説明

ガス機器システム、ガス機器、及びガス管

【課題】ガス機器に対して適合するガス管を接続させることにより、安全に運転を実行可能に構成する。
【解決手段】ガス機器100に接続されるガス管52の適合要件に関する情報であるガス管情報を供与可能な本体装着具50を設けると共に、本体装着具50を装着可能な本体装着具装着部51をガス機器100に備え、本体装着具50は、本体装着具装着部51に装着された状態で、ガス管情報をガス機器に供与可能に構成され、ガス機器100に、本体装着具50から供与されるガス管情報に基づいてガス管52が当該ガス機器100へ適合するか否かを判定する適合判定手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端に管継手を備えたガス管(小口径強化ガスホースという)と、前記ガス管が前記管継手を介して接続されるガス管接続部と、前記ガス管接続部から受け入れた燃料ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる燃焼部とを有するガス機器とで構成され、ガス管とガス機器との間で適合要件が設定されているガス機器システムに関するとともに、このようなガス機器システムで使用するガス機器、更には、ガス管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス機器は、燃料ガスを供給するガス管が、ガス機器本体のガス管接続部に接続されている状態で、外部から運転操作を受け付けた場合に、燃料ガスが燃焼する運転状態に移行するように構成されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−83989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のガス機器には、ガス機器とガス管との間には適合要件が設定されており、ガス機器に適合するガス管と適合しないガス管とが存在する。一例を挙げると、ガス機器には、それを適切に働かせるガス種(例えば、都市ガスやLPガス)が決められており、当該ガス機器に接続されるガス管についても、その通流に適するガス種が決められている。
しかしながら、特許文献1に開示のガス機器にあっては、ガス機器とガス管とが適合するものか否かにつき、一切考慮されたものではなかった。このため、ガス機器に不適合なガス管が接続され、安全な運転が実行されない虞があった。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス機器に対して適合するガス管を接続させることにより、安全に運転を実行可能な、ガス機器システム、ガス機器、及びガス管を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明のガス機器システムは、
一端に管継手を備えたガス管と、
前記ガス管が前記管継手を介して接続されるガス管接続部と、前記ガス管接続部から受け入れた燃料ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる燃焼部とを有するガス機器とで構成され、ガス管とガス機器との間で適合要件が設定されているガス機器システムであって、その特徴構成は、
前記ガス機器に接続される前記ガス管の適合要件に関する情報であるガス管情報を供与可能な本体装着具を前記ガス機器とは別体に設けると共に、前記本体装着具を装着可能な本体装着具装着部を前記ガス機器に備え、
前記本体装着具は、前記本体装着具装着部に装着された状態で、前記ガス管情報を前記ガス機器に供与可能に構成され、
前記ガス機器に、前記本体装着具から供与される前記ガス管情報に基づいて前記ガス管が当該ガス機器へ適合するか否かを判定する適合判定手段を備えた点にある。
【0006】
上記特徴構成を有するガス機器システムは、ガス管、ガス機器と当該ガス機器とは別体の本体装着具とで成立する、そして、ガス機器に接続されるガス管の適合要件に関する情報であるガス管情報(例えば、通流可能なガス種、耐用年数等)が、本体装着具を装着した状態で、ガス機器に対し供与可能な構成を採用しており、ガス機器側では、当該ガス管情報に基づいて、ガス管がガス機器に適合するか否かを判定できるようになっている。
具体的には、ガス管情報を供与可能な本体装着具を設けると共に、本体装着具を装着可能な本体装着具装着部をガス機器に設け、本体装着具を、本体装着具装着部に装着された状態で、ガス管情報をガス機器側に供与可能に構成し、ガス機器に設けられた適合判定手段が、ガス管情報に基づいてガス管が当該ガス機器へ適合するか否かを判定するように構成している。
このようなガス機器システムにおいて、ガス機器の機器販売業者が本体装着具をガス管と共に使用者に配布することで、ガス機器が使用される際、使用者に、本体装着具を本体装着具装着部に装着させ、本体装着具の側からガス機器の側へガス管情報を供与させ、当該ガス管情報に基づいて、ガス管がガス機器へ適合するか否かを判定することができる。
【0007】
本発明のガス機器システムの更なる特徴構成は、
前記適合判定手段が前記ガス機器に前記ガス管が適合すると判定した場合に限り、前記ガス機器の運転を許可する運転許可手段を備えた点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、適合判定手段がガス機器にガス管が適合すると判定した場合に限り、運転許可手段がガス機器の運転を許可するので、十分に安全な状態で、ガス機器を運転させることができる。
【0009】
本発明のガス機器システムの更なる特徴構成は、
前記ガス機器に適合するガス管情報と、前記本体装着具から供与されたガス管情報との比較結果を出力する出力手段を備えた点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、出力手段は、ガス機器に適合するガス管情報と、本体装着具から供与されたガス管情報との比較結果を出力するので、使用者に当該比較結果に基づいて、ガス機器とガス管との適合状態を積極的に知らしめることができる。
また、ガス機器とガス管とが適合しないものである場合には、ガス管をガス機器に適合するものに交換することを促すことができる。
【0011】
本発明のガス機器システムの更なる特徴構成は、
前記ガス管情報は、前記ガス管を通流可能なガス種であり、
前記適合判定手段は、前記ガス管を通流可能なガス種が前記ガス機器で使用可能なガス種か否かの適合要件を判定する点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、適合判定手段が、ガス管を通流可能なガス種がガス機器で使用可能か否かの適合要件を判定するので、ガス機器で使用可能なガス種を通流できるガス管を、ガス機器に対し確実に接続させることができる。
【0013】
本発明のガス機器システムの更なる特徴構成は、
前記ガス管情報は、前記ガス管の製造年であり、
前記適合判定手段は、前記ガス管の製造年に基づいて前記ガス管の使用期間を判断し、前記使用期間が耐用年数未満であるか否かの適合要件を判定する点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば適合判定手段は、ガス管の製造年に基づいてガス管の使用期間を判断し、使用期間が耐用年数未満であるか否かの適合要件を判定するので、ガス機器に対して耐用年数未満のガス管を接続させることができ、安全性を向上させることができる。
【0015】
上記目的を達成するためのガス機器は、一端に管継手を備えたガス管が前記管継手を介して接続されるガス管接続部と、前記ガス管接続部から受け入れた燃料ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる燃焼部とを有するガス機器で、前記ガス管との間で適合要件が設定されているガス機器であって、その特徴構成は、
接続される前記ガス管の適合要件に関する情報であるガス管情報を供与可能な本体装着具を装着可能な本体装着具装着部を備え、
前記本体装着具は、前記本体装着具装着部に装着された状態で、前記ガス管情報を供与可能に構成され、
前記本体装着具から供与される前記ガス管情報に基づいて前記ガス管が適合要件を満たすか否かを判定する適合判定手段を備えた点にある。
【0016】
上記特徴構成を有するガス機器にあっては、上述のガス機器システムが奏する作用効果と同等のものを発揮することができる。
【0017】
上記目的を達成するためのガス管は、
接続対象のガス機器との間で適合要件が設定されており、
ガス機器に設けられるガス管接続部に管継手を介して接続されるガス管であって、その特徴構成は、
前記適合要件に関する情報であるガス管情報を供与可能な本体装着具を備え、
前記本体装着具は、前記ガス機器に設けられる本体装着具装着部に装着された状態で、前記ガス管情報を前記ガス機器に供与可能に構成されている点にある。
【0018】
上記特徴構成を有するガス管によれば、ガス管の適合要件に関する情報であるガス管情報をガス機器側に供与することができるので、ガス機器側にて当該ガス管情報に基づいてガス機器にガス管が適合するか否かを判定でき、当該ガス管を、その適合要件に適うガス機器に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本体装着具及び本体装着具装着部を示す図である。
【図2】ガス機器の概略構成図である。
【図3】運転操作受付部の概略構成図である。
【図4】制御装置により制御される制御対象の各機器を示すブロック図である。
【図5】本体装着具及び本体装着具装着部の装着状態と非装着状態を示す図である。
【図6】制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜図6に示すように、本発明のガス機器システム200は、ガス機器100にガス管52が適合するか否かを判定できる点を重要な特徴としており、ガス機器100に接続されるガス管52の適合要件に関する情報であるガス管情報(例えば、ガス管52を通流可能なガス種、ガス管52の耐用年数等)がガス機器100に対して供与可能な構成を採用しており、ガス機器100側は、当該ガス管情報に基づいて、ガス管52がガス機器100に適合するか否かを判定できるように構成されている。
具体的には、本発明のガス機器システム200は、その特徴構成として、ガス機器100とは別体に、ガス管情報を供与可能なコネクタ50(ガス装着具の一例)を有して構成され、当該コネクタ50を装着可能なコネクタ装着部51(本体装着具装着部の一例)をガス機器100に備えている。
以下では、まず、ガス機器システム200の基本的な構成について説明した後、本発明の特徴構成、及びガス機器100へのガス管52の適合判定処理について説明する。
【0021】
本発明のガス機器システム200は、図1、図2(a)(b)に示すように、一端に管継手56を備えたガス管52を備えるとともに、ガス管52が管継手56を介して接続されるガス管接続部53とガス管接続部53から受け入れた燃料ガスGを燃焼用空気Aと共に燃焼させるバーナ2(燃焼部の一例)とを有するガス機器100とで構成されており、ガス管52とガス機器100との間で適合要件が設定されている。
当該適合要件は、ガス機器100に対してガス管52が接続された場合に、安全な状態で運転するための要件であり、例えば、ガス機器100及びガス管52にて使用可能なガス種に係る要件や、ガス管52の耐用年数に係る要件である。
【0022】
上記バーナ2は、図2(a)(b)に示す様に、燃料ガスGを導く燃料ガス流路7が連通接続されており、当該燃料ガス流路7から供給される燃料ガスGと、本体1の背面に設けられた吸込口17から吸込まれる燃焼用空気Aとに、点火プラグ13にて点火し火炎を形成する。
上記燃料ガス流路7には、燃料ガスGの通流を止める、又は許容する第1電磁弁8a及び第2電磁弁8bと、燃料ガスGの流量を調整可能な比例弁10と、燃料ガスGを燃焼用空気Aと混合しながらバーナ2に向けて噴射する噴射ノズル11とが、上流側から下流側に向けて順に設けられている。尚、上述の如く、電磁弁として、2つの第1電磁弁8aと第2電磁弁8bとが設けられている理由は、燃料ガスGが燃料ガス流路7の下流側に漏出することを、より確実に防止するためである。
【0023】
対流用ファン3は、クロスフローファン15と、当該クロスフローファン15を周方向に回転させるモータ16とから構成されている。モータ16が、クロスフローファン15を回転させることにより、吸込口17から外気が取り入れられ、その一部は、燃焼用空気Aとしてバーナ2の燃焼室18へ導かれ、他部は、バーナ2に形成された火炎により加熱される。そして、燃焼後の燃焼排ガスが温風として、吹出口19より外部へ吹き出される。
【0024】
〔温度センサ関係〕
本体1の外面には、室内温度を測定する室内温度センサ22が設けられている。後述する制御装置4は、当該室内温度センサ22の測定結果に基づいて、バーナ2及び対流用ファン3の運転状態を制御する。
本体1の内部には、本体1の内部の温度を測定する本体内用温度センサ23が設けられており、制御装置4は、例えば、当該本体内用温度センサ23の測定温度が、異常高温域に達している場合、バーナ2を停止する等の制御を行う。
さらに、本体1の制御装置4等を構成する回路には、本体1の内部の温度が所定以上となった場合に、当該回路を断線する温度ヒューズ24が設けられている。これにより、本体1の内部の温度が、回路の耐熱温度を超える場合、当該回路を断線して、回路を保護することができる。
【0025】
〔運転操作受付部〕
図2(a)に示すように、本体1の天面には、外部から運転操作を受け付ける運転操作受付部9が設けられている。
当該運転操作受付部9には、図3に示すように、使用者等により操作させるスイッチとして、所定の時間経過した後に運転停止の設定が可能なおやすみタイマースイッチ26、所定の時間経過した後に運転開始の設定が可能なおはようタイマースイッチ27、目標温度や目標運転時間等を設定する温度/時間設定スイッチ31、運転状態と運転停止状態とを切り替える運転スイッチ32等が設けられている。
一方、使用者等に機器の状態を知らせる表示部分として、おやすみタイマー及びおはようタイマーが設定されていることを示す設定表示ランプ28、温度や時間やエラー状態等を示す7セグ表示パネル29、各運転状態を示す運転表示ランプ33、燃焼用空気Aの吸込口17に設けられているエアフィルタ20に塵埃等が溜まった場合に点灯するエアフィルタお掃除ランプ35、ガス管接続部53へのガス管52の接続異常がある場合に点灯するガス管接続異常ランプ36、ガス機器100の使用可能ガス種とガス管52に通流可能ガス種とが異なる場合に点灯するガス種異常ランプ37(出力手段の一例)、ガス管52の耐用年数が超過している場合に点灯するガス管交換ランプ38(出力手段の一例)、温度異常等が発生した場合に点灯する緊急警報ランプ39等が設けられている。
尚、上記各種スイッチを操作した場合の制御装置4による各表示部等への点灯・点滅等の制御は、通常のガス機器100と略同一であるので、ここでは、その詳細な説明を割愛する。
【0026】
〔本体装着具及び本体装着具装着部〕
次に、本発明の特徴的な構成であるコネクタ50(本体装着具の一例)とコネクタ装着部51(本体装着具装着部の一例)について説明する。
コネクタ50は、図1に示すように、連結部材55によりガス管52と取り外しできない状態で連結されている。コネクタ50は、ガス機器100の本体1の背面に設けられたコネクタ装着部51に装着可能に構成されている。
コネクタ50は、図5に示すように、ガス機器100に接続されるガス管52の適合要件に関する情報であるガス管情報として、ガス管52を通流するガス種に係る情報を保持するために、その内部にガス種に対応する抵抗を有する第1導電部50aを有している。
当該第1導電部50aの抵抗は、例えば、都市ガスに対応するものとしてはXΩ、LPガスに対応するものとしてはYΩというように、ガス種毎に異なる値に設定されている。
【0027】
また、図示は省略するが、コネクタ50は、ガス機器100に接続されるガス管52の適合要件に関する情報であるガス管情報として、ガス管52の製造年に係る情報を保持すべく、その内部に製造年に対応する抵抗を有する第2導電部50bを有している。
当該第2導電部50bの抵抗は、例えば、2000年に対応するものとしてはAΩ、2001年に対応するものとしてBΩというように、製造年毎に異なる値に設定されている。
【0028】
コネクタ装着部51は、図5に示すように、コネクタ50がコネクタ装着部51に装着されている状態(図5(b)に示す状態)において、コネクタ50の第1導電部50aを介して導通状態となる第1接点端子51a、及び第2導電部50bを介して導通状態となる第2接点端子51bが設けられている。そして、当該第1接点端子51a及び第2接点端子51bは、制御装置4と電気的に接続されており、制御装置4は、適合判定手段m1として以下のように働く。
【0029】
〔制御装置:全体制御に係る構成〕
制御装置4は、図4に示すように、上記運転操作受付部9の各操作スイッチ及び各表示部と電気的に接続されており、各操作スイッチの操作に基づいて、各表示部に操作状態を表示すると共に、ガス機器100の運転を制御するように構成されている。制御装置4による当該ガス機器100の運転制御については、従来のものと変わるところがない。
【0030】
〔制御装置:ガス種による適合判定に係る構成〕
制御装置4は、第1接点端子51a間の第1導電部50aの抵抗値を取得し、当該抵抗値に基づいてガス管52に通流可能なガス種を取得すると共に、当該ガス種がガス機器100にて使用可能なガス種か否かを判定する適合判定手段m1として働く。
説明を加えると、制御装置4には、第1導電部50aの抵抗値に対応するガス管52を通流可能なガス種を記憶すると共に、ガス機器100に使用可能なガス種を記憶する記憶部m3が設けられている。
適合判定手段m1は、第1導電部50aの抵抗値を取得し、取得した抵抗値に対応するガス管52を通流可能なガス種を記憶部m3から読み出すと共に、ガス機器100に使用可能なガス種も読み出し可能に構成されている。適合判定手段m1は、ガス管52を通流可能なガス種とガス機器100に使用可能なガス種とが同一である場合、ガス機器100にガス管52が適合すると判定し、ガス種が異なる場合、ガス機器100にガス管52が適合しないと判定する。
【0031】
〔制御装置:ガス管の製造年による適合判定に係る構成〕
制御装置4は、第2接点端子51b間の第2導電部50bの抵抗値を取得し、当該抵抗値に基づいてガス管52の製造年を取得し、当該製造年からガス管52が耐用年数未満か否かを判定する適合判定手段m1としても働くように構成されている。
制御装置4には、第2導電部50bの抵抗値に対応する製造年を記憶している記憶部m3が設けられると共に、現在の年を提供可能なカレンダー部m4が設けられている。
適合判定手段m1は、第2導電部50bの抵抗値を取得し、取得した抵抗値に対応するガス管52の製造年を記憶部m3から読み出すと共に、カレンダー部m4から現在の年を取得し可能に構成されている。適合判定手段m1は、ガス管52の製造年と現在の年から算出されるガス管52の使用期間が、ガス管52の耐用年数を超えている場合、ガス機器100にガス管52が適合すると判定し、耐用年数が超えていない場合、ガス機器100にガス管52が適合しないと判定する。
【0032】
〔制御装置:運転許可に係る構成〕
制御装置4は、上述した適合判定において、適合判定手段m1がガス機器100にガス管52が適合しないと判定した場合に限り、ガス機器100の運転を許可する運転許可手段m2として働くように構成されている。
これにより、ガス機器100にガス管52が適合しない場合、即ち、ガス機器100の使用可能ガス種とガス管52の通流可能ガス種が異なる場合や、ガス管52の使用期間が耐用年数を超えている場合に、ガス機器100が運転することを禁止するので、ガス機器100の使用の安全性を確保できる。
【0033】
〔制御装置:ガス管接続の判定に係る構成〕
コネクタ装着部51の第1接点端子51a及び第2接点端子51b間の抵抗は、コネクタ50がコネクタ装着部51に装着されている場合(図5(b)に示す場合)、コネクタ50の第1導電部50a及び第2導電部50bの抵抗値になり、コネクタ50がコネクタ装着部51に装着されていない場合(図5(a)に示す場合)、無限大となる。即ち、制御装置4は、第1接点端子51a及び第2接点端子51b間の抵抗を監視することで、コネクタ50がコネクタ装着部51に装着されているか否かも判定することができる。
本発明にあっては、制御装置4は、ガス管52に取り外しできないように連結されているコネクタ50が、コネクタ装着部51に装着されていることにより、ガス管接続部53にガス用ゴム管等が無理に差し込まれて使用されている状態ではなく、ガス管接続部53に適正なガス管52が接続されていると判定するように構成されている。
【0034】
〔適合判定処理〕
次に、本発明の適合判定処理を、図6の制御フローに基づいて説明する。
運転操作受付部9に運転操作を受け付ける(♯101)と、制御装置4は、コネクタ装着部51にコネクタ50が装着されているか否かにより、ガス管52がガス管接続部53に対して正常に接続されているか否かを判定する(♯102)。
【0035】
制御装置4は、コネクタ装着部51に適正にコネクタ50が装着されている場合、ガス管接続部53に適正にガス管52が接続されていると判定し(ガス管接続判定異常なし)、次の処理へ移行する。
一方、制御装置4は、コネクタ装着部51にコネクタ50が装着されていない場合、ガス管接続部53に適正にガス管52が接続されていないと判定し(ガス管接続判定異常あり)、ガス管接続異常ランプ36を点灯させる(♯103)。この場合、ガス機器100の運転は許容しない。
【0036】
制御装置4(適合判定手段m1の一例)は、ガス管52を通流可能なガス種とガス機器100にて使用可能なガス種とが、同一か否かを判定する(♯104)。
制御装置4は、ガス機器100にて使用可能なガス種とガス管52を通流可能なガス種とが同一である場合、適用されるガス種の観点において、ガス機器100とガス管52とが適合すると判定し(ガス種判定異常なし)、次の処理へ移行する。
一方、制御装置4は、ガス機器100にて使用可能なガス種とガス管52を通流可能なガス種とが異なる場合、適用されるガス種の観点において、ガス機器100とガス管52とが適合しないと判定し(ガス種判定異常あり)、ガス種異常ランプ37を点灯させる(♯105)。この場合、ガス機器100の運転は許容しない。
【0037】
制御装置4(適合判定手段m1の一例)は、ガス管52の使用期間が耐用年数未満であるか否かを判定する(♯106)。
制御装置4は、ガス管52の使用期間が耐用年数を超える場合、ガス管52の耐用年数の観点において、ガス機器100にガス管52を適合できないと判定し(耐用年数判定異常あり)、ガス管交換ランプ38を点灯させる(♯107)。この場合、ガス機器100の運転は許容しない。
【0038】
制御装置4(運転許可手段m1の一例)は、ガス管52の使用期間が耐用年数未満である場合、ガス管52の耐用年数の観点において、ガス機器100にガス管52を適合させられると判定し(耐用年数判定異常なし)、運転表示ランプ33を点灯させると共に、ガス機器100を通常運転させるべく、対流用ファン3を回転させると共に、第1電磁弁8a、第2電磁弁8b、及び比例弁10を開状態としてバーナ2に燃料ガスGを供給する(♯108)。
【0039】
〔ガス機器〕
これまで説明してきたように、本願は、上述の構成を有するガス機器システム200で採用するガス機器100を、以下の如く構成することで、本願の機能を良好に発揮する。
即ち、ガス管52との間で適合要件が設定されているガス機器100を、一端に管継手56を供えたガス管52が管継手56を介して接続されるガス管接続部53と、ガス管接続部53から受け入れた燃料ガスGを燃焼用空気Aと共に燃焼させるバーナ2とを有し、接続されるガス管52の適合要件に関する情報であるガス管情報を供与可能な本体装着具を装着可能な本体装着具装着部を備え、本体装着具は、本体装着具装着部に装着された状態で、ガス管情報を供与可能に構成され、本体装着具から供与されるガス管情報に基づいてガス管52が適合要件を満たすか否かを判定する適合判定手段m1を備えて、構成する。
【0040】
〔ガス管〕
ガス管52についても、以下の如く構成することで、本願の機能を良好に発揮する。
即ち、接続対象のガス機器100との間で適合要件が設定されているガス管52を、ガス機器100に設けられるガス管接続部53に管継手56を介して接続されるように構成し、適合要件に関する情報であるガス管情報を供与可能な本体装着具を備え、本体装着具は、ガス機器100に設けられる本体装着具装着部に装着された状態で、ガス管情報をガス機器100に供与可能に構成する。
【0041】
〔別実施形態〕
(1)
ガス管52の製造年(耐用年数)に係る情報を、コネクタ50の色により表すように構成してもよい。これにより、使用者は、ガス管52の製造年に係る情報を、視覚的に把握することができ、使用者は、耐用年数の切れたガス管52であるか否かを、効果的に知ることができる。
また、コネクタ50のみに色付けすることで、ガス機器100の全体としての美観が損なわれることもない。
【0042】
(2)
上記実施形態にあっては、コネクタ50側からガス機器100側へガス管情報を供与する構成として、コネクタ50に所定の抵抗値を有する第1導電部50a、第2導電部50bを設け、ガス機器100の制御装置4が、当該抵抗値に基づいてガス管情報を取得するものとした。
しかしながら、ガス管情報を供与する方法としては、コネクタ50にコンデンサ等の電気素子を設け、ガス機器100の制御装置4が、当該コンデンサの静電容量を測定できるように構成しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のガス機器システム、ガス機器、及びガス管は、ガス機器に対して適合するガス管を接続させることにより、安全に運転を実行可能なものとして、有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
2 :バーナ
4 :制御装置
36 :ガス管接続異常ランプ
37 :ガス種異常ランプ(出力手段の一例)
38 :ガス管交換ランプ(出力手段の一例)
39 :緊急警報ランプ
50 :コネクタ
50a :第1導電部
50b :第2導電部
51 :コネクタ装着部
51a :第1接点端子
51b :第2接点端子
52 :ガス管
53 :ガス管接続部
55 :連結部材
56 :管継手
100 :ガス機器
200 :ガス機器システム
A :燃焼用空気
G :燃料ガス
m1 :適合判定手段
m2 ;運転許可手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に管継手を備えたガス管と、
前記ガス管が前記管継手を介して接続されるガス管接続部と、前記ガス管接続部から受け入れた燃料ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる燃焼部とを有するガス機器とで構成され、ガス管とガス機器との間で適合要件が設定されているガス機器システムであって、
前記ガス機器に接続される前記ガス管の適合要件に関する情報であるガス管情報を供与可能な本体装着具を前記ガス機器とは別体に設けると共に、前記本体装着具を装着可能な本体装着具装着部を前記ガス機器に備え、
前記本体装着具は、前記本体装着具装着部に装着された状態で、前記ガス管情報を前記ガス機器に供与可能に構成され、
前記ガス機器に、前記本体装着具から供与される前記ガス管情報に基づいて前記ガス管が当該ガス機器へ適合するか否かを判定する適合判定手段を備えたガス機器システム。
【請求項2】
前記適合判定手段が前記ガス機器に前記ガス管が適合すると判定した場合に限り、前記ガス機器の運転を許可する運転許可手段を備えた請求項1に記載のガス機器システム。
【請求項3】
前記ガス機器に適合するガス管情報と、前記本体装着具から供与されたガス管情報との比較結果を出力する出力手段を備えた請求項1又は2に記載のガス機器システム。
【請求項4】
前記ガス管情報は、前記ガス管を通流可能なガス種であり、
前記適合判定手段は、前記ガス管を通流可能なガス種が前記ガス機器で使用可能なガス種か否かの適合要件を判定する請求項1乃至3の何れか一項に記載のガス機器システム。
【請求項5】
前記ガス管情報は、前記ガス管の製造年であり、
前記適合判定手段は、前記ガス管の製造年に基づいて前記ガス管の使用期間を判断し、前記使用期間が耐用年数未満であるか否かの適合要件を判定する請求項1乃至4の何れか一項に記載のガス機器システム。
【請求項6】
一端に管継手を備えたガス管が前記管継手を介して接続されるガス管接続部と、前記ガス管接続部から受け入れた燃料ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる燃焼部とを有するガス機器で、前記ガス管との間で適合要件が設定されているガス機器であって、
接続される前記ガス管の適合要件に関する情報であるガス管情報を供与可能な本体装着具を装着可能な本体装着具装着部を備え、
前記本体装着具は、前記本体装着具装着部に装着された状態で、前記ガス管情報を供与可能に構成され、
前記本体装着具から供与される前記ガス管情報に基づいて前記ガス管が適合要件を満たすか否かを判定する適合判定手段を備えたガス機器。
【請求項7】
接続対象のガス機器との間で適合要件が設定されており、
ガス機器に設けられるガス管接続部に管継手を介して接続されるガス管であって、
前記適合要件に関する情報であるガス管情報を供与可能な本体装着具を備え、
前記本体装着具は、前記ガス機器に設けられる本体装着具装着部に装着された状態で、前記ガス管情報を前記ガス機器に供与可能に構成されているガス管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−255589(P2012−255589A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128449(P2011−128449)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】