説明

キッチンキャビネットへの食器洗い機の後付け方法

【課題】既存のキッチンキャビネットに容易に食器洗い機を後付けできる後付け方法を提供する。
【解決手段】金属製の縦フレーム8と横フレームと奥行きフレーム11を枠組みしたフレーム体を骨組みとし、奥行きフレーム11に固設した引出しレール12,12に引出しを取り付けてなる既存のキッチンキャビネット1に対し、引出しを外して引出しレール12,12を取り外した後、引出しが設けられていた空間内に食器洗い機を取り付け、食器洗い機に対しフレーム体内の空間を通して給・排水管を配管接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存のキッチンキャビネットに後付けで食器洗い機を取り付けできる食器洗い機の後付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、システムキッチンの引出しを取り外し、引出しの左右の仕切板を外して設置スペースを確保し、この設置スペースに食器洗い機を組み込む場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−80225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているものは、木製のパネル組みしたシステムキッチンに食器洗い機を組み込む場合であり、木製のシステムキッチンには内部に仕切板が複数存在するために、仕切板が邪魔になって、食器洗い機の給・排水管の配管が極めて困難となり、時間と手間がかかり、結局、キッチンキャビネットを取り換える必要がある場合が多かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、既存のキッチンキャビネットに容易に食器洗い機を後付けできる食器洗い機の後付け方法の提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明のキッチンキャビネットへの食器洗い機の後付け方法は、金属製の縦フレームと横フレームと奥行きフレームを枠組みしたフレーム体を骨組みとし、前記奥行きフレームに固設した引出しレールに引出しを取り付けてなる既存のキッチンキャビネットに対し、前記引出しを外して前記引出しレールを取り外した後、前記引出しが設けられていた空間内に食器洗い機を取り付け、該食器洗い機に対し前記フレーム体内の空間を通して給・排水管を配管接続することを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、キッチンキャビネットの骨組みは縦フレームと横フレームと奥行きフレームを枠組みしたフレーム体で構成されているため、このフレーム体の奥行きフレームに取り付けられている引出しレールを取り外して、引出しが設けられていた空間内に容易に食器洗い機を取り付け、この食器洗い機に対してフレーム体内の空間を通して給・排水管を配管接続することができ、給・排水管の配管が容易であり、食器洗い機をニーズの変化により容易に後付けすることができるものとなる。
【0007】
また、本発明のキッチンキャビネットへの食器洗い機の後付け方法において、前記食器洗い機の底側に置き台を敷設するものとすることもできる。
こうすれば、置き台上に食器洗い機を載せて、食器洗い機の高さを既存のキッチンキャビネットに対応させて、すっきりとした状態に取り付けできるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】既存のキッチンキャビネットから引出しを取り外す状態の斜視構成図である。
【図2】引出しを取り外した後に引出しレールを取り外す状態のキッチンキャビネットの斜視構成図である。
【図3】引出しが設けられていた空間の底側に置き台を入れた状態のキッチンキャビネットの斜視構成図である。
【図4】置き台の斜視構成図である。
【図5】食器洗い機を取り付ける状態のキッチンキャビネットの斜視構成図である。
【図6】食器洗い機を取り付けた状態のキッチンキャビネットの斜視構成図である。
【図7】キッチンキャビネット内で食器洗い機に給・排水管を接続した状態の要部拡大透視図である。
【図8】キッチンキャビネットの骨組みを構成するフレーム体の一例を示す斜視構成図である。
【図9】図8のフレーム体を構成する縦フレームと奥行きフレームと、奥行きフレームに取り付けられる引出しレールの拡大分解斜視図である。
【図10】食器洗い機を支持するためのL金具を奥行きフレームに取り付けた状態のキッチンキャビネットの斜視構成図である。
【図11】フロートタイプのキッチンキャビネットに食器洗い機を取り付けた状態の斜視構成図である。
【図12】フロートタイプのキッチンキャビネットの骨組みを構成するフレーム体の斜視構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、既存のキッチンキャビネットを示すものであり、キッチンキャビネット1は、キャビネット本体2の上面にカウンター3が取り付けられ、このカウンター3にはシンク4が設けられている。また、キャビネット本体2には、前方側へ引き出し可能に引出し5,6が二段で設けられており、下側の引出し6の下部には、けこみ6aが一体で設けられている。
【0010】
このような既存のキッチンキャビネット1において、ニーズの変化により食器洗い機が欲しくなったような場合に、この既存のキッチンキャビネット1の引出し5,6を取り外して、引出し5,6が設けられていた空間内に食器洗い機を後付けすることができるものである。
概略を説明すると、図1のように引出し5,6を前方側へ引き出して取り外し、その後に図2のように、引出し5,6を支持していた引出しレール12,12を取り外す。
次に、図3のように、引出し5,6が設けられていた空間S内の底側に置き台14を入れ、その後に、図5のように、置き台14上に食器洗い機15を前方側から差し込んでゆき、図6のように、食器洗い機15をキャビネット本体2に一体状に後付けすることができる。
【0011】
なお、キッチンキャビネット1のキャビネット本体2は、図8に一例を示すようなフレーム体7で骨組みが構成されている。
このフレーム体7は、アルミニウム製のフレーム8,9,10,11を枠組みしたものであり、水に強く、耐久性があり、寿命が長いために、このフレーム体7を利用して、ニーズの変化により食器洗い機を後付けできる。
【0012】
フレーム体7は、横方向に間隔をおいて複数立設された前側の縦フレーム8,8,8と、縦フレーム8と対向状に背側に複数立設された背側の縦フレーム9,9,9が、それぞれ複数の横フレーム10,10,10で連結され、前側の縦フレーム8と背側の縦フレーム9間には、奥行き方向に延びる複数の奥行きフレーム11,11,11が連結されて、枠組み形成されたものである。
【0013】
なお、図9は、奥行きフレーム11と縦フレーム8と、奥行きフレーム11に取り付けられる引出しレール12の分解拡大図であり、縦フレーム8の前面にはカバー8aが覆設され、奥行きフレーム11の側面には、引出し5,6を引き出し可能に支持する引出しレール12が取り付けられ、この引出しレール12は、奥行きフレーム11に形成された孔11a,11aにそれぞれビス13をねじ込んで取り付け固定されている。
【0014】
引出し5,6を引き出した後に、引出しレール12,12を図2のように取り外す際には、ビス13,13.13を緩めて、容易に引出しレール12,12を取り外すことができる。
引出しレール12,12を取り外すと、引出し5,6が設けられていた空間Sが出現するが、この空間Sの底側に、図4に斜視図で示すような置き台14を取り付ける。この置き台14は、けこみ14aを前面に有する木製の箱状体であり、上面には食器洗い機を載せることのできる載置面板14bが設けられている。
【0015】
図3のように置き台14を空間Sの底側に配置した後に、図5のように、置き台14上に食器洗い機15を載せて、食器洗い機15を奥側へ押し込み、図6のように、食器洗い機15の上端をキャビネット本体2の上側の上ラインR1に整合させ、また、食器洗い機15の下端をキャビネット本体2の下側の下ラインR2に整合させて、すっきりと隙間なく食器洗い機15を既存のキッチンキャビネット1に後付けできるものである。
即ち、置き台14を食器洗い機15の底側に敷設することで、食器洗い機15の高さをキャビネット本体2のラインR1,R2に整合させることができるものである。
【0016】
なお、食器洗い機15の裏側底面等には、排水ホース21と給水ホース24が設けられており、これらの排水ホース21,給水ホース24は、図7に要部概略透視図で示すように、フレーム体7の空間内を通して横方向に引き回して既存の排水管20および既存の給水管22に接続することができる。
【0017】
なお、図7において、キッチンキャビネット1のシンク4には水栓18が設けられているが、この水栓18用の給水管22および給湯管23がキャビネット本体2内に立設されており、また、シンク4の底側の排水口の下方には、ダスターポット19と、その下方に連続して排水管20が立設されているため、この既存の排水管20に例えばT字状の分岐管継手20aを取り付け、この分岐管継手20aに食器洗い機15から延びる排水ホース21の先端を接続することができ、また、給水管22にも分岐管継手22aを取り付けて、この分岐管継手22aに食器洗い機15から延びる給水ホース24の先端を接続することができる。
【0018】
このように排水ホース21および給水ホース24の配管を容易に行うことができるものであり、従来の面材で仕切られたキッチンキャビネットでは面材を取り外さなければならなかったのが、本例ではフレーム体7の空間内に良好に排水ホース21,給水ホース24を引き回して短時間で配管が可能となる。
【0019】
次に、図10では食器洗い機15の後付け構造の別例を示す。
図10では、略L字状のL金具16を用い、左右側に一対のL金具16,16を配置して、この左右のL金具16,16上に食器洗い機15を載せて、食器洗い機15を後付けできるように構成したものである。
【0020】
L金具16は、フレーム体7の下端側の奥行きフレーム11にビス13,13,13で固定するものであり、引出しレール12を取り外した位置の奥行きフレーム11に形成されている孔11a,11a,11aを利用して、ビス13,13を孔11a,11a,11a内にねじ込むことで、L金具の略垂直な固定片16aを奥行きフレーム11に固定することができ、L金具16の固定片16aの下端には、略水平に延びる水平支持片16bが一体形成されているため、この水平支持片16b上に食器洗い機15を載せて、食器洗い機15を後付けできるものである。
【0021】
このように左右にL金具16を固設しておき、この左右一対のL金具16,16上に食器洗い機15を載せて、食器洗い機15を既存のキッチンキャビネット1に後付けできるものである。
なお、L金具16の底側には、けこみ17aを前面側に有する底板17をキャビネット本体2に嵌め込んで、キッチンキャビネット1にすっきりとした状態で食器洗い機15を後付けできるものである。この場合には、左右一対のL金具16で食器洗い機15を支持するために、図4のような置き台14は不要である。
【0022】
次に、図11,図12では、フロートタイプのキッチンキャビネット1に食器洗い機15を後付けする場合を示す。
フロートタイプのキッチンキャビネット1は、キャビネット本体2の底側に、前側から奥まった位置にけこみ2aが設けられており、けこみ2a上に底板2bが設けられたタイプであり、この底板2b上に縦フレーム8,9と横フレーム10と奥行きフレーム11を枠組みしたフレーム体7が一体化されている。
このフロートタイプのキッチンキャビネット1では、底板2bがけこみ2aの高さ分だけ浮き上がった位置に配置されているため、置き台14を用いることなく、底板2b上に食器洗い機15を載せて、後付けで食器洗い機15を取り付けできるものである。なお、底板2bに食器洗い機15を固定して、食器洗い機15を安定化させることができる。
【0023】
本例においても、後付けした食器洗い機15の給水ホース24および排水ホース21は、フレーム体7の空間内を引き回して、既存の水栓18用の給水管22およびシンク4用の排水管20に設けたそれぞれの分岐管継手20a、22aに接続して、容易に配管できるものである。
【符号の説明】
【0024】
1 キッチンキャビネット
2 キャビネット本体
2a けこみ
2b 底板
3 カウンター
4 シンク
5,6 引出し
7 フレーム体
8,9 縦フレーム
10 横フレーム
11 奥行きフレーム
11a 孔
12 引出しレール
13 ビス
14 置き台
14a けこみ
14b 載置面板
15 食器洗い機
16 L金具
16a 固定片
16b 水平支持片
17 底板
18 水栓
19 ダスターポット
20 排水管
20a 分岐管継手
21 排水ホース
22 給水管
22a 分岐管継手
24 給水ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の縦フレームと横フレームと奥行きフレームを枠組みしたフレーム体を骨組みとし、前記奥行きフレームに固設した引出しレールに引出しを取り付けてなる既存のキッチンキャビネットに対し、
前記引出しを外して前記引出しレールを取り外した後、前記引出しが設けられていた空間内に食器洗い機を取り付け、該食器洗い機に対し前記フレーム体内の空間を通して給・排水管を配管接続する
ことを特徴とするキッチンキャビネットへの食器洗い機の後付け方法。
【請求項2】
前記食器洗い機の底側に置き台を敷設することを特徴とする請求項1に記載のキッチンキャビネットへの食器洗い機の後付け方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate