説明

コンテンツ再生装置及びそのプログラム

【課題】 複数の曲ファイルを関連付けて再生することができるコンテンツ再生装置を提供すること。
【解決手段】 複数のコンテンツの中から選択されたメインコンテンツに対して、1又は複数のサブコンテンツを関連付けて管理する関連付手段と、前記メインコンテンツを再生する際に、メインコンテンツにサブコンテンツが関連付けられているか否かを判断する関連付判断手段と、メインコンテンツにサブコンテンツが関連付けられていると判断された場合、メインコンテンツとメインコンテンツに関連付けられているサブコンテンツとを連続的に再生し、メインコンテンツにサブコンテンツが関連付けられていないと判断された場合、メインコンテンツのみを再生する再生手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンテンツを連続的に再生するコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
HDD等のコンテンツ記憶装置に多数のコンテンツ(例えば曲ファイル)が記録され、HDDから曲ファイルを読み出して再生するコンテンツ再生装置が提供されている。HDDにはラジオチューナによって受信されたラジオ放送データ(曲データを含む)を記録することができ、ユーザ操作によって、ラジオ放送データを曲ファイル単位で複数の曲ファイルに分割して記録することができる。また、ラジオ放送局から提供されるキューシートを使って、HDDに記録されるラジオ放送データを複数の曲ファイルに自動的に分割することもできる。図2に示すように、ラジオ放送データには、曲データであるfile2の前に、DJによるfile2の曲説明であるfile1が含まれ、曲データであるfile3の後に、DJによるfile3の曲説明であるfile4が含まれている。曲説明であるfile1,file4もユーザにとって貴重な情報である。file1〜file4を分割してHDDに記録した場合、ユーザは、file1とfile2とを関連付けて(すなわち所望の順番で連続して)再生し、file3とfile4とを関連付けて再生することを所望する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−293697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数の曲ファイルを関連付けて再生することができるコンテンツ再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置は、複数のコンテンツの中から選択されたメインコンテンツに対して、1又は複数のサブコンテンツを関連付けて管理する関連付手段と、前記メインコンテンツを再生する際に、前記メインコンテンツに前記サブコンテンツが関連付けられているか否かを判断する関連付判断手段と、前記メインコンテンツに前記サブコンテンツが関連付けられていると判断された場合、前記メインコンテンツと前記メインコンテンツに関連付けられている前記サブコンテンツとを連続的に再生し、前記メインコンテンツに前記サブコンテンツが関連付けられていないと判断された場合、前記メインコンテンツのみを再生する再生手段とを備える。
【0006】
メインコンテンツに対して1又は複数のサブコンテンツを関連付けて管理する。メインコンテンツが再生すべきコンテンツとして選択されると、メインコンテンツにサブコンテンツが関連付けられている場合には、メインコンテンツとそれに関連付けられているサブコンテンツとを連続的に再生する。従って、複数のコンテンツを関連付けて連続的に再生することができる。
【0007】
好ましい実施形態においては、再生モードとして関連付モード又は通常モードに設定可能なモード設定手段と、設定されている再生モードが関連付モード又は通常モードのいずれであるかを判断するモード判断手段とをさらに備え、設定されている再生モードが関連付モードであると判断されたとき、前記再生手段が、前記メインコンテンツに前記サブコンテンツが関連付けられていると判断された場合、前記メインコンテンツと前記メインコンテンツに関連付けられている前記サブコンテンツとを連続的に再生し、前記メインコンテンツに前記サブコンテンツが関連付けられていないと判断された場合、前記メインコンテンツのみを再生し、設定されている再生モードが通常モードであると判断されたとき、前記再生手段が、前記メインコンテンツに前記サブコンテンツが関連付けられているか否かに関わらず、前記メインコンテンツのみを再生する。
【0008】
関連付モードにおいては、メインコンテンツとメインコンテンツに関連付けられているサブコンテンツとを連続的に再生することができる。一方、通常モードにおいては、メインコンテンツのみを再生し、メインコンテンツに関連付けられているサブコンテンツは再生しない。従って、ユーザがサブコンテンツの再生を希望する場合には、関連付モードを選択し、サブコンテンツの再生を希望しない場合には、通常モードを選択すればよく、その都度メインコンテンツにサブコンテンツを関連付けたり、関連付けを解除したりする必要がない。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記関連付手段が、前記サブコンテンツを前記メインコンテンツの前に再生するか、又は、前記メインコンテンツの後に再生するかの情報を管理し、前記再生手段が、前記メインコンテンツの前に再生すると管理されている前記サブコンテンツを、前記メインコンテンツを再生する前に再生し、前記メインコンテンツの後に再生すると管理されている前記サブコンテンツを、前記メインコンテンツを再生した後に再生する。
【0010】
この場合、メインコンテンツの前に再生したいサブコンテンツをメインコンテンツの再生前に再生することができ、メインコンテンツの後に再生したいサブコンテンツをメインコンテンツの再生後に再生することができる。
【0011】
好ましい実施形態においては、再生すべきコンテンツを次のコンテンツに進める指示が入力された場合、前記再生手段が、現在再生中の前記メインコンテンツ又は前記サブコンテンツと、それに関連付けられている前記サブコンテンツ又は前記メインコンテンツの全てを再生せずに、コンテンツリストにおいて、次の前記メインコンテンツ又は前記サブコンテンツを再生する。
【0012】
この場合、メインコンテンツの再生前にサブコンテンツを再生するように関連付けられており、かつ、当該サブコンテンツを再生しているときに、次のコンテンツに進める指示が入力された場合、再生中のサブコンテンツが関連付けられているメインコンテンツではなく、コンテンツリストにおける次のメインコンテンツ又はサブコンテンツを再生することができる。また、メインコンテンツの再生後にサブコンテンツを再生するように関連付けられており、かつ、当該メインコンテンツを再生しているときに、次のコンテンツに進める指示が入力された場合、再生中のメインコンテンツに関連付けられているサブコンテンツではなく、コンテンツリストにおける次のメインコンテンツ又はサブコンテンツを再生することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、複数のコンテンツを関連付けて連続して再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置を示すブロック図である。
【図2】HDDに録音されたラジオ放送データの構成を示す図である。
【図3】コンテンツ情報DBを示す図である。
【図4】関連付けの設定処理画面を示す図である。
【図5】CPU1の関連付け処理を示すフローチャートである。
【図6】CPU1の曲リスト生成処理を示すフローチャートである。
【図7】曲リストを示す図である。
【図8】CPU1の再生処理を示すフローチャートである。
【図9】CPU1のスキップ処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0016】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置(以下、再生装置という。)100を示すブロック図である。再生装置100は、メインコンテンツに1又は複数のサブコンテンツを関連付けて管理し、メインコンテンツを再生する場合にメインコンテンツにサブコンテンツが関連付けられている場合には、メインコンテンツとメインコンテンツに関連付けられているサブコンテンツとを連続して再生する。コンテンツは、映像(画像)データ、及び/又は、音声(音楽、曲)データの総称であるが、本例では、曲ファイル(トラックともいう。)である。
【0017】
再生装置100は、CPU1、RAM2、ROM3、チューナ4、HDD等のコンテンツ記憶部5、DSP(Digital Signal Processor)等の再生部6、表示部7、及び、操作部8を備える。これらは、バスを介して互いに接続されている。また、再生部6には、図示しないスピーカーが接続されている。
【0018】
CPU1は、再生装置100全体を制御するものであり、ROM3またはHDD5に格納された動作プログラムをRAM2内に読み出して実行することにより、後述する各処理を実行する。
【0019】
HDD5には複数の曲ファイルが記録されている。これらの曲ファイルは、例えば、CDからリッピングした曲ファイルや、インターネット経由で外部サーバからダウンロードした曲ファイルや、ラジオ放送データを録音した曲ファイル等が含まれる。HDD5に記録されている曲ファイルは、CPU1の指示によって読み出され、再生部6によって再生処理(デコード処理、D/A変換、増幅処理等)が実行される。再生部6によって再生された音楽信号はスピーカーに供給され、音声が出力される。
【0020】
チューナ4は、例えば、複数の曲データを含むラジオ放送データを受信して、受信したラジオ放送データをHDD5に記録させる。CPU1は、HDD5に記録されたラジオ放送データを、ユーザ操作に応じて、複数の曲ファイル、及び、DJによる曲説明ファイルに分割して、HDD5に記録する。
【0021】
図2は、ラジオ放送データの内容を示す一例である。ラジオ放送データには、先頭から、不要データ、file2の曲の説明データであるfile1、曲データであるfile2、不要データ、曲ファイルであるfile3、file3の曲の説明データであるfile4、及び、不要データがこの順に含まれている。ユーザが、表示部7に表示された図2に示すラジオ放送データのタイムバーを見ながら、かつ、再生部6によって再生される音声を聞きながら、操作部8を操作し分割ポイントを指定することによって、CPU1は、file1〜file4の各ファイルに分割して、HDD5に記録する。このとき、不要データは削除される。なお、分割ポイントの指定は、ユーザ操作ではなく、ラジオ放送局から提供されるキューシートに基づいて自動的に実行されてもよい。
【0022】
CPU1は、分割したfile1〜file4について、ユーザ操作に応じて、関連付けの処理を実行する。関連付けとは、連続して再生する複数の曲ファイルを決定する処理である。CPU1は、関連付けの処理を実行した複数の曲ファイルについて、メイン曲ファイル(メインコンテンツ)を1つ決定し、残りの曲ファイルをサブ曲ファイル(サブコンテンツ)に決定する。また、CPU1は、サブ曲ファイルをメイン曲ファイルの前に再生するか、又は、後に再生するかについても決定する。
【0023】
CPU1は、曲ファイルを再生する際の再生モードとして、関連付モード、又は、通常モードに設定する。関連付モードは、メイン曲ファイルとメイン曲ファイルに関連付けられたサブ曲ファイルとを連続して再生するモードである。一方、通常モードは、メイン曲ファイルのみを再生し、メイン曲ファイルに関連付けられたサブ曲ファイルは再生しないモードである。
【0024】
例えば、メイン曲ファイルにラジオ放送データから分割した曲データであるfile2を選択し、サブ曲ファイルにラジオ放送データから分割したfile2の曲説明であるfile1を選択することにより、関連付モードでは、曲データであるfile2と、file2の曲説明であるfile1とを連続して再生することができ、通常モードでは、曲データであるfile2のみを再生することができる。
【0025】
メイン曲ファイル又はサブ曲ファイルには、ラジオ放送データから分割したファイルだけでなく、CDからリッピングした曲ファイルやインターネット経由でダウンロードした曲ファイルが選択されてもよい。
【0026】
HDD5には、図3に示すコンテンツ情報データベース(以下、コンテンツ情報DBという。)が格納されている。コンテンツ情報DBには、HDD5に記録されている全曲ファイルに関するコンテンツ情報、及び、関連付情報がインデックスに対応付けて格納されている。インデックスは、各曲ファイルがHDD5に記録された順番に付与された通し番号である。コンテンツ情報は、アーティスト名、アルバム名、トラック名等を含む。関連付情報は、prev、next、MAINの各属性を含む。
【0027】
prev又はnextにインデックスが登録されている曲ファイルは、他の曲ファイルと関連付けされている曲ファイルである。prev及びnextにインデックスが登録されていない曲ファイルは他の曲ファイルと関連付けされていない曲ファイルである。prevには、その曲ファイルに関連付けられており、その曲ファイルの前に連続的に再生される曲ファイルのインデックスが登録される。nextには、その曲ファイルに関連付けられており、その曲ファイルの後に連続的に再生される曲ファイルのインデックスが登録される。なお、インデックスの代わりにトラック名が登録されてもよい。
【0028】
MAINは、メイン曲ファイルであるかサブ曲ファイルであるかを示す属性であり、その曲ファイルが、関連付けられた複数の曲ファイルにおいてメイン曲ファイルである場合にTRUEが登録され、サブ曲ファイルである場合にFALSEが登録される。なお、他の曲ファイルと関連付けられていない曲ファイルは、メイン曲ファイルということができるので、MAINにTRUEが登録されている。
【0029】
図3の例では、file1(インデックス10)とfile2(インデックス11)とが関連付けられており、file2がメイン曲ファイル、file1がサブ曲ファイルである。また、インデックス10のnextにインデックス11が登録されており、インデックス11のprevにインデックス10が登録されているので、file1(インデックス10)、file2(インデックス11)の順に連続再生することを示している。また、file3(インデックス12)とfile4(インデックス13)とが関連付けられており、file3がメイン曲ファイル、file4がサブ曲ファイルである。また、インデックス12のnextにインデックス13が登録されており、インデックス13のprevにインデックス12が登録されているので、file3(インデックス12)、file4(インデックス13)の順に連続再生することを示している。
【0030】
図4は、file1〜file4の関連付けについて、表示部7に表示される操作画面である。上側に、元のラジオ放送データにおいてfile1〜file4が含まれていた位置を示したタイムバーが表示される。下側に、file1〜file4について関連付ける複数の曲ファイルを決定する入力画面が表示される。「check」は、関連付ける複数の曲ファイルを選択する入力ボックスであり、「main」は、メイン曲ファイルを選択する入力ボックスである。「順序」は、関連付けられた曲ファイル間の再生順序を示しており、「順序入替」ボタンを押下することにより、再生順序を変更することができる。なお、「順序」に表示される順番をプルダウンで選択するようにしてもよい。「実行」ボタンが選択されると、入力内容に基づいて複数の曲ファイルの関連付け処理が実行される。図4(a)は、file1とfile2とを関連付ける際の画面であり、図4(b)は、file3とfile4とを関連付ける際の画面である。
【0031】
以上の構成を有するコンテンツ再生装置100について、その動作を説明する。
[曲ファイルの関連付け処理]
図5は、CPU1による曲ファイルの関連付け処理を示すフローチャートである。CPU1は、ユーザ操作によって、図4の画面において、「check」、「main」が適切に入力されているか否かを判断する(S1)。2つ以上の曲ファイルに「check」が選択され、かつ、その内の1つの曲ファイルの「main」が選択されているときに適切に入力されていると判断され、そうでない場合に適切に入力されていないと判断される。
【0032】
適切に入力されたとき(S1でYES)、設定画面に実行ボタンが表示され、ユーザ操作によって実行ボタンが選択されたか否かを判断する(S2)。実行ボタンが選択されたとき(S2でYES)、CPU1は、設定画面に入力されている内容に基づいて、コンテンツ情報DBにおいて、選択された曲ファイルのprev、next及びMAINの各属性を登録し、関連付け処理を実行する。
【0033】
図4(a)の画面で実行が押された場合は、図3に示すように、file1(インデックス10)のnextにインデックス11が登録され、file2(インデックス11)のprevにインデックス10が登録され、file1のMAINにFALSEが登録され、file2のMAINにTRUEが登録される。これにより、メイン曲ファイルであるfile2にサブ曲ファイルであるfile1が関連付けられ、再生順序はfile1,file2の順になる。
【0034】
図4(b)の画面で実行が押された場合は、file3(インデックス12)のnextにインデックス13が登録され、file4(インデックス13)のprevにインデックス12が登録され、file3のMAINにTRUEが登録され、file4のMAINにFALSEが登録される。これにより、メイン曲ファイルであるfile3にサブ曲ファイルであるfile4が関連付けられ、再生順序はfile3,file4の順になる。
【0035】
[曲リスト生成処理]
図6は、CPU1による曲リストの生成処理を示すフローチャートである。図7は曲リストの一例を示す図である。曲リストは、連続再生する曲ファイルの順序を示すリストであり、number1から昇順に曲ファイルが連続再生される。曲リストは、numberに対応付けてアーティスト名、アルバム名、トラック名、prev、及び、nextを含む。例えば、アーティスト名でソートされた曲リストを生成する場合、図6に示すように、CPU1は、ユーザ操作によって所望のアーティスト名が選択されたか否かを判断する(S11)。
【0036】
アーティスト名が選択された場合(S11でYES)、CPU1は、コンテンツ情報DBのアーティスト名を検索して、アーティスト名が選択されたアーティスト名に一致し、かつ、MAINがTRUEである曲ファイル(メイン曲ファイル)を抽出する。つまり、アーティスト名が一致する場合でも、関連付けられているサブ曲ファイルは抽出されない。例えば、図3のコンテンツ情報DB、図7の曲リストの例では、file2,file3はメイン曲ファイルであるので抽出されるが、file1,file4はサブ曲ファイルであるので抽出されない。サブ曲ファイルは、関連付モードの時にメイン曲ファイルに付随して再生されるためである。CPU1は、抽出した曲ファイルについてアーティスト名、アルバム名及びトラック名をコンテンツ情報DBから読み出して曲リストに登録する(S12)。
【0037】
CPU1は、設定されている再生モードが関連付モードであるか否かを判断する(S13)。再生モードが通常モードの場合には(S13でNO)、曲リストの生成を完了する。すなわち、通常モードの場合には、曲リストのprev及びnextは不要であるので、何も登録されない。一方、再生モードが関連付モードである場合には(S13でYES)、CPU1は、S12で抽出した曲ファイルの中からprev又はnextが登録されている曲ファイル(つまり、サブ曲ファイルが関連付けられているメイン曲ファイル)を検索する(S14)。CPU1は、検索した曲ファイルのprev又はnextに登録されているインデックスに対応するトラック名をコンテンツ情報DBから読み出して、曲リストに登録する(S15)。図3のコンテンツ情報DB、図7の曲リストの例では、メイン曲ファイルであるnumber3のfile2のprevに、サブ曲ファイルであるfile1が登録され、メイン曲ファイルであるnumber11のfile3のnextに、サブ曲ファイルであるfile4が登録される。
【0038】
[通常モードでの再生処理]
再生モードが通常モードのときには、曲リストのnumberの順に曲ファイルが連続再生される。すなわち、メイン曲ファイルのみが再生され、メイン曲ファイルに関連付けられているサブ曲ファイルは再生されない。図7の曲リストの場合、メイン曲ファイルであるfile2、file3は再生されるが、file2に関連付けられたサブ曲ファイルであるfile1や、file3に関連付けられたサブ曲ファイルであるfile4は再生されない。
【0039】
[関連付モードでの再生処理]
図8は、CPU1による関連付モードでの再生処理を示すフローチャートである。CPU1は、図7の曲リストにおいてnumber1の曲ファイルを再生曲ファイルとして選択する(S21)。CPU1は、選択されたメイン曲ファイルにサブ曲ファイルが関連付けられているか否かを判断し、関連付けられている場合には、サブ曲ファイルと共に選択された曲ファイルを連続再生する。
【0040】
まず、CPU1は、選択されたメイン曲ファイルのprevにサブ曲ファイルの登録があるか否かを、曲リストを参照して判断する(S22)。number1のメイン曲ファイルaaaはprevに登録がないので(S22でNO)、S24に進む。CPU1は、選択されたnumber1のメイン曲ファイルaaaを再生部に再生させる(S24)。選択されたnumber1のメイン曲ファイルaaaを再生終了したとき、CPU1は、選択されたメイン曲ファイルのnextにサブ曲ファイルの登録があるか否かを、曲リストを参照して判断する(S25)。number1のメイン曲ファイルaaaはnextに登録がないので(S25でNO)、S27に進む。S27では、CPU1は、numberを1増加させて(すなわち、曲リストの次のメイン曲ファイルを選択して)、S22に戻る。すなわち、曲リスト内の全曲ファイルについて、S22〜S26の処理を繰り返して、曲ファイルを連続再生する。
【0041】
number3のメイン曲ファイルfile2について、CPU1は、S22で、number3のメイン曲ファイルfile2のprevにサブ曲ファイルの登録があると判断する(S22でYES)。すなわち、メイン曲ファイルfile2にサブ曲ファイルであるfile1が関連付けられており、かつ、file2よりも前に再生すべきであると判断される。従って、CPU1は、prevに登録されているサブ曲ファイルfile1を再生部に再生させる(S23)。サブ曲ファイルfile1を再生終了したとき、CPU1は、number3のメイン曲ファイルfile2を再生部に再生させる(S24)。メイン曲ファイルfile2を再生終了したとき、CPU1は、S25で、number3のメイン曲ファイルfile2のnextにサブ曲ファイルの登録がないと判断する(S25でNO)。
【0042】
number11のメイン曲ファイルfile3について、CPU1は、S22で、number11のメイン曲ファイルfile3のprevにサブ曲ファイルの登録がないと判断する(S22でNO)。CPU1は、number11のメイン曲ファイルfile3を再生部に再生させる(S24)。曲ファイルfile3を再生終了したとき、CPU1は、S25で、number11のメイン曲ファイルfile3のnextにサブ曲ファイルの登録があると判断する(S25でYES)。すなわち、メイン曲ファイルfile3にサブ曲ファイルであるfile4が関連付けられており、かつ、file3よりも後に再生すべきであると判断される。従って、CPU1は、nextに登録されているサブ曲ファイルfile4を再生部に再生させる(S26)。
【0043】
以上のように、曲リストから選択されたメイン曲ファイルにサブ曲ファイルが関連付けられている場合には、選択されたメイン曲ファイルと、それに関連付けられているサブ曲ファイルとを連続的に再生することができる。しかも、コンテンツ情報DBに登録されている順番でこれらの関連付けられた曲ファイルを連続再生することができる。
【0044】
[関連付モードでのスキップ処理]
図9に示すように、CPU1は、ユーザ操作によってスキップ指示が入力されたか否かを判断する(S31、S33)。スキップUP指示が入力された場合(S31でYES)、CPU1は、図7の曲リストにおけるnumberを1増加して(S32)、図8のS22へと進む。例えば、nuber3のメイン曲ファイルfile2のprevに登録されたサブ曲ファイルであるfile1を再生しているときに、スキップUP指示が入力されたとき、再生すべき曲ファイルをnumber3のメイン曲ファイルfile2へと進めるのではなく、number4のメイン曲ファイルcccへと進める。つまり、スキップUP指示が入力された場合、関連付けられている複数の曲ファイルを全てスキップUPして、直後のnumberのメイン曲ファイル(又はそれに対応付けられているサブ曲ファイル)を再生する。
【0045】
スキップDOWN指示が入力された場合(S31でNO,S33でYES)、CPU1は、図7の曲リストにおけるnumberを1減少して(S34)、図8のS22へと進む。例えば、nuber11のメイン曲ファイルfile3のnextに登録されているサブ曲ファイルfile4を再生しているときに、スキップDOWN指示が入力されたとき、再生すべき曲ファイルをnumber11のメイン曲ファイルfile3へと戻すのではなく、number10のメイン曲ファイルiiiへと戻す。つまり、スキップDOWN指示が入力された場合、関連付けられている複数の曲ファイルを全てスキップDOWNして、直前のnumberのメイン曲ファイル(又はそれに対応付けられているサブ曲ファイル)を再生する。
【0046】
また、図示しないが、ユーザ操作によってシャッフル指示が入力された場合、CPU1は、図7の曲リストにおいてnumberをシャッフルして曲リストを生成し直し、任意のnumberの曲ファイルから再生を開始する。曲リストのシャッフル後においても、prevやnext等のメイン曲ファイルに関連付けられているサブ曲ファイルは、メイン曲ファイルと同じnumberが付与され、メイン曲ファイルに関連付けられたままである。従って、prev及びnext等のメイン曲ファイルに関連付けられているサブ曲ファイルが、曲リスト内においてメイン曲ファイルと分離して再生されることはない。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。再生装置100は、HDD5を内蔵していなくてもよく、外部から挿入されるメモリカードに記録されたコンテンツを再生するもの、又は、ネットワーク経由でサーバからストリーミング形式で取得したコンテンツを再生するものでもよい。メイン曲ファイルのprev及びnextの両方にサブ曲ファイルが関連付けられてもよく、prevに複数のサブ曲ファイルが関連付けられてもよく、nextに複数のサブ曲ファイルが関連付けられてもよい。本発明は、上記のコンテンツ再生装置を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明はHDDレコーダやPCアプリケーション等に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0049】
100 コンテンツ再生装置
1 CPU
2 RAM
3 ROM
4 チューナ
5 HDD
6 再生部
7 表示部
8 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツの中から選択されたメインコンテンツに対して、1又は複数のサブコンテンツを関連付けて管理する関連付手段と、
前記メインコンテンツを再生する際に、前記メインコンテンツに前記サブコンテンツが関連付けられているか否かを判断する関連付判断手段と、
前記メインコンテンツに前記サブコンテンツが関連付けられていると判断された場合、前記メインコンテンツと前記メインコンテンツに関連付けられている前記サブコンテンツとを連続的に再生し、前記メインコンテンツに前記サブコンテンツが関連付けられていないと判断された場合、前記メインコンテンツのみを再生する再生手段とを備える、コンテンツ再生装置。
【請求項2】
再生モードとして関連付モード又は通常モードに設定可能なモード設定手段と、
設定されている再生モードが関連付モード又は通常モードのいずれであるかを判断するモード判断手段とをさらに備え、
設定されている再生モードが関連付モードであると判断されたとき、前記再生手段が、前記メインコンテンツに前記サブコンテンツが関連付けられていると判断された場合、前記メインコンテンツと前記メインコンテンツに関連付けられている前記サブコンテンツとを連続的に再生し、前記メインコンテンツに前記サブコンテンツが関連付けられていないと判断された場合、前記メインコンテンツのみを再生し、
設定されている再生モードが通常モードであると判断されたとき、前記再生手段が、前記メインコンテンツに前記サブコンテンツが関連付けられているか否かに関わらず、前記メインコンテンツのみを再生する、請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記関連付手段が、前記サブコンテンツを前記メインコンテンツの前に再生するか、又は、前記メインコンテンツの後に再生するかの情報を管理し、
前記再生手段が、前記メインコンテンツの前に再生すると管理されている前記サブコンテンツを、前記メインコンテンツを再生する前に再生し、前記メインコンテンツの後に再生すると管理されている前記サブコンテンツを、前記メインコンテンツを再生した後に再生する、請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
再生すべきコンテンツを次のコンテンツに進める指示が入力された場合、前記再生手段が、現在再生中の前記メインコンテンツ又は前記サブコンテンツと、それに関連付けられている前記サブコンテンツ又は前記メインコンテンツの全てを再生せずに、コンテンツリストにおいて、次の前記メインコンテンツ又は前記サブコンテンツを再生する、請求項3に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ再生装置の各手段をコンピュータに実行させる、コンテンツ再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−244618(P2010−244618A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92379(P2009−92379)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】