説明

キャビネット

【課題】シャッタ扉をもって開閉しうる箱体の開口部における全開扉時の間口を、開口幅より幅広の物品を収容したい場合にのみ、最大限に拡張させることができるようにする。
【解決手段】前向き開放された箱体1の前面開口部3を、箱体1の外側に配置された外側板4と、箱体1内における物品収容空間2の左右に配置された内側板5との間の左右の扉収容空間6にそれぞれ収容可能とされた左右方向に摺動可能なシャッタ扉7をもって開閉しうるようにしたキャビネットにおいて、シャッタ扉7における戸当りスラット10の裏面に、ストッパ部材18を突出させて設け、このストッパ部材18を、通常は、前記内側板5の先端部5aに当接する戸当りとして機能させるとともに、当接位置から非当接位置に向けて移動させた際に、前記戸当りスラット10の少なくとも一部を、前記扉収容空間6内に収容可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等の執務空間で、物品を収容するために使用されるキャビネットに係り、特に、箱体の開口部をシャッタ扉をもって開閉しうるようにしたキャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシャッタ扉付きキャビネットにおいては、前向き開放された箱体の開口部を、左右方向に摺動可能な左右1対のシャッタ扉をもって開閉しうるようにしたものが知られている(特許文献1、2および3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−164820号公報(図5)
【特許文献2】実用新案登録第2512047号公報(図4)
【特許文献3】実用新案登録第2575750号公報(図1、2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記したようなキャビネットにおけるシャッタ扉による開閉構造では、戸当りスラットが扉収容空間に収容されてしまうと、把手部も収容されることとなり、操作性を損なってしまうため、把手部を形成する戸当りスラットが、シャッタ扉の全開状態においても、箱体内の扉収容空間に収容されないように構成されており、戸当りスラット幅に相当する分、開口部における間口幅が狭くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、シャッタ扉をもって開閉しうる箱体の開口部における全開扉時の間口を、開口幅より幅広の物品を収容したい場合にのみ、最大限に拡張させることができるようにしたキャビネットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 前向き開放された箱体の前面開口部を、箱体の外側に配置された外側板と、箱体内における物品収容空間の左右に配置された内側板との間の左右の扉収容空間にそれぞれ収容可能とされた左右方向に摺動可能なシャッタ扉をもって開閉しうるようにしたキャビネットにおいて、シャッタ扉における戸当りスラットの裏面に、ストッパ部材を突出させて設け、このストッパ部材を、通常は、前記内側板の先端部に当接する戸当りとして機能させるとともに、当接位置から非当接位置に向けて移動させた際に、前記戸当りスラットの少なくとも一部を、前記扉収容空間内に収容可能にする。
【0007】
(2) 上記(1)項において、ストッパ部材を、前方に押込み操作することによって、内側板の先端部に当接する位置から非当接位置に向けて移動させる。
【0008】
(3) 上記(1)または(2)項において、ストッパ部材の両端に、円弧状に湾曲させた弾性片を斜め後方に向かって延出させ、この弾性片の端部を、前記戸当りスラットの内面に摺動可能に当接させるとともに、前記弾性片の弾性変形により、付勢力が付与されるようにする。
【0009】
(4) 上記(3)項において、ストッパ部材の両弾性片間に、戸当りスラットの内面に離間して対応する規制部材を設け、前記弾性片の付勢力に抗するストッパ部材の押込み操作による規制部材の前記戸当りスラットへの内面に当接により、弾性片端部の摺動幅を規制する。
【0010】
(5) 上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、戸当りスラットの内側面に対応するストッパ部材の側部に、突起を設け、この突起を、前記戸当りスラットの内面に形成したガイド孔にスライド可能に係合させる。
【0011】
(6) 上記(1)項において、シャッタ扉における戸当りスラットの裏面に、回動自在に軸支されたストッパ部材を突出させて設け、このストッパ部材を、通常は、前記内側板の先端部に当接する戸当りとして機能させるとともに、当接位置から非当接位置に向けて回動させた際に、前記戸当りスラットの少なくとも一部を、前記扉収容空間内に収容可能にする。
【0012】
(7) 前向き開放された箱体の前面開口部を、箱体の外側に配置された外側板と、箱体内における物品収容空間の左右に配置された内側板との間の扉収容空間に収容された左右方向に摺動可能なシャッタ扉をもって開閉しうるようにしたキャビネットにおいて、前記内側板の先端部に、前方に向かって付勢されたストッパ部材を突出させて設け、該ストッパ部材の突出により、通常は、シャッタ扉における戸当りスラットの端部に当接する戸当りとして機能させるとともに、前記ストッパ部材の付勢力に抗する後方への押込み操作により、前記戸当りスラットの少なくとも一部を、前記扉収容空間内に収容可能にする。
【0013】
(8) 前向き開放された箱体の前面開口部を、箱体の外側に配置された外側板と、箱体内における物品収容空間の左右に配置された内側板との間の扉収容空間に収容された左右方向に摺動可能なシャッタ扉をもって開閉しうるようにしたキャビネットにおいて、シャッタ扉における戸当りスラットの裏面に、上下方向のいずれか一方に付勢されたスライド自在なストッパ部材を突出させて設け、このストッパ部材を、通常は、前記内側板の先端部に当接する戸当りとして機能させるとともに、当接位置から付勢力に抗して上下方向のいずれかの位置にスライドさせた際に、前記内側板の先端部に形成した切欠部に整合しうるようにして非当接位置とし、前記戸当りスラットの少なくとも一部を、前記扉収容空間内に収容可能にする。
【0014】
(9)上記(1)〜(8)項のいずれかにおいて、シャッタ扉は、左右1対のシャッタ扉からなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
請求項1記載の発明によると、ストッパ部材を、通常は、内側板の先端部に当接する戸当りとして機能させるとともに、当接位置から非当接位置に向けて移動させた際に、戸当りスラットの少なくとも一部を、扉収容空間内に収容可能にしているため、必要に応じて、箱体における開口部の間口を最大限に拡張させることができる。
【0016】
請求項2記載の発明によると、ストッパ部材を、前方に押込み操作することによって、内側板の先端部に当接する位置から非当接位置に向けて移動させているため、ストッパ部材を容易に操作することができる。
【0017】
請求項3記載の発明によると、戸当りスラットの内面に、ストッパ部材の両端に円弧状に湾曲させて延出させた弾性片の端部を摺動可能に当接させてあるため、弾性片の付勢力によるストッパ部材の突出、及び付勢力に抗する押込み操作を円滑に行える。
【0018】
請求項4記載の発明によると、ストッパ部材の両弾性片間に設けた規制部材で、ストッパ部材の付勢力に抗する押込み操作による弾性片端部の摺動幅を規制しているため、ストッパ部材の過剰な押込み操作を防止することができる。
【0019】
請求項5記載の発明によると、ストッパ部材の側部に設けた突起を、戸当りスラットの内側面に形成したガイド孔にスライド可能に係合させているので、ストッパ部材の押込み/突出動作を円滑に行うことができる。
【0020】
請求項6記載の発明によると、ストッパ部材を、通常は、内側板の先端部に当接する戸当りとして機能させるとともに、当接位置から非当接位置に向けて回動させた際に、戸当りスラットの少なくとも一部を、扉収容空間内に収容可能にしているため、必要に応じて、箱体における開口部の間口を最大限に拡張させることができる。
【0021】
請求項7記載の発明によると、通常は、シャッタ扉における戸当りスラットの端部に当接する戸当りとして機能するストッパ部材の押込み操作により、戸当りスラットの少なくとも一部を扉収容空間内に収容可能にしているため、必要に応じて、箱体における開口部の間口を最大限に拡張させることができる。
【0022】
請求項8記載の発明によると、ストッパ部材を、上下方向のいずれか一方に付勢してスライド自在に突出させ、通常は、内側板の先端部に当接する戸当りとして機能させるとともに、当接位置から付勢力に抗して上下方向のいずれかの位置にスライドさせた際に、内側板の先端部に形成した切欠部に整合しうるようにして非当接位置とし、戸当りスラットの少なくとも一部を、扉収容空間内に収容可能にしているため、必要に応じて、箱体における開口部の間口を最大限に拡張させることができる。
【0023】
請求項9記載の発明によると、左右1対のシャッタ扉により、箱体の開口部の開閉を簡単かつ容易に行えるとともに、各シャッタ扉の摺動範囲が短くなるため、使い勝手もよく、しかも、物品の収容/取出しの際、必要とするシャッタ扉側のみを操作するだけでよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るキャビネットの第1実施形態におけるストッパ機構を備えたシャッタ扉の閉扉状態を示す正面図、図2は、同じく、シャッタ扉の開扉状態を示す正面図、図3は、図2のIII−III矢印方向における一部破断して示す拡大横断面図、図4は、シャッタ扉の戸当りスラットへのストッパ部材の取付け状態を示す裏面側から見た要部拡大斜視図、図5は、シャッタ扉の戸当りスラットへのストッパ部材の取付け状態を分解して示す裏面側から見た要部拡大分解斜視図、図6は、ストッパ部材の裏面側から見た拡大斜視図、図7は、ストッパ部材の前面側から見た拡大斜視図、図8は、ストッパ部材の押込みによるシャッタ扉の最大限の開扉状態を一部破断して示す拡大横断面図である。
【0025】
本発明のキャビネットは、図1、図2及び図3に示すように、箱体1を備え、この箱体1内における物品収容空間2の前面には、開口部3が形成されている。箱体1の左右両側面は、外側に配置された外側板4、4と 、前記物品収容空間2の左右に配置された内側板5、5により形成されており、これら外側板4、4と内側板5、5との間には、ガイドレールとなる扉収容空間6、6が形成されている。
【0026】
前記各扉収容空間6、6には、図3に示すように、左右1対のシャッタ扉7、7がそれぞれ収容されており、これらシャッタ扉7、7は、箱体1の前面開口部3に向け、左右方向に引出し自在に摺動可能になっているとともに、箱体1の前面開口部3を、閉扉(図1参照)あるいは開扉(図2参照)しうるようになっている。
【0027】
前記シャッタ扉7は、複数本のスラット8をフレキシブルに連結して形成され、その前端は、把手部9が設けられた戸当りスラット10により形成されている。この戸当りスラット10は、図4及び図5に示すように、前面パネル枠11、中間パネル枠12及び裏面パネル枠13からなる中空構造を有する。
前記前面パネル枠11は、左右の両端縁11a、11aを後方に折曲させ、その裏面11bに、平面視コ字型をなす中間パネル枠12の前面板12aを重合させて接合し、中間パネル枠12の平面視コ字型の最後面12bを、裏面パネル枠13の平面視コ字型をなす嵌入部14に嵌合させて接合するとともに、裏面パネル枠13の嵌入部14の左右一端から前方に向けL字型に延出させて形成した凹部15の前端15aと、中間パネル枠12の側端12cを接合することにより組み付けられている。
【0028】
前記戸当りスラット10を形成する裏面パネル枠13における凹部15の底面15bには、縦長矩形状の貫通孔16が上下方向に向けて形成され、その側面15cには、ガイド孔17が前後方向に向けて形成されており、これらの貫通孔16及びガイド孔17には、合成樹脂等からなるストッパ部材18が組み付けられるようになっている。
【0029】
前記ストッパ部材18は、図6及び図7に示すように、縦長直方体状の基部19と、この基部19における前記凹部15の側面15cに対面する側面19aから後方に向けて延びる操作板20と、前記基部19の前面19bにおける上下端に、前方に向け円弧状に湾曲させて上下方向に延出させた1対の弾性片21、21と、これら両弾性片21、21間の中央部に位置する前記基部19の前面19bに前方に向け突出させた規制杆22と、前記基部19の側面19aに突出させた突起23とから、シャッタ扉7における戸当りスラット10のストッパ機構を構成している。
【0030】
すなわち、前記ストッパ部材18は、図5に示すように、各戸当りスラット10を形成する裏面パネル枠13の前面13a側から後面13b側に向けて、貫通孔16を通して凹部15の底面15bに臨ませ、基部19と操作板20が、戸当りスラット10における裏面側の後方に向けて突出するようになっている。
また、両弾性片21、21の両端部21a、21aは、戸当りスラット10の内面に相当する中間パネル枠12に摺動可能に当接させて、その弾性変形により、前方から後方に向け付勢力が付与されるようになっているとともに、基部19の側面19aに突出させた突起23(図7参照)を、凹部15の側面15cに形成したガイド孔17に係合させて組み付けられている。
このとき、基部19の前面19bに突出させた規制杆22は、戸当りスラット10における中間パネル枠12の前面板12aから離間している。
【0031】
なお、符号24は、戸当りスラット10における戸当り面10aの上下方向に装着したゴム等の中空弾性体からなる緩衝部材、符号25(図1参照)は、一方の戸当りスラット10に設けた施錠装置としての鍵穴である。
【0032】
次に、本発明のキャビネットにおけるシャッタ扉7、7の開閉動作を説明する。まず、図2に示す開扉状態の箱体1の前面開口部3を閉扉するには、図3に示すように、物品収容空間2における左右の扉収容空間6、6にそれぞれ収容されたシャッタ扉7、7を、各戸当りスラット10に設けた把手部9(図2参照)に手を掛けて、左右方向に引出し摺動させ、図1に示すように、箱体1の前面開口部3を閉扉するとともに、鍵穴25にキー(図示せず)を差し込んで施錠する。
【0033】
図1に示す閉扉状態から、箱体1の前面開口部3を開扉するには、鍵穴25にキー(図示せず)を差し込んで解錠し、各戸当りスラット10に設けた把手部9に手を掛けて、各々のシャッタ扉7、7を、それぞれ左右方向に摺動させて、図2及び図3に示すように、左右の扉収容空間6、6に収容する。
このとき、各シャッタ扉7は、ストッパ部材18の基部19が戸当りスラット10の裏面に突出状態にあるため、基部19は、扉収容空間6を形成する内側板5の前側先端部5aに当接し、これにより、戸当りスラット10は、扉収容空間6内に収容されることはなく、通常は、全体が外部に露出された状態にある。
【0034】
この開扉状態において、戸当りスラット10を、必要に応じて扉収容空間6内に収容し、箱体1における前面開口部3の間口幅を拡幅するには、図8に示すように、戸当りスラット10の裏面側に突出するストッパ部材18の操作板20を、図4に矢印で示すように、弾性片21、21の弾性変形による付勢力に抗して、後方から前方に向け押し込み、この操作板20の押込み操作により、ストッパ部材18の基部19を戸当りスラット10内に押し入れることによって、ストッパ部材18を当接位置から非当接位置に向けて移動しうるようになっている。
これにより、扉収容空間6を形成する内側板5の前端先端部5aが、ストッパ部材18における操作板20の基部20a(図6参照)に当接する状態になるまで、シャッタ扉7を開き、戸当りスラット10の少なくとも一部を、扉収容空間6内に収容可能にし、箱体1における前面開口部3の間口幅を、最大限に拡張させることができる。
このとき、ストッパ部材18における基部19の前面19bに突出させた規制杆22(図7参照)は、戸当りスラット10における中間パネル枠12の前面板12a側に当接し、弾性片21、21における両端部21a、21aの上下方向の摺動幅が規制されるようになっているため、ストッパ部材18の基部19の過剰な押込み動作が防止される。
【0035】
なお、前記第1実施形態におけるストッパ機構では、ストッパ部材18を、戸当りスラット10側に設けたが、扉収容空間6を形成する内側板5の前側先端部5a側に設けてもよい。この場合には、ストッパ部材18は、弾性片21、21により、前方に向かって付勢されるようにして、基部19を、扉収容空間6の前端を閉塞するように突出させ、このストッパ部材18の基部19の突出により、通常は、シャッタ扉7における戸当りスラット10の端部に当接する戸当りとして機能させるとともに、弾性片21、21の付勢力に抗するストッパ部材18の後方への押込み操作により、戸当りスラット10の少なくとも一部を、扉収容空間6内に収容可能になるように構成すればよい。
【0036】
図9は、本発明に係る第2実施形態のストッパ機構における戸当りスラットへのストッパ部材の取付け状態を示すために、裏面側から見た要部拡大斜視図、図10は、ストッパ部材の戸当りスラット内への収容状態を示す要部拡大斜視図である。
【0037】
第2実施形態のストッパ機構においては、図9に示すように、戸当りスラット26における裏面パネル枠27の貫通孔28に、側面視半円形状の基部29からなるストッパ部材30が、軸31をもって上下方向に回動自在に軸支されている。ストッパ部材30の基部29は、貫通孔28から後方に向けて突出させることにより、通常は、戸当りとして機能させるとともに、基部29の下端から裏面パネル枠27に沿って下方に延びる操作板32の操作によって、図9に矢印で示すように、ストッパ部材30を、軸31廻りに上方に回動させて、当接位置から非当接位置に向けて回動させることにより、図10に示すように、基部29を、戸当りスラット26内に収容可能になっている。
【0038】
図11は、本発明に係る第3実施形態のストッパ機構における戸当りスラットへのストッパ部材の取付け状態を示すために、裏面側から見た要部拡大斜視図、図12は、ストッパ部材の戸当りスラット内への収容状態を示す要部拡大斜視図である。
【0039】
第3実施形態のストッパ機構は、図11に示すように、戸当りスラット33を形成する裏面パネル枠34に貫設した上下に延びる矩形の貫通孔35に、ストッパ部材36が上下方向にスライド自在に設けられている。
【0040】
ストッパ部材36は、後面37aが指掛け部として上下方向に側面視半円弧状に凹設された縦長直方体状の基部37と、この基部37の側面部に形成され、かつ裏面パネル枠34の側面34aに係合しうる係合溝38と、基部37の下端に下方に向けて延出させた弾性片39とによって形成されている。
この弾性片39の下端縁39aは、前記裏面パネル枠34に貫設した貫通孔35の下端縁35aに係止されており、基部37を、貫通孔35の上部位置から後方に向けて突出しうるように臨ませることにより、ストッパ部材36が、弾性片39の付勢力により、上方に向けて付勢されるように組み付けられている。
これにより、ストッパ部材36の基部37が、図11に想像線で示すように、前記した扉収容空間を形成する内側板40の前端先端部40aに当接しうるようになっている。
【0041】
内側板40の前端先端部40aには、図11に矢印に示すように、ストッパ部材36を弾性片39の付勢力に抗して、下方に向けてスライドさせた際に、その下降位置における基部37と整合しうる切欠部41が設けられており、この切欠部41と基部37との整合位置を、ストッパ部材36への非当接位置としている。
これにより、ストッパ部材36の基部37は、当接位置から非当接位置に向けてスライドさせることにより、図12に示すように、開扉時に、切欠部41に挿入されて、戸当りスラット33の少なくとも一部を、前記した扉収容空間内に収容可能になっている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係るキャビネットの第1実施形態におけるストッパ機構を備えたシャッタ扉の閉扉状態を示す正面図である。
【図2】同じくシャッタ扉の開扉状態を示す正面図である。
【図3】図2のIII−III線矢印方向における一部破断して示す拡大横断面図である。
【図4】シャッタ扉の戸当りスラットへのストッパ部材の取付け状態を示す裏面側から見た要部拡大斜視図である。
【図5】シャッタ扉の戸当りスラットへのストッパ部材の取付け状態を分解して示す裏面側から見た要部拡大分解斜視図である。
【図6】ストッパ部材の裏面側から見た拡大斜視図である。
【図7】ストッパ部材の前面側から見た拡大斜視図である。
【図8】ストッパ部材の押込みによるシャッタ扉の最大限の開扉状態を一部破断して示す拡大横断面図である。
【図9】本発明に係る第2実施形態のストッパ機構における戸当りスラットへのストッパ部材の取付け状態を示すために、裏面側から見た要部拡大斜視図である。
【図10】ストッパ部材の戸当りスラット内への収容状態を示す要部拡大斜視図である。
【図11】本発明に係る第3実施形態のストッパ機構における戸当りスラットへのストッパ部材の取付け状態を示すために、裏面側から見た要部拡大斜視図である。
【図12】ストッパ部材の戸当りスラット内への収容状態を示す要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 箱体
2 物品収容空間
3 開口部
4 外側板
5 内側板
5a 前端先端部
6 扉収容空間
7 シャッタ扉
8 スラット
9 把手部
10 戸当りスラット
10a 戸当り面
11 前面パネル枠
11a 端縁
11b 裏面
12 中間パネル枠
12a 前面板
12b 最後面
12c 側端
13 裏面パネル枠
13a 前面
13b 後面
14 嵌入部
15 凹部
15a 前縁
15b 底面
15c 側面
16 貫通孔
17 ガイド孔
18 ストッパ部材
19 基部
19a 側面
19b 前面
20 操作板
20a 基部
21 弾性片
21a 端部
22 規制杆
23 突起
24 緩衝部材
25 鍵穴
26 戸当りスラット
27 裏面パネル枠
28 貫通孔
29 基部
30 ストッパ部材
31 軸
32 操作板
33 戸当りスラット
34 裏面パネル枠
34a 側面
35 貫通孔
35a 下端縁
36 ストッパ部材
37 基部
37a 後面
38 係合溝
39 弾性片
39a 下端縁
40 内側板
40a 前端先端部
41 切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前向き開放された箱体の前面開口部を、箱体の外側に配置された外側板と、箱体内における物品収容空間の左右に配置された内側板との間の左右の扉収容空間にそれぞれ収容可能とされた左右方向に摺動可能なシャッタ扉をもって開閉しうるようにしたキャビネットにおいて、
シャッタ扉における戸当りスラットの裏面に、ストッパ部材を突出させて設け、このストッパ部材を、通常は、前記内側板の先端部に当接する戸当りとして機能させるとともに、当接位置から非当接位置に向けて移動させた際に、前記戸当りスラットの少なくとも一部を、前記扉収容空間内に収容可能にしたことを特徴とするキャビネット。
【請求項2】
ストッパ部材を、前方に押込み操作することによって、内側板の先端部に当接する位置から非当接位置に向けて移動させた請求項1記載のキャビネット。
【請求項3】
ストッパ部材の両端に、円弧状に湾曲させた弾性片を斜め後方に向かって延出させ、この弾性片の端部を、前記戸当りスラットの内面に摺動可能に当接させるとともに、前記弾性片の弾性変形により、付勢力が付与されるようにした請求項1または2記載のキャビネット。
【請求項4】
ストッパ部材の両弾性片間に、戸当りスラットの内面に離間して対応する規制部材を設け、前記弾性片の付勢力に抗するストッパ部材の押込み操作による規制部材の前記戸当りスラットの内面への当接により、弾性片端部の摺動幅を規制した請求項3記載のキャビネット。
【請求項5】
戸当りスラットの内側面に対応するストッパ部材の側部に、突起を設け、この突起を、前記戸当りスラットの内面に形成したガイド孔にスライド可能に係合させた請求項1〜4のいずれかに記載のキャビネット。
【請求項6】
シャッタ扉における戸当りスラットの裏面に、回動自在に軸支されたストッパ部材を突出させて設け、このストッパ部材を、通常は、前記内側板の先端部に当接する戸当りとして機能させるとともに、当接位置から非当接位置に向けて回動させた際に、前記戸当りスラットの少なくとも一部を、前記扉収容空間内に収容可能にした請求項1記載のキャビネット。
【請求項7】
前向き開放された箱体の前面開口部を、箱体の外側に配置された外側板と、箱体内における物品収容空間の左右に配置された内側板との間の扉収容空間に収容された左右方向に摺動可能なシャッタ扉をもって開閉しうるようにしたキャビネットにおいて、
前記内側板の先端部に、前方に向かって付勢されたストッパ部材を突出させて設け、該ストッパ部材の突出により、通常は、シャッタ扉における戸当りスラットの端部に当接する戸当りとして機能させるとともに、前記ストッパ部材の付勢力に抗する後方への押込み操作で、前記戸当りスラットの少なくとも一部を、前記扉収容空間内に収容可能にしたことを特徴とするキャビネット。
【請求項8】
前向き開放された箱体の前面開口部を、箱体の外側に配置された外側板と、箱体内における物品収容空間の左右に配置された内側板との間の扉収容空間に収容された左右方向に摺動可能なシャッタ扉をもって開閉しうるようにしたキャビネットにおいて、
シャッタ扉における戸当りスラットの裏面に、上下方向のいずれか一方に付勢されたスライド自在なストッパ部材を突出させて設け、このストッパ部材を、通常は、前記内側板の先端部に当接する戸当りとして機能させるとともに、当接位置から付勢力に抗して上下方向のいずれかの位置にスライドさせた際に、前記内側板の先端部に形成した切欠部に整合しうるようにして非当接位置とし、前記戸当りスラットの少なくとも一部を、前記扉収容空間内に収容可能にしたことを特徴とするキャビネット。
【請求項9】
シャッタ扉は、左右1対のシャッタ扉からなる請求項1〜8のいずれかに記載のキャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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