クライアント環境生成システム、クライアント環境生成方法、クライアント環境生成プログラム、及び記憶媒体
【課題】利用者(ユーザ)と当該利用者に付随する属性を基に、クライアント環境の自動生成を行う。
【解決手段】ユーザ情報管理サーバは、利用者に関する利用者情報を管理する。管理サーバは、利用者と利用者に付随する属性とを基に、利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行い、利用者と利用者に付随する属性を基に、利用者とクライアント環境の関連付けを自動的に行い、利用者に付随する属性が変更された場合、自動的にクライアント環境の削除及び生成と、クライアント環境に対する関連付けとを行う。クライアント環境サーバでは、クライアント環境が稼動する。
【解決手段】ユーザ情報管理サーバは、利用者に関する利用者情報を管理する。管理サーバは、利用者と利用者に付随する属性とを基に、利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行い、利用者と利用者に付随する属性を基に、利用者とクライアント環境の関連付けを自動的に行い、利用者に付随する属性が変更された場合、自動的にクライアント環境の削除及び生成と、クライアント環境に対する関連付けとを行う。クライアント環境サーバでは、クライアント環境が稼動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアント環境生成システムに関し、特にリモートからのコンピュータ利用におけるクライアント環境生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セキュリティの観点からクライアント環境をサーバ上に集約させたシンクライアントシステムが注目されている。シンクライアントシステムでは、クライアント環境を生成し、それに対して接続可能な利用者(ユーザ)や端末を設定し、接続制御を行っていた。この場合、利用者(ユーザ)と利用者(ユーザ)に付随する「属性」に加えて、「クライアント環境」、「クライアント環境と利用者(ユーザ)の接続設定」をそれぞれ個別に管理する必要があり、その分管理工数が必要になる。なお、「属性」は、所属部署、担当業務等を示す。「クライアント環境」は、利用オペレーティングシステム(OS:Operating System)や、利用アプリケーション(AP:Application software)等を示す。「クライアント環境と利用者(ユーザ)の接続設定」は、どの利用者(ユーザ)がどのクライアント環境を利用するかの関連を示す。
【0003】
例えば、利用者(ユーザ)が人事異動で部署変更があった場合、所属部署等の利用者(ユーザ)に付随する属性を変更することに加えて、既存のクライアント環境を削除して、新規クライアント環境を構築することや、利用者(ユーザ)と新規クライアント環境との接続設定を変更すること等の作業が必要になるので、非常に手間がかかる。
【0004】
更に、利用者(ユーザ)の情報とクライアント環境と接続先設定の3つが個別に管理されている場合、人的ミスで3つの情報の間に不整合が生じる可能性が高い。それによって以下のような不都合が考えられる。
(1)管理者がクライアント環境を生成し忘れたり、接続先設定をし忘れたりすると利用者(ユーザ)がクライアント環境に接続できない。
(2)管理者が使用しないクライアント環境を消し忘れ、セキュリティホールに繋がる。
(3)管理者が間違って別の利用者(ユーザ)に接続先設定をしてしまうと、不正な利用者(ユーザ)がクライアント環境に接続できてしまう。
【0005】
関連する技術として、特開2004−171412号公報(特許文献1)に仮想PC(Personal Computer)レンタルシステムが開示されている。
この関連技術は、クライアント端末から仮想PCの貸出の申し込みが入力された場合に、仮想PCのIDと仮想PC名を生成し、それらをユーザIDと対応付けて登録する。クライアント端末で利用者(ユーザ)が仮想PC名を入力した場合に、該当する仮想PC環境を貸し出すことでネットワーク経由での仮想PC環境利用を可能にする。また、仮想PC環境と共にソフトウェアも同時に貸し出すことができ、利用者(ユーザ)は利用する仮想PC環境と、利用するソフトウェアを自由に選択できる。しかし本技術は、個人に対するレンタルを目的としており、仮想PC環境の統一的な管理や仮想PC環境の自動削除といったことまでは言及されておらず、利用者(ユーザ)の人事異動などが頻繁に発生する組織内での運用は難しい。
【0006】
また、特開2000−003333号公報(特許文献2)にクライアント・サーバ・システム及び記録媒体が開示されている。
この関連技術では、それぞれユーザ別のデータ処理実行環境を記憶管理する少なくとも一つのサーバ・コンピュータと、少なくとも一つのクライアント・コンピュータとを含むクライアント・サーバ・システムにおいて、何れかのクライアント・コンピュータで、利用者(ユーザ)のデータ処理実行環境を設定する際には、各サーバ・コンピュータは、要求のあった利用者(ユーザ)のクライアント・コンピュータに当該利用者(ユーザ)のデータ処理実行環境をコピーするようにしている。
【0007】
また、特開2005−107851号公報(特許文献3)にクライアントのセットアップ方法、及びサーバクライアントシステムが開示されている。
この関連技術では、企業別アプリケーションインストーラは、顧客企業別に個別にインストールが必要なアプリケーションをインストールし、企業別の環境設定をする。企業別アプリケーションインストーラは、顧客企業別に、予め生成され、記憶部に格納されている。クライアントで企業別設定スクリプトが実行されると、そのクライアントを利用する利用者(ユーザ)の識別情報に基づき、その利用者(ユーザ)が所属する企業に対応した企業別アプリケーションインストーラが実行される。
【0008】
また、特開2005−242999号公報(特許文献4)にアプリケーション統合管理システムが開示されている。
この関連技術では、アプリケーションポリシーDB(データベース)の各レコードは、ポリシーを識別するためのIDと、統合システムへの招集又は統合システムからの退出などの種別を示すポリシー種別と、このポリシー種別に応じて連携すべきアプリケーションの識別子が主体となっており、更に、ポリシーを管理するためのIDを示すexitと、退出状況と、退出すべきアプリケーション名などのブロックから構成される。なお、退出すべきアプリケーションは、連携が必要なアプリケーション識別子のうち、アプリケーション又はアプリケーションに設定されたアプリケーションが終了したときには、統合システムから退出することを定義するものである。
【0009】
また、特開平8−161393号公報(特許文献5)に業務システムが開示されている。
この関連技術では、ファイルサーバは、各クライアントが共用するファイルを管理する計算機であり、組織構成情報と前記送付先情報のファイルの実体を記憶している。組織構成情報は、組織の役職と組織の構成と利用者(ユーザ)の関連を登録した情報である。各クライアント上の組織構成情報は、仮想ファイルである。ファイルサーバ上に組織構成情報のファイル実体を配置し、業務管理クライアント及び作業実行クライアントで共用することにより、組織構成情報をネットワーク上で唯一とし、ネットワークを利用する組織内での整合を図っている。
【0010】
【特許文献1】特開2004−171412号公報
【特許文献2】特開2000−003333号公報
【特許文献3】特開2005−107851号公報
【特許文献4】特開2005−242999号公報
【特許文献5】特開平8−161393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
セキュリティ向上や情報の一括管理という観点から、クライアント環境をサーバに集約させ、利用者(ユーザ)はリモートの端末機器から、そのクライアント環境に接続して利用するシステムが注目されている。しかし、このようなシステムでは、クライアント環境をサーバに生成した後、そのクライアント環境に接続する利用者(ユーザ)との関連付けを行う必要がある。従って、生成されたクライアント環境の管理、利用者(ユーザ)の情報の管理、利用者(ユーザ)とクライアント環境の接続設定、の3つの情報を別々に管理する必要があり、管理工数が多くなる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のクライアント環境生成システムは、利用者に関する利用者情報を管理するユーザ情報管理サーバと、前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行う管理サーバと、前記クライアント環境が稼動するクライアント環境サーバとを含む。
【0013】
本発明のクライアント環境生成方法は、利用者に関する利用者情報を管理するステップと、前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行うステップと、前記クライアント環境を稼動するステップとを含む。
【0014】
本発明のクライアント環境生成プログラムは、利用者に関する利用者情報を管理するステップと、前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行うステップと、前記クライアント環境を稼動するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0015】
本発明の記憶媒体は、利用者に関する利用者情報を管理するステップと、前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行うステップと、前記クライアント環境を稼動するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納している。
【発明の効果】
【0016】
利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性の管理だけで、利用するクライアント環境の生成と接続先設定が自動的に行われるので、管理コストが削減できる。また、管理する情報を少なくすることで人的ミスによる影響を低くし、結果として業務の効率化やセキュリティ向上にも繋がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明のクライアント環境生成システムは、ユーザ情報管理サーバ10と、管理サーバ20と、クライアント環境サーバ30とを含む。
【0018】
ユーザ情報管理サーバ10は、利用者情報を管理している。管理サーバ20は、クライアント環境生成と接続管理を行う。クライアント環境サーバ30は、利用者(ユーザ)が接続するクライアント環境を持つ。すなわち、クライアント環境は、クライアント環境サーバ30上で稼動する。なお、実際には、ユーザ情報管理サーバ10、管理サーバ20、クライアント環境サーバ30は、同一のサーバ装置でも良い。例えば、ユーザ情報管理サーバ10、管理サーバ20、クライアント環境サーバ30の各々は、同一のサーバ装置上で稼動する仮想マシン(VM:Virtual Machine)環境でも良い。
【0019】
ユーザ情報管理サーバ10は、ユーザ情報処理部11と、ユーザ組織テーブル12とを備えている。
【0020】
ユーザ情報処理部11は、ユーザ組織テーブル12の参照を行う。また、ユーザ情報処理部11は、管理サーバ20からの要求に応じて、ユーザ組織テーブル12を管理サーバ20に提供する。また、ユーザ情報処理部11は、利用者(ユーザ)に付随する属性が変更されたとき、自動的に、利用者(ユーザ)と変更された利用者(ユーザ)に付随する属性との関連付けを行い、ユーザ組織テーブル12の更新を行う。
【0021】
ユーザ組織テーブル12は、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性との対応に関する情報を格納している。ここでは、ユーザ組織テーブル12は、利用者(ユーザ)がどのグループに所属しているかを示す人事情報であり、利用者(ユーザ)と所属グループとの対応に関する情報を格納している。
【0022】
図2を参照して、ユーザ組織テーブル12の形式の例について説明する。
ユーザ組織テーブル12は、「アカウント」と、「グループ」を含む。「アカウント」と「グループ」は関連付けられている。「アカウント」と「グループ」は1対1で対応していると好適である。ここでは、「アカウント」には、利用者Aが格納され、「グループ」には、人事部が格納されている。また、「アカウント」には、利用者Bが格納され、「グループ」には、人事部が格納されている。また、「アカウント」には、利用者Cが格納され、「グループ」には、企画部が格納されている。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0023】
管理サーバ20は、クライアント管理処理部21と、クライアント環境設定テーブル22と、セッション管理部23と、接続先設定テーブル24とを備えている。
【0024】
クライアント管理処理部21は、ユーザ情報処理部11から取得したユーザ組織テーブル12を参照し、クライアント環境設定テーブル22から利用者(ユーザ)に対してどのクライアント環境のひな型を使用するかを判断し、クライアント環境サーバ30にクライアント環境を利用者(ユーザ)の数だけ生成する。この時のクライアント環境は、選択されたひな型によって、OS(Operating System)や業務アプリケーション(AP)の種類が異なる。
【0025】
クライアント環境設定テーブル22は、利用者(ユーザ)に付随する属性とクライアント環境のひな型との対応に関する情報を格納している。
【0026】
図3を参照して、クライアント環境設定テーブル22の形式の例について説明する。
クライアント環境設定テーブル22は、「テンプレート」と、「グループ」を含む。「テンプレート」と「グループ」は関連付けられている。「テンプレート」と「グループ」は1対1で対応していると好適である。ここでは、「テンプレート」には、テンプレート1が格納され、「グループ」には、人事部が格納されている。また、「テンプレート」には、テンプレート2が格納され、「グループ」には、企画部が格納されている。なお、テンプレートは、クライアント環境のひな型であり、クライアント環境で使用されるOS(Operating System)や業務アプリケーション(AP)が定義されている。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0027】
セッション管理部23は、クライアント管理処理部21がクライアント環境を生成すると同時に、利用者(ユーザ)がどのクライアント環境に接続するかの関連付けを接続先設定テーブル24に格納する。そして、セッション管理部23は外部から接続要求があったときに、接続先設定テーブル24を参照し、利用者を適切なクライアント環境に接続する。
【0028】
接続先設定テーブル24は、利用者(ユーザ)とその利用者(ユーザ)が接続するクライアント環境との関連に関する情報を格納している。
【0029】
図4を参照して、接続先設定テーブル24の形式の例について説明する。
接続先設定テーブル24は、「アカウント」と、「クライアント環境」を含む。「アカウント」と「クライアント環境」は関連付けられている。「アカウント」と「クライアント環境」は1対1で対応していると好適である。ここでは、「アカウント」には、利用者Aが格納され、「クライアント環境」には、クライアント環境Aが格納されている。また、「アカウント」には、利用者Bが格納され、「クライアント環境」には、クライアント環境Bが格納されている。また、「アカウント」には、利用者Cが格納され、「クライアント環境」には、クライアント環境Cが格納されている。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0030】
クライアント環境サーバ30は、クライアント環境31(31−i、i=1〜n:nは任意)を備えている。
【0031】
クライアント環境31(31−i、i=1〜n)は、OS(Operating System)や業務アプリケーション(AP)を含み、利用者(ユーザ)が接続する環境を指す。
【0032】
次に、具体例を用いて本実施形態の動作について説明する。
図5を参照すると、本発明のクライアント環境生成システムは、ユーザ情報管理サーバ10と、管理サーバ20と、クライアント環境サーバ30と、端末40(40−j、j=1〜m:mは利用者数)を含む。
【0033】
ユーザ情報管理サーバ10、管理サーバ20、及びクライアント環境サーバ30については、図1と同様である。ここでは、クライアント環境31の例として、クライアント環境A:31−1、クライアント環境B:31−2、クライアント環境C:31−3を示す。
【0034】
端末40(40−j、j=1〜m)は、利用者(ユーザ)が使用する端末である。ここでは、利用者Aが使用する端末を端末A:40−1とする。また、利用者Bが使用する端末を端末B:40−2とする。
【0035】
図6を参照して、本実施形態における動作について説明する。
(1)ステップS101
図5に示すように、クライアント環境設定テーブル22にはテンプレートとグループの関連、ユーザ組織テーブル12にはアカウントとグループの関連、がそれぞれ格納されている。初期状態では、まだ接続先テーブル24には何も格納されていない。所定の利用者(ユーザ)のクライアント環境を生成する場合、管理サーバ20は、ユーザ組織テーブル12を参照して当該利用者(ユーザ)に付随する属性を取得する。例えば、利用者Aのクライアント環境を生成する場合、管理サーバ20は、ユーザ組織テーブル12を参照して利用者Aに付随する属性を取得する。図5では、利用者Aに付随する属性は人事部である。ここでは、管理サーバ20は、利用者Aの端末A:40−1からの要求に応じて、ユーザ組織テーブル12を参照して利用者Aに付随する属性を取得する。或いは、管理サーバ20は、予め設定された条件に応じて、ユーザ組織テーブル12を参照して利用者Aに付随する属性を取得するようにしても良い。
(2)ステップS102
管理サーバ20は、クライアント環境設定テーブル22で人事部に関連付けされているテンプレートAを選択し、選択されたテンプレートAに基づいてクライアント管理サーバ30にクライアント環境A:31−1を生成する。同時に、接続先設定テーブル24に利用者Aとクライアント環境Aとの関連に関する情報を格納する。利用者Bの場合も同様に、管理サーバ20はユーザ組織テーブル12を参照して利用者Bに付随する属性を取得する。図5では、利用者Bに付随する属性は企画部である。次に、クライアント環境設定テーブル22で企画部に関連付けられているテンプレートBを選択し、それに基づいてクライアント管理サーバ30にクライアント環境B:31−2を生成する。同時に、接続先設定テーブル24に利用者Bとクライアント環境Bとの関連に関する情報を格納する。このようにして、全ての利用者(ユーザ)に対してクライアント環境の生成を行い、その関連付けを格納する。
(3)ステップS103
接続先設定テーブル24は、シンクライアントにおけるセッション管理の機能に利用できる。例えば、利用者Aが端末A:40−1からクライアント環境を利用する場合、まず、管理サーバ20に接続する。管理サーバ20は、利用者Aの端末A:40−1からの接続を受けて、接続先設定テーブル24から利用者Aに関連付けられているクライアント環境A:31−1の情報を取得し、端末A:40−1に通知する。利用者Bの場合も同様である。
(4)ステップS104
端末A:40−1は、通知されたクライアント環境A:31−1の情報に基づいて、クライアント環境A:31−1に接続する。利用者Bの場合も同様に、端末B:40−2からクライアント環境B:31−2に接続することができる。
(5)ステップS105
ここで、ユーザ組織テーブル12が変更され、利用者Aの所属するグループが「企画部」に変更されると、ユーザ情報管理サーバ10は、管理サーバ20に、ユーザ組織テーブル12の変更内容を通知する。
(6)ステップS106
管理サーバ20は、ユーザ組織テーブル12の変更内容を受け取り、変更内容に基づいて、接続先設定テーブル24とクライアント環境設定テーブル22を照らし合わせる。例えば、管理サーバ20は、変更されたユーザ組織テーブル12と、接続先設定テーブル24及びクライアント環境設定テーブル22の各々とを照合し、接続先設定テーブル24及びクライアント環境設定テーブル22を変更する。この場合、管理サーバ20は、クライアント環境設定テーブル22において、テンプレートAからテンプレートBへ変更し、クライアント環境を再構成する必要があると認識する。
(7)ステップS107
次に、管理サーバ20は、接続先設定テーブル24から利用者Aが使用するクライアント環境はクライアント環境A:31−1であると認識し、クライアント環境A:31−1を削除すると同時に接続先設定テーブル24からも利用者Aの関連を削除する。その後、管理サーバ20は、テンプレートBからクライアント環境C:31−3を生成し、接続先設定テーブル24に利用者Aとクライアント環境C:31−3の関連に関する情報を保存する。クライアント環境C:31−3のOS(Operating System)や業務アプリケーション(AP)はテンプレートBに基づいて生成されたクライアント環境B:31−2のものと同一になる。利用者Aは特に意識することなく、端末A:40−1からクライアント環境C:31−3に接続し、新しい環境を利用することができる。
【0036】
次に、本発明の効果について説明する。
本発明の第1の効果は、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性を基に、クライアント環境の自動生成が行えることである。
本発明の第2の効果は、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性を基に、利用者(ユーザ)と、利用者(ユーザ)が接続するクライアント環境の関連付けが自動的に行えることである。
本発明の第3の効果は、利用者(ユーザ)に付随する属性が変更されたとき、自動的にクライアント環境の生成/削除と、そのクライアント環境に対する関連付けが行えることである。
【0037】
以下に、本発明の第2実施形態について詳細に説明する。
図7に示すように、ユーザ組織テーブル12には利用者(ユーザ)に付随する属性を1つだけでなく複数選択することもできる。ここでは、ユーザ組織テーブル12は、「テンプレート」と、「部署」と、「業務」と、「役職」を含む。この例では、「部署」「業務」「役職」が全て利用者(ユーザ)に付随する属性に相当する。これらの属性のそれぞれに対してクライアント環境設定テーブル22でテンプレートを設定することができる。クライアント環境設定テーブル22で、「Null」とは「全て」もしくは「指定無し」を表している。従って、利用者(ユーザ)に付随する属性が「部署=人事部」であれば、「業務」や「役職」を問わず、テンプレートAが選択されることになる。ユーザ組織テーブル12では、利用者Aがそれに該当する。テンプレートBの場合は、「部署=企画部」且つ「業務=製品企画」であれば選択されることになり、ユーザ組織テーブル12では利用者Bがそれに該当する。テンプレートCは「部署=企画部」且つ「業務=計画」且つ「役職=部長」の場合に選択され、ユーザ組織テーブル12では利用者Cがそれに該当する。
【0038】
図8を参照して、本実施形態における動作について説明する。
(1)ステップS201
所定の利用者(ユーザ)のクライアント環境を生成する場合、管理サーバ20は、ユーザ組織テーブル12を参照して当該利用者(ユーザ)に付随する複数の属性を取得し、クライアント環境設定テーブル22で複数の属性のそれぞれに関連付けされているテンプレートを選択する。
(2)ステップS202
管理サーバ20は、選択されたテンプレートに基づいてクライアント管理サーバ30にクライアント環境を生成する。例えば、テンプレートAによって生成されたクライアント環境A:31−1とテンプレートBによって生成されたクライアント環境B:31−2とは、OS(Operating System)や業務アプリケーション(AP)などの内容が異なる。また、クライアント環境C:31−3のように1つのテンプレートで複数のOS(Operating System)の環境を生成することもでき、利用者(ユーザ)が2つのOS(Operating System)の環境を自由に切り替えながら使用することができる。
(3)ステップS203
また、ユーザ組織テーブル12に変更があった場合、自動的にクライアント環境も変更される。例えば、利用者Aの「部署」が「企画部」に、「業務」が「計画」に変更された場合は、クライアント環境A:31−1を削除すると共に、新たにテンプレートCに基づいてクライアント環境A´が生成される。そして利用者Aは新しいクライアント環境A´に接続し、利用することができる。しかし、利用者Bの「役職」が「課長」に変更されても、クライアント環境設定テーブル22で選択されるテンプレートは変わらないので、クライアント環境Bの削除は行われず、今まで通りクライアント環境B:31−2に接続することになる。単に利用者Aのアカウントが削除された場合は、自動的にクライアント環境A:31−1を削除する。
(4)ステップS204
第1実施形態と同様に、管理サーバ20は、接続先設定テーブル24には利用者(ユーザ)とクライアント環境との関連に関する情報を保存し、利用者(ユーザ)とクライアント環境との関連に変更があった場合には、自動的に接続先設定テーブル24を書き換える。
【0039】
ユーザ組織テーブル12は、CSV(Comma Separated Values:カンマ区切り)形式のようなテキストデータでも、アクティブディレクトリ(Active Directory(登録商標))のようなディレクトリサービスでも良い。
【0040】
以下に、本発明の第3実施形態について詳細に説明する。
図9に示すように、クライアント環境設定テーブル22にはテンプレートではなく、アプリケーションのリストを登録することもできる。この場合、ベースとなるOS(Operating System)は同じで、OSの上にインストールされるアプリケーション(AP)をオプションとして選択できる。
【0041】
ここでは、クライアント環境設定テーブル22は、「アプリケーションリスト」と、「部署」と、「業務」と、「役職」を含む。この例では、「部署」「業務」「役職」が全て利用者(ユーザ)に付随する属性に相当する。「アプリケーションリスト」には、OSやAPの識別情報が格納されている。これらのOSやAPは、クライアント環境31(31−i、i=1〜n)上で動作する。すなわち、OSやAPは、クライアント環境31(31−i、i=1〜n)に組み込まれる。
【0042】
図10を参照して、本実施形態における動作について説明する。
(1)ステップS301
クライアント管理処理部21は、ユーザ組織テーブル12を参照して利用者(ユーザ)に付随する少なくとも1つの属性を取得する。
(2)ステップS302
クライアント管理処理部21は、クライアント環境設定テーブル22を参照し、利用者(ユーザ)に付随する属性の各々に応じて、OSやAPを選択する。
(3)ステップS303
クライアント管理処理部21は、選択されたOSやAPに基づいて、クライアント環境サーバ30にクライアント環境を生成する。
【0043】
図9を参照すると、ユーザ組織テーブル12における利用者Aは、クライアント環境設定テーブル22で、「部署=人事部」に該当するため、AP1とAP2が選択され、「役職=部長」に該当するため、AP5が選択され、クライアント環境A:31−1が生成される。このクライアント環境A:31−1では、ベースのOS(Operating System)がOS_1:31−1−0になり、その上にAP1:31−1−1、AP2:31−1−2、AP5:31−1−3がインストールされた状態で生成される。このとき、クライアント管理処理部21は、クライアント環境設定テーブル22を参照し、利用者Aに付随する属性の各々に応じて、AP1、AP2、及びAP5を選択し、クライアント環境サーバ30にクライアント環境A:31−1を生成する。
【0044】
同様に、利用者Bは「部署=人事部」に該当するため、AP1とAP2が選択され、クライアント環境B:31−2が生成される。このクライアント環境B:31−2では、ベースのOSがOS_1:31−2−0になり、その上にAP1:31−2−1、AP2:31−2−2、AP5:31−2−3がインストールされた状態で生成される。
OS(Operating System)は選択されなければ基本のものが使用されるが、アプリケーションリストにOS(Operating System)の種類を含めると、そのOS(Operating System)をベースにして環境を生成することもできる。
【0045】
利用者Cの場合は、「部署=企画部」「業務=計画」「役職=部長」に該当するため、AP3とAP4とAP5とOS_2が選択され、クライアント環境C:31−1−3が生成される。このクライアント環境C:31−3では、ベースのOSがOS_2:31−3−0になり、その上にAP3:31−3−1、AP4:31−3−2、AP5:31−3−3がインストールされた状態で生成される。また、第1実施形態と同様に、接続先設定テーブル24には利用者(ユーザ)とクライアント環境との関連に関する情報を保存する。
【0046】
以下に、本発明の第4実施形態について詳細に説明する。
図11に示すように、実際には、OS(Operating System)やアプリケーション(AP)はライセンスが付属している場合も多いので、生成されたクライアント環境に対してのライセンス管理も行う必要がある。クライアント環境設定テーブル22には残りライセンスを設定することができ、クライアント環境を生成するたびに数が減っていく。この数が0になると、そのテンプレートからはクライアント環境が生成できなくなる。すなわち、残りライセンスは、クライアント環境を生成可能な回数を示す。
【0047】
ここでは、クライアント環境設定テーブル22は、「テンプレート」と、「部署」と、「業務」と、「役職」と、「残りライセンス」を含む。この例では、「部署」「業務」「役職」が全て利用者(ユーザ)に付随する属性に相当する。「残りライセンス」は、クライアント環境の生成可能回数を示す。すなわち、「残りライセンス」の数だけ、クライアント環境が生成できる。
【0048】
図12を参照して、本実施形態における動作について説明する。
(1)ステップS401
クライアント管理処理部21は、ユーザ組織テーブル12を参照して利用者(ユーザ)に付随する少なくとも1つの属性を取得する。
(2)ステップS402
クライアント管理処理部21は、クライアント環境設定テーブル22を参照し、利用者(ユーザ)に付随する属性の各々に応じたテンプレートの残りライセンスを確認する。このとき、クライアント管理処理部21は、残りライセンスが0であれば、処理を終了する。
(3)ステップS403
クライアント管理処理部21は、残りライセンスが1以上であれば、クライアント環境設定テーブル22を参照し、利用者(ユーザ)に付随する属性の各々に応じたテンプレートを選択し、選択されたテンプレートに基づいて、クライアント環境サーバ30にクライアント環境を生成する。
(4)ステップS404
クライアント管理処理部21は、クライアント環境を1つ生成すると、該当するクライアント環境設定テーブル22の残りライセンスを1減らす。
(5)ステップS405
クライアント管理処理部21は、クライアント環境が1つ消失すると、該当するクライアント環境設定テーブル22の残りライセンスを1増やす。
【0049】
図11を参照すると、クライアント管理処理部21は、利用者Aに対して、クライアント環境設定テーブル22のテンプレートAに基づいてクライアント環境A:31−1を生成する。そして、クライアント環境が生成されると、クライアント管理処理部21は、クライアント環境設定テーブル22の残りライセンスを「20」から「19」に変更する。
【0050】
同様に、クライアント管理処理部21は、利用者Bに対して、クライアント環境B:31−2を生成する。クライアント環境B:31−2が生成されると、クライアント管理処理部21は、テンプレートBの残りライセンスは「10」から「9」に変更する。
【0051】
クライアント管理処理部21は、利用者Cに対して、クライアント環境C:31−3を生成する。クライアント環境C:31−3が生成されると、クライアント管理処理部21は、テンプレートCの残りライセンスは「1」から「0」に変更する。
【0052】
次に、クライアント管理処理部21は、利用者Dに対して、テンプレートCに基づいてクライアント環境D:31−4を生成しようとするが、残りライセンスが「0」になっているため、実際にはクライアント環境D:31−4を生成しない。また、第1実施形態と同様に、接続先設定テーブル24には利用者(ユーザ)とクライアント環境との関連に関する情報を保存する。
【0053】
なお、本発明の各実施形態は、組み合わせて実施することが可能である。
【0054】
以上のように、本発明では、ユーザ管理サーバ10には、ユーザ情報処理部11とユーザ組織テーブル12が存在する。ユーザ組織テーブル12には利用者(ユーザ)と利用者(ユーザ)が所属する部署や業務などのグループが格納されており、ユーザ情報処理部11はそれらの情報を処理する。
【0055】
管理サーバ20には、クライアント環境設定テーブル22が存在する。これには、ユーザ組織テーブル12内のグループに対してどのようなクライアント環境を生成するかのひな型が格納されている。
【0056】
管理サーバ20は、ユーザ組織テーブル12の情報を取得し、その情報を基に、利用者(ユーザ)が利用するクライアント環境のひな型を選択する。そのひな型は、クライアント環境設定テーブル22から利用者(ユーザ)に付随する属性に基づいて選択される。選択されたひな型からクライアント管理処理部21は、クライアント環境サーバ30にクライアント環境31(31−i、i=1〜n)を生成する。ユーザ組織テーブル12に格納されている利用者(ユーザ)の数だけクライアント環境は、生成される。
【0057】
それと同時に、管理サーバ20は、セッション管理部23で、生成されたクライアント環境(100−1〜100−n)と利用者(ユーザ)との関連付けを接続先設定テーブル24に格納する。従って、利用者(ユーザ)がどのクライアント環境を利用するかという対応付けが接続先設定テーブル24に格納される。
【0058】
これにより、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性の管理だけで、利用するクライアント環境の生成と接続先設定が自動的に行われるので、管理コストが削減できる。また、管理する情報を少なくすることで人的ミスによる影響を低くし、結果として業務の効率化やセキュリティ向上にも繋がる。
【0059】
本発明では、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性を基に、クライアント環境の自動生成が行える。また、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性を基に、利用者(ユーザ)と、利用者(ユーザ)が接続するクライアント環境の関連付けが自動的に行える。利用者(ユーザ)に付随する属性が変更されたとき、自動的にクライアント環境の生成/削除と、生成されたクライアント環境に対する関連付けが行える。
【0060】
本発明を利用することで、リモート端末からコンピュータに接続してクライアント環境を利用する場合に、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性を基にクライアント環境の自動生成/削除や接続制御を行うことで利用者(ユーザ)の人事異動に影響されないシステムを構築できる。このようなシステムの例として、シンクライアントシステムが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、本発明のクライアント環境生成システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、ユーザ組織テーブルの形式の例を示す図である。
【図3】図3は、クライアント環境設定テーブルの形式の例を示す図である。
【図4】図4は、接続先設定テーブルの形式の例を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態における構成例を示す概念図である。
【図6】図6は、第1実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、第2実施形態における構成例を示す概念図である。
【図8】図8は、第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は、第3実施形態における構成例を示す概念図である。
【図10】図10は、第3実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は、第4実施形態における構成例を示す概念図である。
【図12】図12は、第4実施形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
10… ユーザ情報管理サーバ
11… ユーザ情報処理部
12… ユーザ組織テーブル
20… 管理サーバ
21… クライアント管理処理部
22… クライアント環境設定テーブル
23… セッション管理部
24… 接続先設定テーブル
30… クライアント環境サーバ
31(−i、i=1〜n)… クライアント環境
40(−j、j=1〜m)… 端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアント環境生成システムに関し、特にリモートからのコンピュータ利用におけるクライアント環境生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セキュリティの観点からクライアント環境をサーバ上に集約させたシンクライアントシステムが注目されている。シンクライアントシステムでは、クライアント環境を生成し、それに対して接続可能な利用者(ユーザ)や端末を設定し、接続制御を行っていた。この場合、利用者(ユーザ)と利用者(ユーザ)に付随する「属性」に加えて、「クライアント環境」、「クライアント環境と利用者(ユーザ)の接続設定」をそれぞれ個別に管理する必要があり、その分管理工数が必要になる。なお、「属性」は、所属部署、担当業務等を示す。「クライアント環境」は、利用オペレーティングシステム(OS:Operating System)や、利用アプリケーション(AP:Application software)等を示す。「クライアント環境と利用者(ユーザ)の接続設定」は、どの利用者(ユーザ)がどのクライアント環境を利用するかの関連を示す。
【0003】
例えば、利用者(ユーザ)が人事異動で部署変更があった場合、所属部署等の利用者(ユーザ)に付随する属性を変更することに加えて、既存のクライアント環境を削除して、新規クライアント環境を構築することや、利用者(ユーザ)と新規クライアント環境との接続設定を変更すること等の作業が必要になるので、非常に手間がかかる。
【0004】
更に、利用者(ユーザ)の情報とクライアント環境と接続先設定の3つが個別に管理されている場合、人的ミスで3つの情報の間に不整合が生じる可能性が高い。それによって以下のような不都合が考えられる。
(1)管理者がクライアント環境を生成し忘れたり、接続先設定をし忘れたりすると利用者(ユーザ)がクライアント環境に接続できない。
(2)管理者が使用しないクライアント環境を消し忘れ、セキュリティホールに繋がる。
(3)管理者が間違って別の利用者(ユーザ)に接続先設定をしてしまうと、不正な利用者(ユーザ)がクライアント環境に接続できてしまう。
【0005】
関連する技術として、特開2004−171412号公報(特許文献1)に仮想PC(Personal Computer)レンタルシステムが開示されている。
この関連技術は、クライアント端末から仮想PCの貸出の申し込みが入力された場合に、仮想PCのIDと仮想PC名を生成し、それらをユーザIDと対応付けて登録する。クライアント端末で利用者(ユーザ)が仮想PC名を入力した場合に、該当する仮想PC環境を貸し出すことでネットワーク経由での仮想PC環境利用を可能にする。また、仮想PC環境と共にソフトウェアも同時に貸し出すことができ、利用者(ユーザ)は利用する仮想PC環境と、利用するソフトウェアを自由に選択できる。しかし本技術は、個人に対するレンタルを目的としており、仮想PC環境の統一的な管理や仮想PC環境の自動削除といったことまでは言及されておらず、利用者(ユーザ)の人事異動などが頻繁に発生する組織内での運用は難しい。
【0006】
また、特開2000−003333号公報(特許文献2)にクライアント・サーバ・システム及び記録媒体が開示されている。
この関連技術では、それぞれユーザ別のデータ処理実行環境を記憶管理する少なくとも一つのサーバ・コンピュータと、少なくとも一つのクライアント・コンピュータとを含むクライアント・サーバ・システムにおいて、何れかのクライアント・コンピュータで、利用者(ユーザ)のデータ処理実行環境を設定する際には、各サーバ・コンピュータは、要求のあった利用者(ユーザ)のクライアント・コンピュータに当該利用者(ユーザ)のデータ処理実行環境をコピーするようにしている。
【0007】
また、特開2005−107851号公報(特許文献3)にクライアントのセットアップ方法、及びサーバクライアントシステムが開示されている。
この関連技術では、企業別アプリケーションインストーラは、顧客企業別に個別にインストールが必要なアプリケーションをインストールし、企業別の環境設定をする。企業別アプリケーションインストーラは、顧客企業別に、予め生成され、記憶部に格納されている。クライアントで企業別設定スクリプトが実行されると、そのクライアントを利用する利用者(ユーザ)の識別情報に基づき、その利用者(ユーザ)が所属する企業に対応した企業別アプリケーションインストーラが実行される。
【0008】
また、特開2005−242999号公報(特許文献4)にアプリケーション統合管理システムが開示されている。
この関連技術では、アプリケーションポリシーDB(データベース)の各レコードは、ポリシーを識別するためのIDと、統合システムへの招集又は統合システムからの退出などの種別を示すポリシー種別と、このポリシー種別に応じて連携すべきアプリケーションの識別子が主体となっており、更に、ポリシーを管理するためのIDを示すexitと、退出状況と、退出すべきアプリケーション名などのブロックから構成される。なお、退出すべきアプリケーションは、連携が必要なアプリケーション識別子のうち、アプリケーション又はアプリケーションに設定されたアプリケーションが終了したときには、統合システムから退出することを定義するものである。
【0009】
また、特開平8−161393号公報(特許文献5)に業務システムが開示されている。
この関連技術では、ファイルサーバは、各クライアントが共用するファイルを管理する計算機であり、組織構成情報と前記送付先情報のファイルの実体を記憶している。組織構成情報は、組織の役職と組織の構成と利用者(ユーザ)の関連を登録した情報である。各クライアント上の組織構成情報は、仮想ファイルである。ファイルサーバ上に組織構成情報のファイル実体を配置し、業務管理クライアント及び作業実行クライアントで共用することにより、組織構成情報をネットワーク上で唯一とし、ネットワークを利用する組織内での整合を図っている。
【0010】
【特許文献1】特開2004−171412号公報
【特許文献2】特開2000−003333号公報
【特許文献3】特開2005−107851号公報
【特許文献4】特開2005−242999号公報
【特許文献5】特開平8−161393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
セキュリティ向上や情報の一括管理という観点から、クライアント環境をサーバに集約させ、利用者(ユーザ)はリモートの端末機器から、そのクライアント環境に接続して利用するシステムが注目されている。しかし、このようなシステムでは、クライアント環境をサーバに生成した後、そのクライアント環境に接続する利用者(ユーザ)との関連付けを行う必要がある。従って、生成されたクライアント環境の管理、利用者(ユーザ)の情報の管理、利用者(ユーザ)とクライアント環境の接続設定、の3つの情報を別々に管理する必要があり、管理工数が多くなる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のクライアント環境生成システムは、利用者に関する利用者情報を管理するユーザ情報管理サーバと、前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行う管理サーバと、前記クライアント環境が稼動するクライアント環境サーバとを含む。
【0013】
本発明のクライアント環境生成方法は、利用者に関する利用者情報を管理するステップと、前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行うステップと、前記クライアント環境を稼動するステップとを含む。
【0014】
本発明のクライアント環境生成プログラムは、利用者に関する利用者情報を管理するステップと、前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行うステップと、前記クライアント環境を稼動するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0015】
本発明の記憶媒体は、利用者に関する利用者情報を管理するステップと、前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行うステップと、前記クライアント環境を稼動するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納している。
【発明の効果】
【0016】
利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性の管理だけで、利用するクライアント環境の生成と接続先設定が自動的に行われるので、管理コストが削減できる。また、管理する情報を少なくすることで人的ミスによる影響を低くし、結果として業務の効率化やセキュリティ向上にも繋がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明のクライアント環境生成システムは、ユーザ情報管理サーバ10と、管理サーバ20と、クライアント環境サーバ30とを含む。
【0018】
ユーザ情報管理サーバ10は、利用者情報を管理している。管理サーバ20は、クライアント環境生成と接続管理を行う。クライアント環境サーバ30は、利用者(ユーザ)が接続するクライアント環境を持つ。すなわち、クライアント環境は、クライアント環境サーバ30上で稼動する。なお、実際には、ユーザ情報管理サーバ10、管理サーバ20、クライアント環境サーバ30は、同一のサーバ装置でも良い。例えば、ユーザ情報管理サーバ10、管理サーバ20、クライアント環境サーバ30の各々は、同一のサーバ装置上で稼動する仮想マシン(VM:Virtual Machine)環境でも良い。
【0019】
ユーザ情報管理サーバ10は、ユーザ情報処理部11と、ユーザ組織テーブル12とを備えている。
【0020】
ユーザ情報処理部11は、ユーザ組織テーブル12の参照を行う。また、ユーザ情報処理部11は、管理サーバ20からの要求に応じて、ユーザ組織テーブル12を管理サーバ20に提供する。また、ユーザ情報処理部11は、利用者(ユーザ)に付随する属性が変更されたとき、自動的に、利用者(ユーザ)と変更された利用者(ユーザ)に付随する属性との関連付けを行い、ユーザ組織テーブル12の更新を行う。
【0021】
ユーザ組織テーブル12は、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性との対応に関する情報を格納している。ここでは、ユーザ組織テーブル12は、利用者(ユーザ)がどのグループに所属しているかを示す人事情報であり、利用者(ユーザ)と所属グループとの対応に関する情報を格納している。
【0022】
図2を参照して、ユーザ組織テーブル12の形式の例について説明する。
ユーザ組織テーブル12は、「アカウント」と、「グループ」を含む。「アカウント」と「グループ」は関連付けられている。「アカウント」と「グループ」は1対1で対応していると好適である。ここでは、「アカウント」には、利用者Aが格納され、「グループ」には、人事部が格納されている。また、「アカウント」には、利用者Bが格納され、「グループ」には、人事部が格納されている。また、「アカウント」には、利用者Cが格納され、「グループ」には、企画部が格納されている。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0023】
管理サーバ20は、クライアント管理処理部21と、クライアント環境設定テーブル22と、セッション管理部23と、接続先設定テーブル24とを備えている。
【0024】
クライアント管理処理部21は、ユーザ情報処理部11から取得したユーザ組織テーブル12を参照し、クライアント環境設定テーブル22から利用者(ユーザ)に対してどのクライアント環境のひな型を使用するかを判断し、クライアント環境サーバ30にクライアント環境を利用者(ユーザ)の数だけ生成する。この時のクライアント環境は、選択されたひな型によって、OS(Operating System)や業務アプリケーション(AP)の種類が異なる。
【0025】
クライアント環境設定テーブル22は、利用者(ユーザ)に付随する属性とクライアント環境のひな型との対応に関する情報を格納している。
【0026】
図3を参照して、クライアント環境設定テーブル22の形式の例について説明する。
クライアント環境設定テーブル22は、「テンプレート」と、「グループ」を含む。「テンプレート」と「グループ」は関連付けられている。「テンプレート」と「グループ」は1対1で対応していると好適である。ここでは、「テンプレート」には、テンプレート1が格納され、「グループ」には、人事部が格納されている。また、「テンプレート」には、テンプレート2が格納され、「グループ」には、企画部が格納されている。なお、テンプレートは、クライアント環境のひな型であり、クライアント環境で使用されるOS(Operating System)や業務アプリケーション(AP)が定義されている。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0027】
セッション管理部23は、クライアント管理処理部21がクライアント環境を生成すると同時に、利用者(ユーザ)がどのクライアント環境に接続するかの関連付けを接続先設定テーブル24に格納する。そして、セッション管理部23は外部から接続要求があったときに、接続先設定テーブル24を参照し、利用者を適切なクライアント環境に接続する。
【0028】
接続先設定テーブル24は、利用者(ユーザ)とその利用者(ユーザ)が接続するクライアント環境との関連に関する情報を格納している。
【0029】
図4を参照して、接続先設定テーブル24の形式の例について説明する。
接続先設定テーブル24は、「アカウント」と、「クライアント環境」を含む。「アカウント」と「クライアント環境」は関連付けられている。「アカウント」と「クライアント環境」は1対1で対応していると好適である。ここでは、「アカウント」には、利用者Aが格納され、「クライアント環境」には、クライアント環境Aが格納されている。また、「アカウント」には、利用者Bが格納され、「クライアント環境」には、クライアント環境Bが格納されている。また、「アカウント」には、利用者Cが格納され、「クライアント環境」には、クライアント環境Cが格納されている。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0030】
クライアント環境サーバ30は、クライアント環境31(31−i、i=1〜n:nは任意)を備えている。
【0031】
クライアント環境31(31−i、i=1〜n)は、OS(Operating System)や業務アプリケーション(AP)を含み、利用者(ユーザ)が接続する環境を指す。
【0032】
次に、具体例を用いて本実施形態の動作について説明する。
図5を参照すると、本発明のクライアント環境生成システムは、ユーザ情報管理サーバ10と、管理サーバ20と、クライアント環境サーバ30と、端末40(40−j、j=1〜m:mは利用者数)を含む。
【0033】
ユーザ情報管理サーバ10、管理サーバ20、及びクライアント環境サーバ30については、図1と同様である。ここでは、クライアント環境31の例として、クライアント環境A:31−1、クライアント環境B:31−2、クライアント環境C:31−3を示す。
【0034】
端末40(40−j、j=1〜m)は、利用者(ユーザ)が使用する端末である。ここでは、利用者Aが使用する端末を端末A:40−1とする。また、利用者Bが使用する端末を端末B:40−2とする。
【0035】
図6を参照して、本実施形態における動作について説明する。
(1)ステップS101
図5に示すように、クライアント環境設定テーブル22にはテンプレートとグループの関連、ユーザ組織テーブル12にはアカウントとグループの関連、がそれぞれ格納されている。初期状態では、まだ接続先テーブル24には何も格納されていない。所定の利用者(ユーザ)のクライアント環境を生成する場合、管理サーバ20は、ユーザ組織テーブル12を参照して当該利用者(ユーザ)に付随する属性を取得する。例えば、利用者Aのクライアント環境を生成する場合、管理サーバ20は、ユーザ組織テーブル12を参照して利用者Aに付随する属性を取得する。図5では、利用者Aに付随する属性は人事部である。ここでは、管理サーバ20は、利用者Aの端末A:40−1からの要求に応じて、ユーザ組織テーブル12を参照して利用者Aに付随する属性を取得する。或いは、管理サーバ20は、予め設定された条件に応じて、ユーザ組織テーブル12を参照して利用者Aに付随する属性を取得するようにしても良い。
(2)ステップS102
管理サーバ20は、クライアント環境設定テーブル22で人事部に関連付けされているテンプレートAを選択し、選択されたテンプレートAに基づいてクライアント管理サーバ30にクライアント環境A:31−1を生成する。同時に、接続先設定テーブル24に利用者Aとクライアント環境Aとの関連に関する情報を格納する。利用者Bの場合も同様に、管理サーバ20はユーザ組織テーブル12を参照して利用者Bに付随する属性を取得する。図5では、利用者Bに付随する属性は企画部である。次に、クライアント環境設定テーブル22で企画部に関連付けられているテンプレートBを選択し、それに基づいてクライアント管理サーバ30にクライアント環境B:31−2を生成する。同時に、接続先設定テーブル24に利用者Bとクライアント環境Bとの関連に関する情報を格納する。このようにして、全ての利用者(ユーザ)に対してクライアント環境の生成を行い、その関連付けを格納する。
(3)ステップS103
接続先設定テーブル24は、シンクライアントにおけるセッション管理の機能に利用できる。例えば、利用者Aが端末A:40−1からクライアント環境を利用する場合、まず、管理サーバ20に接続する。管理サーバ20は、利用者Aの端末A:40−1からの接続を受けて、接続先設定テーブル24から利用者Aに関連付けられているクライアント環境A:31−1の情報を取得し、端末A:40−1に通知する。利用者Bの場合も同様である。
(4)ステップS104
端末A:40−1は、通知されたクライアント環境A:31−1の情報に基づいて、クライアント環境A:31−1に接続する。利用者Bの場合も同様に、端末B:40−2からクライアント環境B:31−2に接続することができる。
(5)ステップS105
ここで、ユーザ組織テーブル12が変更され、利用者Aの所属するグループが「企画部」に変更されると、ユーザ情報管理サーバ10は、管理サーバ20に、ユーザ組織テーブル12の変更内容を通知する。
(6)ステップS106
管理サーバ20は、ユーザ組織テーブル12の変更内容を受け取り、変更内容に基づいて、接続先設定テーブル24とクライアント環境設定テーブル22を照らし合わせる。例えば、管理サーバ20は、変更されたユーザ組織テーブル12と、接続先設定テーブル24及びクライアント環境設定テーブル22の各々とを照合し、接続先設定テーブル24及びクライアント環境設定テーブル22を変更する。この場合、管理サーバ20は、クライアント環境設定テーブル22において、テンプレートAからテンプレートBへ変更し、クライアント環境を再構成する必要があると認識する。
(7)ステップS107
次に、管理サーバ20は、接続先設定テーブル24から利用者Aが使用するクライアント環境はクライアント環境A:31−1であると認識し、クライアント環境A:31−1を削除すると同時に接続先設定テーブル24からも利用者Aの関連を削除する。その後、管理サーバ20は、テンプレートBからクライアント環境C:31−3を生成し、接続先設定テーブル24に利用者Aとクライアント環境C:31−3の関連に関する情報を保存する。クライアント環境C:31−3のOS(Operating System)や業務アプリケーション(AP)はテンプレートBに基づいて生成されたクライアント環境B:31−2のものと同一になる。利用者Aは特に意識することなく、端末A:40−1からクライアント環境C:31−3に接続し、新しい環境を利用することができる。
【0036】
次に、本発明の効果について説明する。
本発明の第1の効果は、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性を基に、クライアント環境の自動生成が行えることである。
本発明の第2の効果は、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性を基に、利用者(ユーザ)と、利用者(ユーザ)が接続するクライアント環境の関連付けが自動的に行えることである。
本発明の第3の効果は、利用者(ユーザ)に付随する属性が変更されたとき、自動的にクライアント環境の生成/削除と、そのクライアント環境に対する関連付けが行えることである。
【0037】
以下に、本発明の第2実施形態について詳細に説明する。
図7に示すように、ユーザ組織テーブル12には利用者(ユーザ)に付随する属性を1つだけでなく複数選択することもできる。ここでは、ユーザ組織テーブル12は、「テンプレート」と、「部署」と、「業務」と、「役職」を含む。この例では、「部署」「業務」「役職」が全て利用者(ユーザ)に付随する属性に相当する。これらの属性のそれぞれに対してクライアント環境設定テーブル22でテンプレートを設定することができる。クライアント環境設定テーブル22で、「Null」とは「全て」もしくは「指定無し」を表している。従って、利用者(ユーザ)に付随する属性が「部署=人事部」であれば、「業務」や「役職」を問わず、テンプレートAが選択されることになる。ユーザ組織テーブル12では、利用者Aがそれに該当する。テンプレートBの場合は、「部署=企画部」且つ「業務=製品企画」であれば選択されることになり、ユーザ組織テーブル12では利用者Bがそれに該当する。テンプレートCは「部署=企画部」且つ「業務=計画」且つ「役職=部長」の場合に選択され、ユーザ組織テーブル12では利用者Cがそれに該当する。
【0038】
図8を参照して、本実施形態における動作について説明する。
(1)ステップS201
所定の利用者(ユーザ)のクライアント環境を生成する場合、管理サーバ20は、ユーザ組織テーブル12を参照して当該利用者(ユーザ)に付随する複数の属性を取得し、クライアント環境設定テーブル22で複数の属性のそれぞれに関連付けされているテンプレートを選択する。
(2)ステップS202
管理サーバ20は、選択されたテンプレートに基づいてクライアント管理サーバ30にクライアント環境を生成する。例えば、テンプレートAによって生成されたクライアント環境A:31−1とテンプレートBによって生成されたクライアント環境B:31−2とは、OS(Operating System)や業務アプリケーション(AP)などの内容が異なる。また、クライアント環境C:31−3のように1つのテンプレートで複数のOS(Operating System)の環境を生成することもでき、利用者(ユーザ)が2つのOS(Operating System)の環境を自由に切り替えながら使用することができる。
(3)ステップS203
また、ユーザ組織テーブル12に変更があった場合、自動的にクライアント環境も変更される。例えば、利用者Aの「部署」が「企画部」に、「業務」が「計画」に変更された場合は、クライアント環境A:31−1を削除すると共に、新たにテンプレートCに基づいてクライアント環境A´が生成される。そして利用者Aは新しいクライアント環境A´に接続し、利用することができる。しかし、利用者Bの「役職」が「課長」に変更されても、クライアント環境設定テーブル22で選択されるテンプレートは変わらないので、クライアント環境Bの削除は行われず、今まで通りクライアント環境B:31−2に接続することになる。単に利用者Aのアカウントが削除された場合は、自動的にクライアント環境A:31−1を削除する。
(4)ステップS204
第1実施形態と同様に、管理サーバ20は、接続先設定テーブル24には利用者(ユーザ)とクライアント環境との関連に関する情報を保存し、利用者(ユーザ)とクライアント環境との関連に変更があった場合には、自動的に接続先設定テーブル24を書き換える。
【0039】
ユーザ組織テーブル12は、CSV(Comma Separated Values:カンマ区切り)形式のようなテキストデータでも、アクティブディレクトリ(Active Directory(登録商標))のようなディレクトリサービスでも良い。
【0040】
以下に、本発明の第3実施形態について詳細に説明する。
図9に示すように、クライアント環境設定テーブル22にはテンプレートではなく、アプリケーションのリストを登録することもできる。この場合、ベースとなるOS(Operating System)は同じで、OSの上にインストールされるアプリケーション(AP)をオプションとして選択できる。
【0041】
ここでは、クライアント環境設定テーブル22は、「アプリケーションリスト」と、「部署」と、「業務」と、「役職」を含む。この例では、「部署」「業務」「役職」が全て利用者(ユーザ)に付随する属性に相当する。「アプリケーションリスト」には、OSやAPの識別情報が格納されている。これらのOSやAPは、クライアント環境31(31−i、i=1〜n)上で動作する。すなわち、OSやAPは、クライアント環境31(31−i、i=1〜n)に組み込まれる。
【0042】
図10を参照して、本実施形態における動作について説明する。
(1)ステップS301
クライアント管理処理部21は、ユーザ組織テーブル12を参照して利用者(ユーザ)に付随する少なくとも1つの属性を取得する。
(2)ステップS302
クライアント管理処理部21は、クライアント環境設定テーブル22を参照し、利用者(ユーザ)に付随する属性の各々に応じて、OSやAPを選択する。
(3)ステップS303
クライアント管理処理部21は、選択されたOSやAPに基づいて、クライアント環境サーバ30にクライアント環境を生成する。
【0043】
図9を参照すると、ユーザ組織テーブル12における利用者Aは、クライアント環境設定テーブル22で、「部署=人事部」に該当するため、AP1とAP2が選択され、「役職=部長」に該当するため、AP5が選択され、クライアント環境A:31−1が生成される。このクライアント環境A:31−1では、ベースのOS(Operating System)がOS_1:31−1−0になり、その上にAP1:31−1−1、AP2:31−1−2、AP5:31−1−3がインストールされた状態で生成される。このとき、クライアント管理処理部21は、クライアント環境設定テーブル22を参照し、利用者Aに付随する属性の各々に応じて、AP1、AP2、及びAP5を選択し、クライアント環境サーバ30にクライアント環境A:31−1を生成する。
【0044】
同様に、利用者Bは「部署=人事部」に該当するため、AP1とAP2が選択され、クライアント環境B:31−2が生成される。このクライアント環境B:31−2では、ベースのOSがOS_1:31−2−0になり、その上にAP1:31−2−1、AP2:31−2−2、AP5:31−2−3がインストールされた状態で生成される。
OS(Operating System)は選択されなければ基本のものが使用されるが、アプリケーションリストにOS(Operating System)の種類を含めると、そのOS(Operating System)をベースにして環境を生成することもできる。
【0045】
利用者Cの場合は、「部署=企画部」「業務=計画」「役職=部長」に該当するため、AP3とAP4とAP5とOS_2が選択され、クライアント環境C:31−1−3が生成される。このクライアント環境C:31−3では、ベースのOSがOS_2:31−3−0になり、その上にAP3:31−3−1、AP4:31−3−2、AP5:31−3−3がインストールされた状態で生成される。また、第1実施形態と同様に、接続先設定テーブル24には利用者(ユーザ)とクライアント環境との関連に関する情報を保存する。
【0046】
以下に、本発明の第4実施形態について詳細に説明する。
図11に示すように、実際には、OS(Operating System)やアプリケーション(AP)はライセンスが付属している場合も多いので、生成されたクライアント環境に対してのライセンス管理も行う必要がある。クライアント環境設定テーブル22には残りライセンスを設定することができ、クライアント環境を生成するたびに数が減っていく。この数が0になると、そのテンプレートからはクライアント環境が生成できなくなる。すなわち、残りライセンスは、クライアント環境を生成可能な回数を示す。
【0047】
ここでは、クライアント環境設定テーブル22は、「テンプレート」と、「部署」と、「業務」と、「役職」と、「残りライセンス」を含む。この例では、「部署」「業務」「役職」が全て利用者(ユーザ)に付随する属性に相当する。「残りライセンス」は、クライアント環境の生成可能回数を示す。すなわち、「残りライセンス」の数だけ、クライアント環境が生成できる。
【0048】
図12を参照して、本実施形態における動作について説明する。
(1)ステップS401
クライアント管理処理部21は、ユーザ組織テーブル12を参照して利用者(ユーザ)に付随する少なくとも1つの属性を取得する。
(2)ステップS402
クライアント管理処理部21は、クライアント環境設定テーブル22を参照し、利用者(ユーザ)に付随する属性の各々に応じたテンプレートの残りライセンスを確認する。このとき、クライアント管理処理部21は、残りライセンスが0であれば、処理を終了する。
(3)ステップS403
クライアント管理処理部21は、残りライセンスが1以上であれば、クライアント環境設定テーブル22を参照し、利用者(ユーザ)に付随する属性の各々に応じたテンプレートを選択し、選択されたテンプレートに基づいて、クライアント環境サーバ30にクライアント環境を生成する。
(4)ステップS404
クライアント管理処理部21は、クライアント環境を1つ生成すると、該当するクライアント環境設定テーブル22の残りライセンスを1減らす。
(5)ステップS405
クライアント管理処理部21は、クライアント環境が1つ消失すると、該当するクライアント環境設定テーブル22の残りライセンスを1増やす。
【0049】
図11を参照すると、クライアント管理処理部21は、利用者Aに対して、クライアント環境設定テーブル22のテンプレートAに基づいてクライアント環境A:31−1を生成する。そして、クライアント環境が生成されると、クライアント管理処理部21は、クライアント環境設定テーブル22の残りライセンスを「20」から「19」に変更する。
【0050】
同様に、クライアント管理処理部21は、利用者Bに対して、クライアント環境B:31−2を生成する。クライアント環境B:31−2が生成されると、クライアント管理処理部21は、テンプレートBの残りライセンスは「10」から「9」に変更する。
【0051】
クライアント管理処理部21は、利用者Cに対して、クライアント環境C:31−3を生成する。クライアント環境C:31−3が生成されると、クライアント管理処理部21は、テンプレートCの残りライセンスは「1」から「0」に変更する。
【0052】
次に、クライアント管理処理部21は、利用者Dに対して、テンプレートCに基づいてクライアント環境D:31−4を生成しようとするが、残りライセンスが「0」になっているため、実際にはクライアント環境D:31−4を生成しない。また、第1実施形態と同様に、接続先設定テーブル24には利用者(ユーザ)とクライアント環境との関連に関する情報を保存する。
【0053】
なお、本発明の各実施形態は、組み合わせて実施することが可能である。
【0054】
以上のように、本発明では、ユーザ管理サーバ10には、ユーザ情報処理部11とユーザ組織テーブル12が存在する。ユーザ組織テーブル12には利用者(ユーザ)と利用者(ユーザ)が所属する部署や業務などのグループが格納されており、ユーザ情報処理部11はそれらの情報を処理する。
【0055】
管理サーバ20には、クライアント環境設定テーブル22が存在する。これには、ユーザ組織テーブル12内のグループに対してどのようなクライアント環境を生成するかのひな型が格納されている。
【0056】
管理サーバ20は、ユーザ組織テーブル12の情報を取得し、その情報を基に、利用者(ユーザ)が利用するクライアント環境のひな型を選択する。そのひな型は、クライアント環境設定テーブル22から利用者(ユーザ)に付随する属性に基づいて選択される。選択されたひな型からクライアント管理処理部21は、クライアント環境サーバ30にクライアント環境31(31−i、i=1〜n)を生成する。ユーザ組織テーブル12に格納されている利用者(ユーザ)の数だけクライアント環境は、生成される。
【0057】
それと同時に、管理サーバ20は、セッション管理部23で、生成されたクライアント環境(100−1〜100−n)と利用者(ユーザ)との関連付けを接続先設定テーブル24に格納する。従って、利用者(ユーザ)がどのクライアント環境を利用するかという対応付けが接続先設定テーブル24に格納される。
【0058】
これにより、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性の管理だけで、利用するクライアント環境の生成と接続先設定が自動的に行われるので、管理コストが削減できる。また、管理する情報を少なくすることで人的ミスによる影響を低くし、結果として業務の効率化やセキュリティ向上にも繋がる。
【0059】
本発明では、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性を基に、クライアント環境の自動生成が行える。また、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性を基に、利用者(ユーザ)と、利用者(ユーザ)が接続するクライアント環境の関連付けが自動的に行える。利用者(ユーザ)に付随する属性が変更されたとき、自動的にクライアント環境の生成/削除と、生成されたクライアント環境に対する関連付けが行える。
【0060】
本発明を利用することで、リモート端末からコンピュータに接続してクライアント環境を利用する場合に、利用者(ユーザ)と当該利用者(ユーザ)に付随する属性を基にクライアント環境の自動生成/削除や接続制御を行うことで利用者(ユーザ)の人事異動に影響されないシステムを構築できる。このようなシステムの例として、シンクライアントシステムが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、本発明のクライアント環境生成システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、ユーザ組織テーブルの形式の例を示す図である。
【図3】図3は、クライアント環境設定テーブルの形式の例を示す図である。
【図4】図4は、接続先設定テーブルの形式の例を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態における構成例を示す概念図である。
【図6】図6は、第1実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、第2実施形態における構成例を示す概念図である。
【図8】図8は、第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は、第3実施形態における構成例を示す概念図である。
【図10】図10は、第3実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は、第4実施形態における構成例を示す概念図である。
【図12】図12は、第4実施形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
10… ユーザ情報管理サーバ
11… ユーザ情報処理部
12… ユーザ組織テーブル
20… 管理サーバ
21… クライアント管理処理部
22… クライアント環境設定テーブル
23… セッション管理部
24… 接続先設定テーブル
30… クライアント環境サーバ
31(−i、i=1〜n)… クライアント環境
40(−j、j=1〜m)… 端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に関する利用者情報を管理するユーザ情報管理サーバと、
前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行う管理サーバと、
前記クライアント環境が稼動するクライアント環境サーバと
を含む
クライアント環境生成システム。
【請求項2】
請求項1に記載のクライアント環境生成システムであって、
前記管理サーバは、前記利用者に付随する属性が変更された場合、自動的に前記クライアント環境の削除及び生成を行い、前記利用者に付随する属性と前記クライアント環境との関連付けを行う
クライアント環境生成システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のクライアント環境生成システムであって、
前記ユーザ情報管理サーバは、
前記利用者と前記利用者に付随する属性との対応に関する情報を格納するユーザ組織テーブルと、
前記ユーザ組織テーブルの参照を行い、前記管理サーバからの要求に応じて、前記管理サーバに前記ユーザ組織テーブルを提供し、前記利用者に付随する属性が変更された場合、自動的に前記ユーザ組織テーブルを更新するユーザ情報処理手段と
を具備する
クライアント環境生成システム。
【請求項4】
請求項3に記載のクライアント環境生成システムであって、
前記管理サーバは、
前記利用者に付随する属性と前記クライアント環境のひな型との対応に関する情報を格納するクライアント環境設定テーブルと、
前記ユーザ組織テーブルを参照し、前記利用者に付随する属性に応じて、前記クライアント環境設定テーブルから前記クライアント環境のひな型を取得し、前記利用者の数に応じて、前記クライアント環境サーバに前記クライアント環境を生成するクライアント管理処理手段と
を具備する
クライアント環境生成システム。
【請求項5】
請求項4に記載のクライアント環境生成システムであって、
前記クライアント環境設定テーブルは、前記利用者に付随する属性と前記クライアント環境の基となるアプリケーションのリストとの対応に関する情報を格納し、
前記クライアント管理処理手段は、前記ユーザ組織テーブルを参照し、前記クライアント環境設定テーブルから前記利用者に付随する属性に応じたアプリケーションを取得し、前記利用者の数に応じて、前記クライアント環境サーバに前記クライアント環境を生成する
クライアント環境生成システム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のクライアント環境生成システムであって、
前記管理サーバは、
前記利用者と前記クライアント環境との関連に関する情報を格納する接続先設定テーブルと、
前記クライアント管理処理手段が前記クライアント環境を生成すると同時に、前記利用者と前記利用者に付随する属性を基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者と前記クライアント環境との関連に関する情報を前記接続先設定テーブルに格納し、外部から接続要求があった場合、前記接続先設定テーブルを参照し、前記利用者を前記クライアント環境に接続するセッション管理手段と
を更に具備する
クライアント環境生成システム。
【請求項7】
請求項6に記載のクライアント環境生成システムであって、
前記クライアント環境設定テーブルは、前記クライアント環境を生成可能な回数を示す残りライセンスを更に含み、
前記クライアント管理処理手段は、前記クライアント環境設定テーブルを参照し、前記残りライセンスが1以上であれば、前記クライアント環境サーバに前記クライアント環境を生成し、前記残りライセンスを1減らす
クライアント環境生成システム。
【請求項8】
利用者に関する利用者情報を管理するステップと、
前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行うステップと、
前記クライアント環境を稼動するステップと
を含む
クライアント環境生成方法。
【請求項9】
請求項8に記載のクライアント環境生成方法であって、
前記利用者に付随する属性が変更された場合、自動的に前記クライアント環境の削除及び生成を行うステップと、
自動的に前記利用者に付随する属性と前記クライアント環境との関連付けを行うステップと
を更に含む
クライアント環境生成方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のクライアント環境生成方法であって、
前記利用者と前記利用者に付随する属性との対応に関する情報をユーザ組織テーブルに格納するステップと、
前記ユーザ組織テーブルの参照を行い、前記管理サーバからの要求に応じて、前記管理サーバに前記ユーザ組織テーブルを提供し、前記利用者に付随する属性が変更された場合、自動的に前記ユーザ組織テーブルを更新するステップと
を更に含む
クライアント環境生成方法。
【請求項11】
請求項10に記載のクライアント環境生成方法であって、
前記利用者に付随する属性と前記クライアント環境のひな型との対応に関する情報をクライアント環境設定テーブルに格納するステップと、
前記ユーザ組織テーブルを参照し、前記利用者に付随する属性に応じて、前記クライアント環境設定テーブルから前記クライアント環境のひな型を取得し、前記利用者の数に応じて、前記クライアント環境を生成するステップと
を更に含む
クライアント環境生成方法。
【請求項12】
請求項11に記載のクライアント環境生成方法であって、
前記クライアント環境設定テーブルに、前記利用者に付随する属性と前記クライアント環境の基となるアプリケーションのリストとの対応に関する情報を格納するステップと、
前記ユーザ組織テーブルを参照し、前記クライアント環境設定テーブルから前記利用者に付随する属性に応じたアプリケーションを取得し、前記利用者の数に応じて、前記クライアント環境を生成するステップと
を更に含む
クライアント環境生成方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のクライアント環境生成方法であって、
前記利用者と前記クライアント環境との関連に関する情報を接続先設定テーブルに格納するステップと、
前記クライアント環境を生成すると同時に、前記利用者と前記利用者に付随する属性を基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者と前記クライアント環境との関連に関する情報を前記接続先設定テーブルに格納するステップと、
外部から接続要求があった場合、前記接続先設定テーブルを参照し、前記利用者を前記クライアント環境に接続するステップと
を更に含む
クライアント環境生成方法。
【請求項14】
請求項13に記載のクライアント環境生成方法であって、
前記クライアント環境設定テーブルに、前記クライアント環境を生成可能な回数を示す残りライセンスを更に格納するステップと、
前記クライアント環境設定テーブルを参照し、前記残りライセンスが1以上であれば、前記クライアント環境を生成し、前記残りライセンスを1減らすステップと
を更に含む
クライアント環境生成方法。
【請求項15】
利用者に関する利用者情報を管理するステップと、
前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行うステップと、
前記クライアント環境を稼動するステップと
をコンピュータに実行させるための
クライアント環境生成プログラム。
【請求項16】
利用者に関する利用者情報を管理するステップと、
前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行うステップと、
前記クライアント環境を稼動するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した
記憶媒体。
【請求項1】
利用者に関する利用者情報を管理するユーザ情報管理サーバと、
前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行う管理サーバと、
前記クライアント環境が稼動するクライアント環境サーバと
を含む
クライアント環境生成システム。
【請求項2】
請求項1に記載のクライアント環境生成システムであって、
前記管理サーバは、前記利用者に付随する属性が変更された場合、自動的に前記クライアント環境の削除及び生成を行い、前記利用者に付随する属性と前記クライアント環境との関連付けを行う
クライアント環境生成システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のクライアント環境生成システムであって、
前記ユーザ情報管理サーバは、
前記利用者と前記利用者に付随する属性との対応に関する情報を格納するユーザ組織テーブルと、
前記ユーザ組織テーブルの参照を行い、前記管理サーバからの要求に応じて、前記管理サーバに前記ユーザ組織テーブルを提供し、前記利用者に付随する属性が変更された場合、自動的に前記ユーザ組織テーブルを更新するユーザ情報処理手段と
を具備する
クライアント環境生成システム。
【請求項4】
請求項3に記載のクライアント環境生成システムであって、
前記管理サーバは、
前記利用者に付随する属性と前記クライアント環境のひな型との対応に関する情報を格納するクライアント環境設定テーブルと、
前記ユーザ組織テーブルを参照し、前記利用者に付随する属性に応じて、前記クライアント環境設定テーブルから前記クライアント環境のひな型を取得し、前記利用者の数に応じて、前記クライアント環境サーバに前記クライアント環境を生成するクライアント管理処理手段と
を具備する
クライアント環境生成システム。
【請求項5】
請求項4に記載のクライアント環境生成システムであって、
前記クライアント環境設定テーブルは、前記利用者に付随する属性と前記クライアント環境の基となるアプリケーションのリストとの対応に関する情報を格納し、
前記クライアント管理処理手段は、前記ユーザ組織テーブルを参照し、前記クライアント環境設定テーブルから前記利用者に付随する属性に応じたアプリケーションを取得し、前記利用者の数に応じて、前記クライアント環境サーバに前記クライアント環境を生成する
クライアント環境生成システム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のクライアント環境生成システムであって、
前記管理サーバは、
前記利用者と前記クライアント環境との関連に関する情報を格納する接続先設定テーブルと、
前記クライアント管理処理手段が前記クライアント環境を生成すると同時に、前記利用者と前記利用者に付随する属性を基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者と前記クライアント環境との関連に関する情報を前記接続先設定テーブルに格納し、外部から接続要求があった場合、前記接続先設定テーブルを参照し、前記利用者を前記クライアント環境に接続するセッション管理手段と
を更に具備する
クライアント環境生成システム。
【請求項7】
請求項6に記載のクライアント環境生成システムであって、
前記クライアント環境設定テーブルは、前記クライアント環境を生成可能な回数を示す残りライセンスを更に含み、
前記クライアント管理処理手段は、前記クライアント環境設定テーブルを参照し、前記残りライセンスが1以上であれば、前記クライアント環境サーバに前記クライアント環境を生成し、前記残りライセンスを1減らす
クライアント環境生成システム。
【請求項8】
利用者に関する利用者情報を管理するステップと、
前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行うステップと、
前記クライアント環境を稼動するステップと
を含む
クライアント環境生成方法。
【請求項9】
請求項8に記載のクライアント環境生成方法であって、
前記利用者に付随する属性が変更された場合、自動的に前記クライアント環境の削除及び生成を行うステップと、
自動的に前記利用者に付随する属性と前記クライアント環境との関連付けを行うステップと
を更に含む
クライアント環境生成方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のクライアント環境生成方法であって、
前記利用者と前記利用者に付随する属性との対応に関する情報をユーザ組織テーブルに格納するステップと、
前記ユーザ組織テーブルの参照を行い、前記管理サーバからの要求に応じて、前記管理サーバに前記ユーザ組織テーブルを提供し、前記利用者に付随する属性が変更された場合、自動的に前記ユーザ組織テーブルを更新するステップと
を更に含む
クライアント環境生成方法。
【請求項11】
請求項10に記載のクライアント環境生成方法であって、
前記利用者に付随する属性と前記クライアント環境のひな型との対応に関する情報をクライアント環境設定テーブルに格納するステップと、
前記ユーザ組織テーブルを参照し、前記利用者に付随する属性に応じて、前記クライアント環境設定テーブルから前記クライアント環境のひな型を取得し、前記利用者の数に応じて、前記クライアント環境を生成するステップと
を更に含む
クライアント環境生成方法。
【請求項12】
請求項11に記載のクライアント環境生成方法であって、
前記クライアント環境設定テーブルに、前記利用者に付随する属性と前記クライアント環境の基となるアプリケーションのリストとの対応に関する情報を格納するステップと、
前記ユーザ組織テーブルを参照し、前記クライアント環境設定テーブルから前記利用者に付随する属性に応じたアプリケーションを取得し、前記利用者の数に応じて、前記クライアント環境を生成するステップと
を更に含む
クライアント環境生成方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のクライアント環境生成方法であって、
前記利用者と前記クライアント環境との関連に関する情報を接続先設定テーブルに格納するステップと、
前記クライアント環境を生成すると同時に、前記利用者と前記利用者に付随する属性を基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者と前記クライアント環境との関連に関する情報を前記接続先設定テーブルに格納するステップと、
外部から接続要求があった場合、前記接続先設定テーブルを参照し、前記利用者を前記クライアント環境に接続するステップと
を更に含む
クライアント環境生成方法。
【請求項14】
請求項13に記載のクライアント環境生成方法であって、
前記クライアント環境設定テーブルに、前記クライアント環境を生成可能な回数を示す残りライセンスを更に格納するステップと、
前記クライアント環境設定テーブルを参照し、前記残りライセンスが1以上であれば、前記クライアント環境を生成し、前記残りライセンスを1減らすステップと
を更に含む
クライアント環境生成方法。
【請求項15】
利用者に関する利用者情報を管理するステップと、
前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行うステップと、
前記クライアント環境を稼動するステップと
をコンピュータに実行させるための
クライアント環境生成プログラム。
【請求項16】
利用者に関する利用者情報を管理するステップと、
前記利用者と前記利用者に付随する属性とを基に、前記利用者と前記クライアント環境の関連付けを自動的に行い、前記利用者が接続するクライアント環境の自動生成と接続管理とを行うステップと、
前記クライアント環境を稼動するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した
記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−217327(P2009−217327A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57599(P2008−57599)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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