説明

コンテンツ再生装置及びそのプログラム

【課題】 コンテンツのスキップ指示が連続的に入力される場合であっても、選択されたコンテンツのコンテンツ情報を迅速に表示すること。
【解決手段】 前回のスキップ指示に応じて選択されたコンテンツが再生開始されておらず、かつ、前回のスキップ指示に応じて選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示し終えた後に、今回のスキップ指示が入力される処理が複数回連続して実行されている場合には、第1のスキップ処理が実行される。第1のスキップ処理においては、今回入力されたスキップ指示に応じて、選択されたコンテンツの再生処理を実行せずに待機し、選択されたコンテンツのコンテンツ情報の表示処理を優先的に実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキップ指示が入力された場合に、選択されたコンテンツの再生処理を実行し、選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示するコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
HDD等のコンテンツ記憶装置に多数のコンテンツ(例えば曲ファイル)が記録されており、HDDから曲ファイルを読み出して再生するコンテンツ再生装置が提供されている。コンテンツ再生装置において、HDDに記録された多数の曲ファイルの中から、任意の曲リストの順に曲ファイルが選択され連続再生すること、又は、ランダムに選択された曲ファイルを連続再生すること(ランダム再生、シャッフル再生)が実行される。選択された曲ファイルが、ユーザが所望する曲ファイルでない場合には、ユーザ操作によってスキップ指示が入力されることによって、再生される曲ファイルが次の曲ファイルにスキップ(変更)される。
【0003】
また、スキップ指示が入力されて曲ファイルが再生されるとき、再生される曲ファイルのコンテンツ情報(曲名、アーティスト名、アルバム名等のメタデータ、曲ファイルの総再生時間)、及び、総再生時間に対する現在の再生経過時間等が表示される。ここで、ユーザ操作によってスキップ指示が連続的に入力され、連続的にスキップされる曲ファイルの中からユーザが所望の曲ファイルを検索することがある。
【0004】
この際に、表示されるコンテンツ情報を見てスキップ指示を入力するか否かをユーザが判断する場合や、再生される音声を確認してスキップ指示を入力するか否かをユーザが判断する場合がある。ここで、スキップ指示が入力されたとき、曲ファイルの再生処理と、曲ファイルのコンテンツ情報の表示処理とが同時に並列して実行されるので、CPUの負荷が大きくなり、コンテンツ情報が表示されるまでに多くの時間がかかる。その結果、曲ファイルのコンテンツ情報を見てスキップ指示を入力するか否かを判断する場合には、スキップ指示を入力するまでに時間がかかり、操作性が悪いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−140004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、コンテンツのスキップ指示が連続的に入力される場合であっても、選択されたコンテンツのコンテンツ情報を迅速に表示することができるコンテンツ再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置は、ユーザ操作に応じてスキップ指示が入力される入力手段と、コンテンツ記憶媒体に記録される複数のコンテンツの中から、スキップ指示に応じて次に再生するコンテンツを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたコンテンツを再生する再生手段と、前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示する表示手段とを備え、前回のスキップ指示に応じて前記選択手段によって選択されたコンテンツが前記再生手段によって再生開始されておらず、かつ、前記コンテンツのコンテンツ情報を前記表示手段が表示し終えた後に、今回のスキップ指示が入力される処理が1又は複数回実行された場合には、スキップ指示に応じて、前記再生手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツの再生処理を実行せずに、前記表示手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示する。
【0008】
前回のスキップ指示に応じて選択されたコンテンツのコンテンツ情報が表示されており、コンテンツが未だ再生開始されていないときにスキップ指示が入力された場合には、ユーザは、コンテンツのコンテンツ情報の表示を見て、スキップ指示を入力するか否かを判断していると考えられる。従って、このような場合には、コンテンツの再生処理を実行しても負荷が大きくなるだけで無駄な処理になるので、スキップ指示が入力された場合に、コンテンツの再生処理を実行せずに、コンテンツ情報の表示を優先的に実行する。その結果、コンテンツ情報の表示を迅速化することができる。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置は、ユーザ操作に応じてスキップ指示が入力される入力手段と、コンテンツ記憶媒体に記録される複数のコンテンツの中から、スキップ指示に応じて次に再生するコンテンツを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたコンテンツを再生する再生手段と、前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示する表示手段と、前回のスキップ指示に応じて前記選択手段によって選択されたコンテンツが前記再生手段によって再生開始されておらず、かつ、前記コンテンツのコンテンツ情報を前記表示手段が表示し終えた後に、今回のスキップ指示が入力された場合、第1のスキップタイプを記憶し、前記コンテンツが前記再生手段によって再生開始された後に、今回のスキップ指示が入力された場合、第2のスキップタイプを記憶するスキップタイプ記憶手段と、スキップ指示が入力されたとき、前記スキップタイプ記憶手段の記憶内容に基づいて、第1のスキップ処理又は第2のスキップ処理のいずれでスキップ処理を実行するかを判別するスキップ処理判別手段とを備え、第1のスキップ処理を実行する場合、前記再生手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツの再生処理を実行せずに、前記表示手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示し、第2のスキップ指示を実行する場合、前記再生手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツの再生処理を実行すると共に、前記表示手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示する。
【0010】
前回のスキップ指示に応じて選択されたコンテンツのコンテンツ情報が表示されており、コンテンツが未だ再生開始されていないときにスキップ指示が入力される場合には、ユーザは、コンテンツのコンテンツ情報の表示を見て、スキップ指示を入力するか否かを判断していると考えられる。従って、このような場合には、コンテンツの再生処理を実行しても負荷が大きくなるだけで無駄な処理になるので、スキップ指示が入力された場合に、コンテンツの再生を実行せずに、コンテンツ情報の表示を優先的に実行する。その結果、コンテンツ情報の表示を迅速化することができる。一方、前回のスキップ指示に応じて選択されたコンテンツが再生開始した後にスキップ指示が入力される場合には、ユーザは、コンテンツの再生内容を確認して、スキップ指示を入力するか否かを判断していると考えられる。従って、このような場合には、コンテンツの再生処理とコンテンツ情報の表示とを並列して実行することにより、ユーザがコンテンツの再生内容を見てスキップ指示を入力すべきか否かを判断可能にする。
【0011】
好ましい実施形態においては、前記第1のスキップタイプを記憶する場合に、前記コンテンツのコンテンツ情報を前記表示手段が表示し終えてから次のスキップ指示が入力されるまでの入力時間を算出し、複数回分のスキップ指示に対応する前記入力時間の平均値である平均入力時間を算出する算出手段をさらに備え、
第1のスキップ処理を実行する場合、前記再生手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツの再生処理を実行せずに、前記表示手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示し、さらに、コンテンツ情報を表示し終えてから前記平均入力時間が経過するまでに次のスキップ指示が入力されない場合に、前記再生手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツの再生処理を実行する。
【0012】
平均入力時間が経過しても次のスキップ指示が入力されない場合、次のスキップ指示を入力することなくコンテンツ情報が表示されているコンテンツを再生したいとユーザが考えていると判断される。従って、平均入力時間が経過した後にコンテンツを再生開始することで、ユーザが所望するコンテンツを再生することができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記スキップタイプ記憶手段が、前記コンテンツが前記再生手段によって再生開始されてから所定時間経過前に今回のスキップ指示が入力された場合に、前記第2のスキップタイプを記憶し、前記コンテンツが前記再生手段によって再生開始されてから所定時間経過後に今回のスキップ指示が入力された場合に、いずれのスキップタイプも記憶しない。
【0014】
コンテンツが再生手段によって再生開始されてから所定時間経過後に今回のスキップ指示が入力された場合に、ユーザ操作によってスキップ指示が連続的に入力されているのでないと考えられる。従って、このような場合には、スキップタイプが記憶されない。
【0015】
好ましい実施形態においては、前記スキップ処理判別手段が、直近のm回のスキップ指示に対応するスキップタイプの内、前記第1のスキップタイプがn(nはm以下の整数)回以上記憶されている場合に、前記第1のスキップ処理に決定し、前記第1のスキップタイプがn回以上記憶されていない場合に、前記第2のスキップ処理に決定する。
【0016】
第1のスキップタイプが多数を占める場合には、ユーザが、コンテンツの再生内容ではなく、コンテンツ情報の表示を見て、スキップ処理すべきか否かを判断していると考えられる。従って、この場合には、第1のスキップ処理が実行される。一方、第1のスキップタイプが多数を占めない場合には、ユーザが、コンテンツ情報の表示を見てスキップ処理すべきか否かを判断しているのではないと考えられる。従って、この場合には、第2のスキップ処理が実行される。
【発明の効果】
【0017】
コンテンツのスキップ指示が連続的に入力される場合であっても、選択されたコンテンツのコンテンツ情報を迅速に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置を示すブロック図である。
【図2】再生プログラムの構成を示す概念図である。
【図3A】スキップタイプテーブルを示す図である。
【図3B】スキップタイプテーブルを示す図である。
【図4】スキップ処理タイプB(第2のスキップ処理)を示すシーケンス図である。
【図5】スキップタイプを判別する処理を示すフローチャートである。
【図6】スキップタイプA(第1のスキップタイプ)の登録処理を示すフローチャートである。
【図7】スキップタイプB(第2のスキップタイプ)の登録処理を示すフローチャートである。
【図8】スキップ処理タイプA又はBを判別する処理を示すフローチャートである。
【図9】スキップ処理タイプA(第1のスキップ処理)を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0020】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置(以下、再生装置という。)100を示すブロック図である。再生装置100は、CPU1、RAM2、ROM3、サブマイコン4、HDD等のコンテンツ記憶部5、DSP(Digital Signal Processor)等の再生部6、表示部7、及び、操作部8を備える。これらは、バスを介して互いに接続されている。また、再生部6には、図示しないスピーカーが接続されている。コンテンツは、映像(画像)データ、及び/又は、音声(音楽、曲)データの総称であるが、本例では、曲ファイル(トラックともいう。)である。
【0021】
HDD5には複数の曲ファイルが記録されている。HDD5に記録されている曲ファイルは、CPU1の指示によって読み出され、再生部6によって再生処理(デコード処理、D/A変換、増幅処理等)が実行される。再生部6によって再生された音楽信号はスピーカーに供給され、音声が出力される。
【0022】
操作部8は、ユーザ操作を受け付けるものであり、リモコン装置や再生装置100の筐体に設けられた操作ボタン等である。操作部8は、スキップボタンを含む。スキップボタンが操作された場合、操作部8は、スキップ指示をサブマイコン4に送信する。
【0023】
HDD5には、コンテンツ情報データベース(以下、コンテンツ情報DBという。)が格納されている。コンテンツ情報DBには、HDD5に記録されている全曲ファイルに関するコンテンツ情報が格納されている。コンテンツ情報には、曲名、アーティスト名、アルバム名等のメタデータ、曲ファイルの総再生時間、コンテンツID、曲ファイルのHDD5上のアドレス(ファイルパス)等を含む。
【0024】
表示部7は、再生される曲ファイルのコンテンツ情報(曲名、アーティスト名、アルバム名、曲ファイルの総再生時間および再生経過時間等)を表示するものであり、LCD(液晶ディスプレイ)やFL管等である。
【0025】
CPU1は、再生装置100全体を制御するものであり、ROM3またはHDD5に格納された再生プログラムをRAM2内に読み出して実行することにより、後述する各処理を実行する。サブマイコン4は、ユーザ操作に基づく指示を操作部8から受信して、CPU1に送信する。
【0026】
図2は、CPU1によって実行される再生プログラムの構造を示す概念図である。再生プログラムは、UI(User Interface) Layer21と、MW(Middleware) Layer22と、DD(Device Driver) Layer23と、DB読み出しプログラム24とを含む。各プログラムが実行する処理は、以下のフローチャートにおいて後述する。
【0027】
図1に戻り、CPU1は、コンテンツ情報DBに基づいてランダムに再生する曲ファイルを選択し、又は、ユーザ操作によって生成されたプレイリストの順に再生する曲ファイルを選択し、再生部6に選択した曲ファイルを連続的に再生させる。また、CPU1は、選択された曲ファイルのコンテンツ情報を表示部7に表示させる。ユーザ操作によってサブマイコン4にスキップ指示が入力されると、CPU1は、再生する曲ファイルをスキップし、次の曲ファイルを検索して選択する。CPU1は、選択した次の曲ファイルを再生するように再生部6を制御し、次の曲ファイルのコンテンツ情報を表示するように表示部7を制御する。
【0028】
HDD5又はRAM2には、図3A、図3Bに示すスキップタイプテーブルが格納されている。スキップタイプテーブルは、ユーザ操作に応じてスキップ指示が入力されたときに、入力されたスキップ指示のスキップタイプが、スキップタイプA(第1のスキップタイプ)又はスキップタイプB(第2のスキップタイプ)のいずれであるかを記憶するテーブルである。
【0029】
スキップタイプAは、前回のスキップ指示が入力された後、曲ファイルの再生が開始される前であり、コンテンツ情報が表示された後に、入力される今回のスキップ指示を意味する。スキップタイプBは、前回のスキップ指示が入力された後、曲ファイルの再生が開始された後に入力される今回のスキップ指示を意味する。好ましくは、スキップタイプBは、前回のスキップ指示が入力された後、曲ファイルの再生が開始された後であり、曲ファイルの再生開始から所定時間(例えば2秒)経過する前に、入力される今回のスキップ指示を意味する。スキップタイプテーブルには、番号(例えば番号が大きい方が新しいスキップ指示である)に対応付けてスキップタイプが登録されている。
【0030】
CPU1は、スキップ指示が入力されたとき、前のスキップ指示に基づく再生状況及び表示状況に基づいて、今回のスキップ指示のスキップタイプを判別し、スキップタイプテーブルに登録する。また、CPU1は、スキップ指示が入力されたとき、スキップタイプテーブルの登録内容に基づいて、今回のスキップ指示に対応する実行すべきスキップ処理を、スキップ処理タイプA(第1のスキップ処理)、又は、スキップ処理タイプB(第2のスキップ処理)のいずれかに決定する。
【0031】
例えば、スキップタイプテーブルにおける直近m(例えば5)個のスキップタイプのうちn(nはm以下の整数であり例えば4)個以上のスキップタイプがスキップタイプAであれば、スキップ処理タイプAに決定し、そうでなければスキップ処理タイプBに決定する。従って、図3Aの場合には、番号6〜10のスキップタイプの内4つがスキップタイプAであるので、スキップ処理タイプAに決定され、図3Bの場合には、番号6〜10のスキップタイプの内スキップタイプAが0であるので、スキップ処理タイプBに決定される。または、スキップタイプテーブルにおける直近m(例えば5)回分のスキップタイプのうち全てのスキップタイプがスキップタイプAのときに、スキップ処理タイプAに決定し、そうでなければスキップ処理タイプBに決定してもよい。
【0032】
スキップ処理タイプAは、スキップ指示を連続して入力する際に、ユーザが、曲ファイルのコンテンツ情報の表示を見て(曲ファイルの再生開始を待たずに)さらなるスキップ指示を入力するか否かを判断し、スキップ指示を入力していると考えられる場合のスキップ処理である。従って、スキップ処理タイプAでは、CPU1は、スキップ指示に応じて次の曲ファイルを選択した後、曲ファイルの再生処理を実行せずに待機して、コンテンツ情報の表示処理を優先的に実行する。また、CPU1は、コンテンツ情報の表示処理の完了後、平均入力時間(後述)の間に次のスキップ指示が入力されないときに、曲ファイルの再生処理を実行する。一方、CPU1は、コンテンツ情報の表示処理の完了後、平均入力時間の間に次のスキップ指示が入力されたときに、曲ファイルの再生処理を実行せずに、入力された次のスキップ指示に応じた処理に移行する。これにより、コンテンツ情報の表示処理を迅速に実行することができ、ユーザがコンテンツ情報の表示を見てスキップ指示を入力するか否かを判断する場合に、ユーザが連続的なスキップ指示を迅速に入力できるようにする。
【0033】
スキップ処理タイプBは、ユーザが、スキップ指示に応じて選択された曲ファイルが再生されるのを待ち、再生される音声を聞いて、さらなるスキップ指示を入力するか否かを判断し、スキップ指示を入力していると考えられる場合のスキップ処理である。従って、スキップ処理タイプBでは、CPU1は、スキップ指示に応じて次の曲ファイルを選択した後、選択された曲ファイルの再生処理と、コンテンツ情報の表示処理とを同時に並列して実行する。これにより、曲ファイルの再生とコンテンツ情報の表示処理とを同時に実行することができ、ユーザが曲ファイルの再生を聞いてスキップ指示を入力するか否かを判断する場合に、ユーザの連続的なスキップ指示を迅速に入力できるようにする。
【0034】
以上の構成を有するコンテンツ再生装置100について、その動作を説明する。図4は、スキップ処理タイプBを示すシーケンス図である。曲ファイルが連続再生されている際に、最初にスキップ指示が入力された場合には、スキップタイプテーブルにスキップタイプが登録されていない。このとき、CPU1は、スキップ処理タイプBを実行する。図4に示すように、サブマイコン4にユーザ操作に応じて操作部8からスキップ指示が入力されると、サブマイコン4からUI Layerにスキップ指示が送信される(S1)。UI Layerは、スキップ指示を受信すると、スキップ指示をMW Layerに送信する(S2)。また、UI
Layerは、スキップ指示を受信したときに後述するtime_A及びtime_Bをカウントするためのタイマーカウントを開始する。
【0035】
MW Layerは、スキップ指示に応じて、スキップ処理によって次に再生される曲ファイルを所定の方法で検索して選択し、次の曲ファイルのコンテンツIDを特定する(S3)。MW Layerは、次の曲ファイルのコンテンツIDをDB読み出しプログラムに送信することにより、コンテンツ情報及び曲ファイルのファイルパスを送信するようにDB読み出しプログラムに要求する(S4)。DB読み出しプログラムは、MW Layerからの要求に応じて、コンテンツ情報DBを検索し、次の曲ファイルのコンテンツIDに対応するコンテンツ情報およびファイルパスを読み出して、MW Layerに返信する(S5)。
【0036】
MW Layerは、DB読み出しプログラムから次の曲ファイルのコンテンツ情報とファイルパスとを受信すると、DD Layerにファイルパスを指定して曲ファイルの再生指示を送信する(S6)。DD Layerは、再生指示を受信すると、指定された曲ファイルをHDD5から読み出して再生処理を実行する(S8)。また、MW Layerは、DB読み出しプログラムから次の曲ファイルのコンテンツ情報とファイルパスとを受信すると、コンテンツ情報をUI Layerに送信し、コンテンツ情報を表示するようにUI Layerに指示する(S7)。なお、スキップ処理タイプBでは、S7の表示指示はS6の再生指示とほぼ同時に並列的に送信される。
【0037】
UI Layerは、コンテンツ情報の表示指示に応じて、受信したコンテンツ情報を表示部7に表示させる表示処理を実行する(S10)。UI Layerは、コンテンツ情報の表示を完了したときに、タイマーによってカウントされている時刻をtime_AとしてRAM2に記憶する(S11)。
【0038】
DD Layerは、再生処理を開始すると、再生開始通知をMW Layerに送信する(S12)。MW
Layerは、再生開始通知を受信して、UI Layerに送信する(S13)。UI Layerは、再生開始通知を受信すると、現在の実際の時刻time_CをRAM2に記憶する(S14)。
【0039】
図5〜図7は、ユーザ操作によってスキップ指示がサブマイコン4に入力された場合に、スキップタイプを決定し、スキップタイプテーブルに登録する処理を示すフローチャートである。図5に示すように、CPU1は、サブマイコン4にスキップ指示が入力されたか否かを判断しており(S21)、スキップ指示が入力された場合(S21でYES)、CPU1は、time_AがRAM2に記憶されているか否かを判断する(S22)。つまり、今回のスキップ指示の前に既にスキップ指示が入力されているか否かが判断される。time_Aが記憶されていない場合(S22でNO)、今回入力されたスキップ指示が最初のスキップ指示であるので、CPU1は、今回のスキップ指示に対してはスキップタイプを決定することができず、スキップタイプテーブルにスキップタイプを登録しない(S27)。
【0040】
time_Aが記憶されている場合(S22でYES)、CPU1は、DD Layerが、前回のスキップ指示に応じて選択された曲ファイルを再生開始済であるか否かを判断する(S23)。すなわち、前回のスキップ指示によって選択された曲ファイルを再生開始した後に、今回のスキップ指示が入力されたか否かが判断される。前の曲ファイルを再生開始済である場合(S23でYES)、CPU1はスキップタイプBを登録するか否かの判断処理を実行する(S26)。
【0041】
図7は、スキップタイプBを登録するか否かの判別処理を示すフローチャートである。CPU1は、現在の時刻Cur_Timeを特定し、Cur_Time−time_Cが所定時間(例えば2秒)よりも小さいか否かを判断する(S261)。つまり、CPU1は、前回のスキップ指示に応じて曲ファイルをスキップして再生開始してから2秒以内に今回のスキップ指示が入力されたか否かを判断する。Cur_Time−time_Cが2秒未満である場合(S261でYES)、CPU1は今回入力されたスキップ指示に応じてスキップタイプBをスキップタイプテーブルに登録する(S262)。一方、Cur_Time−time_Cが2秒以上である場合(S261でNO)、ユーザが連続してスキップ指示を入力しているのではないと考えられるので、CPU1は今回のスキップ指示に応じてスキップタイプをスキップタイプテーブルに登録しない(S263)。
【0042】
図5に戻って、S23において、前のスキップ指示に対応する曲ファイルを再生開始済でない場合、CPU1は、前のスキップ指示に対応する曲ファイルのコンテンツ情報を表示済であるか否かを判断する(S25)。すなわち、前回のスキップ指示によって選択された曲ファイルのコンテンツ情報が表示された後に、今回のスキップ指示が入力されたか否かが判断される。コンテンツ情報を表示済である場合(S25でYES)、CPU1は、スキップタイプAの判別処理を実行する(S24)。一方、コンテンツ情報を表示済でない場合(S25でNO)、ユーザはコンテンツ情報の表示を見ることなく、かつ、曲ファイルの再生内容を聞くことなく、スキップ指示を入力しているので、CPU1はスキップタイプをスキップタイプテーブルに登録しない。
【0043】
図6は、スキップタイプAを登録する処理を示すフローチャートである。CPU1は、タイマーによってカウントされている時刻time_Bを特定し、RAM2に記憶する(S241)。CPU1は、time_B−time_A=Disp_Next_timeを入力時間として算出し、RAM2に記憶する(S242)。入力時間Disp_Next_timeは、前回のスキップ指示によって選択された曲ファイルのコンテンツ情報が表示されてから今回のスキップ指示が入力されるまでに要した時間である。その後、CPU1は、RAM2に記憶されている全ての入力時間Disp_Next_timeの平均値である平均入力時間(平均Disp_Next_time)を算出する(S243)。そして、CPU1は、今回のスキップ指示に応じてスキップタイプAをスキップタイプテーブルに登録する(S244)。
【0044】
図8は、ユーザ操作によってスキップ指示がサブマイコン4に入力された場合のスキップ処理タイプA又はスキップ処理タイプBのいずれでスキップ処理を実行するかを判別するフローチャートである。CPU1は、ユーザ操作によってサブマイコン4にスキップ指示が入力されたか否かを判断しており(S31)、スキップ指示が入力された場合(S31でYES)、スキップタイプテーブルに基づいて、スキップ処理タイプA又はスキップ処理タイプBを判別する(S32〜S34)。詳細には、CPU1は、直近5回のスキップタイプの内、スキップタイプAが4回以上であるか否かを判断する(S32)。つまり、ここでは、ユーザが曲ファイルの再生を待たずにコンテンツ情報を見てスキップ指示を入力しているか否かが判断される。
【0045】
直近5回のスキップタイプの内、スキップタイプAが4回以上である場合(S32でYES)、スキップ処理タイプAでスキップ処理を実行する(S33)。一方、直近5回のスキップタイプの内、スキップタイプAが4回未満である場合(S32でNO)、スキップ処理タイプBでスキップ処理を実行する(S34)。スキップ処理タイプBは、図4で詳述した通りの処理であるので、説明を援用する。なお、スキップタイプテーブルに登録されているスキップタイプの数が5つ未満である場合には、例えば、S32でNOと判断されて、スキップ処理タイプBでスキップ処理を実行するとよい。
【0046】
図9は、スキップ処理タイプAを示すシーケンス図である。サブマイコン4にユーザ操作に応じて操作部8からスキップ指示が入力されると、サブマイコン4からUI Layerにスキップ指示が送信される(S41)。UI Layerは、スキップ指示を受信すると、スキップ指示をMW Layerに送信する(S42)。また、UI
Layerは、スキップ指示を受信したときにtime_A及びtime_Bをカウントするためのタイマーカウントを開始する。
【0047】
MW Layerは、スキップ指示に応じて、スキップ処理によって次に再生される曲ファイルを所定の方法で検索して選択し、次の曲ファイルのコンテンツIDを特定する(S43)。MW Layerは、次の曲ファイルのコンテンツIDをDB読み出しプログラムに送信することにより、コンテンツ情報及び曲ファイルのファイルパスを送信するようにDB読み出しプログラムに要求する(S44)。DB読み出しプログラムは、MW Layerからの要求に応じて、コンテンツ情報DBを検索して、次の曲ファイルのコンテンツIDに対応するコンテンツ情報およびファイルパスを読み出して、MW Layerに返信する(S45)。
【0048】
MW Layerは、DB読み出しプログラムから次の曲ファイルのコンテンツ情報とファイルパスとを受信すると、DD Layerにファイルパスを指定して、曲ファイルの記憶指示を送信する(S46)。このように、スキップ処理タイプBにおいては再生指示を送信していたが、スキップ処理タイプAでは再生指示に代えて記憶指示を送信する。DD Layerは、曲ファイルの記憶指示を受信すると、曲ファイルのファイルパスを記憶する処理だけを実行し、再生処理はこの段階では実行せずに待機する(S48)。従って、CPU1は、DD Layerにおいて処理はほとんど発生しない。また、MW Layerは、DB読み出しプログラムから次の曲ファイルのコンテンツ情報とファイルパスとを受信すると、コンテンツ情報をUI Layerに送信し、コンテンツ情報を表示するように指示する(S47)。S47の処理は、S46の処理とほぼ同時に実行される。
【0049】
UI Layerは、コンテンツ情報の表示指示に応じて、受信したコンテンツ情報を表示部7に表示させる表示処理を実行する(S49)。上記の通り、DD Layer では再生処理を実行せずに待機しているので、CPU1のDD Layerにおける処理は発生せず、CPU1にかかる負荷が小さいので、UI Layerによるコンテンツ情報の表示処理を迅速に実行することができる。UI Layerは、コンテンツ情報の表示を完了したときに、タイマーによってカウントされている時刻をtime_AとしてRAM2に記憶する(S50)。
【0050】
CPU1は、コンテンツ情報を表示し終えてから平均Disp_Next_time経過する間に次のスキップ指示が入力されたか否かを判断する。コンテンツ情報を表示し終えてから平均Disp_Next_time経過する間に次のスキップ指示が入力された場合には、以降の処理は実行されずに、次のスキップ処理に関する各処理(図5〜図8参照)が実行される。一方、コンテンツ情報を表示し終えてから平均Disp_Next_time経過する間に次のスキップ指示が入力されない場合(S51)、UI Layerは、曲ファイルの再生指示をMW
layerに送信する(S52)。MW Layerは、再生指示を受信すると、再生指示をDD Layerに送信する(S53)。
【0051】
DD Layerは、再生指示を受信すると、再生指示に応じて、S48でファイルパスを記憶しておいた曲ファイルをHDD5から読み出して再生処理を実行する(S54)。DD Layerは、再生処理を開始すると、再生開始通知をMW Layerに送信する(S55)。MW
Layerは、再生開始通知を受信して、UI Layerに送信する(S56)。UI Layerは、再生開始通知を受信すると、現在の実際の時刻time_CをRAM2に記憶する(S57)。
【0052】
以上の処理によって、ユーザ操作によってスキップ指示が入力されると、スキップ処理タイプA又はスキップ処理タイプBのどちらでスキップ処理を実行するかを判別する。従って、曲ファイルの再生開始前でコンテンツ情報が表示された後にスキップ指示が入力された場合には、再生処理よりもコンテンツ情報の表示処理を優先して実行するので、コンテンツ情報の表示を迅速化でき、ユーザ操作によるスキップ指示の入力を迅速化することができる。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。再生装置100は、HDD5を内蔵していなくてもよく、外部から挿入されるメモリカードに記録されたコンテンツを再生するもの、又は、ネットワーク経由でサーバから取得したコンテンツを再生するものでもよい。本発明は、上記のコンテンツ再生装置を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明はコンテンツを再生するコンテンツ再生装置に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0055】
100 コンテンツ再生装置
1 CPU
2 RAM
3 ROM
4 サブマイコン
5 HDD
6 再生部
7 表示部
8 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作に応じてスキップ指示が入力される入力手段と、
コンテンツ記憶媒体に記録される複数のコンテンツの中から、スキップ指示に応じて次に再生するコンテンツを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツを再生する再生手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示する表示手段とを備え、
前回のスキップ指示に応じて前記選択手段によって選択されたコンテンツが前記再生手段によって再生開始されておらず、かつ、前記コンテンツのコンテンツ情報を前記表示手段が表示し終えた後に、今回のスキップ指示が入力される処理が1又は複数回実行された場合には、スキップ指示に応じて、前記再生手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツの再生処理を実行せずに、前記表示手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示する、コンテンツ再生装置。
【請求項2】
ユーザ操作に応じてスキップ指示が入力される入力手段と、
コンテンツ記憶媒体に記録される複数のコンテンツの中から、スキップ指示に応じて次に再生するコンテンツを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツを再生する再生手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示する表示手段と、
前回のスキップ指示に応じて前記選択手段によって選択されたコンテンツが前記再生手段によって再生開始されておらず、かつ、前記コンテンツのコンテンツ情報を前記表示手段が表示し終えた後に、今回のスキップ指示が入力された場合、第1のスキップタイプを記憶し、前記コンテンツが前記再生手段によって再生開始された後に、今回のスキップ指示が入力された場合、第2のスキップタイプを記憶するスキップタイプ記憶手段と、
スキップ指示が入力されたとき、前記スキップタイプ記憶手段の記憶内容に基づいて、第1のスキップ処理又は第2のスキップ処理のいずれでスキップ処理を実行するかを判別するスキップ処理判別手段とを備え、
第1のスキップ処理を実行する場合、前記再生手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツの再生処理を実行せずに、前記表示手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示し、
第2のスキップ指示を実行する場合、前記再生手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツの再生処理を実行すると共に、前記表示手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示する、コンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記第1のスキップタイプを記憶する場合に、前記コンテンツのコンテンツ情報を前記表示手段が表示し終えてから次のスキップ指示が入力されるまでの入力時間を算出し、複数回分のスキップ指示に対応する前記入力時間の平均値である平均入力時間を算出する算出手段をさらに備え、
第1のスキップ処理を実行する場合、前記再生手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツの再生処理を実行せずに、前記表示手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ情報を表示し、さらに、コンテンツ情報を表示し終えてから前記平均入力時間が経過するまでに次のスキップ指示が入力されない場合に、前記再生手段が前記選択手段によって選択されたコンテンツの再生処理を実行する、請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記スキップタイプ記憶手段が、前記コンテンツが前記再生手段によって再生開始されてから所定時間経過前に今回のスキップ指示が入力された場合に、前記第2のスキップタイプを記憶し、前記コンテンツが前記再生手段によって再生開始されてから所定時間経過後に今回のスキップ指示が入力された場合に、いずれのスキップタイプも記憶しない、請求項2または3に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記スキップ処理判別手段が、直近のm回のスキップ指示に対応するスキップタイプの内、前記第1のスキップタイプがn(nはm以下の整数)回以上記憶されている場合に、前記第1のスキップ処理に決定し、前記第1のスキップタイプがn回以上記憶されていない場合に、前記第2のスキップ処理に決定する、請求項2〜4のいずれかに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ再生装置の各手段をコンピュータに実行させる、コンテンツ再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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