コンテナ着脱式運搬車
【課題】 従来のコンテナ着脱式運搬車では、車両が横揺れした場合には車両の安定性に問題が残る。また、この車両の安定性の問題を無くそうとするには、そのための特別の構造を装備しなければならず、車両コストが高くなる。
【解決手段】 車体1の後方のリヤフレーム2の前後部にリフトシリンダ付き昇降機構3a、3bを介してサブフレーム4を水平昇降するようにし、サブフレーム4にコンテナ5を着脱自在として搭載可能とした搭載着脱機構6を備えると共に、リフトシリンダ付き昇降機構によるサブフレームの上昇配置時にサブフレームの後部を支持する後部支持機構7を備えたものとし、さらに前部のリフトシリンダ付き昇降機構を固定するロックピン8をリヤフレームに配設し、後部のリフトシリンダ付き昇降機構及び後部支持機構を車両横方向に拘束して保持するストッパ9を、後部支持機構のリフトアーム10に配設したものとした。
【解決手段】 車体1の後方のリヤフレーム2の前後部にリフトシリンダ付き昇降機構3a、3bを介してサブフレーム4を水平昇降するようにし、サブフレーム4にコンテナ5を着脱自在として搭載可能とした搭載着脱機構6を備えると共に、リフトシリンダ付き昇降機構によるサブフレームの上昇配置時にサブフレームの後部を支持する後部支持機構7を備えたものとし、さらに前部のリフトシリンダ付き昇降機構を固定するロックピン8をリヤフレームに配設し、後部のリフトシリンダ付き昇降機構及び後部支持機構を車両横方向に拘束して保持するストッパ9を、後部支持機構のリフトアーム10に配設したものとした。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水平昇降するサブフレームを用いてリヤフレームにコンテナを着脱自在として搭載することのできるコンテナ着脱式運搬車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコンテナ着脱式運搬車には、例えば特許第2622279号公報に掲載されたようなダンプトラックが存在する。このダンプトラックは、図15〜17に示すように、車体51の後方のリヤフレーム52の前後部にリフトシリンダ付き昇降機構53a、53bを介してサブフレーム54を水平昇降するように設けたものとしている。そして、前記サブフレーム54には、ベッセル(図示せず)を着脱自在として搭載可能とした搭載着脱機構55を設けたものとしている。さらに、前記リフトシリンダ付き昇降機構53a、53bによるサブフレーム54の上昇配置時にこのサブフレーム54をダンプ可能としてサブフレーム54の後部に軸支した後部支持機構56を備えたものとしている。また、前部のリフトシリンダ付き昇降機構53aを固定するロックピン57aをリヤフレーム52に配設すると共に、後部のリフトシリンダ付き昇降機構53b及び後部支持機構56のリフトアーム56aを固定するロックピン57bをリヤフレーム52に配設したものとしている。さらにまた、前記リヤフレーム52及びサブフレーム54間には、ダンプシリンダ58を連結したものとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のコンテナ着脱式運搬車では、前部のリフトシリンダ付き昇降機構53aと、後部のリフトシリンダ付き昇降機構53b及び後部支持機構56をそれぞれロックピン57a、57bで固定するには、ロックピン57a、57bをそれぞれサブフレーム54及び後部支持機構56に設けたピン穴58a、58bに嵌挿したものとしているので、そのままでは前記リフトシリンダ付き昇降機構53a、53b及び後部支持機構56が車両横方向に拘束されず、車両が横揺れした場合には車両の安定性に問題が残るという課題を有していた。また、この車両の安定性の問題を無くそうとするには、そのための特別の構造を装備しなければならず、車両コストが高くなるという課題を有していた。
【0004】さらに、上記従来のコンテナ着脱式運搬車では、後部のリフトシリンダ付き昇降機構53b及び後部支持機構56を固定するロックピン57bが、リヤフレーム52に配設されたものとしているので、車両構造上このリヤフレーム52にサブフレーム54及びリフトアーム56aが覆い被さりロックピン57bが車両内部に隠れるので、その整備や点検がし難いという課題を有していた。
【0005】そこで、この発明は、上記従来の課題を解決するものであり、後部のリフトシリンダ付き昇降機構及び後部支持機構を車両横方向に拘束することにより、コンテナ運搬時に車両が横揺れした場合にも車両の安定性が確保できるようにすると共に、後部のリフトシリンダ付き昇降機構及び後部支持機構の固定手段を車両内部に隠れないようにし、この固定手段の整備や点検をし易くしたコンテナ着脱式運搬車を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため、この発明のコンテナ着脱式運搬車は、車体1の後方のリヤフレーム2の前後部にリフトシリンダ付き昇降機構3a、3bを介してサブフレーム4を水平昇降するようにし、このサブフレーム4にコンテナ5を着脱自在として搭載可能とした搭載着脱機構6を備えると共に、前記リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の上昇配置時にこのサブフレーム4の後部を支持する後部支持機構7を備えたものとし、さらに前部のリフトシリンダ付き昇降機構3aを固定するロックピン8をリヤフレーム2に配設し、後部のリフトシリンダ付き昇降機構3b及び後部支持機構7を車両横方向に拘束して保持するストッパ9を、前記後部支持機構7のリフトアーム10に配設したものとしている。
【0007】そして、この発明のコンテナ着脱式運搬車において、前記ストッパ9は、ベアリング体22にブラケット体23を突設し、さらにブラケット体23にアーム体24を取り付けてなるものとしており、アーム体24が前記リフトアーム10の下部に設けられたリヤロックシリンダ25のロッド25aにより揺動されてブラケット体23の先端部が外方向に出っ張り、前記リヤフレーム2の後端の凹部26の内側面26a、26aに設けたポケット27、27の底部に突き当たった状態で支持されるようにしている。
【0008】さらに、この発明のコンテナ着脱式運搬車は、前記リヤフレーム2及びサブフレーム4間にダンプシリンダ28を連結したものとし、リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の上昇配置時に、このサブフレーム4をダンプ可能としたものとしている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明のコンテナ着脱式運搬車の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】図に示すように、この発明のコンテナ着脱式運搬車は、車体1の後方のリヤフレーム2の前後部にリフトシリンダ付き昇降機構3a、3bを介してサブフレーム4を水平昇降するようにしたものとしている。そして、前記サブフレーム4には、コンテナ5を着脱自在として搭載可能とした搭載着脱機構6を備えたものとしている。さらに、前記リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の上昇配置時に、このサブフレーム4の後部を支持する後部支持機構7を備えたものとしている。また、前部のリフトシリンダ付き昇降機構3aを固定するロックピン8をリヤフレーム2に配設すると共に、後部のリフトシリンダ付き昇降機構3b及び後部支持機構7を車両横方向に拘束して保持するストッパ9を、前記後部支持機構7のリフトアーム10に配設したものとしている。
【0011】リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bは、それぞれリフトシリンダ11a、11bの下端がリヤフレーム2に軸支され、それぞれのリフトシリンダ11a、11bのロッド12a、12bの上端にリフトビーム13a、13bが軸支されている。さらに、リフトビーム13a、13bには、それぞれ回動アーム14a、14bの上端が軸支されると共に、これら回動アーム14a、14bの下端はリヤフレーム2に軸支されている。なお、回動アーム14a、14bは、前記リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の上昇配置時に、このサブフレーム4の重量を分担して支持するためのものである。
【0012】コンテナ5は、図8、9に示すように、コンテナ本体5aの両側部に支持脚5bが設けられ、支持脚5bの前端上部寄りにクッション体15aが取り付けられると共に、コンテナ本体5aの両側部の下端に取り付けられたプレート16の前寄りに長穴15bが形成されており、さらにコンテナ本体5aの下方をリヤフレーム2の進入空間Sとしている。そして、このコンテナ5を地上に置いた場合、下降配置時のサブフレーム4がコンテナ本体5aの底面下に配置される高さとし、サブフレーム4の上昇配置時に、コンテナ本体5aの底面が押し上げられることによりコンテナ本体5aが上昇して支持脚5bが浮き上がり、運搬可能となるようにしている。
【0013】搭載着脱機構6は、図7、10に示すように、サブフレーム4の前部両側に突設されたストッパー17と、サブフレーム4に配設されたロックシリンダ18のロッド18aの作動によりサブフレーム4の側部から出没するロックピン19からなり、コンテナ本体5aの底面下に配置した下降配置時のサブフレーム4を上昇させ、前記ロックピン19をサブフレーム4の側部から突出させ、このロックピン19をコンテナ本体5aのプレート16に形成された長穴15bに嵌挿して、サブフレーム4上にコンテナ5を固定して搭載するようにしている。
【0014】後部支持機構7は、リフトアーム10の前部上端にリフトシリンダ11bのロッド12bの先端を軸支すると共に、その前部上端の上面にサブフレーム4の下面を支承するようにし、リフトアーム10の後部上端にサブフレーム4の後端を軸支したものとし、さらにリフトアーム10の後部下端寄りに前記ストッパ9を配設したものとしている。そのため、このストッパ9は、車両内部に隠れることなく、その整備や点検がし易いものとなる。
【0015】ロックピン8は、リヤフレーム2に配設されたロックシリンダ20のロッド20aの作動により、サブフレーム4に垂設された固定プレート21に形成したピン穴21aに嵌挿することにより、前記リフトシリンダ付き昇降機構3aを固定するようにしている。
【0016】ストッパ9は、図11〜13に示したように、ベアリング体22にブラケット体23を突設し、さらにブラケット体23にアーム体24を取り付けてなるもので、このアーム体24が前記リフトアーム10の後部下端に取り付けられたリヤロックシリンダ25のロッド25aの作動により揺動されて、ブラケット体23が外側に出っ張ったり内側に引っ込んだりするようにしている。そして、前記リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の下降配置時には、リヤロックシリンダ25のロッド25aが引っ込んでストッパ9のブラケット体23が内側に引っ込んだ状態となるようにしているが、リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の上昇配置時には、リヤロックシリンダ25のロッド25aが突出してストッパ9のブラケット体23外側に出っ張た状態となり、リヤフレーム2の後端の凹部26の内側面26a、26aに設けたポケット27、27の底部に突き当たった状態で支持され、後部のリフトシリンダ付き昇降機構3b及び後部支持機構7を車両横方向に拘束して保持するようにしている。そのため、車両が横揺れした場合にも車両の安定性が確保できる。
【0017】さらに、この発明のコンテナ着脱式運搬車は、前記リヤフレーム2及びサブフレーム4間にダンプシリンダ28を連結したものとし、リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の上昇配置時に、このサブフレーム4をダンプ可能としたものとしている。
【0018】このように構成したこの発明のコンテナ着脱式運搬車を用いて、リヤフレームにコンテナを着脱自在として搭載するには、次のようにして行う。
【0019】先ず、車体1を後退させ、あらかじめ荷積みされ地上に置かれたコンテナ5の空間S内に、リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによってサブフレーム4を図1〜3に示す下降配置状態にしたリヤフレーム2を進入させて行き、搭載着脱機構6のストッパー17にコンテナ5の支持脚5bに取り付けたクッション体15aが接触したところでリヤフレーム2の進入を停止させる。そして、リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによってサブフレーム4を図4〜6に示す上昇配置状態にし、搭載着脱機構6のロックピン19をコンテナ本体5aのプレート16の長穴15bに嵌挿して、サブフレーム4上にコンテナ5を固定して搭載する。そして、前記サブフレーム4を上昇配置状態にしたのと同時に、ロックシリンダ20のロッド20a及びリヤロックシリンダ25のロッド25aを作動させると、前部のリフトシリンダ付き昇降機構3aはロックピン8により固定され、後部のリフトシリンダ付き昇降機構3b及び後部支持機構7はストッパ9により車両横方向に拘束して保持される。したがって、この発明のコンテナ着脱式運搬車では、コンテナを運搬する道が悪かったりして横揺れした場合にも、搭載したコンテナ5を目的の場所まで安定した状態で運搬することができる。
【0020】また、この発明のコンテナ着脱式運搬車において、リヤフレーム2に搭載したコンテナ5を降ろすには、前記ロックピン8による前部のリフトシリンダ付き昇降機構3aの固定を解除すると共に、ストッパ9による後部のリフトシリンダ付き昇降機構3b及び後部支持機構7の固定を解除し、リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによってサブフレーム4を下降配置にした状態で、車体1を前進させればよい。このようにすれば、コンテナ5の空間S内からリヤフレーム2が引き出され、リヤフレーム2に搭載したコンテナ5を降ろすことができる。
【0021】なお、この発明のコンテナ着脱式運搬車では、コンテナ5内の積み荷は前記したようにコンテナ5ごと降ろしたり、積み荷のみクレーン等によって吊り降ろすこともできるが、コンテナ5をサブフレーム4上に搭載したまま、図14に示したようにダンプシリンダ28によりサブフレーム4を傾動させて、積み荷をコンテナ5内から滑り降ろすこともできる。
【0022】
【発明の効果】この発明のコンテナ着脱式運搬車は、以上に述べたように構成されているので、後部のリフトシリンダ付き昇降機構及び後部支持機構を車両横方向に拘束することができ、コンテナ運搬時に車両が横揺れした場合にも車両の安定性が確保できるものとなると共に、後部のリフトシリンダ付き昇降機構及び後部支持機構の固定手段を車両内部に隠れないようにすることができ、この固定手段の整備や点検がし易いものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のコンテナ着脱式運搬車の一部断面側面図である。
【図2】この発明のコンテナ着脱式運搬車の図1中のA−A線による断面図である。
【図3】この発明のコンテナ着脱式運搬車の図1中のB−B線による断面図である。
【図4】図1に示すこの発明のコンテナ着脱式運搬車のサブフレームを上昇させた状態の一部断面側面図である。
【図5】この発明のコンテナ着脱式運搬車の図4中のC−C線による断面図である。
【図6】この発明のコンテナ着脱式運搬車の図4中のD−D線による断面図である。
【図7】この発明のコンテナ着脱式運搬車の一部を破断して示す平面図である。
【図8】この発明のコンテナ着脱式運搬車に搭載するコンテナの側面図である。
【図9】この発明のコンテナ着脱式運搬車に搭載するコンテナの正面図である。
【図10】この発明のコンテナ着脱式運搬車の図4中のE−E線による断面図である。
【図11】この発明のコンテナ着脱式運搬車のストッパの正面図である。
【図12】この発明のコンテナ着脱式運搬車のストッパの平面図である。
【図13】この発明のコンテナ着脱式運搬車のストッパの側面図である。
【図14】図4に示すこの発明のコンテナ着脱式運搬車のサブフレームを傾動させた状態の側面図である。
【図15】従来のコンテナ着脱式運搬車の側面図である。
【図16】従来のコンテナ着脱式運搬車のサブフレームを上昇させた状態の側面図である。
【図17】従来のコンテナ着脱式運搬車の一部を破断して示す平面図である。
【符号の説明】
1 車体
2 リヤフレーム
3a リフトシリンダ付昇降機構
3b リフトシリンダ付昇降機構
4 サブフレーム
5 コンテナ
6 搭載着脱機構
7 後部支持機構
8 ロックピン
9 ストッパ
10 リフトアーム
22 ベアリング体
23 ブラケット体
24 アーム体
25 リヤロックシリンダ
25a ロッド
26 凹部
26a 内側面
27 ポケット
28 ダンプシリンダ
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水平昇降するサブフレームを用いてリヤフレームにコンテナを着脱自在として搭載することのできるコンテナ着脱式運搬車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコンテナ着脱式運搬車には、例えば特許第2622279号公報に掲載されたようなダンプトラックが存在する。このダンプトラックは、図15〜17に示すように、車体51の後方のリヤフレーム52の前後部にリフトシリンダ付き昇降機構53a、53bを介してサブフレーム54を水平昇降するように設けたものとしている。そして、前記サブフレーム54には、ベッセル(図示せず)を着脱自在として搭載可能とした搭載着脱機構55を設けたものとしている。さらに、前記リフトシリンダ付き昇降機構53a、53bによるサブフレーム54の上昇配置時にこのサブフレーム54をダンプ可能としてサブフレーム54の後部に軸支した後部支持機構56を備えたものとしている。また、前部のリフトシリンダ付き昇降機構53aを固定するロックピン57aをリヤフレーム52に配設すると共に、後部のリフトシリンダ付き昇降機構53b及び後部支持機構56のリフトアーム56aを固定するロックピン57bをリヤフレーム52に配設したものとしている。さらにまた、前記リヤフレーム52及びサブフレーム54間には、ダンプシリンダ58を連結したものとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のコンテナ着脱式運搬車では、前部のリフトシリンダ付き昇降機構53aと、後部のリフトシリンダ付き昇降機構53b及び後部支持機構56をそれぞれロックピン57a、57bで固定するには、ロックピン57a、57bをそれぞれサブフレーム54及び後部支持機構56に設けたピン穴58a、58bに嵌挿したものとしているので、そのままでは前記リフトシリンダ付き昇降機構53a、53b及び後部支持機構56が車両横方向に拘束されず、車両が横揺れした場合には車両の安定性に問題が残るという課題を有していた。また、この車両の安定性の問題を無くそうとするには、そのための特別の構造を装備しなければならず、車両コストが高くなるという課題を有していた。
【0004】さらに、上記従来のコンテナ着脱式運搬車では、後部のリフトシリンダ付き昇降機構53b及び後部支持機構56を固定するロックピン57bが、リヤフレーム52に配設されたものとしているので、車両構造上このリヤフレーム52にサブフレーム54及びリフトアーム56aが覆い被さりロックピン57bが車両内部に隠れるので、その整備や点検がし難いという課題を有していた。
【0005】そこで、この発明は、上記従来の課題を解決するものであり、後部のリフトシリンダ付き昇降機構及び後部支持機構を車両横方向に拘束することにより、コンテナ運搬時に車両が横揺れした場合にも車両の安定性が確保できるようにすると共に、後部のリフトシリンダ付き昇降機構及び後部支持機構の固定手段を車両内部に隠れないようにし、この固定手段の整備や点検をし易くしたコンテナ着脱式運搬車を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため、この発明のコンテナ着脱式運搬車は、車体1の後方のリヤフレーム2の前後部にリフトシリンダ付き昇降機構3a、3bを介してサブフレーム4を水平昇降するようにし、このサブフレーム4にコンテナ5を着脱自在として搭載可能とした搭載着脱機構6を備えると共に、前記リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の上昇配置時にこのサブフレーム4の後部を支持する後部支持機構7を備えたものとし、さらに前部のリフトシリンダ付き昇降機構3aを固定するロックピン8をリヤフレーム2に配設し、後部のリフトシリンダ付き昇降機構3b及び後部支持機構7を車両横方向に拘束して保持するストッパ9を、前記後部支持機構7のリフトアーム10に配設したものとしている。
【0007】そして、この発明のコンテナ着脱式運搬車において、前記ストッパ9は、ベアリング体22にブラケット体23を突設し、さらにブラケット体23にアーム体24を取り付けてなるものとしており、アーム体24が前記リフトアーム10の下部に設けられたリヤロックシリンダ25のロッド25aにより揺動されてブラケット体23の先端部が外方向に出っ張り、前記リヤフレーム2の後端の凹部26の内側面26a、26aに設けたポケット27、27の底部に突き当たった状態で支持されるようにしている。
【0008】さらに、この発明のコンテナ着脱式運搬車は、前記リヤフレーム2及びサブフレーム4間にダンプシリンダ28を連結したものとし、リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の上昇配置時に、このサブフレーム4をダンプ可能としたものとしている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明のコンテナ着脱式運搬車の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】図に示すように、この発明のコンテナ着脱式運搬車は、車体1の後方のリヤフレーム2の前後部にリフトシリンダ付き昇降機構3a、3bを介してサブフレーム4を水平昇降するようにしたものとしている。そして、前記サブフレーム4には、コンテナ5を着脱自在として搭載可能とした搭載着脱機構6を備えたものとしている。さらに、前記リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の上昇配置時に、このサブフレーム4の後部を支持する後部支持機構7を備えたものとしている。また、前部のリフトシリンダ付き昇降機構3aを固定するロックピン8をリヤフレーム2に配設すると共に、後部のリフトシリンダ付き昇降機構3b及び後部支持機構7を車両横方向に拘束して保持するストッパ9を、前記後部支持機構7のリフトアーム10に配設したものとしている。
【0011】リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bは、それぞれリフトシリンダ11a、11bの下端がリヤフレーム2に軸支され、それぞれのリフトシリンダ11a、11bのロッド12a、12bの上端にリフトビーム13a、13bが軸支されている。さらに、リフトビーム13a、13bには、それぞれ回動アーム14a、14bの上端が軸支されると共に、これら回動アーム14a、14bの下端はリヤフレーム2に軸支されている。なお、回動アーム14a、14bは、前記リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の上昇配置時に、このサブフレーム4の重量を分担して支持するためのものである。
【0012】コンテナ5は、図8、9に示すように、コンテナ本体5aの両側部に支持脚5bが設けられ、支持脚5bの前端上部寄りにクッション体15aが取り付けられると共に、コンテナ本体5aの両側部の下端に取り付けられたプレート16の前寄りに長穴15bが形成されており、さらにコンテナ本体5aの下方をリヤフレーム2の進入空間Sとしている。そして、このコンテナ5を地上に置いた場合、下降配置時のサブフレーム4がコンテナ本体5aの底面下に配置される高さとし、サブフレーム4の上昇配置時に、コンテナ本体5aの底面が押し上げられることによりコンテナ本体5aが上昇して支持脚5bが浮き上がり、運搬可能となるようにしている。
【0013】搭載着脱機構6は、図7、10に示すように、サブフレーム4の前部両側に突設されたストッパー17と、サブフレーム4に配設されたロックシリンダ18のロッド18aの作動によりサブフレーム4の側部から出没するロックピン19からなり、コンテナ本体5aの底面下に配置した下降配置時のサブフレーム4を上昇させ、前記ロックピン19をサブフレーム4の側部から突出させ、このロックピン19をコンテナ本体5aのプレート16に形成された長穴15bに嵌挿して、サブフレーム4上にコンテナ5を固定して搭載するようにしている。
【0014】後部支持機構7は、リフトアーム10の前部上端にリフトシリンダ11bのロッド12bの先端を軸支すると共に、その前部上端の上面にサブフレーム4の下面を支承するようにし、リフトアーム10の後部上端にサブフレーム4の後端を軸支したものとし、さらにリフトアーム10の後部下端寄りに前記ストッパ9を配設したものとしている。そのため、このストッパ9は、車両内部に隠れることなく、その整備や点検がし易いものとなる。
【0015】ロックピン8は、リヤフレーム2に配設されたロックシリンダ20のロッド20aの作動により、サブフレーム4に垂設された固定プレート21に形成したピン穴21aに嵌挿することにより、前記リフトシリンダ付き昇降機構3aを固定するようにしている。
【0016】ストッパ9は、図11〜13に示したように、ベアリング体22にブラケット体23を突設し、さらにブラケット体23にアーム体24を取り付けてなるもので、このアーム体24が前記リフトアーム10の後部下端に取り付けられたリヤロックシリンダ25のロッド25aの作動により揺動されて、ブラケット体23が外側に出っ張ったり内側に引っ込んだりするようにしている。そして、前記リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の下降配置時には、リヤロックシリンダ25のロッド25aが引っ込んでストッパ9のブラケット体23が内側に引っ込んだ状態となるようにしているが、リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の上昇配置時には、リヤロックシリンダ25のロッド25aが突出してストッパ9のブラケット体23外側に出っ張た状態となり、リヤフレーム2の後端の凹部26の内側面26a、26aに設けたポケット27、27の底部に突き当たった状態で支持され、後部のリフトシリンダ付き昇降機構3b及び後部支持機構7を車両横方向に拘束して保持するようにしている。そのため、車両が横揺れした場合にも車両の安定性が確保できる。
【0017】さらに、この発明のコンテナ着脱式運搬車は、前記リヤフレーム2及びサブフレーム4間にダンプシリンダ28を連結したものとし、リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによるサブフレーム4の上昇配置時に、このサブフレーム4をダンプ可能としたものとしている。
【0018】このように構成したこの発明のコンテナ着脱式運搬車を用いて、リヤフレームにコンテナを着脱自在として搭載するには、次のようにして行う。
【0019】先ず、車体1を後退させ、あらかじめ荷積みされ地上に置かれたコンテナ5の空間S内に、リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによってサブフレーム4を図1〜3に示す下降配置状態にしたリヤフレーム2を進入させて行き、搭載着脱機構6のストッパー17にコンテナ5の支持脚5bに取り付けたクッション体15aが接触したところでリヤフレーム2の進入を停止させる。そして、リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによってサブフレーム4を図4〜6に示す上昇配置状態にし、搭載着脱機構6のロックピン19をコンテナ本体5aのプレート16の長穴15bに嵌挿して、サブフレーム4上にコンテナ5を固定して搭載する。そして、前記サブフレーム4を上昇配置状態にしたのと同時に、ロックシリンダ20のロッド20a及びリヤロックシリンダ25のロッド25aを作動させると、前部のリフトシリンダ付き昇降機構3aはロックピン8により固定され、後部のリフトシリンダ付き昇降機構3b及び後部支持機構7はストッパ9により車両横方向に拘束して保持される。したがって、この発明のコンテナ着脱式運搬車では、コンテナを運搬する道が悪かったりして横揺れした場合にも、搭載したコンテナ5を目的の場所まで安定した状態で運搬することができる。
【0020】また、この発明のコンテナ着脱式運搬車において、リヤフレーム2に搭載したコンテナ5を降ろすには、前記ロックピン8による前部のリフトシリンダ付き昇降機構3aの固定を解除すると共に、ストッパ9による後部のリフトシリンダ付き昇降機構3b及び後部支持機構7の固定を解除し、リフトシリンダ付き昇降機構3a、3bによってサブフレーム4を下降配置にした状態で、車体1を前進させればよい。このようにすれば、コンテナ5の空間S内からリヤフレーム2が引き出され、リヤフレーム2に搭載したコンテナ5を降ろすことができる。
【0021】なお、この発明のコンテナ着脱式運搬車では、コンテナ5内の積み荷は前記したようにコンテナ5ごと降ろしたり、積み荷のみクレーン等によって吊り降ろすこともできるが、コンテナ5をサブフレーム4上に搭載したまま、図14に示したようにダンプシリンダ28によりサブフレーム4を傾動させて、積み荷をコンテナ5内から滑り降ろすこともできる。
【0022】
【発明の効果】この発明のコンテナ着脱式運搬車は、以上に述べたように構成されているので、後部のリフトシリンダ付き昇降機構及び後部支持機構を車両横方向に拘束することができ、コンテナ運搬時に車両が横揺れした場合にも車両の安定性が確保できるものとなると共に、後部のリフトシリンダ付き昇降機構及び後部支持機構の固定手段を車両内部に隠れないようにすることができ、この固定手段の整備や点検がし易いものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のコンテナ着脱式運搬車の一部断面側面図である。
【図2】この発明のコンテナ着脱式運搬車の図1中のA−A線による断面図である。
【図3】この発明のコンテナ着脱式運搬車の図1中のB−B線による断面図である。
【図4】図1に示すこの発明のコンテナ着脱式運搬車のサブフレームを上昇させた状態の一部断面側面図である。
【図5】この発明のコンテナ着脱式運搬車の図4中のC−C線による断面図である。
【図6】この発明のコンテナ着脱式運搬車の図4中のD−D線による断面図である。
【図7】この発明のコンテナ着脱式運搬車の一部を破断して示す平面図である。
【図8】この発明のコンテナ着脱式運搬車に搭載するコンテナの側面図である。
【図9】この発明のコンテナ着脱式運搬車に搭載するコンテナの正面図である。
【図10】この発明のコンテナ着脱式運搬車の図4中のE−E線による断面図である。
【図11】この発明のコンテナ着脱式運搬車のストッパの正面図である。
【図12】この発明のコンテナ着脱式運搬車のストッパの平面図である。
【図13】この発明のコンテナ着脱式運搬車のストッパの側面図である。
【図14】図4に示すこの発明のコンテナ着脱式運搬車のサブフレームを傾動させた状態の側面図である。
【図15】従来のコンテナ着脱式運搬車の側面図である。
【図16】従来のコンテナ着脱式運搬車のサブフレームを上昇させた状態の側面図である。
【図17】従来のコンテナ着脱式運搬車の一部を破断して示す平面図である。
【符号の説明】
1 車体
2 リヤフレーム
3a リフトシリンダ付昇降機構
3b リフトシリンダ付昇降機構
4 サブフレーム
5 コンテナ
6 搭載着脱機構
7 後部支持機構
8 ロックピン
9 ストッパ
10 リフトアーム
22 ベアリング体
23 ブラケット体
24 アーム体
25 リヤロックシリンダ
25a ロッド
26 凹部
26a 内側面
27 ポケット
28 ダンプシリンダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体(1)の後方のリヤフレーム(2)の前後部にリフトシリンダ付き昇降機構(3a、3b)を介してサブフレーム(4)を水平昇降するようにし、このサブフレーム(4)にコンテナ(5)を着脱自在として搭載可能とした搭載着脱機構(6)を備えると共に、前記リフトシリンダ付き昇降機構(3a、3b)によるサブフレーム(4)の上昇配置時にこのサブフレーム(4)の後部を支持する後部支持機構(7)を備えたものとし、さらに前部のリフトシリンダ付き昇降機構(3a)を固定するロックピン(8)をリヤフレーム(2)に配設し、後部のリフトシリンダ付き昇降機構(3b)及び後部支持機構(7)を車両横方向に拘束して保持するストッパ(9)を、前記後部支持機構(7)のリフトアーム(10)に配設したことを特徴とするコンテナ着脱式運搬車。
【請求項2】 前記ストッパ(9)を、ベアリング体(22)にブラケット体(23)を突設し、さらにブラケット体(23)にアーム体(24)を取り付けてなるものとしており、アーム体(24)が前記リフトアーム(10)の下部に設けられたリヤロックシリンダ(25)のロッド(25a)により揺動されてブラケット体(23)の先端部が外方向に出っ張り、前記リヤフレーム(2)の後端の凹部(26)の内側面(26a、26a)に設けたポケット(27、27)の底部に突き当たった状態で支持されるようしたことを特徴とする請求項1記載のコンテナ着脱式運搬車。
【請求項3】 前記リヤフレーム(2)及びサブフレーム(4)間にダンプシリンダ(28)を連結したものとし、リフトシリンダ付き昇降機構(3a、3b)によるサブフレーム(4)の上昇配置時に、このサブフレーム(4)をダンプ可能としたことを特徴とする請求項1記載のコンテナ着脱式運搬車。
【請求項1】 車体(1)の後方のリヤフレーム(2)の前後部にリフトシリンダ付き昇降機構(3a、3b)を介してサブフレーム(4)を水平昇降するようにし、このサブフレーム(4)にコンテナ(5)を着脱自在として搭載可能とした搭載着脱機構(6)を備えると共に、前記リフトシリンダ付き昇降機構(3a、3b)によるサブフレーム(4)の上昇配置時にこのサブフレーム(4)の後部を支持する後部支持機構(7)を備えたものとし、さらに前部のリフトシリンダ付き昇降機構(3a)を固定するロックピン(8)をリヤフレーム(2)に配設し、後部のリフトシリンダ付き昇降機構(3b)及び後部支持機構(7)を車両横方向に拘束して保持するストッパ(9)を、前記後部支持機構(7)のリフトアーム(10)に配設したことを特徴とするコンテナ着脱式運搬車。
【請求項2】 前記ストッパ(9)を、ベアリング体(22)にブラケット体(23)を突設し、さらにブラケット体(23)にアーム体(24)を取り付けてなるものとしており、アーム体(24)が前記リフトアーム(10)の下部に設けられたリヤロックシリンダ(25)のロッド(25a)により揺動されてブラケット体(23)の先端部が外方向に出っ張り、前記リヤフレーム(2)の後端の凹部(26)の内側面(26a、26a)に設けたポケット(27、27)の底部に突き当たった状態で支持されるようしたことを特徴とする請求項1記載のコンテナ着脱式運搬車。
【請求項3】 前記リヤフレーム(2)及びサブフレーム(4)間にダンプシリンダ(28)を連結したものとし、リフトシリンダ付き昇降機構(3a、3b)によるサブフレーム(4)の上昇配置時に、このサブフレーム(4)をダンプ可能としたことを特徴とする請求項1記載のコンテナ着脱式運搬車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図10】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図14】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図10】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図14】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2000−289517(P2000−289517A)
【公開日】平成12年10月17日(2000.10.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−95213
【出願日】平成11年4月1日(1999.4.1)
【出願人】(391004908)三輪運輸工業株式会社 (4)
【公開日】平成12年10月17日(2000.10.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年4月1日(1999.4.1)
【出願人】(391004908)三輪運輸工業株式会社 (4)
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