説明

クリーニング材

【課題】電子部品等の被清掃物に付着した微小異物の除去性能が高く、糊残りが低減されてかつ剥離が容易であり、電子機器等の製造工程において使い勝手のよいクリーニング材を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、表面にウレタン層を備えるクリーニング材であって、上記ウレタン層表面の表面粗さRaが0.005μm以上0.1μm以下であり、被清掃物に対する上記ウレタン層表面の面接触を経てその被清掃物に付着した異物を除去することを特徴とするクリーニング材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング材に関し、詳細には、電子部品等に付着した異物の除去に適したクリーニング材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハードディスクや基板等の電子部品の精密化が進んでおり、日を追うごとに高機能化された電子機器が開発されつつある。このような電子機器の製造工程において電子部品に異物が付着し、そのまま電子機器を組み立てると、サブミクロンオーダーの微小な異物であっても電子機器の運転に支障をきたす場合がある。そこで、電子機器の製造工程では、後工程として電子部品に付着した異物等を除去するためのクリーニング工程が設けられている。
【0003】
異物除去のためのクリーニング部材として、基材層上に形成された機能層を有するクリーニング部材があり、その機能層に極細繊維を用いた部材や、無機微粒子と結合材とを組み合わせて凹凸構造とした部材等が知られている。そして、こうした部材では仕上げの意味で被清掃物を研磨しつつ、表面を拭き取る等して異物を除去している。しかし、研磨作用のある機能層を有するクリーニング部材では被清掃物である電子部品等を傷付けるおそれがあることから、こうした機能層の研磨作用を抑え、異物除去作用に重点を置いたクリーニング部材の開発が進められている。
【0004】
上記異物除去作用に重点を置いたクリーニング部材として、機能層に樹脂層を採用したクリーニング部材が提案されている。この部材では、樹脂層が有する粘着性、接着性又は吸着性(以下、これらを「粘着性等」ともいう)を利用して異物を除去している。一般的に、樹脂層の粘着性等を上げれば異物除去性も高まる。しかし、粘着性等を上げすぎると樹脂層を構成する樹脂の一部が被清掃物へ移って被清掃物に残ってしまったり(以下、この現象を「糊残り」ともいう)、被清掃物からのクリーニング部材の剥離が困難となったりすることがある。一方で、粘着性等が低すぎると所望とする程度にまで異物を除去することができなくなり、糊残りの防止及び剥離の容易性と異物除去性能の向上とはトレードオフの関係にある。
【0005】
そこで、糊残り性を抑制したクリーニングシートとして、例えば、プローブカードのプローブ針先端に付着した異物を除去するクリーニングシートであって、該クリーニングシートはクリーニング層を有し、該クリーニング層の表面がクリーニングシートの少なくとも一方の表面を成すように構成されており、該クリーニング層はウレタンポリマー及びビニル系ポリマーを含有するクリーニングシート等が提案されている(特開2004−304185号公報参照)。また、同様の技術をインクジェットプリンタ等の記録装置の用紙搬送系部品に付着した汚れを除去するクリーニングシートに適用した例として、支持体の一方の面に、弾性を有する弾性クリーニング層を有し、他方の面に、顔料及びバインダーを含有する顔料塗工層を有するクリーニングシートが提案されている(特開2006−175690号公報参照)。
【0006】
しかしながら、これらの文献に記載のクリーニングシートは、ある程度の異物除去性を有するものの未だ改善の余地があり、また電子機器等の製造の後工程における使用には適していない。
【0007】
このような状況下、被清掃物への糊残りを抑制しつつ剥離が容易であり、異物除去性能に優れ、例えば電子機器等の製造工程の後工程において使い勝手のよいクリーニング材の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−304185号公報
【特許文献2】特開2006−175690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被清掃物に付着した異物、特にサブミクロンオーダーの微小異物の除去性能が高く、糊残りが低減されてかつ剥離が容易であり、例えば電子機器等の製造工程において使い勝手のよいクリーニング材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた発明は、
表面にウレタン層を備えるクリーニング材であって、
上記ウレタン層表面の表面粗さRaが0.005μm以上0.1μm以下であり、被清掃物に対する上記ウレタン層表面の面接触を経てその被清掃物に付着した異物を除去することを特徴とするクリーニング材である。
【0011】
当該クリーニング材では、機能層としての適度な硬度を有するウレタン層によって、異物除去性能の低下防止と糊残り性の低減・剥離の容易性という、相反する性能を両立させることができる。また上記ウレタン層表面の表面粗さRaが0.005μm以上0.1μm以下であることから、サブミクロンオーダーの異物に対しても上記ウレタン層が偏りなく接することができ、その結果、異物除去性を向上させることができる。加えて、被清掃物に付着した微小異物の除去に、当該クリーニング材のウレタン層表面を被清掃物に対して面接触を経るだけでよいので、使い勝手がよく、例えば電子機器等の製造工程において好適に用いることができる。当該クリーニング材はウレタン層を採用しており、被清掃物に対する研磨作用が低減されているので、被清掃物を傷付けることなく異物を除去することもできる。
【0012】
当該クリーニング材はさらに基材フィルムを備え、上記ウレタン層がその基材フィルムの少なくとも一方の表面に積層されていることが好ましい。これにより、当該クリーニング材をフィルム状に形成することができ、被清掃物への適用が容易となるので、使い勝手をさらに向上させることができる。
【0013】
当該クリーニング材では、上記ウレタン層のJIS−A硬度が60以上98以下であることが好ましい。ウレタン層のJIS−A硬度が上記範囲にあることで、ウレタン層が適度な粘着性等を発揮することができ、その結果、当該クリーニング材による異物除去性の向上と糊残りの防止・剥離の容易性とを効率良く両立させることができる。
【0014】
当該クリーニング材では、上記ウレタン層の厚さが0.1μm以上40μm以下であることが好ましい。ウレタン層の厚さを上記範囲とすることで、ウレタン層の基材フィルムへの接着性を確保することができると共に、異物との接触によるウレタン層の損傷を効果的に防止することができ、また、ウレタン層を経済的に形成することができる。
【0015】
当該クリーニング材において、上記ウレタン層が熱可塑性ポリウレタンで構成されていることが好ましい。これにより、当該クリーニング材は良好な異物除去性を発揮しつつ、糊残りの低減及び剥離の容易化を達成することができる。
【0016】
当該クリーニング材の厚さは10μm以上400μm以下であることが好ましい。厚さを上記範囲とした当該クリーニング材は充分な可撓性を有するので、平面的な被清掃物だけでなく、例えば、筒状のような曲面を有する被清掃物の異物除去に適用することができる。その結果、当該クリーニング材の適用対象を広げることができると共に、工程における使い勝手も良好なものとなる。
【0017】
当該クリーニング材では、上記被清掃物に対する面接触が平面接触であることが好ましい。当該クリーニング材の被清掃物に対する接触態様が平面接触であることにより、当該クリーニング材と被清掃物とが互いに偏りなく接触することができ、異物除去性をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明のクリーニング材は、例えば電子部品等の被清掃物に付着した微小異物の除去性能が高く、糊残りが低減されかつ剥離が容易であり、電子機器等の製造工程において使い勝手よく用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のクリーニング材は、表面にウレタン層を備えるクリーニング材であって、上記ウレタン層表面の表面粗さRaが0.005μm以上0.1μm以下であり、被清掃物に対する上記ウレタン層表面の面接触を経てその被清掃物に付着した異物を除去することを特徴とする。以下、各構成要件について順を追って説明する。
【0020】
ウレタン層
当該クリーニング材は表面にウレタン層を備えており、このウレタン層は当該クリーニング材における機能層として、異物に直接接触して異物を除去するという役割を果たす。上記ウレタン層は単層構造であってもよく、あるいは同種又は異種の材料で構成された多層構造であってもよい。
【0021】
上記ウレタン層の構成材料は、ウレタン結合を有するポリウレタン樹脂又はこのポリウレタン樹脂を含む樹脂組成物である限り特に限定されない。上記ポリウレタン樹脂としては、適度な粘着性等及び剥離性をウレタン層へ付与する点から、熱可塑性ポリウレタンが好ましい。この熱可塑性ポリウレタンとしては、例えばポリエステル系ポリウレタン(変性ポリエステルウレタン、水分散系ポリエステルウレタン、溶剤系ポリエステルウレタン等)、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン等を挙げることができる。ポリウレタン樹脂は、自己乳化型又は強制乳化型のものであってもよい。これらのポリウレタン樹脂は、一般的にポリオールとポリイソシアネートと、必要に応じて鎖延長剤とを反応させて得られる。
【0022】
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。上記ポリオールの数平均分子量(Mn)は、通常300〜8000であり、好ましくは500〜5000である。
【0023】
上記のポリエステルポリオールはポリカルボン酸とポリオールとの反応物であり、例えばジカルボン酸又はそのエステル化合物もしくは酸無水物とジオールとの縮合反応で得られるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトン等のラクトンモノマーの開環重合で得られるポリラクトンジオール等が挙げられる。そして、上記のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環族ジカルボン酸が使用され、上記のポリオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の2価ポリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン及びトリエタノールアミン等の3価ポリオール、ジグリセリン及びペンタエリスリトール等の4価ポリオール、ソルビトール等の6価ポリオール、シュガー等の8価ポリオール、これらのポリオールに相当するアルキレンオキサイドと脂肪族、脂環族、芳香族アミンとの付加重合物や、該アルキレンオキサイドとポリアミドポリアミンとの付加重合物等が使用される。これらのポリエステルポリオールは単独で又は組み合わせて用いてもよい。
【0024】
また、上記ポリエステルエーテルポリオールとしては、上記の脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、又はそのエステル若しくは酸無水物と、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド付加物等のグリコールとの縮合反応物等が挙げられる。これらのポリエステルエーテルポリオールも単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0025】
さらに、上記ポリカーボネートポリオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール等の多価アルコールの1種又は2種以上とエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等とを反応させて得られるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。また、ポリカプロラクトンポリオールとポリヘキサメチレンカーボネートとの共重合体であってもよい。これらのポリカーボネートポリオールは単独で又は組み合わせて用いてもよい。
【0026】
さらに、上記ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルをそれぞれ重合させて得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)に加え、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4’−(ジヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−(ジヒドロキシフェニル)メタン等の2価アルコール若しくはフェノール類、又はグリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加重合物等を挙げることができる。これらのポリエーテルポリオールも単独で又は組み合わせて用いてもよい。
【0027】
その他のポリオールとして、主鎖が炭素−炭素結合からなるポリオール、例えば、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール、AN(アクリロニトリル)やSM(スチレンモノマー)を上記の炭素−炭素ポリオールにグラフト重合したポリオール、ポリカーボネートポリオール、PTMG(ポリテトラメチレングリコール)等を挙げることができる。これらは単独で又は組み合わせて用いてもよい。上記のポリオールの中では、粘着性等や柔軟性の点からポリエーテルポリオールが好ましい。
【0028】
上記ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート等を挙げることができる。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリトリレンポリイソシアネート(粗TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等を挙げることができる。脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等を挙げることができる。脂環式ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等を挙げることができる。この他に、上記ポリイソシアネートをカルボジイミドで変性したポリイソシアネート(カルボジイミド変性ポリイソシアネート)、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、ウレタンプレポリマー(例えばポリオールと過剰のポリイソシアネートとの反応生成物であってイソシアネート基を分子末端にもつもの)等を挙げることができる。これらのポリイソシアネートは単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0029】
鎖延長剤としては,低分子量ポリオールが使用され、例えばエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン等の脂肪族ポリオール、1,4−ジメチロールベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等の芳香族グリコールが挙げられる。
【0030】
さらに、熱可塑性ポリウレタンと他のポリマーとを混合することにより、上記ウレタン層の構成材料としてもよい。そのような他のポリマーとしては、例えば、ウレタン−フッ素含有ポリマー共重合体等のフッ素系樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ABS樹脂等が挙げられる。上記他のポリマーは、熱可塑性ポリウレタン100質量部に対して、通常1〜200質量部の量で混合又は共重合することができる。
【0031】
なお、上記熱可塑性ポリウレタン又は熱可塑性ポリウレタンを含む樹脂組成物に種々の添加剤を配合することにより上記ウレタン層の構成材料を得てもよい。添加剤としては、例えば、有機粉体又は無機粉体等の充填剤;芳香族エステル、塩素化パラフィン等の可塑剤;UV吸収剤;酸化防止剤;着色剤;帯電防止剤等が挙げられる。
【0032】
当該クリーニング材において、上記ウレタン層表面の表面粗さRaは0.005μm以上0.1μm以下である。上記ウレタン層表面の表面粗さRaが0.005μm未満であると、ウレタン層の表面が完全な平面の状態に近づきすぎて、大小様々なサイズの異物が混在している場合にウレタン層と異物、特に極微小な異物との接触が困難となる。一方、ウレタン層表面の表面粗さRaが0.1μmを超えると表面の凹凸が大きくなりすぎて、相手材の表面の凹部に入り込んだ異物を除去しにくくなる。当該クリーニング材では、ウレタン層表面の表面粗さRaが上記範囲に設定されているので、ウレタン層の表面は完全な平面でもなく大きな凹凸もない状態となっている。その結果、被清掃物に付着した微小異物、特にサブミクロンオーダーの異物との偏りのない接触が可能となって、当該クリーニング材の異物除去性が向上することになる。
【0033】
上述のように、当該クリーニング材の上記ウレタン層表面の表面粗さRaは0.005μm以上0.1μm以下であるが、好ましくは0.008μm以上0.08μm以下であり、より好ましくは0.01μm以上0.05μm以下である。上記ウレタン層表面の表面粗さRaを0.008μm以上0.08μm以下とすることにより、異物への面接触をより効率的に達成することができ、当該クリーニング材の異物除去性をさらに向上させることができる。なお、表面粗さRaは、JIS B0651−2001に準じ、測定して得た中心線平均粗さRaのことをいう。
【0034】
上記ウレタン層の硬度は、ウレタン層が適度な粘着性等及び剥離性を示す限り特に限定されないが、JIS−A硬度として60以上98以下であることが好ましい。ウレタン層のJIS−A硬度を上記範囲とすることにより、ウレタン層が異物の除去を可能にするのに充分な粘着性等を有すると共に、被清掃物からの剥離も容易となる。その結果、当該クリーニング材による異物除去性の向上と糊残りの防止・剥離の容易性とを効率良く両立させることができる。
なお、JIS−A硬度とは、JIS K6253−2006中に記載される、タイプAデューロメーターを用いて測定した硬度である。
【0035】
当該クリーニング材における上記ウレタン層の厚さは特に限定されないものの、0.1μm以上40μm以下が好ましく、1μm以上20μm以下であることがより好ましい。ウレタン層の厚さを0.1μm以上40μm以下とすることにより、ウレタン層の基材フィルムへの接着性を確保し、異物との接触や折り曲げ等によるウレタン層の損傷を効果的に防止することができると共に、経済的にウレタン層を形成することができる。なお、ウレタン層の厚さは、ウレタン層の断面において、ウレタン層の一方の表面から他方の表面までの最短距離を当該クリーニング材表面の任意の10点で測定して、それらを平均した値をいう。
【0036】
上記ウレタン層の水に対する接触角は特に限定されず、ウレタン層の粘着性等や剥離性を考慮して決めればよく、好ましい接触角は60°以上95°以下であり、より好ましい接触角は65°以上90°以下である。
【0037】
クリーニング材
本発明のクリーニング材は、被清掃物との面接触が可能な面を少なくとも1つ有していれば、フィルム状、シート状、テープ状、直方体状、立方体状、多面体状等、いずれの形態であってもよい。通常、そのような面を有する基体の表面にウレタン層が積層されることにより、当該クリーニング材が製造される。
【0038】
上記基体としては特に限定されないものの、当該クリーニング材はさらに基材フィルムを備えていることが好ましい。この場合、当該クリーニング材は薄いフィルム状となり、上述の基材フィルムの少なくとも一方の表面に上述のウレタン層が積層されることが好ましい。クリーニング材の形状は基体としての基材フィルムの形状に応じて決まり、被清掃物の種類や使用環境に応じて変更することができる。なお、本明細書において「フィルム状」は、シート状、テープ状を含む概念である。また、当該クリーニング材の平面視での形状は通常矩形であるもののこれに限定されず、正方形、五角形以上の多角形、円形、楕円形等、被清掃物の形状に合わせて決めることができる。さらに、上記ウレタン層は基材フィルムのウレタン層積層面の一部に形成されていてもよく、全部に積層されていてもよい。また、上記ウレタン層は基材フィルムの一方の面だけでなく、両面に積層されていてもよい。
【0039】
基材フィルム
基材フィルムは、当該クリーニング材の基体の役割を果たすと共に、ウレタン層を積層するための基材層として機能する。なお、基材フィルムは可撓性を有していることが好ましいが、適用する被清掃物の種類や使用状況に応じて可撓性を有さずそれ自体が剛直であってもよい。
【0040】
基材フィルムの構成材料としては、成形後に使用に耐え得る強度を発現し、かつフィルム状の形態をとり得るものであれば特に限定されない。このような基材フィルムの構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、シクロ系又はノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリイミド(PI);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリ塩化ビニル(PVC);ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のポリスチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;フッ素樹脂;セルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリフェニレンスルフィド系樹脂;ビニルアルコール系樹脂;ビニルブチラール系樹脂等のような熱可塑性樹脂の他、熱硬化性樹脂等を例示することができる。これらの中でも、ウレタン層との親和性や強度、柔軟性を考慮すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂が好ましい。なお、基材フィルムは単層構成であってもよいが、同種又は異種の材料で構成された多層構造であってもよい。
【0041】
基材フィルムの厚さは特に限定されず、被清掃物のクリーニングの際の使い勝手を考慮して決めればよい。基材フィルムの厚さとしては、例えば5μm以上500μm以下であり、好ましくは10μm以上300μm以下であり、より好ましくは10μm以上100μm以下である。基材フィルムの厚さを上記範囲とすることで、当該クリーニング材の強度を保つことができ、また、可撓性を発揮して被清掃物への接触が容易となる。
【0042】
当該クリーニング材において、ウレタン層は基材フィルム上に直接積層されていてもよく、ウレタン層の基材フィルムへの接着性やウレタン層の耐候性を向上させるための下地層を形成し、この下地層を介してウレタン層を積層してもよい。このような下地層の構成材料としてはシランカップリング剤等が挙げられる。
【0043】
当該クリーニング材の厚さは、被清掃物の種類やその形状、工程における作業容易性等を考慮して決めればよく、通常5μm以上600μm以下であり、好ましくは10μm以上400μm以下であり、より好ましくは10μm以上150μm以下である。
【0044】
クリーニング材の使用方法
本発明のクリーニング材は、被清掃物に対するウレタン層表面の面接触を経てその被清掃物に付着した異物を除去するようにして用いる。当該クリーニング材は機能層として上記ウレタン層を採用しているので、上記ウレタン層と被清掃物との間で面接触させるだけで、被清掃物に付着した異物を効率良く除去することができる。
【0045】
しかしながら、より高レベルでの異物除去性が要求される場合、当該クリーニング材のウレタン層表面と被清掃物とを接触させた後、当該クリーニング材に一定の圧力を負荷して異物を除去するようにしてもよい。このようにすることで、適度な硬度を有するウレタン層へ異物が押し込まれてウレタン層と異物との接触面積が増大すると共に、ウレタン層と被清掃物との間の距離が短くなることで、ウレタン層へ押し込まれた異物以外の微小な異物とウレタン層との接触も生じるので、その結果、異物除去性を向上させることができる。当該クリーニング材に圧力を負荷して異物除去する場合、要求される異物除去の程度や被清掃物の強度を考慮して圧力を決めればよいが、50〜500g/inch(7.6×10〜7.6×10Pa)が好ましく、100〜400g/inch(1.5×10〜6.1×10Pa)がより好ましく、150〜300g/inch(2.3×10〜4.6×10Pa)が特に好ましい。
【0046】
当該クリーニング材と被清掃物との間での面接触の態様としては被清掃物の形状に応じて変わり、一の態様として被清掃物の被清掃面が平面である場合は平面接触となり、他の態様として被清掃面が筒状の被清掃物の側面の一部であるような場合は曲面接触となる。いずれの場合であっても当該クリーニング材は良好な異物除去性を発揮することができるものの、上記被清掃物に対する面接触が平面接触であることが好ましい。当該クリーニング材と被清掃物とが平面接触することにより、当該クリーニング材と被清掃物との間の隙間の発生を防止することができると共に、複数の異物間で上記ウレタン層と異物との接触に偏りを低減させることができ、その結果、当該クリーニング材は優れた異物除去性を発揮することができる。
【0047】
なお、当該クリーニング材による異物の除去にはウレタン層表面の被清掃物との面接触を経ていればよく、その後の手順としては、そのまま当該クリーニング材を剥離してもよく、あるいは、所定時間経た後に剥離してもよい。
【0048】
電子機器等の製造工程において当該クリーニング材を使用する場合の使用態様は特に限定されず、以下のようなものが例示される。例えば、ラインにより搬送されてきた電子部品等が、当該クリーニング材を配置したクリーニングエリアに到達したときに搬送を一旦停止し、当該クリーニング材と電子部品等とを面接触させて異物を除去した後、再度搬送を開始する間欠的クリーニングであってもよい。また、当該クリーニング材を、ラインから所定距離だけ離れた2本のローラ間に巡回可能に架け渡し、当該クリーニング材を搬送速度と同期させながら巡回させ、この巡回している当該クリーニング材とライン上の電子部品等とを接触させて異物を除去する連続的クリーニングであってもよい。
【0049】
当該クリーニング材によるクリーニングの対象となる被清掃物としては特に限定されないが、例えばハードディスク、電子基板、半導体、トランジスタ等の微小な異物の残存や混入が問題となる電子部品等に好適に用いることができる。
【0050】
クリーニング材の製造方法
本発明のクリーニング材を製造する方法としては特に限定されず、例えば基材フィルムにポリウレタン溶液を塗布し乾燥させてウレタン層を積層する塗布法、予め形成しておいたウレタンフィルムを基材フィルムに貼り付けてウレタン層を積層する接着法、ポリウレタンモノマー溶液を基材フィルム上に塗布し、加熱又は放射線照射によりモノマーを反応させてウレタン層を積層する反応法等が挙げられる。これらの製造方法のうち、ウレタン層の厚さ及び表面粗さの調整が容易であることや作業が容易であること等を考慮すると、塗布法が好ましい。
【0051】
塗布法におけるポリウレタン溶液(分散液を含む)の溶媒としては、ポリウレタン樹脂を溶解又は均一に分散させる溶媒であれば特に限定されず、例えば有機溶媒、水又はこれらの混合溶媒が挙げられる。上記有機溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、トルエン、N−メチルピロリドン(NMP)、メチルイソブチルケトン等を挙げることができる。
【0052】
上記ポリウレタン溶液におけるポリウレタン樹脂の濃度は適宜決定すればよく、基材フィルムへの塗布性(厚さ制御の容易性等)を考慮すると、通常2〜50質量%、好ましくは3〜40質量%が好ましい。2質量%未満であると、溶液粘度が低すぎるため所定の厚さまで1回で塗布することが困難となることがあり、一方、50質量%を超えると溶液粘度が高すぎるために、所望とする厚さのウレタン層の積層が困難となることがある。
【0053】
ポリウレタン溶液を基材フィルムへ塗布する方法も適宜選択することができ、慣用の方法、例えば、バーコーター法、ロールコーター法、エアナイフコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、リバースコーター法、コンマコーター法、ディップ・スクイズコーター法、ダイコーター法、グラビアコーター法、マイクログラビアコーター法、ディップ法、シルクスクリーンコーター法、スプレー法、スピナー法等が挙げられる。これらの方法のうち、バーコーター法やグラビアコーター法等が汎用される。
【0054】
次いで、上記塗布法により得られた塗膜を乾燥することによりウレタン層を積層することができる。乾燥温度としては、例えば、10〜200℃であり、好ましくは20〜160℃であり、さらに好ましくは30〜120℃である。
【実施例】
【0055】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱することがない限り、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。特に示さない限り、実施例における数値は表を含め「質量%」を示す。
【0056】
クリーニング材の作製
[実施例1]
ポリウレタン樹脂として市販の熱可塑性エーテル系ポリウレタンをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、13.6質量%のポリウレタン溶液を調製した。基材フィルムとして厚さ100μmで15cm×15cmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、この上に調製したポリウレタン溶液を、ウレタン層形成後の厚さが約10μmとなるようにバーコーターを用いて塗布した。その後、110℃で乾燥してウレタン層を積層することでクリーニング材を作製した。
【0057】
[実施例2〜7]
表1に示す市販のポリウレタン樹脂を用いて実施例1と同様に実施例2〜7のクリーニング材をそれぞれ作製した。なお、表1中、実施例6及び7では、熱可塑性ポリウレタン100質量部に対しウレタン−フッ素含有ポリマー共重合体を10質量部混合したポリウレタン樹脂を用いて13.6質量%ポリウレタン溶液を調製した。
【0058】
[比較例1]
実施例1で用いた熱可塑性エーテル系ポリウレタンにアクリル微粒子「ケミスノーMX150」(総研化学社製;平均粒径1μm)をポリウレタン固形分に対して1質量%添加したこと以外は、実施例1と同様にクリーニング部材を作製した。
【0059】
[比較例2]
アクリル微粒子の添加量をウレタン固形分に対して5質量%としたこと以外は、比較例1と同様にクリーニング部材を作製した。
【0060】
[比較例3〜5]
市販の各種素材の粘着性のあるテープ又はフィルムを用意して、これらをクリーニング部材とした。
【0061】
各実施例及び比較例におけるポリウレタン材料は以下のものを用いた。
熱可塑性エーテル系ポリウレタン:「ミラクトランE395」(日本ミラクトラン社製)、
熱可塑性ポリカーボネート系ポリウレタン:「ミラクトランP985」(日本ミラクトラン社製)、
熱可塑性エステル系ポリウレタン1:「ミラクトランE485」(日本ミラクトラン社製)、
熱可塑性エステル系ポリウレタン2:「ミラクトランE665MZAA」(日本ミラクトラン製)
熱可塑性エステル系(アジペート)ポリウレタン:「ミラクトランP185」(日本ミラクトラン社製)
ウレタン−フッ素含有ポリマー共重合体:「ダイアロマー」(大日精化工業社製)
【0062】
物性の評価
実施例で作製したクリーニング材及び比較例で作製又は用意したクリーニング部材(以下、これらを合わせて「クリーニング材等」ともいう)について、表面粗さ(Ra)、JIS−A硬度、接触角、タック力、異物除去性及び糊残り性を評価した。
【0063】
〔表面粗さRaの測定〕
表面粗さRaは、小型表面粗さ計(「FORM TRACER SV−S3000」、ミツトヨ社製)を用い、作製したクリーニング材等について、測定長さ4.8mm、速度0.1mm/s、測定ピッチ0.5μmで測定を行い、中心線平均粗さRaを算出した。
【0064】
〔JIS−A硬度の測定〕
JISK6253に基づき、タイプAデューロメーターを用いて測定した。サンプルは2mm厚さのシートを3枚重ねて6mm厚さとした。なお、比較例3及び4のクリーニング部材では、市販のフィルム状のサンプルであり、2mm厚さのシートを用意できないため、JIS−A硬度を測定することができなかった。
【0065】
〔接触角の測定〕
接触角計CA−A型(協和界面科学製)を用いて接触角を測定した。クリーニング材等上に直径2mmの水滴を滴下した。滴下30秒後に、液滴の左右端点と頂点とを結ぶ直線のクリーニング材等表面に対する角度の2倍の値を接触角として読み取り、左右の平均値を接触角とした。
【0066】
〔タック力の測定〕
PICMAタックテスター(東洋精機製)を用いて評価した。具体的には、実施例1のクリーニング材、及びコントロールサンプルとなるフィルムを1インチ四方角になるようそれぞれプレパラートに貼り付ける。実施例1のクリーニング材を貼り付けたプレパラートを両面テープで基台に貼り付け、コントロールサンプルは測定冶具側に貼り付ける。その後、測定冶具を下降速度30cm/minで下降させ、基台に貼り付けたクリーニング材に接触して荷重が500gとなった時点で下降を停止し、10s間停止状態を維持した後に、測定冶具を上昇速度100cm/minで上昇させた。実施例1のクリーニング材とコントロールサンプルとしてのフィルムとが剥離する際の荷重を測定し、タック力とした。このタック力の測定により、各サンプル間の相対的な剥離性の指標とすることができる。この手順を各実施例及び比較例についても同様に行った。
【0067】
〔異物除去性の評価〕
表面外観マクロ検査装置 マイクロマックス VMX−2300(ビジョンサイテック社製)で観察した際に、観察画面中、白く表示される白色領域が面積比で1%となるように、Al−Ni基板上(表面粗さRa:約1Å)上にアルミナ微粒子(平均粒径約0.5μm)を付着させた(アルミナ粒子が存在する領域が観察画面上で白く表示されることになる)。その上からクリーニング材等を平面接触させ、200g/in(3.04×10Pa)の圧力を10秒間負荷してからクリーニング材等を剥離した。クリーニング材等による処理後の白色領域の観察画面に対する面積比を上記マイクロマックスを用いて評価した。上記マイクロマックスで観察した際、白色領域の面積比が0.1%以下であれば「○」、それ以外の場合を「×」とした。
【0068】
〔糊残り性の評価〕
クリーニング材等をAl−Ni基板(表面粗さRa:約1Å)に平面接触させ、200g/in(3.04×10Pa)の圧力を10秒間負荷してからクリーニング材等を剥離した後、上記マイクロマックスを用いて糊残り性を評価した。観察した際、観察画面中、白く表示される白色領域(糊残りが存在する領域が観察画面上で白く表示されることになる)が面積比で0.1%以下であれば「○」、それ以外の場合を「×」とした。
それぞれの評価結果を表1に示す。
【0069】
【表1】

【0070】
表1の結果より、所定の表面粗さRaを有するウレタン層を基材フィルム上に積層した実施例に係るクリーニング材では、優れた異物除去性を発揮しつつ糊残りは低減されており、剥離性も良好であった。一方、ウレタン層を積層しているものの表面粗さRaの大きい比較例1及び2では、糊残り低減されていたが、異物除去性は劣る結果となった。ウレタン層を積層していない市販品を用いた比較例3〜5では、異物除去性及び糊残り性のいずれかが評価基準を満たさなかった。特に、市販品を用いた比較例3では接触角が小さすぎたためか、糊残りが生じていた。同じく市販品を用いた比較例4では接触角が大きすぎ粘着性等が低かったためか、異物除去性に劣る結果となった。さらに、市販品を用いた比較例5では、シリコンシートからのブリード物が見られたためか、糊残りが生じる結果となった。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上のように、本発明のクリーニング材は、異物除去性に優れていると共に、糊残りが低減されて剥離が容易であることから、電子部品等に付着したサブミクロンオーダーの異物を除去するためのクリーニング材として好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にウレタン層を備えるクリーニング材であって、
上記ウレタン層表面の表面粗さRaが0.005μm以上0.1μm以下であり、被清掃物に対する上記ウレタン層表面の面接触を経てその被清掃物に付着した異物を除去することを特徴とするクリーニング材。
【請求項2】
さらに基材フィルムを備え、
上記ウレタン層がその基材フィルムの少なくとも一方の表面に積層されている請求項1に記載のクリーニング材。
【請求項3】
上記ウレタン層のJIS−A硬度が60以上98以下である請求項1又は請求項2に記載のクリーニング材。
【請求項4】
上記ウレタン層の厚さが0.1μm以上40μm以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のクリーニング材。
【請求項5】
上記ウレタン層が熱可塑性ポリウレタンで構成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のクリーニング材。
【請求項6】
厚さが10μm以上400μm以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のクリーニング材。
【請求項7】
上記被清掃物に対する面接触が平面接触である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のクリーニング材。



【公開番号】特開2011−147884(P2011−147884A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11478(P2010−11478)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(000005061)バンドー化学株式会社 (429)
【Fターム(参考)】