説明

コンテンツ再生システム

【課題】 異なるコントローラ用GUI画面又はサーバ用GUI画面を操作し、コントローラ又はサーバを操作する必要があり、ユーザにとってその操作がわかりにくいという問題を解決する。
【解決手段】 表示モード1においては、サーバ100は、サーバ用GUI画面を生成し、コントローラ300に送信する。コントローラ300は、サーバ用GUI画面を表示する。ユーザは、サーバ用GUI画面を操作することによって、クライアントを制御する指示を入力する。従って、ユーザが、サーバ用GUIの操作に慣れている場合には、表示モード1が選択されることによって、サーバ用GUIを使用することができ、操作が分かり易くなる。一方、表示モード2においては、コントローラ300がコントローラ用GUI画面を生成し、表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に接続可能なサーバと、クライアントと、コントローラとを備えるコンテンツ再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LAN等のネットワークを介して相互に接続されるサーバ、クライアント及びコントローラを含むコンテンツ再生システムが提供されている。サーバには複数の曲ファイルが記録されている。コントローラは、クライアントに曲ファイルを再生するように指示する。クライアントは、コントローラからの指示に応じて、サーバに曲ファイルの送信を要求する。サーバは、クライアントからの要求に応じて、曲ファイルをクライアントに送信する。クライアントは、サーバから送信された曲ファイルを受信して再生する。また、サーバは、記録されている曲ファイルをサーバ自身で再生することもできる。
【0003】
コントローラがクライアントに再生指示を送信しクライアントが曲ファイルを再生する場合、ユーザは、コントローラに表示されるコントローラ用GUI画面を操作することにより、曲リストから曲ファイルを選択する等のクライアントを制御する各指示を入力する。同様に、サーバが自身で曲ファイルを再生する場合、ユーザは、サーバに表示されるサーバ用GUI画面を操作することにより、曲ファイルを選択する等のサーバを制御する各指示を入力する。このように、異なるコントローラ用GUI画面又はサーバ用GUI画面を操作して曲ファイルを選択する等コントローラ又はサーバを制御する必要があり、ユーザにとってその操作がわかりにくいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−31494号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、異なるコントローラ用GUI画面又はサーバ用GUI画面を操作し、コントローラ又はサーバを制御する必要があり、ユーザにとってその操作がわかりにくいという問題を解決するコンテンツ再生システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生システムは、相互に接続可能なサーバと、クライアントと、コントローラとを備えるコンテンツ再生システムであり、前記サーバが、コンテンツを記録するためのコンテンツ記憶部と、前記コンテンツ記憶部に記録されているコンテンツを前記クラアントに送信するコンテンツ送信手段と、サーバ用GUI画面を生成し、前記コントローラに送信する画面送信手段とを有し、前記コントローラが、前記サーバ用GUI画面を受信する画面受信手段と、受信した前記サーバ用GUI画面を表示する表示手段と、前記サーバ用GUI画面に基づいたユーザ操作に応じて、前記クライアントにコンテンツの再生指示を送信する指示送信手段とを有し、前記クライアントが、前記コントローラから送信された指示に基づいて、前記サーバからコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、受信したコンテンツを再生する再生手段とを有する。
【0007】
サーバは、サーバ用GUI画面を生成しコントローラに送信する。コントローラは、サーバ用GUI画面を受信して表示する。ユーザは、コントローラが表示するサーバ用GUI画面を操作することによって、クライアントに対する再生指示を入力する。従って、サーバ用GUIの操作に慣れているユーザは、サーバ用GUI画面を使用してコントローラにクライアントの再生指示を入力することができるので、その操作が非常にわかりやすくなる。
【0008】
好ましい実施形態においては、前記クライアントが、コンテンツを再生する際に、前記クライアントの再生状態に関する情報、及び/又は、コンテンツの再生状況に関する情報を取得し、前記コントローラに送信する情報送信手段をさらに有し、前記コントローラが、前記クライアントの再生状態に関する情報、及び/又は、コンテンツの再生状況に関する情報を受信する情報受信手段と、前記サーバ用GUI画面に、前記クライアントの再生状態に関する情報、及び/又は、コンテンツの再生状況に関する情報を合成した画面を生成する画面生成手段とをさらに有し、前記表示手段が、前記画面生成手段によって生成された画面を表示する。
【0009】
この場合、クライアントがコンテンツを再生することによって取得される、クライアントの再生状態に関する情報、及び/又は、コンテンツの再生状況に関する情報がコントローラに送信され、コントローラはサーバ用GUI画面にこれらの取得した情報を合成して表示することができる。
【0010】
好ましい実施形態においいては、前記コントローラ及び前記サーバが、表示モードを第1表示モード又は第2表示モードに設定するモード設定手段をさらに有し、前記第1表示モードに設定されている場合、前記画面送信手段がサーバ用GUI画面を生成し、前記コントローラに送信し、前記画面受信手段が前記サーバ用GUI画面を受信し、前記表示手段が前記サーバ用GUI画面を表示し、前記第2表示モードに設定されている場合、前記画面送信手段がサーバ用GUI画面を生成して送信することなく、前記コントローラがコントローラ用GUI画面を生成し、前記表示手段が前記コントローラ用GUI画面を表示する。
【0011】
この場合、ユーザがサーバ用GUI画面の操作に慣れている場合には、第1表示モードに設定されることにより、コントローラはサーバ用GUI画面を表示し、ユーザは、サーバ用GUI画面を操作してクライアントへの再生指示を入力することができ、ユーザがコントローラ用GUI画面の操作に慣れている場合には、第2表示モードに設定されることにより、コントローラはコントローラ用GUI画面を表示し、ユーザは、コントローラ用GUI画面を操作してクライアントへの再生指示を入力することができる。
【0012】
好ましい実施形態においては、前記サーバの負荷情報に基づいて、表示モードが前記第1表示モード又は前記第2表示モードのいずれかに設定される。
【0013】
サーバ負荷が大きいときにサーバがサーバ用GUI画面を生成すると、コントローラがサーバ用GUI画面を表示し終えるまでに時間がかかるが、サーバ負荷が大きいときには自動的に第2表示モードが選択されることにより、コントローラが迅速にコントローラ用GUI画面を表示することができる。
【0014】
好ましい実施形態においては、前記サーバ用GUI画面がコンテンツリスト画面を含み、前記画面送信手段が、前記コンテンツリスト画面と、前記コンテンツリスト画面に表示されるコンテンツ情報に関連付けられたコンテンツ特定情報とを送信し、前記指示送信手段が、前記コンテンツリスト画面に基づいたユーザのコンテンツ選択操作に応じて、選択されたコンテンツのコンテンツ特定情報を特定し、前記クライアントに前記コンテンツ特定情報で特定されるコンテンツの再生指示を送信する。
【0015】
この場合、コントローラが、サーバが生成するコンテンツリスト画面を表示し、ユーザがコンテンツリスト画面からコンテンツを選択する場合でも、コントローラは、クライアントに再生指示するコンテンツを特定することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、異なるコントローラ用GUI画面又はサーバ用GUI画面を操作し、コントローラ又はサーバを制御する必要があり、ユーザにとってその操作がわかりにくいという問題を解決することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生システムについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0018】
[全体構成]
図1は、コンテンツ再生システムを示すブロック図である。コンテンツ再生システムは、サーバ100と、クライアント200と、コントローラ300とを備える。これらは、LAN等の任意のネットワークを介して接続されている。サーバ100には複数のコンテンツが記録されている。コントローラ300は、クライアント200にコンテンツを再生するように指示する。クライアント200は、コントローラ300からの指示に応じて、サーバ100にコンテンツの送信を要求する。サーバ100は、クライアント200からの要求に応じて、コンテンツをクライアントに送信する。クライアント200は、サーバ100から送信されたコンテンツを受信して再生する。また、サーバ100は、記録されているコンテンツをサーバ100自身で再生することもできる。コンテンツは、音声(音楽、曲)データ、及び/又は、画像(映像)データの総称であるが、本例では曲ファイルである。サーバ100は、サーバ用GUI画面を生成し、コントローラ300に送信する。コントローラ300は、サーバ用GUI画面を受信して表示し、ユーザにサーバ用GUI画面を操作させ、クライアント200への指示を入力させる。
【0019】
[サーバ100の構成]
図2は、サーバ100の構成を示すブロック図である。サーバ100は、制御部101と、ROM102と、RAM103と、HDD(Hard Disk Drive)等のコンテンツ記憶部104と、LANインターフェース部等の通信部105と、再生部106と、画像生成部107と、操作部108と、表示部109とを備える。
【0020】
HDD104は、ユーザ操作によって複数の曲ファイルが記録される。また、HDD104には、コンテンツ情報データベース(以下、コンテンツ情報DBという)が記録されている。コンテンツ情報DBは、HDD104に記録されている全曲ファイルについて、コンテンツ情報(メタデータともいい、曲名、アーティスト名、アルバム名、ジャンル名、再生時間等)を記憶するデータベースである。また、コンテンツ情報DBには、各コンテンツのコンテンツ特定情報(HDD上のURL又は曲ID等)が記憶される。コンテンツ情報DBの各情報に基づいて、曲リストが生成される。
【0021】
制御部101は、ROM102に記録されたサーバプログラムに基づいてサーバ100の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。制御部101は、通信部105及びLAN400を介して、クライアント200及びコントローラ300と通信する。通信とは、コマンド又はコンテンツ等を送受信することである。制御部101は、クライアント200からの要求に応じて、曲ファイルをHDD104から読み出して、通信部105を介してクライアント200に曲データを送信する。
【0022】
制御部101は、コントローラがGUI画面を表示する表示モードとして、表示モード1と表示モード2との中からユーザ操作によって選択されたいずれかの表示モードに設定する。表示モード1及び表示モード2の意味については、後述する。表示モード1の場合に、制御部101は、サーバ用GUI画面を画像生成部107に生成させ、サーバ用GUI画面をコントローラ300に送信する。サーバ用GUI画面は、サーバ100自身がHDD104に記録されている曲ファイルを再生部106によって再生する際に、表示部109に表示するGUI画面である。サーバ用GUI画面は、例えば、曲リスト画面及び再生画面を含む。
【0023】
制御部101は、コントローラ300からの要求に応じて、コンテンツ情報DBに基づいて曲リストを生成する。制御部101は、曲リストに基づいて、画像生成部107に図3に示す曲リスト画面を生成させる。制御部101は、図3の曲リスト画面に表示されている曲名について、図4に示すURLテーブルを生成する。URLテーブルは、曲リスト画面において座標1及び座標2で特定される位置に表示されている曲名の曲ファイルのURLを示すテーブルである。
【0024】
制御部101は、図5に示す再生画面の固定画面を画像生成部107に生成させ、コントローラ300に送信する。再生画面の固定画面は、曲ファイルの曲名、アーティスト名、アルバム名、再生時間等の画面部品を合成して生成されており、同一の曲ファイルを再生している間には変化しない画面部品のみを合成した画面である。
【0025】
[クライアント200の構成]
図6は、クライアント200の構成を示すブロック図である。クライアント200は、制御部201と、ROM202と、RAM203と、LANインターフェース等の通信部204と、再生部205とを備える。
【0026】
制御部201は、ROM202に格納されているクライアントプログラムに基づいてクライアント200の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。制御部201は、通信部204及びLAN400を介してサーバ100及びコントローラ300と通信する。
【0027】
制御部201は、コントローラ300から曲ファイルの再生指示を受信すると、サーバ100に曲ファイルを要求する。通信部204は、サーバ100から曲データをLAN400経由で、例えばストリーミング形式で受信する。受信した曲データは、再生部205によって再生処理(デコード、DA変換、増幅等)が実行される。制御部201は、曲データを再生する際に曲データのスペアナ(スペクトラム・アナライザ、周波数−音圧レベル特性)値を測定する。制御部201は、測定したスペアナ値と、曲ファイルの再生経過時間とを、コントローラ300に送信する。
【0028】
[コントローラの構成]
図7は、コントローラ300の構成を示すブロック図である。コントローラ300は、制御部301と、ROM302と、RAM303と、LANインターフェース等の通信部304と、操作部305と、表示部306と、画像生成部307とを備える。
【0029】
制御部301は、ROM302に格納されているコントローラプログラムに基づいてコントローラ300の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。制御部301は、通信部304及びLAN400を介してサーバ100及びクライアント200と通信する。制御部304は、クライアント200に対して、曲ファイルの再生指示、停止指示、早送り指示等の各指示を送信する。
【0030】
制御部301は、クライアント200を制御するために、表示部306にサーバ用GUI画面、又は、コントローラ用GUI画面を表示する。これらのGUI画面は、クライアント200が再生すべき曲ファイルをユーザ操作によって選択するための曲リスト画面や、クライアント200の再生状態に関する情報(再生、早送り、停止)、及び、曲ファイルの再生状況(再生されている曲のコンテンツ情報、再生経過時間、又は、スペアナ値等)を表示する再生画面等を含む。
【0031】
制御部301は、GUI画面を表示する表示モードとして、表示モード1と表示モード2との中からユーザ操作によって選択された表示モードに設定する。設定するとは、RAM303に記憶することをいう。
【0032】
表示モード1は、サーバ用GUI画面を表示部306に表示させ、クライアント200を制御するモードである。サーバ用GUI画面は、本来、サーバ100が曲ファイルを再生する際に、サーバ100の表示部109に表示される画面である。例えば、表示モード1では、制御部301は、サーバ100から送信された図3に示す曲リスト画面を表示部306に表示させる。また、表示モード1では、制御部301は、サーバ100から送信された図5に示す再生画面の固定画面に、クライアント200から送信された再生状態、再生経過時間及びスペアナ値を合成した図8に示す再生画面を画像生成部307に生成させ、表示部306に表示させる。
【0033】
表示モード2は、コントローラ用GUI画面を表示部306に表示させ、クライアント200を制御するモードである。例えば、表示モード2では、制御部301は、サーバ100から送信された曲リストに基づいて、曲リスト画面を画像生成部307に生成させ、表示部306に表示させる。また、表示モード2では、制御部301は、曲ファイルの曲名、アーティスト名、アルバム名、再生時間が表示された再生画面の固定画面を画像生成部307に生成させる。制御部301は、再生画面の固定画面に、クライアント200から送信された再生状態、再生経過時間及びスペアナ値を合成した再生画面を画像生成部307に生成させ、表示部306に表示させる。
【0034】
以下、本実施形態の動作を説明する。
[表示モード設定処理]
図9はコントローラ300の表示モード設定処理を示すフローチャートである。コントローラ300の制御部301は、現在LAN上で稼働している(電源オン状態で動作可能な状態である)機器を検索し、検索した機器の一覧を表示部306に表示させる(S1)。例えば、図10に示すように、サーバ100及びクライアント200等が検索され、表示部306に表示される。制御部301は、ユーザ操作に基づいて、制御対象のクライアントをリストの中から選択する(S2)。ここでは、クライアント200が選択される。同様に、制御部301は、ユーザ操作に基づいて、制御対象のサーバをリストの中から選択する(S3)。ここでは、サーバ300が選択される。
【0035】
続いて、制御部301は、クライアント200を制御するための表示モードをユーザ操作に基づいて選択する(S4)。詳細には、制御部301は、表示部306に図11に示す表示モード選択画面を表示させ、ユーザに操作部305を介して表示モードを選択させる。制御部301は、表示モード1が選択されたか否かを判断する(S5)。表示モード1が選択された場合(S5でYES)、制御部301は、表示モード1でクラアイント200を制御する処理を実行し(S6)、サーバ100に表示モード1が選択されたことを通知する(S7)。表示モード2が選択された場合(S5でNO)、制御部301は、表示モード2でクラアイント200を制御する処理を実行し(S8)、サーバ100に表示モード2が選択されたことを通知する(S9)。
【0036】
[表示モード1での再生処理]
図12は、表示モード1における、サーバ100、クライアント200及びコントローラ300の処理を示すシーケンス図である。コントローラ300は、表示モード1が選択されたことをサーバ100に通知する(S11)。サーバ100は、コントローラ300から通知を受信すると、表示モード1に移行する(S31)。つまり、表示モード1であることをRAM103に記憶する。
【0037】
サーバ100は、図13に示す再生画面情報テーブルをコントローラ300に送信する。再生画面情報テーブルは、ROM102又はHDD104に予め格納されている。再生画面情報テーブルは、図5の固定画面に画面部品を合成し、図8の再生画面を生成するためのテーブルである。再生画面情報テーブルは、クライアント200からのコマンドに対応付けて、図5の固定画面に合成する位置X,Y(例えば画面部品の左上部の位置)と、画面部品のファイル名とが記憶されている。Xは横軸の座標であり、Yは縦軸の座標である。また、サーバ100は、再生画面情報テーブルに記載されている画面部品の画像ファイル(Play.jpg、FF.jpg等)をコントローラ300に送信する。画面部品の画像ファイルも、ROM102又はHDD104に予め格納されている。
【0038】
例えば、クライアント200からPlay State(Play)のコマンドを受信した場合、再生画面の固定画面において、横軸が56,縦軸が32の位置に、ファイル名がPlay.jpgの画面部品を合成することを意味している。
【0039】
コントローラ300は、再生画面情報テーブルと、画面部品の画像ファイルとを受信して、RAM303に記憶する。コントローラ300は、ユーザ操作に応じて、曲リスト画面をサーバ100に要求する(S12)。サーバ100は、曲リスト画面要求を受信すると、コンテンツ情報DBに基づいて、曲リストを生成する(S33)。また、サーバ100は、曲リストに基づいて、図3に示す曲リスト画面、及び、図4に示すURLテーブルを生成する(S33)。サーバ100は、曲リスト画面、及び、URLテーブルをコントローラ300に送信する(S34)。
【0040】
コントローラ300は、曲リスト画面、及び、URLテーブルを受信すると、曲リスト画面を表示部306に表示し、URLテーブルをRAM303に記憶する(S13)。コントローラ300は、ユーザ操作によって曲リスト画面の中から再生すべき曲名が選択されると、URLテーブルを参照し、選択された曲名の位置に対応するURLを特定する。そして、コントローラ300は、特定したURLを含む再生指示をクライアント200に送信する(S14)。
【0041】
クライアント200は、再生指示を受信すると、URLを含む曲データ送信要求を、サーバ100に送信する(S21)。サーバ100は、曲データ送信要求を受信すると、URLに基づいて再生する曲ファイルを特定する。サーバ100は、コンテンツ情報DBに基づいて、URLに関連付けられた曲名、アーティスト名、アルバム名、再生時間を取得し、取得した各情報を用いて図5に示す再生画面の固定画面を生成する(S35)。サーバ100は、生成した再生画面の固定画面をコントローラ300に送信する。コントローラ300は、再生画面の固定画面を受信すると、表示部306に表示する(S15)。
【0042】
続いて、サーバ100は、URLに基づいてHDD104から曲ファイルを読み出して、曲ファイルの曲データをクライアント200に送信する(S36)。クライアント200は、曲データを受信すると、曲データを再生開始する(S22)。クライアント200は、曲データを再生する際にスペアナ値を測定する。クライアント200は、再生状態が再生であることを示すコマンドPlay State(Play)と、再生経過時間を示すコマンドPlay
Timeと、スペアナ値を示すコマンドSpeanaとをコントローラ300に送信する(S23)。なお、再生経過時間を示すコマンドPlay
Timeと、スペアナ値を示すコマンドSpeanaとは、所定時間(例えば1秒)毎に随時コントローラ300に送信される。
【0043】
コントローラ300は、これらのコマンドを受信すると、再生画面情報テーブルを参照し、再生画面の固定画面に画面部品を合成し、図8に示す再生画面を生成し、表示部306に表示する(S16)。例えば、再生状態が再生であることを示すコマンドPlay State(Play)に応じて、固定画面の横軸56、縦軸32の位置に、Play.jpgの画像ファイル(再生アイコン)を合成する。また、再生経過時間を示すコマンドPlay Timeに応じて、固定画面の横軸50、縦軸35の位置に、取得した再生時間を合成する。また、スペアナ値を示すコマンドSpeanaに応じて、固定画面の横軸60、縦軸45の位置に、取得したスペアナ値を合成する。
【0044】
以上のように、表示モード1においては、コントローラ300は、サーバ用GUI画面(曲リスト画面および再生画面)を用いてクライアント200の再生を制御することができる。従って、ユーザがサーバ100自体で曲ファイルを再生することが多く、サーバ用GUI画面の操作に慣れている場合には、ユーザは、表示モード1を選択することにより、操作の慣れているサーバ用GUI画面を使ってコントローラ300にクライアント200を制御する指示を入力することができる。
【0045】
[表示モード2での再生処理]
図14は、表示モード2における、サーバ100、クライアント200及びコントローラ300の処理を示すシーケンス図である。コントローラ300は、表示モード2が選択されたことをサーバ100に通知する(S41)。サーバ100は、コントローラ300から通知を受信すると、表示モード2に移行する(S61)。つまり、表示モード2であることをRAM103に記憶する。
【0046】
コントローラ300は、ユーザ操作に応じて、曲リストをサーバ100に要求する(S42)。サーバ100は、曲リスト要求を受信すると、コンテンツ情報DBに基づいて、曲リストを生成する(S62)。図15は、生成される曲リストを示す図である。曲リストには、曲名、アーティスト名、アルバム名、再生時間、HDD104上のURLを含む。サーバ100は、生成した曲リストをコントローラ300に送信する(S63)。
【0047】
コントローラ300は、曲リストを受信すると、曲リスト画面を生成し、表示部306に表示する(S43)。ここで作成される曲リスト画面は、図3の曲リスト画面とは異なり、コントローラ300独自のGUI(コントローラ用GUI画面)によって構成されている。コントローラ300は、ユーザ操作によって曲リスト画面の中から再生すべき曲名が選択されると、曲リストを参照し、選択された曲名に対応するURLを特定する。そして、コントローラ300は、特定したURLを含む再生指示をクライアント200に送信する(S44)。
【0048】
また、コントローラ300は、曲リストに基づいて、選択された曲名に関連付けられたアーティスト名、アルバム名、再生時間を取得し、取得した各情報を用いて再生画面の固定画面を生成し、表示部306に表示する(S45)。ここで生成される再生画面の固定画面は、図5の画面とは異なり、コントローラ300独自の画面(コントローラ用GUI画面)である。
【0049】
クライアント200は、再生指示を受信すると、URLを含む曲データ送信要求を、サーバ100に送信する(S51)。サーバ100は、曲データ送信要求を受信すると、URLに基づいて再生する曲ファイルを特定する。サーバ100は、URLに基づいてHDD104から曲ファイルを読み出して、曲ファイルの曲データをクライアント200に送信する(S64)。
【0050】
クライアント200は、曲データを受信すると、曲データを再生開始する(S52)。クライアント200は、曲データを再生する際にスペアナ値を測定する。クライアント200は、再生状態が再生であることを示すコマンドPlay State(Play)と、再生経過時間を示すコマンドPlay
Timeと、スペアナ値を示すコマンドSpeanaとをコントローラ300に送信する(S53)。なお、再生経過時間を示すコマンドPlay
Timeと、スペアナ値を示すコマンドSpeanaとは、所定時間(例えば1秒)毎に随時コントローラに送信される。
【0051】
コントローラ300は、これらのコマンドを受信すると、再生画面の固定画面に画面部品を合成し、再生画面を生成し、表示部306に表示する(S46)。例えば、再生状態が再生であることを示すコマンドPlay State(Play)に応じて、固定画面の所定位置に、再生アイコンを合成する。また、再生経過時間を示すコマンドPlay Timeに応じて、固定画面の所定位置に、取得した再生時間を合成する。また、スペアナ値を示すコマンドSpeanaに応じて、固定画面の所定位置に、取得したスペアナ値を合成する。
【0052】
以上のように、表示モード2においては、コントローラは、コントローラ用GUI画面(曲リスト画面および再生画面)を用いてクライアント200の再生を制御することができる。従って、ユーザがコントローラ300を操作してクライアント200に曲ファイルを再生させることが多く、コントローラ用GUI画面の操作に慣れている場合には、ユーザは、表示モード2を選択することにより、操作の慣れているコントローラ用GUI画面を使ってコントローラ300に指示を入力することができる。
【0053】
[表示モード自動設定]
他の好ましい実施形態では、コントローラ300は、ユーザ操作によらず、サーバ100の動作状態(負荷状態)に基づいて、自動的に表示モードを設定する。図16は、表示モード設定処理を示すコントローラ300及びサーバ100の処理を示すシーケンス図である。コントローラ300は、サーバ100に対して、サーバ負荷問い合わせを送信する(S71)。これに応答して、サーバ100は、自身の負荷に関する情報を確認する(S73)。
【0054】
図17に示すように、サーバ100は、曲データをHDD104に記録中、又は、コンテンツ情報を更新中、又は、プレイリスト更新中等であるか否かを判断する(S81)。これらのいずれかに該当する場合(S81でYES)、サーバ100は、サーバ100の負荷が大であると判断する(S84)。すなわち、これらいずれかの処理によって、HDD104に記録されている曲数が変動、及び/又は、曲リストの構成が変動するので、サーバ用GUI画面を頻繁に変更する必要が生じるので、サーバ100の負荷が大きくなる。
【0055】
これらのいずれにも該当しない場合(S81でNO)、サーバ100は、ユーザ操作による指示がサーバ100に頻繁に入力されているか否かを判断する(S82)。頻繁に入力されている場合(S82でYES)、サーバ100の負荷が中であると判断する(S85)。頻繁に入力されていない場合(S82でNO)、サーバ100は、CPU(制御部101)の負荷率が所定値以上であるか否かを判断する(S83)。所定値以上であれば(S83でYES)、サーバ100の負荷が中であると判断する(S85)。一方、所定値未満であれば(S83でNO)、サーバ100の負荷が小であると判断する(S86)。
【0056】
図16に戻って、サーバ100は、確認した負荷情報をコントローラ300に送信する(S74)。コントローラ300は、サーバ100の負荷情報を受信すると、負荷情報に基づいて表示モードを設定する(S72)。例えば、コントローラ300は、サーバ100の負荷が大又は中であれば、表示モードを表示モード2に設定する。従って、サーバ100の負荷が比較的大きい場合には、サーバ100に再生画面の固定画面や曲リスト画面を生成させず、コントローラ300が再生画面の固定画面や曲リスト画面を生成することによって、再生画面や曲リスト画面が表示されるまでの時間を短縮できる。
【0057】
一方、コントローラ300は、サーバ100の負荷が小であれば、表示モードを表示モード1に設定する。従って、サーバ100の負荷が小さい場合には、サーバ100に再生画面の固定画面や曲リスト画面を生成させることによって、サーバ用GUI画面を使用してコントローラ300に指示を入力することができる。
【0058】
なお、ユーザ操作によって表示モードを設定しておき、表示モード1に設定されている場合には、サーバ負荷が大又は中の時には表示モード2で表示し、サーバ負荷が小の時だけ表示モード1で表示するようにしてもよい。また、サーバ負荷が中の時に表示モード1に自動的に設定されてもよい。
【0059】
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。上記のサーバ、クライアント又はコントローラの動作をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム又はそれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、サーバ、クライアント及びコントローラを備えるコンテンツ再生システムに好適に採用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施形態によるコンテンツ再生システムを示す図である。
【図2】本実施形態によるサーバ100を示す図である。
【図3】サーバ100によって生成される曲リスト画面を示す図である。
【図4】URLテーブルを示す図である。
【図5】サーバ100によって生成される再生画面を示す図である。
【図6】本実施形態によるクライアント200を示す図である。
【図7】本実施形態によるコントローラ300を示す図である。
【図8】コントローラ300で表示される再生画面を示す図である。
【図9】コントローラ300の表示モード設定処理を示すフローチャートである。
【図10】機器一覧画面を示す図である。
【図11】表示モード選択画面を示す図である。
【図12】表示モード1における各装置の処理を示すシーケンス図である。
【図13】再生画面情報テーブルを示す図である。
【図14】表示モード2における各装置の処理を示すシーケンス図である。
【図15】曲リストを示す図である。
【図16】サーバ負荷に応じた表示モード設定処理を示すシーケンス図である。
【図17】サーバ10によるサーバ負荷を決定する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
100 サーバ
200 クライアント
300 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に接続可能なサーバと、クライアントと、コントローラとを備えるコンテンツ再生システムであり、
前記サーバが、コンテンツを記録するためのコンテンツ記憶部と、
前記コンテンツ記憶部に記録されているコンテンツを前記クラアントに送信するコンテンツ送信手段と、
サーバ用GUI画面を生成し、前記コントローラに送信する画面送信手段とを有し、
前記コントローラが、前記サーバ用GUI画面を受信する画面受信手段と、
受信した前記サーバ用GUI画面を表示する表示手段と、
前記サーバ用GUI画面に基づいたユーザ操作に応じて、前記クライアントにコンテンツの再生指示を送信する指示送信手段とを有し、
前記クライアントが、前記コントローラから送信された指示に基づいて、前記サーバからコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、
受信したコンテンツを再生する再生手段とを有する、コンテンツ再生システム。
【請求項2】
前記クライアントが、コンテンツを再生する際に、前記クライアントの再生状態に関する情報、及び/又は、コンテンツの再生状況に関する情報を取得し、前記コントローラに送信する情報送信手段をさらに有し、
前記コントローラが、前記クライアントの再生状態に関する情報、及び/又は、コンテンツの再生状況に関する情報を受信する情報受信手段と、
前記サーバ用GUI画面に、前記クライアントの再生状態に関する情報、及び/又は、コンテンツの再生状況に関する情報を合成した画面を生成する画面生成手段とをさらに有し、
前記表示手段が、前記画面生成手段によって生成された画面を表示する、請求項1に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項3】
前記コントローラ及び前記サーバが、表示モードを第1表示モード又は第2表示モードに設定するモード設定手段をさらに有し、
前記第1表示モードに設定されている場合、前記画面送信手段がサーバ用GUI画面を生成し、前記コントローラに送信し、前記画面受信手段が前記サーバ用GUI画面を受信し、前記表示手段が前記サーバ用GUI画面を表示し、
前記第2表示モードに設定されている場合、前記画面送信手段がサーバ用GUI画面を生成して送信することなく、前記コントローラがコントローラ用GUI画面を生成し、前記表示手段が前記コントローラ用GUI画面を表示する、請求項1または2に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項4】
前記サーバの負荷情報に基づいて、表示モードが前記第1表示モード又は前記第2表示モードのいずれかに設定される、請求項3に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項5】
前記サーバ用GUI画面がコンテンツリスト画面を含み、
前記画面送信手段が、前記コンテンツリスト画面と、前記コンテンツリスト画面に表示されるコンテンツ情報に関連付けられたコンテンツ特定情報とを送信し、
前記指示送信手段が、前記コンテンツリスト画面に基づいたユーザのコンテンツ選択操作に応じて、選択されたコンテンツのコンテンツ特定情報を特定し、前記クライアントに前記コンテンツ特定情報で特定されるコンテンツの再生指示を送信する、請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ再生システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ再生システムにおける前記サーバ。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ再生システムにおける前記コントローラ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−244620(P2010−244620A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92386(P2009−92386)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】