説明

キャスタ

【課題】少ないエネルギーで移動テーブルの移動を可能にするキャスタを得る。
【解決手段】移動テーブル200は駆動力が加えられると支持テーブル300に対して移動する。球部材102は移動テーブル200との間の摩擦力により回転する。移動テーブル200の移動量は球部材102の移動量の倍であるため、球部材102は移動テーブル200に対し移動方向とは反対の方向に移動する。球部材102は移動して圧力伝達部材104に圧力を加える。圧力伝達部材104の周囲には円錐台コイルバネ103が配され、圧力伝達部材104を介して伝えられる球部材102からの圧力に対抗する。円錐台コイルバネ103は線径が小さく初期横弾性係数が十分小さいものであるため、円錐台コイルバネ103から球部材102に加えられる抗力は小さくなる。すなわち、球部材102と圧力伝達部材104との間の摩擦力が小さくなって移動テーブル200の走行抵抗が減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば球状の転動部材を用いたキャスタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来キャスタとして、移動体と支持体、すなわち移動テーブルと支持テーブルとの間に設けられ、支持テーブルに対して移動テーブルを支持するものが知られている。このようなキャスタは、移動テーブル及び支持テーブルに接触して移動テーブルを支持する球状の転動部材と、転動部材を保持する抑え部材と、抑え部材を介して転動部材を支持テーブルに対して保持する部材とから主に構成される。
【0003】
抑え部材は、転動部材から加えられる圧力に対抗しうる程度の接触面積で転動部材と摺接する。これにより、転動部材の移動を防止する構成が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−291214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、移動テーブルが移動すると、移動テーブル及び支持テーブルと転動部材との間に第1の摩擦力(転がり摩擦)を生じる。第1の摩擦力は抑え部材に作用して、抑え部材と転動部材との間にさらに第2の摩擦力(滑り摩擦)を発生する。この第2の摩擦力が移動テーブルの大きな走行抵抗となる。一方、第2の摩擦力を発生する原因となる第1の摩擦力は、移動テーブルの重量に比例して大きくなる。従って、走行抵抗は移動テーブルの重量に比例して大きくなる。
【0005】
本発明は、転動部材と転動部材に接触する部材との接触面積を減らすと共に弾性部材を用いて転動部材の移動を抑制し摩擦力の低減を図ることによって、移動体の走行抵抗を小さくし、少ないエネルギーで移動体の移動を可能にするキャスタを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるキャスタは、移動体を支持体に対して一又は二方向へ移動可能に支持すると共に、移動体と支持体は互いに対向する対向面をそれぞれ有し、移動体が移動する方向に平行かつ対向面に垂直な平面における断面が円形状であって、移動体及び支持体の対向面に接触して支持する転動部材と、移動体の移動方向への転動部材の移動を抑制する弾性部材から成ることを特徴とする。
【0007】
弾性部材は、移動体の移動方向において転動部材の最も突出した部位で転動部材と接触することが好ましく、転動部材と弾性部材との間には圧力伝達部材が設けられればよい。
【0008】
キャスタが一方向に移動可能な移動体を支持するものであるとき、転動部材は円柱状であることが好ましく、転動部材と弾性部材との間には圧力伝達部材が設けられることが望ましい。
【0009】
転動部材は球形状であることが好ましい。
【0010】
転動部材と弾性部材との間に設けられる圧力伝達部材は、軸方向長さが転動部材の直径よりも短く、内径が転動部材の直径よりも長い円筒状であって、中心軸が支持体対して垂直であり、転動部材は圧力伝達部材の内側に配されることが好ましい。
【0011】
弾性部材はコイルバネであればよく、円錐台状のコイルバネであればなおよい。
【0012】
コイルバネの軸方向長さは、転動部材の半径と同じ長さであることが望ましい。
【0013】
円錐台状のコイルバネにおける最も直径が大きい大径端部は、コイルバネの中心軸が移動体と垂直となるように移動体又は支持体に固定されればよい。
【0014】
転動部材と円錐台状のコイルバネとの間には圧力伝達部材が設けられ、圧力伝達部材は、軸方向長さが転動部材の直径よりも短く、内径が転動部材の直径よりも長い円筒状であって、円錐台状コイルバネと互いの中心軸を略同軸とするように円錐台状コイルバネの内部に設けられ、転動部材は圧力伝達部材の内側に配されることが好ましい。
【0015】
移動体又は支持体は、移動体の移動方向における転動部材の周囲を一定の距離を置いて突出した支持部材を備え、コイルバネは転動部材と支持部材の間に設けられ、移動体の移動方向において転動部材の最も突出した部位で転動部材と接触することにより、転動部材の移動を抑制することが望ましい。
【0016】
弾性部材は板バネであってもよく、移動体又は支持体は、移動体の移動方向における転動部材の周囲を一定の距離を置いて突出した支持部材を備え、板バネは転動部材と支持部材の間に設けられ、移動体の移動方向において転動部材の最も突出した部位で転動部材と接触して、転動部材の移動を抑制することが好ましい。
【0017】
支持体は磁性材料から成り、移動体には磁石が取り付けられればよい。また、移動体は磁性材料から成り、支持体には磁石が取り付けられてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、少ない走行抵抗で移動体の移動を可能にするキャスタを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0020】
第1の実施形態について図1から図5を用いて説明する。図4では説明のためキャスタ100を固定するナット106を省略している。
【0021】
本実施形態におけるキャスタ100は、移動体、すなわち移動テーブル200と支持体、すなわち支持テーブル300との間に位置し、移動テーブル200の四隅に1つずつ、ナット106で固定して設けられる。
【0022】
支持テーブル300及び移動テーブル200は平板状の直方体である。対向する対向面111、112は平滑に形成され、互いに平行に設けられる。
【0023】
キャスタ100は、球形状である転動部材、すなわち球部材102と、移動テーブル200の移動方向における球部材102の移動を抑制する弾性部材103と、球部材102と弾性部材103との間に位置する円筒状の圧力伝達部材104とから主に構成される。
【0024】
球部材102は図3において上部で移動テーブル200と接し、下部で支持テーブル300と接する。これにより、球部材102は支持テーブル300に対して移動テーブル200を支持する。
【0025】
圧力伝達部材104は円筒状であって、中心軸が移動テーブル200に垂直かつ球部材102の略中心を通るように、移動テーブル200と支持テーブル300との間に設けられる。圧力伝達部材104の内側には球部材102が置かれる。
【0026】
圧力伝達部材104の軸方向長さは球部材102の直径よりも短い。これにより、圧力伝達部材104と移動テーブル200との間にはクリアランスが確保されて互いに接触せず、圧力伝達部材104が移動テーブル200の移動に対して摩擦力を生じることはない。一方、圧力伝達部材104の支持テーブル側の端部は重力により支持テーブル300と接触し摺動する。また、圧力伝達部材104の内径は、球部材102の直径よりも長い。そのため、球部材102と圧力伝達部材104との間にはクリアランスを確保することができ、球部材102は圧力伝達部材104により完全に拘束されることがない。
【0027】
圧力伝達部材104の端部及び内面は摩擦係数が小さい材料によって覆われる。球部材102、支持テーブル300及び移動テーブル200と接触又は接触する可能性がある面の摩擦係数を小さくすることにより、接触による摩擦力を減らして移動テーブル200の走行抵抗を低減することができる。
【0028】
弾性部材103は円錐台状の外形を有するコイルバネ、すなわち円錐台コイルバネ103であって、コイルの巻回中心軸と圧力伝達部材104の中心軸を略同軸とするように圧力伝達部材104の周囲に設けられる。円錐台コイルバネ103の最も直径の大きい大径端部108は中心軸が移動テーブル200と垂直となるように移動テーブル200に固定される。最も直径の小さい小径端部109の内周は、圧力伝達部材104との間にクリアランスを確保する。圧力伝達部材104により、円錐台コイルバネ103と球部材102とは接触しない。圧力伝達部材104の内面は摩擦係数の小さい材料によって覆われるため、円錐台コイルバネ103と球部材120とが直接接触する場合よりも、摩擦力を小さくすることが出来る。
【0029】
円錐台コイルバネ103の軸方向長さは、球部材102の直径の略半分である。そのため、小径端部109は移動テーブル200の移動方向において球部材102の最も突出した部位に相当する圧力伝達部材104の部位に位置する。これにより、球部材102から圧力伝達部材104に加えられる力とこの力に対抗して円錐台コイルバネ103から圧力伝達部材104に加えられる力は圧力伝達部材104を介して正対する。球部材102と円錐台コイルバネからの力が正対するため、圧力伝達部材104の軸は移動テーブル200と垂直な軸に対して傾くことなく、圧力伝達部材104は移動テーブル200と衝突したり球部材120又は支持テーブル300との間に余計な抵抗を生じたりすることがない。
【0030】
移動テーブル200と円錐台コイルバネ103との固定は、移動テーブル200と移動テーブル200に取り付けられる4つの支持部材105との間に大径端部108を係止することにより行われる。
【0031】
支持部材105は、直方体の一隅を大径端部108と略同径の円柱により円柱の軸と直方体の一辺とが平行となるような方向で切除した形状をなし、移動テーブル200方向に突出する螺子部107を有する。円柱で切除されることにより形成された円弧付近における支持部材105の移動テーブル200側の平面には、円錐台コイルバネ103の線径と略同じ深さの溝部110が刻まれる。円錐台コイルバネは、大径端部108の円周上であって円周方向に均等に配された4カ所において、溝部110に大径端部108を嵌合させて係止される。螺子部107は移動テーブル200に開けられた貫通孔203を通じてキャスタ100とは反対側の面から突出する。移動テーブル200においてキャスタ100の反対側の面に突出した螺子部107はナット106と螺合する。これにより支持部材105は移動テーブル200に固定され、大径端部108は支持部材105と移動テーブル200との間に挟まれて円錐台コイルバネ103は移動テーブル200に固定される。
【0032】
移動テーブル200の支持テーブル300に対向する面には、接着剤又は図示しない螺子等により磁石202が3つ設けられる。磁石202は、移動テーブル200における一辺の両端部付近とその一辺に対向する辺の中央部にそれぞれ位置する。支持テーブル300は磁性材料からなり、移動テーブル200は磁力によって支持テーブル300に引き寄せられ、支持テーブル300に対して垂直方向に拘束される。
【0033】
磁石202と磁性材料から成る支持テーブル300との作用により、本実施形態による移動テーブル200が重力に対して垂直に設けられなくても、支持テーブル300と移動テーブル200とが離れてしまうことがない。
【0034】
次に、図6を用いて移動テーブル200が支持テーブル300に対して移動するときの各部材の動作について説明する。説明のため、球部材102は移動テーブル200及び支持テーブル300との間では滑らないものとする。
【0035】
移動テーブル200に駆動力が加えられると、移動テーブル200は駆動力が与えられた方向に支持テーブル300に対して移動する。移動テーブル200を支持テーブル300に対して支持する球部材102は、移動テーブル200との間に生じる摩擦力によって回転する。例えば、図において右方向に移動テーブル200が移動すると、球部材102は時計回りに回転する。
【0036】
球部材102が回転し、支持テーブル300に対して一定量を移動すると、移動テーブル200も球部材102に対して同じ量を移動する。そのため、移動テーブル200が支持テーブル300に対して移動する量は球部材102の移動量と移動テーブル200の球部材102に対する移動量とを加えた値となる。すなわち、移動テーブル200の移動量は球部材102の移動量の倍となる。
【0037】
球部材102の移動量は移動テーブル200の半分であるため、移動テーブル200に対して球部材102は相対的に移動方向とは反対の方向に移動する。球部材102は、圧力伝達部材104との間のクリアランス量を移動すると、圧力伝達部材104に接触する。
【0038】
さらに駆動力を移動テーブル200に加えると、球部材102は移動テーブル200に対してさらに移動して圧力伝達部材104に圧力を加える。圧力伝達部材104の周囲には円錐台コイルバネ103がクリアランスを持って配される。球部材102の圧力により圧力伝達部材104がクリアランス量を移動すると、圧力伝達部材104は円錐台コイルバネ103に接触する。円錐台コイルバネ103は、圧力伝達部材104を介して伝えられる球部材102からの圧力に対抗する。すなわち、図において移動テーブル200が右方向に移動すると、球部材102は移動テーブル200に対して左方向に移動する。移動した球部材102は圧力伝達部材104と接触して円錐台コイルバネ103に圧力を加える。
【0039】
円錐台コイルバネ103は線径が小さく、初期横弾性係数が十分小さいものが好ましい。これにより、球部材102が円錐台コイルバネ103へ圧力を加え始めたときに円錐台コイルバネ103から球部材102に加えられる抗力を小さくできる。すなわち、球部材102と圧力伝達部材104との間の摩擦力を小さくすることができ、移動テーブル200の走行抵抗を小さくすることができる。
【0040】
図7を用いて移動テーブル200の移動量と走行抵抗との関係について説明する。
【0041】
X軸は移動テーブル200の移動量であり、Y軸は移動テーブル200の走行抵抗を示す。本実施形態によるキャスタ100は、移動テーブル200の最大移動量は6mm、最大走行抵抗は3gとして設計される。球部材102、圧力伝達部材104、及び円錐台コイルバネ103のそれぞれの間にはクリアランスが0.5mmずつ設けられる。移動テーブル200に駆動力を加えると、球部材102はクリアランスの量だけ移動して圧力伝達部材104と接触し、圧力伝達部材104は円錐台コイルバネ103と接触する。この過程では、球部材102は圧力伝達部材104を介して円錐台コイルバネ103から力を加えられることがない。そのため、移動テーブル200はクリアランス量を移動するときには走行抵抗を生じることなく移動する。
【0042】
球部材102、圧力伝達部材104、及び円錐台コイルバネ103が接触すると、円錐台コイルバネ103から抗力が圧力伝達部材104に加えられて、圧力伝達部材104と球部材102との間に摩擦力を生じる。この摩擦力は前述のように円錐台コイルバネの働きにより、小さく抑えることができる。摩擦力は走行抵抗を生じるため、円錐台コイルバネ103が移動テーブル200の移動量に従い変形して圧力伝達部材104への抗力を増加させると、移動テーブル200の走行抵抗が増加する。
【0043】
第2の実施形態について図8を用いて説明する。第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0044】
本実施形態では弾性部材としてコイルバネ121が用いられる。第1の実施形態と同様に転動部材は球部材102であり円筒形である圧力伝達部材104の内部に配される。圧力伝達部材104の周囲には移動テーブル200から突出する支持部材120が設けられる。支持部材120は正方形の断面を有する筒状であって、中心軸方向の長さは球部材102の半径よりもやや長い。内辺の長さは、圧力伝達部材104の外径に2つのコイルバネの自由長とクリアランスを加えた値となる。支持部材120は、中心軸を圧力伝達部材104の中心軸と略同軸となるように移動テーブル200から突出して、圧力伝達部材104から一定の距離を置くように配される。支持部材120の内面にはコイルバネ121の一端が軸を支持部材120に対して垂直となるように取り付けられ、他端は移動テーブル200の移動方向において球部材102の最も突出した部位に相当する圧力伝達部材104の部位に接触する。
【0045】
本実施形態によれば、コイルバネ121が圧力伝達部材104を介して球部材102の移動を抑制して、移動テーブル200の走行抵抗を低く抑えることができる。
【0046】
第3の実施形態について図9を用いて説明する。他の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0047】
本実施形態では弾性部材として板バネ131が用いられる。第1の実施形態と同様に転動部材は球部材102であり円筒形である圧力伝達部材104の内部に配される。圧力伝達部材104の周囲には、第2の実施形態と同様に移動テーブル200から突出する支持部材130が設けられる。支持部材130の内辺の長さは、圧力伝達部材104の外直径に2つの板バネ131の自由長とクリアランスを加えた値となる。支持部材130の内面には板バネ131の一端が取り付けられ、他端は移動テーブル200の移動方向において球部材102の最も突出した部位に相当する圧力伝達部材104の部位に接触する。
【0048】
本実施形態によれば、板バネ131が圧力伝達部材104を介して球部材102の移動を抑制して、移動テーブル200の走行抵抗を低く抑えることができる。
【0049】
なお、転動部材は円柱状の円柱部材であっても良い。移動テーブルは一方向に移動可能であり、円柱部材における移動テーブルの移動方向にはそれぞれ平板状の圧力伝達部材が設けられる。圧力伝達部材と移動テーブルとの間には弾性部材が取り付けられて、円柱部材の移動テーブルに対する移動を抑制する。
【0050】
なお、キャスタ100は支持テーブル200に3つ以上設けられればよい。
【0051】
また、コイルバネ109は移動テーブル200ではなく、支持テーブル300に固定されても良い。移動テーブル200の重量を軽減して走行抵抗を減少させることが出来る。
【0052】
磁石202を支持テーブル300に設け、移動テーブル200は磁性体からなるものであっても良い。移動テーブル200を支持テーブル300に対して垂直方向に拘束することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の実施形態におけるキャスタ付きテーブルの斜視図である。
【図2】キャスタ付きテーブルの図1におけるII−II線での断面図である。
【図3】キャスタ部分の断面を示した一部断面図である。
【図4】キャスタを固定するナットを省略したキャスタ付きテーブルの斜視図である。
【図5】移動テーブル側から見たキャスタ部分の上面図である。
【図6】移動テーブルの移動時におけるキャスタ部分の断面を示した一部断面図である。
【図7】移動テーブルの移動量と走行抵抗との関係を示したグラフである。
【図8】第2の実施形態におけるキャスタ部分の上面図である。
【図9】第3の実施形態におけるキャスタ部分の上面図である。
【符号の説明】
【0054】
10 キャスタ付きテーブル
100 キャスタ
102 転動部材
103 弾性部材
104 圧力伝達部材
105 支持部材
106 ナット
200 移動テーブル
202 磁石
300 支持テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を支持体に対して一又は二方向へ移動可能に支持するキャスタであって、
前記移動体と前記支持体は互いに対向する対向面をそれぞれ有し、
前記移動体が移動する方向に平行かつ前記対向面に垂直な平面における断面が円形状であって、前記移動体及び前記支持体の前記対向面に接触して支持する転動部材と、
前記移動体の移動方向への前記転動部材の移動を抑制する弾性部材から成るキャスタ。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記移動体の移動方向において前記転動部材の最も突出した部位で前記転動部材と接触することにより、前記転動部材の移動を抑制することを特徴とする請求項1に記載のキャスタ。
【請求項3】
前記転動部材と前記弾性部材との間には圧力伝達部材が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のキャスタ。
【請求項4】
一方向に移動可能な前記移動体を支持するキャスタであって、前記転動部材は円柱状であることを特徴とする請求項1に記載のキャスタ。
【請求項5】
前記転動部材と前記弾性部材との間には圧力伝達部材が設けられることを特徴とする、請求項4に記載のキャスタ。
【請求項6】
前記転動部材は球形状であることを特徴とする請求項1に記載のキャスタ。
【請求項7】
前記転動部材と前記弾性部材との間には圧力伝達部材が設けられることを特徴とする、請求項6に記載のキャスタ。
【請求項8】
前記圧力伝達部材は、軸方向長さが前記転動部材の直径よりも短く、内径が前記転動部材の直径よりも長い円筒状であって、中心軸が前記支持体と垂直になるよう設けられ、
前記転動部材は前記圧力伝達部材の内側に配されることを特徴とする請求項7に記載のキャスタ。
【請求項9】
前記弾性部材はコイルバネであることを特徴とする請求項1に記載のキャスタ。
【請求項10】
前記コイルバネは円錐台状のコイルバネであることを特徴とする請求項9に記載のキャスタ。
【請求項11】
前記コイルバネの軸方向長さは、前記転動部材の半径と略同じ長さであることを特徴とする請求項9に記載のキャスタ。
【請求項12】
前記コイルバネにおける最も直径が大きい大径端部は、前記コイルバネの中心軸が前記移動体と垂直となるように前記移動体又は前記支持体に固定されることを特徴とする請求項11に記載のキャスタ。
【請求項13】
前記転動部材と前記コイルバネとの間には圧力伝達部材が設けられ、
前記圧力伝達部材は、軸方向長さが前記転動部材の直径よりも短く、内径が前記転動部材の直径よりも長い円筒状であって、前記コイルバネと互いの中心軸を略同軸とするように前記コイルバネの内部に設けられ、
前記転動部材は前記圧力伝達部材の内側に配されることを特徴とする請求項12に記載のキャスタ。
【請求項14】
前記移動体又は前記支持体は、前記移動体の移動方向における前記転動部材の周囲を一定の距離を置いて突出した支持部材を備え、
前記コイルバネは前記転動部材と前記支持部材の間に設けられ、前記移動体の移動方向において前記転動部材の最も突出した部位で前記転動部材と接触することにより、前記転動部材の移動を抑制することを特徴とする請求項1に記載のキャスタ。
【請求項15】
前記弾性部材は板バネであることを特徴とする請求項1に記載のキャスタ。
【請求項16】
前記移動体又は前記支持体は、前記移動体の移動方向における前記転動部材の周囲を一定の距離を置いて突出した支持部材を備え、
前記板バネは前記転動部材と前記支持部材の間に設けられ、前記移動体の移動方向において前記転動部材の最も突出した部位で前記転動部材と接触することにより、前記転動部材の移動を抑制することを特徴とする請求項15に記載のキャスタ。
【請求項17】
前記支持体は磁性材料から成り、前記移動体には磁石が取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のキャスタ。
【請求項18】
前記移動体は磁性材料から成り、前記支持体には磁石が取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のキャスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−44477(P2008−44477A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−220461(P2006−220461)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)