説明

ケーブル挿入冶具、並びにその冶具を用いた保護案内部材付ケーブルの製造方法及び分解方法

【課題】保護案内部材内にケーブルを挿入する作業の手間を減らすことのできる冶具、及びその冶具を用いた保護案内部材付ケーブルの製造方法及び分解方法を提供する。
【解決手段】ケーブル挿入冶具10は、所定の幅で直線状に延びる本体部11と、本体部11の幅方向の両側部に互いの間隔がケーブルの幅よりも広くなるように設けられ、本体部11の延びる方向に沿って延びるとともに、本体部11の厚み方向のうち第1方向へ本体部11よりも所定の幅だけ突出するガイド部15と、を備える。冶具10は、本体部11の幅方向の両側部において本体部11の厚み方向のうち第2方向寄りの部分に設けられ、本体部11の延びる方向に沿って本体部11の全長にわたって延びるとともに、保護案内部材の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が狭い第1部分20aから、保護案内部材の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が広い第2部分20bへと変化する口拡部20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル保護案内部材内にケーブルを挿入する冶具、並びにその冶具を用いた保護案内部材付ケーブルの製造方法及び分解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットの可動部内に配置されるケーブルでは、ケーブルを保護及び案内するケーブル保護案内部材を、ケーブルの外周に取り付けている。中空の保護案内部材内にケーブルを収容する際には、保護案内部材の端部からケーブルを順次挿入すればよいが、途中で保護案内部材にケーブルが引っ掛かる等の問題が生じる。
【0003】
そこで、複数の部品からなる保護案内部材を、順次ケーブルの外周に組み付けて、保護案内部材内にケーブルを収容するものがある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のものでは、保護案内部材内にケーブルを収容する際にケーブルが引っ掛かる等の問題は生じないものの、複数の部品を順次ケーブルの外周に組み付ける必要があるため、組み付け作業に多くの手間が掛かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−47441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対して、出願人は、樹脂により長尺状に一体で形成され、長手方向に垂直な断面が中空の矩形状であり、1面が長手方向に沿って二分割されている保護案内部材を考案した。この保護案内部材によれば、1面は長手方向に沿って二分割されているため、その割れ目から保護案内部材内へケーブルを挿入することができる。
【0006】
しかしながら、保護案内部材の割れ目からケーブルを挿入する際には、割れ目を広げた状態で維持してケーブルを挿入する必要がある。このため、作業性を向上させるのに限度があり、保護案内部材内にケーブルを挿入する上で未だ改善の余地を残している。なお、ケーブルの挿入された保護案内部材内から、ケーブルを取り外す際にも同様の問題が生じる。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、保護案内部材内にケーブルを挿入する作業の手間を減らすことのできる冶具、及びその冶具を用いた保護案内部材付ケーブルの製造方法及び分解方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0009】
第1の手段は、ケーブル保護案内部材内にケーブルを挿入する冶具であって、前記保護案内部材は、樹脂により長尺状に一体で形成され、長手方向に垂直な断面が中空の矩形状であり、前記保護案内部材には、所定の1面を残して3面を切り込む長手方向に垂直なスリットが、長手方向に所定間隔で設けられ、前記保護案内部材において前記所定の1面と対向する面は、前記保護案内部材の長手方向に沿って二分割されており、前記冶具は、所定の幅で直線状に延びる本体部と、前記本体部の前記幅方向の両側部に互いの間隔が前記ケーブルの幅よりも広くなるように設けられ、前記本体部の延びる方向に沿って延びるとともに、前記本体部の厚み方向のうち第1方向へ前記本体部よりも所定の幅だけ突出するガイド部と、前記本体部の前記幅方向の両側部において前記本体部の厚み方向のうち前記第1方向とは反対の第2方向寄りの部分に設けられ、前記本体部の延びる方向に沿って前記本体部の全長にわたって延びるとともに、前記所定の1面の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が狭い第1部分から、前記所定の1面の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が広い第2部分へと変化する口拡部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、保護案内部材は、長手方向に垂直な断面が中空の矩形状であり、保護案内部材には、所定の1面を残して3面を切り込む長手方向に垂直なスリットが、長手方向に所定間隔で設けられている。このため、保護案内部材は、スリットの設けられていない所定の1面を内周側にして、外周側のスリットの間隔を広げるように、曲げたり捻ったりすることができる。そして、保護案内部材において所定の1面と対向する面は、保護案内部材の長手方向に沿って二分割されているため、その割れ目から保護案内部材内へケーブルを挿入することができる。なお、このように長手方向に所定間隔でスリットが設けられた保護案内部材では、仮に保護案内部材の端部からケーブルを順次挿入しようとすると、保護案内部材のスリットにケーブルが引っ掛かる可能性が非常に高い。
【0011】
保護案内部材内にケーブルを挿入する際には、まず、所定の1面を下向きにして保護案内部材を載置し、口拡部を下向きにして、保護案内部材の長手方向の端部に口拡部の第1部分を挿入する。このとき、口拡部の第1部分は、保護案内部材の所定の1面の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が狭いため、保護案内部材の長手方向の端部に挿入することができる。
【0012】
冶具のガイド部は、本体部の幅方向の両側部に互いの間隔がケーブルの幅よりも広くなるように設けられ、本体部の延びる方向に沿って延びている。そこで、次に本体部の延びる方向に沿ってガイド部の間にケーブルを載置する。このとき、ガイド部は、本体部の厚み方向のうち第1方向へ本体部よりも所定の幅だけ突出しているため、本体部の上に載置されたケーブルが、ガイド部の間から外れることを抑制することができる。
【0013】
口拡部は、本体部の幅方向の両側部において本体部の延びる方向に沿って本体部の全長にわたって延びている。そして、口拡部は、保護案内部材の所定の1面の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が狭い第1部分から、所定の1面の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が広い第2部分へと変化している。このため、口拡部の第1部分から第2部分へと順に保護案内部材内に挿入することにより、保護案内部材の所定の1面に接続する両側面が口拡部によって徐々に外側へ押され、保護案内部材の割れ目が広げられる。
【0014】
口拡部は、本体部の延びる方向に沿って本体部の全長にわたって延びており、換言すれば本体部は口拡部の第2部分の位置で途切れている。このため、本体部の上に載置されたケーブルは、本体部の途切れた第2部分の位置から、広げられた割れ目の間に落ちることとなる。したがって、冶具を保護案内部材の長手方向に沿って移動させることにより、保護案内部材内にケーブルを容易に挿入することができる。その結果、保護案内部材内にケーブルを挿入する作業の手間を減らすことができる。
【0015】
第2の手段では、前記本体部において前記第1方向側の面は、前記本体部の延びる方向において前記第1部分から前記第2部分側へ向かうほど、前記第2方向へ近付くように傾斜している。
【0016】
上記構成によれば、本体部において第1方向側の面、すなわちケーブルが載置される側の面は、本体部の延びる方向において第1部分から第2部分へ向かうほど、第2方向(鉛直下方とされる方向)へ近付くように傾斜している。このため、本体部の途切れた第2部分の位置から、広げられた割れ目の間にケーブルを落とす際に、ケーブルを徐々に下方へ導くことができる。したがって、保護案内部材内へのケーブルの挿入を安定させることができる。
【0017】
第3の手段では、前記口拡部は、前記本体部の延びる方向において前記第1部分から前記第2部分側へ前記本体部よりも延びるとともに、前記第2部分から、前記所定の1面の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が狭い第3部分へと変化する。
【0018】
上記構成によれば、第2部分から第3部分へと変化するように口拡部が延ばされているため、冶具により保護案内部材付ケーブルを分解することが可能となる。すなわち、保護案内部材内からケーブルを取り外す際には、まず、所定の1面を下向きにして保護案内部材を載置し、口拡部を下向きにして、保護案内部材の長手方向の端部に口拡部の第3部分を挿入する。このとき、口拡部の第3部分は、保護案内部材の所定の1面の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が狭いため、保護案内部材の長手方向の端部に挿入することができる。そして、口拡部の第3部分から第2部分へと順に保護案内部材内に挿入することにより、保護案内部材の所定の1面に接続する両側面が口拡部によって徐々に外側へ押され、保護案内部材の割れ目が広げられる。このとき、本体部の途切れた第2部分の位置において、広げられた割れ目の間から本体部の第1方向側の面の上へ、ケーブルを上げることができる。したがって、冶具を保護案内部材の長手方向に沿って移動させることにより、保護案内部材内からケーブルを容易に取り外すことができる。その結果、保護案内部材内からケーブルを取り外す作業の手間を減らすことができる。
【0019】
第4の手段では、前記ガイド部は、前記本体部の延びる方向において、前記口拡部の前記第1部分から前記第3部分にわたって設けられている。
【0020】
上記構成によれば、ガイド部は、本体部の延びる方向において、口拡部の第1部分から第3部分にわたって設けられている。このため、本体部の途切れた第2部分の位置から、広げられた割れ目の間にケーブルを落とす際に、第3部分の位置でケーブルをガイドすることができる。したがって、保護案内部材内へのケーブルの挿入を安定させることができる。また、同様にして、保護案内部材内からのケーブルの取り外しを安定させることができる。
【0021】
第5の手段では、前記口拡部には、前記第2方向側へ突出する突出部が設けられている。
【0022】
上記構成によれば、口拡部には、第2方向側へ突出する突出部が設けられているため、保護案内部材の所定の1面に対して口拡部の突出部が接触するようになる。このため、保護案内部材の所定の1面と口拡部との接触面積を減少させることができ、冶具を保護案内部材の長手方向に沿って移動させる際の摩擦力を低減することができる。したがって、保護案内部材付ケーブルを製造及び分解する際の作業性を向上させることができる。
【0023】
第6の手段は、第1〜第5のいずれかの手段のケーブル挿入冶具を用いた保護案内部材付ケーブルの製造方法であって、前記所定の1面を下向きにして前記保護案内部材を載置する工程と、前記口拡部を下向きにして、前記載置された保護案内部材の長手方向の端部に、前記口拡部の前記第1部分を挿入する工程と、前記載置された保護案内部材の長手方向に沿って前記ケーブルを配置するとともに、前記ガイド部の間において前記本体部の上に前記ケーブルを載置する工程と、前記本体部の上に前記ケーブルが載置された後に、前記口拡部の前記第1部分から前記第2部分へと順に前記保護案内部材内に挿入されるように、前記冶具を前記保護案内部材の長手方向に沿って移動させる工程と、を備える。
【0024】
上記工程によれば、上述したように、第1〜第5のいずれかの手段のケーブル挿入冶具を用いることにより、保護案内部材内にケーブルを容易に挿入することができ、保護案内部材内にケーブルを挿入する作業の手間を減らすことができる。なお、保護案内部材の長手方向の端部に第1部分を挿入する工程と、本体部の上にケーブルを載置する工程とは、どちらの工程を先に行ってもよい。
【0025】
第7の手段は、第3又は第4の手段のケーブル挿入冶具を用いた保護案内部材付ケーブルの分解方法であって、前記所定の1面を下向きにして、前記ケーブルの挿入された前記保護案内部材を載置する工程と、前記口拡部を下向きにして、前記載置された保護案内部材の長手方向の端部に、前記口拡部の前記第3部分を挿入する工程と、前記口拡部の前記第3部分から前記第2部分、前記第1部分へと順に前記保護案内部材内に挿入されるように、前記冶具を前記保護案内部材の長手方向に沿って移動させる工程と、を備える。
【0026】
上記工程によれば、上述したように、第3又は第4の手段のケーブル挿入冶具を用いることにより、保護案内部材内からケーブルを容易に取り外すことができ、保護案内部材内からケーブルを取り外す作業の手間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ケーブル及びケーブル挿入冶具を斜め上方から見た斜視図。
【図2】ケーブル及びケーブル挿入冶具を斜め下方から見た斜視図。
【図3】ケーブル挿入冶具の上面図。
【図4】ケーブル挿入冶具の側面図。
【図5】ケーブル挿入冶具の下面図。
【図6】図3の6−6線断面図。
【図7】図1,2の各線a−a,b−b,c−c,d−dを通る垂直な面での断面図。
【図8】ケーブル保護案内部材及びケーブルを示す斜視図。
【図9】ケーブル保護案内部材及びケーブルの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、ロボット等に用いられるケーブル保護案内部材内に、ケーブルを挿入する冶具として具体化している。
【0029】
まず、ケーブル保護案内部材30の構造について詳細に説明する。図8は、保護案内部材30及びケーブル41を示す斜視図である。ケーブル41は、小ケーブル41aを並列に4本結合した構成となっている。
【0030】
同図に示すように、保護案内部材30は、長尺状に一体で形成されている。保護案内部材30の長手方向に垂直な断面は、中空の矩形状となっている。保護案内部材30は、湾曲面33、2つの側面34、及び分割面35を備えている。保護案内部材30には、長手方向に垂直なスリット36が、長手方向に所定間隔で設けられている。スリット36は、湾曲面33(所定の1面)を残して分割面35及び2つの側面34を切り込んでおり、分割面35から湾曲面33近傍まで切り込んでいる。スリット36において、湾曲面33側の端部36aは丸く加工されている。
【0031】
湾曲面33と対向する分割面35は、保護案内部材30の長手方向に沿って二分割されている。すなわち、分割面35には、保護案内部材30の長手方向に延びる隙間37が形成されている。隙間37の幅は、ケーブル41の短手方向の幅Wcよりも狭く設定されている。側面34同士の間隔は、ケーブル41の短手方向の幅Wcよりも広く設定されている。湾曲面33と分割面35との間隔は、ケーブル41の厚さt(4本の小ケーブル41aの径)よりも広く設定されている。
【0032】
保護案内部材30は、合成樹脂を押し出し成形した後に、上記スリット36及び隙間37を形成する加工が施される。このため、保護案内部材30の長さを任意に調整することができる。合成樹脂としては、機械的強度や成形精度の高いものを採用することが望ましい。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などを採用することができる。ここでは、押し出し成形性及び形態安定性が高く、弾性変形が可能なポリプロピレンを採用している。そして、ケーブル挿入冶具により、上記隙間37を広げるように保護案内部材30を弾性変形させて、保護案内部材30の内部へケーブル41が挿入されている。
【0033】
図9は、ケーブル保護案内部材30及びケーブル41の断面図である。同図に示すように、保護案内部材30の湾曲面33は、内側(分割面35側)へ湾曲している。この状態において、2つの側面34は互いに略平行となっている。湾曲面33と側面34とは厚さが略等しくなっており、分割面35は湾曲面33よりも厚くなっている。分割面35は、隙間37側の端部が湾曲面33側へ近付くように傾斜している。このため、ケーブル41から分割面35へ作用する力に対する抵抗力を増大させることができ、保護案内部材30からケーブル41が外れることを抑制することができる。
【0034】
次に、図1,2を参照して、ケーブル挿入冶具10の概要を説明する。図1は、ケーブル41及びケーブル挿入冶具10を斜め上方から見た斜視図であり、図2は、ケーブル41及びケーブル挿入冶具10を斜め下方から見た斜視図である。なお、図1,2では、保護案内部材30のスリット36を省略している。
【0035】
冶具10は、保護案内部材30の隙間37(割れ目)を広げて、冶具10の上に載置されたケーブル41を、隙間37から保護案内部材30内へ挿入するものである。保護案内部材30内にケーブル41を挿入する際には、保護案内部材30内に冶具10の一部を挿入した状態で、保護案内部材30の長手方向に沿って矢印の挿入方向へ冶具10を移動させる。
【0036】
また、冶具10は、保護案内部材30内に挿入されたケーブル41を、保護案内部材30の隙間37(割れ目)を広げて、冶具10の上へ上げる(取り外す)ものである。保護案内部材30内からケーブル41を取り外す際には、保護案内部材30内に冶具10の一部を挿入した状態で、保護案内部材30の長手方向に沿って矢印の取り外し方向へ冶具10を移動させる。
【0037】
次に、図3〜6を参照して、ケーブル挿入冶具10の構成を説明する。図3はケーブル挿入冶具10の上面図、図4はケーブル挿入冶具10の側面図、図5はケーブル挿入冶具10の下面図、図6は図3の6−6線断面図である。
【0038】
冶具10は、本体部11、ガイド部15、及び口拡部20を備えている。
【0039】
本体部11は、所定の幅(図3,5における上下方向の幅)で、直線状に延びている(図3〜6における左右方向に延びている)。本体部11の幅は、本体部11の延びる方向(長手方向)における位置によって変化しているが、最も広い部分で保護案内部材30の湾曲面33における短手方向の幅と略等しくなっている。
【0040】
本体部11は、互いに並列に配置された挿入部12と誘導部13とを備えている。
【0041】
挿入部12は、保護案内部材30内に挿入される部分であり、保護案内部材30の湾曲面33における短手方向の幅(側面34同士の間隔)よりも狭い幅で形成されている。挿入部12が保護案内部材30内に挿入された状態において、挿入部12の一部は保護案内部材30の隙間37から張り出している。この隙間37から張り出す部分において、本体部11の延びる方向の第1端部12aにおける短手方向の幅は、隙間37の幅よりも狭くなっている。
【0042】
誘導部13は、ケーブル41を誘導する部分であり、挿入部12の上部に沿って延びるように設けられている。誘導部13の短手方向の幅は、一定であり、保護案内部材30の湾曲面33における短手方向の幅と略等しく設定されている。誘導部13において厚み方向のうち挿入部12側と反対方向(第1方向)側の面は、本体部11の延びる方向において上記挿入部12の第1端部12aから反対側の端部(第2端部12b)へ向かうほど、第1方向と反対方向(第2方向)へ近付くように傾斜している。詳しくは、誘導部13は、挿入部12の底面12cに平行な平行面13aと、底面12cに対して傾斜する傾斜面13bとを有している。挿入部12の底面12cと誘導部13の傾斜面13bとは、挿入部12の第2端部12bにおいて交差している。
【0043】
ガイド部15は、ケーブル41をガイドする部分である。ガイド部15は、上記本体部11における短手方向(幅方向)の両側部に互いの間隔がケーブル41の幅よりも広くなるように設けられている。ガイド部15は、誘導部13の上部において、本体部11の延びる方向に沿って延びている。そして、ガイド部15は、本体部11の厚み方向のうち第1方向(ここでは上方向)へ、本体部11よりも所定の幅だけ突出している。また、ガイド部15は、一端が挿入部12の第1端部12aと一致しており、挿入部12よりも長く延びている。そして、ガイド部15は、挿入部12から離れるほど、互いの間隔が狭くなっている。
【0044】
口拡部20は、保護案内部材30の隙間37(割れ目)を広げる部分である。口拡部20は、本体部11の幅方向の両側部において、本体部11の厚み方向のうち第2方向(ここでは下方向)寄りの部分、すなわち挿入部12の両側部に設けられている。口拡部20は、本体部11(挿入部12)の延びる方向に沿って延びている。
【0045】
口拡部20は、第1部分20a、第2部分20b、及び第3部分20cを備えている。第1部分20aは、挿入部12の第1端部12a付近に設けられている。本体部11の幅方向において、第1部分20aの外縁同士の間隔は、保護案内部材30の湾曲面33における短手方向の幅よりも狭くなっている。第2部分20bは、本体部11の長手方向において、第1部分20aの端部から挿入部12の第2端部12bを越えた位置まで設けられている。本体部11の幅方向において、第2部分20bの外縁同士の間隔は、保護案内部材30の湾曲面33における短手方向の幅よりも広くなっている。すなわち、口拡部20は、第1部分20aから第2部分20bへ向かって、外縁同士の間隔が徐々に広くなっている。第3部分20cは、本体部11の長手方向において、第2部分20bが本体部11(挿入部12)よりも延びる部分の先に設けられている。本体部11の幅方向において、第3部分20cの外縁同士の間隔は、保護案内部材30の湾曲面33における短手方向の幅よりも狭くなっている。すなわち、口拡部20は、第3部分20cから第2部分20bへ向かって、外縁同士の間隔が徐々に広くなっている。また、口拡部20の第2部分20b(突出部)は、第1部分20a及び第3部分20cよりも第2方向(ここでは下方向)側へ突出している。そして、第2部分20bの突出量は、第1部分20aから離れるほど大きくなり、また第3部分20cから離れるほど大きくなっている。
【0046】
ここで、本体部11において第1方向(ここでは上方向)側の面は、本体部11の延びる方向において第1部分20aから第2部分20b側へ向かうほど、第2方向(ここでは下方向)へ近付くように傾斜している。そして、本体部11は、その長手方向において、口拡部の第1部分20aから第2部分20bの中間まで設けられている。また、ガイド部15は、本体部11の延びる方向において、口拡部20の第1部分20aから第3部分20cにわたって設けられている。
【0047】
以上のように構成されたケーブル挿入冶具10を用いて、ケーブル保護案内部材30内にケーブル41を挿入する手順、すなわち保護案内部材付ケーブルの製造方法について説明する。なお、図7(a),(b),(c),(d)は、それぞれ図1,2の各線a−a,b−b,c−c,d−dを通る垂直な面での断面図である。
【0048】
まず、保護案内部材30の湾曲面33を下向きにして、保護案内部材30を作業台の上に載置する。続いて、冶具10の口拡部20を下向きにして、載置された保護案内部材30の長手方向の端部に、口拡部20の第1部分20aを挿入する。ここで、本体部11の幅方向において、第1部分20aの外縁同士の間隔は、湾曲面33の短手方向の幅よりも狭くなっている。このため、保護案内部材30の両側面34の間に、口拡部20の第1部分20aを容易に挿入することができる。また、保護案内部材30の隙間37から張り出す部分において、挿入部12の第1端部12aにおける短手方向の幅は、隙間37の幅よりも狭くなっている。このため、保護案内部材30の両側面34の間及び隙間37に、挿入部12の第1端部12aを容易に挿入することができる(図7(a)参照)。
【0049】
次に、保護案内部材30の長手方向に沿ってケーブル41を配置するとともに、冶具10のガイド部15の間において本体部11の誘導部13の上にケーブル41を載置する。ここで、ガイド部15は、本体部11の厚み方向のうち第1方向(ここでは上方向)へ、本体部11よりも所定の幅だけ突出している。このため、2つのガイド部15の間にケーブル41を載置した際に、ガイド部15の間からケーブル41が外れることを抑制することができる。
【0050】
次に、口拡部20の第1部分20aから第2部分20bへと順に保護案内部材30内に挿入されるように、冶具10を保護案内部材30の長手方向に沿って移動させる。ここで、口拡部20は、第1部分20aから第2部分20bへ向かって、外縁同士の間隔が徐々に広くなっている。このため、口拡部20の第1部分20aから第2部分20bへと順に保護案内部材30内に挿入することにより、保護案内部材30の湾曲面33に接続する両側面34が口拡部20によって徐々に外側へ押され、保護案内部材30の隙間37(割れ目)が広げられる(図7(b)参照)。このとき、口拡部20には、第2方向(ここでは下方向)側へ突出する第2部分20bが設けられているため、保護案内部材30の湾曲面33に対して第2部分20bが接触するようになる。このため、保護案内部材30の湾曲面33と口拡部20との接触面積を減少させることができ、冶具10を保護案内部材30の長手方向に沿って移動させる際の摩擦力を低減することができる。
【0051】
誘導部13は、本体部11の長手方向において、口拡部20の第2部分20bの中間まで設けられている。このため、誘導部13の平行面13aから傾斜面13bに沿って下方へ誘導されたケーブル41は、誘導部13が途切れた部分(挿入部12の第2端部12b)から保護案内部材30内に落ちることとなる(図7(c)参照)。このとき、ガイド部15は、挿入部12よりも長く延びているため、誘導部13の上に載置されたケーブル41が、挿入部12の第2端部12bから落ちるまで確実にガイドすることができる。さらに、ガイド部15は、本体部11の長手方向において、挿入部12から離れるほど、互いの間隔が狭くなっている。このため、ケーブル41の広げられた隙間37の間において、中央寄りの位置にケーブル41を落とすことができ、より確実に保護案内部材30内にケーブル41を収容することができる。
【0052】
そして、保護案内部材30の各部分では、口拡部20の第2部分20b及び第3部分20cが順に通過する。このため、第2部分20bから第3部分20cへと移行するに従って、保護案内部材30の隙間37(割れ目)が徐々に閉じられる。したがって、ケーブル41の上方において保護案内部材30の隙間37が閉じられ、保護案内部材30内にケーブル41が収容される(図7(d)参照)。
【0053】
上記とは反対に、ケーブル挿入冶具10を用いて、ケーブル保護案内部材30内からケーブル41を取り外す手順、すなわち保護案内部材付ケーブルの分解方法について説明する。なお、図7(a),(b),(c),(d)は、それぞれ図1,2の各線a−a,b−b,c−c,d−dを通る垂直な面での断面図である。
【0054】
まず、保護案内部材30の湾曲面33を下向きにして、ケーブル41の挿入された保護案内部材30を作業台の上に載置する。続いて、冶具10の口拡部20を下向きにして、載置された保護案内部材30の長手方向の端部に、口拡部20の第3部分20cを挿入する。ここで、本体部11の幅方向において、第3部分20cの外縁同士の間隔は、湾曲面33の短手方向の幅よりも狭くなっている。このため、保護案内部材30の両側面34の間に、口拡部20の第3部分20cを容易に挿入することができる。また、挿入部12の底面12cと誘導部13の傾斜面13bとは、挿入部12の第2端部12bにおいて交差している。このため、保護案内部材30の湾曲面33と分割面35との間に、挿入部12の第2端部12b(誘導部13の傾斜面13bの端部)を容易に挿入することができる。(図7(d)参照)。
【0055】
次に、口拡部の第3部分20cから第2部分20b、第1部分20aへと順に保護案内部材30内に挿入されるように、冶具10を保護案内部材30の長手方向に沿って移動させる。ここで、口拡部20は、第3部分20cから第2部分20bへ向かって、外縁同士の間隔が徐々に広くなっている。このため、口拡部20の第3部分20cから第2部分20bへと順に保護案内部材30内に挿入することにより、保護案内部材30の湾曲面33に接続する両側面34が口拡部20によって徐々に外側へ押され、保護案内部材30の隙間37(割れ目)が広げられる(図7(c)参照)。このとき、口拡部20には、第2方向(ここでは下方向)側へ突出する第2部分20bが設けられているため、保護案内部材30の湾曲面33に対して第2部分20bが接触するようになる。このため、保護案内部材30の湾曲面33と口拡部20との接触面積を減少させることができ、冶具10を保護案内部材30の長手方向に沿って移動させる際の摩擦力を低減することができる。
【0056】
誘導部13は、本体部11の長手方向において、口拡部20の第2部分20bの中間まで設けられている。このため、口拡部20の第3部分20cから第2部分20bへと順に保護案内部材30内に挿入することにより、本体部11の途切れた第2部分20bの位置(挿入部12の第2端部12b)において、広げられた割れ目の間から誘導部13の傾斜面13bの上へ、ケーブル41を上げることができる。このとき、傾斜面13bから平行面13aへと誘導されたケーブル41は、ガイド部15によりガイドされる。(図7(b)参照)。
【0057】
そして、保護案内部材30の各部分では、口拡部20の第2部分20b及び第1部分20aが順に通過する。このため、第2部分20bから第1部分20aへと移行するに従って、保護案内部材30の隙間37(割れ目)が徐々に閉じられる。したがって、ケーブル41の下方において保護案内部材30の隙間37が閉じられ、保護案内部材30内からケーブル41が取り外される(図7(a)参照)。
【0058】
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。
【0059】
・保護案内部材30内にケーブル41を挿入する際には、まず、湾曲面33を下向きにして保護案内部材30を載置し、口拡部20を下向きにして、保護案内部材30の長手方向の端部に口拡部20の第1部分20aを挿入する。このとき、口拡部20の第1部分20aは、保護案内部材30の湾曲面33の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が狭いため、保護案内部材30の長手方向の端部に容易に挿入することができる。
【0060】
・冶具10のガイド部15は、挿入部12の幅方向の両側部に互いの間隔がケーブル41の幅よりも広くなるように設けられ、本体部11の延びる方向に沿って延びている。そこで、次に本体部11の延びる方向に沿って2つのガイド部15の間にケーブル41を載置する。このとき、ガイド部15は、本体部11の厚み方向のうち第1方向(上方向)へ誘導部13よりも所定の幅だけ突出しているため、誘導部13の上に載置されたケーブル41が、ガイド部15の間から外れることを抑制することができる。
【0061】
・口拡部20は、挿入部12の幅方向の両側部において本体部11の延びる方向に沿って挿入部12の全長にわたって延びている。そして、口拡部20は、保護案内部材30の湾曲面33の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が狭い第1部分20aから、湾曲面33の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が広い第2部分20bへと変化している。このため、口拡部20の第1部分20aから第2部分20bへと順に保護案内部材30内に挿入することにより、保護案内部材30の湾曲面33に接続する両側面34が口拡部20によって徐々に外側へ押され、保護案内部材30の隙間37を広げることができる。
【0062】
・口拡部20は、本体部11の延びる方向に沿って本体部11の全長にわたって延びており、換言すれば本体部11は口拡部20の第2部分20bの中間で途切れている。このため、誘導部13の上に載置されたケーブル41は、第2部分20bの範囲において本体部11の途切れた位置から、広げられた割れ目の間に落ちることとなる。したがって、冶具10を保護案内部材30の長手方向に沿って移動させることにより、保護案内部材30内にケーブル41を容易に挿入することができる。その結果、保護案内部材30内にケーブル41を挿入する作業の手間を減らすことができる。
【0063】
・誘導部13において傾斜面13bは、本体部11の延びる方向において第1部分20aから第2部分20b側へ向かうほど、第2方向(下方向)へ近付くように傾斜している。このため、本体部11の途切れた位置から、広げられた割れ目の間にケーブル41を落とす際に、ケーブル41を徐々に下方へ導くことができる。したがって、保護案内部材30内へのケーブル41の挿入を安定させることができる。
【0064】
・ガイド部15は、本体部11の延びる方向において、口拡部20の第1部分20aから第3部分20cにわたって設けられている。このため、本体部11の途切れた位置から、広げられた割れ目の間にケーブル41を落とす際に、第3部分20cの位置でケーブル41をガイドすることができる。したがって、保護案内部材30内へのケーブル41の挿入を安定させることができる。また、同様にして、保護案内部材30内からのケーブル41の取り外しを安定させることができる。
【0065】
・第2部分20bから第3部分20cへと変化するように口拡部20が延ばされているため、冶具10により保護案内部材付ケーブルを分解することが可能となる。すなわち、保護案内部材30内からケーブル41を取り外す際には、まず、湾曲面33を下向きにして保護案内部材30を載置し、口拡部20を下向きにして、保護案内部材30の長手方向の端部に口拡部20の第3部分20cを挿入する。このとき、口拡部20の第3部分20cは、保護案内部材30の湾曲面33の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が狭いため、保護案内部材30の長手方向の端部に挿入することができる。そして、口拡部20の第3部分20cから第2部分20bへと順に保護案内部材30内に挿入することにより、保護案内部材30の湾曲面33に接続する両側面34が口拡部20によって徐々に外側へ押され、保護案内部材30の割れ目が広げられる。このとき、本体部11の途切れた位置において、広げられた割れ目の間から誘導部13の傾斜面13bの上へ、ケーブル41を上げることができる。したがって、冶具10を保護案内部材30の長手方向に沿って移動させることにより、保護案内部材30内からケーブル41を容易に取り外すことができる。その結果、保護案内部材30内からケーブル41を取り外す作業の手間を減らすことができる。
【0066】
・口拡部20には、第2方向(下方向)側へ突出する第2部分20bが設けられているため、保護案内部材30の湾曲面33に対して口拡部20の第2部分20bが接触するようになる。このため、保護案内部材30の湾曲面33と口拡部20との接触面積を減少させることができ、冶具10を保護案内部材30の長手方向に沿って移動させる際の摩擦力を低減することができる。したがって、保護案内部材30付ケーブルを製造及び分解する際の作業性を向上させることができる。
【0067】
なお、上記実施形態を、以下のように変形して実施することもできる。
【0068】
・保護案内部材30の長手方向の端部に冶具10における口拡部20の第1部分20aを挿入する工程と、冶具10の本体部11の上にケーブル41を載置する工程とは、どちらの工程を先に行ってもよい。
【0069】
・冶具10の口拡部20において、第2部分20bが第1部分20a及び第3部分20cよりも第2方向(下方向)へ突出していない構成を採用することもできる。
【0070】
・冶具10のガイド部15を、本体部11の長手方向において、口拡部20の第1部分20a及び第2部分20bの範囲のみに設けたり、口拡部20の第2部分20bの範囲のみに設けたりすることもできる。
【0071】
・冶具10により、保護案内部材30内へのケーブル41の挿入のみを行い、保護案内部材30内からのケーブル41の取り外しを行わない場合には、口拡部20の第3部分20cを省略することもできる。
【0072】
・冶具10の誘導部13において、本体部11の長手方向における傾斜面13bの長さを短くしたり(傾斜面13bの傾斜を急にしたり)、傾斜面13bを省略して平行面13aのみ設けたりすることもできる。
【0073】
・保護案内部材30内にケーブル41を挿入する際に、保護案内部材30側へケーブル41を押し付けるローラ等を冶具10に設けてもよい。
【符号の説明】
【0074】
10…ケーブル挿入冶具、11…本体部、12…挿入部、13…誘導部、15…ガイド部、20…口拡部、20a…第1部分、20b…第2部分、20c…第3部分、30…ケーブル保護案内部材、33…湾曲面(所定の1面)、34…側面、35…分割面(所定の1面と対向する面)、36…スリット、37…隙間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル保護案内部材内にケーブルを挿入する冶具であって、
前記保護案内部材は、樹脂により長尺状に一体で形成され、長手方向に垂直な断面が中空の矩形状であり、前記保護案内部材には、所定の1面を残して3面を切り込む長手方向に垂直なスリットが、長手方向に所定間隔で設けられ、前記保護案内部材において前記所定の1面と対向する面は、前記保護案内部材の長手方向に沿って二分割されており、
前記冶具は、
所定の幅で直線状に延びる本体部と、
前記本体部の前記幅方向の両側部に互いの間隔が前記ケーブルの幅よりも広くなるように設けられ、前記本体部の延びる方向に沿って延びるとともに、前記本体部の厚み方向のうち第1方向へ前記本体部よりも所定の幅だけ突出するガイド部と、
前記本体部の前記幅方向の両側部において前記本体部の厚み方向のうち前記第1方向とは反対の第2方向寄りの部分に設けられ、前記本体部の延びる方向に沿って前記本体部の全長にわたって延びるとともに、前記所定の1面の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が狭い第1部分から、前記所定の1面の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が広い第2部分へと変化する口拡部と、
を備えることを特徴とするケーブル挿入冶具。
【請求項2】
前記本体部において前記第1方向側の面は、前記本体部の延びる方向において前記第1部分から前記第2部分側へ向かうほど、前記第2方向へ近付くように傾斜している請求項1に記載のケーブル挿入冶具。
【請求項3】
前記口拡部は、前記本体部の延びる方向において前記第1部分から前記第2部分側へ前記本体部よりも延びるとともに、前記第2部分から、前記所定の1面の短手方向の幅よりも外縁同士の間隔が狭い第3部分へと変化する請求項1又は2に記載のケーブル挿入冶具。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記本体部の延びる方向において、前記口拡部の前記第1部分から前記第3部分にわたって設けられている請求項3に記載のケーブル挿入冶具。
【請求項5】
前記口拡部には、前記第2方向側へ突出する突出部が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載のケーブル挿入冶具。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のケーブル挿入冶具を用いた保護案内部材付ケーブルの製造方法であって、
前記所定の1面を下向きにして前記保護案内部材を載置する工程と、
前記口拡部を下向きにして、前記載置された保護案内部材の長手方向の端部に、前記口拡部の前記第1部分を挿入する工程と、
前記載置された保護案内部材の長手方向に沿って前記ケーブルを配置するとともに、前記ガイド部の間において前記本体部の上に前記ケーブルを載置する工程と、
前記本体部の上に前記ケーブルが載置された後に、前記口拡部の前記第1部分から前記第2部分へと順に前記保護案内部材内に挿入されるように、前記冶具を前記保護案内部材の長手方向に沿って移動させる工程と、
を備えることを特徴とする保護案内部材付ケーブルの製造方法。
【請求項7】
請求項3又は4に記載のケーブル挿入冶具を用いた保護案内部材付ケーブルの分解方法であって、
前記所定の1面を下向きにして、前記ケーブルの挿入された前記保護案内部材を載置する工程と、
前記口拡部を下向きにして、前記載置された保護案内部材の長手方向の端部に、前記口拡部の前記第3部分を挿入する工程と、
前記口拡部の前記第3部分から前記第2部分、前記第1部分へと順に前記保護案内部材内に挿入されるように、前記冶具を前記保護案内部材の長手方向に沿って移動させる工程と、
を備えることを特徴とする保護案内部材付ケーブルの分解方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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