説明

ケーブルガイド

【課題】構成部品間を接続するケーブルを筺体内の空間に所望の形状に折り畳んで収納可能なケーブルガイドを提供する。
【解決手段】取付け部を有して板状に形成された本体と、該本体に対して屈曲可能に設けられた屈曲片とを備え、本体に複数のケーブル係止部をそれぞれ設けると共に、屈曲片の先端側にケーブル係止部を設け、各ケーブル係止部にケーブルを係止させて該ケーブルを折り畳み状態で支持することを特徴とする。前記本体と屈曲片が可撓性を有する薄板で一体形成され、前記ケーブル係止部は長孔等からなるケーブル挿通孔で形成される。また、前記ケーブルは、本体の一端側に設けたケーブル係止部から他端側に設けたケーブル係止部に係止された後に、屈曲片のケーブル係止部に係止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば筺体内に配置された二つの構成部品のプリント基板間を接続するためのケーブルを筐体内においてガイドするケーブルガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種ケーブルを支持(ガイド)するケーブルガイドとしては、例えば特許文献1に開示のものが知られている。このケーブルガイド101は、図7に示すように、全体を可撓性を有する板体により平面視ロ字状に形成し、その一端を切り離して拡開可能なケーブル挿入口102とすると共に、その他端部外側を取付け面103としてその中心位置に係合孔104を形成したケーブル保持片101aと、前記取付け面103に配線盤の取付け板105を介して当接される平板部106に、前記係合孔104に係合するやじり状の抜け止め部107を立設した固定片101bとにより構成されている。
【0003】
そして、取付け板105に所定の孔を設け、この取付け板105の孔部分の上面(表面)にケーブル保持片101aを位置させると共に下面(裏面)に固定片101bを位置させ、固定片101bの抜け止め部107を、固定片101bの孔からケーブル保持片101aの係合孔104に貫通させて抜け止め部107の先端を係合孔104の内側に係合させる。これにより、固定片101bとケーブル保持片101aとで取付け板105が挟持された状態となって、ケーブルガイド101が取付け板105に取付けられ、このケーブルガイド101のロ子状のケーブル保持片101a内部に各種ケーブルがケーブル挿入口102から挿入されて支持されるようになっている。
【特許文献1】実用新案登録公報第2558564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなケーブルガイド101にあっては、例えば複数本の各種ケーブルをケーブル保持片101aで取付け板105の表面に沿って支持できるものの、接続するためのケーブルについて、その状態を保ったままそれら構成部品を一定の距離まで分離する必要がある場合には、取付け板105の表面に沿って弛みなく支持したのでは構成部品を一定の距離まで分離できない。また、逆に一定の距離まで分離できるだけの弛みを持たせて支持したのでは、再度構成部品を結合する際にケーブルを挟み込むおそれがある。そのため、機器の大きさに割に長く収まりの悪いケーブルを、機器の筺体内の限られた空間内に、常に所望の形状に折り畳んで収納することが困難となる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、構成部品間を接続するケーブルを筺体内の空間に所望の形状で折り畳んで収納可能なケーブルガイドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、取付け部を有して板状に形成された本体と、該本体に対して屈曲可能に設けられた屈曲片とを備え、前記本体に複数のケーブル係止部を設けると共に、前記屈曲片の先端側にケーブル係止部を設け、前記各ケーブル係止部にケーブルを係止させて該ケーブルを折り畳み状態で支持することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記本体及び屈曲片のうち、少なくとも前記屈曲片が弾性変形及び復元可能に形成されていることを特徴とし、また、請求項3に記載の発明は、前記本体と屈曲片が可撓性を有する薄板で一体形成されていることを特徴とする。さらに、請求項4に記載の発明は、前記ケーブル係止部がケーブルが挿通可能なケーブル挿通孔で形成されていることを特徴とし、請求項5に記載の発明は、前記ケーブル挿通孔から前記本体や屈曲片の端面に連通する溝を形成することにより、ケーブル挿通孔の溝部分に屈曲部が設けられていることを特徴とする。また、請求項6に記載の発明は、前記ケーブルが、前記本体の一端側に設けたケーブル係止部から他端側に設けたケーブル係止部に係止された後に、前記屈曲片のケーブル係止部に係止されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、本体に複数のケーブル係止部を設けると共に屈曲片の先端側にケーブル係止部を設け、各ケーブル係止部にケーブルを係止させて該ケーブルを折り畳み状態で支持するため、屈曲片の本体に対する屈曲角度を所定に設定することにより、ケーブルの両端間の寸法を所定に設定して各種間隔の構成部品間の接続が可能となり、ケーブルガイドが静的なガイドに加え動的なガイドとしても機能して、ケーブルを筺体内の空間に所望の形状で折り畳んで収納することが可能となる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、本体と屈曲片のうち少なくとも屈曲片が弾性変形及び復元可能に形成されているため、弾性変形及び復元可能な屈曲片でケーブルの両端部間の寸法等を所望に設定することができ、また、屈曲片に加えて本体も弾性変形及び復元可能に構成することで、前記間隔寸法をより広範囲に設定することができて、各種筺体に使用できる等、ケーブルガイドの汎用性の向上を図ることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、本体と屈曲片が可撓性を有する薄板で一体形成されているため、例えばプラスチックやゴムの一体形成で本体と屈曲片を形成できて、ケーブルガイドを安価に形成することができる。
【0011】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加え、ケーブル係止部がケーブルが挿通可能なケーブル挿通孔で形成されているため、フラットケーブル等の各種ケーブルをケーブル係止部に確実に係止することができる。
【0012】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加え、ケーブル挿通孔から本体や屈曲片の端面に連通する溝を形成することにより、ケーブル挿通孔の溝部分に屈曲部が設けられているため、ケーブルの端部にコネクタが設けられている場合であっても、コネクタをケーブル挿通孔に挿通させることなく、屈曲部を屈曲させてケーブルをケーブル挿通孔に挿通係止できて、ケーブルの係止作業を簡単に行うことができる。
【0013】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし5に記載の発明の効果に加え、ケーブルが本体の一端側のケーブル係止部から他端側のケーブル係止部に係止された後に、屈曲片のケーブル係止部に係止されるため、ケーブルを本体に係止させつつ屈曲片の屈曲角度により規則正しく確実に折り畳むことができて、筺体内における配線の見栄えの向上等を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図6は、本発明に係わるケーブルガイドの一実施形態を示し、図1がその斜視図、図2が図1のA−A線に沿った断面図、図3が屈曲部の変形状態を示す斜視図、図4がケーブルの係止状態を示す斜視図、図5が使用状態の説明図、図6がケーブルガイドの変形例を示す斜視図及び断面図である。
【0015】
図1及び図2に示すように、ケーブルガイド1は、非使用時において平面視長方形状の薄板状に形成され、長手方向の一端側に取付け部としての取付け孔2を有する本体1aと、この本体1aの略中央部分に屈曲可能に設けられた屈曲片1bとを有している。前記本体1aは、その一端側の取付け孔2の内側に長方形状の縦長の長孔からなるケーブル挿通孔3(ケーブル係止部)が形成されると共に、その他端側にも同様の長孔からなるケーブル挿通孔4(ケーブル係止部)が形成されている。
【0016】
前記屈曲片1bは、本体1aの一端側から他端側に向けて所定幅で平面視コ字状の溝6で切欠くことにより、他端側のケーブル挿通孔4の上下部分の連結部7で本体1aに連結されている。そして、この屈曲片1bは、その基端側が前記連結部7を支点として、図2の二点鎖線や図3に示すように、本体1aに対して屈曲可能、すなわち手動により弾性変形可能で元の形状に自動もしくは手動で復元が可能に形成されている。また、屈曲片1aの先端側には、前記本体1aのケーブル挿通孔3、4と同一形状の長孔からなるケーブル挿通孔5(ケーブル係止部)が形成されている。
【0017】
なお、前記本体1aと屈曲片1bは、例えば導電性が無く可撓性を有するゴムを含む樹脂で一体成形されたり、あるいはステンレス板等の可撓性を有する金属薄板の打ち抜き加工により一体形成されるが、ケーブル8(図4参照)への傷付き防止の観点からは樹脂による成形が好ましく、金属薄板の場合には、ケーブル挿通孔3〜5の周囲に緩衝材を設けることが好ましい。また、前記屈曲片1bの連結部7の幅、すなわちケーブル挿通孔4の長孔寸法は、屈曲片1aが所定角度屈曲できるように設定され、また、前記ケーブル挿通孔3〜5の長さや幅は、ケーブル8の先端に取付けられたコネクタ9(図5及び図6参照)が挿通可能な大きさに設定されている。
【0018】
次に、前記ケーブルガイド1の使用方法について説明する。先ず、ケーブル8は、図4(a)に示すように、可撓性を有して屈曲(折り畳み)可能なフラットケーブルで形成されている。そして、このケーブル8は、図4(b)に示すように、例えばその一端側8aを本体1aのケーブル挿通孔3に表面側から挿通させて裏面側に引き出し、次に他端側8bを、本体1aの他端側の裏面から表面側に回してケーブル挿通孔4の表面側から裏面側に挿通させる。さらに他端側8bを屈曲片1bのケーブル挿通孔5の裏面側から表面側に挿通させてケーブルガイド1の表面側に引き出す。これにより、ケーブル8が折り畳まれた状態でケーブルガイド1の三つのケーブル挿通孔3〜5に挿通係止されることになる。
【0019】
このようにしてケーブル8が挿通係止されるケーブルガイド1は、図5に示すようにして使用される。すなわち、図5(a)に示すように、電気機器の図示しない筺体内には複数の構成部品10、11が配置されるが、この構成部品10、11に設けられたプリント基板(図示せず)には、コネクタ(図示せず)がそれぞれ搭載されている。そして、このプリント基板が搭載された二つの構成部品10、11間の間隔を比較的広くした例えば両構成部品10、11の分離状態で、ケーブルガイド1の本体1aの取付け孔2を一方の構成部品10の所定位置に取付部材13を介して固定ネジ12により固定し、ケーブルガイド1のケーブル挿通孔3から裏面側に引き出したケーブル8の一端側8aのコネクタ9を構成部品10の前記コネクタに嵌合させる。
【0020】
次に、ケーブルガイド1に折り畳まれて該ガイド1の表面側に引き出されているケーブル8の他端側8bのコネクタ9を、他方の構成部品11のコネクタに嵌合させる。これにより、分離状態の二つの構成部品10、11のプリント基板のコネクタ9がケーブル8で電気的に接続される。このとき、二つの構成部品10、11間の間隔が比較的広いことから、屈曲片1bは本体1aに比較的大きく屈曲すると共に、本体1aの固定側の端部も所定角度屈曲した状態となり、二つの構成部品10、11の比較的広い空間K2内に、ケーブル8がケーブルガイド1でガイドされた状態で配置されることになる。
【0021】
そして、この図5(a)に示す状態から、例えば二つの構成部品10、11を接近させて筺体内の比較的間隔が狭い空間内の所定位置に収納する場合は、図5(b)に示すように、構成部品10と構成部品11とを互いに接近させて所定の間隔dに設定することにより、ケーブルガイド1が空間K1内に位置する状態で筺体内に配置される。このとき、ケーブルガイド1の本体1aや屈曲片1bが薄板で弾性変形可能に形成されていることから、ケーブルガイド1が構成部品10、11間の間隔に応じてスムーズに変形(復元)して、ケーブル8及びケーブルガイド1が空間K1内に規則正しくすっきりと配置され、例えばケーブル8が他の部品により挟み込まれたり、あるいは空間K1内に大きく弛んだ状態で配置されること等がなくなる。
【0022】
つまり、前記ケーブルガイド1によれば、二つの構成部品10、11間の電気的な接続状態を維持したまま両構成部品10、11を筺体内の所定空間内に配置でき、その際、ケーブルガイド1に図5(a)に示す静的なガイドに加え、図5(a)から図5(b)に至る動的なガイドの機能を持たせつつ、ケーブル8で接続された例えば分離状態の両構成部品10、11を筺体内の所定位置に収納できることになる。
【0023】
このように、上記実施形態のケーブルガイド1にあっては、ケーブルガイド1の本体1aの一端側と他端側にケーブル挿通孔3、4がそれぞれ設けられると共に、本体1aに対して屈曲可能な屈曲片1bの先端側にケーブル挿通孔5が設けられ、各ケーブル挿通孔3〜5にケーブル8を挿通係止させることにより該ケーブル8が折り畳み状態で支持(ガイド)されるため、屈曲片1aの屈曲角度等を所定に設定することにより、ケーブル8の両端間の寸法を所定に設定することができて、各種間隔dの構成部品10、11間のケーブル8による接続が可能となる。
【0024】
これにより、ケーブルガイド1に静的なガイドに加え動的なガイドの機能も持たせることができ、折り畳まれた状態のケーブル8を、構成部品10、11間の空間K1内に効率的で規則正しくかつケーブル8が他の部品等で挟み込まれること等を防止しつつつ所望の形態で収納することができる。その結果、例えば前記構成部品10が筺体本体内のプリント基板で、前記構成部品11が前記筺体本体に対して開閉(もしくは取り外し)可能なカバーに設けられた端子基板等の場合で、カバーを開閉した状態で設定作業等が行われる機器であっても、カバーの開閉動作に応じてケーブルガイド1の弾性力や復元力を利用して、図5(a)(b)に示す状態とすることができ、このような機器でも好適に使用することが可能となる。
【0025】
また、屈曲片1bが弾性変形及び復元可能に形成されているため、弾性変形及び復元可能な屈曲片1bでケーブル8の両端間の間隔寸法等を所望に設定することができると共に、屈曲片1bに加えて本体1aも弾性変形及び復元可能に構成することで、ケーブルの両端部間の寸法をより広範囲に設定することができる。また、ケーブルガイド1の本体1aの長さ(大きさ)を所定に設定すること等により、ケーブルを所望に折り畳むことができるため、相対的な位置関係が異なる各種配置形態の構成部品10、11間に使用でき、これらのことから、ケーブルガイド1の汎用性を向上させて、各構成部品10、11がユニットされて配置される各種電気機器に好適に使用することが可能となる。
【0026】
さらに、本体1aと屈曲片1bが可撓性を有する薄板で一体形成されているため、例えばプラスチックやゴムの一体成形や薄い金属板の打ち抜き加工で本体1aと屈曲片1bを形成できて、ケーブルガイド1自体を安価に形成することができると共に、プラスチック等の導電性のない材料の使用によりケーブルガイド1によるケーブル8への傷付きを防止したり、ノイズ等の電気的な障害も防止することができる。また、ケーブルガイド1が非使用時に薄板状に形成されているため、使用前の部品状態の保管を容易に行ったりその取り扱いが容易になる等、部品の管理コストを低減させて、一層安価なケーブルガイド1を得ることが可能となる。
【0027】
また、ケーブル係止部としてのケーブル挿通孔3〜5がコネクタ9が挿通可能な長孔で形成されているため、フラットケーブル8等の各種ケーブルを長孔により確実に支持(ガイド)して、複数回路からなるケーブル8の折り畳み状態を良好に維持することができる。またさらに、ケーブル8が、本体1aの一端側のケーブル挿通孔3から他端側のケーブル挿通孔4に挿通係止された後に、屈曲片1bのケーブル挿通孔5に挿通係止されるため、ケーブル8を本体1aに支持させつつ屈曲片1bの屈曲角度により規則正しく確実に折り畳むことができて、二つの構成部品10、11間にケーブル8をすっきりと配置することができて、筺体内における配線の見栄えの向上を図ることができたり、保守時の作業性を一層向上させることができる。
【0028】
図6は、前記ケーブルガイド1の変形例を示し、(a)が図1と同様の斜視図、(b)が(a)のB−B線に沿った断面図である。以下、上記実施形態と同一部位には、同一符号を付して説明する。この変形例のケーブルガイド1の特徴は、前記ケーブル挿通孔3〜5に本体1aや屈曲片1bの端面に連通する切欠き状の溝15〜17が形成され、この溝15〜17の上下に屈曲部15a〜17aがそれぞれ形成されている点にある。
【0029】
すなわち、ケーブル挿通孔3の縦方向中央部から水平方向に本体1aの端面である溝6)に向けて切欠き状の溝15が形成され、この溝15の上下に図6(b)に示すように屈曲可能な屈曲部15aがそれぞれ形成されている。また同様にして、ケーブル挿通孔4から本体1aの外周端面に向けて溝16が形成されて、この溝16の上下に屈曲部16aがそれぞれ形成され、さらに、ケーブル挿通孔5から屈曲片1bの先端面に向けて溝17が形成されて、この溝17の上下に屈曲部17aがそれぞれ形成されている。
【0030】
このケーブルガイド1によれば、各ケーブル挿通孔3〜5に対応した一対の屈曲部15a〜17aの少なくとも一方を屈曲させることにより、前記コネクタ9をケーブル挿通孔3〜5に挿通させることなく、ケーブル8を各ケーブル挿通孔3〜5に挿通係止させることができ、上記実施形態のケーブルガイド1と同様の作用効果を得ることができる。また、このケーブルガイド1の場合、ケーブル8の両端部に接続されたコネクタ9を各ケーブル挿通孔3〜5にそれぞれ挿通させる必要がなくなり、ケーブル8の係止作業を極めて簡単に行うことが可能になると共に、ケーブル挿通孔3〜5の大きさ等をコネクタ9でなくケーブル8の形態に対応できて、ケーブル8をケーブル挿通孔3〜5により確実に挿通係止することが可能となる。
【0031】
なお、上記実施形態においては、ケーブルガイド1に一つの屈曲片1bを設けたが、例えば同一もしくは幅が異なり同一方向に屈曲可能かもしくは反対方向に屈曲可能な複数の屈曲片を併設状態で設け、各屈曲片にケーブルをそれぞれ係止させても良い。この場合は、特定の構成部品から引き出されて二つの構成部品に接続される2本のケーブルを一つのケーブルガイド1で支持できることになり、例えば特定の構成部品から引き出される複数のケーブルの接続に好適に使用できる。
【0032】
また、上記実施形態においては、樹脂の一体成形で本体1aと屈曲片1bとを一体形成したが、例えば本体1aと屈曲片1bを変形不能な板体で形成し、屈曲片1bの基端側を屈曲可能な部材(例えばゴム材、バネ材等)や構造(例えば屈曲可能な薄肉部等)により本体1bに連結することもできる。また、上記実施形態における、取付け孔2の位置も本体の一端側に限らず、例えば本体の他端側や側部側に設けることもできるし、その固定方法も固定ネジに限らず、例えばフック等に係止させる構成を採用することもできる。
【0033】
さらに、上記実施形態における、ケーブルガイド1の各部の構成や形状、ケーブル係止部の形態や個数、使用するケーブル8の形態等は一例であって、例えばケーブル係止部として、本体1aや屈曲片1bに設けられた屈曲可能な係止片を使用する等、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、ケーブルを電気機器等の筺体内に配線する構成に限らず、ケーブルを所定位置に収納して配線する必要がある全てのケーブルのガイドに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係わるケーブルガイドの一実施形態を示す斜視図
【図2】同図1のA−A線に沿った断面図
【図3】同屈曲片が屈曲した状態の斜視図
【図4】同ケーブルの挿通状態を示す斜視図
【図5】同使用状態を示す説明図
【図6】同ケーブルガイドの変形例を示す斜視図及び断面図
【図7】従来のケーブルガイドの使用状態の断面図
【符号の説明】
【0036】
1・・・ケーブルガイド、1a・・・本体、1b・・・屈曲片、2・・・取付け孔、3〜5・・・ケーブル挿通孔、6・・・溝、7・・・連結部、8・・・ケーブル、8a・・・一端側、8b・・・他端側、9・・・コネクタ、10、11・・・構成部品、12・・・固定ネジ、13・・・取付部材、15〜17・・・溝、15a〜17a・・・屈曲部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付け部を有して板状に形成された本体と、該本体に対して屈曲可能に設けられた屈曲片とを備え、
前記本体に複数のケーブル係止部を設けると共に、前記屈曲片の先端側にケーブル係止部を設け、前記各ケーブル係止部にケーブルを係止させて該ケーブルを折り畳み状態で支持することを特徴とするケーブルガイド。
【請求項2】
前記本体及び屈曲片のうち、少なくとも前記屈曲片が弾性変形及び復元可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブルガイド。
【請求項3】
前記本体と屈曲片が可撓性を有する薄板で一体形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のケーブルガイド。
【請求項4】
前記ケーブル係止部が、ケーブルが挿通可能なケーブル挿通孔で形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のケーブルガイド。
【請求項5】
前記ケーブル挿通孔から前記本体や屈曲片の端面に連通する溝を形成することにより、ケーブル挿通孔の溝部分に屈曲部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のケーブルガイド。
【請求項6】
前記ケーブルが、前記本体の一端側に設けたケーブル係止部から他端側に設けたケーブル係止部に係止された後に、前記屈曲片のケーブル係止部に係止されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のケーブルガイド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−213241(P2009−213241A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53075(P2008−53075)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000101400)アツミ電氣株式会社 (69)