説明

コンクリートポンプ車のブーム振動抑制装置

【課題】 オペレータの予期しないブームの動きが生じないようにする。
【解決手段】 コンクリートポンプ車のコンクリートポンプを遠隔操作するための無線送信機38にピストン切換えスイッチ37を設ける。更に、ピストン切換えスイッチ37の操作に応じてコンクリートポンプの吸入吐出弁となる揺動弁を操作する弁四方弁と、主四方弁を切換えることで、揺動弁とコンクリートピストンの前進後退の切換えタイミングを変えるように指令を与える制御器40を備える。オペレータが手動でピストン切換えスイッチ37を操作すると、制御器40による揺動弁とコンクリートピストンの前進後退の切換えタイミングの変更を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブーム付コンクリートポンプ車のコンクリートポンプ運転時におけるブームの振動を抑えることができるようにするためのコンクリートポンプ車のブーム振動抑制装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリートポンプ車のうち、ブーム付コンクリートポンプ車は、図3にその一例の概略を示す如く、車体のデッキ1の後端部側に、ホッパ2内にあるコンクリートを吸入して吐出するよう作動するコンクリートポンプ3が搭載してある。上記デッキ1の前端部には、旋回テーブル4を設けて、その上に多段式のブーム5が起伏自在に取り付けてある。更に、上記コンクリートポンプ3によってホッパ2内から吸入して吐出されたコンクリートを輸送するためのコンクリート配管6を、コンクリートポンプ3からデッキ1に沿わせた後、上記各段のブーム5に沿わせて支持させ、該コンクリート配管6の先端に接続した可撓性を有するホース7を、最上段のブーム5の先端に取り付けたホースガイド8にガイドさせて垂下させ、更に、該ホース7に先端ホース9を接続し、該先端ホース9の先端吐出口を直接、あるいは、延長ホースを介し打設個所に臨ませて打設を行わせるようにしてある。
【0003】
上記ブーム付コンクリートポンプ車におけるコンクリートポンプ3は、コンクリートの吸入吐出の切換えを行う吸入吐出弁として、すべり弁型式のものと揺動弁型式のものを採用したものが従来知られている。
【0004】
図4は一例として吸入吐出弁を揺動弁型式としたコンクリートポンプ3の構成を示すもので、前面下部に2つの吸入吐出口10を横に並べて設けたホッパ2内に揺動管11を揺動自在に収納し、且つ上記2つの吸入吐出口10に連通させた2本のコンクリートシリンダ12と13に、洗浄室14を介し2本の主油圧シリンダ15と16を接続して、上記各コンクリートシリンダ12と13内に収納したコンクリートピストン17と18を、上記各主油圧シリンダ15と16内の主油圧ピストン19と20にそれぞれピストンロッド21を介して一体的に連結した構成としてある。これにより、上記主油圧ピストン19と20の交互の前進後退により、コンクリートピストン17と18が交互に前進後退させられてコンクリートシリンダ12と13が交互に吸入吐出に切換えられるようにしてあり、吐出側となったコンクリートシリンダ12又は13内のコンクリートを、揺動管11からコンクリート配管6を通して圧送できるようにしてある。
【0005】
更に、上記各主油圧シリンダ15と16のロッド側圧力室同士を密封ライン22で接続すると共に、主油圧シリンダ15と16のヘッド側圧力室と主油ポンプ23とを主圧油ライン24により接続してある。上記主圧油ライン24の途中には、主回路用電磁弁25の作動によって切換えられるようにした主四方弁26が設けてある。又、揺動弁の切換えを行う弁シリンダ27と28に、弁油ポンプ29からの圧油を供給する圧油ライン30を接続し、且つ該圧油ライン30の途中に、弁回路用電磁弁31の作動によって切換えられるようにした弁四方弁32を設け、更に、上記圧油ライン30の途中から取り出したライン33を、上記主回路用電磁弁25を通して主四方弁26の操作部に導くようにしてある。
34は蓄圧器を示す。
【0006】
以上の構成により、2本の主油圧シリンダ15と16の各前進側ストロークエンドに設けたピストンセンサLS1とLS2が主油圧シリンダ15と16が交互に前進することにより交互に作動したときに、弁回路用電磁弁31のSOL3又はSOL4が励磁されて弁四方弁32が切換えられることにより、弁シリンダ27と28の伸長収縮が切換えられて揺動弁が切換えられると同時に、主回路用電磁弁25のソレノイドSOL1又はSOL2が励磁されて主四方弁26が切換えられることにより、主油圧シリンダ15と16の前進後退が切換えられてコンクリートピストン17と18の前進後退が切換えられるようにしてある。
【0007】
ところで、上記ブーム付コンクリートポンプ車では、コンクリートポンプ3の運転時に、ブーム5の固有振動数と、コンクリートピストン17と18の切換えタイミングが一致すると、共振が生じてブーム5の揺れが大きくなるという問題が生じていた。
【0008】
そのため、上記のような共振が生じた場合、従来は、コンクリートポンプ3の運転を停止してコンクリートピストン17と18を一時的に停止させて揺れを収めるか、あるいは、コンクリートピストン17と18のストローク量を変えたり、共振を起こすストローク量を避けて使用することで対処する必要が生じていた。
【0009】
しかし、上記のようにブーム5の揺れが大きくなるたびにコンクリートポンプ3の運転を停止する場合は作業効率が悪くなってしまう。又、コンクリートピストン17と18を、共振を起こすストローク量を避けて使用する場合であっても、共振を起こすストローク量によるポンプ吐出量が、作業で一番使用頻度が高い場合があるため、運転効率や作業効率の面で支承を来たすことがあった。
【0010】
そこで、本出願人は、コンクリートポンプ車のブーム5の先端部に振動検出器35を設けて、該振動検出器35により検出される上記ブーム5の揺れの検出値が一定値以上になると、制御器36からの指令により上記コンクリートポンプ3の弁四方弁32と主四方弁26を切換えさせて、上記吸入吐出弁と、コンクリートピストン17と18の前進後退の切換えタイミングを変えさせるようにすることを提案している。
【0011】
又、上記振動検出器35を用いることに代えて、タイマーにより所定時間サイクル毎に制御器からの指令で吸入吐出弁と、コンクリートピストン17と18の前進後退の切換えタイミングを変えさせるようにすることも提案している(たとえば、特許文献1参照)。
【0012】
なお、上記コンクリートポンプ車におけるコンクリート吐出量は、エンジンの回転数(アクセル)と油ポンプの傾転角(吐出)の設定値により決定するものであるが、コンクリート吐出量の調整は、現在では無線操作が主流となってきており、そのために、コンクリートポンプ車には、オペレータがコンクリートポンプを遠隔操作するためのアクセル用の増減スイッチや、吐出量の増減スイッチを備えた無線送信機が装備されるようになってきている(たとえば、特許文献2参照)。
【0013】
【特許文献1】特開2000−282687号公報
【特許文献2】特開2002−276157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところが、上記特許文献1にて、ブーム付コンクリートポンプ車のコンクリートポンプ3の運転時に、ブーム固有振動数とピストン切換えタイミングが合うことに起因して生じるブーム5の共振を防止するために提案されている手法は、上記コンクリートポンプのコンクリートピストンのストローク量を変えたり、共振を起こすストローク量を避けることなくブーム5の共振を打ち消すことができて有効である。しかし、ブーム5の先端部に取り付けた振動検出器35によるブーム5の振動の検出値が一定値を越えた時点、あるいは、タイマーによって設定された所定時間サイクルで、吸入吐出弁と、コンクリートピストン17と18の前進後退の切換えタイミングを自動で変えるようにしてあるため、オペレータが意図しないときに上記吸入吐出弁と、コンクリートピストン17と18の前進後退の切換えが生じることがある。そのために、オペレータが意図しないブーム5の動きに不意を突かれることに起因して、該ブーム5が周辺機材にぶつかる等して損傷に繋がる等の問題が生じる虞が懸念されるというのが実状である。
【0015】
そこで、本発明は、オペレータが上記吸入吐出弁と、コンクリートピストンとの前進後退の切換えタイミングを確実に把握した状態で、該吸入吐出弁と、コンクリートピストンとの前進後退の切換えタイミングの変更を行わせることで、コンクリートポンプの運転時に、ブーム固有振動数とピストン切換えタイミングが合うことに起因して生じるブームの共振を打ち消すことができるようにするためのコンクリートポンプ車のブーム共振抑制装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、弁四方弁の切換え作動により弁シリンダを伸縮作動させて吸入吐出弁を切り換えると共に、該吸入吐出弁の切換え後に主四方弁を切換え作動させて2本の主油圧シリンダを前進後進作動させることにより2本のコンクリートシリンダのコンクリートピストンを交互に前進後退させてコンクリートを交互に吸入吐出させることができるようにしてあるコンクリートポンプを備えたコンクリートポンプ車における所要個所に、ピストン切換えスイッチを設け、該ピストン切換えスイッチの手動操作に基いて、上記弁四方弁と主四方弁を切換えて、上記吸入吐出弁とコンクリートピストンの前進後退の切換えタイミングを変えるよう指令を与える制御器を備えてなる構成とする。
【0017】
又、上記構成におけるピストン切換えスイッチを、コンクリートポンプを遠隔操作するための無線送信機に設けるようにした構成とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のコンクリートポンプ車のブーム振動抑制装置によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)弁四方弁の切換え作動により弁シリンダを伸縮作動させて吸入吐出弁を切り換えると共に、該吸入吐出弁の切換え後に主四方弁を切換え作動させて2本の主油圧シリンダを前進後進作動させることにより2本のコンクリートシリンダのコンクリートピストンを交互に前進後退させてコンクリートを交互に吸入吐出させることができるようにしてあるコンクリートポンプを備えたコンクリートポンプ車における所要個所に、ピストン切換えスイッチを設け、該ピストン切換えスイッチの手動操作に基いて、上記弁四方弁と主四方弁を切換えて、上記吸入吐出弁とコンクリートピストンの前進後退の切換えタイミングを変えるよう指令を与える制御器を備えてなる構成としてあるので、コンクリートポンプ車のブームの固有振動数と、コンクリートポンプの各コンクリートピストンの前進後退の切換えのタイミングとが一致することによって上記ブームに共振が生じる場合には、オペレータがピストン切換えスイッチを操作することにより、上記ブームの固有振動数に対して、コンクリートポンプの各コンクリートピストンの前進後退の切換えのタイミングをずらすことができて、上記ブームの振動を抑制することができる。しかも、上記コンクリートポンプの各コンクリートピストンの前進後退の切換えのタイミングをずらす操作は、上記オペレータのピストン切換えスイッチの操作に基いて行わせるため、オペレータが上記吸入吐出弁と、コンクリートピストンとの前進後退の切換えタイミングを確実に把握できる。
このため、オペレータが意図しないときに上記吸入吐出弁と、コンクリートピストンの前進後退の切換えが生じて、ブームにオペレータの予期しない動きが生じる虞を未然に防止できる。
(2)ピストン切換えスイッチを、コンクリートポンプを遠隔操作するための無線送信機に設けるようにした構成とすることにより、無線送信機によりコンクリートポンプを遠隔操作しているオペレータが、ブームの固有振動数に対してコンクリートポンプの各コンクリートピストンの前進後退の切換えのタイミングをずらす操作を容易に実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1(イ)(ロ)乃び図2(イ)(ロ)(ハ)(ニ)は本発明のコンクリートポンプ車のブーム振動抑制装置を示すもので、図3及び図4に示したと同様に、弁四方弁32の切換え作動により弁シリンダ27と28を互い違いに伸縮作動させて吸入吐出弁としての揺動弁を切換えるようにすると共に、該揺動弁の切換え後に主四方弁26を切換えて2本の主油圧シリンダ15と16を前進後退作動させることにより2本のコンクリートシリンダ12と13のコンクリートピストン17と18を交互に前進後退させてコンクリートを交互に吸入吐出させるようにしてあるコンクリートポンプ3を備えたブーム付コンクリートポンプ車において、図示しないオペレータが操作するためのピストン切換えスイッチ37を、たとえば、図1(ロ)に示す如き上記ブーム付コンクリートポンプ車のコンクリートポンプ3を遠隔操作するためのアクセル用増減スイッチ39aや吐出量増減スイッチ39b等を備えてなる無線送信機38の所要個所に設ける。
【0021】
更に、上記ピストン切換えスイッチ37の操作に応じて上記コンクリートポンプ3の弁四方弁32と主四方弁26を切換えて上記揺動弁とコンクリートピストン17,18(図4参照)の前進後退の切換えタイミングを変えるように指令を与える制御器40を具備させた構成とする。
【0022】
詳述すると、図1(イ)は具体的な電気回路を示すもので、電源ラインPとNの間に、上記無線送信機38の操作信号を受けるための無線受信機38aとリレーX3を組み込んだライン41を設け、又、上記リレーX3のa接点x3及びリレーX1を組み込んだライン42と、ピストンセンサLS1、LS2及びリレーX2を組み込んだライン43を設けて、両ライン42,43の間に上記制御器40が組み付けてある。更に、上記電源ラインPとNの間に、リレーX1のa接点x1及び主回路用電磁弁25(図4参照)のソレノイドSOL1を組み込んだライン44と、リレーX2のa接点x2及び主回路用電磁弁25のソレノイドSOL2を組み込んだライン45と、リレーX1のa接点x1及び弁回路用電磁弁31(図4参照)のソレノイドSOL3を組み込んだライン46と、リレーX2のa接点x2及び弁回路用電磁弁31のソレノイドSOL4を組み込んだライン47とをそれぞれ設けた回路構成としてある。
【0023】
以上の構成としてあるブーム振動抑制装置を装備したブーム付コンクリートポンプ車のコンクリートポンプ3(図4参照)を運転すると、通常時は、ピストンセンサLS1又はLS2の信号に基づく制御器40からの指令でリレーX1又はX2が励磁されることにより、そのa接点x1又はx2が閉じる結果、ソレノイドSOL1,SOL3又はソレノイドSOL2,SOL4が励磁され、弁四方弁32と主四方弁26(図4参照)が切換えられることによって、図2(ロ)に片方のコンクリートピストン17又は18の速度を示す如く、一定時間tのサイクルでコンクリートピストン17と18(図4参照)の前進後退(右押、左押)が交互に切換えられてコンクリートの吸入吐出が行われる。
【0024】
上述の運転状況において、図2(イ)に示すブーム5(図3参照)の固有振動数と、図2(ロ)に示すコンクリートピストン17又は18(図4参照)の前進後退の切換えのタイミングとが一致することによって上記ブーム5に共振が生じるときは、図示しないオペレータが上記ブーム5の振れが大きくなったと認識した時点で、上記無線送信機38のピストン切換えスイッチ37を操作すると、上記無線受信機38aによりリレーX3への通電が行われて、該リレーX3が励磁される。すると、上記リレーX3のa接点x3が閉じられるため、制御器40からリレーX1又はX2が励磁される指令が出される。これによりリレーX1又はX2のa接点x1又はx2が閉じられてソレノイドSOL1,SOL3又はソレノイドSOL2,SOL4が励磁される結果、揺動弁と、コンクリートピストン17,18(図4参照)の前進後退の行程が強制的に切換えられることになる。
【0025】
なお、上記制御器40にてリレーX1又はX2を励磁するタイミングとしては、たとえば、図2(ハ)に示す如く、図示しないオペレータが上記ピストン切換えスイッチ37を、図中の矢印Aの時点で操作すると、そのタイミングで上記リレーX1又はX2の励磁を行って、揺動弁と、コンクリートピストン17,18(図4参照)の前進後退の行程の強制的な切換えを行うようにしてもよく。あるいは、図2(ニ)に示す如く、図示しないオペレータが、図中の矢印Bの時点で上記ピストン切換えスイッチ37を押した後、通常運転時に2本の主油圧シリンダ15と16(図4参照)の前進側ストロークエンドを検出するピストンセンサLS1とLS2が交互に作動するときの時間差から求まるピストンストローク時間tに対して、予めtの時間内でブーム5の制振効果が得られるように制御器40に設定した所要の設定時間tn、たとえば、1/2tで上記リレーX1又はX2の励磁を行って、揺動弁と、コンクリートピストン17,18の前進後退の行程の強制的な切換えを行うようにしてもよい。
【0026】
以上により、ストロークの途中あるいは中間で揺動弁とコンクリートピストン17,18の切換えが行われると、それ以降はブーム5の固有振動数とコンクリートピストン17,18の切換えタイミングがずれるようになるため、ブーム5の共振が打ち消されるようになる。
【0027】
このように、本発明のコンクリートポンプ車のブーム振動抑制装置によれば、コンクリートポンプ車のブーム5(図3参照)の固有振動数と、コンクリートポンプ3の各コンクリートピストン17,18(図4参照)の前進後退の切換えのタイミングとが一致することによって上記ブーム5に共振が生じる際に、図示しないオペレータが無線送信機38に設けてあるピストン切換えスイッチ37を操作することにより、上記ブーム5(図3参照)の固有振動数に対して、コンクリートポンプ3の各コンクリートピストン17,18(図4参照)の前進後退の切換えのタイミングをずらすことができて、上記ブーム5の振動を抑制することができる。
【0028】
しかも、上記コンクリートポンプ3の各コンクリートピストン17と18の前進後退の切換えのタイミングをずらす操作は、上記図示しないオペレータのピストン切換えスイッチ37の操作に基いて行わせるようにしてあるため、オペレータが上記吸入吐出弁と、コンクリートピストン17,18の前進後退の切換えタイミングを確実に把握した状態で、該吸入吐出弁と、コンクリートピストン17,18の前進後退の切換えタイミングの変更を行わせることができる。このため、オペレータが意図しないときに上記吸入吐出弁と、コンクリートピストン17と18の前進後退の切換えが生じて、ブーム5にオペレータの予期しない動きが生じる虞を解消できる。
【0029】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、ピストン切換えスイッチ37は、オペレータが手動操作できるようにしてあれば、無線送信機ではなく、図1(イ)に示した電気回路図における無線受信機38aの位置に直接接続して設ける構成としてもよい。
【0030】
上記実施の形態では、吸入吐出弁として揺動弁を用いたコンクリートポンプ3について示したが、すべり弁を用いたコンクリートポンプを備えたコンクリートポンプ車にも適用できること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のコンクリートポンプ車のブーム振動抑制装置の実施の一形態を示すもので、(イ)は電気回路の概要を示す図、(ロ)は無線送信機を拡大して示す図である。
【図2】ブームの固有振動数と、コンクリートピストンの行程の切換えタイミングとの関連を示す図で、(イ)はブームの固有振動数を示す図、(ロ)はコンクリートピストンの行程の切換えタイミングがブームの固有振動数と一致した状態を示す図、(ハ)はコンクリートピストンの行程の切換えタイミングを、ピストン切換えスイッチの操作に伴ってずらしたときの状態を示す図、(ニ)はコンクリートピストンの行程の切換えタイミングを、所要の設定時間に基いてずらしたときの状態を示す図である。
【図3】ブーム付コンクリートポンプ車の一例を示す概要図である。
【図4】揺動弁型式としたコンクリートポンプの油圧制御回路の一例を示す概要図である。
【符号の説明】
【0032】
3 コンクリートポンプ
12 コンクリートシリンダ
13 コンクリートシリンダ
15 主油圧シリンダ
16 主油圧シリンダ
17 コンクリートピストン
18 コンクリートピストン
26 主四方弁
27 弁シリンダ
28 弁シリンダ
32 弁四方弁
37 ピストン切換えスイッチ
38 無線送信機
40 制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁四方弁の切換え作動により弁シリンダを伸縮作動させて吸入吐出弁を切り換えると共に、該吸入吐出弁の切換え後に主四方弁を切換え作動させて2本の主油圧シリンダを前進後進作動させることにより2本のコンクリートシリンダのコンクリートピストンを交互に前進後退させてコンクリートを交互に吸入吐出させることができるようにしてあるコンクリートポンプを備えたコンクリートポンプ車における所要個所に、ピストン切換えスイッチを設け、該ピストン切換えスイッチの手動操作に基いて、上記弁四方弁と主四方弁を切換えて、上記吸入吐出弁とコンクリートピストンの前進後退の切換えタイミングを変えるよう指令を与える制御器を備えてなる構成を有することを特徴とするコンクリートポンプ車のブーム振動抑制装置。
【請求項2】
ピストン切換えスイッチを、コンクリートポンプを遠隔操作するための無線送信機に設けるようにした請求項1記載のコンクリートポンプ車のブーム振動抑制装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−138467(P2009−138467A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317391(P2007−317391)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000198293)IHI建機株式会社 (96)
【Fターム(参考)】