説明

コンクリート用細骨材並びにコンクリート

【課題】石炭ガス化スラグ人工軽量骨材を含むコンクリート用細骨材について、このコンクリート用細骨材を用いたコンクリートが良好なワーカビリティーを発揮するようにする。
【解決手段】加熱発泡させた石炭ガス化スラグ人工軽量骨材を50〜90質量%、微粒子材料を10〜50質量%の範囲で、合計量が100質量%となるように配合してなるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート用細骨材並びにコンクリートに関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の石炭火力発電方式として検討並びに実証が我が国で進められている石炭ガス化複合発電は、微粉炭を高温高圧の石炭ガス化炉内で酸素や空気などの石炭ガス化剤と混合して一酸化炭素や水素などにガス化し、その燃焼によってガスタービンを回転させると共にその燃焼熱によって発生した高圧水蒸気により蒸気タービンを回転させて発電する。そして、石炭ガス化複合発電では、石炭の灰分が溶融したスラグが石炭ガス化炉から排出され、この溶融スラグを水冷固化した石炭ガス化スラグが副産物として産出される。
【0003】
石炭ガス化炉から排出される溶融スラグを原料とする従来の人工骨材としては、石炭ガス化炉において生じた溶融スラグを焼成し発泡させて得られる発泡体からなる人工軽量骨材がある(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−60281号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の人工軽量骨材をコンクリートの細骨材として用いることにより、効率良くコンクリートの軽量化を図ることができる。しかしながら、本発明者らが、特許文献1等に開示されている人工軽量骨材である石炭ガス化スラグ人工軽量骨材の活用技術について検討していたところ、コンクリート用細骨材として石炭ガス化スラグ人工軽量骨材を単独で用いるとコンクリートのワーカビリティーが低下して施工性が悪化するという問題点があることが知見された。そこで、石炭ガス化スラグ人工軽量骨材を含み且つコンクリートの施工性を阻害することのないコンクリート用細骨材が望まれる。
【0006】
本発明はかかる要望に応えるもので、石炭ガス化スラグ人工軽量骨材を含むと共にコンクリートが良好なワーカビリティーを発揮するコンクリート用細骨材、並びにこのコンクリート用細骨材が配合されたコンクリートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため、請求項1記載のコンクリート用細骨材は、加熱発泡させた石炭ガス化スラグ人工軽量骨材を50〜90質量%、微粒子材料を10〜50質量%の範囲で、合計量が100質量%となるように配合してなるようにしている。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のコンクリート用細骨材において、微粒子材料として、珪砂6号、珪砂7号、フライアッシュ2種の中のいずれか一つ若しくは二つ以上を組み合わせて用いるようにしている。
【0009】
さらに、請求項3記載のコンクリート用細骨材は、加熱発泡させた石炭ガス化スラグ人工軽量骨材を50〜90質量%、珪砂6号を5〜45質量%、珪砂7号を5〜45質量%の範囲で、合計量が100質量%となるように配合してなるようにしている。
【0010】
したがって、このコンクリート用細骨材によると、石炭ガス化スラグ人工軽量骨材と微粒子材料とを適切な割合で配合してコンクリート用細骨材として用いるようにしているので、コンクリートに良好なワーカビリティーを発揮させられる。
【0011】
また、請求項4記載のコンクリートは、請求項1から3のいずれか一つに記載のコンクリート用細骨材を少なくとも配合してなるようにしている。
【0012】
したがって、このコンクリートによると、石炭ガス化スラグ人工軽量骨材と微粒子材料とが適切な割合で配合されたコンクリート用細骨材を用いるようにしているので、良好なワーカビリティーが維持され、良好な施工性が発揮される。
【発明の効果】
【0013】
本発明のコンクリート用細骨材によれば、石炭ガス化スラグ人工軽量骨材と微粒子材料とを適切な割合で配合してコンクリート用細骨材として用いるようにしているので、コンクリートに良好なワーカビリティーを発揮させることが可能であり、コンクリートの施工性の向上を図ることができる。また、本発明のコンクリートによれば、石炭ガス化スラグ人工軽量骨材と微粒子材料とが適切な割合で配合されたコンクリート用細骨材を用いるようにしているので、コンクリートの良好なワーカビリティーを維持することが可能であり、コンクリートの施工性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の構成を最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
本発明のコンクリート用細骨材は、加熱発泡させた石炭ガス化スラグ人工軽量骨材を50〜90質量%、微粒子材料を10〜50質量%の範囲で、合計量が100質量%となるように配合してなることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の石炭ガス化スラグ人工軽量骨材としては、石炭ガス化炉から排出される溶融スラグを水冷固化して得られる石炭ガス化スラグを加熱発泡させた石炭ガス化スラグ人工軽量骨材が用いられる。石炭ガス化スラグ人工軽量骨材の製造方法自体は周知の技術であるのでここでは詳細については省略する(例えば、特開2002−60281、市川和芳他:石炭ガス化スラグ有効利用に向けた発泡化技術の開発−軽量骨材用品質安定組成基準と発泡性影響因子,電力中央研究所報告,研究報告W03040,2004年など)。
【0017】
石炭ガス化スラグ人工軽量骨材の配合量は、石炭ガス化スラグ人工軽量骨材と微粒子材料との合計(以下、細骨材料合計と呼ぶ)100質量%に対し、好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜80質量%、最も好ましくは70質量%である。石炭ガス化スラグ人工軽量骨材の配合量が60質量%を下回ると細骨材として石炭ガス化スラグ人工軽量骨材を用いることによって得られる例えばコンクリートの軽量化等の効果が徐々に低減し、50質量%を下回る場合にはこの効果が極端に低減して好ましくない。一方、石炭ガス化スラグ人工軽量骨材の配合量が80質量%を上回るとコンクリートのワーカビリティーが徐々に低下し、90質量%を上回る場合にはコンクリートのワーカビリティーが極端に低下して好ましくない。
【0018】
本発明の微粒子材料としては、0.1〜0.9mm程度の粒径の粒子を多く含む材料であって、コンクリートの骨材として用いて問題のない材料が用いられる。例えば、珪砂やフライアッシュ等が用いられ、珪砂やフライアッシュの中でも具体的には珪砂6号、珪砂7号、フライアッシュ2種等が用いられる。
【0019】
微粒子材料の配合量は、細骨材料合計100質量%に対し、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%、最も好ましくは30質量%である。微粒子材料の配合量が20質量%を下回ると石炭ガス化スラグ人工軽量骨材の配合比率が高くなってコンクリートのワーカビリティーが徐々に低下するので好ましくない。一方、微粒子材料の配合量が40質量%を上回ると石炭ガス化スラグ人工軽量骨材の配合比率が低くなって石炭ガス化スラグ人工軽量骨材を用いることによって得られる効果が徐々に低減するので好ましくない。
【0020】
また、本発明の微粒子材料として珪砂6号及び珪砂7号が用いられる場合には、細骨材料合計100質量%に対し、好ましくは珪砂6号を5〜45質量%、珪砂7号を5〜45質量%、より好ましくは珪砂6号を10〜30質量%、珪砂7号を10〜30質量%、最も好ましくは珪砂6号を20質量%、珪砂7号を10質量%である。
【0021】
さらに、本発明のコンクリートは、上記のコンクリート用細骨材を少なくとも配合してなることを特徴とするものであり、例えば、セメントと上記のコンクリート用細骨材と粗骨材と水とを配合し、必要に応じてAE剤等の混和剤を適量添加してなるものである。
【0022】
本発明のコンクリートに用いられるセメントとしては、当業者の間で広く用いられているコンクリート材料用の一般的なセメントが用いられる。具体的には例えば普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントが用いられる。なお、一種類のセメントが用いられるようにしても良いし、複数種類のセメントが組み合わされて用いられるようにしても良い。
【0023】
コンクリートの水セメント比(セメント質量に対する水質量の割合)は、好ましくは30〜60%、より好ましくは40〜50%、最も好ましくは45%である。水セメント比量が70%を上回るとコンクリートの強度が徐々に低下し、100%を下回る場合にはコンクリートの強度が極端に低下して好ましくない。また、水セメント比が30%を下回る場合は、高性能AE減水剤等の流動性を付与する化学混和剤の使用が、フレッシュコンクリートのワーカビリティー確保の上で必要となる。
【0024】
コンクリートの単位水量(コンクリート1m当りの水質量)は、好ましくは150〜180kg/m、より好ましくは160〜170kg/mである。単位水量が180kg/mを上回るとフレッシュコンクリートが材料分離する可能性が大きくなる。
【0025】
コンクリートの細骨材率(細骨材と粗骨材との合計容積に対する細骨材の容積割合)は、練り混ぜ水量を適切な範囲に抑制する観点から、好ましくは40〜60%、より好ましくは45〜55%、最も好ましくは50%である。細骨材率が40%を下回ると材料分離しやすく、また60%を上回る場合は,所要のワーカビリティーを得るために必要な水量が増加してしまう。
【0026】
また、本発明のコンクリートに用いられる粗骨材は特に限定されるものではなく、当業者の間で広く用いられているコンクリート材料用の一般的な粗骨材が用いられる。具体的には例えば砕石が用いられる。
【0027】
水の配合量は、コンクリートの使用条件に合わせた配合設計によって適宜調整される。具体的には例えばJIS A 1101:1998「コンクリートのスランプ試験方法」に従ったスランプ試験において、スランプが18±2cm程度に保たれるように調整される。
【0028】
本発明のコンクリートの混合・練り混ぜ方法は特に限定されるものではなく、一般的なコンクリートの混合・練り混ぜ方法が用いられる。具体的には例えば、セメント、細骨材及び粗骨材がコンクリート混練用ミキサに投入されて混合され1分から2分間程度撹拌され、更に水が投入されて1分から3分間程度練り混ぜられ、その後ミキサー内部の掻き落としを行って更に1分から3分間程度練り混ぜられる。
【0029】
そして、上記により練り混ぜたコンクリートを製造物や構造物に合わせた型枠等に入れて養生する。本発明のコンクリートの養生方法は特に限定されるものではなく、一般的なコンクリートの養生方法が用いられる。具体的には例えば、コンクリートの表面が乾燥しないように濡れた布を被せるなどの対策を施して養生する湿潤養生が用いられる。また、コンクリート打設後コンクリートが硬化するまで、低温度環境下で、日光、風雨及び衝撃などから保護すると共に十分な湿気を保ち、硬化中のコンクリート表面のひび割れ等を防止しながら湿空養生(湿潤養生ともいう)することにより硬化養生が行われるようにしても良い。
【0030】
養生後、硬化体から型枠が外されて本発明のコンクリートが得られる。
【0031】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、微粒子材料として珪砂やフライアッシュを用いるようにしているが、微粒子材料の種類はこれに限られず、例えば高炉スラグ微粉末や石灰石微粉末を用いるようにしても良い。この場合も、石炭ガス化スラグ人工軽量骨材と微粒子材料とを適切な割合で配合してコンクリート用細骨材として用いるようにしているので、コンクリートに良好なワーカビリティーを発揮させることができる。
【実施例1】
【0032】
本発明のコンクリート用細骨材を用いたコンクリートの作製及び性能評価試験の実施例を図1及び図2を用いて説明する。
【0033】
本実施例では、細骨材として本発明のコンクリート用細骨材を用いたコンクリートであって材料の配合割合が異なる配合1−1及び1−2、並びに、このコンクリートの比較例として、細骨材として従来の人工軽量細骨材を用いたコンクリートであって材料の配合割合が異なる比較1−1及び1−2の合計四種類の配合条件を設定した。なお、配合1−1及び比較1−1は水セメント比が40%の配合条件であり、配合1−2及び比較1−2は水セメント比が55%の配合条件である。各配合種類のコンクリート材料の配合割合は表1に示す通りとした。
【0034】
【表1】

【0035】
表1の各配合種類のコンクリート材料として、具体的には、セメントとして普通ポルトランドセメント(密度3.16g/cm、比表面積3120cm/g、太平洋セメント製)、粗骨材として両神産砕石(表乾密度2.70g/cm、粗粒率6.83%)、細骨材として珪砂6号(密度2.60g/cm)と珪砂7号(密度2.61g/cm)、及び混和剤としてAE剤(ポゾリス物産製・マイクロエア303A)、並びに水道水を使用した。
【0036】
また、配合1−1及び1−2の人工細骨材としては、石炭ガス化複合発電の試験プラントから排出された溶融スラグを水冷固化した石炭ガス化スラグを約1000℃のキルン内で滞留時間約5〜7分の条件で加熱し発泡化させて得られた石炭ガス化スラグ人工軽量骨材(表乾密度1.46g/cm、粗粒率2.97%)を使用した。
【0037】
さらに、比較1−1及び1−2の人工細骨材としては、従来の人工軽量細骨材である天然膨張頁岩焼成加工品(表乾密度1.84g/cm、粗粒率2.74%、太平洋マテリアル製・太平洋アサノライト)を使用した。
【0038】
コンクリート材料の混合・練り混ぜは、セメント及び骨材をコンクリート混練用ミキサに投入して1分間撹拌し、混和剤を加えた水を投入して更に2分間練り混ぜ、その後ミキサー内部の掻き落としを行って更に2分間練り混ぜることにより行った。そして、JIS A 1132:1999「コンクリートの強度試験用供試体の作り方」に従い、圧縮強度・引張強度試験用に直径10cm×高さ20cmの円柱試験体を作製した。
【0039】
(1)ブリーディング量の分析
ブリーディング量を適当な範囲に保つことにより、コンクリート打設面の早期乾燥を防止することや仕上げ作業を容易にすることができると共に良好なワーカビリティーをコンクリートに発揮させることができる。一方で、ブリーディング量が多すぎると上表面近傍のコンクリート組織が粗くなったり粗骨材や鉄筋の底面に水隙を形成したりしてコンクリートの強度低下や鉄筋の腐食を助長する。したがって、良好なワーカビリティーをコンクリートに発揮させ、且つコンクリートの強度に悪影響を及ばさない適当なブリーディング量を保つことが必要とされる。
【0040】
表1の配合1−1及び1−2のフレッシュコンクリートのブリーディング量は、配合1−1が0.10cm/cm、配合1−2が0.22cm/cmとなった。
【0041】
この結果から、本発明のコンクリート用細骨材を用いたコンクリートのブリーディング量は問題のない範囲となることが確認された。また、ワーカビリティーの指標であるスランプは、配合1−1が18.0cm、配合1−2が18.5cmであり良好なワーカビリティーが得られることが確認された。
【0042】
(2)圧縮強度の分析
20℃で水中養生を施した表1の各配合種類の円柱試験体のそれぞれについて材齢28日及び91日における圧縮強度試験をJIS A 1108:1999「コンクリートの圧縮強度試験方法」に従って行い、図1に示す結果が得られた。
【0043】
水セメント比が40%の場合については、配合1−1の試験体は材齢28日で56N/mm、材齢91日で63N/mm(図1中の記号●)となり、比較1−1の試験体はそれぞれ48N/mm、56N/mm(図1中の記号○)となった。
【0044】
また、水セメント比が55%の場合については、配合1−2の試験体は材齢28日で35N/mm、材齢91日で39N/mm(図1中の記号■)となり、比較1−2の試験体はそれぞれ32N/mm、38N/mm(図1中の記号□)となった。
【0045】
以上の圧縮強度の分析結果から、本発明のコンクリート用細骨材を用いたコンクリートは、従来の人工軽量細骨材を用いたコンクリートと同等以上の圧縮強度を発揮することが確認できた。そして、より強い圧縮強度を発揮するという観点からは配合1−1が最も好ましい配合であることが確認された。
【0046】
また、各配合種類の試験体の単位容積質量は、比較1−1が2052kg/m、比較1−2が2019kg/mであり、配合1−1が1986kg/m、配合1−2が1942kg/mであった。これより、本発明のコンクリート用細骨材を用いたコンクリートは、従来の人工軽量細骨材を用いたコンクリートよりも単位容積質量即ち密度が低いにもかかわらず従来の人工軽量細骨材を用いたコンクリートと同等以上の圧縮強度を発揮することが確認できた。したがって、本発明のコンクリート用細骨材を用いたコンクリートはコンクリート部材や構造物の軽量化に寄与できることが確認された。
【0047】
(3)引張強度の分析
20℃で水中養生を施した表1の各配合種類の円柱試験体のそれぞれについて材齢28日及び91日における引張強度試験をJIS A 1113:1999「コンクリートの割裂引張強度試験方法」に従って行い、図2に示す結果が得られた。
【0048】
水セメント比が40%の場合については、配合1−1の試験体は材齢28日で3.1N/mm、材齢91日で3.7N/mm(図2中の記号●)となり、比較1−1の試験体はそれぞれ2.7N/mm、3.2N/mm(図2中の記号○)となった。
【0049】
また、水セメント比が55%の場合については、配合1−2の試験体は材齢28日で2.8N/mm、材齢91日で3.0N/mm(図2中の記号■)となり、比較1−2の試験体はそれぞれ2.5N/mm、2.5N/mm(図2中の記号□)となった。
【0050】
以上の引張強度の分析結果から、本発明のコンクリート用細骨材を用いたコンクリートは、従来の人工軽量細骨材を用いたコンクリートと同等以上の引張強度を発揮することが確認できた。そして、より強い引張強度を発揮するという観点からは配合1−2が最も好ましい配合であることが確認された。
【0051】
以上の分析結果から、本発明のコンクリート用細骨材を用いたコンクリートは、良好なワーカビリティを発揮すると共に、従来の人工軽量細骨材を用いたコンクリートと同等以上の強度を発揮することが確認できた。
【0052】
また、前述のとおり、比較1−1及び1−2の試験体の単位容積質量よりも配合1−1及び1−2の試験体の単位容積質量の方が小さい。これより、本発明のコンクリート用細骨材を用いたコンクリートは、従来の人工軽量細骨材を用いたコンクリートよりも単位容積質量即ち密度が低いにもかかわらず従来の人工軽量細骨材を用いたコンクリートと同等以上の圧縮強度を発揮することが確認できた。したがって、本発明のコンクリート用細骨材を用いたコンクリートはコンクリート部材や構造物の軽量化に寄与できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例1の配合種類別の圧縮強度試験の結果を示す図である。
【図2】実施例1の配合種類別の引張強度試験の結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱発泡させた石炭ガス化スラグ人工軽量骨材を50〜90質量%、微粒子材料を10〜50質量%の範囲で、合計量が100質量%となるように配合してなることを特徴とするコンクリート用細骨材。
【請求項2】
前記微粒子材料として、珪砂6号、珪砂7号、フライアッシュ2種の中のいずれか一つ若しくは二つ以上を組み合わせて用いることを特徴とする請求項1記載のコンクリート用細骨材。
【請求項3】
加熱発泡させた石炭ガス化スラグ人工軽量骨材を50〜90質量%、珪砂6号を5〜45質量%、珪砂7号を5〜45質量%の範囲で、合計量が100質量%となるように配合してなることを特徴とするコンクリート用細骨材。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載のコンクリート用細骨材を少なくとも配合してなることを特徴とするコンクリート。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−150227(P2008−150227A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337352(P2006−337352)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年7月11〜13日 社団法人 日本コンクリート工学協会主催の「コンクリート工学年次大会2006」において文書をもって発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年7月 財団法人 電力中央研究所発行の「電力中央研究所報告 石炭ガス化スラグの高付加価値化有効利用技術の開発 −コンクリート用軽量細骨材への適用性評価− 研究報告:N05040」に発表
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【Fターム(参考)】