説明

クリーン容器の製造方法

【課題】成形装置を停止させることなくクリーン容器に製造情報を記録することができ、さらにクリーン容器の成分純度を悪化させることなくクリーン容器の製造情報や充填される溶液の溶液情報等の多くの情報量を記録することのできるクリーン容器を提供する。
【解決手段】JIS B 9920に基づいて測定される空気清浄度がクラス7以下のクリーンルーム内で、添加剤無添加で純度が少なくとも99%のポリオレフィン系樹脂組成物を容器に成形加工する過程で、ICタグ4を容器本体1または/および蓋2に一体化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬品や高純度溶剤等を充填し貯蔵や輸送等に用いられる高純度樹脂組成物から成形加工されるICタグ付きのクリーン容器の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体および液晶製造用薬品等の工業薬品、医薬関係薬品、および高純度溶剤等の溶液を充填して収納、輸送および貯蔵に用いられるクリーン容器は、金属製やガラス製から、耐薬品性に優れると共に破損の少ない樹脂組成物製の容器に替わってきている。この樹脂組成物から容器を成形加工する方法の代表的な製造方法としてブロー成形方法がある。
【0003】
ブロー成形方法では、樹脂組成物を溶融させ、筒状にし、成形金型内でエアーブローして形成し、冷却して容器に成形加工する。この方法は、樹脂組成物の性状、加工温度、加工スピード、または外的環境といった条件が変化しなければ、同様な容器を製造することができる。
【0004】
特に、薬品等が充填されるクリーン容器は、容器から溶液中に異物が混入しないように品質を一定に保つことが重要になる。そこで原料のロット番号や製造日時等で製品ロットを定め、同一ロット内においては同様な品質であると仮定するロット番号による製造情報の管理が行われている。例えば、製造した容器に不具合が発生した場合、同じロット番号の容器にも不具合が生じる可能性があるため、ロット番号から不具合の発生する範囲を特定することができる。
【0005】
ロット番号は、容器にシールや成形による刻印で表示される。しかし、シールは剥がれて脱落する可能性がある。このため、成形による刻印で容器に表示することが一般的である。例えば、成形金型内に装着されてロット番号等を刻印する型内着脱式刻印装置が、特許文献1に示されている。
【0006】
半導体や液晶を製造するために使用される薬品の種類は、日々増加の一途をたどっている。種類が多いために、半導体製造装置等に薬品等が誤って送液される事故も発生している。このため、クリーン容器への溶液情報の確実な記録が切に望まれている。しかし、刻印できる文字数が限られている。仮に刻印できる文字数を多くしても、刻印する薬品情報を変更する場合には、成形装置を停止させなければならない。
【0007】
近年、非接触型のICタグに溶液情報等を書き込んで容器に取り付けることが行われている。例えば、非接触型のICチップ(ICタグ)を容器に埋め込んだ非接触方式ICチップ付き包装材が、特許文献2に示されている。このようなICタグは、記憶できる情報量が刻印文字の情報量と比較して飛躍的に多い。また、ICタグは、成形後であっても、情報の追加、変更が可能である。
【0008】
【特許文献1】特開2006−335010号公報
【特許文献2】特開2003−26225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に示されたロットピン(刻印装置)による刻印では、ロット番号が変わるたびに成形装置を停止させる必要がある。記載できる情報量も少ない。
【0010】
特許文献2に示された従来のICタグ付きの容器では、成形装置を停止させる必要も無く、記録できる情報量が多いものの、以下の問題がある。すなわち、成形装置が外気中に設置されている場合には、空気中の塵埃や化学物質が容器本体や蓋の原料に混入し、成形される容器の成分純度が悪化してしまう。このため、容器に充填される溶液のクリーン度が悪化してしまう。また、ICタグを容器に一体化する際、ICタグの容器に接する部分から不純物が容器原料に混入して、容器の成分純度が悪化してしまう。このため、容器に充填される溶液のクリーン度が悪化してしまう。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、クリーン容器の成分純度を悪化させることなくクリーン容器にICタグを一体化できるクリーン容器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載のクリーン容器の製造方法は、JIS B 9920に基づいて測定される空気清浄度がクラス7以下のクリーンルーム内で、添加剤無添加で純度が少なくとも99%のポリオレフィン系樹脂組成物を容器に成形加工する過程で、ICタグを容器に一体化することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載のクリーン容器の製造方法は、請求項1に記載されたもので、前記ICタグは、データを処理、記憶する集積回路と送受信アンテナとを備え、前記ポリオレフィン系樹脂と同程度の樹脂で被覆されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載のクリーン容器の製造方法は、請求項1に記載されたもので、前記ICタグを、インモールド成形、またはインサート成形によって容器に一体化することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載のクリーン容器の製造方法は、請求項1、2、または3に記載されたもので、前記容器が容器本体および蓋からなり、前記ICタグを容器本体または/および蓋に一体化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載のクリーン容器の製造方法によれば、JIS B 9920に基づいて測定される空気清浄度がクラス7以下のクリーンルーム内で、添加剤無添加で純度が少なくとも99%のポリオレフィン系樹脂組成物を容器に成形加工する過程で、ICタグを容器に一体化する。これにより、容器に空気中の塵埃や化学物質等の不純物が混入することがなくICタグを一体化することができ、クリーン容器の成分純度の悪化を防止することができる。
【0017】
請求項2記載のクリーン容器の製造方法によれば、ICタグは、クリーン容器のポリオレフィン系樹脂と同程度の樹脂で被覆されている。これにより、ICタグから不純物が容器原料に混入しない。このため、クリーン容器の成分純度の悪化を確実に防止することができる。
【0018】
請求項3記載のクリーン容器の製造方法によれば、ICタグを、インモールド成形、またはインサート成形によって容器に一体化する。これにより、容器の壁内部、または壁面といった任意の位置にICタグを一体化することができる。
【0019】
請求項4記載のクリーン容器の製造方法によれば、容器が容器本体および蓋からなり、ICタグを容器本体または/および蓋に一体化する。これにより、例えば、容器本体や蓋の形状、大きさ、または容器情報の管理状況等により、ICタグを一体化する対象を任意に選ぶことができる。例えば、容器本体および蓋の各々について製造情報を管理する必要がある場合には、各々にICタグを一体化して管理することができる。
【発明を実施するための好ましい形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
【0021】
本発明を適用して製造されるクリーン容器は、一例として、図1に示されるように容器本体1、および容器本体1の入出力口に着脱可能な蓋2で構成されている。
【0022】
容器本体1には、図1に示されるように、円筒形の胴部にICタグ4が一体化して取り付けられている。
【0023】
図2には、ICタグ4の容器本体1の胴部への取付け例が示されている。図2(a)には、容器本体1の外壁面に一致するようにICタグ4が一体化された例が示されている。また、図2(b)には、容器本体1の壁内部に埋め込まれて一体化された例が示されている。図2(c)には、容器本体1の内壁面に一致するように一体化された例が示されている。図2(a),(b),(c)に示された何れの状態であっても、ICタグ4は非接触で送受信部32と無線通信できる。
【0024】
ICタグ4は、図3に示されるように、データを処理、記憶する集積回路20と、集積回路20に接続されてデータを非接触で送受する送受信アンテナ21とを備え、後述する容器本体1や蓋2と同程度の、添加剤無添加で純度が少なくとも99%のポリオレフィン系樹脂組成物で全体が被覆されている。ICタグ4は、図2(a),図2(c)に示されるように、容器本体1の外壁面や内壁面に一体化される場合には、柔軟な薄型のラベル状の形態に形成される。また、図2(b)に示されるように、容器本体1の壁内部に埋め込まれる場合には、柔軟性を必要としないため、厚く形成されてもよい。
【0025】
容器本体1および蓋2は、JIS B 9920に基づいて測定される空気清浄度がクラス7以下に保たれたクリーンルームの中で成形される。このため、空気中の塵埃や化学物質等の異物が原料に混入しない。
【0026】
容器本体1および蓋2は、何れも、酸化防止剤、滑剤、抗ブロッキング剤、および帯電防止剤といった添加剤無添加で純度が少なくとも99%のポリオレフィン系樹脂組成物を原料として用いられて成形される。
【0027】
ポリオレフィン系樹脂組成物の代表例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレートが良く知られている。特に、半導体や液晶製造用薬品用に使用される容器本体1や蓋2には、ポリエチレン樹脂を用いることが好ましい。半導体や液晶製造では、特に高純度の薬品が用いられる。ポリエチレン樹脂は、化学安定性が高く、薬品への不純物の溶出が少ない理由による。
【0028】
容器本体1は、クリーンルーム内でブロー成形装置によってブロー成形加工される。このブロー成形加工される過程でICタグ4は容器本体1に一体化される。
【0029】
図2(a),(c)に示されるように、容器本体1の外壁面または内壁面に一体化する場合には、原料注入前に、ブロー成形装置の金型の内壁にラベル状のICタグ4を挿入しておく。これにより、ICタグ4は、インモールド成形によって容器本体1の壁面に一体的に成形されて取り付けられる。
【0030】
図2(b)に示されるように、容器本体1の壁の内部に一体化する場合には、原料注入前に、ブロー成形装置の金型内にICタグ4を挿入しておく。これにより、ICタグ4は、インサート成形によって容器本体1の壁内部に一体化される。
【0031】
ICタグ4は、クリーン容器と同程度のポリオレフィン系樹脂組成物で全体が被覆されているため、ICタグ4から容器本体1に不純物が混入しない。このため容器本体1の成分純度が悪化しない。また、図2(c)に示すように、容器本体1の内面にICタグ4が成形されているときには、ICタグ4が添加剤無添加の高純度のポリオレフィン系樹脂組成物で全体が被覆されているため、ICタグ4から溶液にも不純物が混入しない。
【0032】
ICタグ4を被覆する組成物は、容器本体1を成形する組成物と同じ組成物を用いることが最も好ましい。例えば、容器本体1をポリエチレンで成形する場合には、同様のポリエチレンでICタグ4を被覆することが好ましい。同じ組成物を用いることで容器本体1に異なるポリオレフィン系樹脂成分が混入することが防止される。また、同じ組成物であることから成形後に乖離しない。
【0033】
容器本体1を成形する組成物と、ICタグ4を被覆する組成物とが異なる場合であっても、ポリオレフィン系樹脂は化学的安定性が高いため、容器本体1の純度はほとんど悪化しないが、以下に好ましい組み合わせを示す。容器本体1がポリエチレンの場合、ICタグ4は、1.ポリプロピレン、2.ポリエチレンテレフタレートの順番で組み合わせることが好ましい。容器本体1がポリプロピレンの場合、ICタグ4は、1.ポリエチレン、2.ポリエチレンテレフタレートの順番で組み合わせることが好ましい。容器本体1がポリエチレンテレフタレートの場合、ICタグ4は、1.ポリエチレン、2.ポリプロピレンの順番で組み合わせることが好ましい。
【0034】
蓋2は、インジェクション成形装置によってインジェクション成形される。
【0035】
ICタグ4には、容器本体1に埋め込まれる前、または埋め込まれた後に、クリーン容器のロット番号等の製造情報が記録される。また、クリーン容器に充填される溶液が予め決められている場合には、製造情報の記録と共に溶液の種類等の溶液情報も記録することができる。
【0036】
上記した実施例では、ICタグ4を容器本体1に一体化する例について説明したが、図4に示されるように、ICタグ4を蓋2に一体化してもよい。
【0037】
蓋2は、クリーンルーム内でインジェクション成形装置によってインジェクション成形加工される。このインジェクション成形加工される過程でICタグ4を蓋2に一体化する。本体容器1への一体化と同様に、例えば蓋2の天面部の外壁面、内部、または内壁面にICタグ4を一体化することができる。
【0038】
蓋2の外壁面または内壁面に一体化する場合には、原料注入前に、インジェクション成形装置の金型の内壁にラベル状のICタグ4を挿入しておく。これにより、ICタグ4は、インモールド成形によって蓋2の壁面に一体的に成形される。
【0039】
蓋2の壁の内部に一体化する場合には、原料注入前に、インジェクション成形装置の金型内にICタグ4を挿入しておく。これにより、ICタグ4は、インサート成形によって蓋2の壁内部に一体的に形成される。
【0040】
ICタグ4は、添加剤無添加の高純度のポリオレフィン系樹脂組成物で被膜されているため、ICタグ4から蓋2に不純物が混入しない。このため蓋2の成分純度が悪化しない。また、蓋2の内壁面に一体化されていても、溶液に不純物が混入しない。
【0041】
このように上記したクリーン容器の製造方法によれば、JIS B 9920に基づいて測定される空気清浄度がクラス7以下のクリーンルーム内で、添加剤無添加で純度が少なくとも99%のポリオレフィン系樹脂組成物を容器に成形加工する過程においてICタグ4を容器本体1または蓋2に一体化する。これにより、クリーン容器に空気中の塵埃や化学物質等の不純物が混入することなく、ICタグ4を一体的に成形することができ、クリーン容器の成分純度の悪化を防止することができる。また、ICタグ4にロット番号等の容器本体1、または/および蓋2の製造情報を成形前、または成形後に記録できるため、製造情報が変更されたときでも成形装置を停止させる必要が無い。また、ICタグ4には、多くの情報を記録することができるため、製造情報の他に、充填される溶液の種類等の溶液情報を記録することができる。また、クリーン容器に溶液を充填する溶液の製造ロット、溶液の製造日時、または溶液の使用期限等の溶液情報を追加して記録することができる。さらに、その他任意の情報を記録できる。
【0042】
また、このクリーン容器の製造方法によれば、ICタグ4は、クリーン容器と同程度のポリオレフィン系樹脂で被覆されている。これにより、ICタグ4から不純物が容器本体1や蓋2の原料に混入しない。このため、クリーン容器の成分純度の悪化を確実に防止することができる。
【0043】
また、このクリーン容器の製造方法によれば、ICタグ4はインモールド成形、またはインサート成形によって容器本体1または/および蓋2に一体化される。これにより、容器本体1や蓋2の壁内部(容器構造内部)、または容器本体1や蓋2の外壁面や内壁面といった任意の位置にICタグ4を一体化することができる。
【0044】
また、このクリーン容器の製造方法によれば、クリーン容器が容器本体1および蓋2からなり、ICタグ4を容器本体1または/および蓋2に一体化する。これにより、例えば、容器本体1が複雑な形状をしていてICタグ4を一体化できない場合には蓋2に一体化するなど、容器の形状や大きさでICタグ4を一体化する対象を任意に選ぶことができる。また、例えば、容器本体1および蓋2の各々について製造情報を管理する必要がある場合には各々にICタグ4を取り付けて管理するなど、情報の管理状況でICタグ4を一体化する対象を任意に選ぶことができる。
【0045】
次に、本発明を適用して製造されたクリーン容器の使用例について説明する。なお、以下、すでに説明した構成と同様の構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0046】
図5には、クリーン容器(容器本体1)、クリーン容器から溶液を送液する送液部30、および送受信部32が示されている。
【0047】
クリーン容器には溶液が充填され、ICタグ4にはクリーン容器の製造時、または溶液の充填時に溶液の種類を示す溶液情報が記録されているものとする。
【0048】
送液部30は、クリーン容器に充填されている溶液を例えば半導体製造機器(非図示)まで送液する。この送液部30には、ICタグ4と同様の機能を有するICタグ31が装着されている。ICタグ31には、送液部30から送液すべき溶液の種類を示す溶液情報が記録されている。
【0049】
送受信部32は、クリーン容器のICタグ4および送液部30のICタグ31双方と無線通信可能な位置に配置されている。この送受信部32は、図外の送液制御部に接続されている。
【0050】
送液部30にクリーン容器がセットされると、送受信部32は、送液を開始する前にクリーン容器のICタグ4に記録されている溶液情報を読み込む。また、送受信部32は、送液部30のICタグ31に記録されている溶液情報を読み込む。送液制御部は、送受信部32が読み込んだクリーン容器の溶液情報と送液部30の溶液情報とが互いに一致した場合に送液部30に送液を開始させる。互いの溶液情報が一致しない場合には送液させない。このため、送液すべき溶液と異なる溶液の充填されたクリーン容器が送液部30にセットされた場合であっても、送液が開始されず、誤送液を確実に防止することができる。
【0051】
また、クリーン容器のICタグ4に溶液の使用期限を記録しておくことで、使用期限切れの溶液の使用を確実に防止することができる。
【0052】
この場合、クリーン容器の蓋2を自動的に外す装置が送受信部32に装着されていると好ましい。この場合、蓋2にICタグ4が一体化されていても、送受信部32が通信後、送液を開始するときに蓋2が自動的に外される。
【0053】
次に、本発明を適用して製造されたクリーン容器の別の使用例について、図6を参照しつつ説明する。
【0054】
図6には、溶液の充填されたクリーン容器を例えば搬送帯で自動的に搬送する搬送路35が示されている。搬送路35は、分岐点36で3つの分岐経路に分岐している。分岐経路の先には、各々送液部30が配置されている。この各々の送液部30は、各々異なる溶液を送液するものとする。
【0055】
搬送路35の分岐点36の手前には、送受信部32が設置されている。この送受信部32には、図外の分岐制御部が接続されている。分岐制御部は、クリーン容器が分岐点で何れかの分岐経路を進むように分岐選択する。
【0056】
クリーン容器のICタグ4には、充填されている溶液の種類を示す溶液情報が記録されている。このクリーン容器が搬送路35で搬送されて、送受信部32に差し掛かった時に、送受信部32がICタグ4と無線通信してクリーン容器の溶液情報を読み込む。分岐制御部は、読み込んだ溶液情報に基づいて、クリーン容器の溶液を送液すべき送液部30に繋がる分岐経路を選択する。このため、クリーン容器が分岐点36で正しい分岐経路に搬送されて、誤った分岐経路に搬送されることを確実に防止することができる。これにより、誤送液も確実に防止することができる。
【0057】
なお、容器本体1の円筒形の壁にICタグ4を一体化された例について説明したが、容器本体1の底面にICタグ4を一体化してもよい。容器本体1の形状は、角筒型や箱体状など、どのような形状であってもよい。また、蓋2の天面部にICタグ4を一体化された例について説明したが、例えば蓋2の形状が大きい場合には、蓋2の円筒部に一体化してもよい。また、蓋2の外形は、角型であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明を適用して製造されるクリーン容器を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用して製造されるクリーン容器の胴部を示す拡大断面図である。
【図3】クリーン容器を構成するICタグを示す上面図である。
【図4】本発明を適用して製造される別のクリーン容器を示す斜視図である。
【図5】本発明を適用して製造されたクリーン容器の使用方法を示す概略図である。
【図6】本発明を適用して製造されたクリーン容器の別の使用方法を示す概略図である。
【符号の説明】
【0059】
1は容器本体、2は蓋、4,31はICタグ、20は集積回路、21は送受信アンテナ、30は送液部、32は送受信部、35は搬送路、36は分岐点である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
JIS B 9920に基づいて測定される空気清浄度がクラス7以下のクリーンルーム内で、添加剤無添加で純度が少なくとも99%のポリオレフィン系樹脂組成物を容器に成形加工する過程で、ICタグを容器に一体化することを特徴とするクリーン容器の製造方法。
【請求項2】
前記ICタグは、データを処理、記憶する集積回路と送受信アンテナとを備え、前記ポリオレフィン系樹脂と同程度の樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のクリーン容器の製造方法。
【請求項3】
前記ICタグを、インモールド成形、またはインサート成形によって容器に一体化することを特徴とする請求項1に記載のクリーン容器の製造方法。
【請求項4】
前記容器が容器本体および蓋からなり、前記ICタグを容器本体または/および蓋に一体化することを特徴とする請求項1、2、または3に記載のクリーン容器の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−73518(P2009−73518A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243541(P2007−243541)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000100849)アイセロ化学株式会社 (20)
【Fターム(参考)】