説明

キノコ栽培用二重容器

【課題】内側容器も外側容器も透明部材で形成しているため、外側から発芽の状態や発育状態が目視することができ、大量に栽培することも容易であると共に、栽培後の内側容器と外側容器と蓋体とは何度でも再使用できる。
【解決手段】キクラゲや椎茸等のキノコAを繰り返し栽培できる二重容器に関するものであり、上方に開口部を有するカップ状の内側容器1と、上方に開口部を有するカップ状の外側容器2と、前記夫々の開口部を同時に閉蓋できる蓋体3と、から成り、前記内側容器1と前記外側容器2とは夫々透明部材で形成すると共に、前記内側容器1を前記外側容器2に内装し、前記内側容器1の胴周には略等間隔にキノコ繁殖用の多数の繁殖用孔1aを穿設したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキノコ栽培用二重容器に関するものであり、更に詳細には、キクラゲや椎茸等のキノコを繰り返し栽培できる二重容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のキノコの人工栽培は、栽培ビンに培地を充填し、種菌を接種するための孔を開け、培地を殺菌し、種菌を接種して培養していおり、例えば、先に開示された、多数の穴5の明いた樹脂製袋容器2内に、木の繊維質からなる素材で菌床1を作製し、その菌床1を室内容積効率が良くなるよう上下段違いに吊り支具6により多数縣吊し、袋容器2の穴5に育成したきのこを収穫するもの(特許文献1参照)や、開閉式の空気穴のある内蓋と、開閉式の空気穴のない外蓋とからなる二重構造式の上蓋と、上部は開閉式、底部は非開閉式の、苗の根の部分を入れる為の、光を通さない、且つ、吸収性のある布製の袋と、苗の支えを取り付けた横棒式の苗床と、底に温度自動調節式電熱装置を取り付けた、水漏れのしない透明な保温容器とを、一体として組み合わせたもの(特許文献2参照)等が開示されている。
【特許文献1】特開平11−89424号公報
【特許文献2】実開平1−116045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
然し乍ら、前述の開示されている特許文献1に記載のキノコ栽培用容器は、薄い樹脂フィルム製の袋容器2に多数の穴を開けて吊り支具6により縣吊しているものであるが、使用した袋容器は使い捨てのもので、資源が無駄に成っているものであり、更には、特許文献2に記載のものは、二重容器を用いており、加えてその中に布製の袋を用いているものであり、二重容器の構造も複雑で、布製の袋は使い捨てのものであり、夫々課題を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は前述課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、これらの課題を解決するもので、上方に開口部を有するカップ状の内側容器と、上方に開口部を有するカップ状の外側容器と、夫々の開口部を同時に閉蓋できる蓋体と、から成り、内側容器と外側容器とは透明部材で形成すると共に、内側容器を外側容器に内装し、内側容器の胴周には略等間隔にキノコ繁殖用の多数の繁殖用孔を穿設したものである。
【発明の効果】
【0005】
前述の如く構成した本発明のキノコ栽培用二重容器は、カップ状の内側容器と、内側容器を内装する外側容器と、開口部を閉蓋する蓋体と、から成り、内側容器の胴周には略等間隔にキノコ繁殖用の多数の繁殖用孔を穿設したものであり、内側容器に種菌を接種した培養地を充填して、外側容器に挿入し、蓋体で閉蓋するもので、内側容器も外側容器も透明部材で形成しているため、外側から発芽の状態や発育状態が目視することができ、発芽したら外側容器を取り外すもので、大量に栽培することも容易であると共に、栽培後の内側容器と外側容器と蓋体とは何度でも再使用できるものであり、画期的で実用性の高い有効な発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明のキノコ栽培用二重容器の実施の形態を図面によって、具体的に説明すると、図1は本発明のキノコ栽培用二重容器の実施例の概要説明図である。
【0007】
本発明はキノコ栽培用二重容器に関するものであり、更に詳細には、キクラゲや椎茸等のキノコAを繰り返し栽培できる二重容器に関するものであり、上方に開口部を有するカップ状の内側容器1と、上方に開口部を有するカップ状の外側容器2と、前記夫々の開口部を同時に閉蓋できる蓋体3と、から成り、前記内側容器1と前記外側容器2とは夫々透明部材で形成すると共に、前記内側容器1を前記外側容器2に内装し、前記内側容器1の胴周には略等間隔にキノコ繁殖用の多数の繁殖用孔1aを穿設したことを特徴とするものである。
【実施例】
【0008】
即ち、本発明のキノコ栽培用二重容器の内側容器1は、図1に図示するように、上方に開口部を有するカップ状に形成されるもので、透明部材で有ればプラスチック製でもガラス製でも構わないものであるが、プラスチック製のものが好適であり、胴周には後述する多数の繁殖用穴を穿設しているものである。
【0009】
そして、外側容器2も、透明なプラスチック製の上方に開口部を有したカップ状のもので、前記開口部から内側容器1を内装させるもので、内装させた時、外側容器2と内側容器1との夫々の開口部は平坦に成ることが望ましいものである。
【0010】
次に、蓋体3は、外側容器2と内側容器1との夫々の開口部を閉蓋するもので、蓋体3の閉蓋の構造は各種考慮され特に限定するものではないが、夫々の開口部に同時に嵌合する2つの環状のリブを形成したものである。
【0011】
更に、内側容器1と外側容器2とは透明部材で形成するもので、硬質の透明部材であるプラスチック製のものが好適なものであり、透明部材したことによりキノコAの発芽状態や発育状態が外側から目視できるものである。
【0012】
更には、キノコ繁殖用の多数の繁殖用孔1aは、内側容器1の胴周に穿設するものであり、その直径が10〜30mm程度のもので、上下方向と周方向に略等間隔に多数穿設するものであり、栽培するキノコAによってその間隔や直径は若干相違するものである。
【0013】
本発明のキノコ栽培用二重容器は、先ず、蓋体3を取り外した内側容器1に種菌を接種した培養地を充填し、その内側容器1を外側容器2の中に挿入して、内側容器1と外側容器2との開口を同時に蓋体3で閉蓋するものであり、外側容器2の中は密閉状態なのでキノコAは安定して発芽するものであり、その状態で数日間放置するものである。
【0014】
そして、内側容器1も外側容器2も透明部材で形成しているため、外側から容易に発芽の状態を確認することができ、発芽を確認できたら内側容器1を外側容器2から取り出して、放置しておけばキノコAが多数の繁殖用穴から繁殖し、容易に栽培できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、カップ状の内側容器と、内側容器を内装するカップ状の外側容器と、開口部を閉蓋する蓋体と、から成り、内側容器の胴周には略等間隔にキノコ繁殖用の多数の繁殖用孔を穿設したものであり、内側容器に種菌を接種した培養地を充填して、外側容器に挿入し、蓋体で閉蓋するだけのもので、内側容器も外側容器も透明部材で形成しているため、外側から発芽の状態や発育状態が目視することができ、発芽したら外側容器を取り外すものであり、容易に栽培できると共に、栽培後の容器は何度でも再使用できるキノコ栽培用二重容器の提供である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明のキノコ栽培用二重容器の実施例の概要説明図である。
【符号の説明】
【0017】
1 内側容器
1a 繁殖用孔
2 外側容器
3 蓋体
A キノコ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口部を有するカップ状の内側容器と、上方に開口部を有するカップ状の外側容器と、前記夫々の開口部を同時に閉蓋できる蓋体と、から成り、前記内側容器と前記外側容器とは夫々透明部材で形成すると共に、前記内側容器を前記外側容器に内装し、前記内側容器の胴周には略等間隔にキノコ繁殖用の多数の繁殖用孔を穿設したことを特徴とするキノコ栽培用二重容器。

【図1】
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【公開番号】特開2011−33(P2011−33A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145033(P2009−145033)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(596041076)オリエントジェネライズ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】