説明

ゲームシステム

【課題】手間を掛けることなくゲーム内に新たな要素を追加する。
【解決手段】ゲームシステム1は、所定のゲームを実行するゲーム機3と、ゲーム内に追加される追加要素についての識別コード20を担持する複数種類のカード2と、各追加要素についての追加要素データDを保持するサーバ4とを備える。ゲーム機3は、カード2から識別コード20を読み取るカメラ32と、読み取られた識別コード20を蓄積記憶するコード記憶部351と、サーバ4に記憶された各追加要素データDを受信する通信部34と、通信部34によって受信された各追加要素データDを記憶する追加要素データ記憶部352と、ゲームを実行する制御部37と、を有する。制御部37は、コード記憶部351に記憶された識別コード20に対応する追加要素についての追加要素データDを追加要素データ記憶部352から読み出し、読み出した追加要素データDの追加要素をゲーム内に追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームシステムの一種として、コードの付されたカードと、コードを読取可能なゲーム機とを備えたものが開発されている。
【0003】
このようなゲームシステムでは、例えばカードに付されたコードをゲーム機で読み取ることにより、このコードに対応するデータをサーバ等からダウンロードして、ゲーム内に追加要素を登場させることができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−529412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献の技術では、サーバと接続されている間しか追加情報をゲーム内で用いることができない。また、ゲーム内に追加要素を登場させるためには、その要素毎(カード毎)にダウンロードを行わせる必要があり、手間が掛かってしまう。
【0006】
本発明の課題は、手間を掛けることなくオフラインでゲーム内に新たな要素を追加することのできるゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、
所定のゲームを実行するゲーム機と、
前記ゲーム内に追加される追加要素についての識別コードを担持する複数種類の玩具体と、
各追加要素についての追加要素データを保持するサーバと、
を備えるゲームシステムにおいて、
前記ゲーム機は、
前記玩具体から前記識別コードを読み取るコード読取部と、
前記コード読取部によって読み取られた識別コードを蓄積記憶するコード記憶部と、
前記サーバから、当該サーバに記憶された各追加要素データを受信する通信部と、
前記通信部によって受信された各追加要素データを記憶する追加要素データ記憶部と、
前記ゲームを実行する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記コード記憶部に記憶された識別コードに対応する追加要素についての追加要素データを前記追加要素データ記憶部から読み出し、読み出した追加要素データの追加要素を前記ゲーム内に追加することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のゲームシステムにおいて、
請求項1記載のゲームシステムにおいて、
前記玩具体は、
前記識別コードをQRコードの形態で担持することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のゲームシステムにおいて、
前記玩具体は、
カードであることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のゲームシステムにおいて、
前記追加要素は、
キャラクタ、アイテム、背景画面、ストーリー及びシナリオの少なくとも1つであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、追加販売された玩具体に対応する追加要素データがサーバからダウンロードされて追加要素データ記憶部に記憶されるので、サーバとゲーム機とが通信状態でないとき、つまりオフラインのときでも、ゲーム内に新たな要素を追加することができる。
また、追加販売された各玩具体に対応する各追加要素データがサーバから追加要素データ記憶部にダウンロードされるとともに、玩具体から読み取られた識別コードがコード記憶部に蓄積記憶され、コード記憶部に記憶された識別コードに対応する追加要素についての追加要素データが追加要素データ記憶部から読み出されて、その追加要素がゲーム内に追加されるので、追加要素毎(玩具体毎)にダウンロードを行わせることなく、所有する玩具体に対応する追加要素のみをゲーム内に追加することができる。従って、手間を掛けることなくゲーム内に新たな要素を追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ゲームシステムの概略構成を示す図である。
【図2】ゲームの実行画面を示す図である。
【図3】ゲーム機の機能構成を示すブロック図である。
【図4】識別コードの読み取りを行ったときの表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
図1は、本実施の形態におけるゲームシステム1の概略構成を示す図である。
【0014】
この図に示すように、ゲームシステム1は、複数種類のカード2と、所定のゲームを実行するゲーム機3と、ゲームに関する情報を記憶するサーバ4とを備えている。
【0015】
カード2は、本発明における玩具体であり、それ自体でトレーディングカードゲームを行うことができるようになっている。具体的には、このカード2の表面には、キャラクタやアイテム等のイメージ及び説明(属性や攻撃力、防御力等のパラメータ)が記載されている。
また、このカード2は、ゲーム機3で実行されるゲームに使用されるようになっており、カードの内容に対応する識別コード20を表面に担持している。
【0016】
この識別コード20は、カード面に記載されたキャラクタやアイテム等を指し示しており、当該カード面のキャラクタやアイテムを追加要素としてゲーム内に追加させるために用いられるようになっている。この識別コード20は、QRコードの形態でカード2の表面に担持されている。
【0017】
なお、以上のようなカード2は、新しい種類のものがメーカから段階的に追加販売されるようになっている。
【0018】
サーバ4は、ゲーム機3で実行されるゲームについて種々の情報を記憶しており、本実施の形態においては、当該ゲーム内に追加される各追加要素についてのデータ(以下、追加要素データDとする)を記憶している。なお、サーバ4内の追加要素データDは、カード2の追加販売に合わせて逐次追加されるようになっている。
このサーバ4は、ゲーム機3における後述の通信部34との間で通信可能となっている。
【0019】
続いて、ゲーム機3の外観構成について説明する。
ゲーム機3は、メインディスプレイ30及びサブディスプレイ31と、カメラ32と、キー群33とを備えている。なお、本実施の形態においては、このゲーム機3は、格闘ゲームとトレーディングカードゲームとを融合したゲームを実行するようになっており、トレーディングカードとして6枚のカード2を使用するようになっている。
【0020】
メインディスプレイ30及びサブディスプレイ31は、LCD等によって構成されており、ゲーム画面を表示するようになっている。なお、本実施の形態においては、図2に示すように、メインディスプレイ30にはキャラクタによる格闘シーン等が表示され、サブディスプレイ31には使用状態、或いは使用待機状態の6つのカード面が表示されるようになっている。また、本実施の形態におけるメインディスプレイ30及びサブディスプレイ31には、タッチパネル30A,31Aが表示画面全面に亘って一体的に設けられており、押下された位置に対応する指示入力を後述の制御部37(図3参照)に出力するようになっている。
【0021】
カメラ32は、撮像を行うものであり、本実施の形態においては、カード2の識別コード20を読み取るようになっている。なお、本実施の形態においては、カメラ32はゲーム機3の背面側に形成されている。このようなカメラ32としては、従来より公知のものを用いることができる。
【0022】
キー群33は、ゲーム機3を操作するための複数の操作キー330を有しており、これらの操作キー330に対するユーザからの指示入力を後述の制御部37(図3参照)に出力するようになっている。
【0023】
続いて、ゲーム機3の機能構成について説明する。
図3は、ゲーム機3の機能構成を示すブロック図である。
【0024】
この図に示すように、ゲーム機3は、上述のメインディスプレイ30やサブディスプレイ31、タッチパネル30A,31A、カメラ32、キー群33に加え、サーバ4との間で通信を行う通信部34と、種々の情報を記憶する記憶部35と、ゲーム機3の各部を制御する制御部37等とを有している。
【0025】
通信部34は、サーバ4に記憶された各追加要素データDを当該サーバ4から受信するようになっている。このような通信部34としては、従来より公知のものを用いることができる。
【0026】
記憶部35は、ハードディスクやIC等により構成されており、ゲームプログラム記憶部350と、コード記憶部351と、追加要素データ記憶部352とを有している。
【0027】
このうち、ゲームプログラム記憶部350は、ゲーム機3で実行されるゲームプログラムを記憶している。
また、コード記憶部351は、カメラ32によって読み取られた識別コード20を蓄積記憶するようになっている。
追加要素データ記憶部352は、通信部34によって受信された各追加要素データDを記憶するようになっている。
【0028】
なお、これらのゲームプログラム記憶部350や、コード記憶部351及び追加要素データ記憶部352は、ゲーム機3に着脱可能な記憶媒体(例えばSDカード等)に設けられても良い。
【0029】
制御部37は、ゲーム機3内でゲームを実行するものであり、より詳細には、コード記憶部351に記憶された識別コード20に対応する追加要素についての追加要素データDを追加要素データ記憶部352から読み出し、読み出した追加要素データDの追加要素をゲーム内に追加しつつ、ゲームを実行するようになっている。
【0030】
続いて、以上のゲームシステム1の作用について説明する。
まず、新たな種類のカード2がメーカから追加販売されると、追加されたカード2に対応する全ての追加要素データDがサーバ4に追加される。
【0031】
次に、ユーザがゲーム機3とサーバ4とを通信させると、新たな追加要素データDが一括して追加要素データ記憶部352にダウンロードされる。なお、通信後にゲーム機3はオフライン状態にされる。
【0032】
次に、ユーザが新たなカード2を購入し、その表面の識別コード20をカメラ32に読み取らせると、当該識別コード20がコード記憶部351に蓄積記憶される。なお、このとき好ましくは、図4に示すように、識別コード20に対応するカード2のカード面がメインディスプレイ30に表示される。
【0033】
そして、ユーザがゲームを実行すると、コード記憶部351に記憶された識別コードに対応する追加要素についての追加要素データDが追加要素データ記憶部352から読み出されて、その追加要素がゲーム内に追加される。これにより例えば、新たに購入したカード2に対応するキャラクタが使用可能となる。
【0034】
以上のように、本実施の形態におけるゲームシステム1によれば、追加販売されたカード2に対応する全ての追加要素データDがサーバ4から追加要素データ記憶部352にダウンロードされるので、サーバ4とゲーム機3とが通信状態でないとき、つまりオフラインのときでも、ゲーム内に新たな要素を追加することができる。また、オフラインのときでもゲーム内に追加要素を追加してゲームを行うことができるため、ゲーム機3を携帯型のゲーム機として持運び可能に構成することができる。
【0035】
また、追加販売された各カード2に対応する追加要素データDがサーバ4から追加要素データ記憶部352にダウンロードされるとともに、カード2から読み取られた識別コード20がコード記憶部351に蓄積記憶され、コード記憶部351に記憶された識別コード20に対応する追加要素についての追加要素データDが追加要素データ記憶部352から読み出されて、その追加要素がゲーム内に追加されるので、追加要素毎(カード毎)にダウンロードを行わせることなく、所有するカード2に対応する追加要素のみをゲーム内に追加することができる。従って、手間を掛けることなくゲーム内に新たな要素を追加することができる。
【0036】
また、追加販売されるカード2によって新たな要素をゲーム内に追加することができるので、カードを追加購入することで、ゲーム内の要素を増やして遊ぶことができる。
【0037】
また、メーカ側が追加要素データDとカード2の提供をコントロールすることによってゲームの顛末をコントロールすることができるため、ヘビーユーザー等によってゲームソフトの発売から短期間でゲームのあらすじや攻略情報が公開されてしまうのを防止することができる。
【0038】
また、ゲーム機3で実行されるゲームをサーバ4の制御部ではなくゲーム機3の制御部37で制御するので、サーバ4の制御部で制御する場合と比較して、サーバ4の維持管理のコストを低廉化することができる。
【0039】
なお、上記実施の形態においては、カード2は識別コード20をQRコードの形態で担持することとして説明したが、バーコードやドットコード等、他のコードの形態で担持されることとしても良いし、RFIDによって読取可能な電子情報としてRFタグ内に担持することとしても良い。RFタグ内に識別コード20を担持する場合には、ゲーム機3は、本発明におけるコード読取部として、カード2のRFタグから情報を読み取る手段を備えることとなる。
【0040】
また、カード2の表面にはゲーム内に追加されるキャラクタやアイテム等のイメージが記載され、これらのキャラクタやアイテム等の識別コード20が担持されることとして説明したが、ゲーム内に追加される背景画面やストーリー・シナリオなどのイメージが記載され、これらの背景画面やストーリー・シナリオをゲーム内に追加させるための識別コード20が担持されることとしても良い。
【0041】
また、トレーディングカードゲームと格闘ゲームとを融合したゲームがゲーム機3で実行されることとして説明したが、他の種類のゲームが実行されることとしても良い。
【0042】
また、本発明における玩具体をカード2として説明したが、例えば自動車玩具や人形等、他の形状の玩具としても良い。
【0043】
また、その他の点についても、本発明は上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではなく、適宜変更可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0044】
1 ゲームシステム
2 カード
3 ゲーム機
4 サーバ
20 識別コード
32 カメラ
34 通信部
37 制御部
351 コード記憶部
352 追加要素データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のゲームを実行するゲーム機と、
前記ゲーム内に追加される追加要素についての識別コードを担持する複数種類の玩具体と、
各追加要素についての追加要素データを保持するサーバと、
を備えるゲームシステムにおいて、
前記ゲーム機は、
前記玩具体から前記識別コードを読み取るコード読取部と、
前記コード読取部によって読み取られた識別コードを蓄積記憶するコード記憶部と、
前記サーバから、当該サーバに記憶された各追加要素データを受信する通信部と、
前記通信部によって受信された各追加要素データを記憶する追加要素データ記憶部と、
前記ゲームを実行する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記コード記憶部に記憶された識別コードに対応する追加要素についての追加要素データを前記追加要素データ記憶部から読み出し、読み出した追加要素データの追加要素を前記ゲーム内に追加することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1記載のゲームシステムにおいて、
前記玩具体は、
前記識別コードをQRコードの形態で担持することを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1または2記載のゲームシステムにおいて、
前記玩具体は、
カードであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載のゲームシステムにおいて、
前記追加要素は、
キャラクタ、アイテム、背景画面、ストーリー及びシナリオの少なくとも1つであることを特徴とするゲームシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−170515(P2012−170515A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32769(P2011−32769)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】