説明

クラスター製造装置およびその方法

【課題】コア・シェル構造のクラスターを高速で効率良く製造するクラスター製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】クラスター製造装置は、一列に並べられかつ同一方向に向けられたアブレーション面31〜33をそれぞれ有する複数のターゲット材料21〜23と、該アブレーション面31〜33に一定の繰り返し周波数のレーザ51〜53を同時に照射するレーザ手段と、該アブレーション面31〜33にそってこれと平行にキャリヤガス15を流すガス手段とを備えている。該キャリアガス15の流れ方向に隣り合うターゲット材料21、22において、上流側ターゲット材料21にレーザ51が照射されプルームP1が発生し、キャリヤガス15によって、下流側ターゲット材料22上まで搬送される間に、プルームP1中にコアが形成され、その周囲に下流側のターゲット22で生成したプルームP2によるシェルが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、任意の固体物質から介在物を必要としないで、直接、ナノサイズのコア・しぇる構造のクラスター、例えば、燃料電池の電解質膜、触媒の高機能化、金属とセラミックス等の異種金属の複合化、その他、界面制御による新機能の発現等に用いられるクラスターを製造するためのクラスター製造装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のクラスター製造装置としては、クラスター生成空間が不活性ガス雰囲気に保持されており、クラスター生成空間内に第1ターゲット材料および第2ターゲット材料がそれぞれ配置されており、第1ターゲット材料および第2ターゲット材料のアブレーション面の法線は、互いに交差させられており、第1ターゲット材料のアブレーション面に第1レーザが、第2ターゲット材料のアブレーション面に第2レーザがそれぞれ照射され、不活性ガス雰囲気の圧力は、5.0×10−3(Pa)であり、第1レーザおよび第2レーザのパルス周期は、ともに、10Hzであり、第1レーザおよび第2レーザの照射は、交互に行われるようになされているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記クラスター製造装置では、先行のレーザで生成したプルームと、後続のレーザで生成したプルームとを衝撃波を利用して閉じ込め、2種類のターゲット材料を混合したクラスターを生成しようとするものである。
【0004】
上記により生成した2種類のクラスターの表面エネルギーの差が小さいため、生成されたクラスターは合金構造をなすものとなる。
【0005】
生成したクラスターの構造としては、上記の合金構造ではなく、コア・シェル構造をもつものが好ましい場合がある。例えば、燃料電池の電極では、不安定なコアを安定なシェルで被覆し、コアの特性を利用する場合である。また、コアに安価な金属を使い、シェルに高価な金属を使い、価格当たりの表面積を大きくとることが好ましい場合もある。さらに、コアおよびシェルに生じる界面の物性変化、例えば、非金属なのに電気伝導性を付与させる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−263245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の目的は、上記した機能を果たすためのコア・シェル構造のクラスターを、高速で効率よく生成することのできるクラスター製造装置およびその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明によるクラスター製造装置は、クラスター生成空間を有している装置ボディと、クラスター生成空間内を不活性ガス雰囲気に保持しかつクラスター生成空間内に不活性ガスによるキャリヤガスの一方向の流れを生成するガス手段と、複数のターゲット材料をキャリヤガスの流れ方向に複数段に保持するホルダと、ホルダに保持された各ターゲット材料にパルス・レーザを照射するレーザ手段とを備えているものである。
【0009】
上流側のターゲット材料と下流側のターゲット材料の間隔は、キャリヤガスにより搬送されるプルーム中にクラスターが生成される時間(通常レーザが照射されてから1〜3mS)を考慮されている。
【0010】
すなわち、上流側のターゲット材料で発生したプルームがキャリヤガスにより下流側のターゲット材料まで搬送され、これから発生したプルームと取り囲まれる(閉じこめられる)までに上流側のターゲット材料からのプルーム中にクラスターが生成されるように、キャリヤガスの流速も考慮の上、上流側のターゲット材料と下流側のターゲット材料の間隔が設定される。
【0011】
この発明によるクラスター製造装置では、キャリヤガスの流れ方向において、上流側のターゲット材料で生成したプルームによりコアが形成され、その周囲に、下流側のターゲット材料で生成したプルームによるシェルが形成される。したがって、コア・シェル構造のクラスターを生成することができる。
【0012】
さらに、繰り返し周波数の高いレーザを用いることが可能であり、これにより、生成されるプルームの量を増加させることができ、クラスターの収量を大幅に向上させることができる。
【0013】
ガス手段によって、クラスター生成空間内の圧力が、1×10+1〜10×10+3(Pa)に保持されることが好ましい。
【0014】
クラスター生成空間の圧力を、高真空ではなく、上記圧力範囲に保持することにより、その圧力で、プルームが膨張(拡散)しようすることを抑制することができる。すなわち、上流のターゲット材料から発生したプルームは、その膨張を遅らせた状態で(一時的に滞留)、キャリヤガスにより、下流に運ばれ、ついで、下流側ターゲット材料から発生したプルームに閉じこめられ、これにより、コア・シェル構造のクラスターが生成される。
【0015】
不活性ガス雰囲気の圧力は、1×10+1(Pa)未満では、上流側ターゲット材料から発生したプルームが拡散して、プルーム中にクラスターが生成され難くなり、10×10+3(Pa)を超えると、生成したクラスターの周囲を下流側ターゲット材料から発生したプルームで閉じこめることが困難となる。
【0016】
また、レーザ手段のレーザ繰り返し周波数は、5kHz〜1000kHzであることが好ましい。同周波数は、高ければそれに超したことはないが、その範囲が実用的である。
【0017】
全ターゲット材料が、異なる複数の材質の組み合わせよりなると、マルチシェル構造の粒子を作ることができる。
【0018】
また、全ターゲット材料が、同一の材質よりなると、コア・シェルの組成が同一となるため、粒子径を大きくすることができる。また、シェルの厚みを調整することができる。 この発明によるクラスター製造方法は、上記のクラスター製造装置を用い、より具体的に、キャリアガスの流れ方向に隣り合う上流側および下流側ターゲット材料において、上流側および下流側ターゲット材料にレーザをそれぞれ照射して上流側および下流側ターゲット材料からプルームをそれぞれ発生させ、上流側ターゲット材料から発生させられたプルームを、キャリヤガスによって、上流側ターゲット材料上から下流側ターゲット材料上まで搬送し、この間に、搬送されるプルーム中にクラスターを生成しかつ上流側および下流側ターゲット材料にレーザをそれぞれ照射するものである。
【0019】
プルームの搬送中に、レーザを5回以上照射すると、キャリヤガスによるプルーム搬送時間、プルーム中のクラスター生成時間等のバラツキがあっても、これを吸収して、上流側ターゲット材料から生成したプルーム中のクラスターに、下流側ターゲット材料から生成したプルームを確実に閉じ込めることができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、上記した機能を果たすためのコア・シェル構造のクラスターを、高速で効率よく生成することのできるクラスター製造装置およびその方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明によるクラスター製造装置の構成図である。
【図2】クラスター生成過程説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照すると、クラスター製造装置は、クラスター生成空間12を有する中空密閉状装置ボディ11と、クラスター生成空間12内を不活性ガス雰囲気に保持しかつクラスター生成空間12内に不活性ガスによるキャリヤガスの一方向の流れを生成するガス手段16とを備えている。
【0023】
ガス手段16は、装置ボディ11の一方の端壁に備えられたガス噴出手段13と、装置ボディ11の一方の端壁に備えられたターボポンプ14と、クラスター生成空間12内の圧力を制御するための圧力制御手段17と、ガス噴出手段13から噴出されるガスの圧力を制御するための速度制御手段18とを備えている。
【0024】
クラスター生成空間12内の圧力は、例えば、アルゴンガス雰囲気圧力4.1×10+2(pa)に保持されている。雰囲気ガス圧力は、圧力制御手段17によって制御可能であり、ターゲット材料、レーザ光のエネルギー密度によって、1×10+1〜10×10+3(Pa)の範囲で設定される。これにより、プルームが膨張(拡散)を抑制する。ガス噴出手段13からは、雰囲気ガスと同じアルゴンガスが噴出される。
【0025】
ガス噴出手段13からアルゴンガスが噴出された際には、クラスター生成空間12内には、ガス噴出手段13からターボポンプ14に向かって、一方向のキャリヤガス流れ15が生じさせられる。
【0026】
装置ボディ11内には第1〜第3ターゲット材料21〜23がガス流れ15方向に間隔をおいて順次配置されかつホルダ(図示略)によって保持されている。第1〜第3ターゲット材料21〜23は、ガス流れ15に直交する垂直面に含まれて同一方向に向けられた第1〜第3アブレーション面31〜33をそれぞれ有している。
【0027】
ここで、第1および第2ターゲット材料21、22の配置間隔は、キャリヤガスにより搬送される第1プルーム中にクラスターが生成される時間(通常レーザが照射されてから1〜3mS)、第2および第3ターゲット材料22、23の配置間隔は、第1プルーム中から生成されたクラスターに第2プルーム中のアブレーション粒子が付着する時間が考慮されたものである。
【0028】
ガス流れ15方向において、第3ターゲット材料33の下流には、粒子捕集用基板41が配置されている。
【0029】
図2を参照すると、レーザ手段は、レーザ源61と、レーザ源61のレーザを分光して、第1〜第3アブレーション面31〜33に第1〜第3レーザ51〜53を個別に照射する集光光学系62とよりなる。集光光学系62は、第1〜第3レーザ51〜53に対応する第1〜第3ビームコリメータ71〜73および第1〜第3集光レンズ81〜83よりなる。
【0030】
第1〜第3ターゲット材料21〜23としては、例えば、Si、Co、Pt、Pd、Pt、Ag、Au、Cu、チタン酸ランタン、チタン酸ストロンチウム、安定ジルコニア/不安定ジルコニア等から、1の単独材料または複数の組合材料が適宜選択されるが、これに限定されない。
【0031】
第1〜第3レーザ51〜53は、特に限定されないが、例えば、高出力で繰り返し周波数の高い、パルスファイバレーザなどが用いられる。高出力で繰り返し周波数なほど、各ターゲットから一度に大量のプルームを発生させることができるので、効率良くコア・シェル構造のクラスターを製造することができる。
【0032】
第1〜第3レーザ51〜53の繰り返し周波数は、上流側からのクラスターと下流側のプルームが必ず取り囲まれる(閉じ込められる)こと、プルーム(アブレーションプラズマ)中の原子やイオンの運動エネルギーが散逸する時間(1μS程度)を考慮して、5kHz〜1000kHzの範囲で設定される。
【0033】
ついで、図2を参照しながら、クラスター製造過程を説明する。
【0034】
図2における説明において、レーザ周期、プルーム搬送時間およびクラスター生成時間の3つの時間が同一であることが想定されている。すなわち、各ターゲット材料に対するレーザの周期と、レーザの1パルスの照射によりプルームが発生し、発生したプルームが、隣り合う2つのターゲット材料間を搬送される搬送時間と、搬送されるプルーム中にクラスターが生成される生成時間とが等しいことを意味する。これとは別に、例えば、同プルームが隣り合う2つのターゲット材料の間隔を搬送される間に、レーザが2パルス照射される場合、隣り合う2つのターゲット材料の中間に、今回の照射よりも1パルス前のレーザ照射により発生させられた搬送中の1つのプルームが存在することになる。
【0035】
上記において、まず、第1アブレーション面31に第1レーザ51が照射され、これにより、第1ターゲット材料21が瞬時に蒸発して第1プルームP1が発生する。発生した第1プルームP1はガス流れ15にのせられて、拡散される前に、第2アブレーション面32の正面まで運ばれ、この間に、第1プルームP1中に第1クラスターC1が生成される。第1プルームP1が第2アブレーション面32の正面まで運ばれると、第2アブレーション面32に第2レーザ52が照射されて、発生した第2プルームP2は、第1プルームP1中に生成した第1クラスターC1に取り囲む(即ち閉じ込める)。
【0036】
第2プルームP2はガス流れ15にのせられて、拡散される前に、第3アブレーション面33の正面まで運ばれ、この間に、第2プルームP2中に第2クラスターC2が生成される。
【0037】
以下、同様に、第2アブレーション面32の正面で第2クラスターC2が生成される作用と同様に、第3アブレーション面33の正面で第3クラスターC3が生成される。
【0038】
次いで、第3アブレーション面33に第3レーザ53が照射されて発生した第3プルームP3に第2クラスターC2に取り囲む(即ち閉じ込める)。
【0039】
第3プルームP3はガス流れ15にのせられて、拡散する前に基板41まで運ばれる間に、第3プルームP3に第3クラスターC3が生成される。最終的に生成された第3クラスターC3は、ガス流れ15によって、基板41堆積される。
【0040】
第1クラスターC1は、第1ターゲット材料21よりなる単層構造のものであるが、第2クラスターC2は、第1ターゲット材料21をコアとし、第2ターゲット材料22をシェルとする2層のコア・シェル構造をなすものである。3層のコア・シェル構造を、第3クラスターC3がそれぞれになしている。
【0041】
ここで、各ターゲット材料の各アブレーション面から発生するプルーム生成空間の形状、大きさを合わせるために、各第1〜第3レーザ51〜53から、第1〜第3アブレーション面31〜33の単位面積あたりの照射エネルギー、照射面積は制御されている。
【0042】
また、第1〜第3アブレーション面31〜33へのレーザ照射に際して、各レーザのエネルギー、照射面積を制御(調整)することで、プルームの発生量を制御し、クラスター(コア)の大きさ、シェルの厚みを調整される。
【0043】
さらに、各第1〜第3レーザ51〜53は、レーザ源61のレーザを、集光光学系62により分光したものであったが、これに限定されず、各レーザ毎に独立したレーザ源を設けた構成としてもよい。
【0044】
なお、上記実施例では、異なる第1〜第3ターゲット材料を用いて、3層のコア・シェル構造のクラスターを製造したが、これに限定されず、さらにターゲット材料を増やし、多層のコア・シェル構造としても良いし、同一材料のターゲット材料を複数配置することで、同一材料からなる層の厚みを調整するようにしても良い。
【0045】
つぎに、リチウムイオン電池用正極物質を製造する場合の実施例を、一例として詳しく説明する。
【0046】
チャンバ内雰囲気圧力:Arガス:5Torr(≒667Pa)
キャリヤガス速度:10m/s
<ターゲット材料>
第1ターゲット材料21:コアを形成するもので、高容量組成粒子であるニッケル酸リチウム(LiNiO2)。
【0047】
第2ターゲット材料22:中間層を形成するもので、充電状態を制御するための三元系ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNi1/3Co1/3MnO2)。
【0048】
第3ターゲット材料23:外層を形成するもので、マンガン溶出による抵抗上昇(出力低下)を防止するために、電荷移動抵抗が小さく、耐酸性に優れるチタン添加マンガン酸リチウム(LiTi0.2Mn1.8O4)。
【0049】
基板41:エラスチック・カーボン支持膜
第1ターゲット材料21、第2ターゲット材料22、第3ターゲット材料23および基板41間の間隔:15mm
<レーザ>
パルスファイバーレーザ(Ybファイバーレーザ)
波長:1064nm
出力:100W
繰り返し周波数:20kHz
<集光光学系>
第1ビームコリメータ71:30%反射第1ミラー、照射出力30W
第2ビームコリメータ72:50%反射第2ミラー、照射出力35W
第3ビームコリメータ73:全反射第3ミラー、照射出力35W
各ターゲット材料21〜23に対するビーム径:0.2〜0.3mm
レーザ周期Tc=1/繰り返し周波数=1/20kHz=1/20ms
プルーム搬送時間Tp=ターゲット間隔/キャリヤガス速度=15mm/10m/s=1.5ms
レーザ照射回数N=Tp/Tc=1.5ms/1/20ms=30回
上記製造条件により、基板41に堆積したコア・シェル構造のクラスターは、以下の通りであった。
【0050】
大きさ:約10nmΦ
生成量:約0.1mm3/min
ここで、レーザの周波数について、改めて、詳細に検討する。
【0051】
上流側、下流側での高繰り返しパルスレーザアブレーションにおいて、アブレーションプラズマ中の原子やイオンの運動エネルギーを散逸させて、アブレーションプラズマを所定の空間に完全に閉じこめるように、パルスレーザ照射間隔をアブレーションプラズマ中の原子やイオンの運動エネルギーを散逸時間以上に設定する。即ち、パルスレーザ繰り返し周波数は、1000kHz(運動エネルギー散逸時間1μsの逆数)以下に設定する。
【0052】
上流側でパルスレーザアブレーションされて、搬送中に形成された上流側アブレーション物質のコア粒子あるいはコア・シェル粒子が下流側のアブレーション空間を通過する間に、これらの粒子を回数多く均一に、下流側のアブレーションプラズマに閉じこめて、下流へ搬送し、下流側でアブレーションされた物質を上流側で形成された粒子に付着させてコア・シェル粒子を形成(製造)する。例えば、キャリヤガス速度:10m/s、アブレーション幅10mm(プルームの形状を回転楕円体であると想定すると、楕円体の回転軸と直交する方向の最大径)の場合、下流側アブレーション空間で、上流側の粒子を5回以上(2mm以下の間隔で)アブレーションされるようにパルスレーザ繰り返し周波数を、5kHz(キャリヤガス速度:10m/sの粒子が2mm移動に要する時間の逆数)以上にすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
この発明によるクラスター製造装置は、燃料電池の電解質膜等に用いられるコア・シェル構造のクラスターを製造することを達成するのに適している。
【符号の説明】
【0054】
12 クラスター生成空間
15 キャリヤガス
21〜23 ターゲット材料
31〜33 アブレーション面
51〜53 レーザ
P2、P2 プルーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラスター生成空間を有している装置ボディと、クラスター生成空間内を不活性ガス雰囲気に保持しかつクラスター生成空間内に不活性ガスによるキャリヤガスの一方向の流れを生成するガス手段と、複数のターゲット材料をキャリヤガスの流れ方向に複数段に保持するホルダと、ホルダに保持された各ターゲット材料にパルス・レーザを照射するレーザ手段とを備えているクラスター製造装置。
【請求項2】
ガス手段によって、クラスター生成空間内の圧力が、1×10+1〜10×10+3(Pa)に保持される請求項1のクラスター製造装置。
【請求項3】
レーザ手段のレーザ繰り返し周波数は、5kHz〜1000kHzである請求項1または2のクラスター製造装置。
【請求項4】
全ターゲット材料が、異なる複数の材質の組み合わせよりなる請求項1〜3のいずれか1つのクラスター製造装置。
【請求項5】
全ターゲット材料が、同一の材質よりなる請求項1〜3のいずれか1つのクラスター製造装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つのクラスター製造装置を用い、キャリアガスの流れ方向に隣り合う上流側および下流側ターゲット材料において、上流側および下流側ターゲット材料にレーザをそれぞれ照射して上流側および下流側ターゲット材料からプルームをそれぞれ発生させ、上流側ターゲット材料から発生させられたプルームを、キャリヤガスによって、上流側ターゲット材料上から下流側ターゲット材料上まで搬送し、この間に、搬送されるプルーム中にクラスターを生成しかつ上流側および下流側ターゲット材料にレーザをそれぞれ照射する製造方法。
【請求項7】
プルームの搬送中に、レーザを5回以上照射する請求項6のクラスター製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2013−112852(P2013−112852A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260104(P2011−260104)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【出願人】(596132721)一般財団法人近畿高エネルギー加工技術研究所 (18)
【Fターム(参考)】