説明

ケーブル類保護案内装置

【課題】ヒンジ構造によりリンク板に取り付けられている連結アームが連結解除状態にあるときに、収納空間へのケーブル類収納作業の効率を向上させることができるケーブル類保護案内装置を提供する。
【解決手段】ケーブル類保護案内装置は、連結アーム130をリンク板110に対して着脱可能に取り付けるために、ヒンジ軸150と該ヒンジ軸150に回動可能に係合するフック160とから構成されるヒンジ構造A1を有する。ヒンジ構造A1は、ヒンジ軸150からのフック160の外れを防止する外れ防止部A11と、連結解除状態にある連結アーム130の回動を規制する回動規制部A12とを有する。回動規制部A12は、ヒンジ軸150の側係合要素152と、フック160の係合要素161とから構成される。係合要素152と係合要素161とが係合することにより連結アーム130の回動が規制された回動規制状態で、連結アーム130の回動角度は鈍角である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルやホース等のケーブル類を収納して、このケーブル類を保護するとともに案内するためのケーブル類保護案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のケーブル類保護案内装置は、長手方向に連結された複数のリンク列から構成されるリンク列群と、複数の第1連結アームと、複数の第2連結アームとを備え、各リンク列が互いに横方向に離間して配置された1対のリンク板から構成され、長手方向で隣接するリンク板同士が屈曲可能に連結されている。
そして、ケーブル類は、リンク列群の各リンク列の1対のリンク板と、リンク列の1対のリンク板を連結している各第1連結アームと、リンク列の1対のリンク板を連結している各第2連結アームとにより囲まれて形成される収納空間内に収納される。
【0003】
このようなケーブル類保護案内装置において、第1連結アームまたは第2連結アームである連結アームを、リンク列の1対のリンク板に対して着脱可能に取り付けるための取付構造が、互いに係合するリンク板のリンク側係合部と連結アームのアーム側係合部とから構成されるものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
また、ケーブル類保護案内装置において、収納空間内に収納されたケーブル類が移動する際に、ケーブル類が連結アームを収納空間から外側に向けて押圧することがあり、そのような場合に、ケーブル類が連結アームに加える外力により連結アームがリンク板から外れる現象、すなわちアーム外れ現象が生じることがある。
そして、このアーム外れ現象を防止するために、取付構造に設けられた外れ防止用係合部同士を係合させることも知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−38545号公報(図3−図15)。
【特許文献2】特開2007−247716号公報(図4−図13)。
【特許文献3】特開2007−92939号公報(図4−図7)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ケーブル類保護案内装置において、連結アームをリンク板に対して着脱可能に取り付ける取付構造が、リンク板が有するヒンジ軸(リンク側ヒンジ部に相当)と連結アームが有するフック(アーム側ヒンジ部に相当)とから構成されて、フックが長手方向に沿って延びている回動軸線を中心に回動可能にヒンジ軸に係合するヒンジ構造を有する場合、連結アームが1対のリンク板の一方のリンク板から外されているために1対のリンク板を連結していない状態(すなわち、連結解除状態)にあるときに、ヒンジ軸に係合している連結アームを回動させることにより、1対のリンク板のうちの1つのリンク板に連結アームが取り付けられたままであっても、収納空間へのケーブル類の組込が可能になる一方で、該ヒンジ構造が、ケーブル類からの外力によりフックがヒンジ軸から外れやすい構造になることがある。
そして、そのような場合には、アーム外れ現象の発生を防止するための外れ防止用係合部が、リンク板および連結アームに設けられる。
【0007】
ところで、連結解除状態にある連結アームのフックがリンク板のヒンジ軸に回動可能に係合している状態で、ケーブル類が収納空間に組み込まれる場合に、連結アームが、1対のリンク板を連結している連結状態から180°以上の回動角度で回動してしまうと、収納空間へのケーブル類の組込作業が完了した後に、連結アームを大きな回動量で回動させて連結状態に戻す必要があるので、連結アームが連結解除状態にあるときの収納空間へのケーブル類の組込作業の開始から、連結アームが連結状態にされるまでの作業(以下、「ケーブル類収納作業」という。)に手間がかかるという問題があった。
【0008】
また、アーム外れ現象の防止効果を高めるためには、外れ防止用係合部の剛性を大きくする必要があるので、外れ防止用係合部が、ヒンジ構造を構成するリンク板のヒンジ軸および連結アームのフックに設けられる場合に、外れ防止用係合部を設けるための専用の部分(例えば、回転軸線方向に突出する突出部)が必要になるのでは、ヒンジ軸やフックが大型化して(例えば、前記突出部の場合には、回転軸線方向で大型化して)、ヒンジ軸やフックの小型化が困難になり、このヒンジ構造を小型のケーブル類保護案内装置に使用することが困難になるという問題があった。
【0009】
また、1対のリンク板に対して、第1連結アームが連結状態にあり、かつ、第2連結アームが連結解除状態にある場合に、第1連結アームを底部として収納空間が上方に開放した状態でケーブル類が収納空間に組み込まれる場合に、第1連結アームが回動可能に係合しているリンク板が、組込作業中のケーブル類から作用する外力やリンク板の自重などにより回動して倒れてしまうと、ケーブル類の組込時に、横方向へのケーブル類の移動をリンク板により規制することができなくなって、収納空間へのケーブル類の組込に手間がかかるという問題があった。
【0010】
また、ヒンジ軸に対してフックが着脱される場合、または、ケーブル類収納作業のために外れ防止用係合部同士の係合および係合解除が作業者により強制的に行われる場合に、係合部を含む部分同士の擦れに起因して、それら擦れ合う部分での摩耗が促進されて、リンク板および連結アームの耐久性を低下させるという問題があった。
【0011】
また、ヒンジ軸とフックとの間に回動を可能とするために必要な微小な間隙以上の隙間が形成されていると、連結アームの回動時に、ヒンジ軸とフックとの間での当接(または、ガタツキ)が生じて、連結アームの回動が円滑に行われなくなるため、ヒンジ軸とフックとの当接部分で摩耗が促進されるという問題や、ケーブル類の組込作業のために連結アームを回動させるのに手間がかかるという問題があった。
【0012】
本発明は、前述の課題を解決するものであり、本発明の目的は、ヒンジ構造によりリンク板に取り付けられている連結アームが連結解除状態にあるときに、収納空間へのケーブル類収納作業の効率を向上させることができるケーブル類保護案内装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、さらに、アーム外れ現象を防止する外れ防止部を有するヒンジ構造の小型化が可能で、小型のケーブル類保護案内装置にも使用可能な外れ防止部を有するヒンジ構造が設けられたケーブル類保護案内装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、さらに、リンク板に連結アームを取り付けるための、ヒンジ構造を含む取付構造の耐久性を向上させたケーブル類保護案内装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
まず、請求項1に係る発明は、長手方向に連結された複数のリンク列から構成されるリンク列群と、複数の第1連結アームと、複数の第2連結アームとを備え、前記各リンク列が互いに横方向に離間して配置された1対のリンク板から構成され、前記長手方向で隣接する前記リンク板同士が屈曲可能に連結され、前記第1連結アームおよび前記第2連結アームの少なくとも一方である連結アームを前記リンク板に対して着脱可能に取り付ける取付構造が、前記リンク板のリンク側ヒンジ部と、前記連結アームのアーム側ヒンジ部とから構成されるヒンジ構造を有し、前記連結アームが、前記1対のリンク板を連結している連結状態と、前記連結状態を解除している連結解除状態とになり、前記アーム側ヒンジ部が、前記連結状態で前記リンク側ヒンジ部に係合し、前記連結解除状態で前記連結アームが長手方向に沿って延びている回動軸線を中心に回動するように回動可能に前記リンク側ヒンジ部に係合し、前記リンク列群の前記各リンク列の前記1対のリンク板と、前記リンク列の前記1対のリンク板を連結している前記各第1連結アームと、前記リンク列の前記1対のリンク板を連結している前記各第2連結アームとにより囲まれて形成される収納空間内にケーブル類が収納されるケーブル類保護案内装置において、前記ヒンジ構造が、前記連結解除状態にある前記連結アームの回動を規制する回動規制部を有し、前記回動規制部が、前記リンク側ヒンジ部に設けられたリンク側回動規制用係合部と、前記アーム側ヒンジ部に設けられたアーム側回動規制用係合部とから構成され、前記リンク側回動規制用係合部と前記アーム側回動規制用係合部とが係合することにより前記連結アームの回動が規制された回動規制状態で、前記連結状態からの前記連結アームの回動角度である規制回動角度が鈍角であることにより、前述の課題を解決したものである。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前記リンク側ヒンジ部が、前記回動軸線を周方向で囲むリンク側周面を有し、前記アーム側ヒンジ部が、前記回動軸線を周方向で囲む周面であって、前記連結アームの回動範囲において前記回動軸線を中心とする径方向で前記リンク側周面と対向するアーム側周面を有し、前記ヒンジ構造が、前記ケーブル類から前記連結アームに作用する外力により前記リンク側ヒンジ部から前記アーム側ヒンジ部が外れるアーム外れ現象を防止する外れ防止部を有し、前記外れ防止部が、前記リンク側周面に設けられたリンク側外れ防止用係合部と、前記アーム側周面に設けられたアーム側外れ防止用係合部とから構成され、前記連結アームが前記連結状態にあるときに、前記アーム側外れ防止用係合部と前記リンク側外れ防止用係合部とが係合することにより、前記アーム外れ現象が防止されることにより、前述の課題を解決したものである。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の構成に加えて、前記アーム側外れ防止用係合部が前記アーム側回動規制用係合部を兼ねることにより、前述の課題を解決したものである。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項2または請求項3に係る発明の構成に加えて、前記リンク側ヒンジ部および前記アーム側ヒンジ部の一方のヒンジ部が、回動軸線方向で第1部分および第2部分に分けられ、前記第1部分が、前記回動範囲内の所定回動範囲において、前記リンク側ヒンジ部および前記アーム側ヒンジ部の他方のヒンジ部に設けられた前記リンク側外れ防止用係合部または前記アーム側外れ防止用係合部である他方の外れ防止用係合部と接触して前記連結アームを回動方向に案内する案内面を有し、前記第2部分が、前記所定回動範囲において、前記他方の外れ防止用係合部が接触しない非接触部を有することにより、前述の課題を解決したものである。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明の構成に加えて、前記連結アームが前記所定回動範囲内の特定回動位置にあるときに、前記アーム側ヒンジ部が、径方向である着脱方向において前記リンク側ヒンジ部に対して着脱可能であり、前記連結アームが前記着脱方向に平行に移動するとき、前記非接触部が、前記他方の外れ防止用係合部と接触しない形状を有することにより、前述の課題を解決したものである。
【0018】
請求項6に係る発明は、請求項2から請求項5のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記連結アームが、前記連結状態で前記1対のリンク板の間で延びている本体部と、前記本体部の両端部から前記横方向にそれぞれ延出している1対のアーム側ヒンジ部とを有し、前記取付構造が、前記アーム外れ現象を防止する外れ防止取付構造を有し、前記外れ防止取付構造が、前記リンク板に設けられたリンク側第2外れ防止用係合部と、前記本体部に設けられたアーム側第2外れ防止用係合部とから構成され、前記連結アームが前記連結状態にあるときに、前記リンク側第2外れ防止用係合部と前記アーム側第2外れ防止用係合部とが係合することにより前記アーム外れ現象が防止されることにより、前述の課題を解決したものである。
【0019】
請求項7に係る発明は、請求項2から請求項5のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記連結アームが、前記取付構造により前記1対のリンク板に着脱可能な前記第1連結アームであり、前記第2連結アームが、前記1対のリンク板に着脱可能に取り付けられ、前記取付構造が、前記アーム外れ現象を防止する前記外れ防止取付構造を有し、前記外れ防止取付構造が、前記リンク板に設けられたリンク側第2外れ防止用係合部と、前記第1連結アームに設けられたアーム側第2外れ防止用係合部とから構成され、前記外れ防止部と前記外れ防止取付構造とが、前記横方向で前記回動軸線を挟んで配置され、前記第1連結アームが前記連結状態にあるときに、前記リンク側外れ防止用係合部と前記アーム側外れ防止用係合部とが係合し、かつ前記リンク側第2外れ防止用係合部と前記アーム側第2外れ防止用係合部とが係合することにより、前記アーム外れ現象が防止されることにより、前述の課題を解決したものである。
【0020】
請求項8に係る発明は、請求項1から請求項7のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記ヒンジ構造は、前記回動規制状態から前記連結状態に向けての前記連結アームの回動を規制する戻り規制部を有し、前記戻り規制部が、前記リンク側ヒンジ部に設けられたリンク側戻り規制用係合部と、前記アーム側ヒンジ部に設けられたアーム側戻り規制用係合部とから構成され、前記アーム側戻り規制用係合部と前記リンク側戻り規制用係合部とが係合することにより、前記連結アームの回動が規制された戻り規制状態において、前記回動角度である戻り規制回動角度が、前記規制回動角度よりも小さい鈍角であることにより、前述の課題を解決したものである。
【0021】
請求項9に係る発明は、請求項1から請求項8のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記各リンク板および前記連結アームのそれぞれは、一体成形された部材であり、前記リンク板および前記連結アームの一方の部材の形成材料の硬さが、前記リンク板および前記連結アームの他方の部材の形成材料の硬さよりも小さいことにより、前述の課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0022】
そこで、本発明のケーブル類保護案内装置は、長手方向に連結された複数のリンク列から構成されるリンク列群と複数の第1連結アームと複数の第2連結アームとを備え、各リンク列が互いに横方向に離間して配置された1対のリンク板から構成され、長手方向で隣接するリンク板同士が屈曲可能に連結され、第1連結アームおよび第2連結アームの少なくとも一方である連結アームをリンク板に対して着脱可能に取り付ける取付構造がリンク板のリンク側ヒンジ部と連結アームのアーム側ヒンジ部とから構成されるヒンジ構造を有し、連結アームが1対のリンク板を連結している連結状態とこの連結状態を解除している連結解除状態とになり、アーム側ヒンジ部が連結状態でリンク側ヒンジ部に係合し、連結解除状態で連結アームが長手方向に沿って延びている回動軸線を中心に回動するように回動可能にリンク側ヒンジ部に係合し、リンク列群の各リンク列の1対のリンク板とリンク列の1対のリンク板を連結している各第1連結アームとリンク列の1対のリンク板を連結している各第2連結アームとにより囲まれて形成される収納空間内にケーブル類が収納されることにより、リンク列群を構成する各リンク列の1対のリンク板と各第1,第2連結アームとにより囲まれて形成される収納空間内に長手方向に沿って収納されたケーブル類を、各リンク板および第1,第2連結アームにより保護するとともに案内することができる。
また、連結アームは長手方向に延びている回動軸線を中心として回動するので、連結解除状態にある連結アームをリンク側ヒンジ部に係合させたまま回動させることで、収納空間へのケーブル類の組込が可能になるため、収納空間へのケーブル類の組込作業の効率の向上が可能となるばかりでなく、以下のような本発明に特有の効果を奏する。
【0023】
すなわち、請求項1に係る本発明のケーブル類保護案内装置によれば、ヒンジ構造が連結解除状態にある連結アームの回動を規制する回動規制部を有し、回動規制部がリンク側ヒンジ部に設けられたリンク側回動規制用係合部とアーム側ヒンジ部に設けられたアーム側回動規制用係合部とから構成され、リンク側回動規制用係合部とアーム側回動規制用係合部とが係合することにより連結アームの回動が規制された回動規制状態で、連結状態からの連結アームの回動角度である規制回動角度が鈍角であることにより、リンク側回動規制用係合部とアーム側回動規制用係合部との係合により設定される規制回動角度が鈍角であるので、連結アームが180°以上の回動角度まで回動する場合に比べて、収納空間へのケーブル類の組込作業完了後に連結アームを連結状態まで回動させる手間が減少して、連結アームがヒンジ構造によりリンク板に取り付けられたまま連結解除状態にある状態でのケーブル類収納作業の効率を向上させることができる。
【0024】
請求項2に係る本発明のケーブル類保護案内装置によれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、次の効果が奏される。
リンク側ヒンジ部が、回動軸線を周方向で囲むリンク側周面を有し、アーム側ヒンジ部が、回動軸線を周方向で囲む周面であって、連結アームの回動範囲において回動軸線を中心とする径方向でリンク側周面と対向するアーム側周面を有し、ヒンジ構造が、ケーブル類から連結アームに作用する外力によりリンク側ヒンジ部からアーム側ヒンジ部が外れるアーム外れ現象を防止する外れ防止部を有し、外れ防止部が、リンク側周面に設けられたリンク側外れ防止用係合部と、アーム側周面に設けられたアーム側外れ防止用係合部とから構成され、連結アームが連結状態にあるときに、アーム側外れ防止用係合部とリンク側外れ防止用係合部とが係合することにより、アーム外れ現象が防止されることにより、ケーブル類からの外力により連結アームが外れるアーム外れ現象を防止する外れ防止部は、リンク側ヒンジ部およびアーム側ヒンジ部において、連結アームを回動可能とするために必要となるアーム側周面およびリンク側周面に設けられるので、外れ防止部を設けるための専用の部分をリンク側ヒンジ部およびアーム側ヒンジ部に設ける必要がないことから、リンク側外れ防止用係合部およびアーム側外れ防止用係合部が設けられるリンク側ヒンジ部およびアーム側ヒンジ部の小型化、すなわちヒンジ構造の小型化が可能になるため、外れ防止部を有するヒンジ構造を小型のケーブル類保護案内装置にも使用することが可能になって、該ヒンジ構造が使用可能なケーブル類保護案内装置の種類を拡大することができる。
【0025】
請求項3に係る本発明のケーブル類保護案内装置によれば、請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、次の効果が奏される。
アーム側外れ防止用係合部がアーム側回動規制用係合部を兼ねることにより、外れ防止用係合部および回動規制用係合部が設けられるアーム側ヒンジ部の構造が簡素化されて、外れ防止部および回動規制部を有するヒンジ構造が設けられたケーブル類保護案内装置のコスト削減を可能としながら、アーム側ヒンジ部およびリンク側ヒンジ部を小型化、すなわちヒンジ構造を小型化することができる。
【0026】
請求項4に係る本発明のケーブル類保護案内装置によれば、請求項2または請求項3に係る発明が奏する効果に加えて、次の効果が奏される。
リンク側ヒンジ部およびアーム側ヒンジ部の一方のヒンジ部が、回動軸線方向で第1部分および第2部分に分けられ、第1部分が、回動範囲内の所定回動範囲において、リンク側ヒンジ部およびアーム側ヒンジ部の他方のヒンジ部に設けられたリンク側外れ防止用係合部またはアーム側外れ防止用係合部である他方の外れ防止用係合部と接触して連結アームを回動方向に案内する案内面を有し、第2部分が、所定回動範囲において、他方の外れ防止用係合部が接触しない非接触部を有することにより、ヒンジ構造を構成するリンク側ヒンジ部およびアーム側ヒンジ部の一方のヒンジ部が有する非接触部を利用することにより、リンク側ヒンジ部に対して、アーム側外れ防止用係合部が設けられたアーム側ヒンジ部の着脱を容易化することができるうえ、他方の外れ防止用係合部が案内面により案内された状態で連結アームが回動するので、連結アームを円滑に回動させることができて、ケーブル類収納作業を向上させることができ、しかも非接触部により形成される隙間に起因するリンク側ヒンジ部とアーム側ヒンジ部との間での当接(または、ガタツキ)が防止されて、該当接により発生する各ヒンジ部の摩耗が抑制されるために、ヒンジ構造の耐久性、ひいてケーブル類保護案内装置の耐久性を向上させることができる。
【0027】
請求項5に係る本発明のケーブル類保護案内装置によれば、請求項4に係る発明が奏する効果に加えて、次の効果が奏される。
連結アームが所定回動範囲内の特定回動位置にあるときに、アーム側ヒンジ部が、径方向である着脱方向においてリンク側ヒンジ部に対して着脱可能であり、連結アームが着脱方向に平行に移動するとき、非接触部が、他方の外れ防止用係合部と接触しない形状を有することにより、リンク側ヒンジ部に対するアーム側ヒンジ部の着脱が容易になり、リンク側外れ防止用係合部が設けられたリンク側ヒンジ部を有するリンク板に対して、アーム側外れ防止用係合部が設けられたアーム側ヒンジ部を有する連結アームの組付性を向上させることができる。
【0028】
請求項6に係る本発明のケーブル類保護案内装置によれば、請求項2から請求項5のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、次の効果が奏される。
連結アームが、連結状態で1対のリンク板の間で延びている本体部と、本体部の両端部から横方向に延出している1対のアーム側ヒンジ部とを有し、前記取付構造が、前記アーム外れ現象を防止する外れ防止取付構造を有し、外れ防止取付構造が、リンク板に設けられたリンク側第2外れ防止用係合部と、本体部に設けられたアーム側第2外れ防止用係合部とから構成され、連結アームが前記連結状態にあるときに、リンク側第2外れ防止用係合部とアーム側第2外れ防止用係合部とが係合することによりアーム外れ現象が防止されることにより、リンク板および連結アームの間には、ヒンジ構造が有する外れ防止部に加えて、外れ防止取付構造が設けられるので、アーム外れ現象の防止効果を一層高めることができる。
しかも、アーム側第2外れ防止用係合部が、連結アームの連結状態で1対のリンク板の間に配置される本体部に設けられるので、連結アームが連結解除状態にあるときに、両ヒンジ部が係合した状態でリンク側第2外れ防止用係合部とアーム側第2外れ防止用係合部との係合を解除することが可能になるため、外れ防止取付構造が設けられるにも拘わらず、両ヒンジ部の係合による連結アームの回動可能状態が維持されて、収納空間へのケーブル類収納作業の効率の向上に寄与することができる。
【0029】
請求項7に係る本発明のケーブル類保護案内装置によれば、請求項2から請求項5のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、次の効果が奏される。
連結アームが、前記取付構造により1対のリンク板に着脱可能な第1連結アームであり、第2連結アームが、1対のリンク板に着脱可能に取り付けられ、前記取付構造が、前記アーム外れ現象を防止する外れ防止取付構造を有し、外れ防止取付構造が、リンク板に設けられたリンク側第2外れ防止用係合部と、第1連結アームに設けられたアーム側第2外れ防止用係合部とから構成され、外れ防止部と外れ防止取付構造とが、横方向で回動軸線を挟んで配置され、第1連結アームが前記連結状態にあるときに、リンク側外れ防止用係合部とアーム側外れ防止用係合部とが係合し、かつリンク側第2外れ防止用係合部とアーム側第2外れ防止用係合部とが係合することによりアーム外れ現象が防止されることにより、リンク板および第1連結アームの間には、ヒンジ構造が有する外れ防止部に加えて、外れ防止取付構造が設けられるので、アーム外れ現象の防止効果を一層高めることができる。
しかも、第1連結アームが連結状態にあり、かつ、各第2連結アームが、1対のリンク板を連結していない状態にあるときに、回動軸線に対して横方向で両側に配置された外れ防止部および外れ防止取付構造が、第1連結アームが回動方向での両方向に回動することを防止するので、第1連結アームを底部として収納空間が上方に開放した状態でケーブル類が収納空間に組み込まれる際、収納空間へのケーブル類の組込作業時にケーブル類からリンク板に作用する外力またはリンク板の自重により、リンク板が回動軸線回りに回動して倒れることを防止することができるので、ケーブル類の組込作業の効率を向上させることができる。
【0030】
請求項8に係る本発明のケーブル類保護案内装置によれば、請求項1から請求項7のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、次の効果が奏される。
ヒンジ構造は、回動規制状態から連結状態に向けての連結アームの回動を規制する戻り規制部を有し、戻り規制部が、リンク側ヒンジ部に設けられたリンク側戻り規制用係合部と、アーム側ヒンジ部に設けられたアーム側戻り規制用係合部とから構成され、アーム側戻り規制用係合部とリンク側戻り規制用係合部とが係合することにより、連結アームの回動が規制された戻り規制状態において、回動角度である戻り規制回動角度が、規制回動角度よりも小さい鈍角であることにより、連結アームの回動角度が、回動規制部により設定される規制回動角度と戻り規制部により設定される戻り規制回動角度との範囲で、鈍角の状態に安定して保たれるので、収納空間へのケーブル類の組込作業の効率を向上させることができ、ひいてはケーブル類収納作業の効率を向上させることができる。
【0031】
請求項9に係る本発明のケーブル類保護案内装置によれば、請求項1から請求項8のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、次の効果が奏される。
各リンク板および連結アームのそれぞれは、一体成形された部材であり、リンク板および連結アームの一方の部材の形成材料の硬さが、リンク板および連結アームの他方の部材の形成材料の硬さよりも小さいことにより、リンク側ヒンジ部に対してアーム側ヒンジ部が着脱される場合、または、リンク板および連結アームの係合部同士が作業者により強制的に係合および係合解除される場合などに、両ヒンジ部を含めてリンク板および連結アームにおける部分同士が互いに擦れ合うときに、硬さが小さい一方の部材に設けられた部分が容易に変形するので、ヒンジ構造を含む取付構造における摩耗の進行が抑制されて、該取付構造の耐久性、ひいてはケーブル類保護案内装置の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例であるケーブル類保護案内装置の一部の斜視図。
【図2】図1のケーブル類保護案内装置のリンク板の外側からの斜視図。
【図3】図2のリンク板の、内側からの斜視図。
【図4】図1のケーブル類保護案内装置のリンク板の要部斜視図。
【図5】図1のケーブル類保護案内装置の連結アームの要部斜視図。
【図6】図1のケーブル類保護案内装置のリンク板と連結アームとが係合状態にあり、かつ連結アームが連結状態にあるときの断面図であり、(a)は、図4のVIa−VIa線での断面図、(b)は、一部が図4のVIb1−VIb1線での断面図、一部が図4のVIb2−VIb2線での断面図。
【図7】図1のケーブル類保護案内装置のリンク板と連結アームとが係合状態にあり、かつ連結アームが非連結状態にあるときの断面図であり、(a)は、図6の(a)に相当する図、(b)は、図6の(b)に相当する図。
【図8】図7の連結アームが連結解除回動方向にさらに回動したときの断面図であり、(a)は、図6の(a)に相当する図、(b)は、図6の(b)に相当する図。
【図9】図8の連結アームが連結解除回動方向にさらに回動したときの断面図であり、(a)は、図6の(a)に相当する図、(b)は、図6の(b)に相当する図。
【図10】図9の連結アームが連結解除回動方向にさらに回動したときの断面図であり、(a)は、図6の(a)に相当する図、(b)は、図6の(b)に相当する図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明のケーブル類保護案内装置は、長手方向に連結された複数のリンク列から構成されるリンク列群と複数の第1連結アームと複数の第2連結アームとを備え、各リンク列が互いに横方向に離間して配置された1対のリンク板から構成され、長手方向で隣接するリンク板同士が屈曲可能に連結され、第1連結アームおよび第2連結アームの少なくとも一方である連結アームをリンク板に対して着脱可能に取り付ける取付構造がリンク板のリンク側ヒンジ部と連結アームのアーム側ヒンジ部とから構成されるヒンジ構造を有し、連結アームが1対のリンク板を連結している連結状態とこの連結状態を解除している連結解除状態とになり、アーム側ヒンジ部が連結状態でリンク側ヒンジ部に係合し、連結解除状態で連結アームが長手方向に沿って延びている回動軸線を中心に回動するように回動可能にリンク側ヒンジ部に係合し、リンク列群の各リンク列の1対のリンク板と、リンク列の1対のリンク板を連結している各第1連結アームと、リンク列の1対のリンク板を連結している各第2連結アームとにより囲まれて形成される収納空間内にケーブル類が収納されることにより、ヒンジ構造でリンク板に取り付けられている連結アームが連結解除状態にあるときに、収納空間へのケーブル類収納作業の効率を向上させることができるものであれば、その具体的な態様は、いかなるものであっても構わない。
【0034】
例えば、本発明における取付構造は、横方向での連結アームの両端部の少なくとも一方の端部に設けられていればよい。
ケーブル類は、可撓性の線状体であれば、いかなるものでもよく、例えば、機械において、電力の供給や信号の伝達を行う電気ケーブル、および、流体を含む物質を導くホース等を含む。
【実施例】
【0035】
以下、本発明の実施例を図1〜図10を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明の実施例であるケーブル類保護案内装置100(以下、「案内装置100」という。)は、ケーブル類Cを備える機械(図示されず)に備えられて、該ケーブル類Cを保護するとともに案内するために使用される。前記機械は、例えば、半導体製造装置、創薬試験装置、車両用ドア開閉装置または工作機械である。
【0036】
案内装置100は、前記機械において相対的に移動する2つの部分、例えば可動部および静止部を接続していることにより移動可能なケーブル類Cを収納するために、長尺状に長手方向に延びて形成され、可動部と静止部との間でのケーブル類Cの移動に応じて、全体または局所的に、直線姿勢または屈曲姿勢をとることができるように、可撓性を有する。
【0037】
案内装置100は、長手方向に配列されて屈曲可能に連結された複数のリンク列102から構成されるリンク列群101と、複数の第1連結アーム130と、複数の第2連結アーム140とを備える。
リンク列群101の両端部は、前記機械の可動部および静止部にそれぞれ取り付けられる2つの取付部(図1には、リンク列群101の一方の端部を構成する取付部103が示されている。)から構成され、長手方向で隣接するリンク列102に、後述する第2,第3連結構造N2,N3(図2,図3参照)と同様の構造により屈曲可能に連結される。
【0038】
各リンク列102は、互いに横方向に離間して配置された1対の第1,第2リンク板110,120から構成される。
そして、長手方向で隣接する第1リンク板110同士および第2リンク板120同士は、横方向回り(すなわち、横方向に平行な直線回り)に屈曲可能に連結されている。
一方、いずれも連結アームである第1,第2連結アーム130,140は、互いに縦方向に離間して配置されてリンク列102の1対のリンク板110,120を連結するとともに、それぞれ後述する取付構造A,Bにより、1対のリンク板110,120に対して着脱可能である。
第1連結アーム130は、長手方向に沿って延びている回動軸線L(図6参照)を中心に回動可能に1対のリンク板110,120に取り付けられる。
なお、横方向は、回動軸線Lが水平面上にあるとするときに、この水平面上で回動軸線Lに直交する方向であるとし、縦方向は、回動軸線Lおよび横方向に直交する方向であるとする。
【0039】
第1連結アーム130は、リンク列群101のうちの少なくとも一部である複数のリンク列102、本実施例ではすべてのリンク列102のそれぞれにおいて、1対のリンク板110,120に横方向に架設されて、該1対のリンク板110,120を、各リンク板110,120の屈曲外周側の端部において連結している。
第2連結アーム140は、リンク列群101のうちの少なくとも一部である複数のリンク列102、本実施例ではすべてのリンク列102のそれぞれにおいて、1対のリンク板110,120に横方向に架設されて、1対のリンク板110,120を、各リンク板110,120の屈曲内周側の端部において連結している。
そして、案内装置100において、第1連結アーム130同士および第2連結アーム140同士は、長手方向に離間して配置されている。
このため、リンク列群101は、長手方向で隣接するリンク列102同士が屈曲可能に連結された状態で長手方向に延びているとともに、第1,第2連結アーム130,140で連結されることにより、一体化されている。
【0040】
そして、案内装置100により案内される移動可能なケーブル類Cは、屈曲可能に連結されて長手方向に延びているリンク列群101の各リンク列102の1対のリンク板110,120、各第1連結アーム130および各第2連結アーム140により囲まれて形成される収納空間(以下、「収納空間」という。)内に、横方向で各1対のリンク板110,120の間に、縦方向で第1,第2連結アーム130,140の間に収納される。
【0041】
第1リンク板110、第2リンク板120、第1連結アーム130および第2連結アーム140のそれぞれは、同一の構造である。また、1対のリンク板110,120は、横方向に直交する平面に対して面対称となる部材であり、第1,第2連結アーム130,140のそれぞれも、横方向に直交する平面に対して面対称となる部材である。
【0042】
また、各リンク板110,120、各連結アーム130,140および取付部103のそれぞれは、その形成材料(例えばプラスチック)により一体成形された部材である。
そして、リンク板110,120および第1連結アーム130のうちの、一方の部材であるリンク板110,120の形成材料(例えば、ポリアミド66)の硬さは、他方の部材である第1,第2連結アーム130,140の形成材料(例えば、ポリアセタールまたは繊維強化したポリアミド)の硬さよりも小さい。
【0043】
図1〜図3を参照して、長手方向で隣接する各リンク板110,120同士の連結構造N1〜N3について、第2リンク板120を中心に説明するが、第1リンク板110も同様である。
リンク板120は、第1連結部121と、第2連結部122と、第1,第2連結部121,122を接続するとともに弾性変形による可撓性を有する継手部123とを有する。
そして、リンク板120には、長手方向での一方側で隣接するリンク板120の第2連結部(第2連結部122と同様。)と第1連結部121とを着脱可能に連結する第1連結構造N1と、長手方向での他方側で隣接するリンク板120の第1連結部(第1連結部121と同様。)と第2連結部122と着脱可能に連結する第2,第3連結構造N2,N3とが設けられる。
【0044】
第1連結構造N1は、第1連結部121において嵌合孔124eが設けられた嵌合部124aと、第2連結部122において嵌合孔124eに嵌合する嵌合凸部124bとから構成される。
第2連結構造N2は、第1連結部121の嵌合凸部125aと、第2連結部122において嵌合凸部125aに嵌合する嵌合凹部125bとから構成される。
第3連結構造N3は、第1連結部121の嵌合凸部126aと、第2連結部122において嵌合凸部126aに嵌合する嵌合凹部126bとから構成される。
【0045】
さらに、リンク板120には、案内装置100を直線姿勢に保持する直線姿勢保持構造N4と、案内装置100の屈曲姿勢を最大屈曲姿勢で規制する屈曲姿勢規制構造N5とが設けられる。
直線姿勢保持構造N4は、第1連結部121の外側および内側における屈曲外周側の第1直線姿勢保持面127aと、第2連結部122の外側および内側における第2屈曲内周側の直線姿勢保持面127bとから構成される。
同様に、屈曲姿勢規制構造N5は、第1連結部121の外側および内側における屈曲外周側の第1屈曲姿勢規制面128aと、第2連結部122の外側および内側における屈曲内周側の第2屈曲姿勢規制面128bとから構成される。
【0046】
案内装置100は、直線姿勢において、第1屈曲姿勢規制面128a同士および第2屈曲姿勢規制面128b同士が互いに離間した状態で、第1直線姿勢保持面127a同士および第2直線姿勢保持面同士127bがそれぞれ互いに当接して、直線姿勢を保持する一方、最大屈曲姿勢において、第1直線姿勢保持面127a同士および第2直線姿勢保持面127b同士がそれぞれ互いに離間した状態で、第1屈曲姿勢規制面128a同士および第2屈曲姿勢規制面128b同士がそれぞれ互いに当接して、最大屈曲姿勢を保持し、また直線姿勢および最大屈曲姿勢の間で、任意の中間屈曲姿勢をとることができる。
【0047】
図1,図4,図5を参照すると、第1連結アーム130は、この第1連結アーム130および1対のリンク板110,120に設けられた取付構造Aにより、1対のリンク板110,120に取り付けられて、これら1対のリンク板110,120を連結している連結状態(以下、「連結状態」という。)と、1対のリンク板110,120の少なくとも一方に取り付けられておらず1対のリンク板110,120を連結していない状態、すなわち連結状態を解除している連結解除状態(以下、「連結解除状態」という。)とになる。
図1には、連結状態にある第1連結アーム130と、1対のリンク板110,120のうちの第2リンク板120のみに取り付けられていて連結解除状態にある第1連結アーム130とが示されている。
【0048】
第1連結アーム130は、ケーブル類Cと当接することにより収納空間からのケーブル類Cの食み出しを防止する平板状の本体部131と、1対のリンク板110,120の第1連結部111,121にそれぞれ着脱可能に取り付けられる1対のフック160とを有する。
本体部131は、連結状態で1対のリンク板110,120の間に配置されて横方向に延びている。
1対のフック160は、本体部131の両端部132に連なるとともに、該両端部132から横方向で反対方向にそれぞれ延出しており、第1連結アーム130の両端部を構成する。
【0049】
図1を参照すると、第2連結アーム140は、第2連結アーム140および1対のリンク板110,120に設けられた取付構造Bにより、1対のリンク板110,120に取り付けられて、該1対のリンク板110,120を連結している連結状態(以下、「連結状態」という。)と、1対のリンク板110,120の少なくとも一方に取り付けられておらず1対のリンク板110,120を連結していない状態、すなわち連結状態を解除している連結解除状態(以下、「連結解除状態」という。)とになる。
【0050】
第2連結アーム140は、ケーブル類Cと当接することにより収納空間からのケーブル類Cの食み出しを防止する平板状の本体部141と、1対のリンク板110,120の第2連結部112,122にそれぞれ着脱可能に取り付けられる両端部でもある1対の係合部142とを有する。
取付構造Bは、各リンク板110,120の第2連結部112,122が有する棒状の係合部118,128(図3も参照)と、第2連結アーム140の凹状の1対の係合部142とから構成される。1対の係合部142は、横方向での第2連結アーム140の両端部にそれぞれ設けられる。
そして、両係合部118,128,142には、第1連結アーム130に関して後述するアーム外れ現象と同様に、ケーブル類Cから第2連結アーム140に作用する外力により各係合部118,128から係合部142が外れることを防止するために、横方向に延びていて互いに係合する突条および溝からなる凹凸構造を有する外れ防止構造(図示されず)が設けられている。
なお、取付構造Bにおいて、互いに係合状態にある係合部118,142同士および係合部128,142同士は、作業者が第2連結アーム140に加える力により、強制的に係合解除され得る。
【0051】
以下、図1,図4〜図10を参照して、第1連結アーム130と1対のリンク板110,120との間の取付構造Aを中心に、案内装置100について説明する。
なお、説明の便宜上、第1連結アーム130と第1リンク板110との間の取付構造Aを主に説明するが、第1連結アーム130と第2リンク板120との間の取付構造Aも同様である。
【0052】
図1,図4〜図6を参照すると、リンク板110および第1連結アーム130に設けられて、第1連結アーム130をリンク板110に対して着脱可能に取り付けるための取付構造Aは、ヒンジ構造A1と外れ防止取付構造A2とを有する。
ヒンジ構造A1は、リンク板110の第1連結部111(リンク板120の第1連結部121相当)が有するリンク側ヒンジ部としてのヒンジ軸150と、第1連結アーム130が有するアーム側ヒンジ部としてのフック160とから構成される。
外れ防止取付構造A2は、第1連結部111が有する第2リンク側外れ防止用係合部としての1対のリンク側係合要素176(本実施例では、凹部または段部)と、第1連結アーム130が有する第2アーム側外れ防止用係合部としての1対のアーム側係合要素136(本実施例では、凸部)とから構成される。
【0053】
なお、この明細書において、「リンク側係合要素」および「アーム側係合要素」とは、各リンク板110,120および第1連結アーム130にそれぞれ設けられて互いに係合可能な形状を有する部分であり、代表的には、一方の係合要素が凸部であるとき、他方の係合要素は、該凸部と係合可能な凹部(溝や孔を形成している部分を含む。)、段部、角部、凹部などである。
そして、本実施例において、「リンク側係合要素」は、ヒンジ構造A1において、ヒンジ軸150の外周面156の摺接面156aよりも径方向内方に設けられ、「アーム側係合要素」は、フック160の内周面166の摺接面166aよりも径方向内方に設けられている。
ここで、回動軸線方向は、回動軸線Lに平行な方向であり、径方向および周方向は、それぞれ回動軸線Lを中心とする径方向および周方向であるとする。
【0054】
ヒンジ構造A1において、フック160は、第1連結アーム130の連結状態でヒンジ軸150に係合し、そして第1連結アーム130の連結解除状態で第1連結アーム130が長手方向に沿って延びている回動軸線Lを中心に回動するように、回動軸線Lを中心に回動可能にヒンジ軸150に係合する。
回動軸線Lを規定するヒンジ軸150は、第1連結部111に設けられた凹部からなる収容部170の1対の側壁171,172の間で長手方向に延びていて、回動軸線方向に離間しているとともにヒンジ軸150を支持する支持壁である両側壁171,172に一体成形により一体に結合されている。
回動軸線方向でのヒンジ軸150の長さ(したがって、回転軸線方向での両側壁171,172間の間隔)は、ヒンジ軸150に係合した状態で収容部170に収容されるフック160の、回転軸線方向での幅よりも僅かに長い。
【0055】
フック160は、ヒンジ軸150に対する係合および係合解除の際にヒンジ軸150が径方向に通過可能な切欠開口162が回転軸線方向に延びて設けられた円弧状断面(または、C形状断面)の部分筒形状を有する。
切欠開口162は、第1連結アーム130が連結状態にあるとき、縦方向で各リンク板110に対向する位置にある(図6参照)。
フック160に弾性変形を生じさせる外力が作用していない状態(以下、「自然状態」という。)でのフック160において、切欠開口162の最小周方向幅Wは、ヒンジ軸150の最小外径d(図6(b)参照)よりも小さいので、周方向での任意の位置で、ヒンジ軸150に対してフック160が外れにくい構造になっている。
【0056】
ヒンジ軸150は、回動軸線Lを周方向で囲むリンク側周面としての外周面156を有する。フック160は、回動軸線Lを周方向で囲むとともに、ヒンジ軸150に対する回動範囲R(図10(a)参照)において径方向で外周面156と対向するアーム側周面としての内周面166を有する。
したがって、回動範囲Rにおいて、フック160は、内周面166が、外周面156と周方向で重なる位置(または、径方向から見て重なる位置)を占めながらヒンジ軸150に対して回動し、その摺接面166aにおいて外周面156の摺接面156aに摺接する。
【0057】
ヒンジ構造A1は、第1連結アーム130が連結状態にあるときに、ケーブル類Cから第1連結アーム130に作用する外力によりヒンジ軸150からフック160が外れる現象(以下、「アーム外れ現象」という。)を防止する外れ防止部A11と、ヒンジ軸150に対する(すなわち、リンク板110に対する)フック160の回動(すなわち、第1連結アーム130の回動)を規制する回動規制部A12と、回動規制部A12により第1連結アーム130の回動が規制された回動規制状態から連結状態に向けてのフック160の回動を規制する戻り規制部A13とを有する。
【0058】
外れ防止部A11は、ヒンジ軸150の外周面156に設けられたリンク側外れ防止用係合部としての1対のリンク側係合要素151(本実施例では、凹部または段部)と、フック160の内周面166に設けられたアーム側外れ防止用係合部としてのアーム側係合要素161(本実施例では、凸部)とから構成される係合構造である。
そして、第1連結アーム130が連結状態にあるときに、フック160とヒンジ軸150とが連結解除回動方向で係合することにより、アーム外れ現象が防止される。
なお、外れ防止部A11のリンク側係合要素151とアーム側係合要素161との係合は、作業者により強制的に係合解除され得る。
ここで、連結解除回動方向(図6では、反時計方向)は、連結状態にある第1連結アーム130が連結解除状態に移行するときの回動方向であり、連結回動方向(図6では、時計方向)は、連結解除状態にある第1連結アーム130が連結状態に移行するときの回動方向である。
【0059】
ヒンジ軸150およびフック160の一方のヒンジ部としてのヒンジ軸150は、その全体において、回動軸線方向で、第1部分としての両端部150e(図1も参照)と、第2部分としての中間部150mとに分けられ、すなわち第1,第2部位としての両端部150eと、回動軸線方向で両端部150eの間の中間部位としての中間部150mとに分けられる。
【0060】
ヒンジ軸150およびフック160の他方のヒンジ部としてのフック160には、ヒンジ軸150およびフック160の他方のヒンジ部に設けられたリンク側外れ防止用係合部またはアーム側外れ防止用係合部である他方の外れ防止用係合部としてのアーム側係合要素161が、回動軸線方向でのフック160の全幅に亘って設けられ、ヒンジ軸150には、一方のヒンジ部に設けられたリンク側外れ防止用係合部またはアーム側外れ防止用係合部である一方の外れ防止用係合部としてのリンク側係合要素151が、両端部150eおよび中間部150mに設けられ、回動軸線方向でのヒンジ軸150の全長に亘って設けられる。
【0061】
ヒンジ軸150の各端部150eは、回動範囲R(図10(a)参照)内の所定回動範囲Ra(図9参照)において、アーム側係合要素161と接触して第1連結アーム130を回動方向に案内する案内面157を有する。
案内面157は、円柱面により構成され、周方向(または、回動方向)でリンク側係合要素151および後述するリンク側係合要素152の間に位置する。
案内面157は摺接面156aよりも径方向内方に位置していて、その径方向での位置は、図7(a),図8(a)に示されるように、フック160が回動して案内面157とアーム側係合要素161とが接触している状態で、フック160が拡開されることなく、フック160が自然状態にあるときの切欠開口162の最小周方向幅Wが維持される位置に設定されている。
【0062】
図7(b),図8(b)に示されるように、中間部150mは、所定回動範囲Raの一部において、アーム側係合要素161が接触しない非接触部158を有する。
そして、第1連結アーム130が、所定回動範囲Ra内の特定回動位置として、連結状態からの第1連結アーム130の回動角度θが特定回動角度θ2(図8(b)参照)にあるときに、フック160は、回動軸線Lに対して径方向である着脱方向においてヒンジ軸150に対して容易に着脱可能である。
そのために、第1連結アーム130が着脱方向に平行に移動するとき、非接触部158は、アーム側係合要素161と接触しない形状を有し、本実施例では、回動軸線Lおよび着脱方向にほぼ平行な平面156bを有する。
この特定回動角度θ2は、例えば90°またはほぼ90°である。
そして、作業者が第1連結アーム130を着脱方向に移動させるとき、アーム側係合要素161を平面156bに接触しないように移動させることができる。
【0063】
図6,図9(a)を参照すると、回動規制部A12は、ヒンジ軸150の外周面156に設けられたリンク側回動規制用係合部としての1対のリンク側係合要素152(本実施例では、凹部または段部)(図4も参照)と、フック160の内周面166に設けられたアーム側回動規制用係合部としての1つのアーム側係合要素161とから構成される係合構造である。
1対のリンク側係合要素152は、ヒンジ軸150の両端部150eにそれぞれ設けられる。また、アーム側外れ防止用係合部であるアーム側係合要素161は、アーム側回動規制用係合部を兼ねる。
【0064】
そして、ヒンジ軸150に対して第1連結アーム130が連結解除回動方向に回動するとき、各リンク側係合要素152とアーム側係合要素161とが係合することにより、回動規制状態でヒンジ軸150(すなわち、リンク板110)に対するフック160(すなわち、第1連結アーム130)の回動が規制される。
リンク側係合要素152とアーム側係合要素161とが当接している回動規制状態において、第1連結アーム130の回動角度θである規制回動角度θ4は、鈍角であり、好ましくは125°〜145°である。
また、1対の案内面157が、回動軸線方向で離間した1対の部位である両端部150eに振り分けられて設けられているので、第1連結アーム130は、連結状態から前記回動規制状態まで、第1連結アーム130の捻れが防止された状態で、円滑に回動することができる。
【0065】
図6,図9(b)を参照すると、戻り規制部A13は、ヒンジ軸150の外周面156に設けられたリンク側戻り規制用係合部としてのリンク側係合要素153(本実施例では、角部または凸部)と、フック160の内周面166に設けられたアーム側戻り規制用係合部としてのアーム側係合要素161とから構成される係合構造である。
ヒンジ軸150において、リンク側係合要素153は、中間部150mにおいて、周方向で、リンク側係合要素151とリンク側係合要素152との間であって、リンク側係合要素151よりも連結解除回動方向に回動した位置に設けられる。
【0066】
そして、アーム側係合要素161とリンク側係合要素153とが係合回動方向で係合することにより、図9(b)に二点鎖線で示されるように、回動規制状態からの連結状態に向けてのフック160の回動(すなわち、第1連結アーム130の回動)が規制された戻り規制状態になる。
この戻り規制状態において、回動角度θである戻り規制回動角度θ3は、規制回動角度θ4よりも小さい鈍角である。
この戻り規制回動角度θ3は、非接触部158の形成面である平面156bと協働してリンク側係合要素153を形成する形成面である平面156cの形状に応じて、両回動角度θ3,θ4の角度差が、0°よりも大きく、30°以下になる角度に設定される。
なお、回動規制部A12のリンク側係合要素152とアーム側係合要素161との係合、および戻り規制部A13のリンク側係合要素153とアーム側係合要素161との係合は、作業者により強制的に係合解除され得る。
【0067】
図10を参照すると、作業者により回動規制部A12のリンク側係合要素152とアーム側係合要素161との係合が強制的に解除されたときに、第1連結アーム130は、規制回動角度θ4(図9(a)参照)を超えて回動する。
そして、回動角度θが、規制回動角度θ4を超えて、規制回動角度θ4と後述する最大回動角度θ6との間の回動角度θである大回動角度θ5に達するまでの間で、各端部150eでは、アーム側係合要素161が摺接面156aと接触することにより、フック160が弾性変形して拡開した状態(すなわち、切欠開口162が周方向に拡がった状態)になる一方、中間部150mでは、アーム側係合要素161がヒンジ軸150と非接触状態になる。
なお、図10には、大回動角度θ5が180°のときの第1連結アーム130が実線で示されている。
【0068】
そして、作業者により第1連結アーム130がさらに連結解除回動方向に回動されたとき、図10に二点鎖線で示されるように、フック160は、収容部170の底壁173により構成されるストッパ174と連結解除回動方向で当接することにより、第1連結アーム130の回動角度θが最大回動角度θ6になって、第1連結アーム130が最大回動位置を占める。
この最大回動角度θ6は、180°よりも大きく、例えば195°を中心に、190°〜200°であるが、200°を超える値であってもよい。
そして、第1連結アーム130の回動角度θが大回動角度θ5を超えて最大回動角度θ6に達するまでの過程で、アーム側係合要素161の全体がヒンジ軸150と接触するように、アーム側係合要素161が両端部150eおよび中間部150mにおいて摺接面156aと接触してもよい。
【0069】
図4〜図6を参照すると、第1連結アーム130および各リンク板110に設けられる外れ防止取付構造A2は、リンク板110においてヒンジ軸150以外の部分としての収容部170の1対の側壁171,172にそれぞれ設けられたリンク側第2外れ防止用係合部としての1対のリンク側係合要素176(本実施例では、凹部)と、第1連結アーム130においてフック160以外の部分である本体部131に設けられたアーム側第2外れ防止用係合部としての1対のアーム側係合要素136(本実施例では、凸部)とから構成される。
外れ防止部A11と外れ防止取付構造A2とは、第1連結アーム130の連結状態において、横方向で回動軸線Lを挟んで配置される(図6(b)参照)。
【0070】
各リンク側係合要素176は、各側壁171,172に設けられて、回動軸線方向でヒンジ軸150の1対のリンク側係合要素152よりも回動軸線方向で大きな間隔を置いて配置され、横方向および回動軸線方向に開放する(図4参照)。
アーム側係合要素136は、本体部131の両端部150eの一部であって、フック160よりも回動軸線方向で延出している1対の肩部133から横方向に突出している。
そして、第1連結アーム130が連結状態にあるときに、外れ防止部A11を構成するリンク側係合要素151とアーム側係合要素161とが連結回動方向で係合し、かつ外れ防止取付構造A2を構成する両リンク側係合要素176と両アーム側係合要素136とが連結解除回動方向で係合することにより、アーム外れ現象が防止される。
【0071】
さらに、図7に示されるように、回動角度θが鋭角であるときに、連結回動方向での第1連結アーム130の回動は、アーム側係合要素136が、リンク側係合要素176との係合位置よりも連結解除方向寄りの位置で、1対の側壁171,172により構成されるリンク側第2戻り規制係合部177と係合(または、当接)することにより、規制される。このときの回動角度θである所定回動角度θ1は20°〜35°である。
なお、このアーム側係合要素136と各側壁171,172との係合は、作業者により強制的に解除され得る。
しかしながら、第1連結アーム130が連結状態にあって、外れ防止部A11および外れ防止取付構造A2が係合状態にあるときに、第1連結アーム130を取り外すための外れ防止部A11および外れ防止取付構造A2の係合解除については、工具による係合解除は可能であるものの、手での係合解除は困難である。
【0072】
そして、第1連結アーム130がこの所定回動角度θ1に保たれることにより、第1連結アーム130が横方向で1対のリンク板110,120の間に配置された状態にされるので、連結解除状態の第1連結アーム130を横方向でコンパクトに保持できる。
しかも、収納空間へのケーブル類C(図1参照)の組込作業を開始する際には、規制回動位置までの第1連結アーム130の回動量を、連結解除状態の第1連結アーム130が他方のヒンジ構造A1のヒンジ軸150近傍に位置する場合に比べて、減少させることができるので、規制回動角度θ4(図8(a)参照)までの第1連結アーム130の回動が迅速化および容易化されて、ケーブル類収納作業の効率向上に寄与することができる。
【0073】
また、外れ防止部A11と外れ防止取付構造A2とは、横方向で回動軸線Lを挟んで配置されることから、各第2連結アーム140が連結解除状態にあるときに、案内装置100が、第1連結アーム130を底部として収納空間が上方に開放した状態(図1において、すべての第1連結アーム130が連結状態にあり、すべての第2アームが連結解除状態にある状態で、案内装置100が上下に反転された状態である。)で配置されたとき、回動軸線Lに対して横方向で両側に配置された外れ防止部A11および外れ防止取付構造A2が、収納空間へのケーブル類Cの組込作業時にケーブル類Cから各リンク板110,120に作用する外力または各リンク板110,120の自重により、各リンク板110,120が回動軸線L回りに回動して倒れることを防止する。
すなわち、図6において、リンク板110が回動軸線Lを中心に時計方向に回動することは、リンク側係合要素176とアーム側係合要素136との係合により規制され、リンク板110が回動軸線Lを中心に反時計方向に回動することは、リンク側係合要素151とアーム側係合要素161との係合により規制される。
【0074】
さらに、外れ防止取付構造A2の係合要素176,136同士による外れ防止力および回動阻止力となる係合力は、外れ防止部A11の両係合要素同士151,161による外れ防止力および回動阻止力となる係合力よりも小さく設定されている。このため、第1連結アーム130が連結状態にあり、かつ第2連結アーム140が連結解除状態にある場合に、作業者は、フック160がヒンジ軸150から外れない状態で、外れ防止取付構造A2での係合を強制的に解除して、1対のリンク板110,120を収納空間に対して外側に展開し、第1連結アーム130および各リンク板110,120が図8に示されるような相対的な回動位置を占めるようにすることができる。
次に、前述のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
【0075】
案内装置100は、第1連結アーム130を1対のリンク板110,120に対して着脱可能に取り付ける取付構造Aが、ヒンジ軸150とフック160とから構成されるヒンジ構造A1を有し、フック160が、第1連結アーム130の連結状態でヒンジ軸150に係合し、第1連結アーム130の連結解除状態で第1連結アーム130が長手方向に沿って延びている回動軸線Lを中心に回動するように回動可能にヒンジ軸150に係合し、リンク列群101の各リンク列102の1対のリンク板110,120と、リンク列102の1対のリンク板110,120を連結している各第1連結アーム130と、リンク列102の1対のリンク板110,120を連結している各第2連結アーム140とにより囲まれて形成される収納空間内にケーブル類Cが収納される。
この構成により、リンク列群101を構成する各リンク列102の1対のリンク板110,120と各第1,第2連結アーム130,140とにより囲まれて形成される収納空間内に長手方向に沿って収納されたケーブル類Cを、各リンク板110,120および第1,第2連結アーム130,140により保護するとともに案内することができる。
また、第1連結アーム130は長手方向に延びている回動軸線Lを中心として回動するので、連結解除状態にある第1連結アーム130をヒンジ軸150に係合させたまま回動させることで、収納空間(または、リンク列群101)へのケーブル類Cの組込が可能になるため、収納空間へのケーブル類Cの組込作業の効率の向上が可能となる。
【0076】
ヒンジ構造A1が、連結解除状態にある第1連結アーム130の回動を規制する回動規制部A12を有し、回動規制部A12が、ヒンジ軸150に設けられたリンク側係合要素152と、フック160に設けられたアーム側係合要素161とから構成され、リンク側係合要素152とアーム側係合要素161とが係合することにより第1連結アーム130の回動が規制された回動規制状態で、第1連結アーム130の回動角度θである規制回動角度θ4が鈍角である。
この構成により、リンク側係合要素152とアーム側係合要素161との係合により設定される規制回動角度θ4が鈍角であるので、第1連結アーム130が180°以上の回動角度θまで回動する場合に比べて、収納空間へのケーブル類Cの組込作業完了後に第1連結アーム130を連結状態まで回動させる手間が減少して、第1連結アーム130がヒンジ構造A1により第1リンク板110または第2リンク板120に取り付けられたまま連結解除状態にある状態でのケーブル類収納作業の効率を向上させることができる。
また、回動規制部A12のリンク側係合要素152が外周面156に設けられ、アーム側係合要素161が内周面166に設けられることにより、ヒンジ構造A1の一層の小型化が可能になる。
【0077】
そして、案内装置100において、ヒンジ軸150が、回動軸線Lを周方向で囲む外周面156を有し、フック160が、第1連結アーム130の回動範囲Rにおいて径方向で外周面156と対向する内周面166を有し、ヒンジ構造A1が、ケーブル類Cから第1連結アーム130に作用する外力によりヒンジ軸150からフック160が外れるアーム外れ現象を防止する外れ防止部A11を有し、外れ防止部A11が、外周面156に設けられたリンク側係合要素151と、内周面166に設けられたアーム側係合要素161とから構成され、第1連結アーム130が連結状態にあるときに、アーム側係合要素161とリンク側係合要素151とが係合することにより、アーム外れ現象が防止される。
この構成により、ケーブル類Cからの外力により第1連結アーム130が外れるアーム外れ現象を防止する外れ防止部A11は、ヒンジ軸150およびフック160において、第1連結アーム130を回動可能とするために必要となる内周面166および外周面156に設けられるので、外れ防止部A11を設けるための専用の部分をヒンジ軸150およびフック160に設ける必要がないことから、リンク側係合要素151およびアーム側係合要素161が設けられるヒンジ軸150およびフック160の小型化、すなわちヒンジ構造A1の小型化が可能になるため、外れ防止部A11を有するヒンジ構造A1を小型の案内装置100にも使用することが可能になって、該ヒンジ構造A1が使用可能な案内装置100の種類を拡大することができる。
【0078】
外れ防止部A11のアーム側係合要素161が回動規制部A12のアーム側回動規制用係合部を兼ねることにより、外れ防止用係合部および回動規制用係合部が設けられるフック160の構造が簡素化されて、外れ防止部A11および回動規制部A12を有するヒンジ構造A1が設けられた案内装置100のコスト削減を可能としながら、フック160およびヒンジ軸150を小型化、すなわちヒンジ構造A1を小型化することができる。
【0079】
ヒンジ軸150が、回動軸線方向で1対の端部150eおよび中間部150mに分けられ、各端部150eが、回動範囲R内の所定回動範囲Raにおいて、フック160に設けられたアーム側係合要素161と接触して第1連結アーム130を回動方向に案内する案内面157を有し、中間部150mが、所定回動範囲Raにおいて、アーム側係合要素161が接触しない非接触部158を有する。
この構成により、ヒンジ軸150が有する非接触部158を利用することにより、ヒンジ軸150に対して、アーム側係合要素161が設けられたフック160の着脱を容易化することができる。
そして、アーム側係合要素161が案内面157により案内された状態で第1連結アーム130が回動するので、第1連結アーム130を円滑に回動させることができて、ケーブル類収納作業を向上させることができる。
しかも、非接触部158により形成される隙間に起因するヒンジ軸150とフック160との間での当接(または、ガタツキ)が防止されて、該当接により発生するヒンジ軸150およびフック160の摩耗が抑制されるために、ヒンジ構造A1の耐久性、ひいて案内装置100の耐久性を向上させることができる。
【0080】
第1連結アーム130が所定回動範囲R内の特定回動位置である特定回動角度θ2にあるときに、フック160が、径方向である着脱方向においてヒンジ軸150に対して着脱可能であり、第1連結アーム130が着脱方向に平行に移動するとき、非接触部158が、アーム側係合要素161と接触しない形状を有する。
この構成により、ヒンジ軸150に対するフック160の着脱が容易になり、リンク側係合要素151が設けられたヒンジ軸150を有する各リンク板110,120に対して、アーム側係合要素161が設けられたフック160を有する第1連結アーム130の組付性を向上させることができる。
【0081】
第1連結アーム130が、連結状態で1対のリンク板110,120の間で延びている本体部131と、本体部131の両端部150eから横方向に延出している1対のフック160とを有し、取付構造Aが、前記アーム外れ現象を防止する外れ防止取付構造A2を有し、外れ防止取付構造A2が、各リンク板110,120に設けられたリンク側係合要素176と、本体部131に設けられたアーム側係合要素136とから構成され、第1連結アーム130が連結状態にあるときに、リンク側係合要素176とアーム側係合要素136とが係合することによりアーム外れ現象が防止される。
この構成により、各リンク板110,120および第1連結アーム130の間には、ヒンジ構造A1が有する外れ防止部A11に加えて、外れ防止取付構造A2が設けられるので、アーム外れ現象の防止効果を一層高めることができる。
そのうえ、アーム側係合要素161が、第1連結アーム130の連結状態で1対のリンク板110,120の間に配置される本体部131に設けられるので、第1連結アーム130が連結解除状態にあるときに、ヒンジ軸150とフック160とが係合した状態でリンク側係合要素176とアーム側係合要素136との係合を解除することが可能になるため、外れ防止取付構造A2が設けられるにも拘わらず、ヒンジ軸150とフック160との係合による第1連結アーム130の回動可能状態が維持されて、収納空間へのケーブル類収納作業の効率の向上に寄与することができる。
さらに、リンク側係合要素176が凹部であることにより、リンク側係合要素176が凸部である場合に比べて、収納空間へのケーブル類Cの組込時にリンク側係合要素176が邪魔にならないので、ケーブル類Cの組込作業の効率を向上させることができる。
【0082】
第1連結アーム130が取付構造により1対のリンク板110,120に着脱可能であり、第2連結アーム140が1対のリンク板110,120に着脱可能に取り付けられ、外れ防止部A11と外れ防止取付構造A2とが、横方向で回動軸線Lを挟んで配置され、第1連結アーム130が連結状態にあるときに、リンク側係合要素151とアーム側係合要素161とが係合し、かつリンク側係合要素176とアーム側係合要素136とが係合することによりアーム外れ現象が防止される。
この構成により、第1連結アーム130が連結状態にあり、かつ、各第2連結アーム140が、1対のリンク板110,120を連結していない状態にあるときに、回動軸線Lに対して横方向で両側に配置された外れ防止部A11および外れ防止取付構造A2が、第1連結アーム130が回動方向での両方向に回動することを防止するので、第1連結アーム130を底部として収納空間が上方に開放した状態でケーブル類Cが収納空間に組み込まれる際、収納空間へのケーブル類Cの組込作業時にケーブル類Cから各リンク板110,120に作用する外力または各リンク板110,120の自重により、各リンク板110,120が回動軸線L回りに回動して倒れることを防止することができるので、ケーブル類Cの組込作業の効率を向上させることができる。
【0083】
ヒンジ構造A1は、回動規制状態から連結状態に向けての第1連結アーム130の回動を規制する戻り規制部A13を有し、戻り規制部A13が、ヒンジ軸150に設けられたリンク側係合要素153と、フック160に設けられたアーム側係合要素161とから構成され、アーム側係合要素161とリンク側係合要素153とが係合することにより、回動規制状態からの連結状態に向けての第1連結アーム130の回動が規制された戻り規制状態において、回動角度θである戻り規制回動角度θ3が、規制回動角度θ4よりも小さい鈍角である。
この構成により、第1連結アーム130の回動角度θが、回動規制部A12により設定される規制回動角度θ4と戻り規制部A13により設定される戻り規制回動角度θ3との範囲で、鈍角の状態に安定して保たれるので、収納空間へのケーブル類Cの組込作業の効率を向上させることができ、ひいてはケーブル類収納作業の効率を向上させることができる。
【0084】
各リンク板110,120および第1連結アーム130のそれぞれは、一体成形された部材であり、各リンク板110,120の形成材料の硬さが、第1連結アーム130の形成材料の硬さよりも小さいことにより、ヒンジ軸150に対してフック160が着脱される場合、または、各リンク板110,120および第1連結アーム130の係合要素部(例えば、係合要素151〜153と係合要素161)同士が作業者により強制的に係合および係合解除される場合などに、ヒンジ軸150およびフック160を含めて各リンク板110,120および第1連結アーム130における部分同士が互いに擦れ合うときに、硬さが小さい各リンク板110,120に設けられた部分が容易に変形するので、ヒンジ構造A1を含む取付構造A,Bにおける摩耗の進行が抑制されて、該取付構造A,Bの耐久性、ひいては案内装置100の耐久性を向上させることができる。
さらに、第1連結アーム130のフック160は、その形状が切欠開口162が設けられた円弧状断面を有することから、ヒンジ軸150に比べて外力により変形しやすいので、ヒンジ構造A1において互いに擦れ合う部分の摩耗の進行が抑制される。
【0085】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
リンク側ヒンジ部がフック形状であり、アーム側ヒンジ部が軸形状であってもよい。この場合、リンク側周面は、リンク側ヒンジ部の内周面であり、アーム側周面は、アーム側ヒンジ部の外周面である。
回動規制部A12および戻り規制部A13は、ヒンジ軸150の外周面156およびフック160の内周面166以外の部分、例えば回動軸線方向に面する面でもよい。
アーム側外れ防止用係合部とアーム側回動規制用係合部とは、別々の係合部であってもよい。
第1連結アーム130の形成材料の硬さが、各リンク板110,120の形成材料の硬さよりも小さくてもよく、この場合にも、耐久性が向上する。
【0086】
前記第1,第2部分は、回動軸線方向で、連続していても、分断されていてもよい。前記第1部分は1つの部位または3以上の複数の部位により構成されてもよく、前記第2部分は、複数の部位から構成されてもよい。
また、前記第1部分は、回動軸線方向での端部以外の部位(例えば、中間部)でもよく、前記第2部分は、回動軸線方向での中間部以外の部位(例えば、端部)でもよい。
さらに、該第1,第2部分は、ヒンジ軸150の代わりにフック160が有していてもよく、またヒンジ軸150およびフック160が有していてもよい。そして、前記一方のヒンジ部はフック160であり、前記他方のヒンジ部がヒンジ軸150であってもよい。
【0087】
第1連結アーム130に加えて、第2連結アーム140が、取付構造Aにより1対の各リンク板110,120に取り付けられてもよく、第1連結アーム130および第2連結アーム140の少なくとも一方が取付構造Aにより1対のリンク板110,120に対して着脱可能に取り付けられればよい。
また、第1連結アーム130および第2連結アーム140の少なくとも一方である連結アームは、横方向での両端部のうちの少なくとも一方の端部において、取付構造Aにより1対のリンク板110,120の一方に取り付けられ、他方の端部においては、着脱を可能とする周知の取付構造により取り付けられていてもよい。
第2連結アーム140は、1対のリンク板110,120に対して着脱不能に一体に(例えば、一体成形により一体に)設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0088】
100・・・ケーブル類保護案内装置
101・・・リンク列群
102・・・リンク列
110,120・・・リンク板
130・・・第1連結アーム
136・・・アーム側係合要素
140・・・第2連結アーム
150・・・ヒンジ軸
151〜153・・・リンク側係合要素
156・・・外周面
157・・・案内面
158・・・非接触部
160・・・フック
161・・・アーム側係合要素
166・・・内周面
171,172・・・側壁
176・・・リンク側係合要素
C ・・・ケーブル類
A ・・・取付構造
A1・・・ヒンジ構造
A11・・・外れ防止部
A12・・・回動規制部
A13・・・戻り規制部
A2・・・外れ防止取付構造
θ ・・・回動角度
θ2・・・特定回動角度
θ3・・・戻り規制回動角度
θ4・・・回動規制回動角度
R ・・・回動範囲
Ra・・・所定回動範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に連結された複数のリンク列から構成されるリンク列群と、複数の第1連結アームと、複数の第2連結アームとを備え、
前記各リンク列が互いに横方向に離間して配置された1対のリンク板から構成され、
前記長手方向で隣接する前記リンク板同士が屈曲可能に連結され、
前記第1連結アームおよび前記第2連結アームの少なくとも一方である連結アームを前記リンク板に対して着脱可能に取り付ける取付構造が、前記リンク板のリンク側ヒンジ部と、前記連結アームのアーム側ヒンジ部とから構成されるヒンジ構造を有し、
前記連結アームが、前記1対のリンク板を連結している連結状態と、前記連結状態を解除している連結解除状態とになり、
前記アーム側ヒンジ部が、前記連結状態で前記リンク側ヒンジ部に係合し、前記連結解除状態で前記連結アームが長手方向に沿って延びている回動軸線を中心に回動するように回動可能に前記リンク側ヒンジ部に係合し、
前記リンク列群の前記各リンク列の前記1対のリンク板と、前記リンク列の前記1対のリンク板を連結している前記各第1連結アームと、前記リンク列の前記1対のリンク板を連結している前記各第2連結アームとにより囲まれて形成される収納空間内にケーブル類が収納されるケーブル類保護案内装置において、
前記ヒンジ構造が、前記連結解除状態にある前記連結アームの回動を規制する回動規制部を有し、
前記回動規制部が、前記リンク側ヒンジ部に設けられたリンク側回動規制用係合部と、前記アーム側ヒンジ部に設けられたアーム側回動規制用係合部とから構成され、
前記リンク側回動規制用係合部と前記アーム側回動規制用係合部とが係合することにより前記連結アームの回動が規制された回動規制状態で、前記連結状態からの前記連結アームの回動角度である規制回動角度が鈍角であることを特徴とするケーブル類保護案内装置。
【請求項2】
前記リンク側ヒンジ部が、前記回動軸線を周方向で囲むリンク側周面を有し、
前記アーム側ヒンジ部が、前記回動軸線を周方向で囲む周面であって、前記連結アームの回動範囲において前記回動軸線を中心とする径方向で前記リンク側周面と対向するアーム側周面を有し、
前記ヒンジ構造が、前記ケーブル類から前記連結アームに作用する外力により前記リンク側ヒンジ部から前記アーム側ヒンジ部が外れるアーム外れ現象を防止する外れ防止部を有し、
前記外れ防止部が、前記リンク側周面に設けられたリンク側外れ防止用係合部と、前記アーム側周面に設けられたアーム側外れ防止用係合部とから構成され、
前記連結アームが前記連結状態にあるときに、前記アーム側外れ防止用係合部と前記リンク側外れ防止用係合部とが係合することにより、前記アーム外れ現象が防止されることを特徴とする請求項1に記載のケーブル類保護案内装置。
【請求項3】
前記アーム側外れ防止用係合部が前記アーム側回動規制用係合部を兼ねることを特徴とする請求項2に記載のケーブル類保護案内装置。
【請求項4】
前記リンク側ヒンジ部および前記アーム側ヒンジ部の一方のヒンジ部が、回動軸線方向で第1部分および第2部分に分けられ、
前記第1部分が、前記回動範囲内の所定回動範囲において、前記リンク側ヒンジ部および前記アーム側ヒンジ部の他方のヒンジ部に設けられた前記リンク側外れ防止用係合部または前記アーム側外れ防止用係合部である他方の外れ防止用係合部と接触して前記連結アームを回動方向に案内する案内面を有し、
前記第2部分が、前記所定回動範囲において、前記他方の外れ防止用係合部が接触しない非接触部を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のケーブル類保護案内装置。
【請求項5】
前記連結アームが前記所定回動範囲内の特定回動位置にあるときに、前記アーム側ヒンジ部が、径方向である着脱方向において前記リンク側ヒンジ部に対して着脱可能であり、
前記連結アームが前記着脱方向に平行に移動するとき、前記非接触部が、前記他方の外れ防止用係合部と接触しない形状を有することを特徴とする請求項4に記載のケーブル類保護案内装置。
【請求項6】
前記連結アームが、前記連結状態で前記1対のリンク板の間で延びている本体部と、前記本体部の両端部から前記横方向にそれぞれ延出している1対のアーム側ヒンジ部とを有し、
前記取付構造が、前記アーム外れ現象を防止する外れ防止取付構造を有し、
前記外れ防止取付構造が、前記リンク板に設けられたリンク側第2外れ防止用係合部と、前記本体部に設けられたアーム側第2外れ防止用係合部とから構成され、
前記連結アームが前記連結状態にあるときに、前記リンク側第2外れ防止用係合部と前記アーム側第2外れ防止用係合部とが係合することにより前記アーム外れ現象が防止されることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1つに記載のケーブル類保護案内装置。
【請求項7】
前記連結アームが、前記取付構造により前記1対のリンク板に着脱可能な前記第1連結アームであり、
前記第2連結アームが、前記1対のリンク板に着脱可能に取り付けられ、
前記取付構造が、前記アーム外れ現象を防止する前記外れ防止取付構造を有し、
前記外れ防止取付構造が、前記リンク板に設けられたリンク側第2外れ防止用係合部と、前記第1連結アームに設けられたアーム側第2外れ防止用係合部とから構成され、
前記外れ防止部と前記外れ防止取付構造とが、前記横方向で前記回動軸線を挟んで配置され、
前記第1連結アームが前記連結状態にあるときに、前記リンク側外れ防止用係合部と前記アーム側外れ防止用係合部とが係合し、かつ前記リンク側第2外れ防止用係合部と前記アーム側第2外れ防止用係合部とが係合することにより、前記アーム外れ現象が防止されることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1つに記載のケーブル類保護案内装置。
【請求項8】
前記ヒンジ構造は、前記回動規制状態から前記連結状態に向けての前記連結アームの回動を規制する戻り規制部を有し、
前記戻り規制部が、前記リンク側ヒンジ部に設けられたリンク側戻り規制用係合部と、前記アーム側ヒンジ部に設けられたアーム側戻り規制用係合部とから構成され、
前記アーム側戻り規制用係合部と前記リンク側戻り規制用係合部とが係合することにより、前記連結アームの回動が規制された戻り規制状態において、前記回動角度である戻り規制回動角度が、前記規制回動角度よりも小さい鈍角であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のケーブル類保護案内装置。
【請求項9】
前記各リンク板および前記連結アームのそれぞれは、一体成形された部材であり、
前記リンク板および前記連結アームの一方の部材の形成材料の硬さが、前記リンク板および前記連結アームの他方の部材の形成材料の硬さよりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1つに記載のケーブル類保護案内装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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