説明

キッチン掃除脱水機

【課題】生ゴミや濡れたゴミの水分を良好に取り除くことができ、ゴミを良好に処理できるキッチン掃除脱水機を提供する。
【解決手段】排水口3bが開口されたケース体3内に、モーター10により高速回転されるゴミ籠4とファン13を上下に同軸状に設け、ファン13の高速回転により空気をケース体3の内周面3aに沿って排水口3bへ押し出すことができるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチン内で発生する生ゴミや濡れたゴミの水分を良好に取り除くことができ、ゴミを良好に処理できるキッチン掃除脱水機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、流し台の排水口に取り付けた排水受けケース内に、通水性のゴミ籠を装着させて、このゴミ籠をモーターにより回転させることで、ゴミ籠内のゴミの水分を遠心力により脱水できるように構成した流し台のゴミ受け装置が存在する。
また、特許文献2に開示されているように、流し台のカウンタートップの下に掃除機ユニットを設け、掃除機ユニットの収納室からホースを取り出し、ホースを差込口に差し込んで、流し台で調理する時に発生する食品屑や散乱した調味料や小麦粉等のゴミを吸引して掃除することができるように構成した掃除機付き流し台が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−38472号公報
【特許文献2】特開2000−342363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている流し台のゴミ受け装置では、ゴミ籠を回転させて遠心力のみでゴミの脱水を行うものであり、脱水能力には限界があった。
また、上記特許文献2に開示されている掃除機付き流し台は、掃除機ユニットを流し台に付設しただけの構造であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、生ゴミや濡れたゴミの水分を効率良く取り除くことができ、また、キッチンのカウンター上の水等を良好に吸い取ることのできるキッチン掃除脱水機の提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明のキッチン掃除脱水機は、排水口が開口されたケース体と、該ケース体内に装着されてモーターにより高速回転される通水性のゴミ籠と、該ゴミ籠の外周に突設されて該ゴミ籠の回転により空気を前記ケース体の内周に沿って前記排水口へ押し出すことのできる羽根を備えていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のキッチン掃除脱水機では、ケース体内に装着されたゴミ籠がモーターにより高速回転されることで、遠心力によりゴミ籠内の生ゴミや濡れたゴミの水分を取り除くことができ、また同時に、ゴミ籠の回転とともに高速回転する羽根により空気をケース体の内周に沿って排水口へ押し出して、発生した空気の流れで効率的に排水口へ水分を排出することができ、水分を確実に効率良く取り除くことができるものとなる。
【0007】
また、本発明のキッチン掃除脱水機は、排水口が開口されたケース体内に、モーターにより高速回転されるゴミ籠とファンを上下に同軸状に設け、該ファンの高速回転により空気を前記ケース体の内周に沿って前記排水口へ押し出すことができるように構成したことを要旨とする。
本発明のキッチン掃除脱水機では、ケース体内に装着されたゴミ籠がモーターにより高速回転されることで、遠心力によりゴミ籠内の生ゴミや濡れたゴミの水分を取り除くことができ、また同時に、高速回転するファンにより空気をケース体の内周に沿って排水口へ押し出し、発生した空気の流れで効率良く水分を排出して、ゴミの水分を高効率で除去できるものとなる。
【0008】
また、本発明のキッチン掃除脱水機において、前記ケース体内に連通するホースを設け、該ホースを通し前記ケース体内に空気が吸い込まれるように構成することもできる。
こうすれば、ケース体内で高速回転される羽根やファンにより、ケース体内の空気が排水口に押し出されると、ケース体内は負圧状態になり、ホースを通してケース体内に空気が良好に吸い込まれることとなり、ホースの先端をキッチンのカウンター上等の水或いはゴミに近づけることで、これらの水やゴミを良好にホースを通してゴミ籠内に吸い込むことができ、カウンター上の水やゴミ等の処理を良好に行うことができるものとなる。
【0009】
また、本発明のキッチン掃除脱水機において、前記モーターから前記ゴミ籠に伝達される回転力を遮断できるクラッチ手段を設け、ゴミ籠内に収納されたゴミの脱水時には前記ゴミ籠と前記ファンが回転され、前記ケース体内への空気の吸い込み時には前記クラッチ手段を介し前記ゴミ籠は回転せず前記ファンのみが回転されるように構成することもできる。
こうすれば、クラッチ手段を介してモーターの回転力を遮断すれば、ゴミ籠は回転されずにファンのみが回転されて、ファンの高速回転により効率良くゴミ等を吸引することができ、キッチン周辺の掃除がしにくい部分などのゴミや水分を吸引できるものとなる。なお、ファンの高速回転により発生する空気の流れがゴミ籠の内部を通るため、吸引したゴミを確実にゴミ籠内に捕集できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施例のキッチン掃除脱水機の縦断面概略構成図である。
【図2】外周に羽根を突出させたゴミ籠の概略構成図である。
【図3】図2のゴミ籠の底面概略構成図である。
【図4】ケース体の形状を変更させたキッチン掃除脱水機の縦断面概略構成図である。
【図5】図4のケース体内にゴミ籠が配設された状態の水平断面構成図である。
【図6】さらにホースを接続した変更例のキッチン掃除脱水機の外観構成図である。
【図7】第2実施例のキッチン掃除脱水機の縦断面概略構成図である。
【図8】図7におけるファンの部分の拡大図である。
【図9】図8のファンの平面拡大構成図である。
【図10】ファンの羽根部分の水平断面拡大構成図である。
【図11】モーターの回転軸の上端部分の拡大構成図である。
【図12】図11の回転軸の上端部分の平面拡大構成図である。
【図13】クラッチ手段を構成するゴミ籠の底に設けられた籠底部材の拡大構成図である。
【図14】図13の籠底部材の底面拡大構成図である。
【図15】図13の籠底部材の縦断面構成図である。
【図16】クラッチ手段を構成するレバーを操作して吸引時にゴミ籠を持ち上げた状態のキッチン掃除脱水機の縦断面構成図である。
【図17】クラッチ手段の変更例を示すゴミ籠の部分を底側から視た底面構成図である。
【図18】回転方向を変えた吸引時の図17に対応した底面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、掃除脱水機の縦断面概略構成図である。
掃除脱水機1は、キッチンのカウンター上等に置くことのできる脚状に形成された機台2に、有底筒状のケース体3が一体化されており、このケース体3の底面側には外側へ突出して排水口3bが開口されている。
【0013】
ケース体3内には通水性のゴミ籠4が装着されており、このゴミ籠4内に、生ゴミ或いは濡れたゴミDを入れることができる。このゴミ籠4の底面には上方へ凹ませて嵌合凹部4aが形成されており、この嵌合凹部4aには回転軸9が着脱可能に嵌合されるものであり、回転軸9の下端は機台2内に配設されたモーター10の駆動軸に連結されている。また、モーター10には100ボルト電源コンセントに差し込み可能にコンセントプラグ11が設けられている。
【0014】
なお、ケース体3内に装着されるゴミ籠4の上面には支持棒6と固定板7が横設され、この固定板7の中央部には、上面の蓋8から垂設された回転軸8aが挿着されている。
本例では、ゴミ籠4には、図2および図3に示すように、その外周に複数枚の羽根5,5,5が間隔をおいて外側へ突出形成されている。
【0015】
このような掃除脱水機1において、蓋8を閉めたままで、蓋8に設けられている図示しない孔を通し、上方から生ゴミ或いは濡れたゴミ等を内部のゴミ籠4内に投入することができ、ゴミ籠4内には予め支持棒6に支持させて不織布製の袋等を入れておけば、不織布製の袋内に生ゴミ,濡れたゴミDを投入することができるものである。
この状態でコンセントプラグ11をコンセントに差し込んでモーター10を駆動させることで、回転軸9を介してゴミ籠4をケース体3内で高速回転させることができる。例えば、ゴミ籠4を3000r.p.m以上の高速で回転させ、内部に入れられた生ゴミ,濡れたゴミDの水分を遠心力でゴミ籠4から外側へ飛び散らせることができる。
【0016】
また、この時に、ゴミ籠4とともに高速で複数枚の羽根5が回転するために、羽根5の回転により、ケース体3内の空気は、ケース体3の内周面3aに沿う空気の流れとなって底側の排水口3bから外側へ押し出され、このケース体3内で発生する空気の流れにより、ケース体3内の水分を確実に排出させることができ、遠心力と空気の流れにより効率良く生ゴミ,濡れたゴミDの水分を取り除くことができるものとなる。
水分が取り除かれたゴミは乾いた状態であり、その状態で、蓋8を開けてゴミ籠4内のゴミを手で摘んでも不快感はなく、ストレスなくゴミを掴んでゴミの処理を良好に行うことができるものとなる。
【0017】
なお、図4の縦断面概略構成図で、また図5の水平断面構成図で示すものは、変更例であり、この図4および図5では、排水口3bに向かうにつれて直径が拡径するシロッコファン形状の内周面3aを有するケース体3としたものであり、このケース体3の内側には、図1と同様にゴミ籠4が装着され、このゴミ籠4の外周には複数枚の羽根5が突出されており、モーター10の回転により回転軸9を介してゴミ籠4および羽根5がケース体3内で高速回転されるように構成したものである。
【0018】
このような構造では、複数枚の羽根5の高速回転により、ケース体3の内周面3aに沿って排水口3b側へ空気が効率良く誘導されて、排水口3bに向かう空気の流れをケース体3内に効率良く生成させることができるものとなり、ゴミ籠4から遠心力で外側へ飛び散ったゴミ中の水分を、空気の流れにより効率的に排水口3bに誘導して効率良く排水し、ゴミ籠4内のゴミの水分を確実に取り除くことができるものとなる。
【0019】
次に、図6の外観図で示すものは、蓋8の中央部に形成されている図示しない孔に上方側からホース12を接続して、このホース12により外気とケース体3内を連通させるように構成したものである。
前述した如く、ケース体3内でゴミ籠4および羽根5が高速回転されることで、ケース体3内の空気は排水口3bから効率良く排出されてゆくが、ケース体3内が負圧状態となることでホース12を通り外気がケース体3内に吸い込まれてゆくこととなる。
【0020】
即ち、ケース体3の内周3aに沿って排水口3bから外部へ排出される空気の量に相当する量の空気がホース12を通りケース体3内に吸い込まれることとなる。そのため、ホース12の上端の自由端を、例えばキッチンのカウンター上に残っている水に近づけることで、カウンター上の残水を良好にホース12を通してゴミ籠4内に吸い取ることができ、また、カウンター上に残っている食品屑や散乱した調味料や小麦粉等のゴミを、ホース12を通してゴミ籠4内に吸い取ることができ、キッチンの掃除機としても機能させることができるものとなる。
【0021】
なお、本例の掃除脱水機1は、キッチンのカウンター上等のキッチン内のどのような場所にも置いて使用することができるものであり、コンパクトな構造を呈して邪魔になることがなく、生ゴミや濡れたゴミの水分を効率良く取り除いて、手で掴んでもストレスを感じない乾いたゴミを良好に生成させることができ、また同時に、カウンター上等のゴミを吸い込む掃除機としても使用することができるものである。
【実施例2】
【0022】
次に、第2実施例のキッチン掃除脱水機の縦断面概略構成図を図7に示す。
この掃除脱水機1は、機台2上に有底筒状のケース体3が一体化されており、ケース体3の底側には、ケース体3の内周面3aの接線方向に排水口3bが開口されている。
ケース体3内には、全面に通水孔が形成された有底筒状のゴミ籠4が装着されており、このゴミ籠4内には、予め不織布製のゴミ袋が内周に配置され、その中に生ゴミや濡れたゴミDを収納できるものである。
【0023】
このゴミ籠4の底面中央部には、クラッチ手段を構成する籠底部材14が固設されており、この籠底部材14の中心部に、後述するアーム9a等により係脱可能に回転軸9が連結されている。
また、籠底部材14の下方の回転軸9の外周にはファン13が水平面内で回転可能に設けられている。このファン13は、ケース体3内の底側に、排水口3bと略同一の高さ位置に配設されたものである。
なお、前記ゴミ籠4とファン13の中心位置に、モーター10により回転される前記回転軸9が配置されて、回転軸9と同軸状にゴミ籠4とファン13が上下に配置されている。
回転軸9の下端は、機台2内に配設されたモーター10の駆動軸に連結され、このモーター10はコンセントプラグ11を介して100ボルト電源に接続されるものである。
【0024】
ケース体3内に装着されたゴミ籠4の上面には固定板7が横設されており、この固定板7には、ベアリング8c,8c,8c,8cが嵌め込まれるリング状の溝を有する平面視二重リング状のガイドリング15が取り付けられている。
ケース体3の上面に開閉可能に覆設された蓋8には、平面視等間隔で4本の支持軸8b,8b,8b,8bが垂設され、各支持軸8bの下端にそれぞれベアリング8cが設けられており、この4個のベアリング8c,8c,8c,8cが、ゴミ籠4側に固定されたガイドリング15のリング状の溝内に回転可能に嵌め込まれている。
平面視等間隔で設けられた4個のベアリング8c,8c,8c,8cがガイドリング15内に回転可能に嵌め込まれることで、ゴミ籠4が高速回転された時のゴミ籠4の暴れを防ぐことができるように構成されている。
【0025】
固定板7の左右両端側の下方には、それぞれ押し上げバー17が縦方向に配設されており、左右の各押し上げバー17の下端は、水平にケース体3の外側へ突出して設けられた左右のレバー16,16に連繋されている。
なお、蓋8は、その中央部にホース12が差し込まれており、ホース12はケース体3内のゴミ籠4の中央上面側に開口された状態で配置されている。
【0026】
図8〜図10は、ファン13の構造を拡大して示すものであり、図9は、ファンの平面拡大図であり、図10は、ファンの羽根部分の水平断面拡大構成図である。
【0027】
ファン13は、平行状に水平に設けられた上円板13aと下円板13b間に複数枚の羽根13c,13c,13cが平面視風車状に設けられ、下円板13bの中央部に回転軸9が固定され、回転軸9は上円板13aの中央部の開口を貫いて立設されている。
ファン13の上円板13aの上方は、外周から中心に向かって上傾する上傾斜面13dとなっており、上端中央部には上面開口13eが開口されている。この上面開口13eの中央部に回転軸9が配設されて、回転軸9は上方へ突出されている。
【0028】
なお、図11〜図15は、回転軸9とゴミ籠4の籠底部材14を係脱可能に連結するクラッチ手段の構成を示したものである。
図11は、回転軸9の上端部の拡大図であり、回転軸9の上端には、平面視等間隔で4本のアーム9a,9a,9a,9aが水平状に設けられ、各アーム9aの外端側には上方へ突出して係合凸部9bがそれぞれ設けられている。
【0029】
一方、ゴミ籠4の底面に固設された籠底部材14は、図13の拡大図で、また図14の底面図で、また図15の縦断面図で示すような構造となっている。
籠底部材14は、中央部に中央開口14eを有するドーナツ状の底円板部14aから、平面視等間隔で4個の垂下部14b,14b,14b,14bが下方へ突出形成されており、各垂下部14bの底面には、横方向にアーム係合溝14cが凹み状に形成され、さらにアーム係合溝14cの外端には、上方へ凹ませて係合凹部14dが形成されている。
この籠底部材14の各アーム係合溝14c内に、回転軸9側の各アーム9aを嵌め込むことができ、さらに、籠底部材14の各係合凹部14d内に、回転軸9側の各係合凸部9bを嵌め込むことができるように構成されている。
【0030】
ゴミ籠4内には予め不織布製のゴミ袋が内周に配置され、その中に生ゴミや濡れたゴミDが収納され、図7の状態(各アーム係合溝14c内に各アーム9が嵌め込まれ、各係合凹部14d内に各係合凸部9bが嵌め込まれている)でモーター10が駆動されると、回転軸9の回転によりファン13と共にゴミ籠4が高速回転される。
ゴミ籠4が高速回転されると、ゴミDの水分は遠心力によりゴミ籠4の外側へ飛散し、この飛散した水分は、ファン13の高速回転でケース体3の内周面3aに沿って接線方向に開口された排水口3bに押し出されてゆく空気の流れにより、確実かつ良好に排水口3bから排出されるものである。なお、排水口3bにはキッチンのシンク側へ排水できるようにホース等を接続しておくこともできる。
このように効率良くゴミDの水分を除去した後には、手で掴んでもストレスを感じない乾いたゴミとなるため、蓋8を開けて、ゴミ籠4内のゴミをゴミ袋と共に取り出し、不快感なく廃棄することができものである。
【0031】
なお、ゴミ籠4は高速回転する際に、ガイドリング15と4個のベアリング8cにより暴れることなく良好に高速回転されるものである。このゴミ籠4が高速回転される脱水時には、ホース12を介して空気がケース体3内に吸引されるが、ゴミ籠4の回転によりゴミ籠4の底面で空気の流れは遮蔽されて吸引力は弱いものとなる。
【0032】
生ゴミや濡れたゴミ、その他、キッチンカウンター上の水分等をゴミ籠4内に吸引する際には、吸引力を高めるためにゴミ籠4は回転されず、ファン13のみが回転される。即ち、吸引時には図16に示すように、左右側方に突出したレバー16,16を下方側へ手で押し下げることにより、ケース体3内の押し上げバー17が上方へ押し上げられ、これにより、固定板7に連結されたゴミ籠4がケース体3内で上方へ持ち上げられることとなる。なお、蓋8とゴミ籠4の上面間には上下方向に空間Sが形成されており、この空間S内でゴミ籠4は上方へ持ち上げられる。
レバー16の操作でゴミ籠4が持ち上げられた状態では、回転軸9側の4本のアーム9aおよび4個の係合凸部9bがゴミ籠4側の各アーム係合溝14cおよび係合凹部14dから抜けて離反された状態となる。従って、この図16の状態では、回転軸9が回転しても回転力はゴミ籠4には伝わらず、ファン13のみが高速回転されることとなる。
【0033】
吸引時にファン13のみが高速回転されることにより、空気はホース12からケース体3内に吸い込まれ、空気は、ゴミ籠4の底面の通水孔および籠底部材14の中央開口14eを通り、下方側のファン13の上面開口13eへ吸い込まれて、ファン13の羽根13cの回転で空気はケース体3の内周面3aに沿って接線方向に開口された排水口3bから効率良く排出される。このため、ゴミ籠4が障壁とはならず、空気は強力にホース12からゴミ籠4内に吸い込まれることとなり、これにより生ゴミや濡れたゴミをホース12から強力にゴミ籠4内に吸い込んで、ゴミ籠4内に生ゴミ等を良好に収納させることができる。
なお、ホース12は適宜長いものにしておけば、キッチンのカウンターの上面の水分やゴミ等、その他、掃除しにくいキッチン周辺の隙間部分のゴミ等や、床面のゴミや水分等も強力に吸引してゴミ籠4内に入れることができるものとなる。
【0034】
このように本例では、回転軸9と同軸状にファン13とゴミ籠4が配置されているため、吸引時にファン13の回転により発生する空気の流れがゴミ籠4の内部を通るため、吸引したゴミを確実にゴミ籠4内に捕集することができるものとなり、吸引時にはゴミ籠4は回転しないためにゴミ籠4の底部による空気の流れの遮断がなくなり、効率良くゴミ等を吸引できるものとなる。
【0035】
なお、本例では、回転軸9側のアーム9aと係合凸部9bと、ゴミ籠4側のアーム係合溝14cと係合凹部14dと、レバー16,押し上げバー17で、回転軸9とゴミ籠4の連結を遮断できるクラッチ手段を構成したが、クラッチ手段は、図17および図18の底面要部拡大図で示すような構造を採用することもできる。
【0036】
即ち、図17にゴミ籠4を底面側から視た概略図で示すように、ゴミ籠4の底面中央部には底円板部14aが固設され、底円板部14aには、垂下状に設けられた軸19aを中心として水平面内で揺動可能に係脱爪部材19が設けられている。一方、回転軸9の上端には回転軸ラック18が固定され、この回転軸ラック18の外周にはノコ歯状の複数の係合歯18aが形成されている。
【0037】
回転軸9の回転により回転軸ラック18はゴミ籠4の底側の底円板部14aの下方で回転するが、図17の矢印で示す逆回転方向の回転状態では、回転軸ラック18の外周の係合歯18aに係脱爪部材19の先端が係合し、これにより回転軸9の回転力は底板部14aを介してゴミ籠4に伝達されて、ゴミ籠4がファン13と共に高速回転されることとなる。これにより、ゴミ籠4内に収納されている生ゴミ等が高速回転により脱水されることとなり、この時にはゴミ籠4の底側にある通水孔が回転により遮蔽板のようになり、空気の吸引は少ないものとなる。
【0038】
逆に、図18に示す矢印方向、即ち正回転方向に回転軸9が回転される吸引時には、回転軸ラック18の外周の係合歯18aは係脱爪部材19の先端に摺接するのみで、係脱爪部材19が係合歯18aに噛み込むことはないため、回転軸9の回転力はゴミ籠4には伝達されず、ファン13のみが高速回転されることとなる。これにより、ゴミ籠4の底部により空気の流れが遮蔽されることなく、ファン13の回転により空気がホース12を介してゴミ籠4内に吸い込まれて、良好にゴミ籠4内に生ゴミ等が吸い込まれて収納されることとなる。
なお、この図17,図18で示すような構造のクラッチ手段を用いた場合には、レバー16等は不要となり、モーター10の回転方向を変えることで「脱水」と「吸引」モードを切り替えることができるものとなる。
【符号の説明】
【0039】
1 掃除脱水機
2 機台
3 ケース体
3a 内周面
3b 排水口
4 ゴミ籠
4a 嵌合凹部
5 羽根
7 固定板
8 蓋
8a 回転軸
8b 支持軸
8c ベアリング
9 回転軸
9a アーム
9b 係合凸部
10 モーター
11 コンセントプラグ
12 ホース
13 ファン
13a 上円板
13b 下円板
13c 羽根
13e 上面開口
14 籠底部材
14a 底円板部
14b 垂下部
14c アーム係合溝
14d 係合凹部
15 ガイドリング
16 レバー
17 押し上げバー
18 回転軸ラック
18a 係合歯
19 係脱爪部材
S 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水口が開口されたケース体と、該ケース体内に装着されてモーターにより高速回転される通水性のゴミ籠と、該ゴミ籠の外周に突設されて該ゴミ籠の回転により空気を前記ケース体の内周に沿って前記排水口へ押し出すことのできる羽根を備えていることを特徴とするキッチン掃除脱水機。
【請求項2】
排水口が開口されたケース体内に、モーターにより高速回転されるゴミ籠とファンを上下に同軸状に設け、該ファンの高速回転により空気を前記ケース体の内周に沿って前記排水口へ押し出すことができるように構成したことを特徴とするキッチン掃除脱水機。
【請求項3】
前記ケース体内に連通するホースを設け、該ホースを通し前記ケース体内に空気が吸い込まれるように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のキッチン掃除脱水機。
【請求項4】
前記モーターから前記ゴミ籠に伝達される回転力を遮断できるクラッチ手段を設け、ゴミ籠内に収納されたゴミの脱水時には前記ゴミ籠と前記ファンが回転され、前記ケース体内への空気の吸い込み時には前記クラッチ手段を介し前記ゴミ籠は回転せず前記ファンのみが回転されるように構成したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のキッチン掃除脱水機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−31015(P2011−31015A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202121(P2009−202121)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】