ゲームシステム
【課題】キャラクタとその基礎となる玩具との結び付きを強固にすることができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】キャラクタを模し、当該キャラクタの数種の特性パラメータを記憶可能なパラメータ記憶部21を有する玩具2、育成ゲーム機3、対戦ゲーム機4を備えるゲームシステムであって、育成ゲーム機3は、玩具2のキャラクタを育成する育成ゲームの実行に応じて前記パラメータ記憶部内の前記数種の特性パラメータのうちキャラクタの能力を表す能力パラメータのその値と、キャラクタの備える技を表す技パラメータのその値と、を増減させる育成ゲーム機用制御部30を有し、対戦ゲーム機4は、前記特性パラメータを利用して各玩具2のキャラクタを対戦させる対戦ゲーム機用制御部40を有することを特徴とする。
【解決手段】キャラクタを模し、当該キャラクタの数種の特性パラメータを記憶可能なパラメータ記憶部21を有する玩具2、育成ゲーム機3、対戦ゲーム機4を備えるゲームシステムであって、育成ゲーム機3は、玩具2のキャラクタを育成する育成ゲームの実行に応じて前記パラメータ記憶部内の前記数種の特性パラメータのうちキャラクタの能力を表す能力パラメータのその値と、キャラクタの備える技を表す技パラメータのその値と、を増減させる育成ゲーム機用制御部30を有し、対戦ゲーム機4は、前記特性パラメータを利用して各玩具2のキャラクタを対戦させる対戦ゲーム機用制御部40を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、キャラクタを模し、キャラクタに対応した玩具データを記憶する記憶部を有する玩具と、玩具データに基づいてゲームを進行させるゲーム機を備えたゲームシステムとして、例えば、次のようなものが知られている。
【0003】
このようなゲームシステムの一つは、最初に玩具データをリーダによって読み込み、読み込んだ前記玩具データに対応したキャラクタをゲーム機に初期登録する。そして初期登録したキャラクタの中からゲームに登場させようとする玩具データを再び読み込むことによって、キャラクタに対応したゲーム進行プログラムを実行させるようになっている(特許文献1)。
【0004】
但し、このゲームシステムでは玩具データをゲーム機に予め初期登録しておき、玩具をゲーム機に接続することがきっかけとなってゲームが実行されるため、他の同じゲーム機で玩具の玩具データを使用してゲームを実行することができなかった。このような問題を解決すべく、以下のようなゲームシステムが提案された。
【0005】
提案されたゲームシステムは、玩具データを他の同じゲーム機に送信する際に、ゲーム機IDデータを前記玩具データと関連付けて送信し、送信先の同じゲーム機に、同じような玩具データを持ったキャラクタがあったとしても、ゲーム機IDデータによって玩具データ、ひいては、キャラクタを別々なものにすることができ、他の同じゲーム機で遊べるようになっている(特許文献2)。
【0006】
また、当該ゲームシステムは玩具データのパラメータの1つであるにキャラクタの「従順さ」を変化させることができるゲームを実行して、当該「従順さ」のデータを含む玩具データをゲーム機IDデータとともに他のゲーム機に送信することができるようになっており、それぞれのデータを受信したゲーム機では、前記キャラクタの「従順さ」等の玩具データに基づいてキャラクタ同士を戦わせるようになっている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−201930号公報
【特許文献2】特開2004−201928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2のゲームシステムでは、ユーザは玩具データのパラメータの1つである「従順さ」しか変更できないため、どのユーザが育てたキャラクタであっても、結局は同じようなキャラクタとなってしまい、ユーザの玩具への親しみや愛着が薄れるという問題がある。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、ユーザと玩具との結び付きを強固にすることができるゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
キャラクタを模し、当該キャラクタの能力を表す能力パラメータと、当該キャラクタの技の内容を表す技パラメータを含む特性パラメータを記憶可能なパラメータ記憶部を有する玩具と、
前記パラメータ記憶部との間で前記特性パラメータを受授する育成ゲーム用データ受授部と、前記特性パラメータが読み取られた前記玩具のキャラクタを育成する育成ゲームの実行に応じて前記パラメータ記憶部内の前記数種の特性パラメータのうち前記能力パラメータの値と、前記技パラメータの値と、を増減または維持させる育成ゲーム機用制御部と、を有する育成ゲーム機と、
前記パラメータ記憶部との間で前記特性パラメータを受授する対戦ゲーム用データ受授部と、前記特性パラメータが読み取られた前記玩具の前記特性パラメータの値を利用して対戦ゲームを実行し、前記対戦ゲームで勝利したキャラクタに対応する前記玩具に対して前記パラメータ記憶部内の前記特性パラメータのうち勝利数と、当該勝利数に応じたレベルパラメータの値と、を増加させる対戦ゲーム機用制御部と、を有する対戦ゲーム機と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記特性パラメータは、キャラクタの性格を表す性格パラメータを有しており、
前記育成ゲーム機は、前記性格パラメータの複数の初期値を記憶する育成ゲーム用記憶部を有し、
前記育成ゲーム機用制御部は、前記パラメータ記憶部に前記性格パラメータが記憶されていない場合に、前記性格パラメータの複数の初期値のうち何れか1つの性格パラメータの値を選択して、前記パラメータ記憶部に記憶させ、
前記対戦ゲーム機用制御部は、前記パラメータ記憶部から前記特性パラメータを読み取った後に、前記特性パラメータにおける前記性格パラメータの値に応じて前記能力パラメータの値を増減させて前記対戦ゲームを実行することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、
前記特性パラメータは、キャラクタとユーザとの絆の強さを表す絆パラメータを有しており、
前記育成ゲーム機用制御部は、ユーザが前記育成ゲーム機を使用するごとに使用回数に応じて絆パラメータの値を増加させ、
前記対戦ゲーム機用制御部は、前記パラメータ記憶部から前記特性パラメータを読み取った後に、前記パラメータ記憶部内の前記特性パラメータにおける前記能力パラメータの値を前記絆パラメータの値に応じて増減させて前記対戦ゲームを実行することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のゲームシステムにおいて、
前記対戦ゲーム機用制御部は、対戦するキャラクタ間で前記特性パラメータにおける前記レベルパラメータの値に所定の値より大きい格差がある場合に、当該格差の大きさに応じて前記対戦ゲームでの勝敗の計算をすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、育成ゲーム機にて、キャラクタを育成する育成ゲームの実行に応じて前記パラメータ記憶部内の特性パラメータのうち能力パラメータの値と、技パラメータの値と、を増減させるため、キャラクタは多様な特性を持つことができ、ユーザはユーザオリジナルのキャラクタに育て、対戦ゲーム機にて、育てたキャラクタを対戦させることができる。よってユーザはキャラクタに対して愛着が増し、長い間、楽しむことができ、ユーザと玩具との結び付きを強固にすることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、育成ゲーム機にて、予め決められた性格パラメータの複数の初期値のうち何れか1つの性格パラメータの値が選択され、対戦ゲーム機にて、性格パラメータの値に応じて能力パラメータの値を増減させて対戦ゲームが実行されるので特性パラメータが多様となりユーザに、興味、関心を持たせることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザが育成ゲーム機を使用するごとに使用回数に応じて絆パラメータの値が増加し、対戦ゲーム機にて、能力パラメータの値を絆パラメータの値に応じて増減させて対戦ゲームが実行されるため、ユーザと玩具との結び付きを、より強固にすることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、対戦するキャラクタ間でレベルパラメータの値に所定の値より大きい格差がある場合に、当該格差の大きさに応じて対戦ゲームでの勝敗の計算をするため、例えば、弱いキャラクタが強いキャラクタを倒せるという醍醐味をユーザに味あわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの斜視図である。
【図2】玩具の内部構成図である。
【図3】パラメータ記憶部に記憶されるデータ構成図である。
【図4】キャラクタの特性パラメータがパターンに分けられた図である。
【図5】技パラメータの技覚えパターンを表す図である。
【図6】育成ゲーム機のブロック図である。
【図7】対戦ゲーム機のブロック図である。
【図8】性格パラメータの値に応じて能力パラメータの値の増減を説明する図である。
【図9】チャージ時に表示される画面図である。
【図10】サプライズイベントが発生する条件を説明する図である。
【図11】サプライズイベント発生時に補正される項目を説明する図である。
【図12】対戦ゲーム機で実行される処理を説明するステップ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.ゲームシステムの全体構成
図1にはゲームシステム1の全体構成が示されている。ゲームシステム1は、玩具2、育成ゲーム機3および対戦ゲーム機4を含んで構成されている。
なお、詳細は後述するが育成ゲーム機3では、玩具2のキャラクタを育成するとともに、その育成内容に基づいて玩具2内の特性パラメータを増減させるようになっており、対戦ゲーム機4では、玩具2の特性パラメータに基づいて、当該玩具2のキャラクタを対戦させるようになっている。
【0020】
2.ゲームシステムの各構成
(1)玩具2
玩具2は、図1には1つしか示されていないが、複数のキャラクタに応じた玩具が多数用意されている。玩具2には、図1、図2に示すように、パラメータ記憶部21と、玩具データ受授部22とが内蔵されている。図2のように、パラメータ記憶部21はICチップから構成されている。玩具データ受授部22が非接触型の場合は、図2のように、アンテナコイルから構成され、玩具データ受授部22が接触型の場合は、玩具データ受授部22は導電性の端子によって構成される。このうちパラメータ記憶部21には、玩具2のキャラクタの特性を表す特性パラメータが記憶されている。その詳細は後述する。
【0021】
(2)育成ゲーム機3
育成ゲーム機3は、玩具2のキャラクタを育成することによってパラメータ記憶部21の特性パラメータを増減させる育成ゲームを実行し、増減させた特性パラメータにより玩具2の間に個体差を生じさせる。なお、育成ゲーム機3は図1には1つしか示されていないが、複数の育成ゲーム機3が用意されている。
【0022】
図1に示すように、育成ゲーム機3の表面に液晶画面33が設けられ、その液晶画面33の奥には玩具着脱部31が設けられ、液晶画面33の手前にはボタン32が設けられている。また、育成ゲーム機3の裏面には、図示しないスピーカ34の放音孔、電池蓋およびリセットスイッチが設けられている。そして、電池蓋を開いて電池の交換ができるようにされている。なお、電源スイッチはボタン32によって代用されるようになっている。
一方、育成ゲーム機3の内部には各種回路等が設けられている。その詳細は後述する。
【0023】
(3)対戦ゲーム機4
対戦ゲーム機4は、ユーザの2人が玩具2を持ち寄り、個体差が生じたパラメータを有する玩具2のキャラクタを対戦させる対戦ゲームを実行するようになっている。なお、本実施形態における対戦ゲーム機4では、ユーザは1人でも対戦ゲームで遊ぶことができる(詳細は後述する)。
【0024】
図1に示すように、対戦ゲーム機4の表面の奥側には、液晶画面42が設けられ、その液晶画面42の両側には玩具着脱部41が設けられている。その2つの玩具着脱部41の手前にはそれぞれボタン47が設けられ、ボタン47の手前にはディスク43が設けられている。また玩具着脱部41の奥にはLED44(LED:Light Emitting Diode)が設けられている。
【0025】
さらに、2つのボタン47の間にはスピーカの放音孔49が設けられ、スピーカの放音孔49の手前には、電源スイッチ491が設けられている。また、図示しない電池蓋が設けられている。そして、電池蓋を開いて電池の交換ができるようになっている。
一方、対戦ゲーム機4の内部には各種回路等が設けられている。その詳細は後述する。
【0026】
1)ディスク43
ディスク43は、ユーザが手動で回転させることにより、その回転数を検出できるものである。ディスク43は対戦の際、回転数(以下、「チャージ」という。)が所定の回転数(以下、「チャージ基準値」という。)に達すると、ユーザはキャラクタに技を発動させることが可能となる。
【0027】
3.個々の構成物の構成
(1)玩具2のパラメータ記憶部21
玩具2のパラメータ記憶部21には、図3に示すような特性パラメータ(データ項目)の値が記憶されている。以下、本実施形態に関連する各項目について説明する。
【0028】
1)ユーザが入力できる項目
ユーザが入力できる項目としては、ニックネーム(図中、No.3の欄参照)、トレーナー名(図中、No.14の欄参照)等がある。ニックネームの項目には、ユーザが玩具2につけた愛称が設定され、トレーナー名の項目には、ユーザ自身の名前が設定される。これらニックネーム、トレーナー名は、ユーザが玩具2を購入し育成ゲーム機3で最初に遊ぶ時にユーザが入力することによって設定される。
【0029】
2)勝利数
勝利数の項目(図中、No.19の欄参照)には、対戦ゲーム機4での対戦で勝利した数が設定される。
【0030】
3)LV
LV(レベルパラメータ)の項目(図中、No.9の欄参照)には、勝利数に応じた値が設定される。具体的には、次のLVへ上がるため条件として、必要な勝利数があり、その所定の勝利数に達すると、次のLVへ上がることができる。LVの初期値は、初期LVに設定されている。
【0031】
4)能力パラメータ
能力パラメータの項目としては、HP(図中、No.11の欄参照)、攻撃力(図中、No.12の欄参照)、防御力(図中、No.13の欄参照)がある。HPの項目には玩具2に応じたキャラクタの生命力が設定される。対戦では先にHPが0になったユーザが負けとなる。攻撃力、防御力の項目には、それぞれキャラクタの攻撃力、防御力が設定される。
【0032】
HP、攻撃力、防御力には、それぞれ初期値がある。それぞれの初期値は、HP基本値、攻撃力基本値、防御力基本値に設定されている(図中、No.61〜63の欄参照)。そして、図4のようにHP基本値、攻撃力基本値、防御力基本値を合計した基本値計によって、キャラクタは、5つにランクに分けられる。
【0033】
各ランクは、さらに攻撃型、防御型、バランス型、HP型の4つの型に分けられる。攻撃型は、基本値計のうち攻撃力基本値の割合が高いものである。防御型、HP型も同様である。バランス型は、HP基本値、攻撃力基本値、防御力基本値の中の2つの値が同じなるように設定されたものである。
このようにして、能力パラメータは、5つのランクと4つの型により計20通りのパターンに分けられる。
【0034】
また、HP、攻撃力、防御力には、初めは各初期値が設定されているが、対戦ゲーム機4での対戦時に、HP、攻撃力、防御力のそれぞれの値は、性格パラメータの値に応じて増減される(詳細は後述する)。
さらに、能力パラメータの項目としては、道具HP、道具攻撃力、道具防御力(図3中、No.68、69、70の欄参照)が設けられている。道具HP、道具攻撃力、道具防御力は、ユーザが育成ゲーム機3でキャラクタに道具を与える場合に使用される項目である。具体的には、道具HP、道具攻撃力、道具防御力の項目には、アイテムの値が追加される。アイテムの値とは、ユーザが育成ゲーム機3で後述の「トレーナートレーニングモード」を実行することによって貯めることができる値である。そして、後述の「道具設定モード」でキャラクタに道具を与えることによって、「トレーナートレーニングモード」で貯めたアイテムの値を道具HP、道具攻撃力、道具防御力に追加することができる。但し、道具HP、道具攻撃力、道具防御力には、追加できるアイテムの値の制限が設けられている。
また、対戦終了時に勝利数が上がって次のLVに上がった場合には、道具HPの項目の値には、0(ゼロ)の値が設定される。
また、育成ゲーム機3の液晶画面33、対戦ゲーム機4の液晶画面42に表示される「HP」、「攻撃力」、「防御力」は、HPに道具HP、攻撃力に道具攻撃力、防御力に道具防御力を加算したものである。
【0035】
5)技パラメータ
技パラメータの項目としては、図3のように玩具2に応じたキャラクタごとに、技覚えパターン(図3中、No.20の欄参照)と計8個の各技に関する技名、技威力、技威力限界値、技タイプ、技追加威力(図3のNo.21〜60の欄参照)とがある。
技威力の項目には、ユーザが対戦ゲーム機4でキャラクタに発動させる技の威力が設定される。
技追加威力の項目には、ユーザが技威力に追加する値が設定される。具体的には、ユーザが育成ゲーム機3で「キャラクタトレーニングモード」を行うことによって値を追加することができる。
技威力限界値の項目には、技威力に追加できる値の限界値が設定されている。具体的には、技威力限界値、技威力は予め決まっているので技追加威力に設定できる値は制限される。また、技タイプの項目には、技の種類・属性が設定されている。
【0036】
また、技覚えパターンの項目には、上記8個の技のうちユーザが使用可能な技3個について、LVに応じた変化パターンが設定されており、これにより使用可能な技は6段階で変化するよう設定されている。技覚えパターンには、パターンa、パターンb、パターンcの3種類のパターンがあり、図5は、例としてパターンaを記載したものである。図5のように使用可能な技は設定されている。図5では、使用可能な技は、使用可能な技A、使用可能な技B、使用可能な技Cと記載している。
次の段階へ上がるためには、LVが所定基準値を超えることが必要条件となる。図5のLVは、LVの所定基準値を示している。
具体的には、対戦ゲームで勝利し勝利数が増加し、勝利数に応じてLVの値も増加し、当該LVの所定基準値に達成すると、使用できる技の段階も上がるようになっている。図5のように、次の段階へ上がると3個の技のうちの1つの技が変わり技威力(図5では「威力」と表示)の値も増加する。よってユーザには、キャラクタが新しい技を覚えたように見える。技覚えパターンは、予めキャラクタごとに初期設定されている。
【0037】
6)絆パラメータ
絆パラメータ(図3中、No.16の欄参照)の項目には、ユーザが育成ゲーム機3を使用する回数ごとに、4つのレベルが設定されている。具体的には、「ぜんぜん(使用回数:0〜25)」、「まあまあ(使用回数:26〜50)」、「ともだち(使用回数:51〜75)」、「しんゆう(使用回数:75以上)」の4つのレベルがある。このように、絆パラメータは、ユーザが育成ゲーム機3を使用した回数が所定の回数に達することにより、「ぜんぜん」のレベルから順に「しんゆう」のレベルまで上げることができるようになっている。また、対戦ゲーム機4を使用した場合にも、育成ゲーム機3と同じように絆パラメータのレベルを上げることができる。
また、パラメータ記憶部21には、絆タイプという項目(図3中、No.15の欄参照)が記憶されている。絆タイプは絆パラメータとともにサプライズイベントの発生パターンを決定するようになっている。サプライズイベントは所定の確率で発生し、能力パラメータであるHP、攻撃力、防御力等の値を補正するものである。所定の確率の値は、4つの絆パラメータと3つの絆タイプ(絆タイプA、絆タイプB、絆タイプC)の組み合わせにより決定される。サプライズイベントでは、絆パラメータの値が高いほど、すなわち育成ゲーム機3の使用する回数が多いほど、HP、攻撃力、防御力等が大きくなるように所定の確率の値が予め設定されている。
【0038】
7)性格パラメータ
性格パラメータ(図3中、No.64の欄参照)の項目には、キャラクタの性格を表し、「むじゃき」、「せっかち」等の16種類の何れかが設定される。ユーザが玩具2を購入して最初に育成ゲーム機3を使用する際に、16種類の中から1つランダムに自動的に設定される。設定後は、初期化以外は書き換えられないようになっている。
また、性格パラメータは対戦ゲーム機4で使用される。性格パラメータの値に応じて能力パラメータは増減されるようになっている(詳細は後述する)。
【0039】
8)分類
分類(図3中、No.4の欄参照)の項目には、キャラクタの特徴の分類を表す値が設定される。
【0040】
4.育成ゲーム機3の内部
育成ゲーム機3の内部回路のブロック図が図6に示されている。図6のように育成ゲーム機3の内部回路は、育成ゲーム機用制御部30、ボタン32、液晶画面33、スピーカ34、育成ゲーム用記憶部である記憶部35、育成ゲーム用データ受授部であるデータ受授部36で構成されている。
【0041】
(1)データ受授部36
データ受授部36は、玩具2の玩具データ受授部22を通じてパラメータ記憶部21との間で特性パラメータを受授するようになっている。データ受授部36は、玩具データ受授部22が非接触型のアンテナコイルの場合は、通信できる装置で構成され、玩具データ受授部22が接触型の端子の場合は、導電性の端子の受け口で構成される。
【0042】
(2)育成ゲーム機用制御部30
育成ゲーム機用制御部30は、CPU(Central Processing Unit)等を備えるマイクロコンピュータで構成されており、パラメータ記憶部21内の特性パラメータを増減させることによって玩具2のキャラクタを育成する育成ゲームを実行するようになっている。
【0043】
(3)記憶部35
記憶部35はROMおよびRAMを含み、この記憶部35には育成ゲームプログラムおよび各種データが記憶されている。記憶部35に記憶されている各種データの主たるものを示せば下記の通りである。
【0044】
1)性格パラメータの初期値
性格パラメータの初期値は、16種類用意されている(後述の図8参照)。
パラメータ記憶部21に性格パラメータが記憶されていない場合、すなわち育成ゲーム機3でユーザが購入した玩具2を初めて使用する際に、育成ゲーム機用制御部30によって16種類の中から1つランダムに自動的に選択され、記憶部35から玩具2のパラメータ記憶部21にコピー、記憶される。
【0045】
2)その他
ゲーム進行に必要なイメージデータ、演出音データ、育成ゲームプログラムが記憶部35に記憶されている。イメージデータ、演出音データに基づいて、それぞれ液晶画面33、スピーカ34から画像や音声が出力される。
育成ゲームプログラムには、後述する「トレーナーモード」、「キャラクタモード」、「リストモード」、「オプションモード」等を実行するためのプログラムが含まれている。
【0046】
5.対戦ゲーム機4の内部
対戦ゲーム機4の内部回路のブロック図が図7に示されている。図7のように対戦ゲーム機4の内部回路は、対戦ゲーム機用制御部40、液晶画面42、ディスク43、LED44、スピーカ45、記憶部46、ボタン47、対戦ゲーム機用データ受授部であるデータ受授部48で構成されている。
【0047】
(1)データ受授部48
データ受授部48は、玩具2の玩具データ受授部22を通じてパラメータ記憶部21との間で特性パラメータを受授するようになっている。データ受授部48は、玩具データ受授部22が非接触型のアンテナコイルの場合は、通信できる装置で構成され、玩具データ受授部22が接触型の端子の場合は、導電性の端子の受け口で構成される。
【0048】
(2)対戦ゲーム機用制御部40
対戦ゲーム機用制御部40は、CPU(Central Processing Unit)等を備えるマイクロコンピュータで構成されている。対戦ゲーム機用制御部40は、データ受授部48を通じて読み取った玩具2のパラメータ記憶部21内の特性パラメータの値に基づいて対戦ゲームを実行するようになっている。
【0049】
(3)記憶部46
記憶部46はROMおよびRAMを含み、この記憶部46には対戦ゲームプログラム、各種計算式データおよび各種データが記憶されている。記憶部46に記憶されている主たるものを示せば下記の通りである。
【0050】
1)特性パラメータの初期値
特性パラメータの初期値は、玩具2のパラメータ記憶部21に記憶されている特性パラメータの初期値と同じものである。玩具2は複数のキャラクタに応じた玩具2が多数用意されているため、各キャラクタに応じて特性パラメータの初期値が用意されている。特性パラメータの初期値は、ユーザ1人が対戦ゲームを使用する「サテライトバトル」の場合に仮想対戦相手の能力値パラメータの計算に使用される。
なお、育成ゲーム機3と同様、性格パラメータの初期値、16種類を用意しておいても良い(後述の図8参照)。そして、この場合には、パラメータ記憶部21に性格パラメータが記憶されていない場合、すなわち対戦ゲーム機4でユーザが購入した玩具2を初めて使用する際に、対戦ゲーム機用制御部40によって16種類の中から1つランダムに自動的に選択され、記憶部46から玩具2のパラメータ記憶部21にコピー、記憶されるようにしても良い。
【0051】
2)能力値計算式データ
能力値計算式データは、キャラクタの対戦時に能力パラメータであるHP、攻撃力、防御力のそれぞれの値を増減させるものであり、以下の(数1)〜(数6)を有している。能力値計算式データには性格パラメータを含む項があるため、能力パラメータの値は性格パラメータの値に応じて増減されるようになっている。
なお、対戦ゲーム機用制御部40によって、増減された能力パラメータをパラメータ記憶部21に記憶させるようにしても良い。
【0052】
(数1)(対戦時のHP)=(対戦前のLVのHP)+(道具HP)+(HP補正項)
(数2)(対戦時の攻撃力)=(対戦前のLVの攻撃力)+(道具攻撃力)+(攻撃力補正項)
(数3)(対戦時の防御力)=(対戦前のLVの防御力)+(道具防御力)+(防御力補正項)
(数4)(サテライトバトル対戦相手のHP)=(HP基本値)+(LV)×7
(数5)(サテライトバトル対戦相手の攻撃力)=(攻撃力基本値)+(LV)×7
(数6)(サテライトバトル対戦相手の防御力)=(防御力基本値)+(LV)×7
【0053】
(数1)、(数2)、(数3)は、HP、攻撃力、防御力のそれぞれの値を増減させる数式である。
(数1)「(対戦時のHP)」を例に説明すると、「対戦前のLVのHP」は、対戦前のパラメータ記憶部21から読み出し時のHPの値を示す。HPが設定されていない場合は、初期値であるHP基本値を設定する。「道具HP」は、対戦前のパラメータ記憶部21から読み出し時の道具HPの値を示す。また、「HP補正項」は、所定の値が設定される(詳細は後述する)。
同様にして、「(対戦時の攻撃力)」、「(対戦時の防御力)」は、それぞれ(数2)、(数3)に基づいて計算される。
【0054】
ここで「HP補正項」、「攻撃力補正項」、「防御力補正項」について説明する。「HP補正項」、「攻撃力補正項」、「防御力補正項」には、性格パラメータの値に応じて、7、8、9のいずれか1つの値が設定される(図8参照)。16種類の性格パラメータは、図8のように平均型、HP特化型、攻撃力特化型、防御力特化型の4つの型に分けられている。4つの型ごとにHP、攻撃力、防御力に追加される補正項の値が所定の確率で設定されている。
【0055】
4つの型のうち、例えば攻撃力特化型は、攻撃力に追加される補正項の値が大きくなりやすいように所定の確率が重みづけられている。攻撃力特化型の場合、HP、防御力は、所定の確率に重み付けはなく、等分の3分の1の確率で、7、8、9の値が設定される(図8の「等分ランダム」に該当する)。HP特化型、防御力特化型も、攻撃力特化型と同じようにHP、防御力に追加される補正項の値が大きくなりやすいように確率が設定されている。
【0056】
平均型は、HP、攻撃力、防御力に追加する値が8になりやすいように所定の確率で重みづけられている。図8を使って具体的に説明すると、例えば、性格パラメータが「むじゃき」の場合、HPに追加する値は、32分の3の確率で7が、32分の26の確率で8が、32分の3の確率で9となる。同様にして、攻撃力に追加される補正項の値、防御力に追加される補正項の値が所定の確率で設定されている。
【0057】
(数4)、(数5)、(数6)は、ユーザ1人が対戦ゲーム機4で遊ぶことができる、「サテライトバトル」の場合に、仮想の対戦相手のHP、攻撃力、防御力を求めるために使用される。(数4)、(数5)、(数6)の「HP基本値」、「攻撃力基本値」、「防御力基本値」は、記憶部46に記憶されている特性パラメータの初期値データから設定されている。
(数4)、(数5)、(数6)の「LV」の値は、ユーザが用意したキャラクタと同じLVが設定されるようになっている。
【0058】
3)ダメージポイント計算式データ
ダメージポイントは、防御側キャラクタのHPが攻撃側の技によって減少する値を示している。ダメージポイント計算式データは、ダメージポイントを計算するのに使用される。ダメージポイント計算式データの内容を下記に示す。
【0059】
(数7)(ダメージポイント)=(攻撃側の攻撃力)×(攻撃側の技威力合計)÷(防御側の防御力)×(乱数85〜100)÷100
技威力合計:(攻撃側の技威力合計)=(技威力)+(技追加威力)
【0060】
最初に、(数7)における「攻撃側」、「防御側」が、どのように決定されるか説明する。
「攻撃側」は、対戦するユーザのうち、早く技を発動させた側のユーザであり、「防御側」は、「攻撃側」の相手側のユーザである。
具体的には、技の発動は、ユーザがディスク43を手動で回転させ、チャージがチャージ基準値に達し、ボタン47を押すことによって起こる。よって、チャージ基準値に相手ユーザより早く達し、ボタン47をより早く押したユーザが「攻撃側」となる。
【0061】
次に、「攻撃側の技威力合計」について説明する。(数7)に記載のように、「攻撃側の技威力合計」は「技威力」と「技追加威力」の合計である。「技威力」、「技追加威力」は、図3のNo.21〜60のように、技1〜技8の8個の技にそれぞれ付随している。上述したように、技覚えパターンによりユーザが使用できる技は8個の内の3個である。発動される技は、3個の技のうちのいずれかの1個となる。発動される技は、下記のようにして決定される。
【0062】
対戦ゲーム機4の液晶画面42には図9のような画面図が表示される。図9の「1」、「2」は、それぞれ対戦するユーザ1、ユーザ2を示し、「A」、「B」、「C」はユーザが使用できる3個の技のチャージ基準値を示している。チャージ基準値A、B、Cは、技威力が小さいものから順に割り当てられる。チャージ量が図9の「B」の範囲に入ってボタン47が押されると技威力の一番小さい技が発動される。チャージの量が図9の「C」の範囲に入ってボタン47が押されると、技威力の二番目に小さい技が発動される。チャージ量が図9の「A」、「B」、「C」の範囲すべてを満たし、ボタン47が押されると、技威力の最も大きい技が発動される。
このようにしてユーザが使用できる3個の技うち発動される1個の技が決定される。発動される1個の技についての技パラメータの技威力と技追加威力の合計が(数7)の「技威力合計」である。
【0063】
(数7)の「乱数85〜100」は、85以上100以下の乱数が設定されることを示している。
【0064】
4)残りHP計算式データ
残りHP計算式データは、攻撃を受けた防御側のHPの値を計算する場合に使用される。攻撃を受けるとダメージを受けるため、攻撃を受けるたびに計算される。対戦するキャラクタのいずれかの残りHPの値が0になると対戦は終了となる。残りHP計算式データは下記のようになっている。
【0065】
(数8)(残りHP)=(直前のHP)―(ダメージポイント)
【0066】
(数8)の「直前のHP」は、攻撃を受ける直前のHPを示し、「ダメージポイント」は、(数7)で計算されたダメージポイントである。
【0067】
残りHPの値は、対戦するキャラクタのLVの値の差が10未満で、LVの値の高いキャラクタが攻撃した場合、LVの値の差に応じて所定の確率で計算したり(技が相手に命中したり)、計算しなかったり(技が相手に命中しなかったり)するようになっている。LVの値の差が0の時には、100%の確率で更新され、LVの値の差が増すごとに、より小さな確率で更新される。このようにして、キャラクタ間の力の格差を補正している。
なお、LVの値の差が10以上の場合は、後述する格差補正イベントによって力の格差は補正される。
【0068】
5)格差補正イベントプログラム
格差補正イベントプログラムは、対戦するキャラクタ間でLVの値に所定の値より大きい格差がある場合、格差に応じて勝敗の計算に影響を与えるものである。
具体的には、ユーザがハンデなしの戦いを選択(画面メニューで「アルティメットバトル」を選択)し、LVの値の差が10以上の場合は、確率的に格差補正イベントが実行される。
格差補正イベントは、対戦するキャラクタのうち、LVの値が高い側が攻撃した場合、LVの値が低い側のダメージポイントを小さくするように補正し、LVの値が低い側が攻撃した場合、LVの値が高い側のダメージポイントを大きくするように補正するものである。このようにダメージポイントを補正する際に、LVの値の格差を考慮して計算を行う。ダメージポイントが補正され、その後、残りHPが計算され勝敗が決まるため、格差補正イベントプログラムは、勝敗に影響を与えるものである。
LVの値が高い側が攻撃した場合、LVの値が低い側が攻撃した場合のいずれの場合でも、下記のダメージポイントの補正が行われる。
【0069】
(数9)(補正されたダメージポイント)=(ダメージポイント)×(攻撃側のLV)÷(防御側のLV)+(連打ゲームポイント)
【0070】
(数9)の「ダメージポイント」は、(数7)で計算される「ダメージポイント」であり、(数9)の「攻撃側のLV」、「防御側のLV」は、対戦直前に各パラメータ記憶部21より読み出されたLVの値である。
【0071】
連打ゲームポイントを説明する前に連打ゲームについて説明する。連打ゲームは、ユーザがボタン47を押した回数を競うものである。連打ゲームは、「アルティメットバトル」が選択され、LVの値の差が10以上の場合、対戦ゲームでユーザが技を発動させた後に自動的に移行されるようになっている。
【0072】
連打ゲームポイントは、攻撃側のボタンを押した回数が、防御側のボタンを押した回数より大きい場合に、攻撃側のボタンを押した回数から防御側のボタンを押した回数を引いた値が設定される。
連打ゲームが実行された場合、すなわち、(数9)の「補正されたダメージポイント」が計算される場合、(数8)の「残りHP」の「ダメージポイント」は、(数9)の「補正されたダメージポイント」に置き換え計算される。
【0073】
さらに格差補正イベントプログラムは、LVの値が高い側が攻撃した場合は2分の1の確率で、(数9)の「補正されたダメージポイント」に基づいて(数8)の「残りHP」を計算したり計算しなかったりするようなっている。残りHPの値が計算されなかった場合は、キャラクタは全くダメージを受けなかったこととなる。
また、LVの値が低い側が攻撃した場合は100%の確率で、(数9)の「補正されたダメージポイント」に基づいて(数8)の残りHPの値を計算するようになっている。
【0074】
6)サプライズイベントプログラム
サプライズイベントプログラムは、防御側の絆パラメータ、絆タイプによって、能力パラメータであるHP、攻撃力、防御力のそれぞれの値等を補正するプログラムである。具体的には、サプライズイベントプログラムは、絆パラメータが大きいほど、すなわち育成ゲーム機3の使用回数が大きいほど、HP、攻撃力、防御力のそれぞれの値等を大きくするようになっている。
【0075】
サプライズイベントプログラムによるサプライズイベントは、所定の確率で発生するようになっている。図10のように、所定の確率の値は、4つの絆パラメータと3つの絆タイプの組み合わせにより決定される。
【0076】
HP、攻撃力、防御力のそれぞれの値等の補正について、図11に基づいて説明する。
図11の追加条件は、サプライズイベント発生条件にさらに追加する条件である。追加条件は、対戦カード条件、防御側の性格パラメータの条件、防御側のトレーナー条件の3つに分けられている。各条件の内容により、異なる効果が発生するようになっている。
【0077】
ここで、図11中、効果の欄に記載の連打ゲームは、上述したように対戦中に連打ゲームの画面が表示され、ユーザがボタン47を押した回数を競うものである。連打威力は、連打ゲームの際に、ボタン47の1回を押した場合に2回として数えられるものである。この連打威力は、次回の連打ゲームの時に反映される。
【0078】
また、チャージ力は、ユーザがディスク43を回転させてチャージを貯める際に、1回の回転でチャージの量を通常より多く設定されるようにするものである。このチャージ力の設定は、次回以降の技の発動の際に反映される。
【0079】
効果の欄に、「HP」、「攻撃力」、「防御力」と記載されているものは、追加ポイント欄に記載してある数字が、HP、攻撃力、防御力のそれぞれの値に追加される。
【0080】
発生回数は、1回の対戦でサプライズイベントが起こる回数である。よって、追加条件が対戦カード条件の場合、サプライズイベントは1回発生し、防御側の性格パラメータの条件、防御側のトレーナー条件の場合は、これら2つの条件で合わせて1回のみ発生するようになっている。
【0081】
7)その他
ゲーム進行に必要なイメージデータ、演出音データ、対戦ゲームプログラムが記憶部46に記憶されている。そして、このイメージデータ、演出音データに基づいて、それぞれ液晶画面42、スピーカ45から画像や音声が出力される。また対戦ゲームプログラムに基づき、スピーカ45からの音の出力に合わせてLED44の点灯が演出される。
【0082】
6.個々の構成物の動作
(1)育成ゲーム機3の動作
育成ゲーム機3を起動すると、記憶部35に記憶されている育成ゲームプログラムに従い育成ゲーム機用制御部30の制御の下で液晶画面33には記憶部35に記憶されたプログラムに従って「オープニングアニメーション」を画面表示され表示画面がアイドル状態に移行した後、下記のようなメニュー画面が表示される。
【0083】
1)メニュー画面
メニュー画面には、「トレーナーモード」、「キャラクタモード」、「リストモード」、「オプションモード」の4つのモードの選択肢が表示される。
【0084】
2)各モードの内容
a)トレーナーモード
メニュー画面で「トレーナーモード」を選択すると、さらに、「トレーナーデータ閲覧モード」、「トレーナートレーニングモードモード」のメニューが表示される。
「トレーナーデータ閲覧モード」を選択すると、ユーザはトレーナー名等を閲覧することができる。また、「トレーナートレーニングモード」を選択すると、トレーナーであるユーザがミニゲームをすることにより、ユーザ自身の反射神経、記憶力、判断力、体力をトレーニングすることができる。例えば、前記反射神経は、ミニゲームのうちリズムゲームをすることにより、また、前記体力は、ボタン連打ゲームをすることによりトレーニングされる。ユーザは、「トレーナートレーニングモード」でミニゲームをすることによってアイテムの値を貯めることができる。アイテムの値は記憶部35に記憶される。また、ユーザは、玩具着脱部31に玩具2を接続しなくても「トレーナートレーニングモード」で遊ぶことができる。
【0085】
b)キャラクタモード
メニュー画面で「キャラクタモード」を選択すると、さらに、「キャラクタデータ閲覧モード」、「キャラクタトレーニングモード」、「道具設定モード」のメニューが表示される。
【0086】
「キャラクタデータ閲覧モード」を選択すると、ユーザは玩具着脱部31にセットした玩具2のパラメータ記憶部21からデータ受授部36を通じて読み出されたデータを閲覧することができる。閲覧できるデータは、キャラクタ名、ニックネーム、トレーナー名、たかさ、おもさ、LV、HP、攻撃力、防御力、分類(図3参照)のそれぞれの値である。また、技1〜技8(図3参照)のすべての技の名前と技威力等の値を閲覧することできる。ユーザは、ボタン32を押すことによって、液晶画面33の画面をスクロールして、すべてのデータを参照することができる。
ユーザが玩具2を購入した時には、パラメータ記憶部21に記憶されている性格パラメータはブランクになっているので、性格パラメータの項目に予め決められた性格パラメータの16種類の初期値のうち何れか1つの性格パラメータの値が設定される。
また、ニックネーム、トレーナー名は、ユーザが玩具2を購入時には設定されていない。設定されていない場合は、入力できる画面に遷移し、ユーザがニックネーム、トレーナー名を入力することができる。
【0087】
メニュー画面で「キャラクタトレーニングモード」を選択すると、玩具2のパラメータ記憶部21に記憶されている技追加威力1〜技追加威力8の威力を増加させることができる。ユーザが増加させることができる威力の値は技威力限界値によって制限される。
【0088】
メニュー画面で「道具設定モード」を選択すると、キャラクタに道具を与えることによって、「トレーナートレーニングモード」で貯めたアイテムの値をキャラクタに追加することができる。ユーザが「道具設定モード」を実行することによって、記憶部35に記憶されたアイテムの値を玩具2のパラメータ記憶部21の道具HP、道具攻撃力、道具防御力の値に追加することができる。
【0089】
c)リストモード
リストモードは、ユーザ自身またはユーザの友人が持っている玩具2に対応したキャラクタのキャラクタ名2(図3中、No.2の欄参照)等を登録、閲覧することができるものである。
【0090】
d)オプションモード
メニュー画面で「オプションモード」を選択すると、育成ゲーム機3の液晶画面33の明るさ、スピーカ34から出力される音の大きさ等が変更できるようになっている。
また、玩具2のパラメータ記憶部21の特性パラメータを初期化した状態、玩具2購入時の状態に設定することができる。
【0091】
(2)対戦ゲーム機4の動作
電源スイッチ491をONにすると、記憶部46に記憶されている対戦ゲームプログラムに従い対戦ゲーム機用制御部40の制御の下で液晶画面42には下記のような画面が表示され、図12のように処理が進んでいく。
【0092】
1)初期画面
記憶部46に記憶されたプログラムに従って「オープニングアニメーション」を画面表示し、その後に表示画面がアイドル状態に移行し、玩具着脱部41に玩具2のセットを促す画面が表示される(ステップS201)。
ユーザによる玩具着脱部41に対する玩具2のセットが終了すると、対戦ゲーム機用制御部40は、玩具2のパラメータ記憶部21からデータ受授部48を通じて特性パラメータを読み込む。
【0093】
2)メニュー画面
次にメニュー画面が表示される(ステップS202)。「アルティメットバトル」、「ハンディキャップバトル」、「サテライトバトル」の3つが液晶画面42に表示され、ユーザがディスク43を使用してカーソルを動かして、1つを選択する。
なお、このメニュー画面には、育成ゲーム機3にあるような「キャラクタデータ閲覧モード」、「キャラクタトレーニングモード」、「道具設定モード」を実行できるように各メニューを表示するようにしても良い。
【0094】
「ハンディキャップバトル」を選択した場合(ステップS203;はい)は、ハンデを考慮した対戦が行われる。
「アルティメットバトル」を選択した場合(ステップS204;はい)は、ハンデ無しの対戦が行われる。
「サテライトバトル」を選択した場合(ステップS204;いいえ)は、対戦ゲーム機用制御部40がセットされた玩具2と同等の対戦相手のデータを特性パラメータの初期値から作成する(ステップS205)ことにより、ユーザが1人で遊ぶことが可能となる。
【0095】
具体的には、ステップ203で「はい」を選択した場合、ステップ204で「はい」を選択した場合、ステップ204で「はい」を選択した場合、ステップ205を行った場合には、対戦ゲーム機用制御部40は、最初に能力値計算式データに基づき能力パラメータの値の補正を行う(ステップS206)。
【0096】
3)対戦画面
また、このとき、対戦ゲーム機用制御部40は「じゅんびOK!?」画面を表示させるとともに「じゅんびOK」の音声を出力させる。
【0097】
次に対戦ゲーム機用制御部40は、「まわせ!」画面を表示させるとともに「まわせ」との音声を出力させることにより、ユーザにディスク43を回すことを促す。ユーザがディスク43を回すと「チャージスタート」の画面が表示され、対戦が開始され、「チャージ」画面が表示される(ステップS207)。
【0098】
次に、対戦しているユーザのいずれかのチャージが所定のレベル、すなわちチャージ基準値に達しボタン47を押した場合(ステップS208;はい)、当該ユーザの方から技が繰り出されたように液晶画面42には表示される。この時、対戦ゲーム機用制御部40は、ダメージポイント計算式データに基づき防御側のダメージポイントを算出する(ステップS209)。
【0099】
次に、格差補正イベントの発生条件を満たさない場合(ステップ210;いいえ)、つまり、「ハンディキャップバトル」が選択された場合や、「アルティメットバトル」が選択されLVの値の格差が10未満である場合には、対戦ゲーム機用制御部40は、残りHP計算式データに基づき、防御側の残りHPを算出し、液晶画面42に残りHPを表示する。前述したようにキャラクタ間の力が補正され残りHPが計算されなかった場合は、液晶画面42には技が空振りになったように演出される。残りHPの値が計算される場合は、発動された技が相手に当たように演出される。
【0100】
次に防御側の残りHPが0に達した場合(ステップS211;残りHPの値=0)、対戦は終了し、ステップS216へ進む。
防御側の残りHPの値が0にならない場合(ステップS211;残りHPの値≠0)、対戦ゲーム機用制御部40は、サプライズイベントプログラムに基づいてサプライズイベントを実行し(ステップS215)、次に、ステップS208に進む。
【0101】
また、格差補正イベントが発生条件を満たした場合(ステップS210;はい)、つまり、「アルティメットバトル」が選択され、LVの値の差が10以上の場合には、液晶画面42には連打ゲームを実行する画面が表され、連打ゲームを実行する(ステップS212)。
【0102】
次に対戦ゲーム機用制御部40は、格差補正イベントプログラムに基づき補正されたダメージポイントを算出する(ステップS213)。対戦ゲーム機用制御部40は、残りHP計算式データに基づき、防御側の残りHPの値を計算し、液晶画面42に残りHPの値を表示する。前述したように残りHPの値が計算されなかった場合は、キャラクタは全くダメージを受けなかったこととなり、HPの値が計算された場合は、キャラクタはダメージを受けたこととなる。
【0103】
次に防御側の残りHPの値が0にならない場合(ステップS214;残りHPの値≠0)、対戦ゲーム機用制御部40は、サプライズイベントプログラムに基づいてサプライズイベントを実行し(ステップS215)、次に、ステップ208に進む。
防御側の残りHPの値が0の場合(ステップS214;残りHPの値=0)、ステップS216に進む。
【0104】
ステップS216では、ユーザが「ハンディキャップバトル」を選択していた場合(ステップS203;はい)、対戦ゲーム機用制御部40は対戦結果を玩具2のパラメータ記憶部21に書き込まない。
しかし、ユーザが「アルティメットバトル」を選択していた場合(ステップS204;はい)、対戦ゲーム機用制御部40対戦結果を玩具2のパラメータ記憶部21にデータ受授部48を通じて書き込みを行う。ステップS216を通過すると、一連の処理は終了となる。
【0105】
以上のように本実施形態のゲームシステム1によれば、育成ゲーム機3にて、キャラクタを育成する育成ゲームの実行に応じてパラメータ記憶部21内の特性パラメータのうち能力パラメータの値と、技パラメータの値と、を増減させるため、キャラクタは多様な特性を持つことができ、ユーザはユーザオリジナルのキャラクタに育て、対戦ゲーム機4にて、育てたキャラクタを対戦させることができる。よってユーザはキャラクタに対して愛着が増し、長い間、楽しむことができ、ユーザと玩具との結び付きを強固にすることができる。
【0106】
また、育成ゲーム機3にて、予め決められた性格パラメータの複数の初期値のうち何れか1つの性格パラメータの値が選択され、対戦ゲーム機4にて、性格パラメータの値に応じて能力パラメータの値を増減させて対戦ゲームが実行されるので特性パラメータが多様となりユーザに、興味、関心を持たせることができる。
【0107】
また、ユーザが育成ゲーム機3を使用するごとに使用回数に応じて絆パラメータの値が増加し、対戦ゲーム機4にて、能力パラメータの値を絆パラメータの値に応じて増減させて対戦ゲームが実行されるため、ユーザと玩具2との結び付きを、より強固にすることができる。
【0108】
また、対戦するキャラクタ間でLVの値に所定の値より大きい格差がある場合に、当該格差の大きさに応じて格差補正イベントプログラムによって対戦ゲームでの勝敗の計算をするため、弱いキャラクタが強いキャラクタを倒せるという醍醐味をユーザに味あわせることができる。
【0109】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0110】
なお、本実施形態におけるゲームシステム1では、図1に示したように、1種類の育成ゲーム機3を説明したが、本発明はこの形態に限定されず、例えば、育成ゲーム機3の機能の一部をもったゲーム機を複数、用意しても良い。
【0111】
また、育成ゲーム機3の機能の一部をもったゲーム機には、例えば、キャラクタの状態を表す様子パラメータ(図3中、No.17の欄参照)を、上述した育成ゲーム機3の「キャラクタデータ閲覧モード」等で確認できるようにしても良い。
【0112】
様子パラメータには、例えば、対戦終了時は「つかれ」、キャラクタトレーニングモード終了時は「ちょっとつかれ」、疲れていない時は「げんき」、「道具設定モード」にてパラメータの値が増加した時は「ごきげん」、「ちょうごきげん」と設定されるようにしても良い。
【0113】
様子パラメータが、「げんき」、「ごきげん」、「ちょうごきげん」の場合は、ユーザがキャラクタと遊びたがっている様な演出をする「ミニゲーム」を別途、設けても良い。
【0114】
また、様子パラメータが、「つかれ」、「ちょっとつかれ」の場合は、ユーザがキャラクタにマッサージをできる様な演出をする「マッサージゲーム」を設けても良い。
【0115】
ユーザが上記「ミニゲーム」等を実行した場合には、キャラクタの数種の特性パラメータの値の少なくとも1つを増減させるようにしても良い。例えば、「マッサージゲーム」を実行した場合には、キャラクタの様子パラメータが「つかれ」から「げんき」に変更され、対戦ゲーム機4での対戦ゲームの勝敗に影響と与えるようにしても良い。
【符号の説明】
【0116】
1 ゲームシステム
2 玩具
21 パラメータ記憶部
3 育成ゲーム機
30 育成ゲーム機用制御部
36 データ受授部
4 対戦ゲーム機
40 対戦ゲーム機用制御部
48 データ受授部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、キャラクタを模し、キャラクタに対応した玩具データを記憶する記憶部を有する玩具と、玩具データに基づいてゲームを進行させるゲーム機を備えたゲームシステムとして、例えば、次のようなものが知られている。
【0003】
このようなゲームシステムの一つは、最初に玩具データをリーダによって読み込み、読み込んだ前記玩具データに対応したキャラクタをゲーム機に初期登録する。そして初期登録したキャラクタの中からゲームに登場させようとする玩具データを再び読み込むことによって、キャラクタに対応したゲーム進行プログラムを実行させるようになっている(特許文献1)。
【0004】
但し、このゲームシステムでは玩具データをゲーム機に予め初期登録しておき、玩具をゲーム機に接続することがきっかけとなってゲームが実行されるため、他の同じゲーム機で玩具の玩具データを使用してゲームを実行することができなかった。このような問題を解決すべく、以下のようなゲームシステムが提案された。
【0005】
提案されたゲームシステムは、玩具データを他の同じゲーム機に送信する際に、ゲーム機IDデータを前記玩具データと関連付けて送信し、送信先の同じゲーム機に、同じような玩具データを持ったキャラクタがあったとしても、ゲーム機IDデータによって玩具データ、ひいては、キャラクタを別々なものにすることができ、他の同じゲーム機で遊べるようになっている(特許文献2)。
【0006】
また、当該ゲームシステムは玩具データのパラメータの1つであるにキャラクタの「従順さ」を変化させることができるゲームを実行して、当該「従順さ」のデータを含む玩具データをゲーム機IDデータとともに他のゲーム機に送信することができるようになっており、それぞれのデータを受信したゲーム機では、前記キャラクタの「従順さ」等の玩具データに基づいてキャラクタ同士を戦わせるようになっている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−201930号公報
【特許文献2】特開2004−201928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2のゲームシステムでは、ユーザは玩具データのパラメータの1つである「従順さ」しか変更できないため、どのユーザが育てたキャラクタであっても、結局は同じようなキャラクタとなってしまい、ユーザの玩具への親しみや愛着が薄れるという問題がある。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、ユーザと玩具との結び付きを強固にすることができるゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
キャラクタを模し、当該キャラクタの能力を表す能力パラメータと、当該キャラクタの技の内容を表す技パラメータを含む特性パラメータを記憶可能なパラメータ記憶部を有する玩具と、
前記パラメータ記憶部との間で前記特性パラメータを受授する育成ゲーム用データ受授部と、前記特性パラメータが読み取られた前記玩具のキャラクタを育成する育成ゲームの実行に応じて前記パラメータ記憶部内の前記数種の特性パラメータのうち前記能力パラメータの値と、前記技パラメータの値と、を増減または維持させる育成ゲーム機用制御部と、を有する育成ゲーム機と、
前記パラメータ記憶部との間で前記特性パラメータを受授する対戦ゲーム用データ受授部と、前記特性パラメータが読み取られた前記玩具の前記特性パラメータの値を利用して対戦ゲームを実行し、前記対戦ゲームで勝利したキャラクタに対応する前記玩具に対して前記パラメータ記憶部内の前記特性パラメータのうち勝利数と、当該勝利数に応じたレベルパラメータの値と、を増加させる対戦ゲーム機用制御部と、を有する対戦ゲーム機と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記特性パラメータは、キャラクタの性格を表す性格パラメータを有しており、
前記育成ゲーム機は、前記性格パラメータの複数の初期値を記憶する育成ゲーム用記憶部を有し、
前記育成ゲーム機用制御部は、前記パラメータ記憶部に前記性格パラメータが記憶されていない場合に、前記性格パラメータの複数の初期値のうち何れか1つの性格パラメータの値を選択して、前記パラメータ記憶部に記憶させ、
前記対戦ゲーム機用制御部は、前記パラメータ記憶部から前記特性パラメータを読み取った後に、前記特性パラメータにおける前記性格パラメータの値に応じて前記能力パラメータの値を増減させて前記対戦ゲームを実行することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、
前記特性パラメータは、キャラクタとユーザとの絆の強さを表す絆パラメータを有しており、
前記育成ゲーム機用制御部は、ユーザが前記育成ゲーム機を使用するごとに使用回数に応じて絆パラメータの値を増加させ、
前記対戦ゲーム機用制御部は、前記パラメータ記憶部から前記特性パラメータを読み取った後に、前記パラメータ記憶部内の前記特性パラメータにおける前記能力パラメータの値を前記絆パラメータの値に応じて増減させて前記対戦ゲームを実行することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のゲームシステムにおいて、
前記対戦ゲーム機用制御部は、対戦するキャラクタ間で前記特性パラメータにおける前記レベルパラメータの値に所定の値より大きい格差がある場合に、当該格差の大きさに応じて前記対戦ゲームでの勝敗の計算をすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、育成ゲーム機にて、キャラクタを育成する育成ゲームの実行に応じて前記パラメータ記憶部内の特性パラメータのうち能力パラメータの値と、技パラメータの値と、を増減させるため、キャラクタは多様な特性を持つことができ、ユーザはユーザオリジナルのキャラクタに育て、対戦ゲーム機にて、育てたキャラクタを対戦させることができる。よってユーザはキャラクタに対して愛着が増し、長い間、楽しむことができ、ユーザと玩具との結び付きを強固にすることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、育成ゲーム機にて、予め決められた性格パラメータの複数の初期値のうち何れか1つの性格パラメータの値が選択され、対戦ゲーム機にて、性格パラメータの値に応じて能力パラメータの値を増減させて対戦ゲームが実行されるので特性パラメータが多様となりユーザに、興味、関心を持たせることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザが育成ゲーム機を使用するごとに使用回数に応じて絆パラメータの値が増加し、対戦ゲーム機にて、能力パラメータの値を絆パラメータの値に応じて増減させて対戦ゲームが実行されるため、ユーザと玩具との結び付きを、より強固にすることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、対戦するキャラクタ間でレベルパラメータの値に所定の値より大きい格差がある場合に、当該格差の大きさに応じて対戦ゲームでの勝敗の計算をするため、例えば、弱いキャラクタが強いキャラクタを倒せるという醍醐味をユーザに味あわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの斜視図である。
【図2】玩具の内部構成図である。
【図3】パラメータ記憶部に記憶されるデータ構成図である。
【図4】キャラクタの特性パラメータがパターンに分けられた図である。
【図5】技パラメータの技覚えパターンを表す図である。
【図6】育成ゲーム機のブロック図である。
【図7】対戦ゲーム機のブロック図である。
【図8】性格パラメータの値に応じて能力パラメータの値の増減を説明する図である。
【図9】チャージ時に表示される画面図である。
【図10】サプライズイベントが発生する条件を説明する図である。
【図11】サプライズイベント発生時に補正される項目を説明する図である。
【図12】対戦ゲーム機で実行される処理を説明するステップ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.ゲームシステムの全体構成
図1にはゲームシステム1の全体構成が示されている。ゲームシステム1は、玩具2、育成ゲーム機3および対戦ゲーム機4を含んで構成されている。
なお、詳細は後述するが育成ゲーム機3では、玩具2のキャラクタを育成するとともに、その育成内容に基づいて玩具2内の特性パラメータを増減させるようになっており、対戦ゲーム機4では、玩具2の特性パラメータに基づいて、当該玩具2のキャラクタを対戦させるようになっている。
【0020】
2.ゲームシステムの各構成
(1)玩具2
玩具2は、図1には1つしか示されていないが、複数のキャラクタに応じた玩具が多数用意されている。玩具2には、図1、図2に示すように、パラメータ記憶部21と、玩具データ受授部22とが内蔵されている。図2のように、パラメータ記憶部21はICチップから構成されている。玩具データ受授部22が非接触型の場合は、図2のように、アンテナコイルから構成され、玩具データ受授部22が接触型の場合は、玩具データ受授部22は導電性の端子によって構成される。このうちパラメータ記憶部21には、玩具2のキャラクタの特性を表す特性パラメータが記憶されている。その詳細は後述する。
【0021】
(2)育成ゲーム機3
育成ゲーム機3は、玩具2のキャラクタを育成することによってパラメータ記憶部21の特性パラメータを増減させる育成ゲームを実行し、増減させた特性パラメータにより玩具2の間に個体差を生じさせる。なお、育成ゲーム機3は図1には1つしか示されていないが、複数の育成ゲーム機3が用意されている。
【0022】
図1に示すように、育成ゲーム機3の表面に液晶画面33が設けられ、その液晶画面33の奥には玩具着脱部31が設けられ、液晶画面33の手前にはボタン32が設けられている。また、育成ゲーム機3の裏面には、図示しないスピーカ34の放音孔、電池蓋およびリセットスイッチが設けられている。そして、電池蓋を開いて電池の交換ができるようにされている。なお、電源スイッチはボタン32によって代用されるようになっている。
一方、育成ゲーム機3の内部には各種回路等が設けられている。その詳細は後述する。
【0023】
(3)対戦ゲーム機4
対戦ゲーム機4は、ユーザの2人が玩具2を持ち寄り、個体差が生じたパラメータを有する玩具2のキャラクタを対戦させる対戦ゲームを実行するようになっている。なお、本実施形態における対戦ゲーム機4では、ユーザは1人でも対戦ゲームで遊ぶことができる(詳細は後述する)。
【0024】
図1に示すように、対戦ゲーム機4の表面の奥側には、液晶画面42が設けられ、その液晶画面42の両側には玩具着脱部41が設けられている。その2つの玩具着脱部41の手前にはそれぞれボタン47が設けられ、ボタン47の手前にはディスク43が設けられている。また玩具着脱部41の奥にはLED44(LED:Light Emitting Diode)が設けられている。
【0025】
さらに、2つのボタン47の間にはスピーカの放音孔49が設けられ、スピーカの放音孔49の手前には、電源スイッチ491が設けられている。また、図示しない電池蓋が設けられている。そして、電池蓋を開いて電池の交換ができるようになっている。
一方、対戦ゲーム機4の内部には各種回路等が設けられている。その詳細は後述する。
【0026】
1)ディスク43
ディスク43は、ユーザが手動で回転させることにより、その回転数を検出できるものである。ディスク43は対戦の際、回転数(以下、「チャージ」という。)が所定の回転数(以下、「チャージ基準値」という。)に達すると、ユーザはキャラクタに技を発動させることが可能となる。
【0027】
3.個々の構成物の構成
(1)玩具2のパラメータ記憶部21
玩具2のパラメータ記憶部21には、図3に示すような特性パラメータ(データ項目)の値が記憶されている。以下、本実施形態に関連する各項目について説明する。
【0028】
1)ユーザが入力できる項目
ユーザが入力できる項目としては、ニックネーム(図中、No.3の欄参照)、トレーナー名(図中、No.14の欄参照)等がある。ニックネームの項目には、ユーザが玩具2につけた愛称が設定され、トレーナー名の項目には、ユーザ自身の名前が設定される。これらニックネーム、トレーナー名は、ユーザが玩具2を購入し育成ゲーム機3で最初に遊ぶ時にユーザが入力することによって設定される。
【0029】
2)勝利数
勝利数の項目(図中、No.19の欄参照)には、対戦ゲーム機4での対戦で勝利した数が設定される。
【0030】
3)LV
LV(レベルパラメータ)の項目(図中、No.9の欄参照)には、勝利数に応じた値が設定される。具体的には、次のLVへ上がるため条件として、必要な勝利数があり、その所定の勝利数に達すると、次のLVへ上がることができる。LVの初期値は、初期LVに設定されている。
【0031】
4)能力パラメータ
能力パラメータの項目としては、HP(図中、No.11の欄参照)、攻撃力(図中、No.12の欄参照)、防御力(図中、No.13の欄参照)がある。HPの項目には玩具2に応じたキャラクタの生命力が設定される。対戦では先にHPが0になったユーザが負けとなる。攻撃力、防御力の項目には、それぞれキャラクタの攻撃力、防御力が設定される。
【0032】
HP、攻撃力、防御力には、それぞれ初期値がある。それぞれの初期値は、HP基本値、攻撃力基本値、防御力基本値に設定されている(図中、No.61〜63の欄参照)。そして、図4のようにHP基本値、攻撃力基本値、防御力基本値を合計した基本値計によって、キャラクタは、5つにランクに分けられる。
【0033】
各ランクは、さらに攻撃型、防御型、バランス型、HP型の4つの型に分けられる。攻撃型は、基本値計のうち攻撃力基本値の割合が高いものである。防御型、HP型も同様である。バランス型は、HP基本値、攻撃力基本値、防御力基本値の中の2つの値が同じなるように設定されたものである。
このようにして、能力パラメータは、5つのランクと4つの型により計20通りのパターンに分けられる。
【0034】
また、HP、攻撃力、防御力には、初めは各初期値が設定されているが、対戦ゲーム機4での対戦時に、HP、攻撃力、防御力のそれぞれの値は、性格パラメータの値に応じて増減される(詳細は後述する)。
さらに、能力パラメータの項目としては、道具HP、道具攻撃力、道具防御力(図3中、No.68、69、70の欄参照)が設けられている。道具HP、道具攻撃力、道具防御力は、ユーザが育成ゲーム機3でキャラクタに道具を与える場合に使用される項目である。具体的には、道具HP、道具攻撃力、道具防御力の項目には、アイテムの値が追加される。アイテムの値とは、ユーザが育成ゲーム機3で後述の「トレーナートレーニングモード」を実行することによって貯めることができる値である。そして、後述の「道具設定モード」でキャラクタに道具を与えることによって、「トレーナートレーニングモード」で貯めたアイテムの値を道具HP、道具攻撃力、道具防御力に追加することができる。但し、道具HP、道具攻撃力、道具防御力には、追加できるアイテムの値の制限が設けられている。
また、対戦終了時に勝利数が上がって次のLVに上がった場合には、道具HPの項目の値には、0(ゼロ)の値が設定される。
また、育成ゲーム機3の液晶画面33、対戦ゲーム機4の液晶画面42に表示される「HP」、「攻撃力」、「防御力」は、HPに道具HP、攻撃力に道具攻撃力、防御力に道具防御力を加算したものである。
【0035】
5)技パラメータ
技パラメータの項目としては、図3のように玩具2に応じたキャラクタごとに、技覚えパターン(図3中、No.20の欄参照)と計8個の各技に関する技名、技威力、技威力限界値、技タイプ、技追加威力(図3のNo.21〜60の欄参照)とがある。
技威力の項目には、ユーザが対戦ゲーム機4でキャラクタに発動させる技の威力が設定される。
技追加威力の項目には、ユーザが技威力に追加する値が設定される。具体的には、ユーザが育成ゲーム機3で「キャラクタトレーニングモード」を行うことによって値を追加することができる。
技威力限界値の項目には、技威力に追加できる値の限界値が設定されている。具体的には、技威力限界値、技威力は予め決まっているので技追加威力に設定できる値は制限される。また、技タイプの項目には、技の種類・属性が設定されている。
【0036】
また、技覚えパターンの項目には、上記8個の技のうちユーザが使用可能な技3個について、LVに応じた変化パターンが設定されており、これにより使用可能な技は6段階で変化するよう設定されている。技覚えパターンには、パターンa、パターンb、パターンcの3種類のパターンがあり、図5は、例としてパターンaを記載したものである。図5のように使用可能な技は設定されている。図5では、使用可能な技は、使用可能な技A、使用可能な技B、使用可能な技Cと記載している。
次の段階へ上がるためには、LVが所定基準値を超えることが必要条件となる。図5のLVは、LVの所定基準値を示している。
具体的には、対戦ゲームで勝利し勝利数が増加し、勝利数に応じてLVの値も増加し、当該LVの所定基準値に達成すると、使用できる技の段階も上がるようになっている。図5のように、次の段階へ上がると3個の技のうちの1つの技が変わり技威力(図5では「威力」と表示)の値も増加する。よってユーザには、キャラクタが新しい技を覚えたように見える。技覚えパターンは、予めキャラクタごとに初期設定されている。
【0037】
6)絆パラメータ
絆パラメータ(図3中、No.16の欄参照)の項目には、ユーザが育成ゲーム機3を使用する回数ごとに、4つのレベルが設定されている。具体的には、「ぜんぜん(使用回数:0〜25)」、「まあまあ(使用回数:26〜50)」、「ともだち(使用回数:51〜75)」、「しんゆう(使用回数:75以上)」の4つのレベルがある。このように、絆パラメータは、ユーザが育成ゲーム機3を使用した回数が所定の回数に達することにより、「ぜんぜん」のレベルから順に「しんゆう」のレベルまで上げることができるようになっている。また、対戦ゲーム機4を使用した場合にも、育成ゲーム機3と同じように絆パラメータのレベルを上げることができる。
また、パラメータ記憶部21には、絆タイプという項目(図3中、No.15の欄参照)が記憶されている。絆タイプは絆パラメータとともにサプライズイベントの発生パターンを決定するようになっている。サプライズイベントは所定の確率で発生し、能力パラメータであるHP、攻撃力、防御力等の値を補正するものである。所定の確率の値は、4つの絆パラメータと3つの絆タイプ(絆タイプA、絆タイプB、絆タイプC)の組み合わせにより決定される。サプライズイベントでは、絆パラメータの値が高いほど、すなわち育成ゲーム機3の使用する回数が多いほど、HP、攻撃力、防御力等が大きくなるように所定の確率の値が予め設定されている。
【0038】
7)性格パラメータ
性格パラメータ(図3中、No.64の欄参照)の項目には、キャラクタの性格を表し、「むじゃき」、「せっかち」等の16種類の何れかが設定される。ユーザが玩具2を購入して最初に育成ゲーム機3を使用する際に、16種類の中から1つランダムに自動的に設定される。設定後は、初期化以外は書き換えられないようになっている。
また、性格パラメータは対戦ゲーム機4で使用される。性格パラメータの値に応じて能力パラメータは増減されるようになっている(詳細は後述する)。
【0039】
8)分類
分類(図3中、No.4の欄参照)の項目には、キャラクタの特徴の分類を表す値が設定される。
【0040】
4.育成ゲーム機3の内部
育成ゲーム機3の内部回路のブロック図が図6に示されている。図6のように育成ゲーム機3の内部回路は、育成ゲーム機用制御部30、ボタン32、液晶画面33、スピーカ34、育成ゲーム用記憶部である記憶部35、育成ゲーム用データ受授部であるデータ受授部36で構成されている。
【0041】
(1)データ受授部36
データ受授部36は、玩具2の玩具データ受授部22を通じてパラメータ記憶部21との間で特性パラメータを受授するようになっている。データ受授部36は、玩具データ受授部22が非接触型のアンテナコイルの場合は、通信できる装置で構成され、玩具データ受授部22が接触型の端子の場合は、導電性の端子の受け口で構成される。
【0042】
(2)育成ゲーム機用制御部30
育成ゲーム機用制御部30は、CPU(Central Processing Unit)等を備えるマイクロコンピュータで構成されており、パラメータ記憶部21内の特性パラメータを増減させることによって玩具2のキャラクタを育成する育成ゲームを実行するようになっている。
【0043】
(3)記憶部35
記憶部35はROMおよびRAMを含み、この記憶部35には育成ゲームプログラムおよび各種データが記憶されている。記憶部35に記憶されている各種データの主たるものを示せば下記の通りである。
【0044】
1)性格パラメータの初期値
性格パラメータの初期値は、16種類用意されている(後述の図8参照)。
パラメータ記憶部21に性格パラメータが記憶されていない場合、すなわち育成ゲーム機3でユーザが購入した玩具2を初めて使用する際に、育成ゲーム機用制御部30によって16種類の中から1つランダムに自動的に選択され、記憶部35から玩具2のパラメータ記憶部21にコピー、記憶される。
【0045】
2)その他
ゲーム進行に必要なイメージデータ、演出音データ、育成ゲームプログラムが記憶部35に記憶されている。イメージデータ、演出音データに基づいて、それぞれ液晶画面33、スピーカ34から画像や音声が出力される。
育成ゲームプログラムには、後述する「トレーナーモード」、「キャラクタモード」、「リストモード」、「オプションモード」等を実行するためのプログラムが含まれている。
【0046】
5.対戦ゲーム機4の内部
対戦ゲーム機4の内部回路のブロック図が図7に示されている。図7のように対戦ゲーム機4の内部回路は、対戦ゲーム機用制御部40、液晶画面42、ディスク43、LED44、スピーカ45、記憶部46、ボタン47、対戦ゲーム機用データ受授部であるデータ受授部48で構成されている。
【0047】
(1)データ受授部48
データ受授部48は、玩具2の玩具データ受授部22を通じてパラメータ記憶部21との間で特性パラメータを受授するようになっている。データ受授部48は、玩具データ受授部22が非接触型のアンテナコイルの場合は、通信できる装置で構成され、玩具データ受授部22が接触型の端子の場合は、導電性の端子の受け口で構成される。
【0048】
(2)対戦ゲーム機用制御部40
対戦ゲーム機用制御部40は、CPU(Central Processing Unit)等を備えるマイクロコンピュータで構成されている。対戦ゲーム機用制御部40は、データ受授部48を通じて読み取った玩具2のパラメータ記憶部21内の特性パラメータの値に基づいて対戦ゲームを実行するようになっている。
【0049】
(3)記憶部46
記憶部46はROMおよびRAMを含み、この記憶部46には対戦ゲームプログラム、各種計算式データおよび各種データが記憶されている。記憶部46に記憶されている主たるものを示せば下記の通りである。
【0050】
1)特性パラメータの初期値
特性パラメータの初期値は、玩具2のパラメータ記憶部21に記憶されている特性パラメータの初期値と同じものである。玩具2は複数のキャラクタに応じた玩具2が多数用意されているため、各キャラクタに応じて特性パラメータの初期値が用意されている。特性パラメータの初期値は、ユーザ1人が対戦ゲームを使用する「サテライトバトル」の場合に仮想対戦相手の能力値パラメータの計算に使用される。
なお、育成ゲーム機3と同様、性格パラメータの初期値、16種類を用意しておいても良い(後述の図8参照)。そして、この場合には、パラメータ記憶部21に性格パラメータが記憶されていない場合、すなわち対戦ゲーム機4でユーザが購入した玩具2を初めて使用する際に、対戦ゲーム機用制御部40によって16種類の中から1つランダムに自動的に選択され、記憶部46から玩具2のパラメータ記憶部21にコピー、記憶されるようにしても良い。
【0051】
2)能力値計算式データ
能力値計算式データは、キャラクタの対戦時に能力パラメータであるHP、攻撃力、防御力のそれぞれの値を増減させるものであり、以下の(数1)〜(数6)を有している。能力値計算式データには性格パラメータを含む項があるため、能力パラメータの値は性格パラメータの値に応じて増減されるようになっている。
なお、対戦ゲーム機用制御部40によって、増減された能力パラメータをパラメータ記憶部21に記憶させるようにしても良い。
【0052】
(数1)(対戦時のHP)=(対戦前のLVのHP)+(道具HP)+(HP補正項)
(数2)(対戦時の攻撃力)=(対戦前のLVの攻撃力)+(道具攻撃力)+(攻撃力補正項)
(数3)(対戦時の防御力)=(対戦前のLVの防御力)+(道具防御力)+(防御力補正項)
(数4)(サテライトバトル対戦相手のHP)=(HP基本値)+(LV)×7
(数5)(サテライトバトル対戦相手の攻撃力)=(攻撃力基本値)+(LV)×7
(数6)(サテライトバトル対戦相手の防御力)=(防御力基本値)+(LV)×7
【0053】
(数1)、(数2)、(数3)は、HP、攻撃力、防御力のそれぞれの値を増減させる数式である。
(数1)「(対戦時のHP)」を例に説明すると、「対戦前のLVのHP」は、対戦前のパラメータ記憶部21から読み出し時のHPの値を示す。HPが設定されていない場合は、初期値であるHP基本値を設定する。「道具HP」は、対戦前のパラメータ記憶部21から読み出し時の道具HPの値を示す。また、「HP補正項」は、所定の値が設定される(詳細は後述する)。
同様にして、「(対戦時の攻撃力)」、「(対戦時の防御力)」は、それぞれ(数2)、(数3)に基づいて計算される。
【0054】
ここで「HP補正項」、「攻撃力補正項」、「防御力補正項」について説明する。「HP補正項」、「攻撃力補正項」、「防御力補正項」には、性格パラメータの値に応じて、7、8、9のいずれか1つの値が設定される(図8参照)。16種類の性格パラメータは、図8のように平均型、HP特化型、攻撃力特化型、防御力特化型の4つの型に分けられている。4つの型ごとにHP、攻撃力、防御力に追加される補正項の値が所定の確率で設定されている。
【0055】
4つの型のうち、例えば攻撃力特化型は、攻撃力に追加される補正項の値が大きくなりやすいように所定の確率が重みづけられている。攻撃力特化型の場合、HP、防御力は、所定の確率に重み付けはなく、等分の3分の1の確率で、7、8、9の値が設定される(図8の「等分ランダム」に該当する)。HP特化型、防御力特化型も、攻撃力特化型と同じようにHP、防御力に追加される補正項の値が大きくなりやすいように確率が設定されている。
【0056】
平均型は、HP、攻撃力、防御力に追加する値が8になりやすいように所定の確率で重みづけられている。図8を使って具体的に説明すると、例えば、性格パラメータが「むじゃき」の場合、HPに追加する値は、32分の3の確率で7が、32分の26の確率で8が、32分の3の確率で9となる。同様にして、攻撃力に追加される補正項の値、防御力に追加される補正項の値が所定の確率で設定されている。
【0057】
(数4)、(数5)、(数6)は、ユーザ1人が対戦ゲーム機4で遊ぶことができる、「サテライトバトル」の場合に、仮想の対戦相手のHP、攻撃力、防御力を求めるために使用される。(数4)、(数5)、(数6)の「HP基本値」、「攻撃力基本値」、「防御力基本値」は、記憶部46に記憶されている特性パラメータの初期値データから設定されている。
(数4)、(数5)、(数6)の「LV」の値は、ユーザが用意したキャラクタと同じLVが設定されるようになっている。
【0058】
3)ダメージポイント計算式データ
ダメージポイントは、防御側キャラクタのHPが攻撃側の技によって減少する値を示している。ダメージポイント計算式データは、ダメージポイントを計算するのに使用される。ダメージポイント計算式データの内容を下記に示す。
【0059】
(数7)(ダメージポイント)=(攻撃側の攻撃力)×(攻撃側の技威力合計)÷(防御側の防御力)×(乱数85〜100)÷100
技威力合計:(攻撃側の技威力合計)=(技威力)+(技追加威力)
【0060】
最初に、(数7)における「攻撃側」、「防御側」が、どのように決定されるか説明する。
「攻撃側」は、対戦するユーザのうち、早く技を発動させた側のユーザであり、「防御側」は、「攻撃側」の相手側のユーザである。
具体的には、技の発動は、ユーザがディスク43を手動で回転させ、チャージがチャージ基準値に達し、ボタン47を押すことによって起こる。よって、チャージ基準値に相手ユーザより早く達し、ボタン47をより早く押したユーザが「攻撃側」となる。
【0061】
次に、「攻撃側の技威力合計」について説明する。(数7)に記載のように、「攻撃側の技威力合計」は「技威力」と「技追加威力」の合計である。「技威力」、「技追加威力」は、図3のNo.21〜60のように、技1〜技8の8個の技にそれぞれ付随している。上述したように、技覚えパターンによりユーザが使用できる技は8個の内の3個である。発動される技は、3個の技のうちのいずれかの1個となる。発動される技は、下記のようにして決定される。
【0062】
対戦ゲーム機4の液晶画面42には図9のような画面図が表示される。図9の「1」、「2」は、それぞれ対戦するユーザ1、ユーザ2を示し、「A」、「B」、「C」はユーザが使用できる3個の技のチャージ基準値を示している。チャージ基準値A、B、Cは、技威力が小さいものから順に割り当てられる。チャージ量が図9の「B」の範囲に入ってボタン47が押されると技威力の一番小さい技が発動される。チャージの量が図9の「C」の範囲に入ってボタン47が押されると、技威力の二番目に小さい技が発動される。チャージ量が図9の「A」、「B」、「C」の範囲すべてを満たし、ボタン47が押されると、技威力の最も大きい技が発動される。
このようにしてユーザが使用できる3個の技うち発動される1個の技が決定される。発動される1個の技についての技パラメータの技威力と技追加威力の合計が(数7)の「技威力合計」である。
【0063】
(数7)の「乱数85〜100」は、85以上100以下の乱数が設定されることを示している。
【0064】
4)残りHP計算式データ
残りHP計算式データは、攻撃を受けた防御側のHPの値を計算する場合に使用される。攻撃を受けるとダメージを受けるため、攻撃を受けるたびに計算される。対戦するキャラクタのいずれかの残りHPの値が0になると対戦は終了となる。残りHP計算式データは下記のようになっている。
【0065】
(数8)(残りHP)=(直前のHP)―(ダメージポイント)
【0066】
(数8)の「直前のHP」は、攻撃を受ける直前のHPを示し、「ダメージポイント」は、(数7)で計算されたダメージポイントである。
【0067】
残りHPの値は、対戦するキャラクタのLVの値の差が10未満で、LVの値の高いキャラクタが攻撃した場合、LVの値の差に応じて所定の確率で計算したり(技が相手に命中したり)、計算しなかったり(技が相手に命中しなかったり)するようになっている。LVの値の差が0の時には、100%の確率で更新され、LVの値の差が増すごとに、より小さな確率で更新される。このようにして、キャラクタ間の力の格差を補正している。
なお、LVの値の差が10以上の場合は、後述する格差補正イベントによって力の格差は補正される。
【0068】
5)格差補正イベントプログラム
格差補正イベントプログラムは、対戦するキャラクタ間でLVの値に所定の値より大きい格差がある場合、格差に応じて勝敗の計算に影響を与えるものである。
具体的には、ユーザがハンデなしの戦いを選択(画面メニューで「アルティメットバトル」を選択)し、LVの値の差が10以上の場合は、確率的に格差補正イベントが実行される。
格差補正イベントは、対戦するキャラクタのうち、LVの値が高い側が攻撃した場合、LVの値が低い側のダメージポイントを小さくするように補正し、LVの値が低い側が攻撃した場合、LVの値が高い側のダメージポイントを大きくするように補正するものである。このようにダメージポイントを補正する際に、LVの値の格差を考慮して計算を行う。ダメージポイントが補正され、その後、残りHPが計算され勝敗が決まるため、格差補正イベントプログラムは、勝敗に影響を与えるものである。
LVの値が高い側が攻撃した場合、LVの値が低い側が攻撃した場合のいずれの場合でも、下記のダメージポイントの補正が行われる。
【0069】
(数9)(補正されたダメージポイント)=(ダメージポイント)×(攻撃側のLV)÷(防御側のLV)+(連打ゲームポイント)
【0070】
(数9)の「ダメージポイント」は、(数7)で計算される「ダメージポイント」であり、(数9)の「攻撃側のLV」、「防御側のLV」は、対戦直前に各パラメータ記憶部21より読み出されたLVの値である。
【0071】
連打ゲームポイントを説明する前に連打ゲームについて説明する。連打ゲームは、ユーザがボタン47を押した回数を競うものである。連打ゲームは、「アルティメットバトル」が選択され、LVの値の差が10以上の場合、対戦ゲームでユーザが技を発動させた後に自動的に移行されるようになっている。
【0072】
連打ゲームポイントは、攻撃側のボタンを押した回数が、防御側のボタンを押した回数より大きい場合に、攻撃側のボタンを押した回数から防御側のボタンを押した回数を引いた値が設定される。
連打ゲームが実行された場合、すなわち、(数9)の「補正されたダメージポイント」が計算される場合、(数8)の「残りHP」の「ダメージポイント」は、(数9)の「補正されたダメージポイント」に置き換え計算される。
【0073】
さらに格差補正イベントプログラムは、LVの値が高い側が攻撃した場合は2分の1の確率で、(数9)の「補正されたダメージポイント」に基づいて(数8)の「残りHP」を計算したり計算しなかったりするようなっている。残りHPの値が計算されなかった場合は、キャラクタは全くダメージを受けなかったこととなる。
また、LVの値が低い側が攻撃した場合は100%の確率で、(数9)の「補正されたダメージポイント」に基づいて(数8)の残りHPの値を計算するようになっている。
【0074】
6)サプライズイベントプログラム
サプライズイベントプログラムは、防御側の絆パラメータ、絆タイプによって、能力パラメータであるHP、攻撃力、防御力のそれぞれの値等を補正するプログラムである。具体的には、サプライズイベントプログラムは、絆パラメータが大きいほど、すなわち育成ゲーム機3の使用回数が大きいほど、HP、攻撃力、防御力のそれぞれの値等を大きくするようになっている。
【0075】
サプライズイベントプログラムによるサプライズイベントは、所定の確率で発生するようになっている。図10のように、所定の確率の値は、4つの絆パラメータと3つの絆タイプの組み合わせにより決定される。
【0076】
HP、攻撃力、防御力のそれぞれの値等の補正について、図11に基づいて説明する。
図11の追加条件は、サプライズイベント発生条件にさらに追加する条件である。追加条件は、対戦カード条件、防御側の性格パラメータの条件、防御側のトレーナー条件の3つに分けられている。各条件の内容により、異なる効果が発生するようになっている。
【0077】
ここで、図11中、効果の欄に記載の連打ゲームは、上述したように対戦中に連打ゲームの画面が表示され、ユーザがボタン47を押した回数を競うものである。連打威力は、連打ゲームの際に、ボタン47の1回を押した場合に2回として数えられるものである。この連打威力は、次回の連打ゲームの時に反映される。
【0078】
また、チャージ力は、ユーザがディスク43を回転させてチャージを貯める際に、1回の回転でチャージの量を通常より多く設定されるようにするものである。このチャージ力の設定は、次回以降の技の発動の際に反映される。
【0079】
効果の欄に、「HP」、「攻撃力」、「防御力」と記載されているものは、追加ポイント欄に記載してある数字が、HP、攻撃力、防御力のそれぞれの値に追加される。
【0080】
発生回数は、1回の対戦でサプライズイベントが起こる回数である。よって、追加条件が対戦カード条件の場合、サプライズイベントは1回発生し、防御側の性格パラメータの条件、防御側のトレーナー条件の場合は、これら2つの条件で合わせて1回のみ発生するようになっている。
【0081】
7)その他
ゲーム進行に必要なイメージデータ、演出音データ、対戦ゲームプログラムが記憶部46に記憶されている。そして、このイメージデータ、演出音データに基づいて、それぞれ液晶画面42、スピーカ45から画像や音声が出力される。また対戦ゲームプログラムに基づき、スピーカ45からの音の出力に合わせてLED44の点灯が演出される。
【0082】
6.個々の構成物の動作
(1)育成ゲーム機3の動作
育成ゲーム機3を起動すると、記憶部35に記憶されている育成ゲームプログラムに従い育成ゲーム機用制御部30の制御の下で液晶画面33には記憶部35に記憶されたプログラムに従って「オープニングアニメーション」を画面表示され表示画面がアイドル状態に移行した後、下記のようなメニュー画面が表示される。
【0083】
1)メニュー画面
メニュー画面には、「トレーナーモード」、「キャラクタモード」、「リストモード」、「オプションモード」の4つのモードの選択肢が表示される。
【0084】
2)各モードの内容
a)トレーナーモード
メニュー画面で「トレーナーモード」を選択すると、さらに、「トレーナーデータ閲覧モード」、「トレーナートレーニングモードモード」のメニューが表示される。
「トレーナーデータ閲覧モード」を選択すると、ユーザはトレーナー名等を閲覧することができる。また、「トレーナートレーニングモード」を選択すると、トレーナーであるユーザがミニゲームをすることにより、ユーザ自身の反射神経、記憶力、判断力、体力をトレーニングすることができる。例えば、前記反射神経は、ミニゲームのうちリズムゲームをすることにより、また、前記体力は、ボタン連打ゲームをすることによりトレーニングされる。ユーザは、「トレーナートレーニングモード」でミニゲームをすることによってアイテムの値を貯めることができる。アイテムの値は記憶部35に記憶される。また、ユーザは、玩具着脱部31に玩具2を接続しなくても「トレーナートレーニングモード」で遊ぶことができる。
【0085】
b)キャラクタモード
メニュー画面で「キャラクタモード」を選択すると、さらに、「キャラクタデータ閲覧モード」、「キャラクタトレーニングモード」、「道具設定モード」のメニューが表示される。
【0086】
「キャラクタデータ閲覧モード」を選択すると、ユーザは玩具着脱部31にセットした玩具2のパラメータ記憶部21からデータ受授部36を通じて読み出されたデータを閲覧することができる。閲覧できるデータは、キャラクタ名、ニックネーム、トレーナー名、たかさ、おもさ、LV、HP、攻撃力、防御力、分類(図3参照)のそれぞれの値である。また、技1〜技8(図3参照)のすべての技の名前と技威力等の値を閲覧することできる。ユーザは、ボタン32を押すことによって、液晶画面33の画面をスクロールして、すべてのデータを参照することができる。
ユーザが玩具2を購入した時には、パラメータ記憶部21に記憶されている性格パラメータはブランクになっているので、性格パラメータの項目に予め決められた性格パラメータの16種類の初期値のうち何れか1つの性格パラメータの値が設定される。
また、ニックネーム、トレーナー名は、ユーザが玩具2を購入時には設定されていない。設定されていない場合は、入力できる画面に遷移し、ユーザがニックネーム、トレーナー名を入力することができる。
【0087】
メニュー画面で「キャラクタトレーニングモード」を選択すると、玩具2のパラメータ記憶部21に記憶されている技追加威力1〜技追加威力8の威力を増加させることができる。ユーザが増加させることができる威力の値は技威力限界値によって制限される。
【0088】
メニュー画面で「道具設定モード」を選択すると、キャラクタに道具を与えることによって、「トレーナートレーニングモード」で貯めたアイテムの値をキャラクタに追加することができる。ユーザが「道具設定モード」を実行することによって、記憶部35に記憶されたアイテムの値を玩具2のパラメータ記憶部21の道具HP、道具攻撃力、道具防御力の値に追加することができる。
【0089】
c)リストモード
リストモードは、ユーザ自身またはユーザの友人が持っている玩具2に対応したキャラクタのキャラクタ名2(図3中、No.2の欄参照)等を登録、閲覧することができるものである。
【0090】
d)オプションモード
メニュー画面で「オプションモード」を選択すると、育成ゲーム機3の液晶画面33の明るさ、スピーカ34から出力される音の大きさ等が変更できるようになっている。
また、玩具2のパラメータ記憶部21の特性パラメータを初期化した状態、玩具2購入時の状態に設定することができる。
【0091】
(2)対戦ゲーム機4の動作
電源スイッチ491をONにすると、記憶部46に記憶されている対戦ゲームプログラムに従い対戦ゲーム機用制御部40の制御の下で液晶画面42には下記のような画面が表示され、図12のように処理が進んでいく。
【0092】
1)初期画面
記憶部46に記憶されたプログラムに従って「オープニングアニメーション」を画面表示し、その後に表示画面がアイドル状態に移行し、玩具着脱部41に玩具2のセットを促す画面が表示される(ステップS201)。
ユーザによる玩具着脱部41に対する玩具2のセットが終了すると、対戦ゲーム機用制御部40は、玩具2のパラメータ記憶部21からデータ受授部48を通じて特性パラメータを読み込む。
【0093】
2)メニュー画面
次にメニュー画面が表示される(ステップS202)。「アルティメットバトル」、「ハンディキャップバトル」、「サテライトバトル」の3つが液晶画面42に表示され、ユーザがディスク43を使用してカーソルを動かして、1つを選択する。
なお、このメニュー画面には、育成ゲーム機3にあるような「キャラクタデータ閲覧モード」、「キャラクタトレーニングモード」、「道具設定モード」を実行できるように各メニューを表示するようにしても良い。
【0094】
「ハンディキャップバトル」を選択した場合(ステップS203;はい)は、ハンデを考慮した対戦が行われる。
「アルティメットバトル」を選択した場合(ステップS204;はい)は、ハンデ無しの対戦が行われる。
「サテライトバトル」を選択した場合(ステップS204;いいえ)は、対戦ゲーム機用制御部40がセットされた玩具2と同等の対戦相手のデータを特性パラメータの初期値から作成する(ステップS205)ことにより、ユーザが1人で遊ぶことが可能となる。
【0095】
具体的には、ステップ203で「はい」を選択した場合、ステップ204で「はい」を選択した場合、ステップ204で「はい」を選択した場合、ステップ205を行った場合には、対戦ゲーム機用制御部40は、最初に能力値計算式データに基づき能力パラメータの値の補正を行う(ステップS206)。
【0096】
3)対戦画面
また、このとき、対戦ゲーム機用制御部40は「じゅんびOK!?」画面を表示させるとともに「じゅんびOK」の音声を出力させる。
【0097】
次に対戦ゲーム機用制御部40は、「まわせ!」画面を表示させるとともに「まわせ」との音声を出力させることにより、ユーザにディスク43を回すことを促す。ユーザがディスク43を回すと「チャージスタート」の画面が表示され、対戦が開始され、「チャージ」画面が表示される(ステップS207)。
【0098】
次に、対戦しているユーザのいずれかのチャージが所定のレベル、すなわちチャージ基準値に達しボタン47を押した場合(ステップS208;はい)、当該ユーザの方から技が繰り出されたように液晶画面42には表示される。この時、対戦ゲーム機用制御部40は、ダメージポイント計算式データに基づき防御側のダメージポイントを算出する(ステップS209)。
【0099】
次に、格差補正イベントの発生条件を満たさない場合(ステップ210;いいえ)、つまり、「ハンディキャップバトル」が選択された場合や、「アルティメットバトル」が選択されLVの値の格差が10未満である場合には、対戦ゲーム機用制御部40は、残りHP計算式データに基づき、防御側の残りHPを算出し、液晶画面42に残りHPを表示する。前述したようにキャラクタ間の力が補正され残りHPが計算されなかった場合は、液晶画面42には技が空振りになったように演出される。残りHPの値が計算される場合は、発動された技が相手に当たように演出される。
【0100】
次に防御側の残りHPが0に達した場合(ステップS211;残りHPの値=0)、対戦は終了し、ステップS216へ進む。
防御側の残りHPの値が0にならない場合(ステップS211;残りHPの値≠0)、対戦ゲーム機用制御部40は、サプライズイベントプログラムに基づいてサプライズイベントを実行し(ステップS215)、次に、ステップS208に進む。
【0101】
また、格差補正イベントが発生条件を満たした場合(ステップS210;はい)、つまり、「アルティメットバトル」が選択され、LVの値の差が10以上の場合には、液晶画面42には連打ゲームを実行する画面が表され、連打ゲームを実行する(ステップS212)。
【0102】
次に対戦ゲーム機用制御部40は、格差補正イベントプログラムに基づき補正されたダメージポイントを算出する(ステップS213)。対戦ゲーム機用制御部40は、残りHP計算式データに基づき、防御側の残りHPの値を計算し、液晶画面42に残りHPの値を表示する。前述したように残りHPの値が計算されなかった場合は、キャラクタは全くダメージを受けなかったこととなり、HPの値が計算された場合は、キャラクタはダメージを受けたこととなる。
【0103】
次に防御側の残りHPの値が0にならない場合(ステップS214;残りHPの値≠0)、対戦ゲーム機用制御部40は、サプライズイベントプログラムに基づいてサプライズイベントを実行し(ステップS215)、次に、ステップ208に進む。
防御側の残りHPの値が0の場合(ステップS214;残りHPの値=0)、ステップS216に進む。
【0104】
ステップS216では、ユーザが「ハンディキャップバトル」を選択していた場合(ステップS203;はい)、対戦ゲーム機用制御部40は対戦結果を玩具2のパラメータ記憶部21に書き込まない。
しかし、ユーザが「アルティメットバトル」を選択していた場合(ステップS204;はい)、対戦ゲーム機用制御部40対戦結果を玩具2のパラメータ記憶部21にデータ受授部48を通じて書き込みを行う。ステップS216を通過すると、一連の処理は終了となる。
【0105】
以上のように本実施形態のゲームシステム1によれば、育成ゲーム機3にて、キャラクタを育成する育成ゲームの実行に応じてパラメータ記憶部21内の特性パラメータのうち能力パラメータの値と、技パラメータの値と、を増減させるため、キャラクタは多様な特性を持つことができ、ユーザはユーザオリジナルのキャラクタに育て、対戦ゲーム機4にて、育てたキャラクタを対戦させることができる。よってユーザはキャラクタに対して愛着が増し、長い間、楽しむことができ、ユーザと玩具との結び付きを強固にすることができる。
【0106】
また、育成ゲーム機3にて、予め決められた性格パラメータの複数の初期値のうち何れか1つの性格パラメータの値が選択され、対戦ゲーム機4にて、性格パラメータの値に応じて能力パラメータの値を増減させて対戦ゲームが実行されるので特性パラメータが多様となりユーザに、興味、関心を持たせることができる。
【0107】
また、ユーザが育成ゲーム機3を使用するごとに使用回数に応じて絆パラメータの値が増加し、対戦ゲーム機4にて、能力パラメータの値を絆パラメータの値に応じて増減させて対戦ゲームが実行されるため、ユーザと玩具2との結び付きを、より強固にすることができる。
【0108】
また、対戦するキャラクタ間でLVの値に所定の値より大きい格差がある場合に、当該格差の大きさに応じて格差補正イベントプログラムによって対戦ゲームでの勝敗の計算をするため、弱いキャラクタが強いキャラクタを倒せるという醍醐味をユーザに味あわせることができる。
【0109】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0110】
なお、本実施形態におけるゲームシステム1では、図1に示したように、1種類の育成ゲーム機3を説明したが、本発明はこの形態に限定されず、例えば、育成ゲーム機3の機能の一部をもったゲーム機を複数、用意しても良い。
【0111】
また、育成ゲーム機3の機能の一部をもったゲーム機には、例えば、キャラクタの状態を表す様子パラメータ(図3中、No.17の欄参照)を、上述した育成ゲーム機3の「キャラクタデータ閲覧モード」等で確認できるようにしても良い。
【0112】
様子パラメータには、例えば、対戦終了時は「つかれ」、キャラクタトレーニングモード終了時は「ちょっとつかれ」、疲れていない時は「げんき」、「道具設定モード」にてパラメータの値が増加した時は「ごきげん」、「ちょうごきげん」と設定されるようにしても良い。
【0113】
様子パラメータが、「げんき」、「ごきげん」、「ちょうごきげん」の場合は、ユーザがキャラクタと遊びたがっている様な演出をする「ミニゲーム」を別途、設けても良い。
【0114】
また、様子パラメータが、「つかれ」、「ちょっとつかれ」の場合は、ユーザがキャラクタにマッサージをできる様な演出をする「マッサージゲーム」を設けても良い。
【0115】
ユーザが上記「ミニゲーム」等を実行した場合には、キャラクタの数種の特性パラメータの値の少なくとも1つを増減させるようにしても良い。例えば、「マッサージゲーム」を実行した場合には、キャラクタの様子パラメータが「つかれ」から「げんき」に変更され、対戦ゲーム機4での対戦ゲームの勝敗に影響と与えるようにしても良い。
【符号の説明】
【0116】
1 ゲームシステム
2 玩具
21 パラメータ記憶部
3 育成ゲーム機
30 育成ゲーム機用制御部
36 データ受授部
4 対戦ゲーム機
40 対戦ゲーム機用制御部
48 データ受授部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタを模し、当該キャラクタの能力を表す能力パラメータと、当該キャラクタの技の内容を表す技パラメータを含む特性パラメータを記憶可能なパラメータ記憶部を有する玩具と、
前記パラメータ記憶部との間で前記特性パラメータを受授する育成ゲーム用データ受授部と、前記特性パラメータが読み取られた前記玩具のキャラクタを育成する育成ゲームの実行に応じて前記パラメータ記憶部内の前記数種の特性パラメータのうち前記能力パラメータの値と、前記技パラメータの値と、を増減または維持させる育成ゲーム機用制御部と、を有する育成ゲーム機と、
前記パラメータ記憶部との間で前記特性パラメータを受授する対戦ゲーム用データ受授部と、前記特性パラメータが読み取られた前記玩具の前記特性パラメータの値を利用して対戦ゲームを実行し、前記対戦ゲームで勝利したキャラクタに対応する前記玩具に対して前記パラメータ記憶部内の前記特性パラメータのうち勝利数と、当該勝利数に応じたレベルパラメータの値と、を増加させる対戦ゲーム機用制御部と、を有する対戦ゲーム機と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記特性パラメータは、キャラクタの性格を表す性格パラメータを有しており、
前記育成ゲーム機は、前記性格パラメータの複数の初期値を記憶する育成ゲーム用記憶部を有し、
前記育成ゲーム機用制御部は、前記パラメータ記憶部に前記性格パラメータが記憶されていない場合に、前記性格パラメータの複数の初期値のうち何れか1つの性格パラメータの値を選択して、前記パラメータ記憶部に記憶させ、
前記対戦ゲーム機用制御部は、前記パラメータ記憶部から前記特性パラメータを読み取った後に、前記特性パラメータにおける前記性格パラメータの値に応じて前記能力パラメータの値を増減させて前記対戦ゲームを実行することを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記特性パラメータは、キャラクタとユーザとの絆の強さを表す絆パラメータを有しており、
前記育成ゲーム機用制御部は、ユーザが前記育成ゲーム機を使用するごとに使用回数に応じて絆パラメータの値を増加させ、
前記対戦ゲーム機用制御部は、前記パラメータ記憶部から前記特性パラメータを読み取った後に、前記パラメータ記憶部内の前記特性パラメータにおける前記能力パラメータの値を前記絆パラメータの値に応じて増減させて前記対戦ゲームを実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記対戦ゲーム機用制御部は、対戦するキャラクタ間で前記特性パラメータにおける前記レベルパラメータの値に所定の値より大きい格差がある場合に、当該格差の大きさに応じて前記対戦ゲームでの勝敗の計算をすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項1】
キャラクタを模し、当該キャラクタの能力を表す能力パラメータと、当該キャラクタの技の内容を表す技パラメータを含む特性パラメータを記憶可能なパラメータ記憶部を有する玩具と、
前記パラメータ記憶部との間で前記特性パラメータを受授する育成ゲーム用データ受授部と、前記特性パラメータが読み取られた前記玩具のキャラクタを育成する育成ゲームの実行に応じて前記パラメータ記憶部内の前記数種の特性パラメータのうち前記能力パラメータの値と、前記技パラメータの値と、を増減または維持させる育成ゲーム機用制御部と、を有する育成ゲーム機と、
前記パラメータ記憶部との間で前記特性パラメータを受授する対戦ゲーム用データ受授部と、前記特性パラメータが読み取られた前記玩具の前記特性パラメータの値を利用して対戦ゲームを実行し、前記対戦ゲームで勝利したキャラクタに対応する前記玩具に対して前記パラメータ記憶部内の前記特性パラメータのうち勝利数と、当該勝利数に応じたレベルパラメータの値と、を増加させる対戦ゲーム機用制御部と、を有する対戦ゲーム機と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記特性パラメータは、キャラクタの性格を表す性格パラメータを有しており、
前記育成ゲーム機は、前記性格パラメータの複数の初期値を記憶する育成ゲーム用記憶部を有し、
前記育成ゲーム機用制御部は、前記パラメータ記憶部に前記性格パラメータが記憶されていない場合に、前記性格パラメータの複数の初期値のうち何れか1つの性格パラメータの値を選択して、前記パラメータ記憶部に記憶させ、
前記対戦ゲーム機用制御部は、前記パラメータ記憶部から前記特性パラメータを読み取った後に、前記特性パラメータにおける前記性格パラメータの値に応じて前記能力パラメータの値を増減させて前記対戦ゲームを実行することを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記特性パラメータは、キャラクタとユーザとの絆の強さを表す絆パラメータを有しており、
前記育成ゲーム機用制御部は、ユーザが前記育成ゲーム機を使用するごとに使用回数に応じて絆パラメータの値を増加させ、
前記対戦ゲーム機用制御部は、前記パラメータ記憶部から前記特性パラメータを読み取った後に、前記パラメータ記憶部内の前記特性パラメータにおける前記能力パラメータの値を前記絆パラメータの値に応じて増減させて前記対戦ゲームを実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記対戦ゲーム機用制御部は、対戦するキャラクタ間で前記特性パラメータにおける前記レベルパラメータの値に所定の値より大きい格差がある場合に、当該格差の大きさに応じて前記対戦ゲームでの勝敗の計算をすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−162078(P2010−162078A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4799(P2009−4799)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】
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