイタ(図示省略)、及び、バーナ4の燃焼を検知する火炎センサ(図示省略)が取り付けられている。
【0024】
図3〜図5に示すように、ガス管(図示省略)を介して都市ガス等のガス燃料が供給されるガス管接続部13とガスノズル10とが、固定供給路14とガスノズル10の昇降に追従して動く従動供給路15とにより接続されている。
固定供給路14には、ガスノズル10へのガス燃料の供給を断続する燃料供給断続弁16、及び、ガスノズル10へのガス燃料の供給量を調節する燃料供給量調節弁17が設けられている。
従動供給路15は、固定供給路14の下流端に接続された第1回転継手18、その第1回転継手18を介して上流端が固定供給路14の下流端に接続された第1接続管19、上流端が第2回転継手20を介して第1接続管19の下流端に接続され且つ下流端がノズル台11に取り付けられた第3回転継手21に接続された第2接続管22、及び、上流端が第3回転継手21に接続され且つ下流端がガスノズル10に接続された第3接続管23を備えて構成されている。
【0025】
第1接続管19の上流端は、第1回転継手18を介して、固定供給路14の下流端に水平方向の軸心周りに回転可能に接続される。又、第2接続管22の上流端は、第2回転継手20を介して、第1接続管19の下流端に水平方向の軸心周りに回転可能に接続され、第2接続管22の下流端は、第3回転継手21を介して、第3接続管23の上流端に水平方向の軸心周りに回転可能に接続される。
つまり、第1、第2及び第3の各回転継手18,20,21の作用により、第1接続管19の上流端の位置が固定された状態で、ガスノズル10がバーナユニットBと一体的に昇降可能となり、混合管4cの受入口4dとガスノズル10との相対位置関係が所定に維持された状態で、バーナユニットBの昇降が可能となる。
そして、固定供給路14と従動供給路15を通して供給されるガス燃料がガスノズル10により受入口4dに噴出されると共に、その噴出に伴う吸引作用により、燃焼用空気が受入口4dに吸引されて、ガス燃料と燃焼用空気との混合気が混合管4cを介してバーナ本体4bに供給される。
【0026】
バーナユニットB及び昇降手段Eと共に、ガス管接続部13、固定供給路14、従動供給路15、燃料供給断続弁16及び燃料供給量調節弁17等が附帯部材として台板9上に一体的に組み付けられて、バーナセットSが構成される。
【0027】
次に、昇降手段Eによりバーナ4を昇降させる構成について、説明を加える。
図4、図5、図7〜図11に基づいて、昇降手段Eについて説明する。
昇降手段Eは、アクチュエータとしての電動モータ24、及び、その電動モータ24の出力をバーナ4を昇降させるべく変換する形態で、電動モータ24をバーナ4に連結する連結機構Cを備えて構成されている。
そして、連結機構Cにおける電動モータ24に連結される入力側連結部Ciが、水平方向においてはバーナ4の横側方に位置し、且つ、鉛直方向においてはバーナ4の昇降範囲(図10及び図11において、Rにて示す範囲)内に位置する状態で、電動モータ24及び連結機構Cがコンロ本体1内に配設されている。
【0028】
この実施形態では、連結機構Cが、支点25Zにて90度以上の角度(この実施形態では105度程度)でV字状に屈曲すると共に、支点25Zから延びる2本の棒状部分の一方を入力側アーム部25Xとし、他方を出力側アーム部25Yとして、支点25Zにて水平方向の揺動軸心A1周りに揺動自在に支持される揺動リンク25を備えて構成されている。ちなみに、V字状とは、入力側アーム部25Xと出力側アーム部25Yとの間の角度が90度以上、180度より小さい形態のものであり、屈曲部分が丸みを帯びた形態のものを含む。
【0029】
説明を加えると、一対の揺動リンク25が、揺動軸心A1に平行な方向に間隔を隔てて対向配置された状態で、入力側アーム部25Xの中間部及び出力側アーム部25Yの中間部夫々で棒状接続体27,28にて接続されて、揺動リンク対Lが構成されている。更に、枢支軸体26が、その両端が、一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xtに、揺動軸心A1に平行な枢支軸心A2周りに回転自在に枢支された状態で設けられている。
【0030】
コンロ本体1の底部におけるバーナ4の横側部には、一対の柱状の軸支体29が、上端がバーナ4側とは反対側に向く傾斜姿勢で、揺動リンク25の揺動軸心A1に平行な方向に並べて立設されている。
そして、揺動リンク対Lが、揺動リンク25の支点25Zに対して、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytがバーナ4側に位置し且つ入力側アーム部25Xの遊端部25Xtがバーナ4側とは反対側に位置する姿勢で、各揺動リンク25の支点25Zにて一対の軸支体29の下端部分に軸支されている。つまり、一対の揺動リンク25が、コンロ本体1の底部に位置する支点25Zにて水平方向の揺動軸心A1周りに一体的に揺動自在に支持されている。
【0031】
入力側連結部Ciは、電動モータ24の出力軸(図示省略)に連設されたネジ軸31と、一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xt同士を連結する枢支軸体26に取り付けられたナット32とからなるボールネジ30にて構成されている。
電動モータ24が、出力軸に連設されたネジ軸31をバーナ4側に向けた姿勢で、一対の軸支体29の上端部に、揺動リンク25の揺動軸心A1と平行な水平方向の揺動軸心A3周りに揺動自在に軸支されている。
【0032】
電動モータ24にて正逆回転されるネジ軸31にナット32が螺合され、そのナット32が、一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xt同士を連結する枢支軸体26に固定されて、電動モータ24と一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xtとがボールネジ30にて連結される。
又、一対の揺動リンク25夫々における出力側アーム部25Yの遊端部25Ytが、バーナ4に連動連結される。
そして、電動モータ24にてネジ軸31が正逆回転されて、ネジ軸31に対するその軸心方向でのナット32の位置が変動すると、一対の揺動リンク25が支点25Zにて水平方向の揺動軸心A1周りに揺動して、一対の揺動リンク25夫々における出力側アーム部25Yの遊端部25Ytが上下方向に運動することになり、それら一対の出力側アーム部25Yの遊端部25Ytに連動連結されたバーナ4が昇降される。
このように一対の揺動リンク25が支点25Zにて水平方向の揺動軸心A1周りに揺動すると、一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xtの位置が上下方向に変動し、その変動に追従して、電動モータ24が水平方向の揺動軸心A3周りに揺動する。
【0033】
上述のように、電動モータ24と一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xtとをボールネジ30にて連結すると共に、一対の揺動リンク25夫々における出力側アーム部25Yの遊端部25Ytをバーナ4に連動連結して、電動モータ24により一対の揺動リンク25を支点25Zにて水平方向の揺動軸心A1周りで揺動させて、バーナ4を使用位置と収納位置とに昇降させるに当たっては、下記の条件を満足するように、コンロ本体1内におけるバーナ4、一対の揺動リンク25及び電動モータ24の相対配置関係、バーナ4の昇降範囲R、並びに、一対の揺動リンク25の形状等が設定されている。
即ち、一対の揺動リンク25夫々における入力側アーム部25Xの遊端部25Xtが、鉛直方向においてはバーナ4の昇降範囲R内に位置する条件(図10及び図11参照)、及び、一対の揺動リンク25がバーナ4を収納位置に位置させるように揺動された状態では、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytが支点25Zと同高さに位置する条件(図10参照)である。
【0034】
つまり、揺動リンク25が、入力側アーム部25Xの遊端部25Xtが、水平方向においてはバーナ4の横側方に位置し、且つ、鉛直方向においてはバーナ4の昇降範囲R内に位置する状態で、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytがバーナ4側の側に向く姿勢で配設され、入力側アーム部25Xの遊端部25Xtが入力側連結部Ciを介して電動モータ24に連動連結され、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytがバーナ4に連動連結されていることになる。
又、入力側アーム部25Xの遊端部25Xtが支点25Zよりも上方に位置する姿勢で、バーナ4を収納位置に位置させるように揺動された状態では、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytが支点25xと同高さに位置するように、揺動リンク25が配設されていることになる。
【0035】
次に、図4〜図6、及び、図10〜図12に基づいて、シール材7によりバーナユニットBの外周部と天板2の開口部3の内周部との間をシールする構成について、説明を加える。
本発明では、バーナユニットBは、天板2の開口部3に進入可能な環状の張り出し部33bを有する円筒状の筒状バーナ支持体33に、バーナ4が張り出し部33bよりも上方に突出する状態で一体的に組み付けられて構成されている。
主に、図6、図10及び図11に示すように、筒状バーナ支持体33における張り出し部33bよりも下方側の部分を上端側から挿入可能な円筒状に構成されると共に、上端外周部に環状のシール材7を載置支持可能な環状のシール載置面34fを有する筒状バーナ載置台34が、昇降手段Eに連動連結された状態で設けられている。
筒状バーナ支持体33が筒状バーナ載置台34にその上端側から挿入されて、筒状バーナ載置台34のシール載置面34fと筒状バーナ支持体33の張り出し部33bとの間にシール材7を介在させた状態で、バーナユニットBが筒状バーナ載置台34の軸心方向に筒状バーナ載置台34に対して相対移動自在に筒状バーナ載置台34に載置支持されている。
そして、昇降手段Eにより筒状バーナ載置台34を昇降してバーナユニットBを昇降させて、バーナ4を使用位置と収納位置とに昇降可能に構成されている。
バーナユニットBを受け止めてそのバーナユニットBの上昇を阻止して、バーナ4を使用位置に位置させる上昇阻止部Hが設けられ、昇降手段Eにより筒状バーナ載置台34を上昇させる上死点Pt(図12(c)参照)が、シール材7の非拡径状態が維持される状態で、バーナユニットBを上昇阻止部Hに受け止められるまで上昇させる筒状バーナ載置台34の位置Ps(図12(b)参照、以下、上昇阻止対応位置と記載する場合がある。)よりも上方に設定されている。
【0036】
更に説明を加えると、図6、図10及び図11に加えて、図9にも示すように、筒状バーナ支持体33の上端は、筒内径よりも小径の孔を有する台板33pにて閉じられ、下端は全体にわたって開口され、張り出し部33bは、その上面が台板33pの上面と同一面となるように、筒状バーナ支持体33の上端に設けられている。
図10及び図11に示すように、バーナ4は、バーナ本体4bが台板33p上に載置され、混合管4cが台板33pの孔を通って台板33pの下方に突出する状態で、筒状バーナ支持体33に一体的に組み付けられて、バーナユニットBが構成されている。つまり、筒状バーナ支持体33の外周面がバーナユニットBの外周部に相当する。
五徳5は、その上部がバーナ4の上部よりも高くなる状態のバーナ4との相対位置関係にて位置する状態で、筒状バーナ支持体33の台板33p上に載置自在に構成されている。
【0037】
図6、図10及び図11に加えて、図9にも示すように、コンロ本体1の底部には、長手方向に沿ってスリット35sを有する4本の柱状の昇降案内体35が、夫々のスリット35sが鉛直方向に沿う姿勢で、筒状バーナ支持体33の内径よりも小径の円周上に沿って中心角で90度ずつ間隔を開けて並ぶ状態で立設されている。
筒状バーナ支持体33の内周面の下端部には、4個の案内ボルト36が、4本の昇降案内体35のスリット35sに各別に嵌まり込むように突設されている。
【0038】
そして、筒状バーナ支持体33の4個の案内ボルト36夫々が4本の昇降案内体35のスリット35s夫々に嵌まり込む状態で、バーナユニットBが配設され、4本の昇降案内体35により、バーナユニットBの鉛直方向に沿う移動が案内される。
又、図11及び図12(c)に示すように、4個の案内ボルト36夫々が4本の昇降案内体35夫々のスリット35sの上端に当接するまでバーナユニットBが上昇すると、筒状バーナ支持体33の台板33pの上面及び張り出し部33bの上面が天板2の上面と略同一面となって、バーナ4が使用位置に位置するように、4本の昇降案内体35夫々のスリット35sの上端が設定されている。
つまり、コンロ本体1の底部に立設された4本の昇降案内体35と、それら4本の昇降案内体35のスリット35sに嵌まり込むように筒状バーナ支持体33の内周面に突設された4個の案内ボルト36とにより、バーナ4の鉛直方向の移動を案内する案内手段G、及び、上述した上昇阻止部Hが構成される。
【0039】
図6、図10及び図11に加えて、図8にも示すように、筒状バーナ載置台34は、全体的には概略有底円筒状に構成されて、その上端は、全体にわたって開口されると共に、その上端に張り出し部34bが備えられて、その張り出し部34bの上面を含む筒状バーナ載置台34の上端面が、環状のシール載置面34fとされ、筒状バーナ載置台34の下端は底板34pにて閉じられている。
筒状バーナ載置台34の内径は、筒状バーナ支持体33の外径よりも僅かに大きくなるように設定されている。
尚、筒状バーナ載置台34は、概略環状の上部側部分34Uと、概略有底円筒状の下部側部分34Dとを組み合わせて構成され、シール載置面34fは上部側部分34Uに備えられ、底板34pは下部側部分34Dに備えられている。
筒状バーナ載置台34の下部側部分34Dには、バーナ4の混合管4cを挿通させるための切り欠き34cが周壁から底板34pにわたって設けられている。
【0040】
筒状バーナ載置台34の底板34pには、4本の昇降案内体35を各別に挿通自在なように、4個の案内体挿通孔34gが設けられている。
又、筒状バーナ載置台34の底板34pには、一対の揺動リンク25夫々における出力側アーム部25Yの遊端部25Yt同士の間隔よりも広い間隔を開けて、一対のスリット34sが形成され、筒状バーナ載置台34の底板34pの上面における各スリット34sの内側には、軸支用突起部34tが立設されている。
【0041】
そして、各揺動リンク25の出力側アーム部25Yの遊端部25Ytに、連結リンク37の一端部が、揺動リンク25の揺動軸心A1に平行な枢支軸心A4で枢支され、各連結リンク37の他端部が、筒状バーナ載置台34のスリット34sを貫通させて軸支用突起部34tに揺動リンク25の揺動軸心A1に平行な枢支軸心A5で枢支されている。
つまり、バーナ4が、案内手段Gにより鉛直方向に移動自在に支持された状態で設けられ、一端部が水平方向に沿う枢支軸心A4で出力側アーム部25Yの遊端部25Ytに枢支され、且つ、他端部が水平方向に沿う枢支軸心A5でバーナ4側に枢支された連結リンク37にて、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytとバーナ4とが連結されていることになる。
【0042】
図6、図10及び図11に加えて、図7にも示すように、開口部3は、天板2に垂下状態で設けられた円筒状の開口部形成筒38にて構成されている。
この開口部形成体38は、コンロ本体1の底部に立設された4本の柱状支持体39により、天板2に垂下された状態で固定されている。
開口部形成筒38の上端には、内径が下方側の部分よりも大径となる大径内周部38iが段状に備えられ、開口部形成筒38におけるこの大径内周部38iが、天板2の開口部3に対応する部分である。
筒状バーナ支持体33の張り出し部33bの外径、及び、筒状バーナ載置台34の張り出し部34bの外径は共に、開口部形成筒38の大径内周部38iよりも下方側部分の内径よりも僅かに小さくなるように設定されている。
【0043】
天板2に垂下状態で設けられた開口部形成筒38内に、一対の連結リンク37にて一対の揺動リンク25における出力側アーム部25Yの遊端部25Ytに連結された筒状バーナ載置台34が配置され、その筒状バーナ載置台34のシール載置面34fにシール材7を載置支持した状態で、筒状バーナ支持体33が筒状バーナ載置台34にその上端側から挿入される。
すると、筒状バーナ載置台34のシール載置面34fと筒状バーナ支持体33の張り出し部33bとの間に、シール材7が介在される。又、バーナユニットBが、筒状バーナ支持体33の外周面が筒状バーナ載置台34の内周面に近接又は摺接する状態で、筒状バーナ載置台34の軸心方向に筒状バーナ載置台34に対して相対移動自在に筒状バーナ載置台34に載置支持されることになる。そして、昇降手段Eにより、筒状バーナ載置台34及びそれに載置支持されたバーナユニットBが、筒状バーナ支持体33の張り出し部33bの外周面が開口部形成筒38の内周面に近接又は摺接する状態で、開口部形成筒38内を通して昇降されることになる。
【0044】
バーナユニットB(即ち、バーナ4、以下同様)、アクチュエータとしての電動モータ24、連結機構C、並びに、入力側連結部Ciを上述のような相対位置関係でコンロ本体1内に配設することにより、図10及び図11に示すように、コンロ本体1内において、収納位置にてバーナユニットBが占めるスペースの下方には、電動モータ24を設置するためのスペースは全く確保する必要がなく、連結機構Cを設置するスペースについても、全く確保する必要がないか、あるいは、連結機構Cのうち水平方向においてバーナユニットBと重なって位置する部分を設置するスペースを確保するだけで十分である。この実施形態では、連結機構Cを構成する揺動リンク25のうちで出力側アーム部25Yが水平方向においてバーナユニットBと重なって位置すると共に、バーナユニットBの下方に突出しているので、コンロ本体1内において、収納位置にてバーナユニットBが占めるスペースの下方には、移動リンク25のうちの出力側アーム部25Yを設置するスペースを確保するだけで十分である。
【0045】
更に、バーナユニットB(即ち、バーナ4、以下同様)に連動連結する揺動リンク25の出力側アーム部25Yは、細長のアーム状として、上下方向の寸法を極力小さくすることができる。しかも、揺動リンク25は、入力側アーム部25Xの遊端部25Xtが支点25Zよりも上方に位置する姿勢で、バーナユニットBを収納位置に位置させるように揺動された状態では、出力側アーム部25Yの遊端部25Ytが支点25Zと同高さに位置する状態となるように配設されている。これらのことにより、コンロ本体1内において、収納位置にてバーナユニットBが占めるスペースの下方に必要とするスペースを、より一層小さくすることが可能となる。
従って、コンロ本体1の厚さを薄くすることができるので、バーナ昇降式のガスコンロの薄型化を図ることができる。
【0046】
図6及び図12に基づいて、シール材7について説明を加える。
尚、筒状バーナ支持体33の張り出し部33bと筒状バーナ載置台34のシール載置面34fとの間にシール材7を介在させた状態で、バーナユニットBが筒状バーナ載置台34に載置支持されている状態において、筒状バーナ載置台34が上昇阻止対応位置Psやその上昇阻止対応位置Psよりも下方に位置するときには(図6、図12(a)、図12(b))、シール材7は拡径していない非拡径状態にある。
【0047】
そして、図6、図12(a)、図12(b)に示すように、非拡径状態のシール材7の外径は、筒状バーナ載置台34の張り出し部34bの外径と同等又はその外径よりも僅かに小さくなるように、即ち、開口部形成筒38の内径よりも小さくなるように設定されている。
又、非拡径状態のシール材7の内径は、筒状バーナ支持体33の外径よりも僅かに大きくなるように設定されている。
更に、図12(c)に示すように、シール材7は、厚さ方向に押圧されると、外径が開口部形成筒38の大径内周部38iの内径よりも大きくなるように拡径可能なように構成されている。
つまり、シール材7は、非拡径状態では外径が開口部形成筒38の内径よりも小さくて大径内周部38i(即ち、開口部3)に進入可能で、厚さ方向に押圧されると、外径が開口部形成筒38の大径内周部38iよりも大きくなるように、即ち、開口部3の内周部に当接するように拡径可能なように構成されていることになる。
【0048】
図示を省略するが、電動モータ24には、その回転を検出するロータリエンコーダが設けられ、コントローラは、そのロータリエンコーダの検出信号に基づいて、電動モータ24の作動を制御するように構成されている。
予め、昇降手段Eにより筒状バーナ載置台34を昇降させる範囲の上死点Pt(図12(c)参照)に対応して、上死点用パルス数が、及び、下死点Pd(図12(a)参照)に対応して、下死点用パルス数が夫々設定されて、コントローラの記憶部に記憶されている。
ちなみに、昇降手段Eによる筒状バーナ載置台34の昇降範囲Rの上死点Ptは、上述したように、筒状バーナ載置台34の上昇阻止対応位置Ps(図12(b)参照)よりも上方に設定されている。
【0049】
図示を省略するが、操作部には、各バーナ4に対応させて、バーナ4の上昇を指令するバーナ上昇スイッチ、及び、バーナ4の下降を指令するバーナ下降スイッチが備えられている。
コントローラは、バーナ上昇スイッチによりバーナ4の上昇が指令されると、電動モータ24を作動させ、ロータリエンコーダの検出パルス数が上死点用パルス数になると、電動モータ24を停止させる。又、バーナ下降スイッチによりバーナ4の下降が指令されると、電動モータ24を作動させ、ロータリエンコーダの検出パルス数が下死点用パルス数になると、電動モータ24を停止させる。
【0050】
図12(a)に示すように、バーナ4が収納位置に位置する状態、即ち、筒状バーナ載置台34が下死点Pdに位置する状態から上昇されると、先ず、図12(b)に示すように、筒状バーナ支持体33の内周面に突設された4個の案内ボルト36夫々が4本の昇降案内体35夫々のスリット35sの上端に当接して、筒状バーナ支持体33の台板33pの上面及び張り出し部33bの上面が天板2の上面と略同一面となる使用位置で、バーナユニットBの上昇が阻止される。この状態では、筒状バーナ載置台34は上昇阻止対応位置Psに位置しており、シール材7は筒状バーナ載置台34のシール載置面34fにより押圧されないので、拡径しない。
【0051】
昇降手段Eによる筒状バーナ載置台34の昇降範囲Rの上死点Ptは、図12(b)に示される上昇阻止対応位置Psよりも上方に設定されているので、図12(c)に示すように、上昇阻止部HによりバーナユニットBの上昇が阻止される状態で筒状バーナ載置台34が上死点Ptにまで更に上昇される。すると、シール材7は、筒状バーナ支持体33の張り出し部33bに受け止められた状態で筒状バーナ載置台34のシール載置面34fにて厚さ方向に押圧されるので、シール材7は、厚さが薄くなりながら拡径して、開口部形成筒38の上端の大径内周部38i内に嵌まり込む。つまり、上昇阻止部HによりバーナユニットBの上昇が阻止されるのに伴って、シール材7が筒状バーナ支持体33の張り出し部33bにて受け止められた状態で筒状バーナ載置台34のシール載置面34fにより押圧されて拡径すると、シール材7が開口部形成筒38の大径内周部38iに嵌まり込むように構成されていることになる。
【0052】
そして、シール材7が拡径して開口部形成筒38の大径内周部38i内に嵌まり込むと、開口部形成筒38の大径内周部38iの内面と筒状バーナ支持体33の外周面(バーナユニットBの外周部に対応する)とに全周にわたって当接し、バーナユニットBの外周部と天板2の開口部3の内周部との間が確実にシールされる。
従って、バーナ4を使用位置に位置させているときに、加熱用容器から吹き零れた煮汁等の異物が天板2の開口部3を通ってコンロ本体1内に入り込むのを防止することができる。
【0053】
図8、図13及び図14に示すように、筒状バーナ載置台34の筒周壁部には、4個の係合孔34hが、中心角で90度ずつ間隔を開けて周方向に並ぶ状態で設けられている。
又、図9、図13及び図14に示すように、筒状バーナ支持体33の外周面には、4個の係合ボルト40が、筒状バーナ載置台34の4個の係合孔34hに各別に入り込み、且つ、筒状バーナ支持体33と筒状バーナ載置台34との相対位置関係が、筒状バーナ支持体33の張り出し部33bと筒状バーナ載置台34のシール載置面34fとの間隔が非拡径状態のシール材7の厚さよりも大きくなる状態に対応する相対位置関係になったときに、筒状バーナ載置台34の4個の係合孔34h夫々の上端が当接するように突設されている。
【0054】
図14(a)に示すように、バーナユニットBが使用位置に位置されているときに、シール材7が開口部形成筒38の内周面に密着していると、バーナユニットBが筒状バーナ載置台34に載置支持される状態が解除されても、図14(b)に示すように、バーナユニットBが使用位置に残されたままで下降しない場合がある。このような場合でも、筒状バーナ載置台34がそのシール載置面34fがシール材7から離間するまで下降して、筒状バーナ支持体33と筒状バーナ載置台34との相対位置関係が、筒状バーナ支持体33の張り出し部33bと筒状バーナ載置台34のシール載置面34fとの間隔が非拡径状態のシール材7の厚さよりも大きくなる状態に対応する相対位置関係になると、筒状バーナ載置台34の4個の係合用孔34h夫々の上端が4個の係合ボルト40夫々に当接するので、バーナユニットBが強制的に下降される。
【0055】
つまり、軸心方向での筒状バーナ支持体33と筒状バーナ載置台34との相対位置関係が、筒状バーナ支持体33の張り出し部33bと筒状バーナ載置台34のシール載置面34fとの間隔が非拡径状態のシール材7の厚さよりも大きくなる状態に対応する相対位置関係になったときに、互いに係合可能なように、凸状の係合部として4個の係合ボルト40が筒状バーナ支持体33に、凹状の被係合部として4個の係合孔34hが筒状バーナ載置台34に夫々設けられていることになる。
【0056】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の実施形態では、天板2の開口部3を、天板2に垂下状態で設けられた開口部形成筒38にて構成したが、開口部3を天板2に形成して、上記の実施形態にて設けた開口部形成筒38を省略しても良い。
【0057】
(ロ) 上記の実施形態では、バーナユニットBに五徳5を着脱自在に装着可能に構成して、五徳5を装着したバーナユニットBを昇降手段Eにて昇降するように構成したが、バーナユニットBのみを昇降手段Eにて昇降するように構成して、使用位置に位置させた状態のバーナ4に対して、所定の相対位置関係で五徳5を配設可能なように構成しても良い。
【0058】
(ハ) 概略有底筒状の筒状バーナ載置台34は、上記の実施形態では、概略環状の上部側部分34Uと概略有底円筒状の下部側部分34Dとの二部材を組み合わせて構成したが、一部材にて構成しても良い。
【0059】
(ニ) 昇降手段Eを構成するアクチュエータ及び連結機構C夫々の具体構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、連結機構Cを上記の実施形態と同様に構成する場合でも、アクチュエータとしては、電動シリンダ等のシリンダを用いることができる。
又、連結機構Cをラックアンドピニオン機構にて構成しても良い。つまり、ラックをその長手方向を鉛直方向に沿わせた姿勢でバーナ4に取り付け、アクチュエータとして電動モータの出力軸に固定したピニオンをラックに螺合させることになる。
又、アクチュエータを省略して、連結機構Cを手動で操作するように構成しても良い。
【0060】
(ホ) 凸状の係合部及び凹状の被係合部を筒状バーナ支持体33と筒状バーナ載置台34とに振り分けて設けるに当たって、上記の実施形態では、凸状の係合部(具体的には4個の係合ボルト40)を筒状バーナ支持体33に設け、凹状の被係合部(具体的には4個の係合孔34h)を筒状バーナ載置台34に設けたが、逆に、凸状の係合部を筒状バーナ載置台34に設け、凹状の被係合部を筒状バーナ支持体33に設けても良い。
【0061】
(ヘ) 上昇阻止部Hの具体構成は、上記の実施形態において例示した構成、即ち、コンロ本体1の底部に立設された4本の昇降案内体35と、筒状バーナ支持体33の内周面に突設された4個の案内ボルト36とから成る構成に限定されるものではない。例えば、筒状バーナ支持体33に鉛直方向に沿うスリットを形成し、そのスリットに嵌まり込むと共に、バーナ4が使用位置に位置するようにバーナユニットBが上昇するとそのスリットの下端に当接するように、突起部をコンロ本体1に設けて、それら筒状バーナ支持体33に形成したスリットとコンロ本体1に設けた突起部とにより、上昇阻止部Hを構成しても良い。
【0062】
(ト) 本発明を適用可能なガスコンロは、上記の実施形態において例示したビルトインタイプに限定されるものではなく、据え置きタイプ、一口タイプ等、種々のガスコンロに適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上説明したように、バーナを使用位置に位置させているときに、異物が天板の開口部を通ってコンロ本体内に入り込むのを防止し得るバーナ昇降式のガスコンロを提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 コンロ本体
2 天板
3 開口部
4 バーナ
5 五徳
8 蓋体
7 シール材
33 筒状バーナ支持体
33b 張り出し部
34 筒状バーナ載置台
34f シール載置面
34h 係合孔(凹状の被係合部)
38 開口部形成筒
38i 大径内周部
40 係合ボルト(凸状の係合部)
B バーナユニット
E 昇降手段
H 上昇阻止部
Pt 上死点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンロ本体の上部に備えられた天板の開口部に配置されるバーナと、そのバーナを前記天板よりも上方に突出する使用位置と前記天板よりも下方に引っ込む収納位置とに前記開口部を通して昇降する昇降手段とを備えたガスコンロであって、
前記開口部に進入可能な環状の張り出し部を有する筒状の筒状バーナ支持体に、前記バーナが前記張り出し部よりも上方に突出する状態で一体的に組み付けられて、バーナユニットが構成され、
筒状に構成されると共に、上端外周部に環状のシール材を載置支持可能な環状のシール載置面を有する筒状バーナ載置台が、前記昇降手段に連動連結された状態で設けられ、
前記筒状バーナ載置台の前記シール載置面と前記筒状バーナ支持体の前記張り出し部との間に前記シール材を介在させた状態で、前記バーナユニットが前記筒状バーナ載置台の軸心方向に前記筒状バーナ載置台に対して相対移動自在に前記筒状バーナ載置台に載置支持され、
前記昇降手段により前記筒状バーナ載置台を昇降して前記バーナユニットを昇降させて、前記バーナを前記使用位置と前記収納位置とに昇降可能に構成され、
前記バーナユニットの上昇を阻止して、前記バーナを前記使用位置に位置させる上昇阻止部が設けられ、
前記昇降手段により前記筒状バーナ載置台を上昇させる上死点が、前記シール材の非拡径状態が維持される状態で、前記バーナユニットを前記上昇阻止部に受け止められるまで上昇させる筒状バーナ載置台の位置よりも上方に設定されているガスコンロ。
【請求項2】
前記開口部が、前記天板に垂下状態で設けられた開口部形成筒にて構成され、
前記筒状バーナ載置台及びそれに載置支持された前記バーナユニットが、前記張り出し部の外周面が前記開口部形成筒の内周面に近接又は摺接する状態で、前記開口部形成筒内を通して昇降されるように構成されている請求項1に記載のガスコンロ。
【請求項3】
前記開口部形成筒の上端に、内径が下方側の部分よりも大径となる大径内周部が段状に備えられ、
前記上昇阻止部により前記バーナユニットの上昇が阻止されるのに伴って、前記シール材が前記張り出し部にて受け止められた状態で前記シール載置面により押圧されて拡径すると、前記シール材が前記大径内周部に嵌まり込むように構成されている請求項2に記載のガスコンロ。
【請求項4】
前記軸心方向での前記筒状バーナ支持体と前記筒状バーナ載置台との相対位置関係が、前記筒状バーナ支持体の前記張り出し部と前記筒状バーナ載置台の前記シール載置面との間隔が非拡径状態の前記シール材の厚さよりも大きくなる状態に対応する相対位置関係になったときに、互いに係合可能なように、凸状の係合部及び凹状の被係合部が前記筒状バーナ支持体と前記筒状バーナ載置台とに振り分けて設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスコンロ。
【請求項5】
前記バーナユニットが、五徳をその上部が前記バーナの上部よりも高くなる状態の前記バーナとの所定の相対位置関係にて着脱自在に装着可能なように構成され、
前記昇降手段が、前記使用位置では前記五徳の上部が前記天板よりも上方に突出し、前記収納位置では前記バーナユニットの全体が前記天板よりも下方に引っ込むように、前記筒状バーナ載置台に載置された前記バーナユニットを昇降すべく構成され、
前記バーナユニットが前記収納位置に位置するときに、前記天板の開口部を塞ぐことが可能な蓋体が備えられている請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスコンロ。
【請求項1】
コンロ本体の上部に備えられた天板の開口部に配置されるバーナと、そのバーナを前記天板よりも上方に突出する使用位置と前記天板よりも下方に引っ込む収納位置とに前記開口部を通して昇降する昇降手段とを備えたガスコンロであって、
前記開口部に進入可能な環状の張り出し部を有する筒状の筒状バーナ支持体に、前記バーナが前記張り出し部よりも上方に突出する状態で一体的に組み付けられて、バーナユニットが構成され、
筒状に構成されると共に、上端外周部に環状のシール材を載置支持可能な環状のシール載置面を有する筒状バーナ載置台が、前記昇降手段に連動連結された状態で設けられ、
前記筒状バーナ載置台の前記シール載置面と前記筒状バーナ支持体の前記張り出し部との間に前記シール材を介在させた状態で、前記バーナユニットが前記筒状バーナ載置台の軸心方向に前記筒状バーナ載置台に対して相対移動自在に前記筒状バーナ載置台に載置支持され、
前記昇降手段により前記筒状バーナ載置台を昇降して前記バーナユニットを昇降させて、前記バーナを前記使用位置と前記収納位置とに昇降可能に構成され、
前記バーナユニットの上昇を阻止して、前記バーナを前記使用位置に位置させる上昇阻止部が設けられ、
前記昇降手段により前記筒状バーナ載置台を上昇させる上死点が、前記シール材の非拡径状態が維持される状態で、前記バーナユニットを前記上昇阻止部に受け止められるまで上昇させる筒状バーナ載置台の位置よりも上方に設定されているガスコンロ。
【請求項2】
前記開口部が、前記天板に垂下状態で設けられた開口部形成筒にて構成され、
前記筒状バーナ載置台及びそれに載置支持された前記バーナユニットが、前記張り出し部の外周面が前記開口部形成筒の内周面に近接又は摺接する状態で、前記開口部形成筒内を通して昇降されるように構成されている請求項1に記載のガスコンロ。
【請求項3】
前記開口部形成筒の上端に、内径が下方側の部分よりも大径となる大径内周部が段状に備えられ、
前記上昇阻止部により前記バーナユニットの上昇が阻止されるのに伴って、前記シール材が前記張り出し部にて受け止められた状態で前記シール載置面により押圧されて拡径すると、前記シール材が前記大径内周部に嵌まり込むように構成されている請求項2に記載のガスコンロ。
【請求項4】
前記軸心方向での前記筒状バーナ支持体と前記筒状バーナ載置台との相対位置関係が、前記筒状バーナ支持体の前記張り出し部と前記筒状バーナ載置台の前記シール載置面との間隔が非拡径状態の前記シール材の厚さよりも大きくなる状態に対応する相対位置関係になったときに、互いに係合可能なように、凸状の係合部及び凹状の被係合部が前記筒状バーナ支持体と前記筒状バーナ載置台とに振り分けて設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスコンロ。
【請求項5】
前記バーナユニットが、五徳をその上部が前記バーナの上部よりも高くなる状態の前記バーナとの所定の相対位置関係にて着脱自在に装着可能なように構成され、
前記昇降手段が、前記使用位置では前記五徳の上部が前記天板よりも上方に突出し、前記収納位置では前記バーナユニットの全体が前記天板よりも下方に引っ込むように、前記筒状バーナ載置台に載置された前記バーナユニットを昇降すべく構成され、
前記バーナユニットが前記収納位置に位置するときに、前記天板の開口部を塞ぐことが可能な蓋体が備えられている請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスコンロ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−29211(P2013−29211A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163499(P2011−163499)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
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